(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
当該送信装置は、前記1以上のデータフローのデータパケットと、前記1以上のデータフローの受信したデータパケットを処理するため当該送信装置により利用されるプライオリティファンクションに関する情報とを受信装置に通信するよう構成される、請求項3記載の送信装置。
前記通信システムは、受信したデータパケットに少なくとも部分的に基づき情報を表示するため、受信装置に接続されるディスプレイを有する、請求項1記載の送信装置。
前記プライオリティファンクションにより設定された最大値と最小値との間のサイズを有するデータパケットに最も高いプライオリティを割り当てるステップを有する、請求項9記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
各種実施例は、一般に様々な有線又は無線通信媒体を介しデータパケットを通信するよう設計される通信システムに関する。いくつかの実施例は、例えば、IETF(the Internet Engineering Task Force)などにより規定される1以上のプロトコルなどのデータを送信するための異なる通信プロトコルを利用した無線通信を利用してもよい。
【0005】
各種実施例は1以上の要素を有する。ある要素は特定の処理を実行するよう構成される何れかの構成を有する。実施例が特定の構成の限定数の要素により説明されるが、当該実施例は、所与の実現形態について所望されるような他の構成ではより多くの又は少ない要素を含むものであってもよい。“一実施例”又は“ある実施例”という表現は、当該実施例に関して説明される特定の特徴、構成又は特性が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味していることに留意することが重要である。明細書の様々な個所における“一実施例では”という表現の出現は、必ずしもすべてが同一の実施例を参照しているとは限らない。
【0006】
図1は、通信システム100の一実施例のブロック図を示す。
図1に示されるように、通信システム100は、リンク108−mを介し複数のノード104−nと通信するネットワーク102を有し、m及びnは任意の正の整数を表す。各種実施例では、ノード104−nは、様々なタイプの無線装置として実現されてもよい。しかしながら、いくつかの実施例では、ノード104−nの何れかは有線リンクを介しネットワーク102にリンクされる有線装置であってもよい。無線(又は有線)装置の具体例は、限定することなく、ステーション、加入者ステーション、基地局、無線アクセスポイント(AP)、無線クライアント装置、無線局(STA),ラップトップコンピュータ、ウルトララップトップコンピュータ、ポータブルコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートブックPC、携帯コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、携帯電話/PDAの組み合わせ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ページャ、メッセージング装置、メディアプレーヤー、デジタル音楽プレーヤー、セットトップボックス(STB)、アプライアンス、ワークステーション、ユーザ端末、モバイルユニット、家電機器、テレビ、デジタルテレビ、高品位テレビ、テレビ受信機、高品位テレビ受信機などを含むものであってもよい。
【0007】
いくつかの実施例では、通信システム100の多数の装置が無線通信プロトコルとインターネット通信プロトコルとの組み合わせを用いて互いに通信する。いくつかの実施例では、ネットワーク102は、インターネットの一部であってもよい。いくつかの実施例では、ノード104−nの何れかは、それの処理が後述される送信装置又は受信装置として機能する。いくつかの実施例では、ネットワーク102内のルータであってもよい装置110は、1以上のノード104−nをリンクし、送信装置として機能する。通信システムのいくつかの実施例は、改訂、後継及び変形を含むIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.16(WiMAX)、IEEE802−20、evolved UTRA(E−UTRA)などの無線技術により実現されてもよい。IEEE802.16mは、IEEE802.16eの進化形であり、IEEE802.16ベースシステムとの後方互換性を提供する。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)のLTE(Long Term Evolution)は、E−UTRAを利用してevolved UMTS(E−UMTS)の一部である。LTE−Advanced(LTE−A)は、3GPP LTEの進化形である。他の無線技術がまた通信システム100において利用可能であり、実施例はこれらの具体例に限定されるものでないことが理解されてもよい。
