(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド開口が、中心軸に沿って延在し、前記ボアが、前記ガイド開口の前記中心軸と実質的に平行に延在するそれぞれの中心軸に沿って延在する、請求項1に記載のリーマーガイドシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、特定の用語は、単に便宜上使用され、限定ではない。単語「右」、「左」、「下側」及び「上側」は、言及される図面内での向きを示す。単語「内方」又は「遠位方向」、及び「外方」又は「近位方向」は、それぞれ、系及びその関連部分の幾何学的中心に対する方向、及びそれらから離れた方向を指す。単語「前方(anterior)」、「後方(posterior)」、「上位」、「下位」、及びこれと関連する単語/又は句は、言及される人体内の好適な位置及び向きを示し、限定することが目的ではない。用語は、上に列挙した単語、その派生語、及び類似の趣旨の単語を含む。
【0010】
図1Aに示されたように、リーマーガイドシステム10は、リーマー18を2つ又はそれ以上骨の方にガイドし、これにより2つ又はそれ以上の皿穴(
図4Bに示された皿穴116など)を形成するために使用されることがあるリーマーガイド14を含む。リーマーガイド14は、リーマー18を骨に押し付けて皿穴を形成するときに骨が実質的に離れるのを防ぐために、外科的処置の完了前に除去される複数の一時的固定要素22によって2つ又はそれ以上の骨に一時的に結合されるように構成される。
図1Aに示されたように、リーマー18は、縦方向Lに細長く、リーマーガイド14内を縦方向Lに進められるように構成される。リーマー18によって皿穴が形成された後で、融着板(
図5A〜
図5Dに示された融着板26など)が、皿穴116に差し込まれ、次に骨に取り付けられ、これにより骨が融着される。
図1Bに示されたように、リーマーガイドシステム10は、手首46の三日月骨30、有頭骨34、有鉤骨38及び三角骨42を融着させるために使用されてもよい。そのような処置では、リーマーガイド14は、皿穴が、三日月骨30、有頭骨34、有鉤骨38及び三角骨42のそれぞれに部分的に形成されるか、骨30、34、38及び42のうちの任意の2つに部分的に形成されるように配置されてもよい。リーマーガイドシステム10が、手首46の骨30、34、38及び42内に皿穴を形成するようなサイズが決められて示されているが、リーマーガイドシステム10が、人体内の任意の2つ又はそれ以上の骨に皿穴を形成するようにサイズが決められてもよいことを理解されたい。
【0011】
図2A〜
図2Cに示されたように、リーマーガイド14は、ガイドベース50と、ガイドベース50から延在するハンドル54と、を有する。ハンドル54は、穴開けする骨にガイドベース50を押し当てるためにユーザによって握られてもよい。ハンドル54とガイドベース50の構成により、リーマーは、ユーザから邪魔されることなく骨に穴開けすることができる。
【0012】
図2Aに示されたように、ガイドベース50は、ベース本体56と、ベース本体56内に延在するガイド開口58と、を有する。図示されたように、ベース本体56は、リーマーガイド14が適切に位置決めされたときに穴開けされる骨に当たるように構成されている下側骨接触面62を有する実質的リング形部分60を画定する。しかしながら、ガイドベース50が、リング形部分60を画定するガイド本体56に限定されず、またガイドベース50が、ブロック形部分を画定する本体56などの代替形状の本体56を含んでもよいことを理解されたい。
【0013】
図2Aと
図2Bに示されたように、ガイド開口58は、中心軸を有し、ガイド開口58は、リーマー18によって穴開けされる骨まで縦方向Lに沿ったガイド経路を提供するようにベース本体56内に延在する。ガイド開口58は、円筒状であり、約15mm又は約17mmの直径又は代替寸法Dを有してもよい。しかしながら、ガイド開口58が、行なわれる処置及び穴開けされる骨により、任意の所望の寸法Dも有してもよいことを理解されたい。
【0014】
図2Bに最もよく示されているように、ガイドベース本体56は、また、リング形部分60から半径方向に延在する4個の放射状拡張部70を画定する。図示されたように、拡張部は、リング形部分60のまわりで互いから等距離に離間される。したがって、各拡張部70は、各拡張部70がリング形部分60のまわりの別の拡張部70と反対になるようにリング形部分60から突出してもよい。この構成により、下側骨接触面62が骨に当たるとき、穴開けされる4個の骨のそれぞれの骨の上に各拡張部70が位置決めされてもよい。
