(54)【発明の名称】トリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体、その製造方法及びそれを有効成分として含む新生血管関連疾患の診断または治療用薬学的組成物
【文献】
Bioorganic and Medicinal Chemistry,2007年,Vol.15,P.7755-7764
【文献】
The Journal of Nuclear Medicine,2006年,Vol.47,No.12,P.2000-2007
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項3において、前記工程が、トリカルボニルテクネシウム−99m又はトリカルボニルレニウム−188を蒸留水溶媒0.5〜5mlに希釈して、化学式2の前駆体が入っている反応容器に入れて、70〜80℃で30〜60分間加熱して反応させることで、化学式1B又は化学式1Cで表される化合物を製造することを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】
本発明は、下記化学式1で表されるトリカルボニルテクネシウムまたはレニウム標識サイクリックRGD誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0025】
【化2】
【0026】
(前記化学式1で、Mは
99mTc、
188Reまたは
185,187Reで、
R
1は、N,N(CH
2CH
2O)
nCH
2CH
2CONHまたはN(CH
2CONH)
nCH
2CH
2CONHで、Xは直接結合、
【0027】
【化3】
【0028】
または、
【0029】
【化4】
【0030】
で、ここで、A
1およびA
2は、各々アスパラギン酸、リジン、グルタミン酸、チロシン、システイン、スレオニンおよびセリンからなる群から選択されるアミノ酸で、R
2はNHまたはNH(Z)
nCH
2CH
2CONHで、Zは−CH
2CH
2O−または−CH
2CONH−で、nは0ないし8の整数で、Yは、
【0031】
【化5】
【0032】
で、ここでR
3はHまたはOHで、R
4は−(CH
2)
m−または−(CH
2)
m−COO−で、mは1ないし8の整数で、前記YはR
1に直接結合するか、Xの中でR
2に結合する)
【0033】
好ましくは、前記トリカルボニルテクネシウムまたはレニウム標識サイクリックRGD誘導体は、下記化学式1Aないし化学式1Cで表される化合物の群から選択することができる。
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】
(前記化学式1Aないし1Cにおいて、前記M、R
1、R
2、R
3、R
4、A
1およびA
2は、前記化学式1で定義したのと同様である)
【0038】
本発明による前記化学式1で表されるトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の好ましい例は、下記に示すとおりである。
【0039】
1)サイクリック{(トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
2)サイクリック{(トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
3)サイクリック{(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
4)サイクリック{(トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−NH
2(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
5)サイクリック{(トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−NH
2(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
6)サイクリック{(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−NH
2(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
7)サイクリック{(トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
8)サイクリック{(トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
9)サイクリック{(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}、
10)(トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2、
11)(トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2、
12)(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2、
13){トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2、(n=0−8)、
14){トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2、(n=0−8)、
15){トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2、(n=0−8)、
16){トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{(ポリエチレングリコール)
n−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]}
2、(n=0−8)、
17){トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{(ポリエチレングリコール)
n−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]}
2、(n=0−8)、
18){トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{(ポリエチレングリコール)
n−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]}
2、(n=0−8)、
19)(トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−{アスパラギン酸−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、
20)(トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−{アスパラギン酸−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、
21)(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−{アスパラギン酸−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、
22){トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{アスパラギン酸−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、(n=0−8)、
23){トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{アスパラギン酸−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、(n=0−8)、
24){トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{アスパラギン酸−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、(n=0−8)、
25){トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{アスパラギン酸−(ポリエチレングリコール)
n−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、(n=0−8)、
26){トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{アスパラギン酸−(ポリエチレングリコール)
n−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、(n=0−8)、及び
27){トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)
n−アスパラギン酸}−{アスパラギン酸−(ポリエチレングリコール)
n−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2}
4、(n=0−8)。
【0040】
本発明による化学式1のサイクリックRGD誘導体は、RGDサイクリックを1個ないし4個含むことができる。
【0041】
本発明による化学式1で表されるサイクリックRGD誘導体は、薬学的に許容可能な塩の形態で使用することができる。前記塩では、薬学的かつ生理学的に許容される多様な有機酸または無機酸によって形成された酸付与塩が有用である。相応しい有機酸では、例えばカルボキシル酸、ホスホン酸、スルホン酸、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、デカン酸、グリコール酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、フェニル酢酸ン、ベンゼンスルホン酸、2−ナフタリンスルホン酸、メチル硫酸、エチル硫酸、ドデシル硫酸などを使用することができ、相応しい無機酸としては、例えば塩酸、硫酸またはリン酸などを使用することができる。
【0042】
本発明による前記化学式1で表されるサイクリックRGD誘導体は、薬学的に許容可能な塩だけではなく、通常の方法によって製造され得るすべての塩、水和物及び溶媒化物をすべて含むことができる。
【0043】
また、本発明は、前記化学式1のサイクリックRGD誘導体を製造する方法を提供する。
【0044】
具体的に、本発明によるサイクリックRGD誘導体は、下記スキーム1及びスキーム2に示された方法でに製造することができる。
【0045】
製法1
本発明において、放射性同位元素であるトリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188が標識されたサイクリックRGD誘導体は、下記スキーム1に示したように、
化学式2の前駆体化合物にトリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188を反応させて、化学式1のトリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188が標識されたサイクリックRGD誘導体を製造する工程を含む方法で製造することができる。
