特許第5774704号(P5774704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774704
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ケモクロミック水素センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/77 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   G01N21/77 A
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-527189(P2013-527189)
(86)(22)【出願日】2011年8月30日
(65)【公表番号】特表2013-540998(P2013-540998A)
(43)【公表日】2013年11月7日
(86)【国際出願番号】US2011049725
(87)【国際公開番号】WO2012030818
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2013年11月13日
(31)【優先権主張番号】12/872,090
(32)【優先日】2010年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513048335
【氏名又は名称】ユニヴァーシティ オブ セントラル フロリダ リサーチ ファウンデーション,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF CENTRAL FLORIDA RESEARCH FOUNDATION, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100099597
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 賢二
(74)【代理人】
【識別番号】100119208
【弁理士】
【氏名又は名称】岩永 勇二
(74)【代理人】
【識別番号】100124235
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100145171
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 浩行
(72)【発明者】
【氏名】ボーカーマン,ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】タバタバイエ−ライセ,アリ
(72)【発明者】
【氏名】ムラドフ,ナジム
【審査官】 横井 亜矢子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−107241(JP,A)
【文献】 特開2005−345338(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0224081(US,A1)
【文献】 特開平03−089162(JP,A)
【文献】 特開昭62−257046(JP,A)
【文献】 特開2003−166938(JP,A)
【文献】 特開2007−071866(JP,A)
【文献】 特表2003−529748(JP,A)
【文献】 特開平04−221745(JP,A)
【文献】 特開平05−307005(JP,A)
【文献】 特開2010−044034(JP,A)
【文献】 特開2008−298650(JP,A)
【文献】 特開2007−121013(JP,A)
【文献】 特開2006−292451(JP,A)
【文献】 特開2007−057233(JP,A)
【文献】 特開2007−225299(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0283388(US,A1)
【文献】 特開2008−298724(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0186117(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0037740(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0053822(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0050143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00−21/01
G01N 21/17−21/61
G01N 21/75−21/83
G01N 31/00−31/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタニアを除く複数の金属酸化物粒子を含む担体と、
前記担体上の白金族金属(PGM)化合物であって、酸化物、水酸化物、水和酸化物、PGM塩又はPGM錯体含むPGM化合物を含み、
