(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774671
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】AM放送信号における振幅変調(AM)ノイズを低減するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/10 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
H04B1/10 L
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-262286(P2013-262286)
(22)【出願日】2013年12月19日
(65)【公開番号】特開2014-123948(P2014-123948A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2013年12月20日
(31)【優先権主張番号】13/721,396
(32)【優先日】2012年12月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170715
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 和道
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ エイチ クオ
【審査官】
小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−174645(JP,A)
【文献】
特開2009−122068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送アンテナから受信アンテナに伝わる間に、振幅変調(AM)放送信号に加わったノイズ信号を低減するためのコンピュータ作動方法であって、
前記受信アンテナにより、前記ノイズ信号によって損なわれた前記AM放送信号を表す信号を捕捉することと、
前記捕捉された信号を反転させることと、
前記AM放送信号の搬送周波数を判断し、前記搬送周波数の約半周期だけ、前記反転された波形を遅延させることと、
前記捕捉された信号と前記遅延された反転信号とを減算的に組み合わせることによって、差分信号を生成することと、
ノイズ低減制御乗数を使用して、前記生成された差分信号の振幅を低減することによって、推定ノイズ信号を生成することであって、前記生成された推定ノイズ信号は、前記損ねているノイズ信号の推定値を表す、推定ノイズ信号を生成することと、
前記捕捉された信号と前記生成された推定ノイズ信号とを減算的に組み合わせることによって、前記捕捉された信号の前記損ねているノイズ信号成分を最小化することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記信号反転の前に、捕捉された信号をフィルタリングすることを更に含む、請求項1記載のコンピュータ作動方法。
【請求項3】
低ノイズ増幅ユニットにより、前記捕捉された信号を処理することを更に含む、請求項1記載のコンピュータ作動方法。
【請求項4】
前記信号反転の前に、アナログ・デジタル変換ユニットにより、前記捕捉された信号を処理して、前記捕捉された信号のデジタルバージョンを生成することを更に含む、請求項1記載のコンピュータ作動方法。
【請求項5】
前記ノイズ低減制御乗数は、有理数1/nに等しく、nは、約1に等しい第1の値よりも大きく、かつ約2に等しい第2の値未満である数である、請求項1記載のコンピュータ作動方法。
【請求項6】
放送アンテナから受信アンテナに伝わる間に、振幅変調(AM)放送信号に加わったノイズ信号を低減するためのシステムであって、
前記ノイズ信号によって損なわれた前記AM放送信号を表す信号を捕捉するための受信ユニットと、
前記捕捉された信号を反転させるための信号反転ユニットと、
前記AM放送信号の搬送周波数を判断し、前記搬送周波数の約半周期だけ、前記反転された波形を遅延させるための信号周波数判断ユニットと、
前記捕捉された信号と前記遅延された反転信号とを減算的に組み合わせることによって、差分信号を生成するための第1の信号差分ユニットと、
推定ノイズ信号を生成するように、ノイズ低減制御乗数を使用して、前記生成された差分信号の振幅を低減するための信号振幅低減ユニットであって、前記生成された推定ノイズ信号は、前記損ねているノイズ信号の推定値を表す、信号振幅低減ユニットと、
前記捕捉された信号と前記生成された推定ノイズ信号とを減算的に組み合わせることによって、前記捕捉された信号の前記損ねているノイズ信号成分を最小化するための第2の信号差分ユニットと、を備える、システム。
【請求項7】