【0046】
【化9】
【0047】
(前記スキーム1で、Mは
99mTcまたは
188Reで、R
1、X及びYは前記化学式1で定義したのと同様である)
【0048】
具体的に、前記トリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188を化合物(
99mTc(CO)
3(H
20)
3+または
188Re(CO)
3(H
20)
3+)を蒸留水溶媒0.5〜5mlに希釈して、化学式2の前駆体が入っている反応容器に入れて、70〜80℃で30〜60分間加熱して反応させることで、化学式1のトリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188が標識されたサイクリックRGD誘導体を製造することができる。
【0049】
本発明による前記製法1において、前記トリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188化合物は、従来から知られた方法にしたがって合成することができ、好ましくは下記文献による方法を用いることができる。
【0050】
参照論文:Alberto, R., Schibli, R., Egli, A., Schubiger, A.P., Abram, U., Kaden, T.A., J. Am. Chem. Soc. 1998年,第120巻,p.7987-7988; Alberto, R., Schibli, R., Schubiger, A.P., Abram, U., Pietzsch, H-P., Johannsen, B., J. Am. Chem. Soc. 1999 年,第121巻,p.6076-6077; Schibli, R., Netter, M., Scapozza, L., Birringer, M., Schelling, P., Dumas, C., Schoch, J., Schubiger, P.A., J. Organomet. Chem. 2003年,第668巻,p.67-74; Schibli, R., Schwarzbach, R., Alberto, R., Ortner, K., Schmalle, H., Dumas, C., Egli, A., Schubiger, P.A. Bioconjuate Chem. 2002年,第13巻,p.750-756。
【0051】
製造されたトリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188が標識されたサイクリックRGD誘導体は、さらに、常温に冷却して、tC18 Sep−Pakカートリッジまたは高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を行なって分離/精製することができる。
【0052】
製法2
本発明において、非放射性同位元素であるトリカルボニル
185,187Reを導入したサイクリックRGD誘導体は、下記スキーム2に示したように、
化学式2の前駆体に(NEt
4)
2Re(CO)
3Br
3を入れて反応させて、化学式1Aのトリカルボニル
185,187Reが導入されたサイクリックRGD誘導体を製造する工程を含む方法で製造することができる。
【0053】
【化10】
【0054】
(前記スキーム2で、R
1、X及びYは前記化学式1で定義したのと同様で、化学式1Aは化学式1に含まれる)
【0055】
具体的に、前記試薬(NEt
4)
2Re(CO)
3Br
3を蒸留水溶媒0.5〜5mlに希釈して化学式2の前駆体が入っている反応容器に入れて、70〜80℃で55〜65分間加熱して反応させることで、化学式1Aのトリカルボニル
185,187Reが導入されたサイクリックRGD誘導体を製造することができる。
【0056】
前記化学式1Aのトリカルボニル
185,187Reが導入されたサイクリックRGD誘導体は、スキーム1のトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188が標識されたサイクリックRGD誘導体の基準物質で、トリカルボニルレニウム−188が標識されたサイクリックRGD誘導体とは同一物質なので高性能液体クロマトグラフィーで同じ保持値を有し、トリカルボニルテクネシウム−99m標識化合物が標識されたサイクリックRGD誘導体とは、1−2分程度の保持値の差を示す。
【0057】
製造された
185,187Reが導入されたサイクリックRGD誘導体は、追加的に、常温に冷却して、tC18 Sep−Pakカートリッジまたは高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を行なって分離/精製することができる。
【0058】
さらに、本発明は、前記化学式1のトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む、新生血管関連疾患の診断または治療用薬学的組成物を提供する。
【0059】
また、本発明は、対象に前記化学式1のトリカルボニルテクネシウム−99m標識サイクリックRGD誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を診断学的に有効な量で投与する工程を含む、対象内の新生血管関連疾患の診断方法を提供する。
【0060】
また、本発明は、対象に前記化学式1のトリカルボニルレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を治療学的に有効な量で投与する工程を含む、対象内の新生血管関連疾患の治療方法を提供する。
【0061】
本発明による化学式1のサイクリックRGD誘導体は、アミンと2個のヒドロキシカルボニルメチル基からなる標識ポケットにトリカルボニルテクネシウム−99m、トリカルボニルレニウム−188またはトリカルボニルレニウム反応物が結合して、テクネシウム−99mを中心に3個のカルボニル、アミン、2個のヒドロキシ基が八面体構造に形成された化合物である。
【0062】
前記化学式1のサイクリックRGD誘導体は、1個、2個または4個のサイクリックRGDを構成することができ、その中で2個のサイクリックRGDを構成する場合、腫瘍によって誘発された新生血管作用バイオマーカーであるα
vβ
3インテグリンにより高い結合親和度を有して、サイクリックRGDと標識グループ間のリンカーであるアスパラギン酸に多様なポリエチレングリコール鎖を導入して、2個のサイクリックRGDが同時に2個のα
vβ
3インテグリンに結合可能な構造(bivalent)を形成することで、より高い腫瘍映像を反映することができ、それを通じた治療効果も増進することができる。このように2個のサイクリックRGDを構成する化合物は、腫瘍が移植されたネズミでの体内分布実験で血管内皮細胞でトリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188サイクリックRGD誘導体に含まれるポケットグループが有する(−)イオンによって肝臓と大腸で早く排出されることによって、腫瘍対比正常臓器の割合が高い結果を得た。
【0063】
また、本発明による化学式1のサイクリックRGD誘導体は、4個のサイクリックRGDを構成して腫瘍によって誘発された新生血管作用バイオマーカーであるα
vβ
3インテグリンにより高い結合親和度を有することができ、サイクリックRGDと標識グループ間のリンカーであるアスパラギン酸に多様なポリエチレングリコール鎖を導入して4個のサイクリックRGDが同時にいくつかのα
vβ
3インテグリンに結合可能な構造を形成して高い腫瘍映像を反映することができ、それを通じた治療効果も増進することができる。
【0064】
さらに、4個のサイクリックRGDを構成するサイクリックRGD誘導体も、高いα
vβ
3インテグリン結合親和度と、血管内皮細胞でトリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188サイクリックRGD誘導体に含まれるポケットグループが有する(−)イオンによって、肝臓と大腸で早く排出され得る。
【0065】
したがって、本発明による化学式1のサイクリックRGD誘導体は、腫瘍によって誘導される新生血管作用で活性化になったビトロネクチン受容体とも呼ばれるα
vβ
3インテグリンにサブナノモル単位の高い親和度を有し、癌細胞が移植された動物で、トリカルボニルテクネシウム−99m標識サイクリックRGD誘導体初期摂取後、高い腫瘍映像を反映して肝臓と腸での摂取率が既存の知られた放射性同位元素標識サイクリックRGD誘導体に比べて、顕著に低くてより良い映像を提供しながら選択的にα
vβ
3インテグリンが活性化した癌細胞にのみ作用することが分かり、テクネシウム−99m標識に使用された同一前駆体を使用した治療核種であるレニウム−188標識誘導体の場合、生理食塩水だけを注入した腫瘍動物モデルとは異なり、尾静脈注入時に効果的な腫瘍の成長阻害と治療効能を示すことから、あつらえ形新生血管関連疾患の診断または治療用医薬品として有用に用いることができる。
【0066】
ここで、診断は前記トリカルボニルテクネシウム−99m標識サイクリックRGD誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を対象に、静脈注射で投与して単光子放射型コンピュータ断層撮影法で新生血管関連疾患の診断をすることが好ましく、診断を通じて癌の新生血管映像を取得した場合、同一前駆体が使用されたトリカルボニルレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体を用いてあつらえ形治療を行うことができる。
【0067】
本発明において、新生血管関連疾患は、血栓症、心筋虚血、固形化腫瘍または転移癌等、α
vβ
3インテグリンが過多に分布する疾患が好ましい。
【0068】
本発明の前記化学式1のサイクリックRGD誘導体またはその薬学的に許容可能な塩は、臨床投与時に静脈注射で投与し、人体に対する投与量は、患者の年齢、体重、性別、投与形態、健康状態及び疾患の程度によって調節することができ、体重が70Kgである成人患者を基準にする時、一般的診断の場合1〜20mCi/doseで、好ましくは3〜7mCi/doseで、また医師または薬剤師の判断によって一定時間間隔で1日1回ないし数回にで分けて投与することもできる。併せて、治療の場合は1〜1000mCi/doseで、好ましくは1〜500mCi/doseで、また医師または薬剤師の判断によって一定時間間隔で1日1回ないし数回に分けて投与することもできる。
【0069】
また、本発明は、下記化学式2で表されるトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識のためのサイクリックRGD誘導体前駆体を提供する。
【0070】
【化11】
【0071】
(前記化学式2において、R
1、X及びYは前記化学式1で定義したのと同様である)
【0072】
好ましくは、前記トリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識のためのサイクリックRGD誘導体の前駆体は、下記化学式2Aないし化学式2Cで表される化合物の群から選択することができる。
【0073】
【化12】
【0074】
