(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光学的サブシステムが複数のスキャンキャプチャを実行するよう構成されると同時に、前記対物レンズが前記画像範囲内の複数の位置を通過する焦点面位置をシフトするよう構成される
ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載のOCT撮像システム。
前記窓平均を生成するために、前記画像プロセッサを含む制御装置は、前記OCT撮像それぞれに関連する焦点面位置それぞれに基づいて、前記複数のOCT撮像それぞれのピクセル強度それぞれに重み付けする
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のOCT撮像システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
いくつかの用語が単なる利便性のためにここで用いられるが、これら用語は本発明の限定のためではない。ここで使用される関連用語は、図面を参照することにより最適に理解され、図面において同じ数字は同じまたは類似の事項を特定するために使用される。さらに、図面には、いくつかの特徴がいくらか概略的な形態で示されているであろう。
【0013】
複数の要素に関する「少なくとも1つ」という句は、もしここで使用される場合、ここでは、これら要素の1つ、または2以上の要素の組み合わせを意味する。たとえば「第1の部品と第2の部品の少なくとも1つ」という句は、本応用において、第1の部品、第2の部品、または、第1の部品と第2の部品を意味する。同様に、「第1の部品、第2の部品および第3の部品の少なくとも1つ」という句は、本応用において、第1の部品、第2の部品、第3の部品、第1の部品と第2の部品、第1の部品と第3の部品、第2の部品と第3の部品、または第1の部品と第2の部品と第3の部品を意味する。
【0014】
ここに示す1以上の態様によれば、OCT撮像システムを用いたスキャンキャプチャ中に、画像範囲の少なくとも一部において焦点面位置を同時に変更することができる。その結果、様々な焦点面位置にそれぞれ対応する複数の画像フレームが取得される。弱強度または低反射率の特徴部位に関連する領域を含む画像範囲にわたって好適な解像度を有する合成画像を生成するために、画像フレームを組み合わせることができる。さらに、焦点が合っている画像データに付与された重みを合成画像が組み込むように、合成画像の生成前に窓平均化を実行することができる。
【0015】
1つの実施形態において、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像システムがここで説明される。このOCT撮像システムは、対象のOCTスキャンデータをキャプチャするための光学的サブシステムを含む。この光学的サブシステムは、光源から対象にスキャンビームを伝送するための対物レンズを含んでよい。この対物レンズは、対象に関する焦点面位置を調整できるように構成されていてよい。OCT撮像システムは、光学的サブシステムによるOCTスキャンデータのキャプチャを制御し、対象に関する焦点面位置を調整するための対物レンズを構成し、かつ、OCTスキャンデータを処理することにより少なくとも1つのOCT画像を生成するための制御装置をさらに含んでよい。
【0016】
1つの例によれば、制御装置は、少なくとも1つのディスプレイと少なくとも1つのプロセッサとを含んでよい。この少なくとも1つのプロセッサは、光学的サブシステムと、OCTスキャンデータを少なくとも1つのOCT画像に変換するための画像プロセッサと、この少なくとも1つのOCT画像をディスプレイに出力するための表示プロセッサとに制御信号を提供するために光学的スキャン制御を実行するよう構成されていてよい。複数の焦点面位置にそれぞれ関連する複数のスキャンキャプチャをOCTスキャンデータが含むように、制御装置は光学的サブシステムを制御する。さらに、制御装置は、その複数のスキャンキャプチャを複数のOCT画像に変換し、その複数のOCT画像の窓平均を生成し、その窓平均に基づいて合成OCT画像を生成するようさらに構成される。たとえば、窓平均を生成するために、制御装置は、複数のOCT画像のうちのそれぞれのOCT画像のそれぞれのピクセル強度に対し、それぞれのOCT画像に関連するそれぞれの焦点面位置に基づいて重み付けを行う。ピクセル強度は、焦点面位置からの距離に少なくとも部分的に基づいて重み付けされる。
【0017】
他の例によれば、対象をスキャンするための光学的サブシステムを調整するために利用される対象の予備画像を生成するために、制御装置は光学的サブシステムを制御する。たとえば、対象の予備画像に関連する画像範囲内のアンカー点を検出し、この画像範囲内における当該アンカー点の位置が既定位置となるように、光学的サブシステムの参照ミラーを調整する。1つの具体例において、対象は眼であってよく、アンカー点は、この眼の網膜、強膜、脈絡膜、角膜または水晶体の1つであってよい。OCTスキャンデータをキャプチャする前に、制御装置は、焦点面位置が画像範囲内の既定位置になるように対物レンズを構成する。制御装置は、複数のスキャンキャプチャを実行するよう光学的サブシステムを制御し、かつ、同時に、画像範囲内の複数の位置を通る焦点面位置を変更するよう対物レンズを構成する。
【0018】
他の実施形態によれば、OCT撮像システムを用いたフォーカススイーピングの方法が説明される。この方法は、OCT撮像システムで対象をスキャンして複数のスキャンキャプチャを取得することと、対象内の焦点面位置をOCT撮像システムの画像範囲内の複数の焦点面位置に調整することと、を含む。1つの例において、複数の焦点面位置のうちの各焦点面位置について1以上のスキャンキャプチャが取得されるように、焦点面位置の調整は、対象のスキャンと同時に行われる。
【0019】
他の例によれば、焦点面位置の調整は、画像範囲の1つのエッジから他のエッジに焦点面位置を移動することを含んでよい。この焦点面位置の移動は連続的であってもよいし、その代わりに、複数の焦点面位置が対象内の離散的な特徴点の集合に対応してもよい。
【0020】
さらに他の例において、当該方法は、対象に関する異なる位置に画像範囲を変更するためにOCT撮像システムの参照ミラーの位置を調整することと、画像範囲内における焦点面位置の調整を同時に行いつつ対象を再スキャンすることにより画像範囲の異なる位置に関連する第2の複数のスキャンキャプチャを取得することと、を含んでもよい。
【0021】