水素の存在下で色が変わる不可逆性変色センサであることを特徴とするケモクロミック水素センサ。
【請求項2】
前記複数の金属酸化物粒子は、遷移金属酸化物粒子を含む請求項1記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項3】
前記遷移金属酸化物粒子は、第IV族金属酸化物粒子を含む請求項2記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項4】
前記第IV族金属酸化物粒子は、ZrO、SrTiO又はSrZrOを含む請求項3記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項5】
前記PGM化合物中のPGMは、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、プラチナ、ロジウム、金又は銀を含む請求項1記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項6】
前記PGM化合物は、前記PGM塩を含み、前記PGM塩は、PGM有機塩を含む請求項1記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項7】
前記PGM化合物は、前記PGM錯体を含む請求項1記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項8】
ガス透過性ポリマを更に含み、
前記ケモクロミック水素センサは複合層を含み、前記ガス透過性ポリマは、前記担体と前記PGM化合物を完全にカプセル化する連続相とする請求項1記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項9】
前記ガス透過性ポリマは、シリコーンを含む請求項8記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項10】
前記シリコーンを含むガス透過性ポリマに配合された場合に半透明となる請求項9記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項11】
MoO、(NHMo24、及び、V、Nb、Ta、Cr、Mo又はWを含むポリオキソ金属酸塩類からなる群から選択される反応促進剤又はコントラスト剤を更に含む請求項1記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項12】
前記PGM化合物は、PdOを含む請求項1記載のケモクロミック水素センサ。
【請求項13】
前記PGM化合物は、前記酸化物、前記水酸化物又は前記水和酸化物を含む、請求項1に記載のケモクロミック水素センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、ケモクロミック系水素センサに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の輸送用化石燃料の将来の代替品の一つとして、水素ガス(H)が中心とされてきた。現在、Hは今日の宇宙探査プロジェクトの主なエネルギー源(例えば、ロケット推進剤として)である。また、自動車を含む様々な機械に電力供給する燃料電池にも用いられている。更に、Hは、多くの産業で製造及び使用される重要な工業用原材料である。例えば、金属酸化物(例えば、鉄鉱)の還元、アンモニア合成、及び、塩酸、メタノール及び高級アルコールやアルデヒド類の製造、とりわけ様々な石油、石炭、油頁岩(オイル・シェール)及び食用油の水素化に用いられる。しかし、Hは、無色、無臭の気体であり、大気中における爆発限界が約4%と低い可燃性ガスでもある。このため、Hが生成、貯蔵又は使用される場所にかかわらず、Hの漏出を検出するための信頼性の高い水素センサが必要である。
【0003】
の検出において、シリコン基板上に形成されたパラジウム合金のショットキー・ダイオードを備えたセンサが知られている。これらのセンサは、半導体産業で用いられている金属酸化膜半導体(metal-oxide-semiconductor:MOS)技術に基づいている。ガス検知MOS構造は、半導体に固着した誘電体(例えば、酸化物)上に設けられたH水素感応性金属(パラジウム又はその合金)を含む。この水素センサは商品化されており、宇宙飛行体発射前の水素漏れの検出に利用されている。他のものは、水素検出用の感知素子として、パラジウム等も用いてきた。パラジウム/ニッケルで被覆した微細加工のカンチレバー・アレイを含む水素センサも開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バンドギャップの大きい半導体(例えば、窒化ガリウム)も、水素検出用ダイオードの製造に用いられている。パラジウム等を用いたこれらの全てのタイプのセンサにおける懸念の1つは、高い動作温度(200℃を超える)と感知素子を再活性化させるための更なる高温(500℃を超える)を要件とし、長時間の分析を要することである。もう一つの問題は、水蒸気、様々な炭化水素類、及び、一酸化炭素や硫化水素等の様々な還元ガスを含む、大気中に通常見られる意図しない化合物に対する感知素子の検出感度である。
