(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記磁気駆動機構は、前記第1永久磁石群に対向配置される第2永久磁石群と、この第2永久磁石群を回転させるアクチュエータとを備えることを特徴とする請求項2に記載のミルクフォーマー。
前記カップ体は、飲料容器と、その周囲に配置される上部カップ支持体と、底部カップ支持体とを少なくとも備え、前記飲料容器の底面よりも、前記底部カップ支持体の下端部が突出するように構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のミルクフォーマー。
前記飲料容器の底面をカバーするためのカバー部材を設け、底面をカバーする状態と、底面を露出させる状態に設定可能にしたことを特徴とする請求項12又は13に記載のミルクフォーマー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術においては、次のような課題がある。カップ蓋側にアクチュエータや駆動機構を搭載すると、カップ蓋の重量が重たくなりカップ蓋の開閉操作が行いにくくなる。また、給電のための接点部が必要になるため、汚染や腐食による作動不良の可能性が高まる。さらに、加熱されるミルクの蒸気が駆動機構やアクチュエータに触れないようにするために、封止機構を設けることが必須になり、カップ蓋の構造を複雑化させる。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、カップ蓋の構成を簡素化させるとともに、駆動機構や接点部に対する汚染や腐食を低減させたミルクフォーマーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係るミルクフォーマーは、
ベース本体と、このベース本体上に配置されるカップ体と、このカップ体上に配置されるカップ蓋と、カップ体内のミルクを撹拌するための撹拌機構と、を備えるミルクフォーマーであって、
前記撹拌機構は、撹拌ヘッドとこの撹拌ヘッドを支持するための軸部とを備え、前記撹拌ヘッドを磁気駆動するための磁気駆動機構が前記ベース本体に備えられていることを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成によるミルクフォーマーの作用・効果は以下のとおりである。カップ体内のミルクを撹拌するための撹拌機構は、軸部と撹拌ヘッドを備えている。この撹拌ヘッドを磁気駆動するための磁気駆動機構がベース本体に備えられている。カップ蓋ではなく、ベース本体に磁気駆動機構が設けられるので、カップ蓋を軽量化することができる。また、カップ蓋とベース本体との間に電源供給端子は必要がない。さらに、磁気駆動機構により駆動するので、非接触方式で撹拌ヘッドを回転させることが可能である。その結果、カップ蓋の構成を簡素化させるとともに、駆動機構や接点部に対する汚染や腐食を低減させたミルクフォーマーを提供することができる。
【0010】
本発明において、前記撹拌ヘッドは、回転周方向に沿って等間隔で配置される第1永久磁石群を備えることが好ましい。
【0011】
撹拌ヘッドとして永久磁石を周方向に等間隔で配置するだけの簡素な構成とすることができる。永久磁石であれば、外部に露出しない構成をとることができ、汚染等の問題に対しても有利である。
【0012】
本発明に係る前記磁気駆動機構は、前記第1永久磁石群に対向配置される第2永久磁石群と、この第2永久磁石群を回転させるアクチュエータとを備えることが好ましい。
【0013】
第1永久磁石群を回転駆動させるための機構として、第1永久磁石群に対向配置させる第2永久磁石群とすることができる。この第2永久磁石群をアクチュエータ(例えば、電動モーター)により回転させることで、磁力により撹拌ヘッドを回転させることができる。また、非接触方式による駆動伝達を簡素な構成で実現することができる。
【0014】
本発明に係る撹拌ヘッドは、前記第1永久磁石群の周囲に配置される撹拌羽根を備えることが好ましい。
【0015】
かかる構成により効率よく第1永久磁石群と撹拌羽根を配置することができるとともに、第1永久磁石群と撹拌羽根の機能を十分に発揮させることができる。
【0016】
本発明に係る撹拌羽根は、前記第1永久磁石群を支持する支持部材に形成された支持面に取り付けられることが好ましい。
【0017】
この構成によると、支持部材により永久磁石と撹拌羽根の両方を支持することができ、部材構成を簡素化することができる。
【0018】