さらにまた、当該方法は、複数のスキャンキャプチャを複数の画像フレームに変換することと、複数の画像フレームのうちの各画像フレームをテンプレートフレームに位置合わせすることと、複数の焦点面位置のうち当該画像に関連する焦点面位置に応じて各画像フレームに重みを適用することと、重み付けされた画像フレームを平均化することにより合成画像を生成することと、を含んでよい。
【0022】
さらに他の実施形態において、複数の焦点面位置にそれぞれ関連する複数のスキャンキャプチャを含む対象のOCTスキャンデータをキャプチャするための光学的サブシステムを含むOCT撮像システムがここで説明される。このOCT撮像システムは、OCTスキャンデータを複数のOCT画像に変換し、複数の焦点面位置に基づいて複数のOCT画像に対して窓平均を実行し、この窓平均に基づく合成画像を出力するための画像プロセッサをさらに含む。
【0023】
1つの例によれば、光学的サブシステムは、異なる深さの焦点をそれぞれ有する複数の光ビームを対象に送信するよう構成される。これら異なる深さの焦点は、複数の焦点面位置に対応する。他の例においては、光学的サブシステムは、光源から対象にスキャンビームを伝送するための対物レンズを含む。この対物レンズは、対象に関する焦点面位置を複数の焦点面位置に調整できるよう構成されてよい。
【0024】
他の実施形態によれば、OCTスキャンデータから対象の合成画像を生成する方法が提供される。この方法は、複数の焦点面位置にそれぞれ関連する複数の画像フレームをOCT撮像システムにより取得することと、各焦点面位置に基づいて複数の画像フレームに重み付けする窓平均化を複数の画像フレームに対して実行することと、この窓平均化の結果から合成画像を生成することと、を含んでよい。1つの例において、窓平均化の実行は、複数の画像フレームのうち各焦点面位置に関連する画像フレームについて、当該焦点面位置に基づき生成された重み付け画像によって当該画像フレームを重み付けすることと、重み付け画像を用いて重み付けされたように当該画像フレームおよび同様に重み付けされた他の画像フレームを加算することと、を含んでよい。
【0025】
他の例において、当該方法は、変換パラメータを生成するために画像フレームをテンプレートフレームに位置合わせすることと、画像フレームの重み付けの前に、重み付け画像および変換パラメータを伴う画像フレームとを変換することと、をさらに含んでよい。さらにまた、当該方法は、重み付け画像と、他の焦点面位置に関連する他の重み付け画像とを加算することを含んでよい。したがって、合成画像の生成は、加算され重み付けされた画像フレームと、加算された重み付け画像との間の商を算出することを含んでよい。
【0026】
さらに他の実施形態によれば、OCT撮像のための方法が説明される。この方法は、複数の画像フレームを取得するために対象をOCT撮像システムでスキャンすることを含む。この方法は、対象内の焦点面位置を変更するためにOCT撮像システムの画像範囲内の焦点面位置の集合を連続的にスキャンする間にOCT撮像システムを制御することをさらに含んでよい。1つの例において、OCT撮像システムの制御は、焦点面位置の集合のうちの焦点面位置ごとに少なくとも1つの画像が取得されるように、対象のスキャンと同時に行われる。当該方法は、各画像フレームが取得された各焦点面位置に基づき生成された各重み付け画像を用いて、複数の画像フレームのうちの各画像フレームを重み付けすることと、重み付けされた複数の画像フレームおよび各重み付け画像に基づいて合成画像を生成することと、この合成画像をディスプレイに出力することと、を含んでもよい。
【0027】
図1は、ここに説明される1以上の態様に実装可能な典型的、非限定的なOCT撮像システム100を示す。
図1は、一般的な構造的概要を提供することを意図したOCT撮像システムの簡略化された描出であり、撮像システムの完全な実装を必ずしも表すものではない。たとえば、偏光コントローラ、付加的なビームスプリッタ、他の光路などの光学素子が、明確性のために省略されている。実質的に任意の形態のOCT撮像に関連してここに説明され主張される技術を利用することができるので、
図1の概略図は、一般に、たとえば(これらに限定されるものではないが)タイムドメインOCT、スペクトラルドメインOCT、および/またはスウェプトソースOCTなど様々なOCTの実施を包含することを意図している。
【0028】
一般に、OCTは、超音波撮影と同様の基本原理にしたがって動作するが、超音波撮影では音波を利用するのに対し、OCTでは媒体として光を利用する。すなわち、OCTは、被検体に光を照射し、時間的遅延と反射光の強度とを測定することにより、被検体を撮像する。しかしながら、光は音波よりもはるかに速い。よって、超音波エコーにおける時間的遅延と異なり、反射光の時間的遅延は直接には検出されない。代わりに、OCTでは、被検体の複数の構造間の距離に相当する時間差を検出するために、低コヒーレンス干渉法を利用する。特に、低コヒーレンス広帯域光がサンプル部分と参照部分とに分割される。参照部分は参照物(つまり参照ミラー)に向かって経路を進行し、サンプル部分は被検体(たとえば眼、特に網膜)に向かって進行する。サンプル部分および対応する被検体からの反射光の進行距離が、参照部分および対応する反射光の進行距離のコヒーレント長に含まれるとき、干渉パターンが生成される。この干渉パターンは、被検体の或る深さにおける光の強度を示し、被検体に関連する画像データの生成を容易化する。
【0029】
被検体の様々な深さにおける強度情報を求めるために、いくつかの異なる技術を利用することができる。タイムドメインOCTと呼ばれる1つの手法においては、異なる深さをスキャンするために参照部分の進行距離が変更される。たとえば、進行距離を変更するために参照ミラーが往復動される。集合的に周波数ドメインOCTと呼ばれる他の手法では、参照部分の変化を要さない。これら手法においては、光の様々な波長がたとえば空間的または時間的にエンコードされ、検出された干渉信号の異なる複数の周波数が、被検体内部の異なる深さに相当する。異なる複数の周波数における反射強度を表す受信信号に対するフーリエ解析により、被検眼の1つの点における異なる深さでの反射強度が生成される。
【0030】
