(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ノニオン界面活性剤(A)に含まれる、エチレンオキサイド(EO)に対するプロピレンオキサイド(PO)のモル比(PO/EO比)が1/2以上である請求項3に記載の洗浄剤組成物。
前記アルカリ剤(C)が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソケイ酸ナトリウム及びオルソケイ酸カリウムからなる群から選択された少なくとも1種を含む請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動食器洗浄機へ洗浄剤組成物の供給を行う場合、家庭用の自動食器洗浄機では使用者が手動で洗浄剤組成物の供給を行うことが多いが、業務用の自動食器洗浄機には、洗浄剤組成物を自動供給する機構を備えているものがある。
【0007】
業務用の自動食器洗浄機において洗浄剤組成物を自動供給する機構の例としては、自動食器洗浄機中の洗浄剤組成物の濃度をモニターして、洗浄剤組成物の濃度が設定値より低くなったら洗浄剤組成物を供給するという制御機構が挙げられる。
ここで、自動食器洗浄機中の洗浄剤組成物の濃度をモニターする方法として、自動食器洗浄機中の洗浄液の電気伝導度をモニターする方法が活用されうる。
なお、洗浄液とは、自動食器洗浄機中の水と洗浄剤組成物とを少なくとも含む混合物である。
【0008】
業務用の自動食器洗浄機において洗浄剤組成物を自動供給する場合、洗浄液の電気伝導度をモニターすることによって自動食器洗浄機中の洗浄剤組成物の濃度を一定に保つことができることが好ましいが、洗浄剤組成物の組成や運転方法によっては、洗浄剤組成物の供給量が過剰となったり不足したりすることがあった。
しかしながら、現時点では、このような制御機構を備えた自動食器洗浄機に対してどのような洗浄剤組成物が適しているのかに関する知見はなく、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機を用いて洗浄対象物の洗浄を行うために適した洗浄剤組成物が求められていた。
また、
以上のことから、本発明は、上記要求を満たす洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記要求を満たす洗浄剤組成物について鋭意検討した結果、本発明に想到した。
すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機を用いて洗浄対象物の洗浄を行うための液体又は固体の洗浄剤組成物であって、
(A)ノニオン界面活性剤
(B)高分子電解質
(C)アルカリ剤
(D)キレート剤
を含み、
洗浄剤組成物が固体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の60℃での電気伝導度が1.2mS/cm以上であり、
洗浄剤組成物が液体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の60℃での電気伝導度が0.7mS/cm以上であることを特徴とする。
なお、本明細書中においてとくに断りなく「水」とある場合、人工水道水とする。人工水道水とは、塩化カルシウム2水和物0.20gと塩化マグネシウム6水和物0.14gをイオン交換水4Lに溶かしたものである。この人工水道水の全硬度は50ppm(CaCO
3)相当である。
【0010】
本発明の洗浄剤組成物は、アルカリ剤を含んでいる。アルカリ剤にはナトリウムイオン等の電解質が含まれているため、アルカリ剤を含んでいると洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度が高くなる。
具体的には、洗浄剤組成物が固体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の60℃での電気伝導度が1.2mS/cm以上となり、洗浄剤組成物が液体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の60℃での電気伝導度が0.7mS/cm以上となる。
このような洗浄剤組成物を供給すると、速やかに洗浄液の電気伝導度が高くなるので洗浄剤組成物の過剰供給を防止することができる。
一方、洗浄液の電気伝導度が高くならない洗浄剤組成物を供給した場合は、洗浄剤組成物が供給されてもあまり電気伝導度が変化しないため洗浄剤組成物を大量に供給しないと洗浄剤組成物の濃度が高くなったことが検知されない。そのため洗浄剤組成物の過剰供給を引き起こす可能性がある。また、洗浄剤組成物の供給位置から電気伝導度を測定するセンサまでの間で洗浄剤組成物が拡散することによっても、電気伝導度の上昇幅が小さくなるので、洗浄液の電気伝導度が高くならない洗浄剤組成物を供給する場合には洗浄剤組成物の過剰供給を引き起こす可能性が高くなる。
そのうえ、使用水の水質には季節変動があり、水そのものが有する電気伝導度も上下するため、使用水の電気伝導度に対して洗浄剤組成物の電気伝導度が低いことはさらに供給の安定を損なう。
すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄液とした場合の電気伝導度が高くなる構成を有することによって、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機に適した組成としたものである。
【0011】
本発明の洗浄剤組成物においては、上記ノニオン界面活性剤(A)を0.5重量%以上含有することが好ましい。
ノニオン界面活性剤を0.5重量%を超えて含有すると、洗浄力をより高め、食器の乾燥を促進することができる。
【0012】
本発明の洗浄剤組成物においては、上記高分子電解質(B)が、ポリアクリル酸のナトリウム塩又はカリウム塩であることが好ましい。
上記高分子電解質を使用すると、洗浄力をより高め、食器の乾燥を促進することができる。
【0013】
本発明の洗浄剤組成物においては、上記ノニオン界面活性剤(A)が、アルコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物であることが好ましい。
この種類の界面活性剤は、低泡性と洗浄力のバランスが良いため好ましい。
また、上記ノニオン界面活性剤(A)に含まれる、エチレンオキサイド(EO)に対するプロピレンオキサイド(PO)のモル比(PO/EO比)が1/2以上であることが好ましい。
ノニオン界面活性剤がこのような組成を有することで、低泡性がさらに高まり、好適な洗浄力が得られる。
