(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した波動歯車装置を説明する。
【0018】
(波動歯車装置の構成)
図1は本発明の対象である波動歯車装置の正面図である。
図2はその可撓性外歯車の開口部を楕円状に撓ませた状況を含軸断面で示す断面図であり、
図2(a)は変形前の状態、
図2(b)は変形後における楕円状曲線の長軸を含む断面、
図2(c)は変形後における楕円状曲線の短軸を含む断面をそれぞれ示してある。なお、
図2(a)〜(c)において実線はカップ状の可撓性外歯車を示し、破線はシルクハット状の可撓性外歯車を示す。
【0019】
これらの図に示すように、波動歯車装置1は、円環状の剛性内歯車2と、その内側に配置された可撓性外歯車3と、この内側にはめ込まれた楕円状輪郭の波動発生器4とを有している。剛性内歯車2と可撓性外歯車3は共にモジュールmの平歯車である。また、両歯車の歯数差は2n(nは正の整数)であり、剛性内歯車2の方が多い。可撓性外歯車3は、楕円状輪郭の波動発生器4によって楕円状に撓められ、楕円状の長軸L1方向の両端部分において剛性内歯車2に噛み合っている。波動発生器4を回転すると、両歯車2、3の噛み合い位置が周方向に移動し、両歯車の歯数差に応じた相対回転が両歯車2、3の間に発生する。可撓性外歯車3は、可撓性の円筒状胴部31と、その後端31bに連続して半径方向に広がるダイヤフラム32と、ダイヤフラム32に連続しているボス33と、円筒状胴部31の開口端31aの側の外周面部分に形成した外歯34とを備えている。
【0020】
円筒状胴部31の外歯形成部分の内周面部分に嵌め込まれた楕円状輪郭の波動発生器4によって、円筒状胴部31は、そのダイヤフラム側の後端31bから開口端31aに向けて、半径方向の外側あるいは内側への撓み量が漸増している。
図2(b)に示すように、楕円状曲線の長軸L1を含む断面では外側への撓み量が後端31bから開口端31aへの距離に比例して漸増し、
図2(c)に示すように、楕円状曲線の短軸L2を含む断面では内側への撓み量が後端31bから開口端31aへの距離に比例して漸増している。したがって、開口端31a側の外周面部分に形成されている外歯34は、その歯筋方向における各軸直角断面において撓み量が変化している。すなわち、外歯34の歯筋方向におけるダイヤフラム側の内端34bの位置から開口側の開口端34aの位置に向けて、後端31bからの距離に比例して撓み量が漸増している。
【0021】
(両歯車の歯形形状)
図3は両歯車2、3の歯形の一例を示す説明図であり、
図4は可撓性外歯車3の歯筋方向における歯形輪郭形状を示す説明図である。
図3に示す外歯34の歯形形状はその開口端34aの位置(主断面)におけるものであり、外歯34における開口端34aから内端34bに至る部分の歯形形状は、
図3に示す歯形形状に、後述のようにマイナス転位を施した転位歯形形状となっている。この結果、
図4に示すように、可撓性外歯車3は、外歯34の歯先円直径が開口端34aから内端34bに向かう歯筋方向に沿って漸減しているテーパー型可撓性外歯車となっている。これに対して、内歯24の歯形形状は歯筋方向の全体に亘って同一であり、
図3に示す歯形形状に設定されている。
【0022】
図3に示すように、外歯34の開口端34a(主断面)における歯形形状は、凸曲線状の外歯歯末歯形部分41、これに連続する外歯直線歯形部分42、これに連続する凹曲線状の外歯歯元歯形部分43、および、これに連続する外歯歯底部分44によって規定されている。内歯24の歯形形状は、凸曲線状の内歯歯末歯形部分51、これに連続する内歯直線歯形部分52、これに連続する凹曲線状の内歯歯元歯形部分53、および、これに連続する内歯歯底部分54によって規定されている。