【0008】
各種実施例では、データパケットを送受信する技術は、データフローによるデータの送信に関する。以降に用いられる“データフロー”は、1以上のデータパケットを含み、5項識別子(トランスポートプロトコル、ソースアドレス、ソースポート番号、デスティネーションアドレス及びデスティネーションポート番号)などのフロー識別子により一意的に識別される2つのアプリケーション(送信装置及び受信装置など)の間の一方向のデータストリームを表す。“送信装置”という用語は、データネットワーク(インターネットなど)及び/又は無線通信リンクを介しデータフローを送信するよう構成される装置を表す。“受信装置”という用語は、データネットワーク(インターネットなど)及び/又は無線通信リンクを介しデータフローを受信するよう構成される装置を表す。従って、各種実施例では、双方の装置が送信機/受信機(送受信機)又はラジオを任意的に含むものであってもよいが、送信装置は、少なくとも無線送信機又はラジオを含み、受信装置は、少なくとも無線受信機又はラジオを含む。これらの実施例は、これに関するものに限定されない。
【0009】
図2は、ネットワーク102を介しリンクされる送信装置110と受信装置112との間の通信を示す一実施例を示す。送信装置110及び/又は受信装置112は、上述される無線通信を用いて通信するよう構成される。さらに、送信装置110は、TCP/IP(Transport Control Protocol/Internet Protocol)及び/又は単に“UDP”としても後述されるUDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)などのIETFプロトコルを用いて受信装置112にデータを送信するよう構成される。送信装置110及び受信装置112は、音声データパケット118及びビデオデータパケット116を含むものであってもよいデータストリーム114を介し互いに通信してもよい。例えば、送信装置110は、音声データパケット118が送信装置110と受信装置112との間で定期的に送信される電話(VOIP)コールにより受信装置112にリンクしてもよい。
図2に示される実施例では、音声データパケット118に加えて、送信装置110は、ビデオデータパケット116を受信装置112に送信するよう構成される。装置110、112がまた他のタイプのデータパケットを通信してもよく、これらの実施例はこれに関して限定されないことが理解されてもよい。
【0010】
いくつかの実施例では、送信装置112は、ここで説明される機能を一緒になって提供する1以上の集積回路チップを有するパケット処理装置132を有する。例えば、パケット処理装置132は、1以上のプロセッサとメモリ(図示せず)とを有してもよい。送信装置は、データパケットを無線送信する無線送受信機(図示せず)を有し、いくつかの実施例では、パケット処理装置132を有する送信機134を有する。受信装置112がディスプレイ(図示せず)を有する場合、ディスプレイはビデオデータパケット116に基づくビデオコンテンツのストリーミングを示す。受信装置112は、送信装置110から送信されるユーザストリーミング音声及びビデオを同時に提供してもよい。
【0011】
特に、音声データパケット118及びビデオデータパケット116は、ネットワーク102を介しデータフロー系列により送信されてもよい。
図2は、任意数のデータフローが装置110、112により利用されてもよいが、送信装置110から送信される2つのデータフロー120、122のパッケージ化を示す。
図2に示されるように、送信装置110は、データフロー120、122を送信装置110のバッファ124に格納するためキューに配置してもよい。バッファ124からのデータは、受信装置112への送信のため、送信機134に転送されてもよい。例えば、いくつかの動作状態下では、データフロー120、122などのデータフローの音声及びビデオデータパケットが、各自のプライオリティP1及びP0に従って異なる方法によりバッファ124から送信機134に送信されてもよい。データパケット116、118がUDPデータパケットである実施例では、特定の状態下では、データパケット116、118は、送信装置110と受信装置112との間のリアルタイム音声及びビデオ通信を可能にするため、ストリーミング形式により再生されるため、受信装置112に送信される。他の状態下では、音声データパケット118は、以下でさらに説明されるように、優先的に送信されてもよい。