【化13】
【0075】
【化14】
【0076】
(前記化学式2Aないし2Cにおいて、前記M、R
1、R
2、R
3、R
4、A
1およびA
2は前記化学式1で定義したのと同様である)
【0077】
前記トリカルボニルテクネシウムまたはレニウム標識のためのサイクリックRGD誘導体の前駆体は、下記で説明する実施例を通じて製造することができるが、これに制限されない。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下、本発明を実施例によって詳しく説明する。但し、下記の実施例は、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるのではない。
【0079】
<製造例1>本発明によるトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の前駆体の出発物質(3)の製造
【0081】
本発明によるトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の前駆体の出発物質に用いる前記化学式3の化合物は、文献(Haubner, R., Wester, H-J., Reuning, U., Senekowitsch-Schmidtke, R., Diefenbach, B., Kessler, H., Stocklin G., Schwaiger, M., J. Nucl. Med., 1999年,第40巻,p.1061-1071)によって合成した。
【0082】
<製造例2>ベンジル 1−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(7)の製造
【0084】
(工程1)
1−(N−(t−ブチルオキシカルボニル)−アミノ)−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカノン酸(1−(Boc−amino)−3,6,9,12−tetraoxapentadecanoic acid,224mg,0.61mmol,5)をアルゴンガス下でアセトニトリル(5ml)に溶解してセシウムカーボネート(CsCO
3,596mg,1.83mmol)とベンジルクロライド(211μl,1.83mmol)を加えた後、80℃下で30分間撹拌させた。反応容器を常温で冷却させて減圧下で溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーを通じて分離して目的化合物(6)を得た。
【0085】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.38-7.30 (m, 5H), 5.14 (s, 2H), 3.77 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.64-3.59 (m, 12H), 3.53 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.30 (m, 2H), 2.65 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.44 (s, 9H)。
【0086】
(工程2)
工程1で得た化学式6の化合物(260mg,0.57mmol)をメチレンクロライド(10ml)で溶解して、0℃下でトリフルオロ酢酸(TFA,1ml)を加えた後、室温で1時間撹拌した後、飽和ナトリウムバイカーボネート(saturated NaHCO
3,25ml)を加えてメチレンクロライド(100ml×3)溶液で抽出した後、有機溶媒層を減圧下で除去して、目的化合物であるベンジル 1−アミノ−3,6,9,12−テトラオキサペンタデカン−15−オエート(7)を得た。
【0087】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.53 (s, 5H), 5.14 (s, 2H), 3.78 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.65-3.62 (m, 12H), 3.58 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 2.93 (brs, 2H), 2.66 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.51 (brs, 2H)。
【0088】
<製造例3>トリカルボニルテクネシウム−99mまたはトリカルボニルレニウム−188化合物[
99mTc(CO)
3(H
2O)
3+または
188Re(CO)
3(H
2O)
3+]の製造
標識されるトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188化合物は、文献(Alberto, R., Schibli, R., Egli, A., Schubiger, A.P., Abram, U., Kaden, T.A., J. Am. Chem. Soc. 1998年,第120巻,p.7987-7988; Alberto, R., Schibli, R., Schubiger, A.P., Abram, U., Pietzsch, H-P., Johannsen, B., J. Am. Chem. Soc. 1999年,第121巻,p.6076-6077; Schibli, R., Netter, M., Scapozza, L., Birringer, M., Schelling, P., Dumas, C., Schoch, J., Schubiger, P.A., J. Organomet. Chem. 2003年,第668巻,p.67-74; Schibli, R., Schwarzbach, R., Alberto, R., Ortner, K., Schmalle, H., Dumas, C., Egli, A., Schubiger, P.A. Bioconjuate Chem. 2002年,第13巻,p.750-756)に記載された方法を行なって製造した。
【0089】
<実施例1〜5>本発明によるトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の前駆体の製造
<実施例1>サイクリック{(トリカルボニル−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}(2a)の製造
【0091】
(工程1)
前記製造例1で製造された化学式3の化合物(240mg,0.26mmol)とt−ブチルブロモアセテート(115μl,0.77mmol)をアセトニトリル(CH
3CN,5ml)とN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA,130μl,0.77mmol)に溶解して50℃下で12時間撹拌させた。反応後、溶媒を減圧下で除去して得られた化合物は、有機溶媒であるメタノールとジクロロメタン(10:90=MeOH:CH
2Cl
2)溶液でカラムクロマトグラフィーを通じて分離して化学式4の化合物を得た。
【0092】
MALDI−TOF MS(M+Na
+)=1163.4
【0093】
(工程2)
前記工程1で製造された化学式4の化合物を、TFA:Et
3SiH:H
2O(95:2.5:2.5,10ml)に溶解して常温で12時間反応させた後、すべての溶液を減圧下でほとんど蒸発させた後に、ジエチルエーテルを添加して得られた固体をロ過した。このようにして得られた白色固体を充分にエーテルで洗浄した後、乾燥して化学式2Aの化合物を製造した。
【0094】
MALDI−TOF MS(M+Na
+)=720.8
【0095】
<実施例2>サイクリック{(トリカルボニル−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}(2b)の製造
【0097】
(工程1)
出発物質として化学式3の化合物の代わりに化学式8のグリシン−メチルエステル−ヒドロクロライドを使用することを除き、前記実施例1の工程1と同一な方法で行なって化学式9の化合物を得た。
【0098】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.71 (s, 3H), 3.64 (s, 2H), 3.53 (s, 4H), 1.44 (s, 18H)。
【0099】
(工程2)
前記工程1で製造された化学式9の化合物(550mg,1.73mmol)をメタノール(MeOH,10ml)に溶解した後、1M水酸化リチウム(1M LiOH,3.4ml,3.4mmol)を加えて50℃下で1時間の間撹拌させた後、1N塩酸(1N HCl,3.8ml,2.2mmol)を加えて中和させて有機溶媒層を減圧下で除去して化学式10の化合物を得た。
【0100】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.48 (s, 2H), 3.47 (s, 4H), 1.48 (s, 18H)。
【0101】
(工程3)
前記工程2で製造された化学式10の化合物(60mg,0.19mmol)をN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(51mg,0.38mmol)、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスファート(144mg,0.38mmol)とともにアルゴン下で、N,N’−ジメチルホルムアミド(5ml)に溶解して30分間撹拌させた後、前記製造例2で製造された化学式7の化合物(47mg,0.13mmol)とN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(133μl,0.762mmol)を入れて常温で16時間撹拌させた。減圧下でN,N’−ジメチルホルムアミドを除去した後、カラムクロマトグラフィーを通じて分離して目的化合物(11)を得た。
【0102】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.09 (brs), 7.34 (brs, 5H), 5.13 (s, 2H), 3.76-3.36 (m, 22H), 2.65-2.64 (m, 2H), 1.45 (s, 18H)。
【0103】
(工程4)
反応容器に10%パラジウムチャコール(10%Pd/C,34mg,0.032mmol)を窒素充填下に入れて前記工程3で製造された化学式11の化合物(70mg,0.11mmol)をメタノール(5ml)に溶解して反応容器に加えた後、反応容器内を水素ガスに転換して常温で水素ガス下で16時間の間撹拌させた。セライト(celite)フィルターを通じてパラジウムを除去した後、減圧下でメタノールを除去して目的化合物(12)を得た。
【0104】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.02 (brs), 8.20 (brs), 3.75-3.70 (m, 2H), 3.63-3.56 (m, 14H), 3.52-3.47 (m, 2H), 3.38-3.36 (m, 2H), 2.57 (t, J = 6.0 Hz), 1.44 (s, 18H).
