特許第5774632号(P5774632)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5774632シート満杯検知装置、シート積載装置および消去装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774632
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】シート満杯検知装置、シート積載装置および消去装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/26 20060101AFI20150820BHJP
   B65H 31/08 20060101ALI20150820BHJP
   B65H 31/32 20060101ALI20150820BHJP
   B65H 43/06 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   B65H31/26
   B65H31/08
   B65H31/32
   B65H43/06
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-88937(P2013-88937)
(22)【出願日】2013年4月19日
(65)【公開番号】特開2014-210661(P2014-210661A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2014年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(72)【発明者】
【氏名】増田 禎宏
(72)【発明者】
【氏名】安井 計政
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−014435(JP,A)
【文献】 実開昭61−072533(JP,U)
【文献】 特開2012−111636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00 − 31/40
B65H 7/00 − 7/20
B65H 43/00 − 43/08
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能な可動体が先端部で保持する搬送ローラによってシートを積載エリアに搬送し順次積載する装置に設けられ、積載されるシートの満杯を検知するシート満杯検知装置であって、
前記可動体に設けられたカム部材上に先端部が載置され、前記可動体がシート搬送のために昇降する回動動作に追従して、前記先端部が前記カム部材上をトレースしながら回動するレバー部材と、
前記レバー部材がシートの満杯位置まで回動すると、満杯検知信号を出力するセンサ部と、
を有するシート満杯検知装置。
【請求項2】
前記可動体は、第1の支軸を支点として回動
前記レバー部材は、前記第1の支軸と同軸または異なる第2の支軸を支点として回動することを特徴とする請求項1に記載のシート満杯検知装置。
【請求項3】
前記可動体は、所定の退避位置に前記レバー部材と共に一体的に移動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のシート満杯検知装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のシート満杯検知装置と、
前記可動体を自重で下降させ、ばね力で上昇させる昇降駆動機構と、
前記可動体が退避位置に達すると、前記可動体と繋がる共に、前記可動体の移動を阻止するストッパー部と、
を有するシート積載装置。
【請求項5】
消去可能な色材で印字された画像を消去する消去部と、
前記消去部で消去されたシートを搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送されたシートが搬送される請求項4に記載のシート積載装置と、
を有する消去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、搬送されてきたシートをカセットなどの所定のシート収容部に積載する際に、シートの満杯を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送されてきたシートをカセット等のシート収容部に積載する装置として、例えば画像消去装置がある(特許文献1)。
【0003】