【0012】
各種実施例では、バッファ124から送信機134に転送されるデータパケットのプライオリティは、個々のデータフロー内のデータパケットが優先順位付けされるように構成されるパケットサイズベース優先順位付け装置128により制御される。例えば、装置のバッファ124は、データトラフィック輻輳がネットワークに生じているときなど、各種の状況下でオーバフローするかもしれない。オーバフロー状態下では、バッファ124に送信されるデータフロー内のパケットは、より高いプライオリティを有するとみなされるデータパケットが送信機134に転送され、より低いプライオリティを有するとみなされるデータパケットが破棄されるか、又はキューにおいて抑えられるように、データパケットタイプに従って分類されてもよい。このようにして、送信装置110内のリソースは、より高い優先度のパケットのため確保されてもよい。
図2に示される実施例では、プライオリティマッピングファンクション130が、データフロー内のデータパケットが優先順位付けされるため、パケットサイズベース優先順位付け装置128に供給される。後述されるように、いくつかの実施例では、プライオリティマッピングファンクション130は、送信装置110に予め格納されてもよい。プライオリティマッピングファンクション130は、データパケットのサイズ又はサイズレンジなどにより、複数のファクタに基づきデータパケットのプライオリティを指定してもよい。
【0013】
各種実施例では、音声データパケット118などの第1タイプのデータパケットのサイズは、プライオリティマッピングファンクション130により示される所与のプライオリティに対応する特定値又は特定値のレンジに設定される。一例では、プライオリティマッピングファンクション130は、サイズレンジセットのデータパケットの最も高いプライオリティを確立する。送信装置110は、プライオリティマッピングファンクション130により設定される最も高いプライオリティに対応する適切なサイズを有する最も高いプライオリティを受信するためデータパケットを供給する。従って、最も高いプライオリティのデータパケットがバッファ124に受信されると、これらのデータパケットは最も高いプライオリティを有すると認識され、処理のため転送される。最も高いプライオリティに適したサイズを有しない他のデータパケットは破棄又は遅延される。
【0014】
上記のように、送信装置110のバッファ124は、データパケットのサイズに従って最も高いプライオリティを有するデータフロー内のデータパケットを認識及び優先順位付けする。一例では、VOIP通話では、音声データは、最も高いプライオリティを有するとみなされ、プライオリティマッピングファンクション130に従って最も高いプライオリティに対応するサイズのパケットに配置されてもよい。音声データパケット118より低いプライオリティを有するとみなされるビデオデータパケット116は、プライオリティマッピングファンクション130に従ってより低いプライオリティに対応するサイズのデータパケットに構成されてもよい。このようにして、VOIP通話中の音声伝送のインテグリティは、必要に応じてビデオデータパケット116を選択的に破棄又は保持するようバッファ124を制御可能なパケットサイズベース優先順位付け装置128により保持されてもよい。
【0015】
いくつかの実施例では、バッファ124に格納されるデータが閾値を下回るとき、最も高いプライオリティ(P1)を有するとみなされるデータパケットは、送信機134に転送するためのキューの前方に配置され、より低いプライオリティ(P0)を有するデータパケットは、最も高いプライオリティのデータパケットがバッファ124から送信された後にのみ転送するためキューの後方に配置される。従って、一例では、ビデオデータパケット116は、処理/破棄/保持キュー136に配置され、すべての音声データパケットが送信機134に送信された後にのみ送信機134に転送される。格納されているデータが、例えば、輻輳状態などの下でバッファ124において閾値を超過しているとき、P0データは、データオーバフローを回避するためバッファ124から破棄されてもよい。他方、データ輻輳がない状況の下では、ビデオデータパケットと音声データパケットとの双方がストリーミング形式により再生されるように受信装置112に送信されるように、ビデオデータパケットは、タイムリーに送信機134に転送されてもよい。