【0105】
(工程5)
反応物質として前記工程4で製造された化学式12の化合物と前記製造例1で製造された化学式3の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程5と同一な方法で行なって目的化合物(13)を得た。
【0106】
ESI MS(M+H
+)=1444.7
【0107】
(工程6)
出発物質として前記工程5で製造された化学式13の化合物の化合物を使用することを除き、前記実施例1の工程2と同一な方法で行なって目的化合物(2b)を得た。
【0108】
ESI MS(M+H
+)=1024.5.
【0109】
<実施例3>(トリカルボニル−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2(2c)の製造
【0111】
(工程1)
出発物質としてO,O’−ダイベンジルアスパラギン酸ヒドロクロライドを使用することを除き、前記実施例1の工程1と同一な方法で行なって目的化合物(15)を得た。
【0112】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.36-7.26 (m, 10 H), 5.14-5.06 (m, 4H), 3.99 (dd, J = 9.2, 5.2 Hz, 1H), 3.61-3.50 (m 4H), 2.94 (dd, J = 16.8, 9.6 Hz, 1H), 2.82 (dd, J = 16.4, 5.6 Hz, 1H), 1.42 (s, 18H).
【0113】
(工程2)
出発物質として前記工程1で製造された化学式15の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程2と同一な方法で行なって目的化合物(16)を得た。
【0114】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.60 (brs, 2H), 3.90 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.55-3.40 (m, 4H), 2.98 (dd, J = 16.4, 5.2 Hz, 1H), 2.66 (dd, J = 16.8, 7.6 Hz, 1H), 1.46 (s, 18H).
【0115】
(工程3)
出発物質として前記工程2で製造された化学式16の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程5と同一な方法で行なって目的化合物(17)を得た。
【0116】
MALDI−TOF MS(M+Na
+)=2171.06
【0117】
(工程4)
出発物質として前記工程3で製造された化学式17の化合物を使用することを除き、前記実施例1の工程2と同一な方法で行なって目的化合物(2c)を得た。
【0118】
ESI MS(M+H
+)=1420.5
【0119】
<実施例4>{トリカルボニル−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸}−{(ポリエチレングリコール)4−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]}
2(2d)の製造
【0121】
(工程1)
出発物質として化学式3の化合物の代わりに化学式16の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程5と同一な方法で行なって化学式18の化合物を得た。
【0122】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.46 (brt, 1H), 7.38-7.30 (m, 10H), 6.84 (brs, 1H), 5.13 (s, 4H), 3.87 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 3.77 (t, J = 6.4 Hz, 4H), 3.63-3.61 (m, 24H), 3.57-3.53 (m 4H), 3.51-3.42 (m 6H), 3.31-3.27 (m, 2H), 2.81 (dd, J = 10.8, 6.4 Hz, 1H), 2.65 (t, J = 6.6 Hz, 4H), 2.38 (dd, J = 14.8, 6.4 Hz, 1H), 1.44 (s, 18H)。
【0123】
(工程2)
出発物質として前記工程1で製造された化学式18の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程6と同一な方法で行なって化学式19の化合物を得た。
【0124】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.57 (brt, 1H), 7.82 (brs, 1H), 5.13 (s, 4H), 3.92 (t, J = 6.6 Hz, 1H), 3.77-3.70 (m, 4H), 3.64-3.55 (m, 31H), 3.47-3.30 (m 2H), 3.34-3.29 (m 3H), 2.81 (dd, J = 22, 7.2 Hz, 1H), 2.59 (t, J = 12 Hz, 4H), 2.46 (dd, J = 20.4, 5.2 Hz, 1H), 1.45 (s, 18H).
【0125】
(工程3)
出発物質として前記工程2で製造された化学式19の化合物と前記製造例1で製造された化学式3の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程5と同一な方法で行なって化学式20の化合物を得た。
【0126】
MALDI−TOF MS(M+Na
+)=2665.87
【0127】
(工程4)
出発物質として前記工程3で製造された化学式20の化合物を使用することを除き、前記実施例1の工程2と同一な方法で行なって目的化合物(2d)を得た。
【0128】
MALDI−TOF MS(M+Na
+)=1914.65
【0129】
<実施例5>{トリカルボニル−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−(ポリエチレングリコール)4−アスパラギン酸}−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2(2e)の製造
【0131】
(工程1)
出発物質として前記製造例2で製造された化学式7の化合物を使用することを除き、前記実施例1の工程1と同一な方法で行なって化学式21の化合物を得た。
【0132】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.37-7.34 (m, 5H), 5.14 (s, 4H), 3.77 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.63-3.58 (m, 14H), 3.49 (s 4H), 2.94 (t, J = 5.8 Hz 2H), 2.65 (t, J = 6.6 Hz 2H), 1.45 (s, 18H)。
【0133】
(工程2)
出発物質として前記工程1で製造された化学式21の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程6と同一な方法で行なって化学式22の化合物を得た。
【0134】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.97 (brs, 1H), 3.74 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.64-3.60 (m, 14H), 3.50 (s, 4H), 2.95 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 1.44 (s, 18H)。
【0135】
(工程3)
出発物質として前記工程2で製造された化学式22の化合物とO,O’−ダイベンジルアスパラギン酸ヒドロクロライドを使用することを除き、前記実施例2の工程5と同一な方法で行なって化学式23の化合物を得た。