【0023】
[両歯車の歯形の形成方法]
次に、
図3、
図5および
図6を参照して、外歯34および内歯24の歯形の形成方法を説明する。
【0024】
(ラック近似による歯の移動軌跡)
図5は波動歯車装置1の両歯車2、3の歯の相対運動をラックで近似した場合に得られる、剛性内歯車2の内歯24に対する可撓性外歯車3の外歯34の移動軌跡を示す図である。図において、x軸はラックの併進方向、y軸はそれに直角な方向を示す。ここで、可撓性外歯車3の外歯34の歯筋方向における任意の位置の軸直角断面において、当該外歯34の楕円状リム中立線における長軸位置L1における当該外歯34が楕円状に撓む前のリム中立円に対する撓み量は、κを撓み係数として2κmnである。可撓性外歯車3の外歯34の移動軌跡は次式で与えられる。
x=0.5mn(θ−κsinθ)
y=κmncosθ
【0025】
説明を簡単にするために、m=1、n=1(歯数差が2)とすると、移動軌跡は次式で与えられる。
x=0.5(θ−κsinθ)
y=κcosθ
【0026】
図5のy軸の原点は移動軌跡の振幅の平均位置としてある。移動軌跡のうち無偏位移動軌跡M
1は、撓み係数κ=1である偏位無しの標準の撓み状態の場合に得られるものであり、負偏位移動軌跡M
2、M
3は、撓み係数κ<1である負偏位の撓み状態の場合に得られるものである。本発明では、両歯車2、3の歯形形成の基礎となる主断面を、可撓性外歯車3の外歯34の歯筋方向における開口端34aの位置における軸直角断面としてある。負偏位移動軌跡M
2は外歯34の歯筋方向の中間位置の軸直角断面において得られる軌跡であり、負偏位移動軌跡M
3は外歯34の歯筋方向の内端34bの位置において得られる軌跡である。
図5において、軌跡M
2は撓み係数がκ=0.85、軌跡M
3は撓み係数がκ=0.7の場合のものである。
【0027】
(主断面における歯形の形成方法)
図6は、外歯34、内歯24の歯形を形成するために用いるために、無偏位移動軌跡M
1に設定した利用範囲を示す説明図である。この図において、主断面(開口端34aの断面)の無偏位移動軌跡M
1のパラメーターθがπ(B点:移動軌跡の底部)から0(A点:移動軌跡の頂部)までの範囲を取り、B点を相似の中心として、この無偏位移動軌跡M
1をλ倍(λ<1)に相似変換して第1相似曲線BCを得る。
図6には、λ=0.6の場合を示してある。第1相似曲線BCを剛性内歯車2の歯末歯形を規定するために用いる歯形曲線として採用する。
【0028】
第1相似曲線BCの端点Cを中心として、当該第1相似曲線BCを180度回転して曲線B’Cを得る。曲線B’Cを、端点Cを相似の中心として(1−λ)/λ倍して、第2相似曲線ACを得る。第2相似曲線ACを可撓性外歯車3の歯末歯形を規定するために用いる歯形曲線として採用する。
【0029】
これらの歯末歯形を規定する歯形曲線は式で表わすと次のようになる。
剛性内歯車の歯末歯形の基本式:
x
Ca=0.5{(1−λ)π+λ(θ−sinθ)}
y
Ca=λ(1+cosθ) (0≦θ≦π)
可撓性外歯車の歯末歯形の基本式:
x
Fa=0.5(1−λ)(π−θ+sinθ)
y
Fa=(λ−1)(1+cosθ) (0≦θ≦π)
【0030】
(外歯の主断面の歯形形状)
上記のように求めた歯末歯形を規定するための歯形曲線ACを用いて、次のように外歯34の主断面(開口端34aの軸直角断面)における外歯歯形を形成する。
図3および
