特許第5774688号(P5774688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5774688補綴心臓弁の制御された拡張収縮を利用したカテーテル経由移送システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774688
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】補綴心臓弁の制御された拡張収縮を利用したカテーテル経由移送システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   A61F2/24
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-513294(P2013-513294)
(86)(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公表番号】特表2013-527010(P2013-527010A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】US2011038715
(87)【国際公開番号】WO2011153210
(87)【国際公開日】20111208
【審査請求日】2014年6月2日
(31)【優先権主張番号】61/350,656
(32)【優先日】2010年6月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507020152
【氏名又は名称】メドトロニック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ラスト マシュー
(72)【発明者】
【氏名】パドレイグ サヴェージ
(72)【発明者】
【氏名】ペレグリーニ ジャンフランコ
(72)【発明者】
【氏名】リンネ フィン
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/044874(WO,A1)
【文献】 特開2008−264550(JP,A)
【文献】 特表2012−501725(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/182405(US,A1)
【文献】 米国特許第6248128(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁構造が取り付けられたステントフレームを有する補綴心臓弁と共に使用される移送システムであって、
遠位端と、該遠位端に配置されたノーズコーンとを備え、前記遠位端の近くに結合構造が配置され、該結合構造前記補綴心臓弁の遠位端に結合されるように構成され前記ノーズコーンの近位端に取付けられ該ノーズコーンの近位端から前記補綴心臓弁に向かって延びる、シャフトアセンブリと、
前記シャフトアセンブリを摺動可能に受け入れられるようなサイズの内腔を有するシースアセンブリを備え、
前記移送システムが、前記シースアセンブリが前記補綴心臓弁を取り囲んでいる装填状態から前記シースアセンブリが前記補綴心臓弁から後退させられた展開状態に移行するように構成され、
さらに、前記結合構造が前記シャフトアセンブリの遠位端の長手方向の動きに基づいて前記補綴心臓弁の遠位端を制御された状態で拡張あるいは収縮させるように構成されている、
ことを特徴とする移送システム。
【請求項2】
前記結合構造が第1方向に動かされて前記補綴心臓弁の遠位端を制御された状態で拡張させるように構成されており、さらに、前記結合構造が前記第1方向の反対の第2方向に動かされて前記補綴心臓弁の遠位端を制御された状態で収縮させるように構成されている、
請求項1に記載の移送システム。
【請求項3】
前記第1方向が近位方向であり、前記第2方向が遠位方向である、
請求項2に記載の移送システム。
【請求項4】
前記結合構造が前記ノーズコーンに摺動可能に取り付けられ、さらに、前記結合構造とノーズコーンが相互に長手方向に摺動できるように構成されている、
請求項1に記載の移送システム。
【請求項5】
前記結合構造が溝を備え、前記ノーズコーンが前記溝内に配置されるように構成された特徴部分を備え、さらに、前記溝と前記特徴部分が、前記結合構造がそのノーズコーンに対して摺動した時にそれをガイドするように構成されている、
請求項4に記載の移送システム。
【請求項6】
前記ノーズコーンが第1方向に動かされて前記結合構造を作動させて前記補綴心臓弁の遠位端を制御された状態で拡張させるように構成されており、さらに、前記ノーズコーンが前記第1方向とは反対の第2方向に動かされて結合構造を作動させて前記補綴心臓弁の遠位端を制御された状態で収縮させるように構成されている、
請求項4に記載の移送システム。
【請求項7】
前記第1方向が遠位方向であり、前記第2方向が近位方向である、
請求項6に記載の移送システム。
【請求項8】