【0014】
本発明の洗浄剤組成物においては、上記ノニオン界面活性剤(A)に対する上記高分子電解質(B)の重量比[(B)/(A)]が5/4〜7/1であることが好ましい。
すなわち、[(B)/(A)]が5/4以上であると、界面活性剤の洗浄力を高めることができる。なお、[(B)/(A)]が7/1を超えると、貯蔵安定性が低下するとともに、他成分との相互作用がそれ以上得られないことがあるため好ましくない。
【0015】
上記アルカリ剤(C)が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソケイ酸ナトリウム及びオルソケイ酸カリウムからなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。
これらのアルカリ剤は洗浄力を高めるほか、単位重量あたりの電気伝導度が高いため好ましい。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物が固体の洗浄剤組成物である場合、水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の60℃での電気伝導度が1.4mS/cm以上であることが好ましい。
固体の洗浄剤組成物の場合は、水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の電気伝導度が高くなる組成として、少量使用することが好ましく、そのような使用方法を考慮した場合には水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の電気伝導度がこのような範囲であることが好ましい。
水1Lに対し固体の洗浄剤組成物0.5gの割合で洗浄剤を溶解させた濃度域は、自動食器洗浄機内で実際によく使用される濃度域であり、この条件で所定の電気伝導度を有することで、洗浄剤組成物の濃度を好適に調節できるためである。
【0017】
本発明の洗浄剤組成物が液体の洗浄剤組成物である場合、水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の60℃での電気伝導度が0.9mS/cm以上であることが好ましい。
液体の洗浄剤組成物の場合は、水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の電気伝導度が固体の洗浄剤組成物と比較して低くなる組成として、固体の洗浄剤組成物よりも洗浄剤組成物を多く使用することが好ましい。結果的には洗浄液の電気伝導度は固体の洗浄剤組成物を使用した場合と液体の洗浄剤組成物を使用した場合とで同程度となる。
そのような使用方法を考慮した場合には水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の電気伝導度がこのような範囲であることが好ましい。
水1Lに対し液体の洗浄剤組成物1gの割合で洗浄剤を溶解させた濃度域は、自動食器洗浄機内で実際によく使用される濃度域であり、この条件で所定の電気伝導度を有することで、洗浄剤組成物の濃度を好適に調節できるためである。
【0018】
本発明の洗浄方法は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機を用いて洗浄対象物の洗浄を行う洗浄方法であって、上記洗浄剤組成物として本発明の洗浄剤組成物を用いることを特徴とする。
本発明の洗浄剤組成物を使用すると、洗浄剤組成物を供給した際に速やかに洗浄液の電気伝導度が高くなるので洗浄剤組成物の過剰供給が生じにくい。
このような洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして自動食器洗浄機を運転することにより、自動食器洗浄機中の洗浄剤組成物の濃度が安定した状態で連続的に自動食器洗浄機の運転を行うことができる。
【0019】
本発明の洗浄方法においては、上記自動食器洗浄機が節水型の自動食器洗浄機であることが好ましい。
節水型の自動食器洗浄機では、すすぎ水の水量が少ないため、洗浄中に洗浄液の電気伝導度が低下しにくい。そのため、最も好ましい電気伝導度(例えば1.0mS/cmとする)に対して近い値に制御ラインを設定する(例えば0.95mS/cmに設定する)。
この例では、洗浄液の電気伝導度が0.95mS/cmを下回ったら洗浄剤組成物の供給を行う装置とする。
ここで、洗浄剤組成物の電気伝導度が高いと、洗浄剤組成物の供給後すぐに洗浄液の電気伝導度が上昇し、電気伝導度を検知するセンサがすぐに0.95mS/cmを超えた値を検知するため、洗浄剤組成物の供給は止まり、洗浄液中の洗浄剤組成物の濃度は好ましい範囲に制御される。
一方、洗浄剤組成物の電気伝導度が低いと洗浄剤組成物を供給しても電気伝導度がすぐに上昇しない(拡散に時間がかかる)ので、電気伝導度を検知するセンサが0.95mS/cmを検知した時点では洗浄液中の洗浄剤組成物の濃度は電気伝導度=0.95mS/cmに相当する濃度よりも高くなってしまう。つまり、洗浄剤組成物を過剰に供給してしまうことになる。
このことから、洗浄剤組成物の過剰供給を防ぐことのできる本発明の洗浄剤組成物は、節水型の自動食器洗浄機において特に適しているといえる。
ちなみに、節水型でない自動食器洗浄機の場合は、すすぎ水の量が多いため、制御ラインをからの濃度の下回りが大きい。たとえば、0.95mS/cmを下回ったら洗浄剤を供給する設定で、0.8mS/cmまで電導度が低下する。
この場合、洗浄剤組成物が多く供給されたとしても好ましい電気伝導度をすぐに超えることはないので、洗浄剤組成物の過剰供給の問題は起こりにくい。
【0020】
本発明の洗浄方法においては、水によるすすぎ工程を行い、上記すすぎ工程の後、リンス剤を用いたリンス工程を行わずに乾燥工程を行うことが好ましい。
リンス工程を行わない洗浄方法である「ノンリンス洗浄」においては、水の硬度が高いとスケールが洗浄物に残留し、充分な洗浄が達成されない場合があるが、本発明の洗浄剤組成物は、高分子電解質とキレート剤を含んでいる。これらの成分の配合によりノンリンス洗浄においても充分な洗浄が達成される。
すなわち、本発明の洗浄剤組成物はノンリンス洗浄に特に適した洗浄剤組成物であるともいえる。
【0021】
本発明の洗浄方法においては、固体の洗浄剤組成物を使用し、洗浄中の前記洗浄液の電気伝導度が1.4mS/cm以上となるように洗浄液の電気伝導度を制御することが好ましい。また、液体の洗浄剤組成物を使用し、洗浄中の前記洗浄液の電気伝導度が0.9mS/cm以上となるように洗浄液の電気伝導度を制御することが好ましい。