【0016】
上述されるように、各種実施例では、パケット・サイズ・ツー・プライオリティ(PSTP)マッピングファンクションが、送信機134又は送信装置110の他の便利な場所などにおいて、送信装置110に格納されてもよい。PSTPは、何れか便利な構成に従って定義されてもよい。例えば、データフローにより通信される音声データパケットにおいて典型的に検出されるものに対応するサイズ範囲を有するデータパケットにより高いプライオリティを割り当てることが所望されてもよい。一例では、PSTPマッピングファンクションfは、以下のように定義されてもよい。データパケットiのプライオリティp
iは、f(s
i’)=p
iとなるように、データパケットiのサイズs
i’の関数として定義されてもよい。いくつかの実施例では、データパケットプライオリティは、最も高いプライオリティを示す2つのレベルP−1(又は1)と、最も低いプライオリティを示すP−0(又は0)を有してもよい。データパケットが2つのデータパケットプライオリティレベルにグループ化されるいくつかの実施例では、データパケットプライオリティは、以下に従って決定されてもよい。
【0017】
【数1】
ただし、S
maxは所定の最大パケットサイズを表し、S
minは所定の最小パケットサイズを表す。一例では、S
minは0に設定されてもよく、この場合、サイズS
maxを下回るすべてのデータパケットは、プライオリティ1に割り当てられ、S
maxを上回るサイズのすべてのデータパケットは、プライオリティ0に割り当てられる。このPSTPマッピングファンクションは、異なるタイプのデータパケットが異なるサイズ範囲に入る傾向があるケースにおいて、データパケットを優先順位付けするのに有用な方法を提供してもよい。
【0018】
図3は、S
max=8の実施例による当該PSTPマッピングファンクションの処理を示す。図示される例では、データパケット302は、1〜10のサイズ又はそれ以上のサイズで可変であってもよく、当該サイズ数は便利なサイズに対応してもよい。例えば、サイズ“1”は1バイトに対応し、“2”は2バイトに対応するなどである。データパケットは、各データパケットにプライオリティを割り当てるため、上記の式(1)により定義されるPSTPマッピングファンクションを適用するパケットサイズベース優先順位付け装置128などの装置により処理されてもよい。サイズ“4”を有するデータパケット302aについて、対応するプライオリティ304aはP−1である。同様に、サイズ“7”を有するデータパケット302bは、P−1であるプライオリティ304bを受信する。しかしながら、サイズ“9”を有するデータパケット302cは、ゼロのプライオリティを受信する。
【0019】
データパケットが複数のデータパケットプライオリティレベルにグループ化される他の実施例では、データパケットには、モジュロー演算の剰余に従って複数のプライオリティレベルのあるプライオリティが割り当てられてもよい。各種実施例では、モジュロー演算は、mod(s
i’,P)の形式をとり、Pはプライオリティレベルの個数を表し、モジュロー演算は、プライオリティレベルの個数によるデータパケットサイズの除算後の剰余を生成する。従って、例えば、パケットサイズ=7であり、プライオリティレベルの個数が3である場合、mod(s
i’,P)関数はmod(7,3)=1となる。従って、3プライオリティレベルシステムのサイズ7のデータパケットは、P−1プライオリティを受け取る。
【0020】
複数のプライオリティレベルを割り当てる一実施例では、データパケットプライオリティは、以下に従って決定されてもよい。
【0021】
【数2】
ただし、Pはプライオリティレベルの個数を表し、xは初期的なオフセットを表し、すなわち、
【0023】
図4は、P=4,x=0,S
min=0,S
max=8である実施例による当該PSTPマッピングファンクションの処理を示す。PSTPマッピングファンクションに従って受信及び処理されるパケット306は、図示されるように、1〜10又はそれ以上の範囲のサイズs
