特許第5774673号(P5774673)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧

<>
  • 特許5774673-タッチパネル 図000002
  • 特許5774673-タッチパネル 図000003
  • 特許5774673-タッチパネル 図000004
  • 特許5774673-タッチパネル 図000005
  • 特許5774673-タッチパネル 図000006
  • 特許5774673-タッチパネル 図000007
  • 特許5774673-タッチパネル 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774673
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150820BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   G06F3/041 490
   G06F3/044 122
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-268528(P2013-268528)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-130593(P2014-130593A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0154867
(32)【優先日】2012年12月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジョン リョル
(72)【発明者】
【氏名】キム,スル ギ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジャン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ザン,イン ヒョン
【審査官】 菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−146277(JP,A)
【文献】 特開2011−059771(JP,A)
【文献】 特開2002−014772(JP,A)
【文献】 特開2012−247851(JP,A)
【文献】 特開2012−059245(JP,A)
【文献】 特開2011−003169(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/121064(WO,A1)
【文献】 特開2011−253263(JP,A)
【文献】 特開2011−070536(JP,A)
【文献】 特開2013−105255(JP,A)
【文献】 特開2012−094115(JP,A)
【文献】 特開2012−238278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、前記透明基板にメッシュ状で配置され、電極を形成する電極パターンとを含み、
前記電極パターンは、電極形状に沿って開放し、前記開放した電極パターンの末端部から延び、前記末端部とは所定角度を有するように配置される光遮断部を含むタッチパネル。
【請求項2】
前記光遮断部は、前記開放した電極パターンの末端部において折り曲げられる折り曲げ部を含むことを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの末端部において所定角度で折り曲げられ、折り曲げ方向の直線形状で延びることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの末端部において所定角度で折り曲げられ、折り曲げ方向の曲線形状で延びることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの各末端部に形成され、各電極パターンの末端部とは互いに相異する方向に折り曲げられるように形成されることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの各末端部において所定角度で折り曲げられ、折り曲げられる方向に90度以内の範囲で折り曲げられることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項7】
前記光遮断部は、前記開放した電極パターンの末端部において不規則な形状または不規則な方向に形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項8】
前記透明基板には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状オレフィン高分子(COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、2軸延伸ポリスチレン(Kレジン含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラス、または強化ガラスのうちいずれか一つが用いられることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記透明基板の一面は、高周波処理またはプライマー処理が行われることを特徴とする請求項8に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記電極パターンまたは光遮断部には、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセンチレン、またはポリフェニレンビニレンのうちいずれか一つが用いられることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記電極パターンまたは光遮断部には、パラジウム、白金、またはシルバーのうちいずれか一つを含むペーストが用いられることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記電極パターンまたは光遮断部は、銀塩乳剤層で形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項13】