このような範囲に電気伝導度を制御すると、自動食器洗浄機における洗浄剤組成物の濃度の制御が容易となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機に適しており、本発明の洗浄剤組成物を使用すると、洗浄剤組成物の過剰供給を防止して自動食器洗浄機中の洗浄剤組成物の濃度を一定に保つことができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の洗浄剤組成物について、詳しく説明する。
すなわち、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機を用いて洗浄対象物の洗浄を行うための液体又は固体の洗浄剤組成物であって、
(A)ノニオン界面活性剤
(B)高分子電解質
(C)アルカリ剤
(D)キレート剤
を含み、
洗浄剤組成物が固体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の60℃での電気伝導度が1.2mS/cm以上であり、
洗浄剤組成物が液体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の60℃での電気伝導度が0.7mS/cm以上であることを特徴とする。
【0025】
ノニオン界面活性剤(A)としては、例えば、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンメチルエーテル脂肪酸エステル、及び、ポリオキシアルキレンアルキルアミンからなる群から選択される1又は2以上のノニオン界面活性剤を挙げることができる。
これらのポリマーは、泡立ちがより少なく、自動食器洗浄機に用いることに適しているためノニオン界面活性剤(A)として好ましい。
これらのノニオン界面活性剤(A)は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0026】
ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとしては、例えば、アルコールにアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)、ブチレンオキサイド(BO)等)が付加したアルコールのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
アルコールのアルキレンオキサイド付加物として好ましいものとしては、アルコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
アルコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物の例としては、下記の化学式(1)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化1】
式中、x、yはそれぞれ1以上の数であり、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数を表す。Rはアルコールの残基であるアルキル基である。RはC8〜C15のアルキル基であることが好ましい。yとxの比率(PO/EO比)はy/x=1/2以上であることが好ましく、2/3以上であることがより好ましい。また、yとxの比率(PO/EO比)はy/x=5/1以下であることが好ましく、7/2以下であることがより好ましい。
また、数平均分子量が500〜2000であるものが好ましい。
【0027】
また、アルコールのアルキレンオキサイド付加物の他の例としては、アルコールのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
アルコールのエチレンオキサイド付加物の例としては、下記の化学式(2)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化2】
式中、xは1以上の数であり、オキシエチレン基の平均付加モル数を表す。Rはアルコールの残基であるアルキル基である。RはC8〜C15のアルキル基であることが好ましい。
【0028】
また、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテルとしては、例えば、下記の化学式(3)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化3】
式中、xは1以上の数であり、オキシエチレン基の平均付加モル数を表す。xは好ましくは約5であり、Rはアルキル基であり、好ましくは、C8のアルキル基である。
【0029】
プルロニック型ブロックポリマーとしては、例えば、下記の化学式(4)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化4】
式中、x、y、x’はそれぞれ1以上の数であり、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数を表す。
特に好ましくは、数平均分子量が3500〜4500であり、オキシエチレン基の含有量が総分子量の5〜15%であるか、数平均分子量が3000〜3500であり、オキシエチレン基の含有量が総分子量の30〜50%である。
【0030】
また、リバースプルロニック型ブロックポリマーとしては、例えば、下記の化学式(5)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化5】
式中、x、y、x’はそれぞれ1以上の数であり、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数を表す。
好ましくは、数平均分子量が2000〜4000であり、オキシエチレン基の含有量が総分子量の10〜30%である。
【0031】
また、テトロニック型ブロックポリマーとしては、例えば、下記の化学式(6)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化6】
式中、x、x’x’’、x’’’、y、y’、y’’、y’’’は、それぞれ1以上の数であり、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数を表す。
好ましくは、数平均分子量が3500〜4500であり、オキシエチレン基の含有量が総分子量の5〜20%である。
【0032】
また、リバーステトロニック型ブロックポリマーとしては、例えば、下記の化学式(7)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化7】
