(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記超吸収性材料は、前記第1不織布材料の前記第2部分と、前記第2不織布材料の前記第2部分と、の間に挟まれ、接着された前記周縁部によって、それらの間にシールされている、請求項5または6に記載のプロセス。
前記構造接着剤は、前記第1不織布材料又は当該第1不織布材料の前記第1部分の繊維の周囲に存在するが、前記第2不織布材料又は当該第2不織布材料の前記第1部分の繊維の周囲には存在しない、請求項1に記載のプロセスにより取得され得る、接着された第1及び第2不織布材料。
前記構造接着剤は、前記第1不織布材料又は当該第1不織布材料の前記第1部分の繊維の周囲に存在するが、前記第2不織布材料又は当該第2不織布材料の前記第1部分の繊維の周囲には存在しない、請求項7に記載のプロセスにより取得され得る、吸収性コア。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で使用するとき、以下の用語は以下の意味を有する。
【0018】
本明細書で使用される用語「吸収性物品」は、一般に、身体から排出された分泌液を、その吸収性コアの内部に吸収し蓄えることが可能な物品を指す。吸収性物品は典型的に、着用者の身体に接して、あるいは身体の近くに配置され、尿、血液又は経血などの身体から排出された分泌液を、その吸収性コアの内部に吸収し収容する。典型的な吸収性物品には、乳児用及び成人用おむつ(パンツ様おむつ及びいわゆるテープ止めおむつを含む)(例えば、着用者の胴体下部周囲におむつを固定するための固定具を備える)おむつインサート、おむつライナー、婦人衛生製品(例えば、生理用ナプキン、タンポン、又はパンティライナー)、並びに成人用失禁パッドが挙げられる。「おむつ」は、着用者によって、胴体下部の周囲を取り巻いて着用され、身体から排出された分泌液を吸収し、収容することを意図された吸収性物品を指す。一般に、パンツ様おむつは、着用者の脚を脚開口部に挿入し、パンツ様おむつを着用者の胴体下部の周囲を取り巻く位置に滑らせることによって、着用者の体表の所定位置に配置される。
【0019】
「吸収性コア」は、身体から排出された分泌液(例えば、尿又は血液)を吸収し蓄えることを意図した、吸収性物品の一部材を指す。本開示による吸収性コアは、少なくとも、超吸収性材料を含み、比較的親水性の高い第1不織布材料と、第2不織布材料とを本明細書のプロセスによって接着したものを含む。
【0020】
第1不織布材料及び第2不織布材料
本明細書のプロセスは、比較的親水性の高い第1不織布材料、又は当該第1不織布材料の第1部分と、比較的親水性の低い第2不織布材料、又は当該第2不織布材料の第1部分とを接着させる。本発明の目的のため、第1不織布材料に関して使用される「比較的親水性の高い」とは、第2不織布材料に比べてより親水性が高いことを意味し、また、第2不織布材料に関して使用される「比較的親水性の低い」とは、第1不織布材料に比べてより親水性が低いことを意味する。第1不織布材料と第2不織布材料は一体型であってよく、本明細書で参照される「第1不織布材料」はしたがって一体型不織布材料の第1ポーションであり、本明細書で参照される「第2不織布材料」はしたがって一体型不織布材料の第2ポーションであり、この一体型不織布はC字型又はZ字型に折り畳まれ、これにより第1ポーション又は当該第1ポーションの第1部分と、第2ポーション又は当該第2ポーションの第1部分とが、本明細書のプロセスによって接着される。そのような場合、第1ポーションは第2ポーションよりも高い親水性であるよう、例えば、下記に記述される親水性剤で処理され、あるいは第2ポーションは、第1ポーションよりも低い親水性であるよう処理され得る。
【0021】
しかしながら、本明細書の別の一実施形態において、第1不織布材料と第2不織布材料は一体型ではなく、よって本明細書のプロセスにより接着される前は別個の材料である。
【0022】
第1材料及び第2材料の親水性は、それぞれの材料の平均ストライクスルー時間(例えば、下記に記述されているように、選択された液体(例えば、0.9%生理食塩水)が不織布を通り抜けるのにかかる時間)によって表現又は測定され得る。
【0023】
典型的に、第1不織布材料の平均ストライクスルー時間(第3噴出)は、第2不織布材料の平均ストライクスルー時間(第3噴出)より少なくとも30%短い。この差は、少なくとも50%、又は例えば少なくとも100%、又は例えば少なくとも200%、又は例えば少なくとも300%であり得る。このストライクスルー時間(第1、第2及び第3噴出について)とその平均、並びにそれらの差のパーセンテージは、Edana方法150.3−96を使用し、ただしこの方法で、5mLの3噴出(単回の噴出ではなく)を60秒間隔で適用し、濾紙10束(5束ではなく)を使用して、測定することができる。これらの測定に好適な装置は、例えばLister AC#86である。
【0024】
第1不織布は、平均ストライクスルー時間(第3噴出)が例えば25秒未満、又は例えば10秒未満であり得る。第2不織布は、平均ストライクスルー時間(第3噴出)が50秒超、又は例えば100秒超、又は200秒超であり得る。
【0025】
本明細書で使用される用語「不織布材料」は、摩擦及び/又は凝集及び/又は接着により接合された、配向性繊維又は不規則に配向された繊維で製造された材料を指し、紙と、更なるニードル加工の有無を問わず、結合糸若しくは長繊維を組み込んだ織り製品、編み製品、タフテッド製品、ステッチで結合した製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品と、を除く。不織布材料の坪量は、通常は、平方メートル当たりグラム(g/m