周波数ドメインOCTの1つの手法(一般にフーリエドメインまたはスペクトラルドメインOCTと呼ばれる)によれば、回折格子または他のそのような分散手段により、参照干渉パターンが個々の波長成分に分散される。概念的には、各々が特定の波長帯に感度を有するフォトディテクターアレイが、被検体の1つのスキャン点における異なる複数の深さに対応する周波数成分のそれぞれの強度を同時に検出する。しかしながら、従来の実務においては、典型的に電荷結合素子(CCD)若しくは相補性金属酸化膜半導体(CMOS)のラインカメラまたは分光器が利用され、回折格子が光の異なる複数の波長を物理的に分離する。スウェプトソースOCTと呼ばれる他の例においては、異なる波長にわたるスキャンを行うために可変光源が用いられる。各スキャン周波数における強度が収集され、フーリエ解析によって変換されることにより、様々な深さにおける強度を列挙した強度プロファイルが生成される。
【0031】
OCT撮像のために、そしてここで利用されるように、様々な特性を次のように定義することができる。
【0032】
上記の式において、λは波長を表し、Δλはスペクトルサンプリング幅を表し、fは焦点距離を表し、Φはビーム径を表す。概念的に、画像範囲は、スキャンデータがキャプチャされるアキシャル距離(つまり、サンプルボリュームのz軸寸法)を表す。焦点深度は、光ビームがOCT撮像のために適当な径を有する範囲を表す。光ビームのスポットサイズ(つまり断面半径)は、焦点深度内の1つの位置での最小サイズである。その位置はビームウェストと呼ばれ、その位置に関連する最小サイズはビームウェスト径と呼ばれる。ビームウェスト径は横断的解像度または横解像度の尺度であってよく、より小さなビームウェスト径はより高い横分解能に相当する。焦点深度は一般に焦点面の中心であり、ここで、焦点面はz軸に直交しかつビームウェストを通る光学面である。なお、「面」と記載するが、焦点面は様々な収差に起因する曲面であってよい。
【0033】
上記の式から見て取れるように、画像範囲および焦点深度は、OCT撮像において互いに独立である。しかし、焦点深度Z
fおよびビームウェスト径X
fは、ともに開口数に依存する。開口数は、Φ/fに比例し、さらに、上記の式から分かるように、ビームウェスト径(または横分解能)よりも焦点深度に対してより大きな影響を与える。
【0034】
典型的な眼科OCT撮像システムにおいて、焦点深度Z
fはおおよそ1ミリメートルであり、画像範囲Z
imはおおよそ3ミリメートルである。
図15は、画像範囲に関してOCT画像に関連するこれら特性を示す。画像範囲に対するZ軸に沿う強度は、焦点面の中心に位置するガウシアン形状に実質的に対応する。示されているように、焦点深度は、より大きい強度を有する画像範囲の部分に主として対応し、かつ、画像範囲における低強度部分を除外している。強度のガウシアン形状は、
図15に示すレーザビームの形状および径にしたがう。焦点面において、レーザビームは狭くなり、より強くなる。したがって、焦点面周辺の眼の組織や他の部分からの反射もより大きな強度を有するであろうし、横分解能が効果的に高くなる(つまり向上する)であろう。
【0035】
従来のOCTシステムは、一般的に、画像範囲に概略的に対応する焦点深度を有する。これは、信号対ノイズ比(SNR)に関して数デシベルの非一様性を与える。この非一様性は、今度は、たとえば硝子体、脈絡膜、角膜、水晶体および/または強膜などの弱強度構造のための高感度撮像モダリティとしてのOCTの性能に対して不利に影響する。さらに、焦点深度を画像範囲に合わせることは、横分解能に負の影響を与える。OCT撮像システムの技術的進展は画像範囲の拡大に向かっているので、焦点深度と画像範囲とを合わせる戦略は横分解能の大きく劣化させるであろう。典型的には後眼部撮影では網膜に、前眼部撮影では角膜、虹彩または水晶体に調整される焦点面から離れて弱強度の領域が位置している場合、そのような低強度の特徴部位を撮像する能力は、レンズ系の焦点深度の特性による妥協を受ける。したがって、従来のOCT撮像システムでは、弱強度の特徴部位の撮像と高画質の網膜撮像と両立させることは困難である。
【0036】
或る態様において、
図1に示すOCT撮像システム100は、網膜、強膜、脈絡膜、硝子体、角膜、虹彩、水晶体および/または眼112全体を含む眼112の部分の断面像を生成するように構成される。そのような画像は、一般に、光源102からの光を眼112の部分に照射し、反射光を観察することにより生成される。光源102は、スペクトラルドメインOCTの場合は低コヒーレンス広帯域であってよく、スウェプトソースOCTの場合には可変レーザであってよい。光源102から発せられた光は、ビームスプリッタ104等の光アダプタによって2つの部分に分割される:サンプル部分124は眼112に向かって進行し、参照部分126は参照反射器に向かう経路に沿って進行する。
図1に示すように、コリメータ114に導く光ファイバケーブルを含んでよく、コリメータ114は、光源102からの光を参照ミラー118に集束させるためのレンズ116等の光学素子に送る。同様に、サンプル部分124は、コリメータ106まで光ファイバケーブルをたどり、コリメータ106は光をスキャナ108に送る。スキャナ108は、眼112の表面の様々な点に向け、これらをスキャンするよう構成される。特に、スキャナ108は、対物レンズ110により眼112の内部に形成される焦点面の2次元(2D)スキャンを可能にする。詳細は後述するが、対物レンズ110は、眼112の実質的に任意の深さにサンプル部分124の焦点面を調整することを可能とする。
【0037】
サンプル部分および対応する対象からの反射が進行する距離が、参照部分および対応する反射が進行する距離のコヒーレンス長以内であるとき、干渉パターンが生成される。干渉パターンは、検出器120によって検出され、画像データ122(インターフェログラムであってよい)として出力される。干渉パターンは、スキャンされる眼112の部分についての強度情報をコード化し、これは同様に眼112の表示可能な画像の生成を容易化する。後述するが、画像データ122は画像プロセッサ(図示せず)に供給されてよい。
【0038】
システム100により実行されるスキャンキャプチャの間に、焦点面を眼112の内部の異なる位置に移動させるために対物レンズ110が調整される。このダイナミックフォーカススイーピングは、従来のOCT撮像では撮像し損なうであろう弱強度(たとえば、硝子体、脈絡膜、強膜等)を有する特徴部位を含む合成画像における画像空間全体を横切る画像の生成を容易化する。対物レンズ110の1つの典型的な実施形態を示す
図2に移行する。
図2において、対物レンズ110は、眼112の内部の焦点面を調整するために動作するレンズ212および214を含むレンズ群を含む。