前記結合構造が、前記補綴心臓弁が閾値量を超えて拡張した場合に、前記補綴心臓弁の遠位端から自動的にリリースされるように構成されている、
請求項1に記載の移送システム。
【請求項9】
前記結合構造が形状記憶素材でつくられている、
請求項1に記載の移送システム。
【請求項10】
前記結合構造がニチノール、ポリマー、または縫合用素材でつくられている、
請求項9に記載の移送システム。
【請求項11】
前記結合構造が筒状のベース部分とその筒状のベース部分から延びた複数の脚を有している、
請求項1に記載の移送システム。
【請求項12】
前記脚は、それぞれが、前記補綴心臓弁の遠位端上のフックに取り外し可能に結合できるように構成されているループ形状の端部部分を含んでいる、
請求項11に記載の移送システム。
【請求項13】
前記補綴心臓弁の遠位端が前記補綴心臓弁の流入端である、
請求項1に記載の移送システム。
【請求項14】
前記補綴心臓弁の遠位端が前記補綴心臓弁の流出端である、
請求項1に記載の移送システム。
【請求項15】
患者の欠陥のある心臓弁に治療処置を行うシステムであって、
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の移送システムを備え、
該移送システムが、
ステントフレームと、該ステントフレームに取り付けられ少なくとも2枚の弁小葉を形成する弁構造を形成する収縮された態様から初期態様に自己展開する補綴心臓弁を備え、 前記移送システムが前記シースアセンブリ内に前記補綴心臓弁を摺動可能に受け入れることができるように構成されていると共に、前記シースアセンブリが前記補綴心臓弁を取り囲んでいる装填状態から、前記シースアセンブリが前記補綴心臓弁から後退している展開状態に移行するように作動して、前記補綴心臓弁が初期態様に自己拡張して前記移送システムからリリースされるように構成されており、さらに、前記結合構造が前記シャフトアセンブリの遠位端の第1方向への長手方向の動きに基づいて前記補綴心臓弁の遠位端が制御された状態で拡張し、さらに、前記シャフトアセンブリの遠位端の前記第1方向とは反対向きの第2長手方向への動きに基づいて前記補綴心臓弁の遠端を制御された状態で収縮するように構成されている、
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願について
本発明は、「補綴心臓弁人の制御された拡張収縮を利用したカテーテル経由移送システム及び方法」という表題で2010年6月2日に出願され、弁理士事件整理番号No.P0035394.00を有する米国仮特許出願第61/350,656に対する米国特許法35条, 119(e)(1)に基づく優先権を宣言し、これにより全教示を本願明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本開示は心臓弁補綴具の経皮移植のためのシステム及び方法に関するものである。より具体的には、本願はステント付き補綴心臓弁のカテーテル経由移植のための移送システム及び方法に関する。
【0003】
僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、及び肺動脈弁などの心臓弁は病気や加齢によって損傷することが、しばしばあり、その弁の適切な機能に支障を来たす場合がある。心臓弁の問題は一般的には以下の2つの形態のいずれかを呈し、その1つは弁が完全に開かない、或いは開き方が小さすぎて血流が制限される狭窄であり、もう1つは弁が閉鎖されるべき時にその弁を通じて血液が後方に漏出してしまう機能不全である。
【0004】
弁逆流や弁小葉状部分の狭窄性硬化に苦しんでいる患者に対しては、心臓弁の取替えが、通常の外科処置とされている。従来は、弁取替えのほとんどのケースでは患者に心肺バイパスを取り付けて胸骨切開手術が行われている。従来の観血療法は患者に相当程度の外傷と不快感を与え、回復にも長い時間を要し、生命に係るような合併症を引き起こす場合もある。
【0005】
こうした懸念を解消するために、この十年間に、侵襲性をできるだけ抑えた技術を用いて心臓弁取替えを行うための努力が行われている。これらの方法では、心臓にアクセスする目的で、患者の肋骨を通じて小さな穴を開けるために腹腔鏡手術器械が用いられている。こうした技術の開発のためにかなりの努力が払われているものの、臨床医の能力では腹腔鏡手術器械を用いて心臓の一定の領域にアクセスすることしか出来ないので、そうした技術の普及はまだ限られた範囲にとどまっている。
【0006】
従来の観血療法および侵襲性をできるだけ抑えた技術に伴う前記の問題を解決するために、取替え用心臓弁を経皮的にカテーテル経由(あるいは内腔経由)で移送する技術にも関心が集まっている。こうした方法においては、カテーテルで移送するために補綴弁が収縮され、例えば、大腿動脈に開けられた穴を通じ、さらに下行大動脈を通じて移送されて、弁輪(例えば、大動脈弁輪)で展開される。
【0007】