前記信号反転の前に、捕捉された信号をフィルタリングすることを更に含む、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記捕捉された信号の低ノイズ成分を増幅するための低ノイズ増幅ユニットを更に備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記信号反転の前に、前記捕捉された信号のデジタルバージョンを生成するために、アナログ・デジタル変換ユニットを更に備える、請求項6記載のシステム。
【請求項10】
前記ノイズ低減制御乗数は、有理数1/nに等しく、nは、約1に等しい第1の値よりも大きく、かつ約2に等しい第2の値未満である数である、請求項6記載のシステム。
【請求項11】
演算器に、放送アンテナから受信アンテナに伝わる間に振幅変調(AM)放送信号に加わったノイズ信号を低減するように設定された機能を実行させる、前記演算器によって実行可能な、記憶された命令を有する、コンピュータ読取り可能記憶媒体であって、前記機能は、
前記受信アンテナにより、前記ノイズ信号によって損なわれた前記AM放送信号を表す信号を捕捉することと、
前記捕捉された信号を反転させることと、
前記AM放送信号の搬送周波数を判断し、前記搬送周波数の約半周期だけ、前記反転された波形を遅延させることと、
前記捕捉された信号と前記遅延された反転信号とを減算的に組み合わせることによって、差分信号を生成することと、
ノイズ低減制御乗数を使用して、前記生成された差分信号の振幅を低減することによって、推定ノイズ信号を生成することであって、前記生成された推定ノイズ信号は、前記損ねているノイズ信号の推定値を表する、推定ノイズ信号を生成することと、
前記捕捉された信号と前記生成された推定ノイズ信号とを減算的に組み合わせることによって、前記捕捉された信号の前記損ねているノイズ信号成分を最小化することと、を含む、コンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項12】
前記信号反転の前に、捕捉された信号をフィルタリングすることを更に含む、請求項11に記載のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項13】
低ノイズ増幅ユニットにより、前記捕捉された信号を処理することを更に含む、請求項11に記載のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項14】
前記信号反転の前に、前記捕捉された信号のデジタルバージョンを生成するように、アナログ・デジタル変換ユニットにより、前記捕捉された信号を処理することを更に含む、請求項11に記載のコンピュータ読取り可能記憶媒体。
【請求項15】
コンピューティングシステムであって、
放送アンテナから受信アンテナに伝わる間に、振幅変調(AM)放送信号に加わったノイズ信号を低減するためのプログラム命令を記憶するための少なくとも1つのメモリユニットと、前記プログラム命令を実行するための少なくとも1つの処理ユニットと、を備え、
前記プログラム命令は、
前記受信アンテナにより、前記ノイズ信号によって損なわれた前記AM放送信号を表す信号を捕捉することと、
前記捕捉された信号を反転させることと、
前記AM放送信号の搬送周波数を判断し、前記搬送周波数の約半周期だけ、前記反転された波形を遅延させることと、
前記捕捉された信号と前記遅延された反転信号とを減算的に組み合わせることによって、差分信号を生成することと、
ノイズ低減制御乗数を使用して、前記生成された差分信号の振幅を低減することによって、推定ノイズ信号を生成することであって、前記生成された推定ノイズ信号は前記損ねているノイズ信号の推定値を表す、推定ノイズ信号を生成することと、
前記捕捉された信号と前記生成された推定ノイズ信号とを減算的に組み合わせることによって、前記捕捉された信号の前記損ねているノイズ信号成分を最小化することと、を含む、コンピューティングシステム。
【請求項16】
前記信号反転の前に、捕捉された信号をフィルタリングすることを更に含む、請求項15に記載のコンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AM放送信号における振幅変調(amplitude modulation:AM)ノイズを低減するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、別途記載がない限り、本項において説明される題材は、本出願における請求項に対する先行技術ではなく、かつ本項に含めることによって、先行技術であると認められない。
【0003】
振幅変調(AM)放送は、無線信号上に音を加える最初の方法であった、無線放送のプロセスであり、今日、依然として広く使用される。当業者には既知であるように、AM放送信号は、干渉信号からの免除が低下している。