図2に示すように、結果としての焦点面が眼112の網膜200に対応する第1の焦点面202になるように、レンズ212および214を第1の状態に互いに相対的に配置させることができる。異なる相対配置を有する第2の状態にレンズ212および214を移行できるように、レンズ212および214のうち少なくとも1つは移動可能とされる。第2の状態において、焦点面は、眼112の硝子体204に対応する第2の焦点面206となる。
【0039】
代替的な実施形態においては、
図3に示すように、対物レンズ110は、
図2と同様のレンズ214と、可変レンズ312とを含んでよい。この可変レンズは、たとえば
図2に描写するようなレンズの物理的な平行移動を行うことなく、焦点面を第1の焦点面202から第2の焦点面206に変更することを可能とする。しかしながら、
図2および3の実施形態を互いに一体的に用いることも可能である。つまり、対物レンズ110は、眼112全体にわたって焦点面をスイープするための制御をそれぞれが受ける、1以上の可変レンズと、1以上の平行移動可能なレンズとを含んでよい。
【0040】
さらに、
図2および3は、2つの焦点状態を用いる例を示している。しかしながら、3以上の焦点状態を対物レンズ110で達成できるようにしてもよい。実際、OCT撮像システム100の画像範囲内の複数の焦点面位置に対応する複数の焦点状態になるように対物レンズ110を構成できる。或る態様による複数の焦点面位置は、画像範囲内の離散的な焦点面位置の集合を含んでよい。その代わりに、複数の焦点面位置は、たとえばステッピングモータのステップサイズを条件するなどして、画像範囲にわたり実質的に連続的でもよい。
【0041】
さらに、上記の対物レンズ110の代わりにまたはそれとともに、小さい角度に向き付けられた直方体プリズムを用いることができる。直方体プリズムは、内部反射ごとに光の一部が出射されるように構成される。それにより、複数の光ビームが眼112に送られ、各ビームは異なる焦点深度を有する。上記の技術に加え、異なる焦点深度を有する複数の光ビームを同時にまたは連続的に送るための他の技術を用いることができるようにしてよい。特に明記しない限り、ここで説明される画像処理(つまり窓平均化)および/または表示処理技術は、焦点深度の制御の方法に関係なく、異なる焦点深度から取得される画像データを提供するOCT撮像システムに適用可能であることを意図している。
【0042】
前述したように、OCT撮像システム100は、眼112のスキャンを実行し、1以上のインターフェログラム(またはAスキャン)、つまり画像データ122を出力する。
図4は、OCT撮像システム100の動作を制御し、かつそれから取得されるスキャンデータを処理する典型的、非限定的な制御装置400を示す。1つの例によれば、制御装置400には、後述する典型的な計算装置と同様に、1以上のディスプレイと、1以上のプロセッサ(分散配置または一体配置される)、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体、ユーザインターフェイス装置、および/または様々な通信インターフェイスを有する計算装置が設けられていてよい。
【0043】
図4に示すように、制御装置400は、OCT撮像システム100に制御信号を提供するよう構成された光スキャン制御402を含む。制御信号は、光源102を開始/停止するための信号、スキャナ108を調整するための信号、対物レンズ110を調整するための信号などを含んでよい。さらに、光スキャン制御402は、OCT撮像システム100からフィードバック信号を受信してよい。そのようなフィードバック信号は、スキャナ108、対物レンズ110(つまり焦点情報)、およびOCT撮像システム100の他の構成要素のそれぞれの状態を示してよい。詳細は後述するが、様々な焦点面位置にてキャプチャされた複数の画像フレームの処理を容易化するために、フィードバック信号に含まれるいくつかの情報を画像プロセッサ404に提供することができる。画像プロセッサ404は、OCT撮像システム100からスキャンデータ(つまりインターフェログラムまたは画像データ122)を取得し、さらに、任意的に、フィードバック信号に含まれる焦点情報を光スキャン制御402から取得する。或る態様によれば、スキャンデータは、画像範囲内において変化する焦点面位置にてキャプチャされた複数の画像フレームを含む。複数の画像フレームをそれぞれ異なる焦点面位置を用いてキャプチャすることができ、2以上の画像フレームを特定の焦点面位置を用いてキャプチャすることができ、または、1つの画像フレームを2以上の焦点面位置にわたってキャプチャすることができてよい。画像プロセッサ404は、複数の画像フレームから合成画像を生成する。ディスプレイに出力する前に付加的な表示指向の処理を行うために、合成画像を表示プロサッサ406に提供することができる。
【0044】
ダイナミックフォーカススイーピングを用いたOCTスキャンを実行するための典型的、非限定的な処理を示す
図5に移行する。複数の焦点面位置でのスキャンキャプチャに対応するスキャンデータを生成するために、この処理は、たとえば、上記のシステム100により制御装置400(特に光スキャン制御402)と関連して実行することができる。
【0045】
500において、アンカー点を検出し、参照ミラーを介して深さを調整するための任意的な処理が行われる。つまり、画像範囲内におけるアンカー点の位置が決定される。所望の画像のタイプに応じ、アンカー点は、後眼部撮影では網膜であってよく、前眼部撮影では角膜、虹彩または水晶体のうちの1つであってよい。アンカー点の位置をリアルタイムでまたはほぼリアルタイムで決定するために、制御装置400は画像プロセッサ404を利用することができる。画像範囲に関するアンカー点の位置が希望通りに正確に設定されるように、制御装置400からの制御信号によって参照ミラー118の位置を調整することができる。たとえば、後眼部撮影において、画像範囲の大部分が硝子体を含むように、網膜位置を画像範囲のエッジ近く(たとえば、表示時の画像の下半分)にすることができる。逆に、他の例として、前眼部撮影において、表示時に上半分に対応する画像範囲のエッジ近くに水晶体(または角膜)を位置させることができる。図解のために、
図10に示すような網膜、
図11に示す角膜、または本質的に眼の他の任意の特徴部位に関する画像範囲の位置を、任意的なステップ500により設定することができる。
【0046】