このような画像消去装置は、画像消去済みのシートを例えばシートカセットに搬送し積載するため、シートカセットに積載されたシートが満杯になったことを検知するシート満杯検知装置が必要となる。
【0004】
ところで、このようなシート満杯検知装置は、その配置位置および構造等によっては搬送される用紙と干渉するおそれがあり、また、シートカセットを取り出す際にシートカセットとの干渉を避けなければならない。さらに、高精度のシート満杯検知ができれば、排紙動作を中断することなく一度に多数枚のシートを搬送することができる。
【0005】
一方、このようなシート満杯検知装置は、多くの部品が配置される部品集積密度の高い箇所に配置されることから、部品の組み付け、交換等を考慮した配置や構成が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−184202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高精度の満杯検知ができ、組み立てや保守点検を容易とするシート満杯検知装置およびこのシート満杯検知装置を備えたシート積載装置、および消去装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この明細書に記載の実施形態は、回動可能な可動体が先端部で保持する搬送ローラによってシートを積載エリアに搬送し、順次積載する装置に設けられ、積載されるシートの満杯を検知するシート満杯検知装置である。
【0009】
このシート満杯検知装置は、前記可動体に設けられたカム部材上に先端部が載置され、前記可動体がシート搬送のために昇降する回動動作に追従して、前記先端部が前記カム部材上をトレースしながら回動するレバー部材と、前記レバー部材がシートの満杯位置まで回動すると、満杯検知信号を出力するセンサ部と、を有する。
【0010】
また、この明細書に記載の実施形態のシート積載装置は、上記のシート満杯検知装置と、前記可動体を自重で下降させ、ばね力で上昇させる昇降駆動機構と、前記可動体が退避位置に達すると、前記可動体と繋がる共に、前記可動体の移動を阻止するストッパー部と、を有する。
【0011】
さらに、この明細書に記載の実施形態の消去装置は、消去可能な色材で印字された画像を消去する消去部と、前記消去部で消去されたシートを搬送する搬送部と、 前記搬送部で搬送されたシートが搬送される上記のシート積載装置と、
を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の消去装置の概略正面図。
図2図1のリユース用紙収容カセットおよび整合(搬送)ローラユニットの概略構成を示す正面図。
図3図2の整合(搬送)ローラユニットに満杯検知機構を備えた構成を示す正面図。
図4図1の消去装置の動作制御を行なう制御部の制御ブロック図。
図5図3に示す満杯検知機構の正面図。
図6】満杯検知機構の検知状態がシート満杯ではない場合を示す図。
図7】満杯検知機構の検知状態がシート満杯の場合を示す図。
図8】整合(搬送)ローラユニットが退避位置に上がった状態を示す図。
図9図6に対応する整合ローラユニットの斜視図。
図10図8に対応する整合(搬送)ローラユニットの斜視図。
図11】整合(搬送)ローラユニットを昇降動作のために回動させる回動駆動部の斜視図を示し、整合ローラユニットを上昇させる方向に回動する状態を示す。
図12】整合(搬送)ローラユニットを昇降動作のために回動させる回動駆動部の斜視図を示し、整合(搬送)ローラユニットを下降させる方向に回動する状態を示す。
図13】整合(搬送)ローラユニットとストッパーとの関係を示す上面図。
図14図13の斜視図。
図15】整合(搬送)ローラユニットとストッパーとの関係を示す斜視図で、整合(搬送)ローラユニットが下降して用紙を整合するために用紙を搬送する状態を示す図。
図16】整合(搬送)ローラユニットとストッパーとの関係を示す斜視図で、整合ローラユニットが退避位置まで上昇した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0014】
図1は実施形態の消去装置の概略図、図2図1のリユース用紙収容カセットおよび整合ローラユニットの概略構成を示す正面図、図3図2の整合ローラユニットに満杯検知機構を備えた構成を示す正面図、図4図1の消去装置の動作制御を行なう制御部の制御ブロック図である。
【0015】
図1において、消色装置101は、給紙部10、消色部20、搬送部40、消去装置の全体を制御する図4に示す構成の制御部50、および図2図3に示す構成の排紙部60、を少なくとも有する。排紙部60には、シート満杯検知部70を有する。