i’を有してもよい。サイズ“1”を有するパケット306aは、最も高いプライオリティレベルP−1(“1”)に対応するプライオリティ308aを受け、サイズ“3”を有するパケット306bは、プライオリティレベル“3”に対応するプライオリティ308bを受ける。サイズ“4”を有するパケット306cは、最も低いプライオリティレベル“0”に対応するプライオリティ308cを受ける。サイズ“5”を有するパケット306dは、最も高いプライオリティレベルP−1に対応するプライオリティ308dを受ける。サイズ“8”を有するパケット306eは、最も低いプライオリティレベル“0”に対応するプライオリティ308eを受ける。S
maxを上回るサイズ“9”を有するパケット306fはまた、最も低いプライオリティレベル“0”に対応するプライオリティ308fを受ける。
【0024】
複数のプライオリティレベルが異なるデータパケットに割り当てられることを可能にすることに加えて、当該PSTPマッピングファンクションは、所望のデータパケットのサイズが実質的に可変であるケースにおいて、所望のデータタイプのデータパケットの高プライオリティグループへのグループ化を実現するのに有用である。例えば、より低いプライオリティに割り当てられるビデオデータパケットが、より小さな及びより大きな音声データパケットの初期的なサイズの間の中間のサイズ範囲を有するように、VOIP通話における音声データパケットは、有意な範囲においてサイズが可変的であってもよい。音声データパケットなどのデータフローにおいて最も重要であるとみなされるデータパケットに送信装置によって最も高いプライオリティが付与されることを確実にするため、重要なデータパケットのサイズは初期的なサイズから調整されてもよい。このようにして、音声データパケットの初期的なサイズが可変的であってもよいため、音声データパケットのサイズは、受信したデータパケットを優先順位付けするのに利用されるPSTPマッピングファンクションにより与えられる最も高いプライオリティサイズ範囲に対応するよう調整されてもよい。これは、後述されるように、送信装置により利用されるパケット生成制御機能を用いて実現されてもよい。
【0025】
図5は、さらなる実施例による受信装置112へのデータの送信前に送信装置110により利用されるデータパケットサイズベース優先順位付けの態様を示す。送信装置110は、1以上の異なるPSTPマッピングファンクションをパケット生成制御(PGC)装置512に適用するパケット・サイズ・ツー・プライオリティマッピングエンジン502を有する。いくつかのケースでは、エンジン502は、PGC装置512の一部であってもよい。各種実施例では、PGC装置512は、所望の優先順位付け方式に従ってデータパケットのサイズを操作してもよい。例えば、送信装置110と受信装置112との間で通信されるユーザデータグラムプロトコル(UDP)データパケットのサイズは、受信装置によってデータパケットの優先順位付けを実現するよう制御される。
【0026】
図5に示される一例では、通信セッション中、PGC装置512は、第1パケット・サイズ・ツー・プライオリティマッピングファンクション(PSPF)に従って処理される受信装置112への送信用の複数のUDP音声データパケット510を受信してもよい。いくつかの実施例では、音声データパケット510のサイズは、PSPF504及びパケット生成制御機能(PGCF)530に従って調整されてもよい。PGCF530は、例えば、適用される初期的なデータパケットサイズ、データパケットのタイプ及び所与のPSPFに基づき、所与のデータパケットのサイズの調整量などを決定してもよい。
図5において、PSPF504は、タブ形式により示され、調整されたデータパケットサイズを表すそれらのサイズs
iの関数としてデータパケットのプライオリティp
iを提供する。PGC装置112が音声データパケット510を受信するとき、それは、音声データパケットがP−1として分類されるべきであると認識する。その後、PGC装置512は、音声データパケット510の各データパケットの初期的なサイズを決定する。PSPF504に基づき、PGC装置512は、各音声データパケットの調整されたサイズがP−1プライオリティに対応するサイズビン(範囲)内に入るように、必要に応じて各音声データパケットのサイズを調整するためPGCF530を適用する。
【0027】