【0005】
従来用いられているものではないが、ケモクロミック水素センサも知られている。一部のケモクロミック水素センサでは、領域安定性を欠くと共に亀裂及び剥離の傾向があり、一部が沈殿及び/又は凝結することにより洗い流されてしまうことがある。更に、一部のケモクロミック水素センサは、水素に対する選択性を示さない。このように、宇宙、輸送機関、石油精製所及び化学プラントを含む多種多様な用途において、確実で耐久性のある改良型ケモクロミック水素センサが今なお必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示される実施形態は、チタニア(TiO)を除く複数の金属酸化物粒子を含む担体と、担体上の白金族金属(PGM)化合物を含む不可逆性ケモクロミック水素センサを含む。PGM化合物は、酸化物、水酸化物、水和酸化物、PGM塩又はPGM錯体から構成することができる。TiOを除く複数の金属酸化物粒子は、ZrO、SrTiO又はSrZrOを含む第IV族金属酸化物粒子等の遷移金属酸化物粒子から構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、複数の金属酸化物粒子を含む担体を含む複合層と、担体上のPGM化合物と、担体とPGM化合物の双方をその中に埋め込んで完全にカプセル化する連続相を形成するガス透過性ポリマとを含む本発明の実施形態に係る二層型不可逆性水素センサの一例を示す図である。
図2図2は、本発明の様々な実施形態に係る様々な不可逆性ケモクロミック水素センサにおける色対比と曝露時間のデータである。
図3図3は、本発明の異なる複数の実施形態における不可逆性ケモクロミック水素センサの調合マトリックスを示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示において開示される実施形態を、同じ符号が図面全体を通じて同様または同等の要素を示すために使用されている添付図面を参照して説明する。図面は縮尺通りには描かれておらず、単に開示の実施形態を説明するために提供されるものである。いくつかの態様を、例示のための実施適用例を参照して以下に説明する。多数の特定の詳細、関係性および方法が、開示された実施形態の十分な理解を提供するために記載されることは理解されるべきである。しかし、当業者は、本明細書に開示される主題が、1つ又は複数の具体的な詳細を使用せずに、または他の方法を使用して実施されうることを容易に認識するであろう。他の例では、周知の構造又は動作は、周知でない構造又は動作が不明瞭となることを避けるため、詳細に示していない。いくつかの行為が異なる順序で及び/又は他の行為若しくは事象と同時に生じうることから、本開示は、例示された行為または事象の順序によって限定されない。更に、例示された全ての行為又は事象が本開示による方法を実行するために必要とされるのではない。
【0009】
本開示で広範囲に記載する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載された数値は、可能な限り正確に報告している。しかし、いずれの数値も、それぞれの試験測定に見られる標準偏差に必然的に起因する一定の誤差を本質的に含んでいる。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、そこに含まれる任意及び全ての部分範囲を包含することが理解される。例えば、「10未満」という範囲は、最小値0と最大値10との間(及び、これを含んだ)の任意及び全ての部分範囲、即ち、例えば1〜5のように、0以上の最小値と10以下の最大値を有する任意及び全ての部分範囲を含むことができる。
【0010】
本開示は、TiOを除く複数の金属酸化物粒子を含む担体と、担体上で水素検出感度顔料として機能するPGM化合物を含む新たな不可逆性ケモクロミック水素センサを含む。本発明者らは、感度が高く、確実で耐久性のある不可逆性ケモクロミック水素センサに、TiO以外の担体材料を含む様々な担体を利用できること、及び、PGM化合物が、PGM塩であってもPGM錯体であってもよいことを発見した。
【0011】
なお、不可逆性変色水素センサにおいてはPdO/TiOが知られているが、TiO以外の担体を含む本開示の不可逆性変色水素センサは、予期しない結果に基づいている。この点は、TiO担体上のPGM酸化物を開示し、PdOを運ぶ/担持する粒子(即ち、担体)としてTiOのみが有効であることを(例えば、実施例14、6−1において)教示するSakamotoの米国特許第5,849,073号において証明される。風化から保護するための表面コーティングとして他の金属酸化物が使用されるが(実施例1の前の2段落)、PGM酸化物(例えば、PdO)用の粒子担体として開示されているものは1つもない。よって、本明細書に開示されるように、TiO以外の担体を不可逆性変色ケモクロミック水素センサに利用できることは、予期しえない効果である。