前記電極パターンまたは光遮断部は、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、またはその組み合わせで形成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの様々な入力装置(Input Device)を利用して、テキストおよびグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在、入力装置の役割を担当しているキーボードおよびマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を越えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計および加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置として、タッチパネル(Touch Panel)が開発された。
【0005】
このようなタッチパネルは、電子手帳、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display Device)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置およびCRT(Cathode Ray Tube)などの画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが画像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
このような電極パターンには、透明電極が用いられるが、前記透明電極は広く知られたように光透過性と導電性をいずれも備えるべきであり、一般的には、ITO(Indium Tin Oxide)が広く知られている。前記ITO電極は、インジウム・スズ酸化物を用いたものであり、前記インジウム・スズ酸化物は、ガラスのような硬い物質によく付着する性質があって、薄く塗れば、透明になり、電気がよく通じるようになる。
【0007】
しかし、ITOは、酸化インジウム(In)は亜鉛(Zn)鉱山などにおいて副産物として生産されるために需給が不安定であり、柔軟性がないためにポリマー基質などのフレキシブルな材質には使用できないという短所があり、高温、高圧の環境下で製造が可能であるために生産単価が高くなるという問題点があった。
【0008】
このような問題点を解決するために、近来は、透明基板に電極パターンをメッシュ状で配置して電極を形成する技術が提案されている。前記メッシュ状とは、広く知られたように、網のように互いに複数地点において交差する形状をいう。
【0009】
すなわち、前記メッシュ状の電極パターンを電極形状、例えば四角形状を有するように形成するものであり、このために、従来は、上述したメッシュ状の電極パターンを形成した後、前記電極形状、例えば、四角形状に沿って開放した部分を形成する技術が用いられた。
【0010】
ところで、上述した従来技術の場合、開放した電極パターンの端部が開放配列方向と同一であるため、仮に前記開放配列方向と流入する光の経路とが一致する場合、前記開放した間を通して光が流入して、開放した部分が視認されるという問題点があった。
【0011】
すなわち、ユーザが前記従来技術によって形成された透明電極を含むタッチパネルを様々な方向に傾けて照らしてみる時、上述したように光の流入経路と開放配列方向とが一致する場合が発生し得るし、このような場合に、前記開放した部分が視認されるのである。
【0012】
一方、上述した透明基板およびメッシュ状の電極パターンは、特許文献1及び特許文献2に記載された通りに広く知られたものであるので、重複する説明は省略する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6473235号明細書
【特許文献2】米国特許第7499038号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために導き出されたものであり、上述したように、電極パターンは、電極形状に沿って開放し、前記開放したパターンの末端部から延び、前記末端部とは一定角度を有するように配置される光遮断部を含んで、光の流入経路と開放配列方向とが一致しても光の流入を防止して、前記開放した部分が視認されないようにするタッチパネルを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態によるタッチパネルは、透明基板と、前記透明基板にメッシュ状で配置され、電極を形成する電極パターンとを含み、前記電極パターンは、電極形状に沿って開放し、前記開放した電極パターンの末端部から延び、前記末端部とは所定角度を有するように配置される光遮断部を含む。
【0016】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記光遮断部は、前記開放した電極パターンの末端部において折り曲げられる折り曲げ部を含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの末端部において所定角度で折り曲げられ、折り曲げ方向の直線形状で延びてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの末端部において所定角度で折り曲げられ、折り曲げ方向の曲線形状で延びてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの各末端部に形成され、各電極パターンの末端部とは互いに相異する方向に折り曲げられるように形成されてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記折り曲げ部は、前記開放した電極パターンの各末端部において所定角度で折り曲げられ、折り曲げられる方向に90度以内の範囲で折り曲げられてもよい。