【0016】
消色装置101は、用紙(シート)上の画像の色を消すであって、消去可能な色材で画像が印字されたシートに例えば加熱処理を施して、シート上の画像(色材)の色を消す消色部を有する。消色可能トナーや消色可能インク等の消色可能色材(消去可能色材)は、呈色性化合物、顕色剤、消色剤を含む。呈色性化合物は、例えばロイコ染料が挙げられる。顕色剤は、例えばフェノール類が挙げられる。消色剤は、加熱されると呈色性化合物と相溶し、顕色剤と親和性を有さない物質が挙げられる。消色可能な色材は、呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色し、消色温度以上の加熱により呈色性化合物と顕色剤との相互作用が絶たれるため消色する。
【0017】
給紙部10は、消色前のシートを受け付ける(シートがセットされる)消色前シート保持部(以下、給紙カセットと称す)11、給紙カセット11が保持する消色前シートを後述する消色部20へ案内する搬送路41(搬送部40)および搬送路41による消色前シートの搬送(移動)を可能とする推進力(搬送力)を消色前シートに与える給紙ローラ12、搬送ローラ13および搬送ローラ14を、少なくとも有する。
【0018】
搬送路41は、後述の読取部30と一部が共通の搬送路42(搬送部40)と接続する。
【0019】
搬送路42(搬送部40)は、消色部20へ案内する消色前シートもしくは消色部20において画像の色が消去(発色している色材を消去)され、消色後のシート(以下、消色済みシートと称す)を消色シート保持部(以下、排紙部と称する)60へ案内する。搬送路42は、搬送路42によるシートの搬送を可能とする推進力を、消色前シートおよび消色済みシートのそれぞれに与える搬送ローラ33および34を有する。
【0020】
消色部20は、後述の読取部30による読取結果に基づいて、加熱部21に向けて消色前シートを搬送路42から分岐する分岐器22、分岐器22が分岐した消色前シートを加熱部21に案内する搬送路47(搬送部40)および消色前シートを加熱部21に搬送可能とする推進力を消色前シートに与える搬送ローラ23〜25、加熱部21による消色後の消色済みシートを搬送路42へ案内する搬送ローラ26〜28を有する。加熱部21は、例えば回転中心を規定する軸線が実質的に平行になるように配置された2本のローラの間、もしくは1本のローラとエンドレスベルトが規定するニップ領域を通るシートに所定温度以上の消色温度(熱)を与え、消色性色材の画像を消色する。
【0021】
読取部30は、搬送路42を通るシートが消色前シートであることを検出する第1および第2の画像センサ31、32を有する。第1および第2の画像センサ31,32は、搬送路42を通るシートの両面の画像を読み取る。制御部50は読み取った画像情報に基づいて画像の有無等を判定する。
【0022】
搬送路42は分岐器22が分岐する消色済みシートを排紙部60へ案内する搬送路43と接続する。
【0023】
搬送路43(搬送部40)は、排紙分岐器16および搬送ローラ15を有し、分岐器22が分岐する消色済みシートを排紙部60の第1消色済みシート保持部(以下、リユース用紙カセットと称す)61または第2消色済みシート保持部(以下、ストッカーと称す)62のいずれかへ案内する。リユース用紙カセット61が収容する消色済みシートは、搬送ローラ63および搬送路44(搬送部40)が案内する。ストッカー62が収容する消色済み等のシートは、搬送ローラ63〜65および搬送部40をなす搬送路45,46が案内する。
【0024】
なお、搬送路42に対してシートを供給可能な所定の位置、例えば給紙カセット11が供給するシートを搬送する搬送路41あるいは加熱部21による消色後の消色済みシートを搬送路42へ搬送する搬送路47の搬送路42に対して上流となる位置には、給紙カセット11を経由することなく消色前シートを加熱部21すなわち消色部20へ供給する手差し給紙部17および搬送ローラ18を含む手差し搬送路48が接続する。
【0025】
制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit、主制御装置)51、ROM(Read Only Memory、読出し専用メモリ)52、RAM(Random Access Memory、書き換え可能メモリ)53、入出力(I/O)ポート54、操作部55、排出モータ駆動部(ドライバ)56、搬送路切換制御部(分岐器駆動部)57、温度制御部58および電源部59等を有する。
【0026】