【0012】
一実施形態において、ケモクロミック水素センサは、TiOを除く複数の金属酸化物粒子を含む担体と、担体上のPGM化合物とを含む。別の実施形態において、ケモクロミック水素センサは、複数の金属酸化物粒子を含む担体と、担体上のPGM塩又はPGM錯体とを含む。
【0013】
当分野で周知のように、ケモクロミック水素センサは、水素検出に関連して起こる色変化後における一般的な短時間経過後の退色(「脱色」と称される)が、ことを特徴とする可逆性センサであっても、色変化後の色を維持する不可逆性変色センサであってもよい。不可逆性変色水素センサの化学作用は、水素の存在下における、酸化物、水酸化物、水和酸化物、PGM塩又はPGM錯体を含む、例えば、酸化パラジウム(PdO)等のPGM化合物から、大気状態で安定した(即ち、空気中の酸素では酸化しない)元素金属への、PdOの場合であればパラジウム金属への還元を伴う。これに対し、(本明細書で開示しない)可逆性変色水素センサは、通常、PGM化合物又は金属の触媒作用によって促進されたMo及びWの六価化合物(例えば、ポリオキソメタレート)から、大気状態において空気中の酸素で容易に酸化して元の酸化状態に戻るMo及びWの四価及び五価化合物への部分的還元を伴う。
【0014】
担体が顔料の化学反応において積極的な役割を果たしていないタイプの不可逆性変色センサとは異なり、不可逆性変色水素センサにおいての担体は、顔料の化学反応において積極的な役割を果たす。クレームの不可逆性変色水素センサにおけるこの化学反応は、PdO顔料の場合であればベージュから灰色への不可逆的変色を起こす。
【0015】
通常、担体は、無色、白又は若干の色を有する金属酸化物、混合金属酸化物及びその塩類を含む。金属酸化物、混合金属酸化物及びその塩類は、チタン、ジルコニウム及びセリウム(例えば、CeOで実施される)等、少なくとも1種類の遷移金属を含むことができる。一実施形態において、担体は、ZrO、SrTiO又はSrZrO粒子等、複数の第IV族金属酸化物粒子を含む。担体粒子の粒径は、0.1〜1.0μmの範囲とすることができ、特定の一実施形態においては、0.2〜0.25μmとして不透明度を最大としている。
【0016】
PGM化合物のPGMは、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、プラチナ、ロジウム、金又は銀のうち1種類以上を含むことができる。PGM化合物は、一般に、PGMの酸化物、水酸化物及び水和酸化物を含む。特定の実施形態においては、PGM化合物は、PGM塩(例えば、酢酸塩類、又は、プロピオン酸塩類等のカルボン酸塩類)、又は、アセチルアセトネート、ジクロロジアンミン、テトラアンミン及びテトラクロロパラダート等のPGM錯体を含む。
【0017】
PGM塩は、有機塩であっても無機塩であってもよい。特定の一実施形態においては、PGM塩は、酢酸パラジウム(Pd(OCOCH)等のカルボン酸塩、又は、プロピオン酸塩等の他のカルボン酸塩を含む。典型的な無機塩の例としては、塩化物、硫酸塩、ヨウ化物系の塩が挙げられる。
【0018】
PGMの酸化物、水酸化物又は水和酸化物等の従来のPGM化合物を顔料に使用する代わりにPGM塩又はPGM錯体を使用することで、水素センサの調合を大幅に簡略化することができる。PGM塩又はPGM錯体は、適切な溶液に溶解させることで、担体粒子を含む懸濁溶液に後で添加することができるPGM溶液を形成し、その後得られた溶液を乾燥することができるため、PGM塩又はPGM錯体を使った水素センサの調合法を簡略化することができる。これにより、水素センサを形成するために従来のPGM化合物(例えば、PGMの酸化物、水酸化物又は水和酸化物)を使用した場合に一般的に必要とされる中和及び濾過段階が、実質的に排除される。有機PGM塩の酢酸パラジウムのように、PGM塩又はPGM錯体の水への溶解度が低い場合、弱有機酸(例えば、酢酸)等の溶媒を使用してもよい。
【0019】
水素センサは、反応促進剤又はコントラスト剤を更に含むことができる。反応促進剤又はコントラスト剤は、例えば、MoO、(NHMo24、又は、V、Nb、Ta、Cr、Mo又はWを含むポリオキソ金属酸塩類を含むことができる。
【0020】
一実施形態(a)は、チタニアを除く金属酸化物粒子を含む担体粒子の混濁液にPGM塩又はPGM錯体を添加した後、必要に応じてアルカリ又は酸を添加して得られた混合物を中和することを含む。別の実施形態(b)においては、混合液を中和するため混濁液のpHを3〜11に、例えば6〜11に維持しながら、またPGMの鉱酸塩が使用される特定のケースでは8〜11に維持しながら、必要に応じて、PGM塩又はPGM錯体をアルカリ又は酸に、チタニアを除く金属酸化物粒子を含む担体粒子の混濁液に添加する。更に別の実施形態(c)においては、チタニアを除く金属酸化物粒子を含む担体粒子の混濁液を、必要に応じてPGM塩又はPGM錯体の中和に必要分より多い量のアルカリ又は酸に予め混合し、そしてPGM塩又はPGM錯体を添加して中和する。実施形態(b)では、通常、より少ない必要使用量のPGM化合物で、微細なPGM化合物をより均一に担体粒子の表面上に存在させることができる。中和用のアルカリは、必要に応じて、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及びアンモニアを含むことができる。中和用の酸は、必要に応じて、塩酸、硫酸、硝酸及び酢酸を含むことができる。中和反応の温度は、50℃〜90℃の範囲とすることができる。