本発明に係る撹拌ヘッドは、複数種類用意されており、前記軸部に対して交換可能に取り付けられることが好ましい。
【0019】
ミルクフォーマーにより作製する飲料の種類に応じて、複数の撹拌ヘッドを準備しておくことが好ましい。例えば、フォームミルクとホットミルクのそれぞれに適した撹拌ヘッドを準備しておき、必要に応じて軸部に交換可能に取り付けるようにする。これにより、複数種類の飲料を作製することができ、かつ、飲料の種類に適した撹拌動作を行うことができる。
【0020】
本発明において、前記撹拌ヘッドを収容する収容部が前記ベース本体に設けられていることが好ましい。
【0021】
撹拌ヘッドを複数準備する場合に、使用しない撹拌ヘッドの保管をどのようにするかが問題である。ベース本体に収容部を設けることで、撹拌ヘッドを保管しておくことができ、紛失を防止することができる。
【0022】
本発明に係る収容部は、前記ベース本体の底部に設けられた収容凹部であり、磁力により前記撹拌ヘッドを保持させることが好ましい。
【0023】
ベース本体の底部に収容凹部を設けることで、外観に影響を与えなない場所に保管することができる。また、磁力により収容凹部に保持させるので、簡単な構成により撹拌ヘッドを保持させることができる。
【0024】
本発明において、前記第2永久磁石群の周囲を取り囲むように加熱装置が配置されていることが好ましい。
【0025】
第2永久磁石群はできるだけ第1永久磁石群に近接配置することが好ましい。また、加熱装置も熱伝導性を考慮すれば、カップ体の底部に近接させることが好ましい。そこで、第2永久磁石群の周囲に加熱装置を配置することで、両方の要求を満たすことができる。
【0026】
本発明において、カップ体の有無を検出するためのセンサーが前記ベース本体に設けられていることが好ましい。
【0027】
カップ体をベース本体から取り外し可能な構成にする場合、カップ体の有無を検知する機構を設ける。これにより、カップ体がないときにモーターを回転させることによる、無駄な電力の消耗を防止することができる。
【0028】
本発明において、前記加熱装置の加熱面をカバーするヒーターカバーが、前記ベース本体に回動可能に軸支されていることが好ましい。
【0029】
この構成によると、カップ体を取り外したときに、不用意に加熱面に触れることがなくなり火傷の危険性をなくすことができる。また、ベース本体にヒーターカバーを軸支することで、カバーをする時の操作性を良くすることができる。また、ヒーターカバーを紛失してしまうことがない。
【0030】
本発明に係るカップ体は、飲料容器と、その周囲に配置される上部カップ支持体と、底部カップ支持体とを少なくとも備え、前記飲料容器の底面よりも、前記底部カップ支持体の下端部が突出するように構成されていることが好ましい。
【0031】
飲料容器内のミルクを加熱する場合には、飲料容器の底面が加熱された状態になる。カップ体をベース本体から取り外したときに、底面に触りにくくするとともに、テーブル等に載置するときに加熱された底面が直接テーブル面等に接触しないようにすることが好ましい。そこで、底部カップ支持体の下端部が飲料用容器の底面から突出するようにしておけば、上記の問題を解決することができる。
【0032】
本発明に係る底部カップ支持体は、柔軟性を有する素材により形成されることが好ましい。
【0033】
かかる素材にすることで、ミルクが加熱された状態でも、底部カップ支持体の温度は上昇せず、底部カップ支持体に手で触れても問題がない。また、テーブル等に載置する場合も、柔軟性を有する素材にすることで、テーブル等に載置するときの感触を良くすることができる。
【0034】
本発明において、前記飲料容器の底面をカバーするためのカバー部材を設け、底面をカバーする状態と、底面を露出させる状態に設定可能にしたことが好ましい。
【0035】
ミルクを加熱した後に、カップ体を取り出したときに、飲料容器の底面は、加熱されている。そこで、火傷を防止するために、カバー部材を設けることが好ましい。カップ体をベース本体の上に載置するときは、底面を露出した状態で載置する。カップ体をベース本体から取り外した後は、底面をカバーする。これにより、ミルクフォーマーを安全に使用することができる。
【0036】
本発明に係るカバー部材は、カップ体の外表面に回動可能に軸支されることが好ましい。これにより、カバー部材とカップ体を一体化させて、操作性を向上させることができる。
【0037】
本発明において、前記撹拌ヘッドの前記軸部に対する装着の有無を検出するヘッド検出部を備えていることが好ましい。