式中、x、x’x’’、x’’’、y、y’、y’’、y’’’は、それぞれ1以上の数であり、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数を表す。
好ましくは、数平均分子量が6000〜8000であり、オキシエチレン基の含有量が総分子量の15〜30%である。
【0033】
また、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルとしては、例えば、下記の化学式(8)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化8】
式中、xは1以上の数であり、オキシエチレン基の平均付加モル数を表す。Rはアルキル基である。
特に好ましくは、xが約5であり、RがC9のアルキル基であるか、xが約7であり、RがC9のアルキル基であるか、xが約10であり、RがC9のアルキル基である。
【0034】
また、別のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルとしては、例えば、下記の化学式(9)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化9】
式中、x、yはそれぞれ1以上の数であり、オキシエチレン基又はオキシプロピレン基の平均付加モル数を表す。Rはアルキル基である。
特に好ましくは、xが約7であり、yが約7であり、RがC9のアルキル基である。
【0035】
また、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミドとしては、例えば、下記の化学式(10)で表される構造式を有するものが挙げられる。
【化10】
式中、xは1以上の数であり、オキシエチレン基の平均付加モル数を表す。Rはアルキル基である。
特に好ましくは、xが約2であり、Rがヤシ油脂肪酸残基であるか、xが約5であり、Rがヤシ油脂肪酸残基である。
【0036】
ノニオン界面活性剤(A)の含有量は、0.5重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であることがより好ましい。また、ノニオン界面活性剤(A)の含有量は、15量%以下であることが好ましく、8重量%以下であることがより好ましい。
ノニオン界面活性剤(A)の含有量が0.5重量%以上であると、好適な洗浄結果が得られる。
【0037】
(B)高分子電解質としては、ポリカルボン酸塩の塩が好ましい。具体的には、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、アクリル酸/イタコン酸共重合体、アクリル酸/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/メチルビニルエーテル共重合体、アクリル酸/オレフィン類共重合体、マレイン酸/オレフィン共重合体、マレイン酸/スチレンスルホン酸共重合体、スルホン酸/アクリル酸系共重合体又はこれらの塩が挙げられる。
塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。これらの中では、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
これらの高分子電解質(B)は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0038】
これらのなかでも、ポリアクリル酸又はその塩が好ましく、ポリアクリル酸のナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
ポリアクリル酸又はその塩の重量平均分子量は3,000〜200,000であることが好ましく、重量平均分子量が3,000〜50,000であることがより好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量及び数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。具体的には、カラムに東ソー(株)製TSKgelα−M(2本連結)、検出器に示差屈折率計を使用し、溶離液を60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lの臭化リチウムを添加したジメチルホルムアミド、標品をポリエチレングリコールとした条件にて重量平均分子量及び数平均分子量を測定する。
【0039】
高分子電解質(B)の含有量は0.6〜20重量%であることが好ましく、1〜8重量%であることがより好ましい。
(B)の含有量が上記範囲であると、すすぎ後、リンス剤を用いたリンス工程を行わないノンリンス洗浄に適した洗浄剤組成物となる。
また、ノニオン界面活性剤(A)に対する高分子電解質(B)の重量比[(B)/(A)]が5/4〜7/1であることが好ましく、5/3〜7/1であることがより好ましい。
【0040】
(C)アルカリ剤としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を用いることができ、その種類は特に限定されるものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、セスキケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム等が好ましい。また、これらのアルカリ剤の水和物であってもよい。
これらのアルカリ剤は、洗浄液中にアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンを供給するため、これらのアルカリ剤を配合すると電気伝導度の高い洗浄剤組成物とすることができる。
これらの中では水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、オルソケイ酸ナトリウム及びオルソケイ酸カリウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
また、これらのアルカリ剤(C)は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0041】
アルカリ剤(C)の含有量は、洗浄剤組成物が液体の場合は8〜20重量%であることが好ましく、固体の場合は30〜60重量%であることが好ましい。また、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのいずれかまたは両方をそれぞれ5%を超えない量含むことが好ましい。