図2Bに示されたように、各拡張部70は、ベース本体56内に延在する2個のボア74を画定する。各拡張部70は、2個のボア74を有し、これにより、リーマーガイド14が適切に位置決めされたときに、ボア74の少なくとも1個(但し、必ずしも両方ではない)が、穴開けするべき骨のうちの1個の骨の中を通る。ボア74は、等距離で離間されてもよく、拡張部70の各ボア74は、それぞれの一時的固定要素22を収容するように構成され、その結果、固定要素22は、ボア74内を穴開けされるべき骨にまで通ることができる。固定要素22はそれぞれ、ボア74内を通りボアに一時的に結合することができるキルシュナー鋼線(Kワイヤ)、ピン、又は他の装置でよい。したがって、ボア74は、Kワイヤの直径と実質的に等しい直径を有するKワイヤ孔を画定してもよい。図示されたように、各ボアは、ガイド開口の直径より小さい直径又は代替寸法を有し、各ボア74は、ガイド開口の中心軸と実質的に平行な中心軸を有する。しかしながら、ボア74の中心軸が、ガイド開口58の中心軸に対して斜めに延在してもよいことを理解されたい。
【0015】
使用する際、ガイドベース50は、それぞれの拡張部70のボア74が、穴開けされる骨のうちの1個の上に位置決めされるように、骨の上に位置決めされなければならない。一時的固定要素22が、ボア74を介してそれぞれの骨に結合されたとき、骨は、リーマー18が骨に押し当てられたときに適所に保持され、これにより、穴開けする際の骨の実質的な分離が防止される。
【0016】
図2Cに示されたように、ハンドル54は、ガイドベース50から所望の角度で延在する傾斜部分80と、傾斜部分80の近位端から外方に延在するハンドル部分84とを有する。
図2Cに示されたように、傾斜部分80は、ガイドベース50から外方に延在し、ハンドル部分84は、傾斜部分80から延在しており、その結果、ユーザがリーマーガイド14を保持し位置決めするときにガイドベース50を邪魔しない。
【0017】
図3Aと
図3Bに示されたように、リーマー18は、リーマーヘッド90と、リーマーヘッド90の近位端から近位方向に延在するシャフト94とを有する。
図3Bに示されたように、リーマー18は、更に、リーマーヘッド90とシャフト94を完全に貫通するボア98を有する。後でより詳細に述べるように、特定の実施形態において、ボア98は、穴開けされる標的位置から延在する一時的固定要素を収容するように構成される。したがって、ボア98は、一時的固定要素の直径と実質的に等しい直径を有してもよい。
【0018】
図3Aに示されたように、リーマーヘッド90は、実質的に円筒形であり、リーマーガイド14のガイド開口58の直径Dと実質的に等しい外径又は代替寸法D
Rを有する。図示されたように、リーマーヘッド90は、半径方向に延在する複数の刃100を有する。各刃100は、平坦ガイド部分104と、平坦ガイド部分104の遠位端からボア98に向けて半径方向内方に延在する傾斜切削部分108とを有する。図示されたように、傾斜切削部分108はそれぞれ、ボア98で終端する。刃100と、特に傾斜切削部分108は、リーマー18が骨内に進みこれにより骨に皿穴が形成されるときに、骨をミリングするか他の方法で穴開けするように構成される。
【0019】
図3Aに最もよく示されたように、各刃100は、更に、平坦ガイド部分104の近位部分に複数の刻印106を画定する。刻印106は、リーマー18が骨内にどれだけ深く穴開けしたかをオペレータに示す。各刻印106は、必要に応じて、隣接刻印106から約2mm又は他の距離だけ離間されてもよい。刻印106は、シャフト94の近位端から特定の距離にあるように位置決めされてもよい。これにより、オペレータは、リーマー18がリーマーガイド14のガイド開口58内で進められたときにリーマー18が移動した距離を知る。
【0020】
図3Aに示されたように、シャフト94は、円筒状であり、リーマーヘッド90から近位方向に延在する。図示されたように、シャフト94は、駆動部又は最終的に駆動部に繋がる他の拡張部によって収容されるように構成された結合部109を有する。図示されたように、結合部109は、駆動部又は拡張部の突起によって係合され、これによりリーマー18が駆動部にロックされるように構成された凹部又は溝112を画定する。駆動部は、手動駆動部、バッテリ又は代替電源によって電力供給された駆動部でよい。
【0021】
図4Aと
図4Bに示されたように、リーマーガイド14は、一時的固定要素22によって少なくとも2個の骨に対して位置決めされ一時的に結合されてもよい。
図4Bに示されたように、リーマー18は、リーマーガイド14のガイド開口58内で進められ、これにより骨内の皿穴116が形成されてもよい。図示されたように、リーマー18は、縦方向Lに沿いかつ骨の表面118に実質的に垂直な軌跡で、骨の上面118に穴ぐりするように構成される。形成される皿穴116は、融着板26を収容して融着板26が骨の上面118より低くなるように構成される。
【0022】
図5A〜
図5Dに示されたように、融着板26は、実質的に円形でボウル形の板本体120を含む。板本体120は、リーマーヘッド90の直径D
Rと実質的に等しい直径又は代替寸法D