【0038】
撹拌ヘッドを着脱自在に構成した場合、軸部に撹拌ヘッドを装着しない状態で、撹拌動作をさせる可能性がある。そうすると、所望の泡立ちミルクを作製することができない。そこで、ヘッド検出部を設けて、撹拌ヘッドの装着の有無を検出することで、作動不良を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明に係るミルクフォーマーの好適な実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るミルクフォーマーの外観斜視図を示す。
図2Aおよび
図3は、
図1に示すミルクフォーマーを垂直方向に切断した断面図である。
図2Aは、取っ手を含む面で切断したものであり、
図3は、
図2Aの切断面に対して直交する垂直面で切断したものである。
【0041】
<全体構成>
ミルクフォーマーは、大きく分けてベース本体1と、カップ体2と、カップ蓋3により構成される。ベース本体1は、下部ベース部10と、この下部ベース部10の上に結合される上部ベース部11により構成される。上部ベース部11には、3つの操作部(操作ボタン)11a,11b,11cが設けられる。各操作部11a,11b,11cは、その内部にスイッチ機構が設けられている。下部ベース部10と上部ベース部11は、ネジなどの適宜の方法により互いに結合されている。
【0042】
操作部11aは電源オン/オフのボタンである。操作部11bは、ホットミルクフォーマー作製用のボタンである。操作部11cは、アイスミルクフォーマー作製用のボタンである。操作部11bは、フォームミルクと泡立ちのないホットミルクの両方を作製するためのボタンである。
【0043】
下部ベース部10は、その底部に3つの脚部10aが設けられている。脚部10aは、ゴム等の素材で作製され、テーブル等の上に安定して設置することができる。また、下部ベース部10には、商用電源からの電源供給のために電源端子が適宜の場所に設けられる。
【0044】
カップ体2は、飲料容器20と、この飲料容器20を支持するための上部カップ支持体21と、下部カップ支持体22と、底部カップ支持体23と、上部カップ支持体21に結合される取っ手24とを備える。ベース本体11に設けられたヒーター62の上面62aにカップ体2の飲料容器20の底部20aが載置される。カップ体2は、取っ手24を持つことで、ベース本体1に対して着脱自在にセットすることができる。飲料容器20は、アルミニウム等の金属製でもよいし、樹脂製でもよい。あるいは、ステンレスとアルミニウムの組み合わせ材料であってもよい。例えば、底側に熱伝導のよいアルミニウムを使用し、側面は熱を遮断しやすいステンレスとすることができる。アルミニウムとステンレスの接合部分は、溶接することで結合することができる。かかる構成とすることで、口を付けて飲んだ場合、ステンレスの部分は熱さを感じることがなく、かつ、底面部はアルミニウムであるので飲料容器内のミルクに熱が十分に伝わり、早く温かくすることができる。
【0045】
上部カップ支持体21の下部には段差が形成されており、下部カップ支持体22の上端面にちょうど段差が位置する。取っ手24は、上部カップ支持体21に対してネジ22aにより結合される。
【0046】
図3、
図5に示すように、飲料容器20の内部には2カ所突起20bが設けられている。突起20bは、飲料容器20の内周面から内側に突出しており、かつ、上下方向に延びている。上下方向の高さは、下側が撹拌ヘッド50よりも少し上の位置にあり、上側が上部カップ支持体21と下部カップ支持体22の境界位置近傍にある。この突起20bを設けることで、ミルクを撹拌するときに、撹拌の乱れを起こしてミルクを泡立てしやすくなる。ミルクは乱回転させる方が泡立ちを大きくすることができる。
【0047】
底部カップ支持体23は、シリコンゴム等の柔軟性のある素材で形成されており、カップ体2をベース本体1から取り外したときに、テーブル等に載置させることができる。飲料容器20の底部20a(底面)は加熱された状態であるので、不用意に手で触ることがないようにしている。底部カップ支持体23の下端部は、飲料容器20の底部20aよりも突出しており、触りにくくしている。また、テーブル等に載置したときに、底部20aが直接テーブル面に接触しないようにしている。
【0048】
上部カップ支持体21や下部カップ支持体22も加熱された飲料容器20に直接触れないようにするためであり、熱が伝わりにくい樹脂で成形される。カップ体2に収容された飲料(ミルク)は、他のコーヒー等の入った容器に移し替えることもできるし、カップ体2は、そのまま飲料カップとして使用することもできる。