病変したヒトの生来の心臓弁を取り替えるために、種々のタイプと構成の補綴心臓弁が経皮的な弁移植手順で用いられている。特定の補綴心臓弁の実際的な形状と構成は、取替えられる弁(例えば、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、あるいは肺動脈弁など)にある程度は依存している。一般的に、補綴心臓弁の設計においては、取り替えられる弁の機能を再現することが試みられるから、従って、生体的補綴具か機械的な心臓弁補綴具のいずれかと共に用いられる弁小葉状構造が含まれることになる。生体的補綴具が選択された場合、代替弁は弁付きステントをつくるために拡張可能なステントフレーム内に何らかの方法で取り付けられる弁付き血管部分あるいは心嚢人造組織弁を含む可能性がある。経皮移植用のそうした弁を作成するためには、最初に1つのタイプの弁付きステントを拡張された又はクリンプ(圧縮収縮)されていない状態で提供して、次にカテーテルのバルーン部分の周りにそのカテーテルの直径とほぼ同じ程度の大きさになるまでクリンプ即ち収縮させることができる。別の経皮移植システムでは、前記弁付きステントのステントフレームを自己拡張性の素材でつくることができる。これらのシステムを用いれば、前記弁付きステントは望ましいサイズにクリンプされ、例えばシースなどでその収縮された状態に保持される。この弁付きステントから前記シースを取り外せば、その弁付きステントが、患者の体内の望ましい位置にある場合のように、より大きな直径に拡張することが可能になる。これらのタイプの経皮ステント移送システムのいずれかを用いれば、従来行われているようなその患者の天然の組織への補綴心臓弁の縫い付けは通常は必要とされない。
【0008】
ステント構造を有する心臓弁補綴具をカテーテルから十分に展開させる前に天然の弁輪に対して正確に配置することは必須である。移植を成功させるためには、カテーテル経由で移送される補綴心臓弁を天然の弁輪に対して密接に配置され密着させられることが必要である。自己拡張性のカテーテル経由で移送される心臓弁は、拡張して心臓の生体組織内にそれ自体を適切に定着させるために半径方向で働く強い力を有していていなければならない。その補綴具が天然の弁輪に対して不正確に配置された場合は、展開された装置が漏出をおこしたり、移植箇所から外れてしまったりすることさえあり得るから、重篤な合併症につながってしまう可能性がある。こうした努力を非常に難しくているのは、心臓弁補綴具(例えば、自己展開性のステント)がカテーテルから展開されると、その補綴具を再収縮させたり従来の移送器具(例えば外側のシースあるいはカテーテル)で『再捕捉』することが非常に困難であるという事実である。他の血管ステントの場合にはこうした問題は起きない。標的箇所を「外した」ら、別のステントを展開させてその誤差を「補正する」だけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
展開する直前にカテーテル経由で移送される補綴心臓弁の位置をより良く評価する上で臨床医を援助するために、移植手順の一部として画像形成技術を用いることもできるが、この評価だけでは不十分である。代わりに、臨床医らは補綴具を部分的に展開させてその上で十分に展開する前に天然の弁輪に対する位置を評価する能力を求めている。理論上では、部分的に展開された補綴心臓弁を「再捕捉」するということは簡単なことのように思われるが、実際には移植箇所とステント構造の心臓弁自体によってもたらされるさまざまな制約が、そうした技術を非常に困難にしている。
【0010】
前記の事情から、経皮的な弁の取替え技術及び装置において進歩はなされているものの、心臓代替弁、特に、自己拡張性のステント構造を有する補綴心臓弁を、侵襲性をできるだけ抑えた経皮的な方法で移植箇所に移送して位置を再修正するための異なった移送システムは引き続き望まれている。また、代替弁のより制御された展開を可能にして、患者の体内にそれらの弁を最適な状態で確実に取り付けられるようにするために、展開あるいは部分的に展開された後でもそれらの弁の位置を修正及び/又は外すことができるようにする技術が引き続き望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの実施の形態は弁構造を取り付けるステントフレームを有する補綴心臓弁と共に使用する移送システムに向けられている。このシステムは遠位端とその遠位端近くに配置された結合構造を含んでおり、前記補綴心臓弁の遠位端に結合される構成となっているシャフトアセンブリを含んでいる。このシステムは前記シャフトアセンブリを摺動可能に受け入れるようなサイズの内腔を有するシースアセンブリを含んでいる。この移送システムは前記シースアセンブリが補綴心臓弁を取り囲んでいる装填状態からそのシースアセンブリが前記補綴心臓弁から離脱させられた展開状態に移行するように構成されている。前記結合構造はシャフトアセンブリの遠位端の軸方向での動きに基づいて補綴心臓弁の遠位端が制御された状態で拡張したり収縮したりできるように構成されている。
【0012】