2)で表記され、EDANA方法40.3−90によって決定することができる。本明細書の不織布材料は、天然繊維、合成繊維、又はそれらの組合せを含み得る。天然繊維の例としては、羊毛、絹、毛皮、及び毛髪などの動物繊維と、セルロース、綿、亜麻、リネン、及び麻などの植物繊維と、ある種の天然に生じる鉱物繊維と、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
代表的な合成繊維は、天然資源に由来し、ビスコース、多糖類(デンプンなど)、レーヨン及びリヨセルを含むがこれらに限定されない。鉱物(すなわち石油)由来の代表的な繊維は、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン又はポリエチレン)繊維及びポリエステル繊維を含むがこれらに限定されず、いくつかの実施形態において、ポリプロピレン及び/又は2成分繊維が好ましい場合があり、例えば、上述の重合体タイプのうち2つの成分の繊維であり得る。
【0027】
不織布材料は、直接押出成形プロセスによって形成でき、そのプロセス中に、繊維及びウェブは、ほぼ同時点で形成されるか、又は事前に形成された繊維によって形成されて、明らかに後の時点でウェブにすることができる。代表的な直接押出成形プロセスには、スパンボンド、メルトブローン、溶媒紡糸、電界紡糸、及びこれらの組合せが挙げられる。不織布材料はしばしば複数の層を含み、例えば、不織布積層であってよく、この層又はその一部は、本明細書に記述されるように、異なるプロセスで製造され得る。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「スパンボンド繊維」という用語は、溶融熱可塑性材料を、フィラメントとして、複数の微細な、通常は環状の紡糸口金の毛管から押し出すことによって形成された、小さな直径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集面に堆積するときに急冷され、通常は粘着性はない。スパンボンド繊維は、概ね連続している。本明細書のスパンボンド繊維は、例えば、直径10μmから最大40μmを有し得る。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「メルトブローン繊維」という用語は、溶融熱可塑性材料を溶融糸又はフィラメントとして、複数の微細な、通常は円形のダイキャピラリーを通して収束高速ガス(例えば、空気)流中に押し出すことにより形成される繊維を指し、この収束高速ガス流は、溶融熱可塑性材料のフィラメントを減衰させてそれらの直径を低減させる。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流によって担送され、収集面上に堆積し無作為に分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。本明細書のメルトブローン繊維は、例えば、直径0.2μm〜10μm未満を有し得る。
【0030】
「レイイング(laying)」プロセスの例には、湿式レイイング法及び乾式レイイング法が挙げられる。乾式レイイングのプロセス例には、典型的には層を形成する、エアレイイング、カーディング、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。上記のプロセスの組合せは、一般にハイブリッド又は複合材料と呼ばれる不織布をもたらす。
【0031】
本明細書に使用される第1不織布材料及び/又は第2不織布材料の合計坪量は、良好な領域被覆を確保し、十分な小孔を提供できるよう、十分に大きな値となるよう選ぶことができる。一方、この坪量は、不織布が柔軟なままであり、着用者の皮膚を刺激しないよう、大きすぎない値を選ぶことができる。いくつかの実施形態において、第1不織布材料の合計坪量は6〜20g/m
2、又は8〜16g/m
2、又は8〜14g/m
2の範囲であり得る。第2不織布材料も、例えばこの範囲内の坪量を有し得る。
【0032】
本明細書の第1不織布材料及び第2不織布材料は、互いに(選択的にパターン接着を介して)重ね合わせられた2層以上の不織布層からなる不織布積層材料を含む。この第1不織布材料及び/又は第2不織布材料は、例えば、スパンボンド不織布層とメルトブローン不織布層の積層であってよく、又は例えば、少なくとも1層のメルトブローン不織布層が少なくとも2層のスパンボンド不織布層の間に挟まれ、これによりメルトブローン層のいずれの面にも少なくとも1層があるような積層であり得る。第1不織布材料及び/又は第2不織布材料は、それぞれ独立に、いわゆるSMS材料、SMMS材料、SSMMS、SMMMS、SSMMMS又は同様物であり得る。
【0033】
第1不織布材料及び/又は第2不織布材料はパターン接着されていてよく、例えば、ストライプパターン、又は螺旋パターン、正方形パターン、又はダイヤモンド形パターンであり得る。特に第1不織布材料は、パターン接着された積層であり得る。これは更に、後続の接着剤接着を改善し得ると考えられる。
【0034】
第1不織布材料は、第2不織布材料よりも親水性が高い。これは、第2不織布材料の繊維に使用される重合体よりも親水性の高い重合体から製造される繊維で製造すること、及び/又は、親水性剤などの処理剤で処理された繊維で製造することができる。この親水性剤は、第1不織布材料の繊維に対し、より親水性の低い第2不織布材料の繊維よりも高い親水性を付与する。別の方法として、又はこれに加えて、第1不織布材料は、第1不織布材料が(不織布形成後に)親水性剤で処理されることによって、より高い親水性を有する。
【0035】
そのような親水性剤は、例えば界面活性剤を含むか界面活性剤であってよく、これが第1不織布材料に対し、より高い液体透過性を付与する。
【0036】