CPU51は、ROM52が保持する動作プログラムに従い、各部の動作を制御する。ROM52は、加熱部21を動作するための動作プログラム、第1、第2画像センサ31,32による検出結果との比較に用いる参照値等を保持するRAM53は、I/Oポート54を通じて入力する、例えば第1、第2画像センサ31,32による検出結果、I/Oポート54を通じて入力する各搬送路41〜48の所定位置に用意されるジャムセンサからの入力の受付、操作部55による指示入力(操作情報)に従う処理ルーチンの実行時の一時的なデータの保持等を受け持つ。I/Oポート54は、例えば第1、第2画像センサ31,32からの検出結果をCPU51が処理可能な形式に変換し、操作部55からの指示入力をCPU51が処理可能に変換し、排紙部60が含む様々な要素、例えばモータや分岐器への制御指示、シート満杯検知部70が検出するシート満杯検知信号の受け取りに寄与し、また整合(搬送)ローラユニットの回動駆動部の駆動モータへの駆動指示に寄与する。
【0027】
操作部55は、例えばユーザからの制御指示の入力を受け付け、動制御指示に対応する制御コマンドをCPU51が読み取り可能に出力する。
【0028】
排紙部60は、搬送部43を経由した消色済みシートを分岐器16を通じてリユース用紙カセット(第1消色済みシート保持部)61またはストッカー(第2消色済みシート保持部)62のいずれかへ案内する。
【0029】
リユース用紙カセット61は、図2に示すように、ハウジング161、積載トレイ162、積載トレイ162を支持する支点163等を有し、例えば積載トレイ162が保持するシートの積載方向と直交する方向(図中、紙面の表裏方向)に移動可能で、排紙部60(消色装置101)から取り外し可能となっている。
【0030】
積載トレイ162は、用紙台162aと、用紙台162aとのなす角が一定の所定の方向、例えば直交する方向に延びるストッパー162を有する。用紙台162aのストッパー162bから遠い側(シート入力側)は、ハウジング161との間に位置するばね部材162c等により上部(シート入力側)に付勢される。
【0031】
積載トレイ162は、ハウジング161と支点163で接続し、支点163は積載トレイ162のストッパー162bの一端であって、用紙台162aから離れた側かつシート搬送される側(シート入力端側)から遠い位置に位置する。リユース用紙カセット61が排紙部60の動作位置にセットされた状態で、ハウジング161内の所定位置に、整合(搬送)ローラ111と整合(搬送)抑え板165が位置する。
【0032】
搬送ローラ111は、搬送ローラユニット110の回動先端部に配置され、積載トレイ162の用紙台162aを移動するシートを搬送方向に搬送する。搬送ローラユニット110は、搬送ローラユニット支軸112を支点として回動可能に取り付けられ、図11図12に示す後述の搬送ローラユニット回動駆動部80により上昇、下降方向に回動される。また、搬送抑え板165も、不図示の回動駆動機構により搬送ローラユニット110と同様のタイミングで昇降動作する。なお、搬送ローラユニット支軸112の長手方向を前後方向とすると、搬送ローラユニット支軸112と直交する方向をシート搬送方向とする。
【0033】
図5図9に示すように、搬送ローラユニット110は、搬送ローラユニット支軸112に回転自在に取り付けられた例えば平面矩形形状の可動体113を有し、可動体113に回転支軸114を介して搬送ローラ111が回転可能に取り付けられている。可動体113は搬送ローラユニット回動駆動部80により、上昇方向へは強制的に回動駆動され、下降方向へばね力に抗して自重により下がる。したがって、積載トレイ162上に積載されているシートの最上位置に搬送ローラ111が接すると、可動体113の下降は停止し、排紙ローラ63から搬送されたシートをリユース用紙カセット61の奥まで送り込む。そして、その後搬送ローラユニット回動駆動部80の上昇方向への駆動が開始され、可動体113が所定の退避位置まで上昇する。
【0034】
この退避位置から自重で可動体113が積載されたシートの最上位置まで下降し、シートを搬送し、再び可動体113を上昇させる一連の動作を排紙ローラ63で排紙されるシート毎に行なう。この排紙ローラ63によりリユース用紙カセット61内へシートを搬送し積載させると、カセットの収容枚数にも限度があるため、シート満杯検知部70を設けている。シート満杯検知部70を構成するシート満杯検知センサとしては、反射センサによる直接読み取り、透過式センサによるアクチュエータ式等の方式があるが、本実施形態では安価なアクチュエータ方式を用いている。
【0035】