【0021】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記光遮断部は、前記開放した電極パターンの末端部において不規則な形状または不規則な方向に形成されてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記透明基板には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状オレフィン高分子(COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、2軸延伸ポリスチレン(Kレジン含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラス、または強化ガラスのうちいずれか一つが用いられてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記透明基板の一面は、高周波処理またはプライマー処理が行われることを特徴とする。
【0024】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記電極パターンまたは光遮断部には、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセンチレン、またはポリフェニレンビニレンのうちいずれか一つが用いられてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記電極パターンまたは光遮断部には、パラジウム、白金、またはシルバーのうちいずれか一つを含むペーストが用いられてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記電極パターンまたは光遮断部は、銀塩乳剤層で形成されてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態によるタッチパネルであって、前記電極パターンまたは光遮断部は、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、またはその組み合わせで形成されてもよい。
【0028】
本発明の特徴および利点は、添付図面に基づいた次の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
【0029】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書および特許請求の範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、開放した電極パターンの末端部に光遮断部を形成し、光の流入経路と開放配列方向とが一致しても光の流入を防止して、前記開放した部分が視認されないようにする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の電極パターンを説明する概念図である。
図2】本発明の電極パターンを説明する部分拡大図である。
図3】平製版を用いて本発明の電極パターンをパターニングする装置を説明する概念図である。
図4】平製版を用いて本発明の電極パターンをパターニングする装置を説明する概念図である。
図5】平製版を用いて本発明の電極パターンをパターニングする装置を説明する概念図である。
図6】平製版を用いて本発明の電極パターンをパターニングする装置を説明する概念図である。
図7】平製版を用いて本発明の電極パターンをパターニングする装置を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明および好ましい実施形態によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一側」、「他側」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するようにし、図1および図2は、本発明の電極パターンを説明する概念図および部分拡大図であり、図3図7は、平製版を用いて本発明の電極パターンをパターニングする装置を説明する概念図である。
【0034】
本発明のタッチパネルは、透明基板(不図示)と、前記透明基板にメッシュ状で配置され、電極を形成する電極パターン10とを含み、前記電極パターン10は、電極形状に沿って開放し、前記開放した電極パターン10の末端部から延び、前記末端部11とは一定角度を有するように配置される光遮断部20を含む。
【0035】
すなわち、図1に示すように、電極パターン10に図面上の上下方向に開放した部分Cが形成された場合、前記開放した電極パターン10の末端部に光遮断部20が形成されるが、その方向は、前記開放する方向(方向I)と一致しないように、前記末端部11とは一定角度を有するように配置される。
【0036】
これは、前述したように、従来の場合、開放した電極パターンの端部が開放配列方向と同一であるため、仮に前記開放配列方向と流入する光の経路とが一致する場合、前記開放した間を通して光が流入して、開放した部分が視認されるという問題点があった。
【0037】
本発明は、このような問題点を解決したものであり、図2に示すように、本発明の光遮断部20により、前記開放配列方向(方向I)と光流入方向(方向II)とが相異しており、光が開放した部分に流入することを遮断することができるため、従来のように開放した部分が視認される現象は発生しないものである。
【0038】
このような光遮断部20は、前記開放する方向(方向I)と一致しないように、平行にならないように形成すればよい。
【0039】