【0049】
カップ蓋3は、蓋本体30と、蓋取っ手31と、パッキン32とを備える。蓋本体30の中央部に飲料容器20側に突出する第1突出筒部30aが設けられる。蓋取っ手31には、第1突出筒部30aと係合する係合爪31aが一体形成される。蓋本体30の外周側面には溝30cが形成されてリング状のパッキン32が挿入される。パッキン32は、飲料容器20の上部内壁に密着し、カップ蓋3を飲料容器20に装着したときに、内部を密閉させる。蓋本体30は、飲料容器20の内部が視認できるように透明樹脂で形成することが好ましい。
【0050】
<撹拌機構の構成>
カップ蓋3の底面側には、撹拌機構5が設けられる。カップ蓋3と撹拌機構5は一体的にユニット化されており、カップ蓋3をカップ体2から取り外すときは、撹拌機構5も一緒に取り外される。
【0051】
撹拌機構5は、撹拌ヘッド50と軸部51とを備える。
図2Bは、撹拌ヘッド50の断面構成を示す詳細図である。撹拌ヘッド50は、下部の第1ヘッド構成部材52と上部の第2ヘッド構成部材53を備えている。第1ヘッド構成部材52の外周部には断面が1/4円形状の第1凹部52aが形成され、第2ヘッド構成部材53の外周部には、同じく断面が1/4円形状の第1凹部53aが形成される。第2ヘッド構成部材53は磁性体により形成される。第1・第2ヘッド構成部材52,53が結合されると、第1凹部52aと第2凹部53aとで半円形の凹部が形成される。この半円形の凹部に撹拌羽根54が挿入される。撹拌羽根54はコイルスプリング状に形成されており、その内部に金属製のワイヤー55が設けられる。このワイヤー55により、撹拌羽根54が半円形の凹部に固定される。
【0052】
図5には、撹拌ヘッド50を上から見た状態が示される。第2ヘッド構成部材53は、十字形をしており、十字に突出した部分53bにより、前述の第1凹部53aが配置される。突出した部分53bの間に凹み部53cが設けられる。
【0053】
<磁気駆動機構の構成>
第1ヘッド構成部材52には、円周方向に沿って4つの磁石収容凹部52bが形成され、この磁石収容凹部52に永久磁石60が挿入される。
図6には永久磁石60が90°間隔で4つ配置されており、これら4つの永久磁石60により第1永久磁石群60Aが構成される。第1ヘッド構成部材52の中央部には筒状突出部52cが形成される。第2ヘッド構成部材53はリング状に形成され、その内径部分が上記の筒状突出部52cに嵌入される。
【0054】
連結部材56は、ネジが形成される面を有し、撹拌ヘッド50と軸部51とを連結および固定する。連結部材56に形成されたネジと、軸部51に形成されたネジにより両者を結合することができる。
【0055】
軸部51は、ベアリング33を介して、蓋本体30に一体形成された第2突出筒部30bに結合される。これにより、軸部51と撹拌ヘッド50は、蓋本体30に対して相対的に回転可能に支持される。
【0056】
図2Aに示すように、第1永久磁石群60Aと対向して、ベース本体1に第2永久磁石群61Aが配置される。第2永久磁石群61Aは、第1永久磁石群60Aと同じように円周方向に沿って90°間隔で4つの永久磁石61により構成される。回転半径も第1永久磁石群60Aと同じである。
【0057】
第2永久磁石群61Aは、プレート状の支持部材16の裏面側に保持される。支持部材16の中央部には連結部材17が設けられ、この連結部材17にアクチュエータであるモーター15のモーター軸15aが嵌入される。この構成により、モーター15を駆動すると、支持部材16が回転し、第2永久磁石群61Aが回転駆動される。
【0058】
第1・第2永久磁石群60A,61Aの垂直方向の配置図が
図7に示される。第1永久磁石群60Aの永久磁石60は、下部がS極で上部がN極の永久磁石60、上部がN極で下部がS極の永久磁石60が円周方向に沿って交互に配置される。また、第2永久磁石群61Aも同様に、下部がS極で上部がN極の永久磁石61、上部がN極で下部がS極の永久磁石61が円周方向に沿って交互に配置される。
【0059】
図7に示すように、第1永久磁石60のN極(S極)と第2永久磁石61のS極(N極)が向かい合った状態で、飲料容器20が安定した状態で保持される。この状態でモーター15を駆動すると、第2永久磁石群61Aの回転に連動して第1永久磁石群60Aを回転駆動させることができる。これにより、撹拌ヘッド50が回転して飲料容器20内のミルクを撹拌することができる。