図1に示されるように、放送アンテナ塔102から、AM放送受信デバイス又は装置106に連結されるAM受信器アンテナ104へのAM信号移動の間、多くの可能なノイズ信号が、元のAM信号に対する追加又は干渉信号となり得る。これらの干渉ノイズ信号は、電力線ノイズ、照明、他の無線通信等といった、いくつかの源によって生成される可能性がある。これらの干渉ノイズ信号は、受信器回路によって、AM放送信号とともに捕捉されて、帯域内ノイズとなる。
【0004】
例えば、AM放送受信装置106が自動車に取り付けられている場合に、電気モータノイズ及び車の電気回路/デバイスによって生成される電磁干渉が、元のAM放送信号に対するノイズ干渉を増加させるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、ノイズ信号によって引き起こされるAM放送干渉を最小化するのに役立つことができるシステム及び方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
AM放送信号におけるAMノイズを低減するための改善された方法及びシステムが、本明細書において開示される。
【0007】
一態様において、放送アンテナから受信アンテナに伝わる間に、振幅変調(AM)放送信号に加わったノイズ信号を低減するためのコンピュータ作動方法が提供される。本方法は、受信アンテナにより、ノイズ信号によって損なわれたAM放送信号を表す信号を捕捉することと、捕捉された信号を反転させることと、AM放送信号の搬送周波数を判断し、搬送周波数の周期の数分の1だけ、反転された波形を遅延させることと、を含む。本方法は、捕捉された信号と遅延された反転信号とを減算的に組み合わせることによって、差分信号を生成することと、ノイズ低減制御乗数を使用して、生成された差分信号の振幅を低減することによって、推定ノイズ信号を生成することと、捕捉された信号と生成された推定ノイズ信号とを減算的に組み合わせることによって、捕捉された信号の損ねているノイズ信号成分を最小化することと、を更に含む。
【0008】
別の態様において、コンピュータ作動方法は、信号反転の前に、捕捉された信号をフィルタリングすることを更に含む。
【0009】
別の態様において、コンピュータ作動方法は、低ノイズ増幅ユニットにより、捕捉された信号を処理することを更に含む。
【0010】
別の態様において、コンピュータ作動方法は、信号反転の前に、アナログ・デジタル変換ユニットにより、捕捉された信号を処理して、捕捉された信号のデジタルバージョンを生成することを更に含む。
【0011】
別の態様において、ノイズ低減制御乗数は、有理数1/nに等しく、nは、約1に等しい第1の値よりも大きく、かつ約2に等しい第2の値未満である数である。
【0012】
別の態様において、演算器に、上述した方法を実行させるように、演算器によって実行可能な、記憶された命令を有する、コンピュータ読取り可能記憶媒体。
【0013】
これらの並びに他の態様、利点及び代替物は、適切な場合に添付の図面を参照して、以下の発明を実施するための形態を一読することによって、当業者には明らかとなるであろう。さらに、本発明の概要の項及び本書類のどこかに提供される開示は、例として実施形態を論述することを意図されるに過ぎず、制限として意図されないということを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】いくつかの干渉信号によって損なわれ、受信器アンテナによって捕捉される、AM放送信号の実施形態を示す概略図である。
【
図2A】損なわれていないAM放送信号を示すグラフである。
【
図2B】反転され、半周期だけ遅延されているその期間のうちの1つを示すグラフである。
【
図3】信号搬送波上の既定の振幅変調を有するAM放送信号を示すグラフである。
【
図4】
図3のAM放送信号の拡大された部分を示すグラフである。
【
図5】
図4の拡大された信号部分の波形周期の上半周期及び反転された下半周期のほぼ対称な特性を示すグラフである。
【
図6】AM受信器によって捕捉されたAMノイズを低減するための、アナログ信号処理ユニットを含むシステムの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【
図7】
図6のアナログ信号処理ユニットを使用して、AMノイズを低減するための方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【
図8】AM受信器によって捕捉された帯域内AMノイズ信号を低減するための、デジタル信号処理ユニットを含むシステムの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【
図9】
図8のデジタル信号処理ユニットを使用して、AMノイズを低減するための方法の例示的な実施形態を示すフローチャートである。
【
