【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの課題は、独立請求項に記載の特徴を有するものにより解決される。これらものの有利な実施形態および改良形態が、さらに以下の説明および図面から明らかである。
【0009】
少なくとも一実施形態による加熱モジュールは、開口部を備えるケーシングと、ケーシング内に配置されたPTC加熱素子とを備える。PTCセラミック加熱素子は、開口部に向いた内側と、開口部に向いていない外側と、内側および外側を接続する2つの端面とを備える。さらに、PTCセラミック加熱素子の内側は、少なくとも部分的に開口部に対応している。
加熱モジュールは、PTCセラミック加熱素子の形状に適合された3つの接触部材を備え、2つの接触部材が、PTCセラミック加熱素子の一方の端面に配置されており、1つの接触部材が、PTCセラミック加熱素子の他方の端面に配置されている加熱モジュール。
【0010】
一実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子の形状は開口部の形状に対応している。好ましくは、特にPTCセラミック加熱素子の、開口部に向いた内側の形状全体は開口部の形状に対応している。特にPTCセラミック加熱素子の内側は、湾曲した表面を備え、この表面は、ケーシングの開口部を少なくとも部分的に包囲している。好ましくは、内側の表面は弓状の横断面を備える。
【0011】
加熱モジュールは、特に液体案内部材、例えば芯、または毛管を加熱するように構成され、またはそのために使用されるものとすることができる。
【0012】
例えば、液体案内部材は、ケーシングの開口部を通って案内されてもよい。加熱モジュールは、好ましくは、PTCセラミック加熱素子が開口部の近傍に配置されているように構成されている。この場合、PTCセラミック加熱素子は芯を少なくとも部分的に包囲する。有利には、これにより、PTCセラミック加熱素子と液体案内部材との間で熱を伝導するための他の部材を省略することができ、これにより、PTCセラミック加熱素子によって液体案内部材を直接に加熱することができる。
【0013】
一実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子は、例えば、例えばプレス成形技術または射出成形技術によって製造することのできるBaTiO3ベースの機能性セラミックを備える。
【0014】
別の実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子は端面に電極を備える。これらの電極は、例えば、PTCセラミック加熱素子に塗布された金属被覆部によって形成されている。電極は、PTCセラミック加熱素子の電気接触のために用いられる。
【0015】
別の一実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子の端面にはそれぞれ1つの接触部材が配置されている。接触部材は、例えば、接触シートとして構成されていてもよい。一実施形態では、接触部材はアルミニウムを備えるか、またはアルミニウムからなっている。好ましくは、接触部材は、例えば、EN AW-Al 99.5 (3.0255)で表される純アルミニウムを備えているか、または、この材料からなっている。
【0016】
別の実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子は、クランプ接触を介して接触部材の間に配置されている。好ましくは、PTCセラミック加熱素子は、クランプによって接触部材の間に固定されている。接触部材とPTCセラミック加熱素子との間のクランプ接触のためにはばね部材は不可欠ではなく、むしろ接触部材、PTCセラミック加熱素子およびケーシングは、接触部材およびPTCセラミック加熱素子に機械的押圧力が加えられ、この押圧力によって接触部材とPTCセラミック加熱素子とが互いに押圧され、これによりクランプされるように構成されていてもよい。
【0017】
別の一実施形態によれば、接触部材の形状は、少なくとも部分的にPTCセラミック加熱素子の形状に対応している。
【0018】
一実施形態によれば、接触部材は、少なくとも部分的にリング状またはU字形に構成されている。
【0019】
さらに、接触部材は、PTCセラミック加熱素子の端面の円錐形状に適合された円錐台形状または円錐台形状の領域を備えている。同様に、ケーシングは対応した円錐領域を備えていてもよい。これらの円錐領域を介して、組み立てられた状態で接触部材のそれぞれ円錐台状の領域は、PTCセラミック加熱素子の円錐状の端面に対応している。
【0020】
別の一実施形態によれば、加熱モジュールは3つの接触部材を備える。好ましくは、接触部材は、PTCセラミック加熱素子の形状に対応している。例えば、3つの接触部材のうちの2つはPTCセラミック加熱素子の一方の端面に配置され、1つはPTCセラミック加熱素子の他方の端面に配置されていてもよい。この場合、PTCセラミック加熱素子は、一方の端面に2つの独立した電極を備え、これらの電極は、互いに独立して端面に設けられた金属被覆部によって形成されている。したがって、加熱モジュールは、3つの別個の接続部を備える形式で構成されていてもよい。
【0021】
別の実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子の端面は少なくとも部分的に面取りされている。少なくとも部分的に面取りされた端面により、ケーシング内におけるPTCセラミック加熱素子と接触部材との間でクランプ作用がさらに改善される。
【0022】