【0021】
PGM化合物は、担体の重量に基づくPGMで表わした場合の0.5〜10重量%で、例えば、1〜5重量%の量で適用することができる。発明者らは、PGM化合物の量が0.5重量%より少ないと、ガス漏出を検出するには色変化が不十分となる一方、10重量%を超える量では不経済であり、期待される検知機能に更なる向上もないことを認識した。
【0022】
本明細書で開示する水素センサのような水素ガスセンサの有効性は、通常、色変化が所定のレベルに達するまでに必要な時間の計測と、色変化の総量を測定することで評価される。後者はΔΕとして表され、色度計により測定する。ΔΕは、膜の特定のパラメータ(L,a,b)を測定することによる色の違いの測定単位となる。これらのパラメータは、絶対色度、L*a*b*及び色差Δ(L*a*b*)又はΔΕ、を測定するための表色系を参照している。色は、色相、彩度(彩色飽和)、明度の3つの要素で定義される。L*=明から暗への勾配、a*=赤から緑への勾配、及びb*=黄色から青への勾配であり、ΔΕ*={(ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)}1/2である。この方程式は、異なるケモクロミック水素センサの膜の試料の色変化の比較可能とする標準測定技術となる。ΔΕ*の値が大きいほど、色のコントラストが大きくなる。ケモクロミック水素センサの膜の分析は、水素への曝露前及び後のいずれでもよく、色の変化度を定量化することができる。
【0023】
一実施形態において、開示する水素センサは、特定の比率でPGM化合物と担体を完全にカプセル化する連続/マトリックス相を形成する湿気硬化型シリコーンポリマを含み、水素の存在に対して制御可能に反応する組成となっている。この実施形態においては、PGM化合物、担体粒子及び任意の反応促進剤は、一般に、水素センサ全体に対し1〜50重量%であり、一実施形態においては2〜20重量%である。シリコーンマトリックスを含むケモクロミック水素センサ用の一連の代替的担体の評価では、担体の粒径が非常に小さいものを除き、以下に図2に関して説明するように、公知のPdO/Ti0ケモクロミック水素センサのものと同等又はそれより優れたΔΕ*が全てにおいて得られた。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る二層型不可逆性水素センサ10の一例を示す図である。ケモクロミック水素センサ10は、複数の金属酸化物粒子を含む担体を含む複合層1と、担体上のPGM化合物と、担体とPGM化合物の双方をその中に埋め込んで完全にカプセル化する連続相を形成するガス透過性ポリマとを含む。複合層1は、材料分野では公知であり、本明細書においては複合材料、より具体的には、ケモクロミック水素検出機能に基づく機能性複合材料として定義される。
【0025】
複合材料(又は、略して複合材)は、最終構造において巨視的レベルで個別かつ区別しうる状態で存在する著しく異なる物理的又は化学的性質を有する2種類以上の構成材料から作られる工学材料であることが材料分野で知られている。原理上、複合材は、金属、有機物又は無機物の2種類以上の材料の任意の組み合わせで構成することができるが、概して構成要素の形態はより制限される。マトリックスは体成分であり、そこに埋め込まれた(1種類又は複数の)添加相と呼ばれる(1種類又は複数の)別の材料を有する連続相として作用し、複合材を包囲してバルク形態とする役割を果たすマトリックスを伴っている。主要な構造的成分は、繊維、粒子、薄膜又は層、薄片、充填材、及び、本明細書で開示する複合材料用で大抵は添加相である粒子を有する、通常は添加相の複合材の内部構造を決定するマトリックスである。任意の透明シリコーン層2も示されている。透明シリコーン層2は、一般に、どのPGM化合物も含んでいない。
【0026】
担体の粒径がケモクロミック水素センサの性能に及ぼす影響の一例を、Zr0を含有する試料で実証する。Zr0の粒径は、発明者らがケモクロミック顔料の不透明度又は隠蔽力を一般に最大化する値であることを発見した約0.22ミクロンより遥かに小さい。この例においては、水素への曝露によりケモクロミックの色変化は観察できた一方、得られた試料は半透明であった。かかるケモクロミック水素センサ系では、ケモクロミック系の裏で起こる事象が観察できるため、有利である。初期の色変化が簡単にわかるため、水素用に開発された保護膜系を、観察者から見て裏側からシリコーン・ケモクロミック・テープで除去することができる。
【0027】