本実施形態において、シートの積載枚数の増加に伴って可動体113の下降位置での傾斜角度が変化することを利用してシートの満杯を検知するシート満杯検知部70を構成している。
【0036】
シート満杯検知部70の検知センサは、上述のように、透過式センサによるアクチュエータ方式を用いている。
【0037】
シート満杯検知部70は、前後方向を軸方向とする回転支軸71を支点として回動する検知レバー部材72と、検知レバー部材72と一体に回動し、回動支軸71の周りを回動する扇形状の遮光部材73とを備えた作動部と、離隔対向配置する投受光部間に配置され遮光部材73の回動位置によって受光部がオン、オフする透過式センサ部74とを有する。
【0038】
シート満杯検知部70は、搬送ローラユニット110と同様に下降位置と上昇位置を有し、リユース用紙カセット61内にシートが積載されていない図6に示す場合には、遮光部材73がセンサ部74の投受光軸線から外れた位置にあり、センサ部74はオン信号を出力する。またリユース用紙カセット61に積載されるシートが増え、満杯状態になると、図7に示すように、遮光部材73がセンサ部74の投受光軸線を遮る位置にあり、センサ部74はオフ信号を出力する。
【0039】
シート満杯検知部70の回転支軸71と、搬送ローラユニット支軸112を共通の同軸としても良いが、本実施形態では別軸としている。本実施形態では、回転支軸71を搬送ローラユニット支軸112よりもシート搬送方向下流側でかつ、上方に配置している。また、検知レバー部材72の長さを搬送ローラユニット110の可動体113のシート搬送方向長さよりも短くしている。
【0040】
本実施形態において、可動体113の前後方向の前側には、シート搬送方向に沿ってカム部115が設けられ、検知レバー部材72の先端をカム部115に上方から当接させている。したがって、搬送ローラユニット110の上昇、下降動作に追従して検知レバー部材72も上昇、下降動作を行う。その際、カム部115のカム軌跡によって、搬送ローラユニット110の回転角度(動作角)よりも検知レバー部材72の回転角度(動作角)を広くすることができる。このため、シート満杯検知部70の感度を高くすることができる。特に、カム部115のカム軌跡により、満杯位置に近い領域での感度を高くすることが任意に行える。
【0041】
ここで、検知レバー部材72が搬送ローラユニット110に単に乗っかているだけであり、検知レバー部材72がカム部115に摺動し、検知レバー部材72とカム部115の摺動面が摩耗するおそれがあるため、これらの摺動部に、POM等の摺動材料を用いることが望ましい。
【0042】
また、シート満杯検知部70のセンサ部74は、回転支軸71の近辺の方がセンサのレイアウトもしやすいが、遮光部材73との取り付け位置との関係により、任意に設定することができる。また、遮光部材73も搬送されるシートがカールしている際に、このカール部分と干渉しない位置に配置することができる。
【0043】
シート満杯検知部70は、リユース用紙カセット61に積載されるシートに検知レバー部材72が直接接触せず、搬送ローラユニット110に追従して昇降動作する構成とし、重量のある搬送ローラユニット110がシートの積載高さを検知する状態となり、シートのカールなどの影響を受け難くなり、満杯検知のかかる枚数(高さ)も安定する。
【0044】
シート満杯検知部70は、搬送ローラユニット110が図6に示す最大下降位置から、図8に示す上昇位置である退避位置まで上昇、下降するのに追従して同様に上昇、降下する。図6および図9に示す状態では、シートの積載量が満杯ではないため、遮光部材73はセンサ部74の投受光軸線を遮っていない。次に、図7および図10に示す状態では、シート積載量が満杯であるため、遮光部材73はセンサ部74の投受光軸線を遮る。ここで、図6の状態から図7の状態に回動した搬送ローラユニット110の動作角よりも、検知レバー部材72の動作角の方が大きい。そして、リユース用紙カセット61を引き出すために、図8に示すように、搬送ローラユニット110をさらに上昇させ、略水平位置の退避位置で停止させる。この退避位置では、シート満杯検知部70の検知レバー部材72が可動体113内に存在するため、引き出されるリユース用紙カセット61と引き出し時に干渉することがない。
【0045】
また、搬送ローラユニット110の組み付けあるいは交換作業等の際に、搬送ローラユニット110に対してシート満杯検知部70は、検知レバー部材72がカム部115に単に乗っているだけの構造であるため、シート満杯検知部70に関係なく作業を行うことができる。また逆の場合も同様である。
【0046】
次に、搬送ローラユニット回動駆動部80の構成を図11および図12を参照して説明する。