(C)の含有量が上記範囲であると、電気伝導度を充分に高くすることができ、また、アルカリ剤の配合により油汚れに対して洗浄力の高い洗浄剤組成物とすることができる。
【0042】
(D)キレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、クエン酸及びこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)が挙げられる。
これらのキレート剤(D)は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0043】
キレート剤(D)の含有量は洗浄剤組成物が液体の場合は3〜25重量%であることが好ましく、固体の場合は15〜50重量%であることが好ましい。また、洗浄剤組成物が液体の場合は液体の場合は6〜20重量%であることがより好ましく、固体の場合は17〜40重量%であることがより好ましい。
(D)の含有量が上記範囲であると、水の硬度が高い場合に、キレート剤(D)が水中のカルシウムイオン等を捕捉することができるので、すすぎ後、リンス剤を用いたリンス工程を行わないノンリンス洗浄を行った場合でも充分な洗浄が達成される。
この効果は高分子電解質(C)とキレート剤(D)が併用されることにより特異的に発揮されるものである。
【0044】
本発明の洗浄剤組成物は、上記(A)〜(D)成分の他にその他の成分(E)として、水、工程剤としての芒硝(硫酸ナトリウム)、エタノール等のアルコール類、シリコン等の抑泡剤、消臭剤、帯電防止剤等を補助成分として、洗浄剤組成物の洗浄力、溶液安定性に支障のない範囲で適宜に配合することができる。
また、本発明の洗浄剤組成物にはリン酸塩が実質的に含まれていないことが好ましい。
【0045】
本発明の洗浄剤組成物は、固体または液体の洗浄剤組成物である。
洗浄剤組成物が固体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の60℃での電気伝導度が1.2mS/cm以上であり、1.4mS/cm以上であることが好ましく、1.5mS/cm以上であることがより好ましい。また、水1Lに固体の洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の60℃での電気伝導度が7mS/cm以下であることが好ましい。
【0046】
洗浄剤組成物が液体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の60℃での電気伝導度が0.7mS/cm以上であり、0.9mS/cm以上であることが好ましく、1.0mS/cm以上であることがより好ましい。また、水1Lに液体の洗浄剤組成物を1g溶解させた際の60℃での電気伝導度が3mS/cm以下であることが好ましい。
【0047】
固体の洗浄剤組成物を使用する場合、洗浄中の上記洗浄液の電気伝導度が1.4mS/cm以上となるように自動食器洗浄機に供給して使用することが好ましい。
また、液体の洗浄剤組成物を使用する場合、洗浄中の上記洗浄液の電気伝導度が0.9mS/cm以上となるように自動食器洗浄機に供給して使用することが好ましい。
【0048】
本発明の洗浄剤組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、上記(A)〜(D)成分及びその他の成分(E)を混合し、ミキサーを用いて撹拌する方法などによって製造することができる。
固体の洗浄剤組成物の場合は造粒、ペレット化等の処理を行い所望の形状にしてもよい。
【0049】
続いて、本発明の洗浄方法について説明する。
本発明の洗浄方法は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機を用いて洗浄対象物の洗浄を行う洗浄方法であって、上記洗浄剤組成物として本発明の洗浄剤組成物を用いることを特徴とする。
【0050】
図1は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機の一例を示す模式図である。
図1に示す自動食器洗浄機1は、洗浄剤組成物を自動供給する機構を有する洗浄剤組成物自動供給装置10と、洗浄を行う洗浄槽20を備えた装置である。洗浄剤組成物自動供給装置10からは洗浄剤組成物を洗浄槽20に供給するための洗浄剤組成物供給管40が接続されており、洗浄槽20には洗浄槽内にすすぎ水を供給するすすぎ水供給管50及び洗浄槽20からの排水を行うための排水管60が接続されている。
【0051】
洗浄槽20は、洗浄槽20の内部の洗浄剤組成物を含む洗浄液中の洗浄剤組成物の濃度を測定することができる濃度測定センサ30を備えている。
濃度測定センサ30は、洗浄液の電気伝導度を測定するセンサであり、測定した電気伝導度の信号は洗浄剤組成物自動供給装置10に送られる。
洗浄剤組成物自動供給装置10は、洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構としてのコンピュータを備えており、送られた電気伝導度の信号に基づき洗浄剤組成物の供給の要否を判断する。
【0052】
図2は、電気伝導度の信号に基づき洗浄剤組成物の供給の要否を判断する方法を説明したフローチャートである。
ステップS1は洗浄槽中の洗浄液の電気伝導度の測定であり、自動食器洗浄機の運転中、濃度測定センサ30を用い、洗浄液の電気伝導度を測定する。
【0053】
制御機構としてのコンピュータのROMには、電気伝導度と洗浄液中の洗浄剤組成物の濃度との関係を示すデータが記録されており、ステップS1で測定された電気伝導度をデータに照らし合わせて洗浄剤組成物の濃度を決定する。
また、食器等を洗浄するのに適切な洗浄剤組成物の濃度の下限値から、洗浄にとって好ましい電気伝導度の下限値が定まるが、コンピュータのROMには電気伝導度の下限値が「制御ラインA」として記録されている。
【0054】
ステップS2において、コンピュータにインストールされた電気伝導度判断手段として機能するプログラムを実行することにより、濃度測定センサにより測定した洗浄液の電気伝導度が制御ラインAより低いか否かを判断する。
【0055】
NOの場合、すなわち電気伝導度が制御ラインAと同じか、それよりも高い場合には、洗浄剤組成物を供給する必要はないが、後述する洗浄剤組成物供給処理を継続している可能性があるので、次のステップに移行し、ステップS3において、洗浄剤組成物供給処理を行なっているか否かを判断する。
【0056】