更に、親水性剤が、アミノポリエーテル修飾トリアルコキシシランを含むか又はアミノポリエーテル修飾トリアルコキシシランであると、有益であり得ることが見出されている。アミノポリエーテル修飾トリアルコキシシランは、不織布材料表面にコーティングを結合させる架橋シロキサン基を介した丈夫な層(例えば、コーティング)と、親水性を付与するアルコキシ基と、を提供すると考えられる。
【0037】
代表的なアミノポリエーテル修飾トリアルコキシシランには、平均的構造CH
2(O)CHCH
2(OCH
2CH
2)
6.9OCH
2CH(O)CH
2又はCH
2(O)CHCH
2(OCH
2CH
2)
11.7OCH
2CH(O)CH
2を有するエポキシエンドキャップポリエーテルを備えたポリエーテル部分が含まれるが、これに限定されない。他のアミノポリエーテル修飾トリアルコキシシラン及びその製造方法は、米国特許出願公開第2009/0117793号(Falkら)、及び米国特許出願公開第2009/0118421号(Falk)に開示されている親水性剤を含み得る。例えば、アミノポリエーテル修飾トリアルコキシシランには、下記の式のポリエーテル部分が含まれ得る:
R
26O(R
27)
γ(C
2H
4O)
δ(C
3H
6O)
68(C
4H
8)
ζR
28
式中、R
26及びR
28は独立に、3〜12個の炭素原子を有する1つ以上のオキシラン又はオキセタン部分を含む一価炭化水素ラジカル、R
27は−C
2H
4O−、−C
3H
6O−、及び−C
4H
8O−からなる二価ラジカル群から選択され、添字γは0又は1であり、添字δは0又は正の数で50〜約100の範囲の値を有し、添字εは0又は正の数で0〜約100の範囲の値を有し、添字ζは0又は正の数で0〜約100の範囲の値を有し、ただしこの分子が極性を維持するという制限がある。
【0038】
別の又は追加の親水性剤の非限定的例としては、非イオン性及び両性の界面活性剤が含まれ、例えば、Geminiジオールエトキシレート、親水性−親油性バランス(HLB)が3〜16の非イオン性界面活性剤、C
12〜C
18のアルキルエトキシレート(AE)(狭いピークのアルキルエトキシレート及びC
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレートを含む)(例えば、エトキシレート及びエトキシ/プロポキシ混合)、C
12〜C
18のベタイン及びスルホベタイン(スルタイン)、C
10〜C
18のアミンオキシド、及び同様物が挙げられる。一実施形態において、親水性剤は、Air Products and Chemical,Inc.から商品名「DYNOL 604」として販売されている非イオン性界面活性剤であるか又はこれを含む。別の一実施形態において、親水性剤は、Air Products and Chemical,Inc.から商品名「DYNOL 607」として販売されている非イオン性界面活性剤であるか又はこれを含む。別の一実施形態において、親水性剤は、Air Products and Chemical,Inc.から商品名「SURFYNOL(商標)」として販売されている非イオン性界面活性剤であるか又はこれを含み、例えばSurfynol 420、Surfynol 440、Surfynol 465、又はSurfynol 485が挙げられる。別の一実施形態において、湿潤剤は、Air Products and Chemical,Inc.から商品名「CARBOWET」として販売されている非イオン性界面活性剤であり、例えばCarbowet 106、又はCarbowet 109である。更に別の一実施形態において、親水性剤は、Shell Chemicalsから商品名「NEODOL」として販売されている非イオン性界面活性剤であるか又はこれを含み、例えばNeodol 91−6、Neodol 23−3、Neodol 1−9、Neodol 1−7、Neodol 91−8、又はNeodol 45−7が挙げられる。
【0039】
別の有用な親水性剤分類には、シリコーン界面活性剤及び/又はシリコーンが挙げられる。これは単独で使用することができ、及び/又は別の方法として、例えば、上記のアルキルエトキシレート界面活性剤など他の親水性剤と組み合わせて使用することができる。シリコーン界面活性剤の非限定的例としては、ジメチルポリシロキサン疎水部分と、1つ以上の親水性ポリアルキレン側鎖と、を有するポリアルキレンオキシドポリシロキサンがあり、これは次の一般式を有する:
R
1−(CH
3)
2SiO−[(CH
3)
2SiO]
a−[(CH
3)(R
1)SiO]
b−Si(CH
3)
2−R
1
式中、a+bは約1〜約50であり、各R
1は、メチル及び一般式:−(CH
2)
nO(C
2H
4O)
c(C
3H
6O)
dR
2を有するポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)共重合体基からなる群から選択される同じもの又は異なるものであり、nは3又は4であり、c合計(ポリアルキレンオキシ側鎖すべてについて)は1〜約100、あるいは約6〜約100の値を有し、d合計は0〜約14であり、あるいはdは0であり、c+d合計は約5〜約150、あるいは約9〜約100の値を有し、並びにR
2は水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、及びアセチル基からなる群から選択される同じ又は別のものであり、別の方法としては水素及びメチル基からなる群から選択される同じ又は別のものである。各ポリアルキレンオキシドポリシロキサンは、ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)共重合体基である、少なくとも1個のR