【0136】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.36-7.27 (m, 10H), 5.13 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 5.06 (d, J = 0.8 Hz, 2H), 4.94-4.90 (m, 1H), 3.67 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 3.64-3.55 (m, 14H), 3.47 (s, 4H), 3.06 (dd, J = 22, 4.8 Hz, 1H), 2.94-2.87 (m, 3H), 2.49 (td, J = 6.8, 2.0 Hz, 2H), 1.44 (s, 18H)。
【0137】
(工程4)
出発物質として前記工程3で製造された化学式23の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程6と同一な方法で行なって化学式24の化合物を得た。
【0138】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.49 (brs, 1H), 7.61 (brd, J = 4.4 Hz, 1H), 4.69 (brs, 1H), 3.68-3.41 (m, 20H), 2.99-2.94 (m, 3H), 2.78 (dd, J = 24, 7.2 Hz, 1H), 2.52 (brs, 1H), 1.45 (s, 18H)。
【0139】
(工程5)
出発物質として前記工程4で製造された化学式24の化合物と前記製造例1で製造された化学式3の化合物を使用することを除き、前記実施例2の工程5と同一な方法で行なって化学式25の化合物を得た。
【0140】
MALDI−TOF MS(M+Na
+)=2418.70
【0141】
(工程6)
出発物質として前記工程5で製造された化学式25の化合物を使用することを除き、前記実施例1の工程2と同一な方法で行なって目的化合物(2e)を得た。
【0142】
MALDI−TOF MS(M+H
+)=1667.8
【0143】
<
比較例1>サイクリック{(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}の製造
【0145】
前記実施例1で製造された化学式2Aの前駆体化合物(2.6mg,0.002mmol)とビス−(N−テトラエチル)−トリブロモトリカルボニルレニウム((NEt
4)
2ReBr
3(CO)
3,1.6mg,0.0025mmol)を水:メタノール (v/v=1/1,1ml)で溶解して、1時間20分間撹拌させた後、窒素ガスを用いて溶媒を除去して水に溶解して高性能液体クロマトグラフィーを用いて目的化合物を合成し、MALDI−TOF質量分析を用いて目的化合物の質量を分析した(MALDI−TOF MS(M+H
+)=990.85)。
【0146】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、0.1%トリフルオロ酢酸が含まれたアセトニトリル(20%)と蒸留水(80%)を移動相にして最終30分後には90:10割合に増加させる勾配条件を用いて、静止相にはC18カラム(YMC,5μm,10×250mm)を用いて分当り2mlで移動相を流して検出器(214nm,UV)で検出した結果、
参考例1の目的化合物が21.8分に検出された。
【0147】
<実施例7>サイクリック{(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}の製造
【0149】
前記実施例1で製造された化学式2Aの前駆体化合物の代わりに前記実施例2で製造された化学式2Bの前駆体化合物を使用することを除き、前記
参考例1と同一な方法で行なって目的化合物を合成して、MALDI−TOF質量分析を用いて目的化合物の質量を分析した(MALDI−TOF MS(M+H
+)=1293.4)。
【0150】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(214nm,UV)を通じて実施例
7の目的化合物が21.6分に検出された。
【0151】
<実施例8>(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2の製造
【0153】
前記実施例1で製造された化学式2Aの前駆体化合物の代わりに前記実施例3で製造された化学式2Cの前駆体化合物を使用することを除き、前記
参考例1と同一な方法で行なって目的化合物を合成して、ESI質量分析を用いて目的化合物の質量を分析した(ESI MS(M+H
+)=1688.5)。
【0154】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(214nm,UV)を通じて
参考例3の目的化合物が19.2分に検出された。
【0155】
<実施例9>(トリカルボニル−[
185,187Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2の製造
【0157】
前記実施例1で製造された化学式2aの前駆体化合物の代わりに前記実施例5で製造された化学式2eの前駆体化合物を使用することを除き、前記
参考例1と同一な方法で行なって目的化合物を合成して、ESI質量分析を用いて目的化合物の質量を分析した(ESI MS(M+H
+)=2007.7)。
【0158】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(214nm,UV)を通じて実施例9の目的化合物が20.8分に検出された。
【0159】
<
参考例2>サイクリック{(トリカルボニル−[
188レニウム]−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}の製造
【0161】
アンモニウムボラン(NH
3−BH
3 complex,5mg)をゴム栓を有する10mlバイアルに入れて、COガスを10分間吹き入れた後、リン酸(H
3PO
4,6μl)と
188ReO
4−(10mCi,1ml)を入れて反応中に内部圧力を緩衝するために空の20ml注射器をさして60℃で15分間撹拌した。反応が終わって室温まで冷やした後、100mM PBS(200μl)と飽和されたナトリウムバイカーボネート(50μl)で中和して、レニウムトリカルボニル化合物[
188Re(H
2O)
3(CO)
3+]を合成し、ラジオ薄層クロマトグラフィー(Radio−TLC)を通じて反応化合物合成を確認した。
【0162】
得られた[
188Re(H
2O)
3(CO)
3+]と前記実施例1で製造された化学式2Aの前駆体化合物(0.5mg)を入れて、75℃で60分間加熱して氷水に浸して冷やした後、tC18 Sep−Pakカートリッジ分離を通じて精製し、再び高性能液体クロマトグラフィーに注入して目的化合物を精製した。
【0163】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(gamma−ray,NaI)を通じて
参考例2の目的化合物が21.8分に検出された。それは、前記
参考例1の化合物の検出器(UV,214nm)での保持時間と一致した。減衰補正された放射化学的収率は50−60%であって、放射化学的純度は97%以上である。
【0164】
<実施例11>サイクリック{(トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}の製造
【0166】
前記実施例1で製造された化学式2aの前駆体化合物の代わりに前記実施例2で製造された化学式2bの前駆体化合物を使用することを除き、前記実施例9と同一な方法で行なって目的化合物を製造した。
【0167】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(gamma−ray,NaI)を通じて実施例11の目的化合物が21.6分に検出された。それは、前記実施例7の化合物の検出器(UV,214nm)での保持時間と一致した。減衰補正された放射化学的収率は50−60%であっって、放射化学的純度は97%以上である。
【0168】
<実施例12>(トリカルボニル[