別の実施の形態は患者の欠陥のある心臓弁に治療処置を行うためのシステムに向けられている。このシステムは遠位端とその遠位端近くに配置された結合構造を含んでいて補綴心臓弁の遠位端に結合するように構成されている移送システムを備えている。この移送システムは前記シャフトアセンブリを摺動可能に受け入れられるサイズの内腔を有するシースアセンブリを備えている。このシステムはステントフレームとそのステントフレームに取り付けられて少なくとも2つの弁小葉状構造を形成する弁構造を有する補綴心臓弁を備えている。この補綴心臓弁は収縮された態様から自然な態様に自己拡張できる。この移送システムは前記シースアセンブリ内に補綴心臓弁を摺動可能に受け入れることができるように構成されており、さらに、前記シースアセンブリが補綴心臓弁を取り囲んでいる装填状態からそのシースアセンブリが補綴心臓弁から離脱された展開状態に移行して、その補綴心臓弁が自然の体勢に自己拡張して移送システムからリリースされることが可能なように構成されている。前記結合構造は前記シャフトアセンブリの遠位端の第1の軸方向への動きに基づいて補綴心臓弁の遠位端が制御された状態で拡張されるようにすると同時に、そのシャフトアセンブリの遠位端の前記第1方向とは反対向きの第2の軸方向への動きに基づいて補綴心臓弁の遠位端が制御された状態で収縮されるように構成されている。
【0013】
さらに別の実施の形態は、患者の欠陥のある心臓弁に治療処置を行う方法に向けられている。この方法は弁構造が取り付けられたステントフレームを有する自己拡張性の補綴心臓弁を装填された移送システムを受け入れるステップを含んでいる。この移送システムは移送用シース内に摺動可能に配置されたシャフトアセンブリを含んでいる。このシャフトアセンブリはその遠位端近くに配置され補綴心臓弁の遠位端に結合される結合構造を含んでいる。この移送用シースは補綴心臓弁をその収縮された体勢でその内部に含んでいる。この方法は前記移送システムを操作してその補綴心臓弁を患者の脈管構造を通じて前記の欠陥を有する心臓弁に誘導するステップと、補綴心臓弁から前記の移送用シースを外すステップを含んでいる。前記シャフトアセンブリの遠位端は第1の長手方向に動かされて結合構造がその人工弁の遠位端を制御された状態で拡張できるようにすると、補綴心臓弁がその移送システムからリリースされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1A−1Dは、本発明の1つの実施の形態によるカテーテル経由で補綴心臓弁を移植箇所に移送するためのシステムを示す図である。
図2図2A−2Cは、図1B-1Dに示す前記補綴心臓弁の1つの実施の形態を示す図である。
図3図3Aおよび3Bは1つの実施の形態による結合構造を示す図である。
図4図4は1つの実施の形態による補綴心臓弁に取り外し可能に結合される結合構造を示す図である。
図5図5A及び5Bは別の実施の形態による結合構造を示す図である。
図6図6図5Aと5Bに示す1つの実施の形態による前記結合構造と共に使用可能なノーズコーンを示す図である。
図7図7は1つの実施の形態による心臓弁上で治療手順を行う方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
『遠位』及び『近位』という用語は、本明細書においては、前記カテーテルシステムを使用中の取り扱っている臨床医に関連して用いられており、『遠位』とはその臨床医から離れた装置の一部分あるいはその臨床医から離れる方向を意味しており、『近位』とはその臨床医に近い装置の一部分あるいはその臨床医に近づく方向を意味する。心臓弁との関連でここで用いられる『治療』あるいは『治療手順』という用語は心臓弁の治療、心臓弁の取替え、あるいは心臓弁の治療と取替えの組み合わせを含むことを意図している。本明細書での記述の一部は特に大動脈弁の治療に触れている場合もあるが、ここに開示されている前記システム及び方法は、一般的には、天然あるいは生体組織による僧帽弁、肺動脈弁、あるいは三尖弁の治療に用いることが可能である。
【0016】
図1A-1Dはカテーテル経由の補綴心臓弁を移植箇所に移送するための、本発明の1つの実施の形態によるシステム100である。図に示されている実施形態においては、システム100はシャフトアセンブリ110とシースアセンブリ106を備えている。シャフトアセンブリ110は、操作装置112、キャリアシャフト120、コネクタシャフト115、ノーズコーン102、及び結合構造122を備えている。コネクタシャフト115はキャリアシャフト120とノーズコーン102を相互接続し、いくつかの構造では、コネクタシャフト115上を補綴心臓弁114の移送できるように直径が小さくされている。1つの実施の形態で、コネクタシャフト115とキャリアシャフト120は操作装置112を介して独立に制御することができる。ノーズコーン102は、シャフトアセンブリ110の遠位端に配置されている。図1A-1Dには示していないが、前記シャフト115及び120を通して、ガイドワイヤ用内腔を形成することができる。1つの実施の形態で、コネクタシャフト115は前記ガイドワイヤ用内腔を規定するガイドワイヤ・シャフトである。