502において、オートフォーカスおよび焦点面の検出が実行される。1つの例において、この処理により、画像範囲におけるアンカー点の位置を用いて焦点面が調整される。これは、基礎をなす組織のライブモニタリングを介しておよびマニュアル処理または自動処理のいずれかを介して行われる。マニュアル処理として、ユーザは、ライブ画像を観察しつつ、ユーザインターフェイスを介して焦点面を調整することができる。焦点面およびアンカー点を調整するとき、ユーザは、ユーザインターフェイスを介して制御装置400に通知する。自動処理として、たとえば、焦点面への微調整をしつつ、画像信号強度が測定され、または画質の指標が決定される。画像信号強度または画質スコアが最大化されるとき、焦点面とアンカー点の位置との間の調整が達成される。おおよそ、焦点深度に対応する深さにわたる最大平均強度の画像特徴部位を焦点深度が含むとき、画像信号強度または画質の指標を最大化する焦点面位置が典型的に生じる。たとえば、最大平均強度の画像特徴部位は、網膜(後眼部撮影)または角膜(前眼部撮影)の中心であってよい。標準的な画像処理動作を介して、特定の特徴部位の深さを画像範囲内にて評価することができる。たとえば、この画像特徴部位の深さを決定する技術の1つは、焦点深度におおよそ等しい幅を有する窓内で軸方向における統合された信号を最大化することを含む。実際的な目的のため、画像信号強度または画質の指標が最大化されるとき、選択された窓を用いた最大統合信号強度に対応する特徴部位の平均深さ(全てのAラインにわたって演算される)として、焦点面位置を決定することができる。
【0047】
調整の後、504において、焦点面を所定の既知の位置に任意的に移動することができる。1つの例において、この所定の既知の位置は画像範囲の範囲であってよい。500で決定されたアンカー点の位置、502で決定されたような焦点面位置、画像範囲、および、OCT撮像システム100の光学系からあらかじめ決定されるような焦点特性のうち1つ以上を考慮することによって、この移動を達成することができる。
【0048】
506において、画像範囲内において焦点面の位置を同時に移動させつつ、或る期間にわたって複数の画像が順次にキャプチャされる。スキャンキャプチャ中の異なるタイミングで焦点面が様々な眼の深さとなるように、焦点面位置が調整される。たとえば、後眼部撮影では、スキャンキャプチャ中の異なるタイミングにおいて網膜、硝子体および眼内の他の深さに焦点面が対応するように、焦点面位置を調整することができる。1つの例において、焦点面位置が画像キャプチャに対応して連続的かつ直線的に移動されるように、焦点面の調整は連続的かつ直線的調整であってよい。たとえば、焦点面位置は、最初は画像範囲の1つの範囲であってよく、直線的なプロファイルに沿って画像範囲の他の範囲に変更されてもよい。他の例では、焦点面の調整は、連続的であるが、非直線的であってよい。さらに他の例では、離散的な焦点面調整を行うことができ、このとき、焦点面は特定の深さ(たとえば、脈絡膜の中心、網膜の中心、水晶体の中心、角膜の中心など)に配置され、かつ複数のスキャンキャプチャが各焦点面位置にて収集される。さらに、焦点面調整を容易化するために、リアルタイム(またはほぼリアルタイム)の画像解析が、たとえば連続的でも離散的でも、画像プロセッサ404の補助を用いて実行される。焦点面が所望の位置に正確に調整されることを確保するために、そのような画像解析により眼球運動を補償することができる。
【0049】
スキャンキャプチャの完了時に、508において、スキャンデータが画像処理に供される。ここで利用されるように、上記のようにして取得されたスキャンデータは複数の画像フレームを含んでいてよい。各画像フレームが焦点面位置の集合のうちの焦点面位置に関連付けられ、その関連付けられた焦点面位置に焦点面が調整されつつ当該画像フレームがキャプチャされる。
図6は、1以上の態様に係る典型的、非限定的な画像プロセッサ600を示す。画像プロセッサ600は、たとえば、上記の画像プロセッサ404についての1つの実施形態を提供する。
図6に示すように、画像プロセッサ600は、インターフェログラム等の画像データを、強度情報を提供するOCT画像に変換する画像コンバータ602を含む。画像コンバータ602は、相互位置合わせを行うための位置合わせモジュール604にOCT画像を送る。或る態様において、スキャンデータは、様々な焦点面位置からキャプチャされた複数の画像フレームを含む。これら画像フレームはともに、共通のテンプレート画像または他の選択された画像(つまり、最初にキャプチャされた画像、ライブラリ画像、事前に生成された合成画像など)に対して位置合わせされる。位置合わせされた画像は、1行ごとの窓平均化処理を実行する平均化モジュール606に送られる。例として、画像フレーム内の強度値は、窓によって重み付けされる。窓は、スキャンキャプチャ中に用いられる焦点面の中央に配置される。焦点面の位置、したがって画像範囲内の窓の位置を、光スキャン制御402により提供される焦点情報から決定することができる。それぞれの窓について、強度値は1行ごとを基礎として重み付けされ、この1行は、焦点プロファイルの深さ内における特定の深さに対応する。所与の行について重み付けされた強度値は、所与の行が含まれる全ての窓にわたって加算される。全ての行について加算され重み付けされた強度値は、表示前のさらなる処理のために平均化モジュール606から表示プロセッサ406に出力されてよい合成画像を生成するために用いられる。任意的に、記憶、表示、または他の所望の下流の処理を容易化するための標準化(正規化)および/またはデータ変換を受けるために、標準化/変換モジュール608に合成画像を提供することができる。
【0050】
弱強度特徴部位および高強度特性部位を同時に画像化するために、ここに説明する1つの実施形態にしたがって、窓平均化を伴うまたは伴わないフォーカススイーピングが用いられる。この技術が示された
図7に移行する。
図7に描写されているように、時間t
1からt
Nまで様々なスキャンが次々とキャプチャされる。各スキャンについて、焦点面を画像範囲に沿う異なる位置に移動することができる。したがって、各スキャンについて、対応するガウシアン強度データが、
図7に示すように取得される。
図7に示すガウシアン強度曲線は、強度の絶対値を表すものでなくてよい。むしろ、この強度曲線は、各スキャンについて、画像範囲の対応位置に位置する構造についての実際の強度値の程度に対応する。換言すると、スキャンの焦点面の近傍の位置において好適なSNRおよび好適な横分解能が得られ、それゆえ、焦点面が弱強度特徴部位(たとえば硝子体、強膜、水晶体)であるか高強度部位(たとえば網膜、角膜)であるかに関わらず、相対的で物理的な強度値のより正確な表現が得られる。さらに、画像範囲を超えて拡張してガウシアン強度曲線を示しつつ、画像範囲外の特徴部位についての実際の強度値を必ずしも取得しなくてもよい。