188Re]レニウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2の製造
【0170】
前記実施例1で製造された化学式2aの前駆体化合物の代わりに前記実施例3で製造された化学式2cの前駆体化合物を使用することを除き、前記
参考例2と同一な方法で行なって目的化合物を製造した。
【0171】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(gamma−ray,NaI)を通じて実施例12の目的化合物が19.2分に検出された。それは、前記実施例8の化合物の検出器(UV,214nm)での保持時間と一致した。減衰補正された放射化学的収率は50−60%であって、放射化学的純度は97%以上である。
【0172】
前記
参考例2及び実施例11並びに12の場合、前記
参考例1及び実施例9並びに8の化合物に含む非放射性同元素
185,187Reが放射性同位元素
188Reに変わった化合物であり、分析方法では質量分析で検証された
参考例1、7
、及び8の化合物の各々の高性能液体クロマトグラフィーでの保持時間(t
R)と
参考例2及び実施例11
並びに12の化合物の保持時間が一致することを通じて、
参考例2及び実施例11
並びに12で製造された化合物がレニウム−188のみが変わった化合物であることを証明した。
【0173】
<
参考例3>サイクリック{(トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}の製造
【0175】
ナトリウムカボネート(Na
2CO
3,4mg)、ナトリウムボロハイドライド(NaBH
4,5.5mg)及びL−酒石酸ナトリウム二水和物(5mg)を10mlのゴム栓を有するバイアルに入れて、COガスを10分間注入した。そこに発生器で得た
99mTcO
4−(10mCi,1ml)を注射器で入れて内部圧力を緩衝するために空の20ml注射器を栓に突刺した。バイアルを75℃で25分間加熱した。以後、前記バイアルを氷水に浸して冷やした後、100mM PBS(200μl)と1N塩酸(1N HCl,180μl)を用いて中性化させた。合成されたトリカルボニルテクネシウム−99m化合物[
99mTc(H
2O)
3(CO)
3+]は、ラジオ薄層クロマトグラフィー(Radio−TLC)を通じて確認した。得られた[
99mTc(H
2O)
3(CO)
3+]と前記実施例1で製造された化学式2aの前駆体化合物(0.5mg)を入れて、75℃で30分間加熱して氷水に浸して冷やした後、tC18 Sep−Pakカートリッジ分離を通じて精製し、再び高性能液体クロマトグラフィーに注入してトリカルボニルテクネシウム−99m化合物が標識された化合物を製造した。
【0176】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、0.1%トリフルオロ酢酸が含まれたアセトニトリル(20%)と蒸留水(80%)を移動相にして最終30分後には90:10の割合に増加させる勾配条件を用いて、静止相ではC18カラム(YMC,5μm,10×250mm)を用いて分当り2mlで移動相を流して検出器(gammar ray,NaI)で検出した結果、前記
参考例3の目的化合物が20.6分に検出された。それは、前記
参考例1の化合物の検出器(UV,214nm)での保持時間(21.8分)と1分の差がある。減衰補正された放射化学的収率は60−70%であって、放射化学的純度は97%以上である。
【0177】
<実施例14>サイクリック{(トリカルボニル[
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン}の製造
【0179】
前記実施例1で製造された化学式2aの前駆体化合物の代わりに前記実施例2で製造された化学式2bの前駆体化合物を使用することを除き、前記
参考例3と同一な方法で行なって目的化合物を製造した。
【0180】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(gamma−ray,NaI)を通じて
参考例3の目的化合物が21.4分に検出された。それは、前記実施例7の化合物の検出器(UV,214nm)での保持時間(21.6分)と0.2分の差がある。減衰補正された放射化学的収率は60−70%であって、放射化学的純度は97%以上である。
【0181】
<実施例15>(トリカルボニル
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−アスパラギン酸)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2の製造
【0183】
前記実施例1で製造された化学式2aの前駆体化合物の代わりに前記実施例3で製造された化学式2cの前駆体化合物を使用することを除き、前記
参考例3と同一な方法で行なって目的化合物を製造した。
【0184】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(gamma−ray,NaI)を通じて実施例15の目的化合物が18.4分に検出された。それは、前記実施例8の化合物の検出器(UV,214nm)での保持時間(19.2分)と0.8分の差がある。減衰補正された放射化学的収率は60−70%であって、放射化学的純度は97%以上である。
【0185】
<実施例16>(トリカルボニル
99mTc]テクネシウム−N−α−ビス−ヒドロキシカルボニルメチル−グリシン−CONH(CH
2CH
2O)
4CH
2CH
2CONH−リジン)−[サイクリック(リジン−アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−D−フェニルアラニン)]
2の製造
【0187】
前記実施例1で製造された化学式2aの前駆体化合物の代わりに前記実施例5で製造された化学式2eの前駆体化合物を使用することを除き、前記
参考例3と同一な方法で行なって目的化合物を合成した。
【0188】
高性能液体クロマトグラフィー分離条件は、前記
参考例1と同一な条件で分離し、検出器(gamma−ray,NaI)を通じて実施例16の目的化合物が19.9分に検出された。それは、前記実施例9の化合物の検出器(UV,214nm)での保持時間(20.8分)と0.9分の差がある。減衰補正された放射化学的収率は50−70%であって、放射化学的純度は97%以上である。
【0189】
前記
参考例3及び実施例14ないし16の化合物の場合、前記
参考例1及び実施例7並びに8の化合物が含む非放射性同位元素
185,187Reが、放射性同位元素
99mTcに変わった化合物であり、分析方法では質量分析で検証された
参考例1及び実施例7
並びに8の化合物の各々の高性能液体クロマトグラフィーでの保持時間(t
R)と
参考例3及び実施例14
並びに16の保持時間が1分内外の差が出ながら前駆体の大部分が高い収率で標識されることを通じて、前記
参考例3及び実施例14ないし16の化合物がテクネシウム−99mのみ変わった化合物であることを証明した(テクネシウムとレニウムは、周期律表上で同族の金属イオンであって前駆体と同一反応性を有している)。
【0190】
<実験例1>トリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の生物学的活性測定
<1−1>結合親和力(IC
50)値測定
本発明によるトリカルボニルテクネシウムまたはレニウム標識サイクリックRGD誘導体の新生血管作用の有力バイオマーカーであるα
vβ
3インテグリンに対する結合活性を調べるために、次のような実験を行なった。
【0191】
α
vβ
3インテグリンが過多発現したことが知られたヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を牛胎児血清(FBS)、ヒドロコチソン、ヒト線維芽細胞基本成長因子(hFGF−B)、血管内皮成長因子(VEGF)、R3−IGF−1、アスコルビン酸、人体上皮成長因子(hEGF)、GA−1000、及びヘパリンが含まれた内皮細胞塩基担体−2(endothelial cell basal medium−2;EBM−2)に37℃、5%CO
2の条件下で培養した。1×10