【0017】
キャリアシャフト120は、シースアセンブリ106内に摺動可能に受け入れられるサイズになっており、図示されている実施形態では、補綴心臓弁114との結合を解除できるように構成されている。キャリアシャフト120は結合装置117を形成、あるいは備えている。この結合装置117は、補綴心臓弁114の近位部分を選択的に保持できるように構成されている。結合装置117は補綴心臓弁114がシースアセンブリ106内で折り畳まれた状態に入るように強制された場合に、補綴心臓弁114をシャフトアセンブリ110に取り外し可能な状態で載せるように構成されている。この折り畳まれた状態においては、補綴心臓弁114はシャフトアセンブリ110の動きに伴って縦方向に動く。シースアセンブリ106は図1Aと図1Bに示されている装填状態から補綴心臓弁114が展開できるように構成されている。移送システム100はシースアセンブリ106が補綴心臓弁114を取り囲んでいる装填状態から前記シースアセンブリ106が補綴心臓弁114から取り外されている展開状態に移行するように構成されている。
【0018】
結合構造122は、シャフトアセンブリ110の遠位端近くに配置されている。この結合構造122はノーズコーン102の近位端に(例えば接着などで)取り付けられ、ノーズコーン102の近位端から補綴心臓弁114に向けて近位方向に拡張する。図示されている実施の形態では、結合構造122は筒状のベース部分124と、筒状のベース部分124から延びている複数の脚126を備えている。補綴心臓弁114の遠位端は結合構造122の脚126に取り外し可能に結合される。この結合構造126はノーズコーン102の対応する動きに伴って遠位方向及び近位方向に動くことができるように構成されており、それによって補綴心臓弁114の遠位端の制御された状態での拡張と収縮が行われる。このように、本発明の1つの実施の形態による結合構造122はシャフトアセンブリ110とノーズコーン102の軸方向での動きに基づいた制御された状態での拡張あるいは収縮を行う。1つの実施の形態で、臨床医は(例えば操作装置112を介して)シャフト115を押したり引いたりして、結合構造122を含むノーズコーン102の対応する長手方向での動きを起こす。
【0019】
ノーズコーン102は、いろいろな形状を採ることができ、通常は、患者の脈管構造及び心臓を通じて移送システム100を、外傷を与えずに取り替える作業を容易にしてくれる。操作装置112はキャリアシャフト120の近位端に搭載あるいは接続され、臨床医が掴むのに都合の良い面を提供する。
【0020】
シースアセンブリ106は通常はシース104と操作装置108を含んでいる。前記シース104は通常のカテーテル状の構成(例えば、生体適合性ポリマー製で、カプセル化されたワイヤブレードを有している場合と有していない場合とがある)であってもよい。いくつかの構造では、このシース104は、さらに種々のステアリング特性を含んでいてもよい。しかしながら、シース104は一般的には従属的な性質のもので、カテーテル経由で移送される心臓弁の移植に関連した窮屈な経路を乗り越えることができる。操作装置108は、いろいろな形状を採ることができ、通常はシース104の近位端に搭載あるいは接続される。シース104はキャリアシャフト120と折り畳まれた状態の補綴心臓弁114を摺動可能に受け入れられるようなサイズの内腔を有している。
【0021】
移送システム100は以下でさらに詳細に述べるように補綴心臓弁114を移送したり移植するために作動できる。図1Aと1Bは展開する前の補綴心臓弁114が装填されたシステム100を示している。具体的には、補綴心臓弁114は、例えば結合装置117を介して、キャリアシャフト120に接続されており、シース104によってその半径方向での動きが制約されている。この移送システム100はシース104が補綴心臓弁114を取り囲んでいる装填状態からシース104が補綴心臓弁114から取り外された展開状態に移行するように作動することができ、それによって、以下に詳細に述べるように、補綴心臓弁114が自然な(初期の)態様に自己拡張して、移送システム100からリリースされるようになっている。
【0022】