【0060】
図6に示すように、円周方向に沿ってS極とN極とを交互に配置することで、磁束密度を高くした状態で永久磁石を配置させることができる。
【0061】
図8は、撹拌ヘッド50と飲料容器20の底面20aとの距離h1と、第1永久磁石群60Aと第2永久磁石群61Aの距離h2と、第2永久磁石群61Aと飲料容器20の底面20aとの距離h3を示している。h1の好ましい範囲は、1〜8mmであり、h2の好ましい範囲は、3〜15mmであり、h3の好ましい範囲は、1〜5mmである。
【0062】
h1のより好ましい範囲は、1.5〜2mmであり、h2のより好ましい範囲h2は、5.1〜5.9mmであり、h3のより好ましい範囲は2〜2.3mmである。
【0063】
h1を1mmに近接させると、撹拌動作をしているときに、衝撃等により撹拌ヘッド50が傾斜して撹拌ヘッド50の側部と飲料容器20の底部20aが擦れて撹拌ヘッド50が摩耗、破損する可能性がある。また、h1が8mmを超えると、磁力が弱くなり、ミルクを撹拌させる機能が低下する。その結果、十分な泡立てができなくなる恐れがある。
【0064】
h2が3mm未満になると、撹拌ヘッド50が受ける磁力が大きくなり、撹拌ヘッド50と飲料容器20との摩擦が大きくなる。その結果、撹拌ヘッド50や飲料容器20が摩耗して寿命が短くなる可能性がある。また、h2が15mmを超えると、磁力が弱くなり、ミルクを撹拌させる機能が低下する。その結果、十分な泡立てができなくなる恐れがある。
【0065】
h3を1mmに近接させると、撹拌ヘッド50が受ける磁力が大きくなり、撹拌ヘッド50と飲料容器20との摩擦が大きくなる。また、h3が2.3mmを超えると、磁力が弱くなり、ミルクを撹拌させる機能が低下する。
【0066】
図2Aに示すように、第2永久磁石群61Aの外周部を取り囲むようにヒーター(加熱装置)62が配置される。ヒーター62の上面62aにカップ体2の底面20aが載置される。
図4は、ヒーター62の上面62aを上から見た平面図である。第2永久磁石群61Aの上部には、磁石カバー18が設けられ、磁石カバー18とヒーター62の上面62aとは面一になる。なお、
図4では、磁石カバー18を取り外した状態を図示している。
【0067】
<第2の撹拌ヘッド>
上記で説明した撹拌ヘッド50(第1撹拌ヘッド)は、泡立ちミルクを作製するために適した形状を有している。本発明に係るミルクフォーマーは、フォームミルクのほかに通常のホットミルクも作製でき、異なる構造の撹拌ヘッドを使用する。すでに説明したように、軸部51と連結部材56はネジで結合されており、撹拌ヘッド50を別のものに取り換えることができる。
【0068】
図18は、ホットミルク用の撹拌ヘッド50’(第2撹拌ヘッド)を示す図である。フォームミルク用と異なるのは、撹拌羽根54を備えていない点である。連結部材56’と、第1ヘッド構成部材52’と、第2ヘッド構成部材53’については、基本的には同じである。また永久磁石60’の個数および配置についても第1撹拌ヘッド50と同じである。
【0069】
<撹拌ヘッドの収容>
上記のように2つの撹拌ヘッド50を使用する場合、一方の撹拌ヘッド50’は使用しない。そこで、
図2Aに示すように、ベース本体1の下部ベース部10に収容凹部10bが設けられている。収容凹部10bの底部に反対側(内部)には、ステンレス等の磁性体で形成されるフレーム部材13が設けられる。撹拌ヘッド50は永久磁石60を有しているので、その磁力を利用して収容凹部10bに保持させることができる。
【0070】
<ヒーターカバーの構成>
図9は、カップ体2をベース本体1から取り外した状態を示す。カップ体2の内部のミルクを加熱した後にカップ体2を取り外すと、ヒーター62の上面62aが露出して手で不用意に触ると火傷の危険性がある。そこで、ヒーターカバー4を設けている。ヒーターカバー4は、ヒンジ軸4a周りに回転可能に軸支されている。ヒンジ軸4aは、ベース本体1の上部ベース部11に設けられる。ヒーターカバー4には規制部4bが一体形成されており、
図3に示す状態で安定して支持されるようにしている。
図10は、ヒーターカバー4によりカバーした状態を示している。
【0071】
図1に示すように、ヒーターカバー4には多数の小孔4cが形成されている。これは放熱のために設けられる。また、ヒーターカバー4の裏面には3カ所に弾性部材4dが設けられている。これは、
図10のようにカバーしたときにクッションの役割を果たす。弾性部材4は、シリコンゴム等により形成される。