図6を参照して説明すると、可撓性外歯車3の歯末歯形を規定するための歯形曲線ACに対して圧力角αで交わる直線Lを引き、歯形曲線ACにおける端点Aから直線Lとの交点Dまでの間の曲線部分ADを求める。この曲線部分ADを正規の歯末歯形を規定する歯形曲線として採用し、当該歯形曲線を用いて外歯歯末歯形部分41を形成する。また、交点Dから延びている直線Lの直線部分によって外歯直線歯形部分42を規定する。さらに、外歯直線歯形部分42が内歯24に対して所定の頂隙が確保されるように、当該外歯直線歯形部分42と所定の外歯歯底曲線によって規定される外歯歯底部分44との間を繋ぐ所定の凹曲線によって外歯歯元歯形部分43を規定する。
【0031】
(内歯の歯形形状)
同様にして、歯末歯形を規定するために用いる歯形曲線BCを用いて内歯24の歯形を形成する。
図3および
図6を参照して説明すると、剛性内歯車2の歯末歯形を規定するために用いる歯形曲線BCに対して圧力角αで交わる直線Lを引き、歯形曲線BCにおける端点Bから直線Lとの交点Eまでの間の曲線部分BEを求める。この曲線部分BEを正規の歯末歯形を規定する歯形曲線として採用し、当該歯形曲線を用いて内歯歯末歯形部分51を形成する。また、交点Eから延びている直線Lの直線部分によって内歯直線歯形部分52を規定する。さらに、内歯直線歯形部分52が外歯34に対して所定の頂隙が確保されるように、当該内歯直線歯形部分52と所定の内歯歯底曲線によって規定される内歯歯底部分54との間を繋ぐ所定の凹曲線によって内歯歯元歯形部分53を規定する。
【0032】
なお、両歯車の歯元の歯形部分43、44、53、54は噛み合いに参加しない。従って、これらの歯元の歯形部分43、44、53、54は、それぞれ相手の歯末の歯形部分51、52、41、42と干渉しなければよく、自由に設定できる。
【0033】
このようにして、
図3に示す両歯車2、3の主断面(外歯34の開口端34aの軸直角断面)の位置における歯形形状が形成される。本例では、直線歯形の圧力角αが9度である。歯末歯形の圧力角が0度に近い部分は、歯車加工の面から避けた方が望ましく、圧力角が6度ないし10度付近の点から直線歯形とし、歯元の歯形につなぐようにすればよい。
【0034】
(外歯における主断面以外の位置における歯形形状)
上記のように設定した主断面の歯形の噛み合いは両歯車2、3の歯末歯形同士の噛み合いにおいては、
図5に示す無偏位移動軌跡M
1に沿って可撓性外歯車3が剛性内歯車2に対して移動するとき、歯末歯形同士は相似曲線の性質から連続的に接触する。これに対して、主断面からダイヤフラム側に掛けての外歯34の各軸直角断面では偏位係数はκ<1となる。
図5に示すように、負偏位移動軌跡M
2、M
3は無偏位移動軌跡M
1と干渉し、このままでは主断面における場合のような歯末歯形同士の連続的な噛み合いを維持することができない。
【0035】
そこで、外歯34における開口端34aから内端34bに至る部分の軸直角断面の歯形形状として、主断面(開口端34aの軸直交断面)の歯形に転位を施した転位歯形を採用する。すなわち、開口端34aから内端34bに至る各軸直角断面において得られる外歯34の内歯24に対するラック近似による移動軌跡が、主断面位置である開口端34aにおいて得られる移動軌跡M
1に対して、その底部Bで接するように、開口端34aの外歯歯形にマイナス転位を施した転位歯形形状としてある。これにより、外歯34の歯筋方向のすべての断面上において、近似的ながら、部分的にせよ正常な噛み合いを保証できるようにしている。
【0036】
具体的に説明すると、外歯34の開口端34aの位置からダイヤフラム側の内端34bの位置に掛けての各軸直角断面において、それらの各軸直角断面位置での撓み係数κに応じて、各軸直角断面での移動軌跡が開口端34aでの移動軌跡M