図10】AM受信器によって捕捉される帯域内AMノイズ信号を低減するための、別のデジタル信号処理ユニットを含むシステムの別の例示的な実施形態を示すブロック図である。
【
図11A】損なわれたAM放送信号示すグラフである。
【
図11B】損なわれたAM放送信号示すグラフである。
【
図11C】AM放送信号を損ねた復調されたノイズ信号を示すグラフである。
【
図12A】
図2及び
図3に示す対応するシステムのうちの1つによって選択される適応制御係数の値で達成された、
図4Cの復調されたノイズ信号の低減後の
図4Aの損なわれたAM放送信号を示す、グラフである。
【
図12B】
図2及び
図3に示す対応するシステムのうちの1つによって選択される適応制御係数の値で達成された、
図4Cの復調されたノイズ信号の低減後の
図4Aの損なわれたAM放送信号を示す、グラフである。
【
図12C】
図2及び
図3に示す対応するシステムのうちの1つによって選択される適応制御係数の値で達成された、
図4Cの復調されたノイズ信号の低減後の
図4Aの損なわれたAM放送信号を示す、グラフである。
【
図13A】
図2及び
図3に示す対応するシステムのうちの1つによって選択される適応制御係数の別の値で達成された、
図4Cの復調されたノイズ信号の別の低減後の
図4Aの損なわれたAM放送信号を示す、3つのグラフである。
【
図13B】
図2及び
図3に示す対応するシステムのうちの1つによって選択される適応制御係数の別の値で達成された、
図4Cの復調されたノイズ信号の別の低減後の
図4Aの損なわれたAM放送信号を示す、3つのグラフである。
【
図13C】
図2及び
図3に示す対応するシステムのうちの1つによって選択される適応制御係数の別の値で達成された、
図4Cの復調されたノイズ信号の別の低減後の
図4Aの損なわれたAM放送信号を示す、3つのグラフである。
【
図14】別の損なわれていないAM放送信号の実施形態を示すグラフである。
【
図15】2つの干渉信号によって損なわれた際の
図14のAM放送信号を示すグラフである。
【
図16】
図15のAM放送信号に干渉する信号の合成を示すグラフである。
【
図17】
図16の干渉信号の低減後の
図6、
図8及び
図10のシステムのうちの1つによるAM放送信号出力の実施形態を示すグラフである。
【
図18】
図16の干渉信号の低減後の
図6、
図8、及び
図10のシステムのうちの1つによるAM放送信号出力の実施形態を示すグラフである。
【
図19】例示的な実施形態によるコンピューティングネットワークシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の発明を実施するための形態において、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。別途指示されない限り、図面中、同様の記号は、概して同様の構成要素を特定する。発明を実施するための形態、図面、及び請求項において説明される例示の実施形態は、制限を意味しない。本明細書において提示される主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、かつ他の変更が行われ得る。本明細書において概して説明され、図面に例示される、本開示の態様は、多種多様な異なる構成において、配設、置換、組み合わせ、分離、及び設計することができ、これらの全ては、明示的に本明細書において企図されるということが容易に理解されるであろう。
【0016】
概説
一部の従来のノイズ抑制システムがノイズキャンセラに連結されるノイズ生成器を使用することが知られている。このようなあるノイズ抑制システムは、電波信号を選択的に受信するように、かつそれを電気信号に変換するように構成されたチューナと、チューナによって受信される電波信号の電界情報を検出するための界情報検出器と、検出された電界情報に基づいて、ノイズパターンを生成するノイズデータ生成器と、ノイズデータ生成器によって生成されるノイズパターンに基づいて、チューナから出力される信号からノイズ成分を除去するように構成されたノイズキャンセラと、を有するのがよい。しかしながら、これらのノイズデータ生成器は、捕捉されたノイズ信号の実質的再生が考慮され得るノイズ信号を生成する精度に欠けることが既知である。
【0017】
したがって、提案したノイズ低減方法の実施形態は、受信されたAM放送信号の「ほぼ対称な」特性を処理及び分析するように構成される。そのようなものとして、提案された方法は、元の追加ノイズ信号と実質的に類似であるノイズ信号を生成するように構成される。次いで、再生されたノイズ信号は、受信されたAM放送信号のAM復調プロセスの前に、追加ノイズ信号の実質的に全て又は少なくとも大部分をキャンセルするために使用される。
【0018】