【0051】
複数のスキャンキャプチャから合成画像を生成するために、窓平均化が用いられる。
図7において、各スキャンキャプチャについて各窓が示され、対応するスキャンキャプチャについて用いられた焦点面の中心に各窓が配置される。しかしながら、各スキャンキャプチャはそれに関連付けられた分離した窓を有する必要はなく、同じ窓に1以上のスキャンキャプチャを関連付けてもよい。さらに、
図7に描写された窓の幅は典型例であり、幅は、図示したものより小さくても大きくてもよい。加えて、(たとえばシステム制御に基づき)時間とともに、および/または焦点位置によって、光学的な焦点特性が可変であってよい。したがって、これに対応して窓特性も可変であってよい。
【0052】
窓に対して重み付けスキームが適用される。1つの例において、窓の中心に対応する強度値に最大重みが適用されるように、重みがガウシアン形状にしたがってよい。この例によれば、上記のように、重みのガウシアン曲線がスキャンキャプチャについての強度曲線に実質的に対応するような窓の幅であってよい。よって、特定の窓について、焦点面から離れた位置の特徴部位の強度値が減じられ、焦点面の近くの特徴部位の強度値が引き立てられる。他の例において、窓内の強度値をそのままにしつつ(たとえば重み付け1)、窓外の強度値がゼロ設定になる(たとえば重み付け0)ように、長方形の窓を適用することができる。上記の重み付け関数は典型例であってよく、ここに説明するように窓平均化に用いられる特定の重み付け関数はおおむね任意であってよい。たとえば、上記の関数に加えて、二乗余弦窓または三角窓を用いることができる。一般的に、選択された窓のタイプが焦点から離れた強度値の行よりも焦点の近くの強度値の行に重み付けすることを達成するという条件の下、実質的に任意の窓形状または重み付け関数が、ここに説明する技術とともに使用するために好適である。
【0053】
図8は、画像フレームの窓平均化についての典型例、非限定的な方法を示す。この方法は、たとえば、画像プロセッサ404または600により実行することができる。800において、スキャンデータが複数の画像フレームに変換される。802において、複数の画像フレームがともに位置合わせされる。804において、窓平均化が実行される。各画像フレームについて、その画像フレームに対応する焦点情報にしたがって窓を設定することができる。焦点情報については、スキャンキャプチャ処理の経験的知識を介して取得でき、スキャンキャプチャ処理により取得された各画像フレームについての明示的に通信されたレンズ位置から取得でき、および/または、テンプレートフレームに基づき推定できる。この情報により、焦点が合っていない範囲(つまり特定の画像フレームについて焦点深度から遠い範囲)よりも焦点が合っている範囲に対して高い重みが与えられるように、窓が設定され、位置合わせされた画像フレームに適用される。前述したように、重み付けは、ガウス分布にしたがってよく、或いは代替的に、長方形窓が適用されてもよい。
【0054】
1つの例によれば、窓が設定され、かつ、画像フレームがキャプチャされた各焦点面位置の中心に配置される。各窓について、焦点プロファイルの深さ内の特定の深さに対応する行とともに1行ごとに、窓内の強度に対して重み付けが適用される。複数の窓に含まれる行について、それぞれの窓からのそれぞれの重み付けされた強度値が加算される。これら加算され重み付けされた全窓にわたる強度値は、画像範囲全体の合成画像を生成するために使用される。たとえば、合成画像を生成するために任意に与えられた行に対応する全て足し合わされた重みにより、加算され重み付けされた強度値を除算することができる。806において、合成画像に対して任意的に正規化および/またはデータ変換を行ってよい。
【0055】
808において、合成画像に対する表示処理が実行される。或る態様によれば、表示処理により、合成画像、特に硝子体等の弱強度特徴部位の強調された視覚化が提供される。以下に限定されるものではないが、表示関連の処理動作は、強度信号範囲の圧縮、ガンマ補正、および/またはヒストグラム平坦化(たとえば、適応ヒストグラム平坦化、コントラスト限定適応ヒストグラム平坦化など)を含んで実行される。
【0056】
1以上の態様における典型的、非限定的な画像プロセッサ900を示す
図9に移行する。画像プロセッサ900は、画像プロセッサ600と同様に、画像プロセッサ404についての他の典型的な実施形態を提供する。
図9に示すように、画像プロセッサ900は、インターフェログラムデータ等のスキャンデータを、強度情報を提供するOCT画像に変換する画像コンバータ902を含む。画像コンバータ902は、テンプレート画像への位置合わせを行うための位置合わせモジュール904にOCT画像を提供する。テンプレート画像は、ライブラリ画像、過去のスキャンからの画像、最も最近に生成された合成画像、過去に位置合わせされた同集合からの画像フレームなどであってよい。換言すると、テンプレート画像は、経時的に更新されてよく、および/またはOCT画像ごとに異なってよい。当該患者について最も最近に生成された合成画像からなるテンプレートフレームに、最初のOCT画像を位置合わせすることができる。この位置合わせにより変換された第1のOCT画像を、第2のOCT画像等の位置合わせのためのテンプレート画像として用いることができる。位置合わせモジュール904は、テンプレート画像により定義されるテンプレート空間にOCT画像を位置合わせするのに好適な画像情報を特定する変換パラメータを生成する。OCT画像および変換パラメータは、当該パラメータにしたがって当該OCT画像を変換する変換モジュール908に提供される。
図9に総体が示されているが、それぞれの変換パラメータが画像毎に生成されるように、個々のOCT画像を位置合わせモジュール904によってテンプレート画像に位置合わせすることができる。各画像は、次々に、変換モジュール908により各変換パラメータを用いて変換される。
【0057】
或る態様において、画像に重み付けするために窓平均化が実行される。重み付けモジュール906は、焦点面位置を示す焦点情報に基づいて、1以上の重み付けされた画像を生成する。前述したように、焦点面位置については、経験的に知ることができ、光学的サブシステムにより明示的に通信することができ、または画像処理技術を介して推定することができる。1つの例において、重み付け画像は、各ピクセルについて、OCT画像の対応するピクセルに適用される重みを提供する。ピクセルの重みは、焦点情報に基づいて、焦点面位置におけるまたはその近くのピクセルが焦点面位置からさらに離れたピクセルよりも高い重みを有するように決定される。