一実施例では、PCGF530は、受信したデータパケットがデータパケットのタイプ及び適用されるPSPFに従って所望のサイズ範囲内にあることを保障するため、最小数のビットが追加されるべきであることを指定してもよい。しかしながら、追加的な実施例によると、他の機能が可能である。例えば、“12”のサイズを有するデータパケット510aは、PSPF504に従ってP−1プライオリティが付与される“10−19”のサイズビン内に属する。従って、PGC装置512は、初期的な音声データパケット510aのサイズへの調整を反映しないデータパケット514aを出力してもよい。データパケット510bは、PSPF504に従って“0”の最も低いプライオリティが付与される“45”の初期的なサイズを有する。従って、PGC装置512は、音声データパケット510aと同じP−1プライオリティが付与されるように、音声データパケット510bのサイズが調整されるべきであることを認識する。これを実現するため、PGC装置512は、45のデータ“ペイロード”サイズ及び5の“バランス”サイズを反映するした“50”のサイズを有する調整された音声データパケット514bが出力されるように、音声データパケット510bのサイズを“5”だけ増加する。これは、サイズ“5”のエンプティビットを初期的な音声データパケット510bに加えることによって、実現されてもよい。“50”の調整されたサイズは、プライオリティP−1に対応するサイズビンに属し、音声データパケット514bが受信装置により受信されると、それが高いプライオリティを有すると認識されるようにしてもよい。
【0028】
データパケット510cは、データパケット514cがサイズの調整なく出力され、PSPF504により規定されるように、P−1プライオリティを有するとして依然として認識されるように、“50”の初期的サイズを有する。データパケット410dは、PSPF504に従って“0”の最も低いプライオリティが付与される“8”の初期的サイズを有する。従って、PGC装置512は、音声データパケット510dのサイズが、他の音声データパケットと同じP−1のプライオリティが付与されるように調整されるべきであると認識する。これを実行するため、PGC装置512は、“10”のサイズを有する調整された音声データパケットが出力されるように、“2”だけ音声データパケット510dのサイズを増加してもよい。“10”の調整されたサイズは、P−1のプライオリティに対応する“10−19”サイズビンに属し、これにより、音声データパケット514dが受信装置により受信されるとき、それは高いプライオリティを有するとして認識されるようになる。最後に、データパケット510eは、“52”の初期的サイズを有し、データパケット514eは、サイズの調整なしに出力され、PSPF504により規定されるように、P−1のプライオリティを有するとして依然として認識されるようにしてもよい。
【0029】
上記のようにして、所望のプライオリティが付与される音声データパケットのサイズは、最小のオーバヘッドにより調整可能である。従って、初期的なサイズがP−1に対応する範囲に属さないデータパケットのみが追加されるビットを有し、いくつかの実施例では、トータルの追加されるビットは、所望のプライオリティ範囲内に対象となるデータパケットの調整されたサイズをおくのに必要な最小サイズに対応するものであってもよい。さらに、初期的なデータパケットサイズにおける典型的な変形を反映する分離されたサイズ範囲においてP−1ビンを確立することによって、PSPF504は、高いプライオリティが付与されるデータパケットが高プライオリティサイズ範囲内又は近傍のサイズを有することを保障し、これにより、所望されるすべてのデータパケットが適切なプライオリティの扱いを受けることを依然として保障しながら、PGC装置512により追加されるエンプティビットの数を最小化する。
【0030】
その後、調整された音声データパケット514は、追加的なデータパケットを有するデータフロー516のバッファ540に送信されてもよい。プライオリティ認識制御装置(PRC)520は、データフロー516のデータパケットを異なるプライオリティレベルに処理するようバッファ540を制御する。各種実施例では、PRC520は、パケットサイズベース優先順位付け装置として機能する。パケットサイズベースの優先順位付けは、調整された音声データパケット514を生成するのに用いられる同一のPSPF504に基づくものであってもよい。いくつかの実施例では、PSPF504は、送信装置110と受信装置112との間の一方向又は双方向メッセージ518において選択され、当該メッセージは、適切なプライオリティマッピングファンクションをネゴシエートするのに利用されてもよい。いくつかの実施例では、PSPF504及び任意的な追加的機能(第2PSPF2 522を参照)が、送信装置110のメモリ524にローカルに格納される。この場合、送信装置110及び受信装置112は、複数のPSPFの何れのPSPFがPRC装置520により利用されるべきかネゴシエートしてもよい。あるいは、利用される特定のPSPFが、送信装置110により単に選択されてもよい。