【0072】
<センサーの構成>
図2A及び
図4に示すように、温度センサー70とカップ検出センサー71が設けられる。温度センサー70は、バネ72に上方に突出する方向に付勢されており、その先端部70aが飲料容器20の底面20aに接触することができる。これにより、飲料容器20内のミルクの温度の検出を行う。
【0073】
カップ検出センサー71もその先端部71aがバネにより上方に付勢されており、その先端部70aが飲料容器20の底部20aに接触することができる。これにより、カップ体2(飲料容器20)の有無を検出することができ、カップ体2が存在しない時にヒーター62が加熱されないように制御する。
【0074】
<制御ブロック図>
図11は制御ブロック図である。制御部80は、あらかじめ組み込まれたプログラムに従い、所定の制御を行う。各操作部11a,11b,11cの操作入力と、温度センサー70、カップ検出センサー71の検出結果に従い、モーター15とヒーター62とサーモスタット81に対する制御を行う。また、撹拌ヘッド50の有無を検出するためのヘッド検出部82の制御も行う。撹拌ヘッド50が軸部51に装着されていない時は、モーター15の負荷が軽くなる。上記ヘッド検出部82の機能に基づき、この負荷の大小は、モーター15の電流値から検出することができる。
【0075】
なお、撹拌ヘッド50が軸部51に装着されていないと検出されたときは、モーターの駆動を停止させるとともに警告表示(例えば、音声、ランプ表示)を行う。
【0076】
<作動シーケンス>
次に、本実施形態に係るミルクフォーマーの作動シーケンスについて説明する。
【0077】
<ホットミルクフォームとホットミルク>
ホットミルクフォームとホットミルクを作製するときの作動シーケンスは同じである。いずれも操作部11bの押圧操作によりシーケンスが開始する。ただし、ホットミルクフォームを作製するときは第1の撹拌ヘッド50を使用し、ホットミルクを作製するときは第2の撹拌ヘッド50’を使用する。
【0078】
操作部11aをオンにして電源を入れた状態にし、飲料容器20に適量のミルクを入れて、カップ体2をベース本体1の上にセットする。次に、操作部11bを操作する(t0)。温度センサー70により温度が所定値以下(例えば、30℃)の場合は、ヒーター62を加熱する。この動作は、
図12Aの(A)に示される。そして時間t6経過後に、サーモスタットのオン/オフ制御を行う。この時間t6の時点で、ミルクの温度が適切になるように設定される(例えば、62℃)。このオン/オフ制御を所定時間行った後、ヒーターを停止する(時間t7)。
【0079】
操作部11aをオンにしたときに温度センサーの検出温度が30℃を超え60℃以下の場合は、時間t4(例えば、20秒)後に、ヒーター62の加熱を開始する。このシーケンスは(B)に示される。そして時間t6経過後に、サーモスタットのオン/オフ制御を行う。t6以後の制御は、(A)と同じである。
【0080】
操作部11aをオンにしたときに温度センサーの検出温度が60℃を超えているとき、かつ、操作部11aのオンから20秒経過後における検出温度が60℃以下の場合のシーケンスは、(C)に示される。このシーケンス(C)は(B)と同じである
操作部11aをオンにしたときに温度センサーの検出温度が60℃を超えているとき、かつ、操作部11aのオンから20秒経過後における検出温度も60℃を超えている場合のシーケンスは、(D)に示される。この場合は、時間t5(例えば、30秒)後に、ヒーター62の加熱を開始する。その後の動作は、(A)(B)(C)と同じである。
【0081】
温度センサー70による検出のシーケンスは(E)に示される。時間t8において、検出動作をオフにする。
【0082】
モーター15の動作は(F)に示される。操作部11bの操作の後、モーター15をオンにし続けるのではなく、一旦、時間t1(例えば、0.5秒)でオフにし、時間t2(例えば、1.5秒)でオンにする。これは、永久磁石による磁力により撹拌ヘッド50を回転させるに際して、確実に撹拌ヘッド50がモーター15の回転に追従するようにするためである。モーター15の回転開始前は、第1永久磁石群60Aと第2永久磁石群61AのN極とS極が向かい合っているとは限らない。そこで、最初は短時間モーター15を回転させ、その後、継続してオンにするようにしている。これにより、確実に撹拌ヘッド50を回転させることができる。
【0083】