ステップS3において、洗浄剤組成物供給処理を行なっていない場合、すなわちNOの場合には、ステップS1に戻り、所定時間後に再び洗浄液の電気伝導度を測定する。
一方、YESの場合、すなわち、洗浄剤組成物供給処理を行っていると判断した場合には、ステップS4において、洗浄剤組成物供給処理を停止する。具体的には、開いている電磁弁を閉じる処理や、ポンプのモーターを止める処理を行い、洗浄剤組成物供給管40を介しての洗浄槽20への洗浄剤組成物の供給を停止する。
その後、ステップS1に戻り、所定時間後に再び洗浄液の電気伝導度を測定する。
【0057】
ステップS2においてYESの場合、すなわち電気伝導度が制御ラインAよりも低い場合には、洗浄剤組成物を供給する必要が生じるので、次のステップS5に移行する。
【0058】
ステップS5において、コンピュータにインストールされたプログラムを実行することにより、電磁弁等を駆動させ、洗浄剤組成物供給管40を介して洗浄槽20に洗浄剤組成物を供給する。
具体的には、閉じている電磁弁を開く処理や、ポンプのモーターを回す処理を行い、洗浄剤組成物供給管40を介して洗浄槽20に洗浄剤組成物を供給する。
なお、ここでいう洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物を水に予め溶解させた洗浄液として供給してもよく、洗浄剤組成物そのものを供給してもよい。また、洗浄剤組成物が固体の場合、洗浄剤組成物を水に予め溶解させた洗浄液を直接又はいったん洗浄剤組成物自動供給装置に貯蔵しておき、洗浄液を供給するようにしてもよいし、固体の洗浄剤組成物を直接洗浄槽に供給するようにしてもよい。
【0059】
その後、ステップS1に戻り、所定時間後に再び洗浄液の電気伝導度を測定する。
【0060】
上記のような手順により、本発明の洗浄剤組成物を使用して、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機を用いて洗浄対象物の洗浄を行うことができる。
【0061】
上記手順により、具体的に設定する制御ラインとしての電気伝導度の値は、洗浄剤組成物の種類や自動食器洗浄機のスペックにより任意に設定することができる。
一般的には、固体の洗浄剤組成物を用いる場合は洗浄中の洗浄液の電気伝導度が1.4mS/cm以上となるように制御ラインAを定めることが好ましく、液体の洗浄剤組成物を用いる場合は洗浄中の洗浄液の電気伝導度が0.9mS/cm以上となるように制御ラインAを定めることが好ましい。
【0062】
自動食器洗浄機の例として、
図1には洗浄剤組成物自動供給装置が洗浄機に含まれている装置を示したが、本発明の洗浄方法で使用する自動食器洗浄機としては、洗浄剤組成物自動供給装置が洗浄機の外部に後付されて備えているものでもよい。
【0063】
また、自動食器洗浄機としては、節水型の自動食器洗浄機であることが好ましい。
節水型の自動食器洗浄機としては、ドアタイプの自動食器洗浄機の場合、すすぎ水が食器の存在する通過面積3600cm
2に対し3L/サイクル以下であるものが挙げられる。また、ラックコンベアタイプの自動食器洗浄機の場合、すすぎ水が2.5L/ラック以下であるものが挙げられる。
また、1槽式コンベアタイプの自動食器洗浄機の場合、すすぎ水が3L/分以下のものが挙げられ、複槽式コンベアタイプの自動食器洗浄機の場合、すすぎ水が9L/分以下であるものが挙げられる。
上述した通り、節水型の自動食器洗浄機の場合は、洗浄剤組成物の過剰供給の問題が起こりやすいために本発明の洗浄剤組成物を用いることによって、洗浄剤組成物の過剰供給を効果的に防止することができる。
【0064】
また、本発明の洗浄方法においては、水によるすすぎ工程を行い、上記すすぎ工程の後、リンス剤を用いたリンス工程を行わずに乾燥工程を行うことが好ましい。
リンス工程を行わない洗浄方法である「ノンリンス洗浄」においては、水の硬度が高いとスケールが洗浄物に残留し、充分な洗浄が達成されない場合があるが、本発明の洗浄剤組成物は、高分子電解質とキレート剤を含んでいる。これらの成分の配合によりノンリンス洗浄においても充分な洗浄が達成される。
具体的には、すすぎ水の硬度が60mg/L以上である場合に本発明の洗浄剤組成物を使用することによる効果が顕著に発揮される。
【実施例】
【0065】
以下に本発明をより具体的に説明する実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において洗浄剤組成物の調製に使用した原料は以下のとおりである
(A)ノニオン界面活性剤
界面活性剤(1):「プルラファックLF403」BASFジャパン(株)製、アルコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物、PO/EO比1/1、純分100%
界面活性剤(2):「アデカノールB722」(株)ADEKA製、アルコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物、PO/EO比5/3、純分100%
界面活性剤(3):「アデカノールBO901」(株)ADEKA製、アルコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物、PO/EO比1/10、純分100%
(B)高分子電解質
高分子電解質(1):「ソカランPA25CLG」BASFジャパン(株)製、ポリアクリル酸ナトリウム、Mw=4,500、樹脂純分92重量%
高分子電解質(2):「アキュゾール460N」ダウ・ケミカル製、マレイン酸/オレフィン共重合体、Mw=10,000、樹脂純分25重量%
高分子電解質(3):「アロンA−6019N」東亜合成(株)製、スルホン酸/アクリル酸系共重合体、Mw=100,000、樹脂純分25重量%
(C)アルカリ剤
水酸化ナトリウム:「トーソーパール」東ソー(株)製
水酸化カリウム:「水酸化カリウム」日本曹達(株)製
オルソケイ酸ナトリウム:「オルソケイ酸ナトリウム80」:日本化学工業(株)製
メタケイ酸ナトリウム5水塩:(株)ADEKA製
ケイ酸ナトリウム3号:日本化学工業(株)製
炭酸ナトリウム:(株)トクヤマ製
(D)キレート剤
NTA−3ナトリウム:「トリロンA92R」BASFジャパン(株)製
EDTA−4ナトリウム:「トリロンBパウダー」BASFジャパン(株)製
GLDA−3ナトリウム:「ディゾルビンGL−PD−S」アクゾノーベル(株)製
クエン酸3ナトリウム:扶桑化学工業(株)製
(E)その他の成分
芒硝:四国化成工業(株)製
水:人工水道水
表1〜3における各原料の配合量は、いずれの原料についても配合重量%で表示している。