上述したように、開示される別の実施形態は、Pd/TiO系と同程度の色変化速度とするための反応促進剤の添加を含む。この実施形態において、不可逆性水素センサは、MoO、(NHMo24、及び、V、Nb、Ta、Cr、Mo又はWを含むポリオキソ金属酸塩類から選択されるPGM化合物に混合された反応促進剤又はコントラスト剤を更に含む。反応促進剤のレベルが最適化されると、色変化の割合は、2〜5倍に増加させることができ、ΔΕ*値の僅かな増加も観察される。
【実施例】
【0028】
以下の具体的実施例により開示される実施形態を更に説明するが、これにより本開示の範囲又は内容が限定されると解釈されるべきでない。
【0029】
以下に説明する実施例の不可逆性ケモクロミック水素センサの調合マトリックスを、図3の表1に示す。実施例で記載されるよう行ったケモクロミック水素曝露試験のデータを、図2に示す。
【0030】
試験対象となる不可逆性ケモクロミック水素センサを、テープ成形した。テープ成形工程は、金属酸化物担体粒子とPGM化合物、シリコーンRTV3145、及び反応促進剤又はコントラスト剤を使う場合はモリブデン酸アンモニウム((NHMo24)との混合物である顔料パウダーの検量を含む。金属酸化物担体と混合したPGM化合物(及び、任意でモリブデン酸アンモニウム)を乳鉢で粉砕し、シリコーンRTV3145と混合した。そして、この混合物をこすり取り、テープで固定した1枚の平らなワックスペーパーに塗布した。シリコーン顔料ペーストが徐々に薄膜へと引延ばされるよう、ドクターブレードを用いた。準備した試料の膜厚は、概して10ミルであった。
【0031】
一晩かけてシートを硬化させた後、シートをカットして、水素曝露試験用のシート試料とした。各試料は、1 3/8インチ四方にカットされた。ワックスペーパーは、シートの薄さとサランラップ(登録商標)のような貼りつきやすさから、試験の際に各試料の裏面に残った。試験前に左上隅近くに小さな切れ目を入れて各試料に目印を付け、その後、コニカミノルタ社製CR−10の計器を用いて測色測定を行い、シート試料の四隅のそれぞれと中央部の5箇所のΔL*、 Δa*及びΔb*値を得た。そして、試料をバッジホルダ上に(膜の露出した側を下にして)載置した。水素発生装置により生成した水素を、バッジホルダの底部内の細管に流した。試料をバッジホルダ上に載置した後、上部に蓋をした。
【0032】
水素流への一貫した直接的曝露を確実とするため、遮断弁を用いた。各試験前には、バッジ試料ホルダへと流れを切り替える前に、水素流を安定化させた。設定時間の間、各試料を水素に曝した後、バッジホルダから取り出し、コニカミノルタ社製CR−10の計器でシート試料上の5箇所の色変化の程度を測定した。試料の色変化が測定可能である限り、この工程を繰り返した。変色反応速度に基づき、一括試験の時間は、数分から1時間以上に及んだ。
【0033】
実施例1:参考PdO/TiO水素センサ;従来技術
開示される実施形態との比較の基準として、TiO担体粒子上に沈着したPdO粒子を含むケモクロミック水素センサを調合した。ビーカー内で、50mlの脱イオン(de-ionized:DI)水と5.0gのAldrich社製TiO試料を混合した。磁気攪拌棒で、1時間にわたって混合物を連続的に攪拌し、その後、70℃の温度まで加熱した。別のビーカー内で、10mlのDI水と0.25gのPdClと2.5mlの濃縮HClを混合した。PdCl溶液を、ゆっくりと慎重に担体溶液に添加した。飽和NaOH溶液を用いて、pHレベルを10〜11の間に維持した。一旦全てのPdClを担体と混合したところで、70℃で1時間の攪拌を続けながら、濃縮HClを使って溶液のpHを8まで下げた。1時間後、加熱を停止し、溶液を濾過した。数回にわたってDI水で残渣を洗浄し、100℃に設定した乾燥炉内に乾燥するまで留置した。一旦乾燥させたところで、PdO/TiOケモクロミック顔料試料を粉末状に粉砕し、ガラスバイアル瓶に入れた。
【0034】
実施例2:本発明の一実施形態に係るPdO/SrTiO水素センサ
ビーカー内で、50mlの脱イオン(DI)水と5.0gのAldrich社製SrTiO試料を混合した。磁気攪拌棒で、1時間にわたって混合物を連続的に攪拌し、その後、70℃の温度まで加熱した。別のビーカー内で、10mlのDI水と0.25gのPdClと2.5mlの濃縮HClを混合した。PdCl溶液を、ゆっくりと慎重に担体溶液に添加した。飽和NaOH溶液を用いて、pHレベルを10〜11の間に維持した。一旦全てのPdClを担体粒子と混合したところで、70℃で1時間の攪拌を続けながら、濃縮HClを使って溶液のpHを8まで下げた。1時間後、加熱を停止し、溶液を濾過した。数回にわたってDI水で残渣を洗浄し、100℃に設定した乾燥炉内に乾燥するまで留置した。一旦乾燥させたところで、PdO/SrTiOケモクロミック水素センサ試料を粉末状に粉砕し、ガラスバイアル瓶に入れた。
【0035】
実施例3:本発明の一実施形態に係るPdO/ZrO水素センサ