Pを有する。板26は、チタンなどの生体適合材料から作製されてもよい。
図5Cに示されたように、板本体120は、実質的に平坦な部分128内で終端する傾斜部分124を有する傾斜下側面を画定する。傾斜下面は、リーマーヘッド90の断面形状と実質的に同一である。したがって、傾斜部分124は、リーマー18によって形成された皿穴116内に板26が平らに収まることができるように斜めに延在する。
図5Aと
図5Bに示されたように、板26は、更に、板本体120の傾斜部分124内を通る複数の固定要素収容ボア132を有する。各ボア132は、固定要素140(
図6Dに示されたように)によって画定された雄ねじと係合するように構成される内部スレッド136を画定する。
【0023】
図5Dに最も示されたように、ボア132は、円錐形で、固定要素140のヘッド144を収容するように構成される。円錐形は、固定要素140が、ミリングした骨に板26を取り付けた後で、固定要素140がボア132から戻るのを防ぐことができる。示された実施形態では、板26は、6個のボア132を有するが、板26のサイズによってこれより多いか又は少ないボア132が板本体120内に延在してもよいことを理解されたい。更に、板26は、円形で実質的にボウル形であるように示されているが、必要に応じて、板26が、代替設計を有してもよいことを理解されたい。
【0024】
図5Bに示されたように、融着板26は、板本体120の中心を通る中央開口150を有してもよい。中央開口150は、治癒期に骨融着過程の検査を必要とするか望む人(即ち、医師)を支援してもよい。
【0025】
操作において、また
図6A〜
図6Dを参照すると、リーマーガイドシステム10を使用して、手首46の、三日月骨30、有頭骨34、有鉤骨38及び三角骨42に皿穴116を形成してもよい。そのような操作では、リーマーガイド14は、ガイドベース50の骨接触面62が、4個の手根骨30、34、38及び42に当たり、各拡張部70のボア74のうちの少なくとも1個が、4個の骨30、34、38及び42のそれぞれの上に位置決めされるように位置決めされてもよい。次に、一時的固定要素22が、各ボア74に挿入され、4個の骨のそれぞれに結合されてもよい。この時点で、各骨は、リーマーガイド14に有効に結合される。
【0026】
図6Bに示されたように、次に、リーマー18が、縦方向Lに沿ってガイド開口58を介して4個の骨30、34、38及び42内に進められ、これにより皿穴116が形成されてもよい。図示されたように、ガイド開口58は、穴開けされる4個の骨の上側面に対してリーマー18が実質的に垂直になるようにリーマー18をガイドする。リーマーが、骨30、34、38及び42に押し込まれるとき、一時的固定要素22は、骨が実質的に離れるか、別の方法で互いに遠ざかるのを防ぐ。したがって、一時的固定要素22が取り外されたとき、皿穴116の直径は、実質的に変わらないままである。
【0027】
図6Cに示されたように、皿穴116が形成された後で、融着板26は、リーマーガイド14のガイド開口58を介して、皿穴116内に挿入されてもよい。図示されたように、融着板26は、融着板26が少なくとも骨30、34、38、及び42の上側面118(即ち、関節運動中に骨の上にある組織)と平らになるように皿穴116に収まる。板26が、骨の上側面118より上に突出しないので、板26は、骨30、34、38及び42の上にある組織にぶつからず、又はその組織を別の方法で刺激しない。次に、
図6Dに示されたように、固定要素140は、板26のそれぞれのボア132を介して4個の骨30、34、38及び42の中まで挿入されてもよく、これにより板26が骨に固定され骨が融着される。
【0028】
別の実施形態では、
図7を参照すると、リーマーガイドシステム210は、リーマー18によって穴開けされる2つ又はそれ以上の骨の近くの標的位置218(
図1Bを参照)を探すように構成された位置付け補助機構214を有してもよい。この点に関して、標的位置218は、穴開けされるべき骨のうちの1個の骨上の位置でもよく、あるいは穴開けされるべき骨の間の位置でもよい。
図7に示されたように、位置付け補助機構214は、穴開けされるべき骨の上に位置付け補助機構214を適切に位置決めするハンドルとして一時的に使用されるドリルガイドシステム221の第1のドリルガイド220に、一時的に結合されてもよい。位置付け補助機構214が、適切に位置決めされた後で、固定要素22に関して前述したように実質的に構成された一時的固定要素222が、ドリルガイド220及び位置付け補助機構214を介して標的位置218の方に挿入されるか又は別の方法で通されてもよい。固定要素222は、リーマー18を、穴開けされるべき骨までガイド経路に沿ってガイドするように構成された位置決め要素を画定するために、標的位置218に一時的に結合されてもよい。
【0029】
図8A〜