1を有する。シリコーン界面活性剤は、Dow Corningからシリコーングリコール共重合体(例えば、Q2−5211及びQ2−5212)として、Degussaから商品名「TEGOWET」として、並びにMomentive Performance Materialsから商品名「Silwet」として販売されている。
【0040】
親水性剤は、繊維又は第1不織布材料に対し、任意の望ましい量を適用することができ、例えば、第1不織布材料の重量に対して少なくとも0.05重量%、又は少なくとも0.1重量%であり、典型的には20重量%未満、例えば10重量%以下、又は5重量%以下であり得る。
【0041】
構造接着剤
本明細書のプロセスは、より親水性の高い第1不織布材料、又は第1不織布材料の一部分に対し、構造接着剤を適用する。
【0042】
この接着剤は任意の好適な接着剤であってよく、典型的にはホットメルト接着剤である。これは親水性接着剤であり得る。本明細書のいくつかの実施形態において、これは疎水性接着剤であり、少なくとも1つの疎水性成分、例えば、油性可塑剤を含む。
【0043】
本明細書のいくつかの実施形態において、この接着剤はホットメルト接着剤であり、これは例えば約120℃超、又は例えば約140℃超の融点又は軟化点を上回る温度での融解物として適用される。この接着剤は、適用後、本発明の目的のために第1不織布材料の繊維がより親水性であったとしても、この繊維の周囲をより効果的に包み込むことができる。第2の親水性の低い不織布に対する接着は、その後、下流の接着ステーションで行われ、より親水性の高い第1不織布材料に対して接着剤が完全に接着する時間をもたせる。構造接着剤は、ASTM E−28−99(グリセリン使用)によって測定可能な値として、例えば120℃未満、110℃未満、又は例えば100℃未満の軟化点を有し得る。
【0044】
構造接着剤は、例えば分子量が10,000以上の、例えば熱可塑性の、重合体構成成分を含む。また例えば、ポリスチレンブロック、ポリブタジエンブロック、ポリイソプレンブロック、及び/又はポリエチレン/ブタジエンブロックからなるブロック共重合体から選択される接着剤構成成分を含み得る。好ましいのは例えば、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体、又はポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体であり得る。
【0045】
その他の好適な構造接着剤には、メタロセンポリオレフィン系接着剤(mPO)が挙げられる。例えば、メタロセンポリエチレン重合体は、メタロセン触媒系(例えば、チーグラー・ナッタ触媒)を用いて、エチレンモノマーをα−オレフィン(例えば、ブテン、ヘキセン、オクテン)と共に重合することによって取得し得る。
【0046】
他の好適な構造接着剤には、アモルファスポリ−α−オレフィン重合体系接着剤(APAO)が挙げられる。アモルファスポリ−α−オレフィン重合体は、当業者には周知であり、プロピレンのホモ重合体か、又はプロピレンと1つ以上のα−オレフィンコモノマー(例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1及びオクテン−1)との共重合体であり得る。
【0047】
これらの重合体は、プロピレンのホモ重合体か、又はプロピレンと1つ以上のα−オレフィンコモノマー(例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1及びオクテン−1)との共重合体であり得る。
【0048】
接着剤は、任意の好適な粘着付与剤(例えば、無色の粘着付与剤)を含み得る。接着剤は、典型的に可塑剤を含み、例えば5000以下、又は例えば2000以下の分子量を有し得る。上述のように、これは油性可塑剤であってよく、例えば、パラフィン油又はその誘導体などの油又は油誘導体を含み得る。接着剤は更に、例えば酸化防止剤を含み得る。好適な接着剤は、例えば、HB Fullerから販売されている例えばHL1358LOである。
【0049】
本明細書のいくつかの実施形態において、本明細書のプロセスの接着部を形成する構造接着剤は、例えば、貯蔵弾性率(レオロジーを反映)G’が20℃で110kPa未満、又は例えば100kPa未満、又は90kPa未満であるが、40kPa超、50kPa超であり、及び/又は35℃で70kPa未満、又は50kPa未満、又は例えば40kPa未満であるが、例えば10kPa超、例えば15kPa超であり、及び/又は60℃で40kPa未満、又は30kPa未満、又は例えば20kPa未満であるが、例えば5kPa超、又は例えば8kPa超であり、及び/又は90℃で25kPa未満、又は15kPa未満であるが、3kPa超である。これは、EP−A−1447067に定められている方法で測定できる。
【0050】
第1不織布材料と第2不織布材料との間の接着部を製造するプロセス
本開示に従って、上述のように、例えばいわゆるホットメルト接着剤などの構造接着剤を使用することにより、接着部が形成される。本明細書のプロセスは、
a)第1不織布材料に当該第1不織布材料の第1部分を提供し、第1不織布材料又は当該第1不織布材料の第1部分を、構造接着剤を有する接着剤適用ステーションへと前進させる工程と、
b)第2不織布材料に当該第2不織布材料の第1部分を提供する工程と、
c)接着剤適用ステーションで、構造接着剤を、第1不織布材料又は当該第1不織布材料の第1部分に適用する工程と、
d)第2不織布材料又は当該第2不織布材料の第1部分と、接着剤を有する第1不織布材料又は当該第1不織布材料の第1部分と、を、接着ステーションへと前進させる工程と、
e)第1不織布材料又は当該第1不織布材料の第1部分を、構造接着剤を介して、第2不織布材料又は当該第2不織布材料の第1部分に接着する工程と、を備える。
【0051】