また、モーター15は時間t8でオフになるが、いきなりオフにするのではなく、時間t7で一旦20〜80%の電力で駆動した後に、オフにする。これにより、モーター停止時の衝撃を緩和する。
【0084】
カップ検出センサー71の動作は(G)に示される。ヒーター62の加熱とモーター15の回転をさせるためには、カップ検出センサー71によりカップ体2が検出されていることが必要である。カップ体2がベース本体1の上に載置されていない状態では、モーター15の回転とヒーター62に対する加熱は行われない。これにより、安全性を保つとともに無駄な電力の消費を防止する。従って、ミルクの加熱が途中段階であっても、不用意にカップ体2が取り外された場合は、モーター15を停止させ、ヒーター62の加熱も停止させる。
【0085】
ヘッド検出部82による検出動作は、時間t4で開始し時間t7で停止する。これは、撹拌ヘッド50は装着されているか否かを検出するためである。検出開始はモーター15の連続回転が開始する時間t3以後に設定される。撹拌ヘッド50が装着されていなければ負荷が軽くなるので、モーター15に流れる電流が所定値以下になる。撹拌ヘッド50がなければ、泡立ちミルクを作製できないので、撹拌ヘッド50の有無を検出するようにしている。
【0086】
<アイスミルクフォーム>
次にアイスミルクフォームを作製するときのシーケンスを
図12Bにより説明する。モーター15の立ち上がりの制御を(K)に示す。これは、
図12Aの場合と同じである。カップ検出センサー71の動作は(L)に示される。これも
図12Aの場合と基本的に同じである。ヘッド検出のシーケンス(M)も
図12Aの場合と同じである。
【0087】
アイスミルクフォームを作製するときは、操作部11cを操作し、時間t4経過後(例えば、30秒)に、ヒーター62のオン/オフ制御が行われる。このシーケンスは(I)に示される。t4の時点で、温度センサー70による温度検出が30℃以下の場合、ヒーター62をオンにする。以後は、オン3秒、オフ7秒(パルス駆動)を時間t5まで繰り返す。また、時間t4の時点で、温度が30℃以上の場合は、ヒーター62に対する加熱は行われない。
【0088】
<カップ体の別実施形態>
図19は、カップ体2の別実施形態を示す図である。この実施形態ではミルクを他の容器に注ぎやすいように、くちばし部25(ガイド部)が設けられている。このくちばし部25は、飲料容器20や上部カップ支持体21と一体形成することもできるが、くちばし部25のみを単独部材として作製し、くちばし部のない飲料容器20や上部カップ支持体21に対して装着する構成も可能である。これにより、くちばし部が設けられていないカップ体2についても、ミルクを注ぎやすくすることができる。
【0089】
<カップ体のカバー構成>
次にカップ体2の下部のカバー構成について説明する。ミルクを加熱した後は、カップ体2の飲料容器20の底部20aは熱くなっているので、不用意に手で触れないようにしておく必要がある。そこで、カップ体2の下部にカバー部材を設けるようにしている。
【0090】
<第1実施形態に係るカバー構成>
第1実施形態に係るカバー構成を
図13に示す。
図13Aは、カップ体2をベース本体1から取り外した状態を示す図である。カバー部材100は、カップ体2を構成する下部カップ支持体22の外周面を上下動可能に構成される。カップ体2を取り外したときは、自重によりカバー部材100が下に下がるので、飲料容器20の底部20aに触れにくくなる。
【0091】
一方、
図13Bに示すように、カップ体2をベース本体1の上に載置させたときは、カバー部材100が上方に持ち上がるように構成される。なお、カバー部材100が上下動する範囲は、不図示のストッパーにより規制される。
【0092】
<第2実施形態に係るカバー構成>
第2実施形態に係るカバー構成を
図14に示す。カバー部材110は、
図14Cに示すように、リング部110aと、底蓋部110bと、これらリング部110aと底蓋部110bとを連結する連結部110cが一体形成されて構成される。カバー部材110は、シリコン等の柔軟な素材により形成される。底蓋部110bを設けることで、飲料容器20の底部20aが完全にカバーされる。
【0093】
図14Bに示すように、カバー部材110のリング部110aは、下部カップ支持体22の周面に固着する構成を採用することができる。カバー部材110は、柔軟性を有するので、カップ体2をベース本体1に載置したときには、連結部110cを曲げることで、底蓋部110bが邪魔にならないように載置することができる。また、リング部110aを下部カップ支持体22に固着しておくことで、カバー部材110を紛失してしまう恐れがない。