図8Cに示されたように、位置付け補助機構214は、補助ベース230と、補助ベース230の上側面からゼロでない角度(例えば、実質的に垂直)で近位方向に延在するハンドル取付け部材234と、を有する。示された実施形態では、部材234は管状であるが、部材234が、必要に応じて、他の形状を有してもよいことを理解されたい。図示されたように、位置付け補助機構214は、補助ベース230と部材234との両方の中に長手方向に延在する位置決めボア238も有する。位置決めボア238は、一時的固定要素222を収容するように少なくとも部分的にサイズが決められ構成され、その結果、一時的固定要素222が位置決めボア238を通って標的位置218内まで延在する。
【0030】
図8Aと
図8Bに示されたように、補助ベース230は、必要に応じて下層骨と向かい合い下層骨と接触するように構成された底面246を画定するベース本体242を有する。骨接触面246は、位置付け補助機構214が標的位置218の上に適切に位置決めされたときに、リーマー18によって穴開けされるべき骨に当たるように構成される。
図8Bと
図8Cに示されたように、ベース本体242は、円筒状であり、ベース本体242の側面のまわりに連続的に延在する凹部250を画定する。
図8Cに示されたように、補助ベース230は、更に、凹部250内のベース本体242のまわりに実質的に延在する金属リング254を有する。補助ベース230は、生体適合材料で作製され、多くの場合、X線透過性である。金属リング254は、X線不透過性であり、X線装置を用いて位置付け補助機構214を位置決めすることを可能にする。したがって、ユーザは、位置付け補助機構214が標的位置218の上に適切に位置決めされることを確実にするために、X線装置上の位置付け補助機構214に従うことができる。このように、補助ベース230は、X線不透過性であると言うことができる。しかしながら、位置付け補助機構214がX線下で位置決めすることができるように、ベース本体242自体がX線不透過性でよいことを理解されたい。
【0031】
図8Aと
図8Cに示されたように、補助ベース230は、更に、補助体242内を延在する4つの位置付け開口262を含む。各位置付け開口262は、リーマー18によって穴開けされるそれぞれの骨の上に各開口262が位置決めされるように、本体242内を延在する。位置付け補助機構214が、各開口262が穴開けされるべきそれぞれの骨の上になるように標的位置218の上に位置決めされた後で、(必要に応じて)開口262はそれぞれが、骨のそれぞれを再位置決めするように構成された再位置決め装置(ピン又はKワイヤなどの)を収容する。即ち、穴開けされるべき骨のうちの1個が、正確に位置決めされない場合は、再位置決め装置が、再位置決めを必要としている骨に重なる位置付け補助機構214の開口262内に進められ、これにより骨が係合され再位置決めされる。示された実施形態では、開口262は、補助体242内を斜めに延在するボアである。しかしながら、開口262が、ボア以外の構成を含むことができることを理解されたい。例えば、開口262は、
図11A〜
図11Cに関して述べた実施形態に示されたようなスロットを画定する。
【0032】
図8Bに示されたように、補助ベース230は、リーマーガイド14によって画定されたガイド開口58の直径Dと実質的に等しい直径又は代替寸法D
Pを有する。したがって、位置付け補助機構214が、リーマーガイド14と共に使用される実施形態では、位置付け補助機構214の補助ベース230は、リーマーガイド14のガイド開口58内に嵌ってもよい。しかしながら、補助ベース230は、円筒形であるように示されているが、補助ベース230は、必要に応じて他の形状を有してもよいことを理解されたい。例えば、補助ベース230は、ブロックを画定する。
【0033】
図8Cに示されたように、位置決めボア238は、補助ベース230と部材234との両方を長手方向に貫通する。図示されたように、位置決めボア238は、部材234内に少なくとも部分的に延在する近位部分280と、補助ベース230内に少なくとも部分的に延在する遠位部分284とを有する。位置決めボア238の近位部分280は、ドリルガイドシステム221の第1のドリルガイド220の一部分を収容するように構成された直径又は代替寸法D
L1を有し、位置決めボア238の遠位部分284は、位置決め要素222を収容するように構成された直径又は代替寸法D
L2を有する。例えば、位置決め要素は、Kワイヤでよく、位置決めボア238は、Kワイヤの直径と実質的に等しい直径を有するKワイヤ孔を画定してもよい。
図8Cに示されたように、位置決めボア238の近位部分280は、近位部分280の遠位端に近くに首部290を画定する。首部290は、第1のドリルガイド220を位置付け補助機構214に一時的に結合するように構成される。
【0034】
図9A〜