装填された移送システム100は、例えば、切開部を通して、大腿動脈、そして、その患者の下行動脈内へという逆行方法で、移植箇所の方に前進させられる。そして、次に、移行システム100は蛍光透視鏡の誘導で大動脈弓を通過し、さらに前記下行動脈を通じて、(大動脈置換のために)前記欠陥のある大動脈弁の中ほどに前進させられる。移行システム100が所定の場所に位置づけられた後、シース104は、図1Cに示すように前記補綴心臓弁114から部分的に後退させられる。例えば、シースアセンブリ106を備えた操作装置108がシャフトアセンブリ110の操作装置112の方向に後退させられる。従って、図示のように、補綴心臓弁114の遠位領域130はシース104から外部方向に露出されて、自己拡張及び自己展開を開始する。しかしながら、補綴心臓弁114の遠位領域130の自己拡張は、1つの実施形態では結合構造122によって制御拘束された状態で行われる。補綴心臓弁114は操作装置112を介して第1の長手方向(例えば、近位方向)へ結合構造122を動かすことによって徐々に自己展開できるように構成されている。結合構造122が第1方向に動かされると、結合構造122は補綴心臓弁114に近づき、その結果、結合構造122による補綴心臓弁114に対する圧縮力が低下して、補綴心臓弁114の遠位端が自己展開できるようになる。図1Cは、結合構造122が近位方向に動かされて弁114が制御された状態で自己展開できるようになった後の移送システム100を示している。
【0023】
このシース104の近位方向への後退と補綴心臓弁114の制御された状態での拡張は、補綴心臓弁114が天然の心臓弁のところで十分に展開されるまで、露出され従って部分的に展開されている補綴心臓弁114の長さを徐々に増大させながら継続される。1つの実施の形態で、第1の方向への結合構造122の継続的な動きが脚126を最終的には補綴心臓弁114の遠位端から滑り出させて、それによって弁114をリリースする。従って、1つの実施の形態による結合構造122は、補綴心臓弁114が閾値量を超えて拡張した時に補綴心臓弁114の遠位端が自動的にリリースされるように構成されている。展開の後、ノーズコーン102と結合構造122が展開された弁114を通じて引き戻され、移送システム100が患者から取り出される。
【0024】
十分に展開される前に、それが図1Cに示されているように部分的に展開されている状態にある時に、移植箇所に対する補綴心臓弁114の位置を評価するようにしても良い。その評価に基づいて、臨床医が補綴心臓弁114の位置を移植箇所に対して修正すべきだと考えた場合、補綴心臓弁114は先ず収縮され、あるいは「シースに戻される」。
【0025】
1つの実施の形態で、このシースに戻すプロセスは、結合構造122を、操作装置112を介して前記第1の方向とは反対の第2の長手方向(例えば、遠位方向)に動かすステップを含んでいる。結合構造122が前記第2の方向に動かされると、結合構造122は補綴心臓弁114からさらに離れるので、その結果、結合構造122の補綴心臓弁114に対する圧縮力が強くなるので、弁114の遠位端が制御された状態で収縮する。次に、シース104がシャフトアセンブリ110に対して、従って補綴心臓弁114に対しても遠位方向に進められる。シース104の遠位方向への動きは、シース104内部に補綴心臓弁114が再び十分に納められるまで継続する。結合構造122による補綴心臓弁114の遠位端の制御された状態での収縮が弁114を再びシースに戻すのに必要な力を低減する。図1Dは補綴心臓弁114を制御された状態で収縮するために結合構造122が前記第2の遠位方向に動かされた後のシステム100を示している。補綴心臓弁114がシースに再び収められる即ち再捕捉されると、システム100は移植箇所に対する位置を再調整され、そして、臨床医が達成された位置決めに満足するまで、こうしたプロセスが繰り返される。あるいは、シースに再び納められた補綴心臓弁114は患者から取り出される。補綴心臓弁114はシースに完全に再び戻さなくても位置調整を行ってもよい。
【0026】
移送システム100は、ステント構造を有する補綴心臓弁のさまざまに異なった構成と組み合わせても有効である。一般的な条件においては、補綴心臓弁114は(生体組織あるいは合成の)弁構造を含んでおり、前記ステントフレームは通常は拡張された状態にあるが、システム100内に装填するために折り畳まれた状態に折り畳むことができる。このステントフレームはシステム100からリリースされた場合に自己展開あるいは自己拡張できるように構成することができ、あるいは(例えば、拡張バルーンなどの)別個の拡張部材を設けてもよい。例えば、この補綴心臓弁114はCore Valve(登録商標)の商標でMedtronic Core Valve,LLCから発売されている補綴心臓弁であってもよい。このシステム100と共に使用して有効なカテーテル経由で移送される心臓弁補綴具の非限定的な例としては、米国特許広報第2006/0265056号; 2007/0239266号; 及び2007/0239269号に開示されており、これらの各明細書の教示がここで触れられているので、これらの明細書は本明細書に組み入れられる。
【0027】
図2Aは、図1B−1Dに示されている補綴心臓弁114の1つの実施形態の平面図である。図2Bは図2Aに示されている1つの実施の形態による補綴心臓弁114の側面図である。図2Cは図2Aに示されている1つの実施形態による補綴心臓弁114の斜視図である。補綴心臓弁114は患者の心臓に経皮的に移送するために比較的小さな直径に収縮することができ、そして、外部からの圧縮力がなくなると自己拡張することができる。1つの実施の形態による補綴心臓弁114は収縮された体勢から自然の体勢に自己拡張することができる。