この時、光遮断部20は、図1に示すように、前記開放した電極パターン10の末端部11において折り曲げられた直線または曲線の形状で形成することができる。
【0040】
すなわち、前述したように、直線形状の光遮断部21も可能であり、曲線形状の光遮断部22,23も可能である。
【0041】
例えば、図面符号22の光遮断部のように、直線形状を有するが、電極パターン10の末端部11と所定の角度でラウンド処理されることも可能であり、図面符号23の光遮断部のように、末端部11においてアーク(arc)形状の曲線を有する形状も可能である。
【0042】
言い換えれば、本発明の光遮断部20は、上述したように電極パターン10の末端部11に形成され、光の流入を遮断することを目的としており、このような目的を達成する限り、前記光遮断部の形状が異なる場合であってもいずれも本発明の範疇に属することは当然である。
【0043】
一方、前記光遮断部20は、図1に示すように、前記開放した電極パターン10の末端部11において不規則な形状または不規則な方向に形成されて、光の流入をより安定的に遮断することもできる。
【0044】
すなわち、電極パターン10の図面上の上部側の場合、直線形状の光遮断部21を形成するが、同一の方向でなく、互いに対称する方向に形成することもできる。
【0045】
また、前記直線形状の光遮断部21の図面上の下側部分においては、前記直線形状の光遮断部21とは異なる形状として、ラウンド処理された形状の光遮断部22を形成することもでき、その方向は同様に互いに対称する方向に形成することもできる。
【0046】
これは、前記ラウンド処理された光遮断部22の下側に形成されるアーク形状の光遮断部23を形成する場合にも同様に適用することができる。
【0047】
言い換えれば、本発明の光遮断部20は、上述したように様々な形状を有するように不規則に形成され、また、方向も同一でないように配置することもできる。
【0048】
一方、前記透明基板には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状オレフィン高分子(COC)、TAC(Triacetylcellulose)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、2軸延伸ポリスチレン(Kレジン含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラス、または強化ガラスなどが用いられることができる。また、前記透明基板の接着力を向上させるために、前記透明基板の一面に高周波処理またはプライマー(primer)処理などを行うことができる。
【0049】
電極パターン10または光遮断部20は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタニウム(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、またはこれらの組み合わせを用いて形成することができる。この時、電極パターン10は、メッキ工程やスパッタ(Sputter)を用いた蒸着工程によって形成することができる。また、電極パターン10または光遮断部20は、パラジウム、白金、およびシルバーのうちいずれか一つを含むペーストを用いて、一般的な印刷工程によって形成することができる。この時、前記シルバーペーストは、導電性と信頼性が高いために導電性ペーストに最も多く用いられているが、イオン移動(ion migration)などの問題を解決するためにパラジウムや白金を含んでもよい。
【0050】
光遮断部20は、電極パターン10上において延びるものであって、その製造上、一体に形成され、本発明の一実施形態のように光の透過に応じた視認性を低下させるために一定パターンまたは不規則なパターンで形成することができる。
【0051】
また、前記電極パターン10または光遮断部20は、導電性高分子で形成することができ、具体的には、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセンチレン、またはポリフェニレンビニレンなどで形成することができ、一方、上述した金属の以外にも銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属銀、ITO(Indium Thin Oxide)などの金属酸化物などで形成することができる。
【0052】
また、前記電極パターン10には、3μm〜5μm直径のシルバーパウダーと、2nm〜8nm直径のシルバーナノ粒子とを含むハイブリッドシルバーペーストが用いられることもできる。この時、前記ハイブリッドシルバーペーストは、上述したシルバーパウダーとシルバーナノ粒子とを含み、バインダーとしては熱硬化性樹脂を用い、有機溶剤によって分散し、2Pa・s〜100Pa・sの粘度条件で硬化(180℃〜220℃)を行って形成することができる。
【0053】
また、前記電極パターン10または光遮断部20には、カーボンブラックまたはアセチレンブラックを含むカーボンペーストが用いられることができる。この時、上述したカーボンペーストは、化学的または物理的に安定した特性があり、安価な特性がある。
【0054】
以下では、図3図7の一実施形態を参照して、上述した電極パターン10と光遮断部20をパターニングする装置100について説明する。
【0055】
前記装置100は、平製版110と、インク塗布部DB、伝達部120、および透明基板Sが形成されているベース130を含む。
【0056】
前記平製版110は、板形状の平製版本体111上に凹溝部112が複数個形成される。この時、前記凹溝部112は前述した電極パターン10および光遮断部20と同一の形状を有する。言い換えれば、前記凹溝部112は、メッシュ状の電極パターン(10、図1参照、以下、同一である)形状であり、開放した部分(C、図1参照、以下、同一である)が形成されているものである。この時、前記電極パターン10の末端部11に形成される光遮断部(20、図1参照、以下、同一である)の形状も共に形成されているものである。