【0031】
図示されるように、PRC装置520は、その後に利用されるPSPF及びデータパケットのサイズに基づき、受信したデータパケットをプライオリティレベルP1,P0,P2及びP3にソートするようバッファ540を制御してもよい。
図4に示される例では、プライオリティレベルP0,P2及びP3に対応するサイズを有するデータパケットは、処理/破棄/保持キュー528に転送され、
図2に関して説明されたように、バッファオーバフロー(図示せず)などの特定の状態下でそれらの削除が行われてもよい。他方、P−1のプライオリティに対応するサイズを有するデータパケットは、受信装置112との通信534における送信のため、送信機526に転送される。
【0032】
3以上のプライオリティレベルの他の実施例では、3以上の異なるデータタイプに対応するデータパケットのそれぞれに、各自のプライオリティレベルが割り当てられる。従って、音声データはP−1を受け、ビデオデータはP2を受け、第3タイプのデータはP3を受けるなどである。3以上のデータタイプを有するデータフローのデータパケットの処理は、受信機により決定されるように、現在の状態に基づくものであってもよい。従って、通常のトラフィック状態下では、すべてのプライオリティレベルが処理のため転送され、“低速”トラフィック状態下では、P−1又はP−2レベルを有するデータタイプのデータパケットのみが送信のため転送され、他のデータパケットはキューの後方に配置され、“輻輳”状態下では、P−1に割り当てられたデータタイプを除くすべてのデータパケットが破棄される。
【0033】
上述された実施例は、一般にデータ通信を開始する送信装置の観点からデータパケットベースの優先順位付けを開示しているが、他の実施例では、送信装置は、データフローを開始した装置と最終的な受信装置(
図1の装置110を参照)との間の中間点にあるルータ又は他の装置であってもよい。さらに、ここに開示される通信方法及びアーキテクチャは、データフローが1つの送信装置から複数の受信装置に通信されるシステムにおいて利用されてもよい。
【0034】
図6は、一例となるシステムの実施例の図である。特に、
図6は、各種要素を含むプラットフォーム600を示す図である。例えば、
図6は、プラットフォーム(システム)600がプロセッサ602、チップセット604、入出力(I/O)装置606、RAM(Random Access Memory)(ダイナミックRAM(DRAM)など)608、ROM(Read Only Memory)610、ディスプレイ電子機器620、ディスプレイバックライト622及び他の各種プラットフォームコンポーネント614(ファン、クロスフローブロワ、ヒートシンクDTMシステム、クーリングシステム、ハウジング、ベントなど)を有することを示す。システム600はまた、無線通信チップ616及びグラフィック装置618を有してもよい。しかしながら、当該実施例はこれらの要素に限定されるものでない。
【0035】
図6に示されるように、I/O装置606、RAM608及びROM610は、チップセット604を介しプロセッサ602に接続される。チップセット604は、バス612によりプロセッサ602に接続される。従って、バス612は複数のラインを有してもよい。
【0036】
プロセッサ602は、1以上のプロセッサコアを有するCPU(Central Processing Unit)であってもよく、何れかの個数のプロセッサコアを有する何れかの個数のプロセッサを有してもよい。プロセッサ602は、CPU、マルチプロセッシングユニット、RISC(Reduced Instruction Set Computer)、パイプラインを有するプロセッサ、CISC(Complex Instruction Set Computer)、DSP(Digital Signal Processor)などの何れかのタイプの処理ユニットを有してもよい。
【0037】