【0028】
図2A−2Cに示されているように、補綴心臓弁114はステントフレーム202と弁構造204を備えている。ステントフレーム202は補綴心臓弁114に望ましい収縮性と強度を与えるように相互に配列された多数の筋交いあるいはワイヤ部206を備えている。ステントフレーム202はニチノールなどの形状記憶素材でつくることができる。弁構造204はステントフレーム202内に置かれ、複数の小葉体208A-208C(集合的に小葉体208と称す)を備えている。図示されている実施の形態においては、弁構造204は3つの小葉体208を備えている。他の実施の形態においては、弁構造204は3つ以上あるいは以下の小葉体208を含んでいる場合もある。図2Bも補綴心臓弁114の近位流出端210と遠位流入端212を示している。
【0029】
図3Aと3Bは1つの実施の形態による結合構造122を示す図である。結合構造122は筒状のベース部分124、そして、筒状のベース部分124から半径方向に延びる複数の脚126を含んでいる。図示されている実施の形態では、脚126は筒状のベース部分124の長手方向に対して垂直あるいはほぼ垂直である。1つの実施の形態においては、結合構造122がニチノールなどの形状記憶素材でつくられている。図3A及び3Bは自然な状態の結合構造122を示している。対照的に、図1Bは収縮された状態の結合構造122を示しており、脚126は筒状のベース部分124の方向に折り曲げられている。他の実施の形態で、結合構造122はポリマー、縫合用素材、あるいはその他の素材でつくることができる。各脚126は、図4を参照して以下により詳細に説明するように、補綴心臓弁214の遠位流入端212上のフックに取り外し可能に結合されるように構成されたループを形成する端部部分302を備えている。別の実施の形態で、補綴心臓弁114の遠位端は流出端になっており、結合構造122がその遠位流出端に取り外し可能に結合される。
【0030】
図4は1つの実施の形態による補綴心臓弁114に取り外し可能に結合された結合構造122を示す図である。補綴心臓弁114は弁114の遠位流入端112に形成されたフック402を備えている。各フック402は脚126の1つに取り外し可能に結合できるように構成されている。補綴心臓弁114が拡張すると、結合構造122の脚126が収縮された状態(図1Bに示されている)から変化して、各脚126と筒状のベース部分124の長軸との間の角度が増大する。最終的には、脚126は脚126のループ状の端部部分302がそれらの対応するフック402から滑って外れ、それによって、補綴心臓弁114がリリースされる。
【0031】
図5A及び5Bは、1つの実施の形態による結合構造502を示す図である。結合構造502はノーズコーン102に摺動可能に取り付けられるように構成されており、この結合構造502とノーズコーン102は相互に対して長手方向で摺動するように構成されている。図示されている実施の形態では、結合構造502は筒状のベース部分504と筒状のベース部分504から離れる方向に延びる複数の脚506を備えている。補綴心臓弁114の遠位端は結合構造502の脚506と取り外し可能に結合するように構成されている。1つの実施の形態で、結合構造502はニチノールなどの形状記憶素材でつくられる。図5Aは自然な状態の結合構造502を示しており、図5Bは収縮された状態の結合構造502を示している。結合構造502の筒状のベース部分504には、少なくとも1つの溝508が形成される。図5Aと5Bには単一の溝508が示されているが、他の実施の形態においては、複数の溝508が含まれる場合もある。溝508については、図6を参照して以下にさらに詳しく説明する。
【0032】
図6は、1つの実施の形態による図5A及び5Bに示されている結合構造502と共に使うことができるノーズコーン102を示す図である。ノーズコーン102は先端部分602と筒状部分604を備えている。筒状部分604は内腔606を規定し、この内腔606は結合構造502を摺動可能に受け入れることができるように構成されている。内腔606内で筒状部分604の内部表面上に1つの特徴部分608が形成されている。この特徴部分608は結合構造502の溝508内に位置するように構成されており、結合構造502が内腔606内部を摺動するときにそれを誘導する。結合構造502が筒状部分604内に位置している時、この筒状部分604は結合構造502を図5Bに示されている収縮状態に維持し、そのことで、補綴心臓弁114の遠位端が押さえつけられる。結合構造502が筒状部分604から外部に滑り出ると、結合構造502が図5Aに示されているような自然な状態に徐々に自己拡張できるようになっており、そのことが従って補綴心臓弁114の遠位端の自己拡張を可能にする。別の実施の形態では、特徴部分608は筒状部分604の外面上に形成されており、結合構造502は筒状部分604の外面上を長手方向に摺動できるように構成されている。1つの実施の形態で、結合構造502を制御するために、移送システム100内に別の作動装置が設けられている。