当業者に知られているように、電気通信において、搬送波又はキャリアは、情報を伝達する目的で、入力信号で変調(修正)される、波形(通常、正弦)である。この搬送波は、通常、入力信号よりもはるかに高い周波数である。搬送波の目的は、通常、電磁波(無線通信におけるように)として空間を通じて情報を伝送すること、又は異なる周波数におけるいくつかの搬送波が、周波数分割多重化(例えば、ケーブルテレビシステムとして)によって、共通の物理的伝送媒体を共有することを可能にすることのいずれかである。
【0019】
ここで
図2Aを参照すると、完全な正弦波形202の例示的な実施形態200が示される。例として、波形202は、干渉のない、300KHzにおける、変調されていないAM搬送波波形を表す。図示したように、波形202は、定期的に一定な振幅、即ち、ゼロからのピーク偏差を有する、平滑な反復的な振動波形である。
図2Aに示すように、波形202は、正のピークA204と、負のピークB206とを有する。波形202は、完全な正弦波であるため、半周期遅延が波形202に適用される場合、
図2Bに示されるように、ピークAがピークBとなり、ピークBがピークA、即ち、A=−Bとなる。つまり、ピークAにおける波形202は、搬送波周期の半分の遅延を伴う、反転されたピークBにおけるものと同じである。したがって、ピークA及びピークBは、波形202に対して対称であると考慮される。
【0020】
ここで
図3を参照すると、信号搬送波波形(図示せず)上の既定の振幅変調を有する、AM放送信号波形302の例示的な実施形態300が示される。例として、AM放送波形302は、1.5KHzの周波数、及び300KHz周波数での波形搬送波上の95%の振幅変調を有する。
【0021】
ここで
図4を参照すると、
図3の波形搬送波の拡大された部分304を表す波形402が示される。拡大された部分304は、それぞれ約3×10
-4秒及び約4×10
-4秒に近い、時間ポイントT1及びT2と関連付けられる波形部分に対応する。
【0022】
ここで
図5を参照すると、
図4の波形402の拡大された部分404を表す波形502が示される。拡大された部分は、それぞれ約374×10
-6秒及び約390×10
-4秒に等しい、時間ポイントT3及びT4と関連付けられる波形部分に対応する。
図5に示されるように、波形502は、+4,578062に等しい大きさを有する上周期ピーク「C」、及び4.81467に等しい大きさを有する隣接する下周期ピーク「D」を含む。そのようなものとして、上周期ピーク「C」は、「反転された下周期ピーク「D」」に近いが、全く同じというわけではない。このため、波形502は、「ほぼ対称な」波形である。当業者には既知であるように、より低い変調指数(%)は、より対称な波形をもたらす。さらに、より高い可聴及び搬送波周波数比は、より対称な波形をもたらす。また、より低い変調周波数は、より対称な波形をもたらす。
【0023】
ここで
図6を参照すると、概略
図600は、AM放送信号に加わったノイズ信号を低減するためのアナログシステム602の例示的な実施形態を示す。図示するように、システム602は、追加ノイズ信号608及び610で増大されるAM放送信号606を捕捉するためのアンテナ604を有する。捕捉されたAM放送信号606は、放送局(図示せず)から伝送される放送波に基づく信号である。システム602は、以降、F&LNAユニット614と称される、フィルタ及び低ノイズ増幅器組み合わせユニット614にAM放送信号606を通信するためのケーブルユニット612と、AMノイズ低減のためのアナログ信号処理ユニット616と、を更に含む。一実施形態において、F&LNAユニット614のフィルタは、二極帯域フィルタとすることができる。
図6に示されるように、以降、アナログAMノイズ低減ユニットと称される、アナログ信号処理ユニット616は、信号反転ユニット618と、信号遅延ユニット620と、信号減算及び低減ユニット622と、信号減算ユニット624と、を含む。
【0024】
ここで
図7を参照すると、フローチャート700は、アナログAMノイズ低減ユニット616を使用して、追加ノイズを低減/最小化するための方法の例示的な実施形態を示す。動作中、ステップ701において、方法が開始すると、F&LNAユニット614は、AM信号607を出力するように、AM放送信号606を処理する。ステップ702において、AMノイズ低減ユニット616は、信号反転ユニット618にAM信号607を提供するように構成される。AM信号607を受信すると、ステップ704において、信号反転ユニット618は、それを処理して、反転AM信号609を出力する。次いで、ステップ706において、AMノイズ低減ユニット616は、搬送波周期の約半分だけAM信号609を遅延させるように、及び結果として得られたAM信号611を出力するように構成された信号遅延ユニット620に、AM信号609を提供する。その後、AMノイズ低減ユニット616は、信号減算低減ユニット622にAM信号607及びAM信号611の両方を提供し、続けて、ステップ708において、それらを減算的に組み合わせ、ステップ710において、1以下である有理数でそれを乗算することによって、結果として得られた差分信号の振幅を変更する。