(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
240℃以上の溶融点を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる第1ファイバーと、180〜220℃の溶融点を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる第2ファイバーとを含み、
前記第1ファイバーは、アスペクト比が500〜2,000であり、直径が0.7μm以上、2.3μm未満のファイバー(i)、及び直径が2.3μm以上、5.5μm以下のファイバー(ii)の2種を含み、
前記第2ファイバーは、アスペクト比が500〜2,000であり、直径が2.0μm以上、4.3μm未満のファイバー(iii)、及び直径が4.3μm以上、7.0μm以下のファイバー(iv)を含む
ことを特徴とする二次電池分離膜用PET不織布。
請求項1ないし9のいずれかに記載の二次電池分離膜用PET不織布の一面または両面に直径が100〜600nmのナノファイバーからなるナノファイバー層が形成された
ことを特徴とする二次電池用分離膜。
前記ナノファイバーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリビニルフロライド(PVF)、ポリイミド、及びアラミドの中で選択された繊維のいずれか一つである
請求項11に記載の二次電池用分離膜。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池及びスーパーキャパシタ(電気二重層キャパシタ及び類似キャパシタ)のような二次電池は、高性能化、軽量化、及び自動車電源用のように大型化されるにつれて高エネルギー密度、大容量及び熱安定性が要求されている。
しかし、ポリオレフィン分離膜と液体電解質を使用する既存のリチウムイオン二次電池、及びゲル高分子電解質膜またはポリオレフィン分離膜にゲルコーティングした高分子電解質を使用する既存のリチウムイオン高分子電池は、耐熱性の側面で、高エネルギー密度及び高容量電池として利用するには大きく足りない状況である。
分離膜は、電池の正極と負極との間に位置して絶縁させ、電解液を維持させてイオン伝導の通路を提供し、電池の温度が高すぎると、電流を遮断するために分離膜の一部が溶融して気孔を塞ぐ閉鎖(shutdown)機能を提供する。温度がさらに上がって分離膜が溶融されれば、大きな孔が生じて正極と負極との間に短絡が発生する。この温度を短絡温度というが、一般的に分離膜は、低い閉鎖温度とより高い短絡温度とを有することが良い。ポリエチレン分離膜の場合、電池の異常発熱時に短絡温度が約140℃である。
それで、より高い短絡温度を有する高エネルギー密度及び大容量の二次電池を製造するためには、耐熱性に優れ、熱収縮率が少なく、高いイオン伝導度によって優れたサイクル性能を有する分離膜が必要である。
【0003】
このような分離膜を得るために、特許文献1は、融点が180℃以上のポリアミド、ポリイミドまたはポリアミドイミドなどの多孔性耐熱性樹脂がコーティングされたポリオレフィン分離膜を製造することを開示している。
特許文献2は、200℃以上の溶融点を有する芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドなどの耐熱性樹脂溶液をポリオレフィン分離膜の両面にコーティングし、これを凝固液に浸漬、水洗、乾燥して耐熱性樹脂がコーティングされたポリオレフィン分離膜を製造することを開示している。この時、イオン伝導度の低下を減らすために、前記耐熱性樹脂溶液に多孔性付与のための相分離剤を添加し、耐熱性樹脂のコーティング量も0.5〜6.0g/m
2と制限している。
しかし、上述した耐熱性樹脂に浸漬または耐熱性樹脂でのコーティングは、ポリオレフィン分離膜の気孔を塞いでリチウムイオンの移動を制限するので、充放電特性の低下をもたらす。それで、従来開示された分離膜及び電解質膜は、依然として耐熱性とイオン伝導度とを同時に満たせず、耐熱性コーティングは、出力特性の低下ももたらす。従って、耐熱性と共に急速充放電のような厳しい条件下で優れた性能が要求される自動車電源用のような高エネルギー密度及び大容量の電池に使用されるには難しい状況である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高い短絡温度を有しつつシャットダウン機能が発揮されることができ、二次電池用分離膜に適用されることができる気孔度及び気孔サイズを有することで、イオン伝導度に優れ、機械的強度の高い分離膜用PET不織布を提供することにある。