【0033】
1つの実施形態による結合構造502は結合構造122とは別の作動をする。結合構造502の場合、補綴心臓弁114は操作装置112を介してノーズコーン102を第1の長手方向(例えば、遠位方向)に動かすことによって徐々に自己拡張できるように構成されている。ノーズコーン102がその第1の方向に動かされると、結合構造502は内腔606から外に滑り出る動作を開始し、その結果、結合構造502が補綴心臓弁114にかける圧縮力が小さくなり、補綴心臓弁114が自己拡張できるようになる。補綴心臓弁114が天然の心臓弁のところで十分に展開されるまで、シース104の近位方向への後退と補綴心臓弁114の制御された状態での拡張が続き、露出されて部分的に展開されている補綴心臓弁114の長さが持続的に増大する。1つの実施の形態で、ノーズコーン102が前記第1の方向に持続的に動くと、脚506が最終的には補綴心臓弁114の遠位端から滑り出て、それによって弁114がリリースされる。従って、1つの実施の形態による結合構造502は、補綴心臓弁114が閾値量を超えて拡張すると、その補綴心臓弁114の遠位端から自動的にリリースされるように構成されている。展開後、ノーズコーン102と結合構造502は展開された弁114を通じて引き戻され、移送システム100が患者の体内から取り出される。
【0034】
位置を調整するために、ノーズコーン102は操作装置112を介して前記第1の方向とは反対の第2の長手方向(例えば、近位方向)に動かされる。ノーズコーン102が第2方向に動かされると、結合構造502が内腔606内で滑って後退を始め、その結果、結合構造502が補綴心臓弁114に対してかける収縮させようとする力が増大して補綴心臓弁114が制御された状態で収縮される。そして、シース104がシャフトアセンブリ110に対して、従って補綴心臓弁114に対しても遠位方向に進められる。補綴心臓弁114がシース104から十分に外されるまで、シース104の遠位方向への動きは継続する。補綴心臓弁114がシースから外れる、あるいは捕捉状態からリリースされると、移送システム100が移植箇所に対して位置調整され、そして、臨床医が達成された位置決めに満足するまで、前記のプロセスが繰り返される。あるいは、シースから外れた補綴心臓弁114を患者の体内から取り出すことも出来る。補綴心臓弁114の位置調整は、シースから完全に外れていない状態でも行うことができる。
【0035】
図7は、患者の欠陥のある心臓弁に治療処置を行うための、本発明の1つの実施の形態による方法700を示すフロー図である。1つの実施の形態で、移送システム100は、方法700を行うために用いられるように構成されている。ステップ702で、弁構造204が取り付けられるステントフレーム202を有する自己拡張する補綴心臓弁114を装填された移送システム100が受け入れられ、前記移送システム100は移送用シース104内に摺動可能に配置されたシャフトアセンブリ110を含んでおり、そのシャフトアセンブリ110はシャフトアセンブリ110の遠位端近くに配置され、補綴心臓弁114の遠位端に結合された結合構造122あるいは502を含んでおり、さらに、前記移送システム100は補綴心臓弁114を収縮された状態で含んでいる。
【0036】
方法700のステップ704で、移送システム100が操作されて、その患者の脈管構造を通じて、その欠陥のある心臓弁に補綴心臓弁114が誘導される。ステップ706で、その移送用シース104が補綴心臓弁114から退避させられる。ステップ708で、シャフトアセンブリ110の遠位端が第1の長手方向に動かされて結合構造122あるいは502を作動させて補綴心臓弁114の遠位端を制御された状態で拡張させる。ステップ710で、ステップ708での制御された状態での拡張が行われた後に、補綴心臓弁114の位置の評価が行われる。ステップ712で、前記シャフトアセンブリ110の遠位端が第2の方向に動かされて結合構造122あるいは502を作動させて、補綴心臓弁114を制御された状態で収縮させて、移送用シース104が補綴心臓弁114の上で取り換えられる。ステップ714で、移送システム100が操作されて、ステップ712での制御された状態での収縮が終了した後に補綴心臓弁114の位置調整が行われる。ステップ716で、移送用シース104が再度補綴心臓弁114から引き出される。ステップ718で、シャフトアセンブリ110の遠位端が前記第1の長手方向に動かされて結合構造122あるいは502を再度作動させて、補綴心臓弁114の遠位端を再度制御された状態で拡張させる。ステップ720で、補綴心臓弁114が移送システム100からリリースされる。
【0037】
上に好ましい実施の形態を参照して本開示について説明したが、当業者であれば、本開示の思想および範囲を逸脱することなく、その形状や詳細部分に変更を加えることができるのは分かるであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7