本明細書のいくつかの実施形態において、接着剤は不織布の第1部分に適用され、不織布の第1部分は、第2不織布材料又は当該第2不織布材料の第1部分に接着され、例えば、第1不織布材料の第1部分のみに接着される。よって、少なくとも第2不織布の第1部分は、接着剤を有さないことが理解されよう。
【0052】
第1不織布材料は、任意の形状(例えば、長方形)の独立の材料であってよく、又は機械長手方向(MD)に移動する複数の個別形状(例えば、長方形)のウェブであってもよい。不織布材料、又はそのような個々の形状それぞれは、横断方向前縁部と横断方向後縁部、及び/又は向かい合う長手方向(MD)側縁部を有し得る。次に、不織布シートの第1部分は、すべての縁部を含む、任意の縁部又は縁部の組み合わせのうちのいずれであってもよい。いくつかの実施形態において、第1不織布シートの第1部分は、少なくとも横断方向前縁部と後縁部との両方、又は横断方向前縁部と後縁部との両方のみであり、接着剤はこの縁部(例えば、この縁部のみ)に適用される。
【0053】
第2不織布材料は、任意の形状(例えば、長方形)の独立の材料であってよく、又は機械方向(MD)に移動する複数の個別形状(例えば、長方形)のウェブであってもよい。不織布材料、又はそのような個々の形状それぞれは、横断方向前縁部と横断方向後縁部、及び/又は向かい合う長手方向(MD)側縁部を有し得る。次に、不織布シートの第1部分は、すべての縁部を含む、任意の縁部又は縁部の組み合わせのうちのいずれであってもよい。いくつかの実施形態において、第2不織布シートの第1部分は、横断方向前縁部と後縁部との両方、又は横断方向前縁部と後縁部のみであり、これら縁部は、本明細書のプロセスによって、例えば第1部分(例えば、第1不織布材料の横断方向前縁部と後縁部)に接着される。
【0054】
別の方法として、又はこれに加えて、第1不織布の長手方向側縁部は、本明細書のプロセスにより、第2不織布の長手方向側縁部に接着され得る。
【0055】
そのような横断方向及び/又は長手方向縁部は、例えば少なくとも3mm幅、又は少なくとも5mm幅(平均幅)であってよく、例えば、不織布材料の横断方向又は長手方向それぞれの寸法全体にわたって沿っていてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、第1不織布材料の横断方向前縁部は、第2不織布材料の横断方向前縁部に接着され、第1不織布材料の横断方向後縁部は、第2不織布材料の横断方向後縁部に接着される。これに加えて、又は別の方法として、第1不織布材料及び第2不織布材料の長手方向縁部が接着される。いくつかの実施形態において、第1不織布材料及び第2不織布材料はそれぞれ、縁部に隣接する、又は例えば、少なくとも横断方向縁部によって囲まれ、及び/又は少なくとも横断方向縁部と一方又は両方の長手方向縁部とによって囲まれている、第2部分(例えば、中央部分)を有する。第1不織布の第2部分、及び/又は第2不織布の第2部分は、本明細書で後述されるように、超吸収性材料を保持し得る。
【0057】
第1不織布材料の第2部分は、例えば、構造接着剤を一切含まなくてもよい。別の方法としては、超吸収性材料を接着するために、そのような接着剤を含んでもよい。
【0058】
上述のように、第1材料及び第2材料は一体型であってよく、1つのポーション(第1不織布材料)は第2ポーション(第2不織布材料)よりも親水性が高くなるように処理され、及び/又は、第2ポーション(第2不織布材料)は第1ポーション(第1不織布材料)よりも親水性が低くなるよう処理される。この一体型材料は次に、C字型又はZ字型、典型的にはC字型に折り畳まれ、すなわちこれにより、第1不織布及び/又は第2不織布(すなわちポーション)の第2部分によって保持される超吸収性材料が間に挟まれる。そのような場合において、第1不織布材料(ポーション)の第1部分は、第1不織布材料の単一の長手方向縁部、及び/又は横断方向の両縁部であってよく、並びに第2不織布材料(ポーション)の第1部分は、単一の長手方向縁部、及び/又は横断方向の両縁部であってよく、次に、第1不織布材料と第2不織布材料(すなわち第1ポーションと第2ポーション)の縁部が、本明細書のプロセスによって接着され、これにより不織布の間に超吸収性材料が囲い込まれる。
【0059】
接着剤は、第1不織布又はその第1部分に均一に、あるいはパターンで適用することができる。接着剤は連続的に又は断続的に適用してもよい。接着剤が第1不織布の第1部分のみに適用された場合、その部分にわたって断続的に又は連続的に適用することができる。例えば、横断方向に断続的に接着剤を適用することができ、及び/又は横断方向の断続的パターンとして適用することができ、例えば、第1不織布の第1部分の上に長手方向に延びる複数のストライプ(横断方向に間隔を開けて)として適用することができる。
【0060】
例えば、接着剤は、第1不織布に、又は第1不織布の第1部分に、任意の幅のストライプパターンで適用することができ、例えば0.1mm〜1cmの幅、又は例えば0.1〜2mmの幅(ストライプの間の距離もそれぞれこれらの範囲内であり得る)であってよく、あるいは例えば、螺旋状又はオメガパターンであってもよい。
【0061】
いかなる場合でも、接着剤は、例えば5gsm〜75gsm、又は例えば10又は15gsm〜40又は30gsmの坪量値として適用することができる。
【0062】
接着剤は、例えば、非接触プロセス又は接触プロセスによって適用することができ、例えばスプレーノズル、スプレーガン、あるいはスロットコーティングを含むコーティング又はプリントプロセスによって適用することができる。接着剤は典型的に、第1不織布材料、又はその第1部分に、融解物として適用される。
【0063】