ビーカー内で、50mlの脱イオン(DI)水と5.0gのFisher社製ZrO試料を混合した。磁気攪拌棒で、1時間にわたって混合物を連続的に攪拌し、その後、70℃の温度まで加熱した。別のビーカー内で、10mlのDI水と0.25gのPdClと2.5mlの濃縮HClを混合した。PdCl溶液を、ゆっくりと慎重に担体溶液に添加した。飽和NaOH溶液を用いて、pHレベルを10〜11の間に維持した。一旦全てのPdClを担体粒子と混合したところで、70℃で1時間の攪拌を続けながら、濃縮HClを使って溶液のpHを8まで下げた。1時間後、加熱を停止し、溶液を濾過した。数回にわたってDI水で残渣を洗浄し、100℃に設定した乾燥炉内に乾燥するまで留置した。一旦乾燥させたところで、PdO/ZrOケモクロミック水素センサ試料を粉末状に粉砕し、ガラスバイアル瓶に入れた。
【0036】
実施例4:本発明の一実施形態に係るPdO/CeO水素センサ
ビーカー内で、50mlの脱イオン(DI)水と6.8gのAldrich社製CeO試料を混合した。磁気攪拌棒で、1時間にわたって混合物を連続的に攪拌し、その後、70℃の温度まで加熱した。別のビーカー内で、10mlのDI水と0.25gのPdClと2.5mlの濃縮HClを混合した。PdCl溶液を、ゆっくりと慎重に担体溶液に添加した。飽和NaOH溶液を用いて、pHレベルを10〜11の間に維持した。一旦全てのPdClを担体粒子と混合したところで、70℃で1時間の攪拌を続けながら、濃縮HClを使って溶液のpHを8まで下げた。1時間後、加熱を停止し、溶液を濾過した。数回にわたってDI水で残渣を洗浄し、100℃に設定した乾燥炉内に乾燥するまで留置した。一旦乾燥させたところで、PdO/CeO試料を粉末状に粉砕し、ガラスバイアル瓶に入れた。
【0037】
実施例5:本発明の一実施形態に係るPdO/SrZrO水素センサ
ビーカー内で、50mlの脱イオン(DI)水と5.0gのAldrich社製SrZrO試料を混合した。磁気攪拌棒で、1時間にわたって混合物を連続的に攪拌し、その後、70℃の温度まで加熱した。別のビーカー内で、10mlのDI水と0.25gのPdClと2.5mlの濃縮HClを混合した。PdCl溶液を、ゆっくりと慎重に担体溶液に添加した。飽和NaOH溶液を用いて、pHレベルを10〜11の間に維持した。一旦全てのPdClを担体粒子と混合したところで、70℃で1時間の攪拌を続けながら、濃縮HClを使って溶液のpHを8まで下げた。1時間後、加熱を停止し、溶液を濾過した。数回にわたってDI水で残渣を洗浄し、100℃に設定した乾燥炉内に乾燥するまで留置した。一旦乾燥させたところで、PdO/SrZrO試料を粉末状に粉砕し、ガラスバイアル瓶に入れた。
【0038】
実施例6:Pd有機塩を用いて形成した本発明の一実施形態に係るPd有機塩/TiO水素センサ
0.2gのPd(OCOCH)を、70℃で10mlの氷酢酸に溶解させた。得られた溶液2mlを、3gのTiO粉末(Aldrich社製)に添加し、混濁液を注意深く混合し、一晩放置して乾燥させた。
【0039】
実施例7:Pd有機塩を用いて形成した本発明の一実施形態に係るPd有機塩/TiO水素センサ
0.12gのPd(OCOCH)を、70℃で10mlの氷酢酸に溶解させた。得られた溶液を、2.5gのTiO粉末(Aldrich社製)に添加し、混濁液を注意深く混合し、一晩放置して乾燥させた。
【0040】
実施例8:Pd有機塩を用いて形成した本発明の一実施形態に係るPd有機塩/ZrO水素センサ
0.12gのPd(OCOCH)を、70℃で10mlの氷酢酸に溶解させた。得られた溶液を、2.5gのZrO粉末に添加し、混濁液を注意深く混合し、一晩放置して乾燥させた。
【0041】
実施例9:PGM有機塩を用いて形成した本発明の一実施形態に係るPd有機塩/MoO水素センサ
0.2gのPd(OCOCH)を、70℃で10mlの氷酢酸に溶解させた。得られた溶液2mlを、3gの無水モリブデン酸(MoO)に添加し、混濁液を注意深く混合し、一晩放置して乾燥させた。
【0042】
実施例10:完全カプセル化用のシリコーンを含む水素センサ
実施例1〜9で調合した中から選択した水素センサ粉末0.3〜0.6gを、十分な湿気硬化型シリコーン・シーラント(ダウコーニング社製、R3145 RTV接着剤・シーラントクリア)に手作業で混合し、全体を3〜10gとした(図3の表1、試料SR−1−5H〜SR−1−6G参照)。未硬化の水素センサ粉末/シーラントを用いて、ゴムシート指示薬を準備した。ドローダウンブレードを用いて未硬化の顔料/シーラントを塗った実験台の上に1枚の平らなワックスペーパーを載置し、硬化する準備ができた均一な材料シートを配置した。24〜48時間後、まだ膜に付着しているワックスペーパーと共に、薄いゴム状シートを取り除いた。このワックスペーパーの裏側シートを細かく切断して水素指示薬テープとして用い、水素ガスに曝した。図2に示される水素ガス曝露時間の経過後、元は白からベージュ色だった硬化後の化合物は、灰色へと変化した。水素室から取り出した後も、色は灰色のままであった。
【0043】
実施例11:反応促進剤を含む水素センサ
反応促進剤の作用を実証する実験において、MoO又は(NHMo24を、水素センサのPGM(例えば、Pd)原子含有量当たりの金属イオン等価物が1〜40までの様々なレベルに変えて本発明の実施形態に係る水素センサに添加すると、ケモクロミック水素センサは水素との接触により、モリブデン錯体及び/又は酸化物がない場合よりも視覚的に濃い色を示した。また、色変化の程度と速度についても、図2に実証するように、モリブデン錯体及び/又は酸化物がない場合に比べ、大幅に増加されることがわかった。