この有理数は、約1/nであるように選択することができ、nは、以下の不等式:1≦n≦2を満たす。一実施形態により、低減された差分信号613は、組み合わされた追加ノイズ信号608及び610に実質的に類似である、生成された、又は再生されたノイズ信号を表す。次いで、ステップ712において、AMノイズ低減ユニット616は、AM信号607及び低減された差分信号613の両方を、それらを減算的に組み合わせるように、及び望ましくは、AM放送信号606に実質的に類似である、AMノイズ低減された信号615を出力するように構成された信号減算ユニット624に提供する。
【0025】
実験結果に基づいて、AMノイズ低減ユニット616は、nが2に近いとき、追加ノイズ信号608及び610を実質的に低減する。さらに、nの最適な制御値は、AM放送信号606の継続的な処理中に、このノイズ低減手法によって、適応的に判断することができる。nのこの最適な制御値は、追加ノイズ信号608及び610を最良に最小化する値を表す。
【0026】
ここで
図8を参照すると、概略
図800は、AM放送信号に加わったノイズ信号を低減するためのデジタルシステム802の例示的な実施形態を示す。図示するように、システム802は、追加ノイズ信号808及び810で増大されるAM放送信号806を捕捉するためのアンテナ804を有する。システム802は、捕捉されたAM放送信号806を、以降、F&LNAユニット814と称される、フィルタ及び低ノイズ増幅器組み合わせユニット814に通信するためのケーブルユニット812と、アナログ・デジタル(A/D)信号変換ユニット819と、AMノイズ低減のためのデジタル信号処理ユニット816と、を更に含む。上で述べられるように、F&LNAユニット814のフィルタは、二極帯域フィルタとすることができる。
図8に示されるように、以降、デジタルAMノイズ低減ユニットと称される、アナログ信号処理ユニット816は、信号反転ユニット818と、信号遅延ユニット820と、信号減算及び低減ユニット822と、遅延補正ユニット823と、信号減算ユニット824と、AM復調ユニット826と、エラー制御校正ユニット828と、デジタル・アナログ(D/A)変換ユニット830と、を含む。
【0027】
ここで
図9を参照すると、デジタルAMノイズ低減ユニット816を使用して、フローチャート900は、追加ノイズを低減/最小化するための方法の例示的な実施形態を示す。動作中、ステップ901において、方法が開始すると、F&LNAユニット814は、AM放送信号806を処理して、AM信号807を出力する。ステップ902において、A/D信号変換ユニット819は、AM信号807をデジタル信号809に変換するように構成される。AMノイズ低減ユニット816は、ステップ904において、AMデジタル信号809を信号反転ユニット818に提供するように構成される。AMデジタル信号809を受信すると、信号反転ユニット818は、ステップ906において、それを処理して、反転AMデジタル信号811を出力する。次いで、AMノイズ低減ユニット816は、ステップ908において、搬送波周期の約半分だけ、AMデジタル信号811を遅延させるように構成される信号遅延ユニット820に、AMデジタル信号811を提供して、結果として得られたAM信号813を出力する。その後、AMノイズ低減ユニット816は、AM信号807及びAM信号813の両方を、信号減算及び低減ユニット822に提供し、続いて、ステップ910において、それらを減算的に組み合わせ、ステップ912において、それを1以下である有理数で乗算することによって、結果として得られた差分信号の振幅を変更する。上で述べられるように、代替的に、有理数は、1/nに等しいように選択することができ、nは、以下の不等式:1≦n≦2を満たす。一実施形態により、低減された差分信号815は、望ましくは、組み合わされた追加ノイズ信号808及び810に実質的に類似である、再生されたノイズ信号を表す。次いで、ステップ914において、AMノイズ低減ユニット816は、AM信号809に補正時間遅延を適用するように、及びAM遅延補正された信号817を出力するように構成された遅延補正ユニット823に、AM信号809を提供する。その後、ステップ916において、AMノイズ低減ユニット816は、AM遅延補正された信号817及び低減された差分信号815の両方を、それらを減算的に組み合わせ、AM放送信号806に実質的に類似である、AMノイズ低減された信号819を出力するように構成された信号減算ユニット824に提供するように構成される。さらに、ステップ918において、AMノイズ低減された信号819は、AM復調ユニット826によって復調され、結果として得られた復調された信号821は、受信スピーカ(図示せず)によって音声信号として出力される前に、それをアナログ波形に変換する、D/A変換ユニット830に提供される。