本発明の他の目的は、耐熱性及びイオン伝導度に優れ、機械的強度が補強された分離膜用PET不織布を利用した二次電池用分離膜を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、二次電池分離膜の基材として使用されることができ、溶融点が互いに異なる2種のPET繊維を含む二次電池分離膜用PET不織布を提供する。一例において、前記互いに異なる2種のPET繊維は、240℃以上の溶融点を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる第1ファイバーと、180〜220℃の溶融点を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる第2ファイバーとである。
【0007】
一例において、前記第1ファイバーの含量は全体の重量対比40〜70重量%であり、前記第2ファイバーの含量は全体の重量対比30〜60重量%であることが好ましい。
一例において、前記第1ファイバーは、アスペクト比が500〜2,000であり、直径が0.7μm以上、2.3μm未満のファイバー(i)、及び直径が2.3μm以上、5.5μm以下のファイバー(ii)の2種を含む。ここで、ファイバー(i):ファイバー(ii)の含量比は、好ましくは、95:5〜5:95であり、さらに好ましくは、70:30〜30:70である。
一例において、前記第2ファイバーは、アスペクト比が500〜2,000であり、直径が2.0μm以上、4.3μm未満のファイバー(iii)、及び直径が4.3μm以上、7.0μm以下のファイバー(iv)を含む。ここで、ファイバー(iii):ファイバー(iv)の含量比は、好ましくは、90:10〜10:90、さらに好ましくは、60:40〜40:60である。
一例において、前記PET不織布の孔隙率は45%〜85%であり、平均気孔直径は0.5〜7.0μmであることが好ましい。
一例において、前記PET不織布の打抜き強度は200gf〜600gfであることが好ましい。
一例において、前記PET不織布は単一層または2層以上の多重層構造であってもよく、この場合、不織布の全厚さは10〜45μmであり、多重層の場合、各層の厚さは少なくとも6.0μm超であることが好ましい。一つの好ましい例において、各層の厚さが8〜12μmの二重層構造であってもよい。
【0008】
本発明のまた他の側面は、上述した二次電池分離膜用PET不織布の一面または両面に直径が100〜600nmのナノファイバーからなるナノファイバー層が形成された二次電池用分離膜を提供する。これにより、二次電池用分離膜として負極と正極との絶縁機能をしつつ、イオンの流れを維持することができるほどに充分に微細な気孔を形成することができる。
【0009】
一例において、前記ナノファイバーは、シャットダウン機能を行うことができるように、融点が120℃〜170℃であることが好ましい。
一例において、前記ナノファイバーの種類は、特に限らないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリビニルフロライド(PVF)、ポリイミド、及びアラミドの中で選択された繊維のいずれか一つであることが好ましい。
一例において、ナノファイバー層が形成された本発明の分離膜は、孔隙率が40%〜80%であり、平均気孔直径は0.1〜1μmであることが好ましい。
一例において、前記分離膜の打抜き強度は200gf〜600gfであり、引張強度は250〜1500kgf/cm
2であることが好ましい。
一例において、前記二次電池は、リチウム二次電池であることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明による分離膜用PET不織布及びこれを含む二次電池用分離膜は、機械的強度に優れ、電解液に対する濡れ性に優れているだけでなく、溶融点が互いに異なる2種のPETを含み、別途のバインダー樹脂を添加することなく、耐熱性に優れて、電池の異常高温時に短絡防止効果に優れている。特に、2種のPETファイバーは、直径が互いに異なる2種のファイバーを利用することで、微細気孔を形成しつつも、強度低下とファイバーが絡み合うことが防止されて、均一な気孔及び孔隙率を有する分離膜を得るという長所がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で使用される全ての技術用語は、他に定義されない限り、下記の定義を有し、本発明の関連分野で通常の当業者が一般的に理解するものと同一の意味に符号する。また、本明細書には、好ましい方法や試料が記載されるが、これと類似しているか同等なものなども本発明の範疇に含まれる。本明細書に参考文献として記載する全ての刊行物の内容は、本発明に導入される。