別の実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子はリング状に構成されている。PTCセラミック加熱素子は、特に、好ましくは形状および寸法に関してケーシングの開口部に対応した開口部を備えているのが好ましい。これにより、PTCセラミック加熱素子とケーシングの開口部内に配置された液体案内部材との間の熱伝導を最適化することができる。
【0023】
別の実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子の端面は少なくとも部分的に円錐状に形成されている。例えば、PTCセラミック加熱素子の端面は、いわゆる面取り部と呼ぶことのできる円錐領域を備える。端面が円錐状に構成されていることにより、PTCセラミック加熱素子と接触部材との間のクランプ接触を改善することができる。好ましくは、PTCセラミック加熱素子の端面は外側方向に面取りされている。
【0024】
別の実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子はU字形もしくは蹄鉄形に形成されている。PTCセラミック加熱素子のU字形の構成により、PTCセラミック加熱素子は液体案内部材、例えば、芯または毛管を少なくとも部分的に包囲している。したがって、PTCセラミック加熱素子は、液体案内部材に近接して設けられており、これにより、PTCセラミック加熱素子から液体案内部材への熱伝達を最適化することができる。
【0025】
別の実施形態によれば、PTCセラミック加熱素子は、開口部に向いた内側では、開口部に向いていない外側よりも高さが低くなっている。例えば、PTCセラミック加熱素子は、開口部の中心から見てくさび状に構成されていてもよい。
【0026】
さらに、ケーシングは、横断面がくさび形状の内部スペースを備える。好ましくは、くさび形状は、半径方向内側へ、すなわち、開口の方向にテーパしている。
【0027】
別の実施形態によれば、ケーシングの内部スペースのくさび形状およびPTCセラミック加熱素子の形状は互いに対応している。ケーシングが閉じられた場合、PTCセラミック加熱素子は、接触部材とケーシングとの間にクランプされる位置へ滑り込む。これにより、ケーシング内で、PTCセラミック加熱素子と接触部材との間の持続的なクランプ接触が得られる。
【0028】
別の実施形態によれば、ケーシングは、係止結合によって互いに結合された少なくとも2つのケーシング部分を含む。ケーシング部分の係止結合により、ケーシング内に配置された接触部材およびPTCセラミック加熱素子に機械的押圧力が加えられ、これにより、接触部材とPTCセラミック接触部材とは互いにクランプされる。
【0029】
材料の熱膨張率が異なることにより生じるPTCセラミック加熱の機械的損傷は、ここに記載の実施形態では、持続的なクランプ接触、ひいてはこれによるセラミック内の圧縮圧力によって防止することができる。
【0030】
別の実施形態によれば、少なくとも1つのケーシング部分は、縁を折り込まれた内側スリーブに結合されている。内側スリーブは、好ましくは金属を備える。さらに、内側スリーブが少なくとも部分的にケーシングの開口部内に配置されていることが好ましい。内側スリーブは、例えば組み立ての際にフランジをつけることができ、これにより、ケーシングとPTCセラミック加熱素子との持続的なクランプをもたらすことができる。
【0031】
別の実施形態によれば、ケーシング部分はプラスチックを備える。ケーシングもしくはケーシング部分は、例えば、ポリブチレン・テレフタレート(PBT)または液晶高分子(LCP)を備えていてもよい。さらに、ケーシング部分は、内側スリーブを電気絶縁するように、PTCセラミック加熱素子が内側カバーによって分離された構成としてもよい。換言すれば、ケーシングは、PTCセラミック加熱素子の内側と開口部との間に、開口部を包囲する壁または壁領域を備えていてもよい。
【0032】
別の実施形態によれば、接触部材は、電気接触のために、ケーシングから突出した接続フラグを備える。さらに、接続フラグは、市販の平型ピンプラグを接続できるように構成してもよい。
【0033】
別の実施形態によれば、接触部材との電気接触のためには、例えば、圧着端子が設けられていてもよい。
【0034】
ここに記載の加熱モジュールでは、PTCセラミック加熱素子から液体案内部材への熱伝導は、高い効率によって行われる。さらにPTCセラミック加熱素子は、有利には、好ましい表面体積比によって優れている。
【0035】
別の実施形態では、蒸発装置は、容器、液体案内部材および1つ以上の上記実施形態にしたがった加熱モジュールを備える。この場合、液体案内部材の一端は加熱モジュール内に突入している。好ましくは、液体案内部材は、この領域では少なくとも部分的にPTCセラミック加熱素子によって包囲されており、これにより、PTCセラミック加熱素子と液体案内部材との間で可能な限り良好な熱伝導を得ることができる。液体案内部材の他端は容器内に突入しており、容器は、少なくとも部分的に、液体、好ましくは作用物質を含む流体、例えば、虫よけのための野生の除虫菊、ピレスロイドまたはエーテル油を含む液体によって充填されていてもよい。代替的には、液体は、室内空気を改善するための流体、いわゆる「脱臭剤」であってもよい。
【0036】
ここの記載の蒸発装置により、例えば、虫よけ、または室内空気の改善のために、例えば、上記作用物質を含有する液体を蒸発させることができる。
【0037】
加熱モジュールのさらなる利点および有利な実施形態が、
図1〜
図12に基づいて説明する実施形態によって明らかである。