6個のHUVEC細胞をエッペンドルフチューブに分注した後、2μCiのトリカルボニルテクネシウム−99mまたはレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体を添加して、同時に0、0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、3、5nMの競争反応基準物質サイクリックRGD(cRGDyV)を各チューブ別に添加して37℃、5%CO
2の条件下で1時間の間結合反応を誘導した。反応が終わったHUVEC細胞を100mMリン酸緩衝食塩水(PBS)で3回水洗した後、ガンマカウンターで競争反応を通じて特異的に結合したトリカルボニルテクネシウムまたはレニウム標識サイクリックRGD誘導体の放射能を測定した。測定された放射エネルギーの値と競争反応を誘導した基準物質サイクリックRGDの濃度別値を用いて、非線形回帰曲線を完成した後、それを基にIC
50値を算出した。IC
50値の算出は、シグマプロットソフトウェアを用いた。
【0192】
前記方法で本発明の化合物のα
vβ
3インテグリンとの結合親和力(IC
50)を測定して、その結果を下記表1に示した。
【0194】
表1に示したように、サイクリックRGDを1個導入した誘導体である
参考例3及び
参考例2の化合物はそれぞれIC
50値が1.6nM、1.4nMを示し、同一前駆体に放射性同位元素のみを変えた場合に、α
vβ
3インテグリンとの結合親和力に差がないことを示した。実施例14の場合もまたPEG連結基を導入した時にも
参考例2及び参考例3に比べて大きな影響力がないことを確認しました。サイクリックRGDを2個導入した誘導体である実施例15及び実施例12の化合物はサブナノモルの結合数値である0.4nMと0.5nMを示して最も優れた結合親和力を示し、この場合も同様にテクネシウム−99mとレニウム−188を同じ前駆体に導入するかしないかによる結合親和力に差異がないことが示され、PEG連結基を導入した実施例16の場合にも実施例12と15と同様に結合親和力に格別な影響がありませんでした。
【0195】
したがって、本発明によるサイクリックRGD誘導体は、導入するサイクリックRGDが多いほどα
vβ
3インテグリンに高い結合親和力を示すことが分かる。
【0196】
<1−2>体内腫瘍モデルマウスでのトリカルボニルテクネシウム−99m標識サイクリックRGD誘導体の腫瘍摂取及び臓器別排出程度の評価
先天的胸腺欠損マウス(7週齢,BALB/c−nu Slc strain、以下ヌードマウス)を用いて本発明で得られた三種類のトリカルボニルテクネシウム−99m標識サイクリックRGD誘導体(
参考例3及び実施例14並びに15)の時間による腫瘍モデルマウスの腫瘍と臓器別摂取及び排出程度を実験した。
【0197】
ヌードマウスの腫瘍形成は、ヒト膠芽腫U87−MG細胞株(1×10
6/100μl in PBS)を皮下注射した後、約2週間の成長期間を経て0.4〜0.5ccの大きさの腫瘍形成モデルのみを選別して実験に用いた。
【0198】
以後、
参考例3及び実施例14並びに15で製造された化合物を生理食塩水に溶解して各匹当たり100μl(20μCi)ずつ尾静脈を通じて注射した。体内分布時間帯は、10、30、60、120、240分に決定し、個体数は各時間帯に4〜5匹を用いた。各時間帯別にマウスを犠牲にして血液、腫瘍及び各臓器(肝臓、肺、脾臓、腎臓、小腸、大腸、甲状腺、筋肉、脳)を摘出して各臓器の重さ(g)及びガンマカウンターを用いて薬物の臓器摂取率(radioactivity)を測定した。各臓器の薬物摂取率は、%ID/g(percent injected dose per gram)単位で計算して、その結果を
図1〜3に示した。%ID/g値の算出は、下記の数式1によって計算した。
【0199】
[数1]
%ID/g=(薬物の摂取率/薬物の注射量×100)/各臓器の重さ(g)・・・数式1
【0204】
表2〜4と
図1〜3に示したように、
参考例3及び実施例14並びに15の化合物の時間別腫瘍及び臓器の摂取及び排出程度を詳しくみると、
参考例3の化合物は初期に低い腫瘍摂取と高い肝臓と小腸摂取を有し、すべての臓器で時間が経過することにしたがって早く排出されることを確認することができた。薬物注射後10分に5%ID/gを上位だった肝摂取率は時間が経つにつれて早く排出されて2時間後には0.3%ID/gの非常に低い摂取率を示した。肝臓で代謝された薬物は、大部分腸を通じて体外に排出されることが確認され、注射後2時間までも4%ID/g水準を維持することからして活発な腸排出が進行していることを確認することができる。その外、血液を含む脳、筋肉組織での特異的摂取率は示されず、甲状腺の摂取率も0.01〜0.05%ID/g水準を維持することからして、生体内で前記薬物の安定性を確認した。腫瘍の摂取率は、注射後10分に1.43%ID/gから2時間後の0.33%ID/gに早い初期摂取率を示す一方、時間が経つにつれて漸次的にその摂取率が減少する様相を確認した。
【0205】
サイクリックRGDのリジンにPEG鎖を連結して標識ポケットが有する(−)イオンとサイクリックRGDのアルギニンが有する(+)イオン間の相殺効果を減らすために合成した実施例14の化合物の時間別腫瘍及び臓器の摂取及び排出程度は、薬物注射後10分に5.3%ID/gの摂取率を示し、肝の場合時間が経つにつれて早く代謝されて注射後4時間には0.64%ID/gの非常に低い摂取率を示し、肝臓で代謝された薬物は大部分腸を通じて体外に排出されることを確認することができた。注射後2時間からは、小腸を過ぎた薬物の大腸摂取率が急激に増加することからして、この時期が体外への排出が始まっている時間であることを確認した。少量の薬物は、腎臓でのろ過過程を通じて膀胱に集まってから小便で排出されることが分かった。血液を含む脳、筋肉組織での特異的な摂取率は示されず、甲状腺の摂取率も0.01〜0.20%ID/g水準を維持することからして生体内で前記薬物の安定性を確認した。腫瘍の摂取率は、注射後10分に5.43%ID/gで比較的高い水準を示し、時間が経って代謝が進行するにつれて徐々に減少して前記薬物の4時間目の摂取率は1.41%ID/g値を示した。
【0206】
2個のサイクリックRGDを導入した実施例15の化合物での時間別腫瘍及び臓器の摂取及び排出程度は、薬物注射後10分に3.1%ID/gで非常に低い初期の肝摂取率を示し、非常に早い肝代謝速度を示して4時間後には1%ID/g水準まで急激に減少した。肝臓で代謝が進行された前記薬物は、非常に早い速度で腎臓を通じて小便で排出されていることを確認することができ、小便を通じた体外排出に起因した腎臓の最大摂取率は注射後60分に一時12%ID/gを上回った。小腸と大腸を含む前記薬物の腸を通じた排出は5%ID/g台未満で不備な水準であって、投与された大部分の薬物が小便を通じて体外に排出されることを確認した。血液を含む脳、筋肉組織での特異的が摂取率は示されず、甲状腺の摂取率も0.1%ID/g水準を持続的に維持することからして、生体内で前記薬物の安定性を確認した。初期10分の腫瘍の摂取率は12.44%ID/gで非常に高く、早い薬物の腫瘍集積能力を示し、注射後1時間までその摂取を維持した。以後、徐々に腫瘍から薬物が抜け出ることを確認することができたが、注射後4時間目にも6%ID/gを越える非常に高い腫瘍摂取率を確認した。
【0207】
<1−3>体内腫瘍モデルマウスでのトリカルボニルテクネシウム−99mサイクリックRGD誘導体のSPECT映像評価
腫瘍モデルマウスの製作は、前記<1−2>と同一な方法で製作した。腫瘍形成マウスモデルを用いて本発明による
参考例3及び実施例14並びに15の化合物(0.5〜1mCi)を生理食塩水100μlに溶解して尾静脈に注射して、映像獲得時間の間
の動物モデルの
麻酔は2%イソフルランガスを用い、注射時間から180分間マウス映像を
小動物専用単光子放射型コンピュータ断層撮影
機(Bioscan,nanoSPECT/CT)を通じて静止画像を獲得した。映像プロトコルは次のように放射と送信を繰り返した。
【0209】
前記
参考例3及び実施例14並びに15の化合物のSPECT映像を
図4〜6に示した。
【0210】
参考例3の化合物の場合、薬物注射初期10分後から腫瘍に摂取され約1時間まで観察が可能だった。大部分の薬物が肝代謝を経て腸に早く排出されることを確認することができ、一部薬物だけが腎臓を通じて小便で排出されることが分かる。