用語「約」とは、参照量、水準、値、数、頻度、パーセント、寸法、サイズ、量、重量または長さに対して、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%程度に変わる量、水準、値、数、頻度、パーセント、寸法、サイズ、量、重量または長さを意味する。
本明細書を通じて、文脈で特に必要でなければ、「含む」という用語は、提示された段階または構成要素、或いは段階または構成要素の群を含み、任意の他の段階または構成要素、或いは段階または構成要素の群が排除されないことを内包する。
【0013】
以下、本発明を詳しく説明する。
二次電池分離膜用PET不織布
本発明は、PET素材からなる不織布を提供し、PET不織布は、引張強度、打抜き強度などの機械的強度に優れているだけでなく、通気性が高く、電解液と親和性にも優れている。それで、分離膜の電解液に対する濡れ性を向上させ、電解液が充填される時間を節約することができ、分離膜に電解液が均一に充填されることができる。
特に、本発明による二次電池分離膜用PET不織布は、溶融点(Melting Temperature)が互いに異なる2種のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)を含む。具体的に、240℃以上の溶融点を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる第1ファイバーと、180〜220℃の溶融点を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる第2ファイバーとからなる。
【0014】
前記第1ファイバーは、耐熱性に優れた高融点のPET繊維として優れた熱的安定性を有する。それで、本発明のPET不織布は、優れた寸法安定性及び耐久性を有し、短絡温度が高くなり、二次電池の安定性を大きく向上させることができる。従って、ESS、電気自動車などの大容量電池に適用する時に大きな効果がある。以下、前記第1ファイバーは、必要に応じて、「耐熱性ファイバー」と称することもある。
前記第2ファイバーは、相対的に低融点のPET繊維としてバインディングファイバーの役割を行い、不織布の製造過程で熱プレスの際に第1ファイバーの相互間及び第1ファイバーと第2ファイバーとの相互間を結合させる役割をする。それで、別途の疎水性接着性樹脂を利用することなく、同一のPET素材を利用してバインディング処理が行われることで、相互接着性に優れ、電解液濡れ性に優れた不織布を得る。以下、前記第2ファイバーは、必要に応じて、「バインディングファイバー」と称することもある。
前記耐熱性第1ファイバーとバインダ第2ファイバーとの含量比は特に限らないが、耐熱性ファイバーの含量が高すぎると相対的にバインディングファイバーの含量が少なくなるので、ファイバー間の結合力が十分でなく、電池製造過程でファイバーの離脱現象が発生し得る。反対に、バインディングファイバーの含量が高すぎると、不織布製造過程で互いに絡み合うファイバーの含量が多くなるので、所望の孔隙率を達成することができないという限界がある。
【0015】
本発明において、耐熱性第1ファイバーの厚さ(直径)は特に限らないが、直径がナノサイズ程度に細いほどポアサイズが微細になるので、二次電池用分離膜への適用に有利であるが、製造原価の上昇と微細なナノファイバー間の絡み合いが発生するという問題がある。反対に、第1ファイバーの直径が大きくなるほど工程上では有利であるが、機械的強度が劣り、5.5μmを超えると、製造された不織布のポアサイズが大きくなり過ぎるという問題がある。
特に、本発明において、第1ファイバーは、直径が約0.7μm以上、2.3μm未満であり、ナノレベルの細いファイバー(i)と、直径が約2.3μm以上、5.5μm以下のマイクロレベルのファイバー(ii)とを含む。これにより、ファイバー(i)によって微細なポアサイズを確保することができるだけでなく、ファイバー(ii)によって製造原価の減少及びファイバーの絡み合いを防止することができるという長所がある。前記ファイバー(i):ファイバー(ii)の含量比は、好ましくは、95:5〜5:95程度であり、さらに好ましくは、70:30〜30:70である。
【0016】