1の底部Bに接するように、転位の量mnhを設定する。m=1、n=1とした場合には転位の量がhになり、次式によって表わされる負の値をとる。
h=κ−1
【0037】
また、このように転位を施すことにより、外歯34の歯筋方向の各軸直角断面における歯底リム厚tは、
t=κt
1
ここで、t
1:主断面(開口端の軸直角断面)における歯底リム厚
となる。
【0038】
(外歯の歯底リム厚と歯の転位量の設定方法)
図7は、いわゆる修正グッドマン線図を用いて、可撓性外歯車の歯底リム厚と歯の転位を定める本発明の手法を示すものである。波動歯車装置1において、その可撓性外歯車3の楕円状の変形に伴う長軸上の歯底リム表面の曲げに伴う引張応力をσ
bとすると、材料力学の基本式からσ
bは次式により規定される。
σ
b=3Et/(RD)
ここで、E:ヤング率
t:歯底リム厚
R:減速比
D:変形前の中立円の直径
【0039】
また、出力トルクTによって生ずる長軸上の引張応力をσ
nとすると、荷重を受ける歯底の面積がDLであることから、σ
nは次式により規定される。
σ
n=T/(DLt)
ここで、L:可撓性外歯車の歯幅
【0040】
したがって、可撓性外歯車3の長軸に生ずる応力はσ
bとσ
nの和であり、可撓性外歯車3の短軸の歯底リム表面に生ずる応力は圧縮応力−σ
bである。これより、波動発生器4の回転によって生ずる可撓性外歯車3の応力振幅は、
((σ
b+σ
n)−(−σ
b))/2=σ
b+σ
n/2
であり、平均応力は、
((σ
b+σ
n)+(−σ
b))/2=σ
n/2
である。
【0041】
一平面上で、縦軸に可撓性外歯車3の素材である鋼材の実質的な両振りの疲労限度を取った点A(この縦座標をσ
Aとする)と、横軸に当該鋼材の降伏応力と引張強さの中央に取った点B(この横座標をσ
Bとする)とを結ぶ直線を引いて、いわゆる修正グッドマン線図を作る。この直線と横軸および縦軸とによって囲まれた三角領域が、横軸に可撓性外歯車3の歯底リム表面の平均応力、縦軸にその応力振幅をプロットした点の許容範囲である。
【0042】
ここで、可撓性外歯車3の楕円状のリム中立曲線が与えられた場合、波動発生器4の回転によって生ずる主断面(開口端34aの軸直角断面)における歯底リムの表面に現れる応力振幅(σ
b+σ
n/2)を縦軸に、平均応力σ
n/2を横軸に取り、点Pとする。この点Pが前記の三角領域に含まれることが先ず必要である。
【0043】
このとき、可撓性外歯車3の伝える伝達負荷トルクTは歯底リム厚tと引張応力σ
nの積に比例する。歯底リム厚tは曲げに伴なう引張応力σ
bに比例する。従って、可撓性外歯車のトルクTは引張応力σ
bと引張応力σ
nの積に比例することになる。ここで、点Pを通る縦軸に平行な直線と原点を通り横軸に45度をなす直線との交点をQとしたとき、線分PQはσ
bを表している。以上のことから、トルクTは、点Pと点Qをそれぞれ通る横軸に平行な縦軸までの直線と線分PQが囲む長方形の面積に比例することになる。
【0044】
従って、与えられた仕様を持つ可撓性外歯車3の伝えるトルクを最大とする点は、原点を通り横軸と45度をなす直線と修正グッドマン線図との交点をCとするとき、線分ACの中点Mであり、中点Mに対応する歯底リム厚が最適の値となる。従って、この場合、図の幾何学的関係から、
σ
b=σ
A/2
σ
n=σ
Aσ
B/(σ
A+σ
B)
であり、外歯の主断面(開口端34aの位置)での歯底リム厚t
1の最適値t
mは次式で与えられる。
t
1=t
m=σ
ARD/(6E)
【0045】
先に述べたように、外歯34にはマイナス転位が施されており、その歯底リム厚は、外歯34の歯筋方向における開口端34aの位置の歯底リム厚をt