【0066】
[洗浄液の電気伝導度測定と濃度制御試験]
(実施例1、2、比較例1、2)
表1に示すように洗浄剤組成物の原料を混合し、各実施例及び比較例に係る洗浄剤組成物を調製した。
実施例1及び比較例1で調製した洗浄剤組成物は液体であり、実施例2及び比較例2で調製した洗浄剤組成物は固体である。
これらの洗浄剤組成物につき、洗浄液の電気伝導度の測定と、自動食器洗浄機において濃度制御試験を行った。
【0067】
[電気伝導度の測定]
液体の洗浄剤組成物(実施例1及び比較例1)については水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させて洗浄液を調製し、固体の洗浄剤組成物(実施例2及び比較例2)については水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させて洗浄液を調製した。
各洗浄液の電気伝導度を堀場製作所製 D54 Navi hを用いて液温60℃で測定した。
電気伝導度の測定結果を表1に示した。
【0068】
[濃度制御試験]
自動食器洗浄機(ホシザキ電気製 食器洗浄機DWE680A)に、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御装置を取り付け、洗浄液中の洗浄剤組成物の濃度下限が、固形の洗浄剤組成物であれば0.5g/L以上、液体の洗浄剤組成物であれば1g/L以上となるように制御する制御機構を稼働させて洗浄試験を15分間行った。
洗浄液の電気伝導度をモニターすることにより、洗浄試験中の洗浄剤組成物の濃度をモニターして、洗浄試験中に測定された洗浄剤組成物の濃度の上限値(最大値)と下限値(最小値)を求め、その比率を表1に示した。
表1に示した(濃度上限/濃度下限)の比率が小さいほど、洗浄試験中の洗浄剤組成物の濃度が一定に保たれているといえる。
【0069】
【表1】
【0070】
表1からは、洗浄液の電気伝導度の高い実施例1、2の洗浄剤組成物を使用すると、比較例1、2の洗浄剤組成物に比べて洗浄試験中の洗浄剤組成物の濃度の(濃度上限/濃度下限)の比率が小さくなることが分かる。このことから、実施例1、2の洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機に適した組成であるといえる。
【0071】
[洗浄性試験、速乾性試験、抑泡性試験、スケール付着防止試験]
(実施例1〜13、比較例1〜6)
表2及び表3に示すように洗浄剤組成物の原料を混合し、各実施例及び比較例に係る洗浄剤組成物を調製した。
表2に示す実施例1、3〜10及び比較例1、3、4で調製した洗浄剤組成物は液体であり、表3に示す実施例2、11〜13及び比較例2、5、6で調製した洗浄剤組成物は固体である。
これらの洗浄剤組成物につき、上述した方法により洗浄液の電気伝導度を測定し、さらに、洗浄性試験、速乾性試験、抑泡性試験、スケール付着防止試験を行った。
【0072】
[洗浄性試験]
各実施例及び比較例に係る洗浄剤組成物を用いて、食器洗浄性評価試験を以下のようにして行った。
(1)サンプルの前処理工程
東洋佐々木ガラス製の強化グラス(170mL)と、ポリプロピレン製の箱状プラスチック食器(長さ170mm×幅115mm×深さ30mm)を準備した。
グラスは、アルカリ性の洗浄剤を用いてスポンジでこすり洗いし、水ですすぎ洗いしたあと乾燥させた。
プラスチック食器は、中性の洗浄剤を用いてスポンジでこすり洗いし、水ですすぎ洗いしたあと乾燥させた。
(2)汚垢(混合食品汚れ)調製工程
汚垢材料として、小麦粉、牛乳、鶏卵、バターおよび天ぷら油を用意した。小麦粉10gを精製水90g中に加えて撹拌し、これを加熱して80〜90℃の温度に10分間保つことにより小麦粉を糊化させた。
得られた糊化水溶液を常温にまで放冷した。
牛乳、鶏卵、バターおよび天ぷら油をそれぞれ20gずつ順に同一のビーカーに入れて混合することにより混合材料を作成した。
この混合材料中に糊化水溶液20gを加え、20〜30℃の温度下、混ぜて均一にした。
(3)汚垢塗布工程
グラスと、プラスチック食器に対して、約1gの汚垢材料を丸筆を使って塗布したものを被洗浄食器とした。
(4)自動洗浄工程
次に、各実施例および各比較例で製造した洗浄剤を使用し、自動食器洗浄機により被洗浄食器を洗浄した。
自動食器洗浄機としては、45L容量の洗浄タンクを備えるホシザキ電気製JW−650UF型の自動食器洗浄機を使用した。
この自動洗浄工程は、具体的には次のようにして行った。
まず、自動食器洗浄機の洗浄タンク内に洗浄用水(水温58±3℃)を給水し、洗浄用水中に各実施例及び比較例に係る洗浄剤組成物を加えた。洗浄剤組成物は液体の場合は90g、固体の場合は40gを加えた。
さらに、洗浄液に汚垢10gを加えた。
さらに、洗浄液に塩化カルシウム2水和物を加えた。洗浄液の全硬度は水道水がもともと有していた硬度とあわせ、65ppmとなる。
洗浄動作による予備混合を1分行い、洗浄剤組成物を洗浄液中に均一に溶解、分散させた。
被洗浄食器としてグラスとプラスチック食器各1個とを、開口部を下向きにしてラック上にセットした。
次に、洗浄液の噴射による洗浄工程を1分間行い、続いて、80±4℃のすすぎ湯水を噴射することによるすすぎ洗いを8秒間行った。
食器洗浄性の評価は、目視で食器を観察することにより行い、汚垢が落ちているか否かおよび汚垢が落ちている程度を確認することにより判定した。
洗浄性試験の評価基準は以下のとおりである。
◎:グラス、プラスチック食器ともに、汚垢の残留が確認されない
○:グラス、プラスチック食器のいずれかまたは両方で、汚垢がわずかに残っている。
△:グラス、プラスチック食器のいずれかまたは両方で、汚垢が多く残っている。
×:グラス、プラスチック食器のいずれかまたは両方で、汚垢がかなり多く残っている。
表2及び3には、各実施例及び比較例における洗浄性試験の結果を示した。
【0073】
[速乾性試験]
(1)サンプルの前処理工程
[洗浄性試験]と同様に、グラスを前処理した。
(2)汚垢(コーヒー・乳成分汚れ)調製工程
汚垢材料として、コーヒー・乳成分混合汚れを用意した。
市販のインスタントカプチーノ(ネスカフェ・ゴールドブレンド・インスタントカプチーノ)1gに70℃のお湯を加えて混ぜ、均一にした。
(3)汚垢塗布工程
グラスに対して、約0.3gの汚垢材料を丸筆を使って塗布したものを被洗浄食器とした。
(4)自動洗浄工程
次に、各実施例および各比較例で製造した洗浄剤を使用し、自動食器洗浄機により被洗浄食器を洗浄した。
自動食器洗浄機としては、45L容量の洗浄タンクを備えるホシザキ電気製JW−650UF型の自動食器洗浄機を使用した。