【0044】
実施例12:カプセル化したPdO/MoO水素センサ
実施例9で上述したPd有機塩/MoO水素センサ粉末0.5gを、十分な湿気硬化型シリコーン・シーラント(ダウコーニング社製、R3145 RTV接着剤・シーラントクリア)に手作業で混合し、全体を3gとした(表1、試料SR−1−6I〜K及びSR−1−6L〜N参照)。未硬化の顔料/シーラントを用いて、ゴムシート指示薬を準備した。ドローダウンブレードを用いて未硬化の顔料/シーラントを塗った実験台の上に1枚の平らなワックスペーパーを載置し、硬化する準備ができた均一な材料シートを配置した。24〜48時間後、まだ膜に付着しているワックスペーパーと共に、薄いゴム状シートを取り除いた。このワックスペーパーの裏側シートを細かく切断して水素指示薬テープとして用い、水素ガスに曝した。図2に示される水素ガス曝露時間の経過後、元は白からベージュ色だった硬化後の化合物は、灰色へと変化した。水素室から取り出した後も、色は灰色のままであった。
【0045】
本実施例においては、色強度が、他の試料のものを遥かに上回っていることに留意されたい。無水モリブデン酸(MoO)担体によるケモクロミック効果が加わったことがその理由と思われる。MoOは、水素への曝露によって青色に還元された形態(MoO3‐X)に変換されることが知られている。しかし、この過程は非常に遅い(担体としてMoOのみを含むブランクの(即ち、顔料無しの)バッチにより、図2において明確に示されるように)。Pd有機塩の存在は、自動触媒効果をもたらすと考えられ、MoOの還元形態への還元を大幅に加速する。一方、モリブデン酸化物の還元形態が、Pd有機塩から金属Pdへの更なる変換を促進する。組合せの効果として、Pd/MoO水素センサは、ほぼ真っ黒な色となる。しかし、長時間(日数)経過後に、モリブデン酸化物の還元形態からその元来の酸化形態への酸化に起因して、顔料の幾分かの脱色作用があり得ることに留意されたい。しかし、この作用は、Pd有機塩から金属Pdへ還元によって達成された着色に変化を与えるものではない。
【0046】
実施例13:RTVマトリックス内の色対比
水素センサの色対比の測定ΔΕ*を、マトリックス比3(又は6)対100(膜)の顔料のRTVマトリックス内で行った。試料の比色パラメータa*、b*及びL*を、100%の水素ガスに曝す前後に測定し、ΔΕ*を決定した。その結果を図2に示す。
【0047】
上記に開示される様々な実施形態を説明してきたが、これらが説明のみの目的で示されており、限定の目的で示されているわけではないことが理解されるべきである。本明細書中に開示された主題には、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、本開示に従って様々な変更を行うことができる。また、特定の特徴を幾つかの実施例のうちの1つのみに関して開示したが、この様な特徴は、所定の又は特定の応用に望ましく有利なように、他の実施例の1つ以上の他の特徴と組み合わされてもよい。
【0048】
従って、本開示による主題の範囲は、上記に明示する実施形態のいずれによっても制限されるべきではない。むしろ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物によって定義されるべきである。
【0049】
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を記載する目的のためだけであり、限定となることを意図しない。本明細書において使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないと明確に示さなければ複数形を同様に含んで意味する。更に用語「含んでいる(including)」、「含む(include)」、「有している(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」又はそれらの変形は、詳細な記載及び/又は特許請求の範囲のいずれにおいても使用される程度に、そのような用語は用語「含む(comprising)」と同様の様式で包括的であることを意図する。
【0050】
別段の記載がない限り、本明細書に使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明の実施形態が属する当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に規定されるもの等、用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と整合性がとれる意味を有すると解釈されるべきであること、及び本明細書にそのように明確に規定されない限り、理想的又は非常に形式的な意味において解釈されることにはならないことが更に理解される。
図1
図2
図3