1とすると、当該開口端34a以外の位置における歯底リム厚はκt
1となっている。したがって、上記のようにして開口端34aでの歯底リム厚t
1を最適リム厚t
mに設定すると、外歯34の開口端34aから内端34bに至る各軸直角断面の歯底リム厚tは、κt
mに設定される。
【0046】
換言すると、外歯34における開口端34aより内端34bにかけての歯筋方向の各軸直角断面の歯底リム厚に対応する点を、修正グッドマン線図上において中点Mの右側に取るように、可撓性外歯車のリム厚を漸次小さく取るように定めている。この際、修正グッドマン線図上の応力振幅と平均応力を表す座標点が前述の許容範囲に入ることが必要である。
【0047】
本発明では、以下に示すように当該条件が満たされており、可撓性外歯車3の応力状態を表す修正グッドマン線図の座標点が当該線図の許容範囲である三角領域にある。
【0048】
すなわち、可撓性外歯車の開口端34aの歯底リム厚を最適値t
mとし、開口端34aより内端34bに至る軸直角断面の歯底リム厚については、歯筋に沿っての歯形のかみ合いを維持するために、各軸直角断面における可撓性外歯車3の外歯34の剛性内歯車2の内歯24に対する移動軌跡の底部を一致させるように、歯底リム厚を、歯に係数1−κ(κ<1)の転位を施したκt
mとしてある。このとき、トルクによる開口端34aの引張応力σ
nmに対し、任意位置のリムの引張応力はリム厚の減少からσ
nm/κのように増加する。
【0049】
一方、可撓性外歯車の任意断面の長軸に生ずる曲げ応力σ
bはリム厚κt
mと撓み量wの積に比例しており、その値は、t
mに対する曲げ応力をσ
bmとすると、
σ
b=κ
2σ
bm=κ
2σ
A/2
となる。修正グッドマン線図で横座標の平均応力σ
nm/κ/2に対応する縦座標は、直線の式から
−(σ
A/σ
B)σ
nm/2/κ+σ
A
となる。ここで、σ
bm=σ
A/2の関係を用いると開口端34aの軸直角断面において、
(σ
B−σ
nm/2)(σ
A/σ
B)=σ
bm+σ
nm/2=σ
A/2+σ
nm/2
の関係から、次の結果を得る。
σ
nm=σ
Aσ
B/(σ
A+σ
B)
【0050】
従って、係数κの断面の平均応力σ
nm/κ/2に対応する修正グッドマン直線の縦座標は次式となる。
【数1】
【0051】
これに対して、係数κの断面の応力振幅は
【数2】
である。
【0052】
両者の差は
【数3】
となり、κの実際の値の範囲(本例では、1〜0.7)に対しては、この値が正であり、これによってリム厚κtに対する座標値が許容範囲にあることが示される。
【0053】
(歯のかみ合い状態)
図8は、上記のように歯形が設定された外歯34における開口端34a(主断面)、歯筋方向の中間位置および内端34bにおける各軸直角断面上での外歯の移動軌跡を示すグラフである。中間位置および内端34bにおける転位歯形の移動軌跡M
2a、M
3aは、開口端34aにおける移動軌跡M
1と底部Bにおいて接し、しかも、頂部の一部を除き、これらの軌跡は相互に近似している。このことは、本発明による歯形が、頂部の一部を除き、歯筋全般に亘るかみ合い状態が得られる可能性を示している。
【0054】
次に、
図9A〜
図9Cは、上記のように歯形を設定した外歯と内歯のかみ合いの様相をラック近似で示す説明図である。
図9Aは外歯の開口端位置、
図9Bは外歯の歯筋方向の中間位置、
図9Cは外歯の内端位置において得られるものである。外歯の歯筋方向の各位置における移動軌跡が、それらの底部に至る部分において良好に一致していることにより、歯筋方向の全般に亘る外歯と内歯のかみ合い状態が得られることが分かる。