【0094】
図14Aは、カップ体2を取り外した状態を示す。底蓋部110bを飲料容器20の底部20aにかぶせておけば、底部に直接、手で触れることもなく、そのままテーブル等の上に載置させることができる。
【0095】
<第3実施形態に係るカバー構成>
第3実施形態に係るカバー構成を
図15に示す。カバー部材120は、底蓋部120aと、固着部120bと、底蓋部120aと固着部120bとを連結する連通部120cとが一体形成されて構成される。カバー部材120は、シリコン等の柔軟な素材により形成される。底蓋部120aを設けることで、飲料容器20の底部20aが完全にカバーされる。
【0096】
図15に示すように、固着部120bをカップ体2の下部カップ支持体22の外表面に固着する。固着方法はネジや接着などの適宜の方法で行うことができる。カバー部材120は、柔軟性を有するので、カップ体2をベース本体1に載置したときには、連結部120cを曲げることで、底蓋部120aが邪魔にならないように載置することができる。また、固着部120bを下部カップ支持体22に固着しておくことで、カバー部材120を紛失してしまう恐れがない。
【0097】
図15Aは、カップ体2を取り外した状態を示す。底蓋部120aを飲料容器20の底部20aにかぶせておけば、底部に直接、手で触れることもなく、そのままテーブル等の上に載置させることができる。
【0098】
<第4実施形態に係るカバー構成>
第4実施形態に係るカバー構成を
図16に示す。カバー部材130は、底蓋部130aと、リング部130bと、底蓋部130aとリング部130bとを連結する連通部130cと、取っ手部130dが一体形成されて構成される。なお、このカバー部材130は、カップ体2とは分離された別部材となる。カップ体2をベース本体1から取り外したときは、
図16Aに示すように、カップ体2をカバー部材130のリング部130bの方から挿入すればよい。
【0099】
底蓋部130aを設けることで、飲料容器20の底部20aが完全にカバーされる。カバー部材130を装着したまま、テーブル等の上に載置させることができる。
【0100】
<第5実施形態に係るカバー構成>
第5実施形態に係るカバー構成を
図17に示す。カバー部材140は、底蓋部140aと、ヒンジ部140bを有する。ヒンジ部140bは、カップ体2の下部カップ支持体22に結合されている。底蓋部140aのヒンジ部140bと反対側に係止部140cが一体形成されている。カップ体2をベース本体1から取り外すときは、
図17Aのように、係止部140bを下部カップ支持体22の外表面に形成された被係止部22bに係止させる。
【0101】
カップ体2をベース本体1の上に載置させるときは、係止状態を解除させればよい。係止部140bが柔軟性を有する樹脂で形成することで、容易に係止・係止解除をすることができる。
【0102】
<別実施形態>
本実施形態では、永久磁石の個数は円周方向に沿って4つ配置されているがこれに限定されるものではなく、2個や3個、あるいは、5個以上配置してもよい。カバー部材130は、樹脂成型で一体的に形成することができる。ただし、カップ体2の飲料容器20が載置される底蓋部130aの底面にシリコンで形成された面を設けることが好ましい。
【0103】
本実施形態では、第1永久磁石群と第2永久磁石群の組み合わせにより撹拌ヘッドを回転させているが、永久磁石群を電磁石により構成してもよい。例えば、磁気駆動機構として、第2永久磁石群61Aに代えて電磁コイルを採用してもよい。
【0104】
本実施形態では、軸部51と撹拌ヘッド50は、蓋本体30に対して相対的に回転可能に支持される実施形態を説明した。これに代えて、蓋本体30と軸部51を相対回転しないように結合し、軸部51に対して撹拌ヘッド50が相対回転可能に結合してもよい。
【0105】
本実施形態において、撹拌羽根54はコイル状の形状を有しているが、羽根の形状は特定の形状に限定されるものではない。
【0106】
本実施形態に係るミルクフォーマーは、フォームミルクとホットミルクの両方を作製できる機能を有するが、フォームミルクのみを作製する機能を有するものであってもよいし、さらに、他の種類の飲料を作製できる機能を有していてもよい。
【0107】
本実施形態において、ヘッド検出部82を電流検出により行っているがこれに限定されるものではない。撹拌ヘッドの有無をセンサー(光学センサー、機械センサー等)により検出するようにしてもよい。