【0058】
重み付け画像は、位置合わせモジュール904からの変換パラメータにしたがって変換を行う変換モジュール910に提供される。特に、各OCT画像について、そのOCT画像に関連付けられた焦点面位置に基づき、対応する重み付け画像を生成することができる。そのOCT画像について位置合わせモジュール904により生成された変換パラメータは、対応する重み付け画像が変換するために変換モジュール910により用いられてよい。1つの例において、位置合わせモジュール904は、たとえば位相相関技術、強度に基づく位置合わせ、または特徴部位に基づく位置合わせなどの位置合わせ技術を適用することができる。
【0059】
変換モジュール908および910によるそれぞれの変換の後に、重み付け画像によってOCT画像が重み付けされる。たとえば、乗算モジュール912は、OCT画像と重み付け画像とのピクセル単位の乗算処理を実行することができ、それにより、重み付け画像により特定される重み付け値によってOCT画像の各ピクセル(強度値)を重み付けする。重み付けされたOCT画像は、複数の重み付けされたOCT画像から合成画像を生成する合成モジュール914に提供される。1つの例によれば、合成モジュール914は、複数の重み付けされたOCT画像を加算し、全ての重み付け画像にわたる重みの合計によって除算する。特に、合成モジュール914は、次式によって合成画像を生成することができる。
ここで、Nは画像フレームの総数を表し、I
n(x,z)は画像フレームnにおけるピクセル強度値を表し、w
n(x,z)は画像フレームnについての重み付け画像であってピクセルの重みを特定し、I
C(x,z)は合成された平均画像におけるピクセル強度値を表す。
【0060】
合成モジュールは、表示前のさらなる処理のために、合成画像を表示プロセッサ406に出力することができる。任意的に、記憶、表示または他の所望の下流の処理を容易化するための正規化および/またはデータ変換を受けるために、標準化/変換モジュール916に合成画像を提供することができる。
【0061】
様々な方法で上記の処理を変形することができる。たとえば、変換パラメータによる変換処理の前に、重み付け画像とOCT画像とを乗算することができる。他の例において、位置合わせモジュール904により実行される位置合わせアルゴリズムに窓による重み付けを適用することにより、重み付け画像との乗算を用いたOCT画像の独立した重み付けを回避することができる。すなわち、変換パラメータが導出される最適化処理に重みを織り込むことができる。
【0062】
重み付け画像を利用することにより、スキャンキャプチャ中の眼球運動により引き起こされるモデリングの回転、スケーリングまたは傾斜(歪み)が緩和される。すなわち、重み付け画像に変換パラメータを適用することにより、眼球運動から生じる演算エラーが緩和される。しかしながら、重み付け画像の変換を迂回することができ、典型的には小さな程度のエラーが介入されるだけであろう。顕著なエラーは、軸方向(たとえば、画像空間内のz軸)における顕著な眼球運動が起こっている間に観察される。しかし、このエラーは、重み付け画像の代わりに重み付けベクトルを用いることで緩和することができる。
【0063】
図10および11は、それぞれ、後眼部撮影および前眼部撮影に好適な眼に関する画像範囲を示す。描写されているように、画像範囲に沿って焦点面を移動させることにより、画像範囲内の異なる特徴部位(たとえば、硝子体、網膜、角膜、虹彩、水晶体など)についての正確な強度値を取得することができる。上記した窓平均化を用いることにより、物理的現実を表す(複数のスキャンキャプチャに基づく)合成画像を生成することができる。
【0064】
スウェプトソースOCTにより、たとえば、数センチメートルの画像範囲を達成可能である。
図12に示すように、高強度特徴部位(網膜、角膜)および低強度特徴部位(硝子体、水晶体)を含む眼全体の高画質の合成画像を生成するための長い画像範囲に、ダイナミックフォーカススイーピングおよび窓平均化の技術を適用することができる。さらに、
図13に示すように、従来の画像範囲を有するOCTの実施であっても、眼全体の高画質の合成画像を生成することができる。
図13に示すように、つなぎ合わされた複数の短い画像が眼全体の画像を提供するように、いくつかの短い画像範囲をつなぎ合わせることができる。
図5に関して上述したように、画像範囲がアンカー点(すなわち、網膜の位置、角膜の位置、水晶体の位置など)を含むように、参照ミラー118が配置される。この概念を拡張することにより、対応する複数の画像範囲が連結されて
図12に描写されたものと同等の長範囲の画像が形成されるように、いくつかの画像位置を用いることが可能である。
図14は、
図13に示すような眼の異なる深さに対応する画像をキャプチャするために画像位置を変更できるスイッチ1402を含むOCT撮像システム1400を示す。
【0065】
前述したように、画像範囲と横分解能(またはビームウェスト径)との間には、光の物理的特性およびOCT撮像に伴う特性に起因する固有のトレードオフが存在する。より具体的には、たとえば開口数の増加による横分解能の向上(ビームウェスト径の減少)は、典型的には、焦点深度を減少させる。この焦点深度の短縮は、効果的な画像範囲を制限する。同様に、開口数の減少による焦点深度(同様に、画像範囲)の増加は、典型的には、横分解能を減少させる(つまり、ビームウェスト径を増加させる)。しかしながら、ここに説明するダイナミックフォーカススイーピングおよび窓平均化の技術により、このトレードオフの効果を緩和することができる。換言すると、高い横分解能および向上したSNRを、この発明の長い画像範囲にわたって達成することができる。
【0066】
たとえば、高い開口数を有するOCT撮像システムは、典型的には、小さな焦点深度にわたる高解像度の画像を生成する。ダイナミックフォーカススイーピングにより、焦点面、したがって焦点深度が画像範囲にわたってパンされ、高解像度の画像が画像範囲全体にわたってキャプチャされる。さらに、結合された複数の画像範囲にわたりキャプチャされたいくつかの高解像度の画像は、効果的な画像範囲をさらに増加することができる。
【0067】
(典型的な計算装置)
ここで