【0211】
実施例14の化合物の場合、薬物注射初期10分後から腫瘍の高い摂取率を示しそれは約3時間まで観察が可能だった。前記
参考例3の化合物と類似に肝代謝を経て腸に早く排出されることを確認することができ、一部薬物だけが腎臓を通じて小便で排出されることが分かる。
【0212】
実施例15の化合物の場合、薬物注射初期10分後から非常に高い腫瘍摂取率を示して3時間以上持続することを確認することができた。
参考例3及び
実施例14の化合物とは相異して肝臓で代謝された薬物を大部分が腎臓を通じて小便で排出されることを確認することができる。
図7では、腫瘍を基準で肝臓、腎臓、筋肉の相対的な摂取比率をグラフで表示し、前記結果を通じて表4の実施例15の化合物の腫瘍摂取及び臓器別排出程度評価と、
図6での実施例15の化合物のSPECT映像評価実験との間の同一性を観察することができる。
【0213】
<1−4>体内腫瘍モデルマウスでの競争反応基準物質サイクリックRGD誘導体(cRGDyV)注入フトリカルボニルテクネシウム−99mサイクリックRGD誘導体のSPECT映像評価
サイクリックRGD誘導体の特異的腫瘍摂取を確認するために、競争反応基準物質サイクリックRGD(cRGDyV)を投与した後、SPECT/CT映像を獲得した。基準物質には、サイクリックRGD−タイロシン−バリン誘導体を18mg/Kgの濃度で尾静脈注射した。基準物質注射後10分後にテクネシウム−99mが標識された実施例15の化合物(1mCi/200μl)を尾静脈に注射した。注射と同時にSPECT/CT映像を獲得し、その条件は下記のとおりである。
【0214】
映像獲得時間の間、動物モデルの痲酔は2%イソフルランガスを用い、動物モデルの腫瘍の大きさは0.4ccだった。CT映像は、45Kv、178μAの条件下で4分30秒間撮影し、SPECT映像は、注射と同時に10分おきに総9回(注射後90分)獲得して
図8に示した。
【0215】
図8に示したように、α
vβ
3インテグリンに特異的結合をすると知られたサイクリックRGD(cRGDyV)を注入した後、本発明による実施例15の化合物のSPECT映像が
図6の実施例15の化合物の映像対比腫瘍摂取が25分で94%以上減少することを通じて、α
vβ
3インテグリンに特異的結合を通じた腫瘍映像が反映されることの証拠とした。
【0216】
<1−5>体内腫瘍モデルマウスでのトリカルボニルレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の腫瘍成長阻害及び治療性能評価
トリカルボニルレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の腫瘍成長抑制能力を確認するため、治療効果実験を行なった。
【0217】
週1回ずつ4週間総4回、レニウム−188標識サイクリックRGD誘導体である実施例5を注射した。治療効果判定モデルは、300μCiの少ない放射能注射グループと600μCiの多い放射能注射グループに分けて作り、同じ時点に滅菌生理食塩水を注射する対照群と毎日100μgのサイクリックRGD(cRGDyV)を腹腔に注射する比較群とを設定した。実施例11の化合物と滅菌生理食塩水の注射は、尾静脈を通じて投薬した。週1回、CT映像を獲得して皮下腫瘍の成長程度及び大きさを映像で測定し、週3回ノギスを用いた腫瘍の実測及び動物モデルの体重を総4週間持続的に測定してグラフに表示して、その結果を
図9に示した。
【0218】
図9に示したように、初期0.69、0.7ccの腫瘍の大きさを示した滅菌生理食塩水投与群とサイクリックRGD投与群は、時間が経つにつれて腫瘍の成長速度が急激に増加することを確認した。治療2週目には、それぞれ3.0、3.9ccまで成長し、3週目には2個のグループとも8.0ccまで成長し、治療最後の週にはそれぞれ13.0、12,9ccで非常に早い腫瘍の成長を示した。2個のグループ間の腫瘍成長速度は、有意的差異を有さず体重も初期23gから滅菌生理食塩水投与群が33g、サイクリックRGD投与群が30gで、非常に大きな増加幅を示した。それは、既存の動物の重さから腫瘍が急速に成長したことによる結果であると思慮される。実施例11の300μCi投与群の初期腫瘍は、0.23ccの大きさから週1回ずつ4週間にわたった治療が終わる時点で、0.66ccまで腫瘍の成長を確認した。滅菌生理食塩水投与群とサイクリックRGD投与群に比べて約50%程度の腫瘍成長抑制能力を有していることを確認した。放射エネルギーによる体重の変化は、治療前20gから4週間の治療後25gに増加したが、実際治療過程で動物の重さは減少することが観察され、約5gの重さの増加は成長した腫瘍の重さであると思慮される。より高い放射エネルギーを放出する600μCi投与群の腫瘍成長は、初期0.3ccから2週目0.3cc、3週目0.7cc、最後の治療が終わる時点では1.4ccで、非常に遅い腫瘍成長速度を示し、それは滅菌生理食塩水投与群とサイクリックRGD投与君に比べて約90%、低い放射エネルギー治療群(300μCi)に比べて約79%程度の腫瘍成長抑制能力を示した。4回にわたった投与薬物の高い放射エネルギーに起因した動物の体重変化は、治療前19.9gから漸次的に減少して治療が終わる時点の重さは17.09gで、約14%減少した。それは、生命倫理審議委員会(IRB)が提示する腫瘍の放射治療の前後体重変化が、20%を越えてはいけないという基準において、腫瘍成長抑制を示した結果である。
【0219】
<1−6>体内腫瘍モデルマウスでのトリカルボニルレニウム−188標識サイクリックRGD誘導体の腫瘍成長阻害及び治療性能評価2
同じ腫瘍大きさ(0.3cc)の体内腫瘍モデルマウス二匹を用いて、レニウム−188標識サイクリックRGD誘導体である実施例12の化合物(600μCi/200μl)を注射したモデルと注射しない腫瘍モデルを、3日後に実施例15の化合物を用いてSPECT映像撮影した結果を
図10に示した。
【0220】
注射時間から60分間マウス映像を小動物専用単光子放射型コンピュータ断層撮影機(Bioscan、nanoSPECT/CT)を通じて、静止画像を獲得した。映像プロトコルは、次のように放射と送信を繰り返した。
【0222】
実施例12の化合物投与群と正常群間の腫瘍、肝臓、腎臓、筋肉の相対的な摂取割合をグラフにして
図10に示し、2個のグループ間の腫瘍を直接除去した後、腫瘍周辺の血管分布を写真に撮影して
図11に示した。
【0223】
図10及び
図11に示したように、初期0.3ccの腫瘍大きさは、
実施例12の化合物を注射したモデルでは0.35ccに育ち、投与しないモデルは0.65ccの腫瘍大きさを示し、腫瘍のSPECT映像比較のためにテクネシウム標識サイクリックRGD誘導体である実施例15の化合物を注入して、二つのグループ間の映像を比較時、腫瘍での摂取の割合が実施例12の化合物を投与した群で59%減少することを確認することができた。また二つのグループ間の腫瘍写真で、実施例12の化合物を投与したモデルの腫瘍が、投与しないモデルの腫瘍とは異なり、周辺の血管分布が確実に少なく、腫瘍を取り囲んだ血管の数も急激に減ったことを確認し、摘出した腫瘍組織スライスをCD−31血管染色した時にも、実施例12を投与した腫瘍細胞では明確に管が観察されなかった。また、腫瘍組織スライドにQ−dotが導入された二個のRGD誘導体を利用したα
vβ
3インテグリン分布評価実験で、
図11のように実施例12を投与した腫瘍組織で大部分のインテグリンが損傷されていることを確認できた。
【0224】
したがって、本発明によるトリカルボニルレニウム−188標識されたサイクリックRGD誘導体は、腫瘍の成長阻害及び腫瘍の新生血管作用抑制力が優れているので、腫瘍の新生血管作用から誘発される疾病の治療に有用に用いることができる。
【0225】
一方、本発明による前記化合物は、目的によって多くの形態製剤化が可能である。下記には、本発明による前記化合物を活性成分として含むいくつかの製剤化方法を例示するが、本発明がこれに限定されるのではない。
【0226】
<製剤例>注射剤の製造
本発明の化学式1の化合物 5mCi
エタノール 100mg
生理食塩水 2000mg
【0227】
本発明の化学式1の化合物をエタノールとともに蒸留水に溶解させて、滅菌フィルターを通過させて滅菌バイアルに貯蔵後、通常の方法によって注射剤を製造した。