図9Cに示されたように、ドリルガイドシステム221は、ブリッジ304によって結合された第1のドリルガイド220と第2のドリルガイド300とを有する。第1のドリルガイド220は、第1のドリルビットを収容して基礎構造に第1のタイプの穴を開けるように構成され、第2のドリルガイド300は、第2のドリルビットを収容して基礎構造に第2のタイプの穴を開けるように構成される。第1のドリルガイド220は、位置付け補助機構214に結合するように構成され、その結果、ドリルガイドシステム221は、標的位置218の上に位置付け補助機構214を位置決めするハンドルとして使用することができる。
【0035】
図9Cに最もよく示されたように、第1のドリルガイド220は、シャフト308と、シャフト308の近位端から延在するヘッド312と、シャフト308とヘッド312の両方の中に延在する位置決めボア316とを有する。シャフト308の遠位端は、位置付け補助機構の位置決めボア222の近位部分280によって画定された首部290と係合し、これにより第1のドリルガイド220を位置付け補助機構214に一時的に結合するように構成された継手320を有する。
図7に戻って参照すると、第1のドリルガイド220が、位置付け補助機構214に結合されたとき、第1のドリルガイド220の位置決めボア316は、位置付け補助機構214の位置決めボア238の遠位部分284と位置が合うように構成される。即ち、第1のドリルガイド220のシャフト308が、位置決めボア238の近位部分280内に配置されたとき、第1のドリルガイド220の位置決めボア316は、位置付け補助機構の位置決めボア238の遠位部分284と位置が合う。位置が合わされた位置決めボア238及び316は、位置決め要素222を標的位置218までガイドするガイド経路324を提供する。
【0036】
動作において、
図10A〜
図10Hを参照すると、リーマーガイドシステム210を使用して、手首46の、三日月骨30、有頭骨34、有鉤骨38及び三角骨42に皿穴116を形成することができる。そのような動作において、位置付け補助機構214は、最初に、標的位置218の上に位置決めするためにドリルガイドシステム221の第1のドリルガイド220に結合されてもよい。補助ベース230の金属リング254が、X線不透過性なので、標的位置218の適切な位置は、X線装置の支援により決定されてもよい。標的位置218が決定された後で、一時的固定要素222が、位置付け補助機構214の位置決めボア238及び316並びに第1のドリル220それぞれによって画定されたガイド経路324に通されてもよい。一時的固定要素222は、標的位置218まで貫通して延在し、ねじ又は他の手段によって標的位置218に結合される。
【0037】
一時的固定要素222が、標的位置218に結合された後で、位置付け補助機構214とドリルガイドシステム221が取り外されてもよく、
図10Cに示されたように一時的固定要素222が後に残る。次に、
図10Dに示されたように、リーマー18は、骨に穴開けして皿穴116を形成するために、一時的固定要素222に沿って標的位置218の方にガイドされてもよい。詳細には、一時的固定要素222は、リーマー18のボア98内に通され、リーマーは、一時的固定要素222に沿って縦方向Lに標的位置218までガイドされる。
図10Eに示されたように、一時的固定要素222は、穴開けされている4個の骨の上面にリーマー18が実質的に垂直になるようにリーマー18をガイドする。更に、リーマー18は、骨を穴開けするように構成され、一時的要素222は、そのボア98内に延在し、これにより、皿穴116が適切に位置決めされる。
【0038】
図10Fに示されたように、皿穴116が形成された後で、融着板26が、皿穴116の中に挿入されてもよい。図示されたように、融着板26は、融着板26が、少なくとも骨30、34、38及び42の上面118と平らになるように皿穴116内にある。板26が、骨の上面118より突出せず、板26は、骨30、34、38及び42の上にある組織とぶつからず、又は別の方法で組織を刺激しない。
【0039】
図10Gに示されたように、第1のドリルガイド220又は少なくとも第1のドリルガイド220のシャフト308は、ねじが挿入されるべき融着板26の各ボア132に差し込まれる。次に、ドリルを第1のドリルガイド220の位置決めボア316を介して骨内に進めて、固定要素140を収容するように構成された事前穿孔を形成することができる。
図10Hに示されたように、事前穿孔が骨に形成された後で、固定要素140は、板26のそれぞれのボア132に通され4個の骨30、34、38及び42のそれぞれに開けられた事前穿孔に挿入され、これにより、板26が骨に取り付けられて骨が融着される。
【0040】
別の実施形態では、
図11A〜
図11Cを参照すると、ガイドシステム410は、ハンドル418を有するように構成された位置付け補助機構414を有してもよい。図示されたように、位置付け補助機構414は、補助ベース430、補助ベース430から上方に延在するハンドル取付け部材434、及び部材434と補助ベース430を貫通して延在する位置決めボア438を有する。