【0047】
搬送ローラユニット回動駆動部(以下、回動駆動部と略す)80は、不図示の装置本体に固定された搬送ローラユニット支軸(以下、ユニット支軸と略す)112に対して回転自在に取り付けられた搬送ローラユニット110の可動体111と、直線駆動機構部81とを一方向係合クラッチ83により連結した構成である。
【0048】
一方向係合クラッチ83は、ユニット支軸112に回転自在に装着された第1クラッチ182と、可動体111の軸方向後端部側に一体に設けられ、第1クラッチ182と係合する棒状(爪状)の第2クラッチ183により構成している。図11に示す状態において、第1クラッチ182は反時計回り方向への回動で第2クラッチ183と係合し、可動体111をユニット支軸112の回りに反時計方向に回動させる。すなわち、可動体111を上昇方向へ回動させる。
【0049】
一方、図11において、第1クラッチ182を時計回り方向に回動させると、第2クラッチ183との係合が解除され、可動体111は時計回り方向へ自由に回動可能となる。すなわち、本実施形態では、可動体111が自重で下降方向へ回動する。
【0050】
直線駆動機構部81は、第1クラッチ182に反時計回り方向の回動と、反時計回り方向の回動を伝達する。直線駆動機構部81は、シート搬送方向に沿って直線往復移動可能なスライダ184と、スライダ184の一端に設けたフック部185に一端が引っ掛けられ、スライダ184を図11中左側にばね付勢する不図示の引っ張りばねと、スライダ184から前後方向に沿って支出され、第1クラッチ182の凹溝部186に回転自在に収容された円柱形状のスタッド(連結ピン)187を有する。
【0051】
スライダ184は、前記引っ張りばねのばね力により、シート搬送方向の上流側(図中左側)に向けて移動力が付与されるので、第1クラッチ182は連結ピン187を介して反時計回り方向の回動力を第2クラッチ183に伝達する。そして、第2クラッチ183は前記引っ張りばねのばね力により可動体111を上昇回動させる。
【0052】
また、第1クラッチ182は、第2クラッチ183との係合により可動体111が自身の重力により時計回り方向へ回転する回転モーメントのストッパーとして機能している。このため、図12に示すように、スライダ184を前記引っ張りばねのばね力に抗してシート搬送方向下流側(図11中右側)にスライドさせ、第1クラッチ182と第2クラッチ183との係合が解除されると、可動体111が自身の重力により時計回り方向、すなわち可動体111を下降方向へ自重で落下させる。なお、連結ピン187は、スライダ184の直線運動を第1クラッチ182の回転運動に変換するため、径方向への移動の自由度を有して凹溝部186に配置されている。
【0053】
本実施形態において、スライダ184は、前後方向に突出するカム係合板部188を有し、前後方向に延びる駆動軸189に連結されたカム回転板190に前記引っ張りばねのばね力によりカム係合板部188が当接している。なお、スライダ184には、駆動軸189が貫通し、シート搬送方向に移動しても駆動軸189と干渉しないサイズの長孔部191が形成されている。
【0054】
回転カム板190は、駆動軸189に連結される不図示の駆動モータにより回転駆動される。図11に示す退避状態では、回転カム板190のカム高さが最も低い第1カム部190aがカム係合板部188に当接し、前記引っ張りばねのばね力によりスライダ184がシート搬送方向の最も上流側の位置までスライドしている。
【0055】
また、図12に示す搬送ローラユニット110の最大下降位置では、回転カム板190のカム高さが最も高い第2カム部190bがカム係合板部188に当接している。なお、回転カム板190のカム位置は、センサ192により検出し、リユース用紙カセット61の取り出しの際に、退避位置に搬送ローラユニット110を移動させる。また、カム高さが中間の第3カム部190cを待機位置とし、この待機位置で次のシート搬送を待つようにするようにしても良い。
【0056】
一方、可動体111には、搬送ローラ111に加え、上方に向けて突出する板状の突板部201が取り付けられており、この突板部201はシート搬送方向下流側に向いた後端面201aが曲面に形成されている。
【0057】
本実施形態において、上述のように、搬送ローラユニット110が上昇する際には、前記引っ張りばねのばね力を利用するため、所定の上昇位置に搬送ローラユニット110がバウンドして停止することが考えられる。
【0058】