この自動洗浄工程は、具体的には次のようにして行った。
まず、自動食器洗浄機の洗浄タンク内に洗浄用水(水温58±3℃)を給水し、洗浄用水中に各実施例及び比較例に係る洗浄剤組成物を加えた。洗浄剤組成物は液体の場合は45g、固体の場合は25gを加えた。
さらに、洗浄液に、洗浄性試験で使用したものと同じ種類の汚垢(混合食品汚れ)10gを加えた。
さらに、洗浄液に塩化カルシウム2水和物を加えた。洗浄液の全硬度は水道水がもともと有していた硬度とあわせ、65ppmとなる。
洗浄動作による予備混合を1分行い、洗浄剤組成物を洗浄液中に均一に溶解、分散させた。
被洗浄食器としてグラスを、開口部を下向きにしてラック上にセットした。
次に、洗浄液の噴射による洗浄工程を50秒間行い、続いて、80±4℃のすすぎ湯水を噴射することによるすすぎ洗いを7秒間行った。
速乾性の評価は、目視で食器を観察することにより行い、洗浄終了から10分後にグラス表面に付着している水滴の数を確認することにより判定した。
速乾性試験の評価基準は以下のとおりである。
○:15個以下
△:15個を超え25個以下
×:25個超
表2及び3には、各実施例及び比較例における速乾性試験の結果を示した。
【0074】
[抑泡性試験]
[洗浄性試験]において、洗浄用水中に洗浄剤組成物を加え、洗浄動作による予備混合を1分行った直後に、ドアを開けて物差しにて泡立ちの高さを、動作音にてポンプのエアがみを確認した。
抑泡性試験の評価基準は以下のとおりである。
○:泡立ちが10mm以下で、ポンプのエアがみ音が認められない
△:泡立ちが10mm超だが、ポンプのエアがみ音は認められない
×:ポンプのエアがみ音が認められる
表2及び3には、各実施例及び比較例における抑泡性試験の結果を示した。
【0075】
[スケール付着防止試験]
(1)サンプルの前処理工程
ステンレス製ビーカー(容量250mL)を準備した。
ステンレス製ビーカーは、酸性の洗浄剤を用いてスポンジでこすり洗いし、水ですすぎ洗いしたあと乾燥させた。
(2)人工高硬度水の調整
脱イオン水に塩化カルシウム2水和物5.88gと塩化マグネシウム6水和物4.06gを溶かし、4Lの溶液を調製して人工高硬度水とした。この人工高硬度水の全硬度は、炭酸カルシウム濃度に換算して1500mg/L(=1500ppm)である。
(3)試験液の調製
試験液として、各成分を下記のように含むように、200g調製した。
各実施例及び比較例に係る洗浄剤組成物を、液体の場合は0.1%、固形の場合は0.05%含むようにした。
人工高硬度水を21g添加した。これにより200gの試験液中に160ppmの全硬度が追加されることになる。試験液の調製には、全硬度40ppmの水道水を用いたため、試験液の全硬度は約200ppmとなる。
市販のケイ酸3号水溶液((株)ADEKA製、純度38%)の0.02%希釈液を調製する。この液155gを200g中に含むようにする。これにより、二酸化ケイ素として60ppmが追加されるようにした。
炭酸水素ナトリウム(旭硝子(株)製)2.54gを1Lに溶かし、30mM水溶液を調製する。この液10gを200g中に含むようにする。これにより、炭酸イオン1.5mMが追加されるようにした。
(4)試験液の加熱工程
(3)で調合した試験液をステンレス製ビーカーに入れ、85℃で5時間加熱した。
5時間経過後は一晩かけて常温に戻した。
試験液を捨て、ステンレス製ビーカーを逆さ向けにして自然乾燥した。
スケール付着防止性の評価は、目視でステンレス製ビーカーを観察することにより行い、ビーカーの内壁に付着物が付いている程度を確認することにより判定した。
スケール付着防止試験の評価基準は以下のとおりである。
○:スケールの付着は認められないか、きわめて微量である
△:スケールが多く付着している
×:スケールがかなり多く付着している。
表2及び3には、各実施例及び比較例におけるスケール付着防止試験の結果を示した。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
各実施例の洗浄剤組成物は、液体の洗浄剤組成物の場合は電気伝導度が0.7ms/cm以上となっており、固体の洗浄剤組成物の場合は電気伝導度が1.2ms/cm以上となっている。
表1に示した濃度制御試験の結果を踏まえると、各実施例の洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物を含む洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機に適した組成であるといえる。
【0079】
また、表2及び表3に示したように各実施例の洗浄剤組成物は、いずれの評価項目も×となっている項目がなく、バランスのよい洗浄剤組成物である。評価結果が△となっている項目があってもその数は1つである。
【0080】
表2を参照して更に詳細に各実施例の結果を対比すると、成分比(B)/(A)が異なる実施例4と5では成分比(B)/(A)が5/4〜7/1に入っている実施例4では洗浄性試験の結果がより高くなっている。
また、高分子電解質としてポリアクリル酸ナトリウム塩を使用している実施例1〜7、10では、他の高分子電解質を使用している実施例8、9と比較して速乾性試験の結果が優れている。
また、ノニオン界面活性剤としてアルコールのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物であり、PO/EO比が1/2以上であるものを使用している実施例1〜9では、PO/EO比が1/2未満であるものを使用している実施例10と比較して抑泡性試験の結果が優れている。
【0081】
一方、各比較例の洗浄剤組成物は、本願発明の発明特定事項のいずれかを充足しないため評価結果が×となっている評価項目がある、または、評価結果が△となっている評価項目が複数箇所ある。そのため、自動食器洗浄機用の洗浄剤組成物として好ましくない。
【解決手段】洗浄液の電気伝導度をモニターして洗浄剤組成物の供給の要否を判断する制御機構を備えた自動食器洗浄機1を用いて洗浄対象物の洗浄を行うための液体又は固体の洗浄剤組成物であって、(A)ノニオン界面活性剤、(B)高分子電解質、(C)アルカリ剤、(D)キレート剤を含み、洗浄剤組成物が固体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を0.5g溶解させた際の60℃での電気伝導度が1.2mS/cm以上であり、洗浄剤組成物が液体の場合、水1Lに洗浄剤組成物を1g溶解させた際の60℃での電気伝導度が0.7mS/cm以上である。