図11Cに示されたように、位置決めボア438は、全体にわたって実質的に一定の直径又は代替寸法を有し、また位置決め要素222を収容するように構成される。
【0041】
図11Aと11Bに示されたように、補助ベース430は、下側又は骨接触面446を画定する本体442を有する。骨接触面446は、位置付け補助機構414が、標的位置218の上に適切に位置決めされたときに、リーマー18によって穴開けされる骨に当たるように構成される。
図11Aと
図11Bに示されたように、補助ベース430は、更に、補助体442内に延在する1対の位置付け開口462を有する。各位置付け開口462は、各開口462をリーマー18によって穴開けされる骨の上にそれぞれ位置決めできるように、本体442内に延在する。位置付け補助機構414が、標的位置218の上に、各開口462が穴開けされるべきそれぞれの骨の上になるように位置決めされた後で、開口462は、(必要に応じて)骨のそれぞれを再位置決めするように構成された再位置決め装置(ピンやKワイヤなど)をそれぞれ収容する。即ち、穴開けされる骨のうちの1つが、正確に位置決めされない場合は、再位置決め装置が、再位置決めを必要とする骨の上に重なる位置付け補助機構214の開口462内に進み、これにより骨と係合し再位置決めされる。示された実施形態では、開口462は、補助体442内で補助体442の側面にまで延在する放射状スロット466を画定する。
【0042】
図11A〜
図11Cに示されたように、部材434は、その近位端にハンドル継手470を有する。
図11Cに示されたように、継手470は、ハンドル418によって画定された継手478を収容するように構成された凹部474を画定する。
図11Aと
図11Cに示されたように、ハンドル継手478が、位置付け補助機構414によって画定された凹部474と係合され、ピン482は、ハンドル418を位置付け補助機構414にロックしてもよい。
【0043】
図11Bに示されたように、ハンドル418は、部材434から所望の角度で延在する傾斜部分484と、傾斜部分484の近位端から突出するハンドル部分488と、を有する。
図11Bに示されたように、傾斜部分484は、部材434から突出し、ハンドル部分488は、傾斜部分484から延在し、その結果、ユーザが位置付け補助機構414を保持し位置決めするときに補助ベース430と部材434が邪魔にならない。
【0044】
リーマーガイド14と位置付け補助機構214又は414が、別個の操作で利用されるように説明したが、
図12に示されたように、リーマーガイド14と位置付け補助機構214又は414を一緒に使用して、標的位置218を探して皿穴116を形成できることを理解されたい。図示されたように、例えば、位置付け補助機構214を使用して、X線装置の支援により標的位置218を位置決めしてもよい。位置決め要素222が、位置付け補助機構214に挿入され、標的位置218に結合された後、位置付け補助機構214は、取り外されてもよい。次に、リーマーガイド14は、位置決め要素222がリーマーガイド14のガイド開口58内に延在するように位置決めされてもよく、位置付け補助機構214は、位置付け補助機構214の補助ベース230が、リーマーガイド14のガイド開口58内の中心になるように再挿入される。この時点で、リーマーガイド14は、適切に位置決めされ、一時的固定要素は、リーマーガイド14を4個の骨に一時的に結合するために挿入されてもよい。骨に結合された後で、位置付け補助機構214は、取り外されてもよく、リーマー18は、位置決め要素222内を下方に進められ、これにより骨が穴開けされて皿穴116が形成される。
【0045】
位置付け補助機構214、414、リーマーガイド14及びリーマー18がそれぞれ、単独又は他の装置のいずれかと組み合わせでキットとして提供されてもよいことを理解されたい。更に、キットは、位置決め要素222、一時的固定要素、及び/又はドリルガイドシステム221を備えてもよい。
【0046】
当業者は、広い発明概念から逸脱することなく前述の実施形態に変更を行うことができることを理解されたい。例えば、一時的固定要素は、別個でもよく単一ユニットの一部でもよい。更に、本明細書に記載した実施形態のうちのどれかに関して以上説明したような構造、特徴及び方法は、特に断らない限り、本明細書に記載にした他の実施形態のいずれかに組み込むことができることを理解されたい。したがって、本発明が、開示された特定の実施形態に限定されず、本開示の趣旨及び範囲内の修正を含むものであることを理解されたい。
【0047】
〔実施の態様〕
(1) リーマーガイドシステムであって、
少なくとも2個の骨の近くに位置決めされるように構成されたベース本体を有するガイドベースを有するリーマーガイドであって、前記ガイドベースが、