次に、第1不織布及び第2不織布、又は第1不織布及び第2不織布の第1部分は、典型的に接合点において合わせられる。これは接着ステーションの直前又は接着ステーションにおいてであり得るが、いかなる場合でも接着剤適用工程の後となる。いかなる場合でも、これらは合わせられ、接着されて、接着剤が、第1不織布又は当該第1不織布の第1部分と、第2不織布又は当該第2不織布の第1部分との間に挟まれる。
【0064】
接着工程は、接着ステーション内で行われる別個の工程であるため、典型的には、接着剤適用工程/ステーションの下流にある。いくつかの実施形態において、接着工程/接着ステーションは、接着剤適用工程/ステーションから少なくとも1メートル、又は少なくとも2メートルであり、及び/又は空き時間(接着剤適用から接着までの時間)は少なくとも0.2秒、又は例えば少なくとも0.3秒、又は例えば少なくとも0.5秒である。
【0065】
接着は、例えば、接着剤を間に挟んで、合わせた第1不織布及び第2不織布、又は第1不織布及び第2不織布の第1部分の上に圧力を印加することによって達成される。任意の好適な圧力接着装置を使用することができ、例えば、回転ロールが含まれる。これは、パターン接着部を適用するのに、パターン付きロールを使用してもよい。印加する圧力は、例えば100kPa(1bar)〜700kPa(7bar)、又は例えば400kPa(4bar)以下、又は例えば350kPa(3.5bar)以下、あるいはいくつかの実施形態において、250kPa(2.5bar)以下であり得る。接着の改善により、必要な接着圧力を低減することができ、又は接着剤の量を低減することができ、あるいはその両方が可能である。第1の親水性の高い不織布材料に好適な温度で構造接着剤を適用して、親水性不織布ウェブの繊維に対する接着を強化すると有利である場合がある。例えば、構造接着剤は、親水性の高い第1不織布材料又は当該第1不織布材料の第1部分に、例えば少なくともその接着剤の融点温度又は軟化温度で適用することができ、これによって接着剤は第1不織布に液体として適用される。この温度は例えば少なくとも100℃、又は少なくとも120℃、140℃、及び例えば220℃以下、又は200℃以下である。
【0066】
接着剤適用ステーションと接着ステーションとの間の距離及び/又は移動時間は、接着剤温度がその軟化又は融点温度より下に下がるか、及び/又は少なくとも20℃、又は例えば少なくとも30℃、又は例えば少なくとも40℃、又は例えば少なくとも50℃、又は例えば少なくとも60℃、又は例えば少なくとも70℃、又は例えば少なくとも80℃に低下するようにできる。
【0067】
吸収性コア
一態様において、第1不織布材料及び/又は第2不織布材料は上述のように、例えば、第1不織布材料の第2部分及び/又は第2不織布材料の第2部分上に、超吸収性材料を保持しており、本明細書における接着プロセスは、上述のように、第1不織布材料の第1部分と第2不織布材料の第1部分とを接合して、超吸収性材料をシール又は部分的にシールするように作用する。これは、本明細書に記述されるように、すべての周囲縁部に沿って、又は例えば横断方向前縁部及び/又は後縁部のみに沿って、完全なシールとなり得る。
【0068】
よって本明細書におけるプロセスは、吸収性物品の吸収性コアを製造するために使用することができる。吸収性コアは、長方形であってよく、又は別の方法として、コアは曲線の長手方向及び/又は横断方向縁部を有していてもよい。例えば、コアは楕円形又は砂時計形状であってもよい。
【0069】
本明細書に記述される吸収性コアの典型的な一実施形態において、吸収性コアは、その吸収性物品が着用されたときに、第1平面側が着用者側に向けられ、第2平面側が着用者の衣服側に向けられ、第1面は第1不織布材料を含み、第2面は第2不織布材料を含む。
【0070】
超吸収性材料(吸収性ゲル化材料とも呼ばれる)は典型的に、内部架橋し表面架橋した高分子電解質重合体の粒子(例えば、粒子状超吸収性重合体材料)であり、例えば、内部架橋し表面架橋したポリカルボキシレート/ポリカルボン酸重合体であり、例えば、ポリアクリレート/ポリアクリル酸重合体である。超吸収性粒子材料は、その性能/加工性を改善するために、当該技術分野において既知の任意のコーティングを有し得る。これは、任意の好適な粒径分布を有し得る。
【0071】
本明細書の超吸収性材料は典型的に、遠心分離保持能力標準試験WSP 241.2によって測定される値として、少なくとも10g/g、典型的には少なくとも20g/g、又は少なくとも35g/g、又は例えば少なくとも35g/gのCRC値を有する。
【0072】
吸収性コアは、超吸収性材料の他に、例えばパルプ繊維を含んでいてもよい。しかしながら、本明細書のいくつかの実施形態において、コアは、吸収性セルロース繊維又はパルプを実質的に含まない。コアは、別の方法として、又は追加として、接着性繊維(例えば、繊維性熱可塑性接着剤)を含んでいてよく、当該技術分野において既知であるように、これが超吸収性材料を不動化する役割を果たし得る。この追加の繊維形状の接着性材料は、例えば、不織布材料の上に超吸収性材料を蒸着した後に、この超吸収性材料の上に適用して、その場に不動化させる。これは、第1不織布材料及び/又は第2不織布材料にほとんど接触しないように実施することができる。
【0073】
典型的に、超吸収性材料及び繊維性接着剤が存在する場合は、第1不織布材料の第2部分の上、及び/又は第2不織布材料の第2部分の上に存在し、不織布材料の第1部分の上と第2不織布材料の第1部分の上には存在せず、これにより、第1不織布材料の第1部分と第2不織布材料の第1部分との間に形成される接着部は、超吸収性材料を含まず、繊維性接着剤も含まない。
【0074】
本明細書のいくつかの実施形態において、第1及び第2不織布材料の第2部分は、それぞれの不織布材料の表面積の例えば50%〜95%を占める中央部分であり得る。本明細書のいくつかの実施形態において、第2部分は接着剤を含まなくともよいが、ただし、超吸収性材料の上に繊維性接着剤が使用されている場合、そこに存在するわずかな量の繊維性接着剤は除く。