【0028】
このノイズ低減プロセス中、エラー制御及び校正ユニット828は、復調された信号819を分析するように、ならびに分析の結果を使用して、追加ノイズ信号808及び810の最小化を改善するために、信号減算及び低減ユニット822によって使用される有理数1/nを必要に応じて調節するように動員される。
【0029】
ここで
図10を参照すると、概略
図800は、AM放送信号に加わったノイズ信号を低減するためのデジタルシステム1002の別の例示的な実施形態を示す。デジタルシステム1002は、F&LNAユニット1014が無線処理ユニットを更に有し、エラー制御及び校正ユニット1028が信号遅延ユニット1020に更に連結されるということを除き、デジタルシステム802のものと実質的に類似の構成を有する。デジタルシステム1002のこの構成において、F&LNAユニット1014は、AM放送信号1006の中間周波数(IF)を識別して、それを信号から除去するように構成され、示されるIF信号1007は、識別された中間周波数をその主要周波数として有する。一実施形態において、エラー制御及び校正ユニット1028の信号遅延ユニット1020への連結は、ノイズ低減プロセスを更に改善するように、信号遅延プロセスを制御する働きをする。つまり、エラー制御及び校正ユニット1028から受信された入力に基づいて、信号遅延ユニット1020は、搬送波周期の半分の遅延とは異なり得る信号遅延の量を適応的に調節し、依然として、追加ノイズ信号808及び810のより良い最小化をもたらす。
【0030】
ここで
図11A〜
図11Cを参照すると、損なわれたAM放送信号1102、AM放送信号1102の拡大された部分1104、及びAM放送信号1102を破損した追加ノイズ信号1106を示す、3つのグラフが示される。
図11Aは、追加ノイズ信号で損なわれた、
図3のAM放送信号波形302を表すように選択された、AM放送信号1102を示す。AM放送信号1102の拡大された部分は、
図11Bに示される。ノイズ低減システム602、802及び1002のうちのいずれかを使用して、AM放送信号1102を処理した後、拡大された1104部分に対応する追加ノイズ信号1106が実質的に判断される。
【0031】
ノイズ低減システム602、802及び1002のうちのいずれかを使用したノイズ低減プロセスの間、及び2.0に等しくなるように適応制御係数「n」を選択する間、
図12Aは、低減された追加ノイズ信号1106を伴って、AM放送信号1102を表す、結果として得られたAM放送信号1202を示す。
図12Bは、ノイズ低減後の
図11Bに示されるAM放送信号1102の拡大された部分を示し、
図12Cは、低減されたバージョンの追加ノイズ信号1106を示す。
【0032】
追加ノイズ信号1106を更に低減するために、ノイズ低減システム602、802及び1002は、調節制御係数nの値を適応的に変更するように構成される。そのようなものとして、出力されたノイズ低減されたAM信号の連続的な分析に基づいて、制御係数nの調節は、1.5に等しくなるように選択され、これは、
図13A及び
図13Cに示す、AM放送信号1102の更により平滑な波形における、図示するような追加ノイズ信号1106の更なる低減、及び追加ノイズ信号1106の更に低減された振幅的をもたらす。
【0033】
ここで
図14を参照すると、グラフ1400は、実質的に完全な信号変調が提供された、損なわれていないAM放送信号1402の実施形態を示す。例として、AM放送信号1402は、1.7KHzの周波数を有し、300KHzの波形搬送波(図示せず)によって振幅変調される。その放送移動の間、AM放送信号1402は、2つの追加ノイズ信号によって損なわれる。これらの干渉ノイズ信号は、両方とも、それぞれ3.33KHz及び2.0KHzに等しい周波数を有する周波数変調(FM)信号であり、その複合信号は、
図16の波形1602によって示される。損なわれたバージョンのAM放送信号1402は、
図15の波形1502によって示される。ノイズ低減システム602、802及び1002のうちのいずれかを使用して、損なわれたバージョンのAM放送信号1402を処理することによって、AM放送信号1402のノイズ低減された信号バージョンは、
図17に示される波形1702によって示されるに生成される。波形1502の除去された歪曲した成分は、
図18の波形1802によって示される。
【0034】