1)前記ベース本体内に延在しかつリーマーを収容するように構成され、前記ベース本体が前記少なくとも2個の骨の近くに位置決めされたときに前記リーマーを前記少なくとも2個の骨に導くガイド開口と、
2)前記ベース本体が前記少なくとも2個の骨の近くに位置決めされたときに、前記少なくとも2個の骨のそれぞれと位置合わせされるような位置で前記ベース本体内に延在する少なくとも2つのボアと、
を画定する、リーマーガイドを含み、
各ボアは、前記リーマーが前記少なくとも2個の骨内に進むときに前記少なくとも2個の骨を互いに対して保持するように、前記少なくとも2個の骨にそれぞれ固定するように構成されたそれぞれの一時的固定要素を収容するように構成された、リーマーガイドシステム。
(2) 前記ボアが、前記ガイド開口の断面より小さい断面を有する、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
(3) 各断面が、直径を有する、実施態様2に記載のリーマーガイドシステム。
(4) 前記ガイド開口が、中心軸に沿って延在し、前記ボアが、前記ガイド開口の前記中心軸と実質的に平行に延在するそれぞれの中心軸に沿って延在する、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
(5) 前記ボアは、前記ベース本体のまわりに実質的に等距離で離間された、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
【0048】
(6) 前記リーマーガイドが、前記ベース本体内に延在する4個のボアを有し、その結果、前記ベース本体が4個の骨の近くに位置決めされたときに、各ボアが前記4個の骨のうちの1個の骨まで延在する、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
(7) 前記ベース本体が、少なくとも2つの放射状拡張部を画定し、各ボアが、それぞれの拡張部内に延在する、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
(8) 前記リーマーガイドが、更に、前記ガイドベースから延在するハンドルを有する、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
(9) 前記ボアが、Kワイヤ孔を含む、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
(10) 前記少なくとも2個の骨が、月状骨、有頭骨、有鉤骨及び三角骨からなる群から選択される、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
【0049】
(11) 前記ガイド開口によって収容されるように構成された位置付け補助機構を更に有し、前記位置付け補助機構が、
前記少なくとも2個の骨の近くに位置決めされるように構成された補助ベースと、
前記補助ベース内に延在する位置決めボアと、を有し、前記位置決めボアが、一時的固定要素を収容するように構成された、実施態様1に記載のリーマーガイドシステム。
(12) 前記補助ベースから延在するハンドル取付け部材を更に有し、前記位置決めボアが、更に、前記ハンドル取付け部材内に延在する、実施態様11に記載のリーマーガイドシステム。
(13) 位置決めボアが、前記ハンドルを収容するようにサイズが決められた近位部分を有する、実施態様12に記載のリーマーガイドシステム。
(14) 前記位置決めボアが、更に、前記第1の部分より小さいサイズの第2のKワイヤ孔部分を有する、実施態様13に記載のリーマーガイドシステム。
(15) 前記一時的固定要素を更に有する、実施態様11に記載のリーマーガイドシステム。
【0050】
(16) 前記補助ベースが、X線不透過性である、実施態様11に記載のリーマーガイドシステム。
(17) 前記補助ベースが、X線透過性ベース本体と、X線不透過性リングと、を有する、実施態様16に記載のリーマーガイドシステム。
(18) 前記位置決めボアが、Kワイヤ孔を含む、実施態様11に記載のリーマーガイドシステム。
(19) 前記位置付け補助機構が、更に、前記補助ベース内に延在しまた前記少なくとも2個の骨のうちの少なくとも1個の骨を再位置決めすることができる再位置決め装置を収容するように構成された少なくとも1つの位置付け開口を画定する、実施態様11に記載のリーマーガイドシステム。
(20) 前記少なくとも1つの位置付け開口が、前記補助ベースの側壁に開いた、実施態様19に記載のリーマーガイドシステム。
【0051】
(21) 前記ハンドル取付け部材に脱着可能に結合するように構成されたドリルガイドを更に有する、実施態様12に記載のリーマーガイドシステム。
(22) 前記ハンドル取付け部材に結合されたハンドルを更に含む、実施態様12に記載のリーマーガイドシステム。