【0075】
繊維性接着剤、又は熱可塑性繊維性接着剤は、例えば11g/m
2〜0.5g/m
2の坪量、又は11g/m
2〜3g/m
2の坪量で適用でき、9g/m
2〜5g/m
2の坪量であり得る。接着性繊維は、例えば、平均太さが1μm〜100μm、又は25μm〜75μmを有し得る。好適な繊維性接着剤は、例えばEP 1447067に記述されている。繊維性であり得る典型的な熱可塑性接着剤は、試験方法ASTM 12−3236/88による149℃、スピンドル27.5、30rpmでのブルックフィールド粘度測定値が、2100cP〜2800cP、例えば2500cPであり得る。本明細書のいくつかの実施形態において、繊維性接着剤は例えば、貯蔵弾性率(レオロジーを反映)G’が20℃では300kPa未満、又は例えば200kPa未満であるが、60kPa超、又は80kPa超であり、60℃では200kPa未満、又は例えば150kPa未満であるが、例えば18kPa超、又は例えば24kPa超、又は例えば30kPa超である。これは、EP−A−1447067に定められている方法で測定できる。
【0076】
典型的には、比較的少量の繊維性接着剤を使用することができ、例えば、超吸収性材料の合計重量に対し、約40重量%未満、約20重量%未満、又は約10重量%未満であり得る。
【0077】
吸収性コアは、例えば上述のもののような吸収性物品の一部であり得る。本明細書の物品は、トップシートとバックシートとを有していてよく、例えばそのそれぞれが、前部と、後部と、それらの間に配置された股部と、を有する。本明細書に記述されている吸収性コアは、典型的には、トップシートとバックシートとの間に配置される。バックシートは、蒸気透過性であるが、液体不透過性であってよい。いくつかのトップシートは少なくとも部分的に液体透過性であり、少なくとも部分的に親水性である。トップシートは有孔のトップシートであり得る。トップシートは、スキンケア組成物、例えばローションを含むことができる。吸収性物品は、股部において1.0cm未満、0.7cm未満、0.5cm未満、又は更に0.3cm未満の平均キャリパー(厚さ)を有する薄さであり得る(この目的だけのために、股部は、平置きされて広げられたときの製品の中央領域として画定され、物品の長さの20%及び物品の幅の50%の寸法を有する)。物品は、比較的狭い股部幅を有していてよく、これにより着用者の快適さを高めることができる。いくつかの物品は、物品の前縁部及び後縁部から等距離に位置する横断線に沿って、又は最も狭い幅を有する位置にて測定される場合に、100mm未満、90mm未満、80mm未満、70mm未満、60mm未満、又は更に50mm未満の股部幅を達成し得る。本明細書の固定式おむつは、前側ウエストバンドと背側ウエストバンドを有し得、前側ウエストバンド及び背側ウエストバンドそれぞれが、第1の末端部分と、第2の末端部分と、これらの末端部分の間に位置する中央部分と、を有しており、各末端部分は、前側ウエストバンドを後側ウエストバンドに締着させるための締着装置を含んでいるか、若しくは末端部分が互いに連結されてよく、背側ウエストバンドの中央部分及び/又はバックシートの背側部及び/又はバックシートの股部がランディング部材を含んでおり、ランディング部材が、ループ、フック、スロット、スリット、ボタン、磁石から選択される第2の係合要素を含み得る。いくつかの実施形態は、フック、接着剤又は粘着性を有する第2の係合要素を含む。物品、又はおむつの上の係合要素に、確実にそれらがある特定の瞬間にだけ係合可能になるようにするための手段が設けられている場合があり、例えば、前述したように、係合要素を係合させようとするときに取り外され、係合がもはや必要ないときに再び閉じることのできる、取り外し可能なつまみによって係合要素を覆ってもよい。本明細書におけるいくつかのおむつは、当該技術分野において既知であるように、伸縮性を備えたレッグカフ及び/又はバリヤーカフ(典型的には伸縮性)を1セット以上有している。
【0078】
接着された不織布の懸下時間
この試験は、2つの不織布の間、特に、間に超吸収性材料を挟んでシールする2つの不織布の間の接着強度を測定するためのものであり、これによりこの接着強度は、不織布が、超吸収性材料の膨潤圧力と乳児によってかけられる圧力とに耐えられるかどうかを予測する手段となる。この方法は、一定して印加される力に対して周辺部シールがどのくらい長時間耐えられるかを測定することによって、接着部(シール)の強度を判定する。
【0079】
サンプルは、本明細書に記述される第1及び第2不織布材料から調製される。合計25gsmの接着剤を適用し、圧力接着を行うことによって、その横断方向前縁部に沿って互いに接着される(これは、本明細書で定義される第1部分となる)。サンプルは、本発明の範囲内で、より親水性の高い不織布材料(サンプルA)に接着剤を適用し、及び本発明の範囲外で、より親水性の低い不織布に接着剤を適用し、又はより親水性の高い不織布とより親水性の低い不織布の部分に接着剤の一部を適用し、下記の通り接着強度を比較した:
第1不織布材料:SSMMS不織布積層を、接着剤適用側を界面活性剤で処理した(10gsmの坪量。Avgol Mocksville(US)から入手可能)。
【0080】
第2不織布材料:SMS不織布、無処理
各不織布のサンプルを、横断方向寸法25.4mm(幅)、長手方向寸法70mm(長さ、MD)とし、画定された横断方向縁部は全幅(25.4mm)にわたり、幅5mm(MD方向)である。これは、例えばThwings−Albert Instrument Company(Philadelphia USA)製造のJDCプレシジョンサンプルカッタ(カタログ番号99、カット幅25.4mm、精度+/−0.1mm以上)などの25.4mm(1インチ)カッターで切断することができる。