一実施形態において、ノイズ低減システム602、802、及び1002の各々は、処理ユニット及びメモリユニットを含む。処理ユニットの各々は、シングルチップ上に実装することができる。例えば、専用又は埋め込みマイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、又はこれらの任意の組み合わせを含む、種々のアーキテクチャを使用することができる。メモリユニットの各々は、限定されないが、例えば、処理ユニットによってアクセス及び実行することができるソフトウェアを記憶し得る、揮発性メモリ(RAM等)、非揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ等)、又はこれらの任意の組み合わせを含む、現在既知であるか、又は後に開発される、いずれのタイプのメモリであってもよい。メモリユニットの各々は、上述したノイズ低減システムの処理機能性に対応する命令を記憶するように構成される。
【0035】
一部の実施形態において、開示される方法は、機械が読み取り可能な形式において、非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体上にコード化される、コンピュータプログラム命令として実行されてもよい。
図19は、本明細書において提示される少なくとも一部の実施形態により配設される、コンピューティングデバイス上で、コンピュータプロセスを実行するためのコンピュータプログラムを含む、例示的なコンピュータプログラム製品1900の概念的な部分図を示す概略図である。一実施形態において、例示的なコンピュータプログラム製品1900は、信号担持媒体1901を使用して提供される。信号担持媒体1901は、1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、
図7及び
図9に関して上で説明される機能性又は機能性の一部分を提供し得る、1つ以上のプログラミング命令1902を含んでもよい。このため、例えば、
図7及び
図9に示される実施形態を参照すると、それぞれブロック702、704、706、708及び/又は710、ならびに902、904、906、908、910及び/又は912の1つ以上の特性は、信号担持媒体1901と関連付けられる1つ以上の命令によって行われてもよい。
【0036】
一部の実施例において、信号担持媒体1901は、限定されないが、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、メモリ等といった、非一時的コンピュータが読み取り可能な媒体1903を包含し得る。一部の実行において、信号担持媒体1901は、限定されないが、メモリ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVD等といった、コンピュータが記録可能な媒体1904を包含し得る。一部の実行において、信号担持媒体1901は、限定されないが、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク等)といった、通信媒体1905を包含し得る。
【0037】
本明細書において、種々の態様及び実施形態を開示してきたが、他の態様及び実施形態が、当業者には明らかであろう。本明細書において開示される種々の態様及び実施形態は、例示目的であり、制限を意図せず、真の範囲及び精神は、かかる請求項の権利が付与される同等物の全範囲とともに、以下の請求項によって示される。また、本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明する目的に過ぎず、制限を意図しないということが理解されるものとする。
【符号の説明】
【0038】
602、802 ノイズ低減システム
606 AM放送信号
607 AM信号
608、610 追加ノイズ信号
609 反転AM信号
611 AM信号
613 差分信号
614 F&LNAユニット
615 AMノイズ低減された信号
616 AMノイズ低減ユニット
618 信号反転ユニット
620 信号遅延ユニット
622 信号減算低減ユニット
624 信号減算ユニット
802 ノイズ低減システム
804 アンテナ
806 AM放送信号
807 AM信号
808、810 追加ノイズ信号
809 デジタル信号
811 反転AMデジタル信号
813 AM信号
814 F&LNAユニット
815 差分信号
816 デジタルAMノイズ低減ユニット
817 AM遅延補正された信号
818 信号反転ユニット
819 復調された信号
820 信号遅延ユニット
821 復調された信号
822 信号減算及び低減ユニット
823 遅延補正ユニット
824 信号減算ユニット
828 エラー制御及び校正ユニット
830 D/A変換ユニット
1002 デジタルシステム
1006 AM放送信号
1007 IF信号
1014 F&LNAユニット
1020 信号遅延ユニット
1028 エラー制御及び校正ユニット
1102 AM放送信号
1106 追加ノイズ信号
1402 AM放送信号
1900 コンピュータプログラム製品
1901 信号担持媒体
1903 コンピュータが読み取り可能な媒体
1904 コンピュータが記録可能な媒体
1905 通信媒体