(23) リーマーガイドシステム用の位置付け補助機構であって、前記位置付け補助機構が、
少なくとも2個の骨に隣接した標的位置に位置決めされるように構成された補助ベースと、
前記補助ベースから延在するハンドル取付け部材と、
前記ハンドル取付け部材と前記補助体の両方の中に延在する位置決めボアと、
を含み、前記位置決めボアが、一時的固定要素を収容するように構成され、その結果、前記一時的固定要素が前記標的位置と係合でき、次に前記一時的固定要素が後に残っている間に前記位置付け補助機構が除去される、位置付け補助機構。
(24) 前記補助ベースが、骨係合面を画定し、前記ハンドル取付け部材が、前記骨接触面に対してゼロでない角度で延在する、実施態様23に記載の位置付け補助機構。
(25) 前記補助ベースが、X線不透過性である、実施態様23に記載の位置付け補助機構。
【0052】
(26) 前記補助ベースが、X線透過性ベース本体と、X線不透過性リングと、を有する、実施態様25に記載の位置付け補助機構。
(27) 前記位置決めボアが、Kワイヤ孔である、実施態様23に記載の位置付け補助機構。
(28) 前記位置付け補助機構が、更に、前記補助ベース内に延在する少なくとも2個の位置付け開口を画定し、各位置付け開口が、前記少なくとも2個の骨のうちのそれぞれを再位置決めすることができる再位置決め装置を収容するように構成された、実施態様23に記載の位置付け補助機構。
(29) 前記位置付け開口が、前記補助体内で、前記少なくとも2個の骨のうちのそれぞれの骨の方に延在する半径方向に延在するスロットである、実施態様28に記載の位置付け補助機構。
(30) 前記位置付け補助機構が、更に、前記ハンドル取付け部材に結合されたハンドルを有する、実施態様23に記載の位置付け補助機構。
【0053】
(31) キットであって、
少なくとも2個の骨に隣接して位置決めされるように構成された補助ベースと、前記補助ベースから延在するハンドル取付け部材と、を有する位置付け補助機構であって、前記位置付け補助機構が、前記ハンドル取付け部材及び前記補助ベースの両方の中に延在する位置決めボアを画定し、前記位置決めボアが、一時的固定要素を収容するようにサイズが決められた、位置付け補助機構と、
シャフト及びヘッドを画定するリーマー本体を含むリーマーであって、前記ヘッドが、骨内にミリングするように構成され、前記リーマーが、前記ヘッドと前記シャフト内に延在するボアを画定し、前記ボアが、前記固定要素と実質的に等しいサイズに決められ、その結果、前記位置付け補助機構が前記少なくとも2個の骨から除去された後で、前記リーマーを前記固定要素に沿って前記少なくとも2個の骨までガイドすることができる、リーマーと、
を備えるキット。
(32) 前記リーマーの前記ボアが、前記位置決めボアの断面と実質的に等しい断面を画定する、実施態様31に記載のキット。
(33) ガイド本体及び前記ガイド本体内に延在するガイド開口を有するガイドベースを含むリーマーガイドを更に有し、前記ガイド開口が、前記リーマーを収容するように構成された、実施態様31に記載のキット。
(34) 少なくとも2個の骨に皿穴を穴開けする方法であって、前記方法が、
位置付け補助機構を少なくとも2個の骨上に配置することであって、前記位置付け補助機構が、補助ベースと、前記補助ベースから延在するハンドル取付け部材と、前記ハンドル取付け部材及び前記補助ベースの両方の中に延在する位置決めボアとを有する、ことと、
固定要素を前記位置決めボア内に挿入し、前記固定要素の遠位端を、前記少なくとも2個の骨のうちの少なくとも一方の骨に隣接した標的位置に結合することと、
前記固定要素が前記標的位置に結合されたままになるように前記位置付け補助機構を除去することと、
リーマーを前記少なくとも2個の骨の近くに位置決めすることであって、前記リーマーが、リーマー本体及び前記リーマー本体内に延在するボアを有し、前記ボアが、前記固定要素を収容して、これにより前記リーマーを前記標的位置にガイドするように構成される、ことと、
前記リーマーで前記少なくとも2個の骨に皿穴を穴開けすることと、
を含む方法。
(35) 前記皿穴に融着板を入れることを更に含む、実施態様34に記載の方法。
【0054】
(36) 前記位置付け補助機構の前記補助ベースの上にリーマーガイドを位置決めすることを更に含み、前記リーマーガイドが、ベース本体を有するガイドベースと、前記ベース本体内に延在するガイド開口と、前記ベース本体内に延在して、各ボアが、前記少なくとも2個の骨のうちのそれぞれまで延在するようにする少なくとも2つのボアと、を含む、実施態様34に記載の方法。
(37) 一時的固定要素を前記ガイドの各ボアを通して位置決めし、その結果、各一時的固定要素が、前記少なくとも2個の骨のうちのそれぞれひとつの骨と係合されるようにすることを更に含む、実施態様36に記載の方法。
(38) 前記位置付け補助機構が、X線下で位置決めされた、実施態様34に記載の方法。