各種実施例は、ハードウェア要素、ソフトウェア要素又はこれらの組み合わせを用いて実現されてもよい。ハードウェア要素の具体例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路要素(トランジスタ、レジスタ、キャパシタ、インダクタなど)、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、DSP、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ロジックゲート、レジスタ、半導体装置、チップ、マイクロチップ、チップセットなどを含むものであってもよい。ソフトウェアの具体例は、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、マシーンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、ファンクション、メソッド、プロシージャ、ソフトウェアインタフェース、API(Application Program Interface)、命令セット、計算コード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、ワード、値、シンボル又はこれらの何れかの組み合わせを含むものであってもよい。実施例がハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を用いて実現されるかの判断は、所望される計算レート、電力レベル、熱耐性、処理サイクルバジェット、入力データレート、出力データレート、メモリリソース、データバススピード及び他の設計若しくはパフォーマンス制約などの何れかの個数のファクタに従って変化しうる。
【0038】
いくつかの実施例は、“結合”及び“接続”という表現と共にそれらの派生語を用いて説明されてもよい。これらの用語は、互いに同義的であるとは意図されない。例えば、いくつかの実施例は、2以上の要素が互いに直接的な物理的又は電気的接触状態にあることを示すため、“接続”及び“結合”という用語を用いて説明される。しかしながら、“接続”という用語はまた、2以上の要素が互いに直接的な接触にないが、依然として互いに連係又は相互作用することを意味する。
【0039】
いくつかの実施例は、例えば、コンピュータにより実行される場合、コンピュータにこれらの実施例に従って方法及び/又は処理を実行させる命令又は命令セットを格納するコンピュータ可読媒体又は物などを用いて実現されてもよい。このようなコンピュータは、例えば、何れか適切な処理プラットフォーム、計算プラットフォーム、計算装置、処理装置、計算システム、処理システム、コンピュータ、プロセッサなどを含むものであってもよく、ハードウェア及び/又はソフトウェアの何れか適切な組み合わせを利用して実現されてもよい。コンピュータ可読媒体又は物は、例えば、メモリ、着脱可能又は着脱不可な媒体、消去可能又は消去不可な媒体、書き込み可能又は書き換え可能な媒体、デジタル又はアナログ媒体、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、CD−R(Compact Disk Recordable)、CD−RW(Compact Disk Rewritable)、光ディスク、磁気媒体、光磁気媒体、着脱可能なメモリカード又はディスク、各種タイプのDVD(Digital Versatile Disk)、テープ、カセットなどの何れか適切なタイプの記憶ユニット、記憶装置、記憶物、記憶媒体、格納装置、格納物、格納媒体及び/又は格納ユニットなどを含むものであってもよい。当該命令は、何れか適切なハイレベル、ローレベル、オブジェクト指向、ビジュアル、コンパイル及び/又はインタープリットされたプログラミング言語を用いて実現されるソースコード、コンパイルされたコード、インタープリットされたコード、実行可能コード、スタティックコード、ダイナミックコード、暗号化コードなどの何れか適切なタイプのコードを含むものであってもよい。
【0040】
特段の断りがない場合、“処理”、“計算”、“算出”、“決定”などの用語は、計算システムのレジスタ及び/又はメモリなぢの物理量(電子など)として表現されるデータを、計算システムのメモリ、レジスタ又は他の当該情報のストレージ、伝送又は表示装置内の物理量として同様に表現される他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータ、計算システム又は同様の電子計算装置のアクション及び/又は処理を表すことが理解されるであろう。これらの実施例は、これに限定されるものでない。
【0041】
主題は構造的特徴及び/又は方法ステップに固有の言語により記述されたが、添付した請求項に規定される主題は上述された具体的特徴又はステップに必ずしも限定されるものでないことが理解されるべきである。上述された特定の特徴及びステップは、請求項を実現する一例となる形式として開示される。