【0081】
接着剤:HB Fullerから販売されているHL1358LO。
【0082】
この接着剤を、温度145℃で、断続的な平行ストライプ(MD方向)パターンに適用する。接着剤は縁部から15mm適用し、よって縁部に隣接して、2つの不織布が接着されていない無接着領域が存在する。各接着剤ストライプは長さ35mm(MD方向)、幅1mmで、ストライプ間の感覚は1mmである。
【0083】
220kPa(2.2bar)の圧力を下記のサンプルA及びBに印加し、330kPa(3.3bar)を下記のサンプルCに印加する。いずれの場合も接着剤適用から約3秒後、約20℃の環境で印加し、接着剤適用と接着との間に接着剤を冷ます時間を置く。
【0084】
サンプルA:上記の第1不織布及び第2不織布と、上記の接着剤25gsmを、より親水性の高い第1不織布材料の横断方向縁部表面に、平行なストライプパターンで適用し(長手方向のストライプ)、接着剤適用から3秒後に、220kPa(2.2bar)で、横断方向縁部の上を1秒間圧力接着する。
【0085】
サンプルB:上記の第1不織布及び第2不織布と、上記の接着剤合計25gsmのうち、60%は、より親水性の高い第1不織布材料の横断方向縁部表面に、平行なストライプパターンで適用し(長手方向のストライプ)、15gsmを得る。また40%は、親水性の低い第2不織布材料の横断方向縁部表面に、平行なストライプパターンで適用し(長手方向のストライプ)、10gsmを得る。これらを接着剤適用から3秒後に、220kPa(2.2bar)で、横断方向縁部の上を1秒間圧力接着する。
【0086】
サンプルC:上記の第1不織布及び第2不織布と、上記の接着剤25gsmを、より親水性の低い第2不織布材料の横断方向縁部表面に、平行なストライプパターンで適用し(長手方向のストライプ)、接着剤適用から3秒後に、330kPa(3.3bar)で、横断方向縁部の上を1秒間圧力接着する。
【0087】
タイマー付きのRT−10室温(23℃)剪断力テスター(ChemInstruments(510 Commercial Drive,Fairfield,Ohio 45014−9797,USA)から販売)と、中型バインダークリップ、25mm容量、#72050(Yihai Productsから販売、#Y10003)を使用する。
【0088】
上にフック付きの(クリップに止めるため)200g(+/−1g)のTW200剪断力テスターおもりを使用する(ChemInstruments(510 Commercial Drive,Fairfield,Ohio 45014−9797,USA)から販売)。
【0089】
テスター及びクリップとおもりを、振動のリスクがなく、温度が23℃(湿度50%)で安定している場所にセットアップし、使用前に当該テスターとサンプルをこの環境の温度に少なくとも2時間置く。
【0090】
第2不織布の接着されていない縁部(すなわち、縁部に沿った15mmの無接着剤領域)を、装置上部のクランプに取り付け、第1不織布の第1部分に接着されていない第2不織布の第2部分に、200gのおもりを取り付ける。次に、200gのおもりを下ろして、おもりが自由にぶら下がるようにする。おもりを離したら、タイマーを開始し、おもりの懸下時間を測定する。サンプルのおもりが落下するとタイマーは自動的に停止する。これが、その試験温度でのサンプルの懸下時間である。すべての試験を23℃で行う。温度が変動した場合は、下記の式によりT=23℃に補正する。
【0091】
これをサンプルタイプ(A、B及びC)それぞれについて9回繰り返し、サンプルAについて10件の結果、サンプルBについて10件の結果、サンプルCについて10件の結果を得て、サンプルごとの平均懸下時間(分)及び標準偏差と、その自然対数(ln)、その平均と偏差を取得し、これらが判定され、報告される。ln(23℃での懸下時間)及び標準偏差は下記のように計算できる:
【数1】
【表1】
【0092】
同じ試験をサンプルA、B及びCの同じタイプのサンプルで繰り返すが(各10回)、ただし、すべてのサンプルは50℃(湿度50%)で2週間保管した後、23℃に冷ましてから、試験を行った:
【表2】
【0093】
よって、より親水性の不織布とより疎水性の不織布とを接着する場合、より親水性の不織布に接着剤を適用することで、より強い接着部が達成され、更に、より低い接着圧力を使用して、改善された接着部を得ることができる。更に、この改善された接着は、サンプルを高温で保管した後も維持される。よって、より疎水性の不織布に接着剤をより多量に適用して達成され得る接着に比べて、本発明の製品及びプロセスにおいてより少ない量の接着剤を使用することで、同等又はより良い不織布接着が得られることが、付加的利点である。
【0094】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0095】
相互参照されるか又は関連するすべての特許又は特許出願を含む、本願に引用されるすべての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しないかぎりにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求されるすべての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のすべての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0096】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。