図16を参照し、ここに開示されるシステムおよび方法により使用可能な典型的な計算装置1600が示される。計算装置1600は、メモリ1604に記憶される命令を実行する少なくとも1つのプロセッサ1602を含む。命令は、たとえば、前述した1以上の構成要素により実行されるとして説明された機能を実行するための命令、または、前述した1以上の方法を実行するための命令であってよい。プロセッサ1602は、システムバス1606によってメモリ1604にアクセスすることができる。
【0068】
計算装置1600は、付加的に、システムバス1606によってプロセッサ1602がアクセス可能なデータ記憶1608を含む。計算装置1600は、さらに、外部装置が計算装置1600と通信することを可能にする入力インターフェイス1610を含む。たとえば、入力インターフェイス1610は、外部装置から、ユーザ等から命令を受けるために用いられてよい。計算装置1600は、さらに、計算装置1600を1以上の外部装置に接続する出力インターフェイス1612を含む。たとえば、計算装置1600は、出力インターフェイス1612により、テキスト、画像等を表示することができる。1つの典型的な実施形態によれば、出力インターフェイス1612は、1以上のディスプレイ(図示せず)に接続されていてよい。
【0069】
付加的に、単一のシステムとして示されているが、計算装置1600は分散システムでもよいと理解されるべきである。よって、たとえば、ネットワークにより通信するいくつかの装置であってよいし、計算装置1600により実行されるものとして記載されたタスクを連帯して実行するいくつかの装置であってよい。
【0070】
また、ここに記述される動作は、1以上のプロセッサにより実行され、および/または、1以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された、コンピュータ実行可能な指示であってよい。コンピュータ実行可能な指示は、ルーチン、サブルーチン、プログラム、実行スレッド、および/または、その類似を含んでよい。さらにまた、これら方式の動作の結果は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、表示装置に表示され、および/または、その類似が施されてよい。
【0071】
また、用語「または」は、排他的な「または」よりむしろ包括的な「または」を意味することを意図している。つまり、そうでないと指摘しない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを用いる」という句は、自然で包括的な並べ替えのいずれかを意味する。つまり、「XはAまたはBを用いる」という句は、次の場合のいずれかを満足する:XはAを用いる;XはBを用いる;または、XはAとBの双方を用いる。さらに、この応用および付加されたクレームにおいて、そうでないと指摘しない限り、または単数形を指示していることが文脈から明らかでない限り、冠詞「a」と「an」は、一般に、「1またはそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【0072】
また、ここに使用されるように、用語「典型的」は、「何かの例示または例としての役目をもつこと」を意味することを意図している。
【0073】
ここに記述された様々な機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実現される。ソフトウェアで実現される場合、コンピュータ読み取り可能な媒体上の1以上の指示またはコードとして記憶され、または伝送されてよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、1の場所から他の場所へのコンピュータプログラムの移動に役立つ任意の媒体を含む通信媒体との双方を含む。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによるアクセスが可能な、任意の入手可能な媒体であってよい。限定するものではないが、例として、そのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、または他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージ装置、または、所望のプログラムコードを指示またはデータ構造の形態で伝えまたは記憶するために用いることが可能であり、かつコンピュータによるアクセスが可能な任意の他の媒体を含んでよい。ここに用いられるように、ディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスク(BD)を含み、ここで、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを複製し、ディスク(disc)は通常、レーザで光学的にデータを複製する。さらに、伝送される信号は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の範囲に含まれない。また、接続は、通信媒体であってよい。たとえば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外、電波およびマイクロ波などのワイヤレス技術を用いて、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔源からソフトウェアが伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外、電波およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、通信媒体の定義に含まれない。上記の組み合わせについても、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲に含まれない。
【0074】
以上、例示的な実施形態が記述された。主張されている主題の一般的な範囲から逸脱しないように上記の装置および方法に変更および変形を加えてよいことは、当該分野の技術者にとって明らかである。主張されている主題の一般的な範囲における全てのそのような変形や変更を含むことを意図している。さらに、用語「含む(include)」の範囲に関し、詳細な説明またはクレームのいずれにおいても使用され、そのような用語は、クレームにおける因襲的な用語として用いられるときの用語「有する、含む(comprising)」の解釈と同様に包括的であることを意図している。