また、搬送ローラユニット110は上昇置と下降位置2つの位置を持っているが、これらの位置を切り替えるのは図示しないモータであったり、自重であったりするが、用紙搬送に合わせた速度で動かすため、振動が出てしまい、時には搬送ローラ111の用紙搬送量に影響を与える場合がある。
【0059】
図13図16に示すように、本実施形態では、排紙部60のカセット収容部の天面部に配置されている、搬送ローラユニット110との干渉を避けて強度を補強するため等の天板202を利用して、この天板部202のシート搬送方向上流側に、シート搬送方向の上流側に向けて水平に突出するストッパー突起部203を突出させ、搬送ローラユニット110が所定の上昇位置に達した位置で、搬送ローラユニット110の一部がストッパー突起部203に当接可能としている。
【0060】
搬送ローラユニット110の突板部201は、ストッパー突起部203と干渉しない位置に設けられているため、搬送ローラユニット110が上昇回動時に搬送ローラユニット110の一部がストッパー突起部203に当接し、搬送ローラユニット110の振動が抑えられる。
【0061】
図13は、搬送ローラユニット110が下降した状態での上面図、図14はその斜視図を示しており、ストッパー突起部203と突板部201の後端面201aとの間にはシート搬送方向において隙間がある。さらに、図15に示すシート搬送状態においても、ストッパー突起部203と突板部201の後端面201aとの間にはシート搬送方向において隙間がある。
【0062】
搬送ローラユニット110が上昇し、搬送ローラユニット110が待機位置に達すると、図16に示すように、搬送ローラユニット110の一部とストッパー突起部203はシート搬送方向において干渉し、前後方向において当接可能となる。
【0063】
この待機位置の状態で、天板部202と搬送ローラユニット110の可動体111との間に形成される隙間204は、搬送ローラユニット110の一部とストッパー突起部203とのシート搬送方向の干渉(重なり)により前後方向において区切られている。このため、リユース用紙カセット61内に積載されているカールしているシートがこの隙間204内に入り込むことが防止される。
【0064】
したがって、搬送ローラユニット110の離間時の振動を抑え、搬送ローラユニット110の動作を安定させ、強いては搬送ローラ111の搬送量の確保にもつながる。また、ストッパー突起部203に緩衝材などを貼ることで離間時の搬送ローラユニット110とストッパー突起部203の衝突音も低減できる。
【0065】
さらには、万が一、搬送してカセット内に収納していたシートがリユース用紙カセット61内でカール等により暴れた場合にも、ストッパー突起部203の周囲を可動体111側の部材によりくし歯形状にカバーしておけば次に搬送されてきたシートが誤って隙間204内を通過することを確実に防止でき、シートのジャム発生を防ぐことができる。
【0066】
また、可動体111が支軸112を支点として回動すること、および隙間204を形成することを考慮して、可動体111の外形形状を、例えば扇のような形状として隙間204をできるだけ狭くし、搬送ローラユニット110の動作範囲内でどんな状態でも隙間204にシートが入り込むのを防止するようにしても良い。
【0067】
なお、上記した実施形態は、消去装置にシート満杯検知装置を設けた例について説明したが、これに限定されるものではなく、搬送されるシートを積載する装置に対して適用することができる。
【0068】
本実施形態は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施できる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【0069】
また、上記した実施形態の説明では、消色処理は画像の色を消すと記述しているが、画像を消去する意味を含んで良い。すなわち、本実施形態に記載の消色装置は、熱により画像の色を消す装置に限定されるものではなく、例えば、光の照射によってシート上の画像の色を消す装置でも、特殊シートに形成された画像の色を消す装置であっても良い。あるいは、消色装置は、シート上の画像を除去(消去)する装置であっても良い。消色装置は、シートを再利用可能にするために、シート上の画像を見えなくする構成であれば良い。
【符号の説明】
【0070】
60 排紙部
61 リユース用紙カセット
70 シート満杯検知部
80 整合(搬送)ローラユニット回動駆動部
110 整合(搬送)ローラユニット
111 搬送ローラ
112 搬送ローラユニット支軸
113 可動体
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