【0057】
このような前記凹溝部112に導電性インクが充填されると、上述したように開放した部分Cと光遮断部20が形成される電極パターン10と同一の形状になる。
【0058】
一方、図3では、前記凹溝部112が一直線上に羅列したものとして図示されているが、これは、前記凹溝部112を説明するためのものであって、前記凹溝部112の実際の形状は上述したように電極パターン10と光遮断部20と同一であり、これは、下記にて説明する部分にも同様に適用され、以下では重複する説明は省略する。
【0059】
一方、前記平製版110の凹溝部112に導電性インクを充填するためにインク塗布部DBを含むことができる。前記インク塗布部DBは、導電性インクIを噴出または移送などによって前記凹溝部112に前記導電性インクIが充填されるようにするものである。図3では、前記インク塗布部DBが、薄板形状として、前記平製版110に密着するものとして図示されているが、本発明は、これに限定されず、上述したように前記導電性インクIを凹溝部112に充填できるものであれば、他の種類(例えば、導電性インクを噴出するインクジェットなど)の場合であってもいずれも本発明の範疇に属することは当然である。
【0060】
一方、図4および図5に示すように、前記伝達部120は、平製版110と接触し、凹溝部112に充填された導電性インクIが前記平製版110から伝達部120側に伝えられるようにする。この時、前記平製版110と伝達部120にはPDMSが用いられることができる。前記PDMSは、広く知られたようにシリコン系物質であり、組成を異にすることによって前記導電性インクIが付着する付着力を調節することができる。すなわち、図5に示すように伝達部120の付着力を平製版110の付着力より大きくすれば、図示されたように前記平製版110の凹溝部112に充填された導電性インクIが前記凹溝部112から伝達部120側に転写されることができる。
【0061】
一方、前記ベース130の場合、図6に示すように上部一側に透明基板Sが配置されることができる。この時、前記透明基板S上に前記伝達部120が接触した後に分離すると、図7に示すように透明基板S上に導電性インクIがパターニングされる。一方、図6の場合も、導電性インクとの接着力を調節して、前記導電性インクIが伝達部120から透明基板Sに伝えられるようにすることができる。
【0062】
この時、前記ベース130には、透明ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET;Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN;Polyethylene naphthallate)、ポリカーボネート(PC;Polycarbonate)、ポリイミド(polyimide)、ポリアリレート(polyarylate)のうちいずれか一つが用いられることもできる。
【0063】
前記透明ガラスは、化学的安定性に優れ、また、強度にも優れるため、広く用いられている。
【0064】
前記ポリエチレンテレフタレート(PET)の場合は、エチレンとテレフタレートを縮合重合して作られたものであり、化学的に耐久性がよく、熱硬化性樹脂として引張強度などが良いという特徴がある。
【0065】
前記ポリエチレンナフタレート(PEN)の場合、二つのベンゼン環と二つのエステル基、および二つのメチル基からなる単一体がn個連結されたものであり、また、これも耐久性と化学的安定性が良いという特徴がある。
【0066】
前記ポリカーボネート(PC)の場合も耐熱性が大きく、低温特性も良く(135〜−100℃)、光にも安定しており、加工時の酸化が少ないという特徴がある。
【0067】
前記ポリアミドは、アミド結合−CONH−で連結された重合体の総称であり、耐熱性と機械的性質および電気特性・耐薬品性に優れるという特徴がある。
【0068】
前記ポリアリレートは、テレフタル酸とイソフタル酸の混合酸として、ビスフェノールAから作られる重縮合系ポリマーであり、透明性が良く、耐熱性も良いという特徴がある。
【0069】
以下、前述した図3図7を再び参照して、透明基板S上に電極パターンを形成する方法について説明する。
【0070】
先ず、図3に示すように、インク塗布部DBを使って平製版110の凹溝部112に導電性インクIを充填する。その次、図4に示すように平製版110と伝達部112を接触させてから、図5に示すように互いに分離させる。これにより、前記導電性インクIは、前記凹溝部112から伝達部120側に転写される。この時、前記転写された導電性インクIは、パターニングしようとする電極パターン10および光遮断部20の形状と同一である。
【0071】
その次、図6図7に示すように、前記伝達部120とベース130を接触させてから分離して、前記透明基板S上に前記導電性インクIが付着する。上述した透明基板S上の導電性インクIを硬化乾燥などの工程を通じて電極パターンとして作るものである。
【0072】
以上、本発明を具体的な実施形態に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるタッチパネルはこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0073】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、タッチパネルに適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
10 電極パターン
11 末端部
20 光遮断部
21 直線形状の光遮断部
22 ラウンド処理された形状の光遮断部
23 アーク形状の光遮断部
100 パターニング装置
110 平製版
112 凹溝部
120 伝達部
130 ベース
S 透明基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7