また、前記バインダーファイバーである第2ファイバーの断面直径が大きくなるほど通気性が増加するという利点があるが、7.0μmを超えれば打抜き強度が低下するという問題があり、反対に直径が小くなるほど、強度が増加するという利点があるが、2.0μm未満であれば通気性が低くなり過ぎるという問題がある。それで、第2ファイバーの場合も、直径が互いに異なる2種を使用することが好ましい。具体的に、第2ファイバーは、直径が約2.0μm以上、4.3μm未満のファイバー(iii)及び直径が約4.3μm以上、7.0μm以下のファイバー(iv)の2種を利用する。このように2種を利用することにより、通気性及び強度を適切に維持することができるという長所がある。前記ファイバー(iii):ファイバー(iv)の含量比は、好ましくは、90:10〜10:90であり、さらに好ましくは、60:40〜40:60である。
前記第1ファイバーと第2ファイバーとのアスペクト比は、約500〜2,000であることが好ましい。約500未満の場合は、機械的強度が劣り、約2000超の場合は、製品の不均一性及び繊維の絡み合い現象が増加する。
【0017】
本発明による二次電池分離膜用PET不織布は、融点が互いに異なる2種のPETファイバーを利用し、それぞれのファイバーは、また断面直径が互いに異なる、即ち、太さが互いに異なる2種のファイバーを利用することで、PET素材でありつつ、業界で要求する程度の薄膜化が可能であり、45%〜85%の優れた孔隙率と0.5μm〜7.0μmの微細な気孔直径を有し、気孔度分布が均一であるという長所がある。
また、本発明のPET不織布は、機械的強度に非常に優れているところ、250〜1500kgf/cm
2の引張強度及び200gf〜600gfの打抜き強度を表わす。
本発明のPET不織布は、単一層構造であってもよく、2層以上の多重層構造であってもよい。単一層または多重層構造で、全厚さは約10〜45μm程度が好ましく利用される。多重層の場合、単一層に比べて欠陷率が少なく均一なポアサイズを有し、電池製造過程における加圧などによる変形に対応することができ、耐久性に優れているという長所がある。
但し、各層の厚さは、少なくとも6.0μm超であることが好ましく、その未満の場合、量産工程上で困難があり、製品均質性が劣るという短所がある。それで、好ましい例において、各層の厚さが6μm超〜20μm以下、さらに好ましくは、8〜12μmの二重層構造を有するPET不織布である。このような二重層PET不織布は、ピンホールや異物流入などの単一層構造に比べて欠陥発生率が低く、気孔サイズの散布が均一で優れた品質を表わす(実験例3参照)。
【0018】
本発明のPET不織布を製造する方法は、特に限らず、例えば、公知の紙製法でシート状を形成した後、熱プレスして製造することができる。この時、熱プレス温度は、バインディングファイバーの溶融温度である180℃〜220℃程度で行われる。
上述したように、従来のPET不織布は、気孔サイズが大きく表面平滑性は低く、表面コーティングの際に表面ばらつきが大きいという短所があったことに対し、本発明のPET不織布は、微細な気孔サイズと均一な気孔サイズ散布を有し、表面特性に優れ、表面欠陷が少なく、機械的強度が高くて量産性に優れている。さらに、本発明のPET不織布は、電池温度が200℃以上に上昇する場合も、熱暴走が防止され、溶融及び収縮が発生しない耐熱性を有する。
【0019】
二次電池用分離膜
本発明によるPET不織布は、それ自体でまたはこれを基材として、二次電池用分離膜に利用されることができる。それで、二次電池用分離膜に適宜に適用するように多様な表面改質が可能である。例えば、有/無機フィラーをコーティングするかシリコーンコーティングなどの物性向上のための多様なコーティング層を形成することができる。
一つの好ましい例において、上述した本発明のPET不織布の一面または両面にナノファイバー層が形成される。
【0020】
前記ナノファイバー層をなすナノファイバーは、平均直径が約100〜600nmであることが好ましい。ナノ繊維の平均直径が約100nm未満の場合は、分離膜の通気性が低下し得て、ナノ繊維の平均直径が約600nmを超える場合は、分離膜の気孔のサイズ及び厚さの調節が容易でないこともある。
また、前記ナノファイバーは、シャットダウン機能を行うことができることが好ましい。シャットダウン機能とは、電池内部温度が上昇すれば、溶融されて分離膜の気孔を塞ぐことで、イオンの移動を遮断し、結果的に電流を遮断させる機能である。即ち、電池が高温に露出した場合、ナノファイバーは膨脹するか溶けて、分離膜の気孔を塞いで電流の流れを遮断し、電池の爆発危険を減少させる。この時、ナノファイバーの融点が約120℃未満の場合、シャットダウンが低すぎる温度で作動するため、電流が頻繁に遮断されることにより電池の機能を喪失し得る。一方、前記ナノファイバーの融点が約170℃を超える場合、シャットダウンが円滑に作動しないため、電池が爆発する危険がある。それで、前記ナノファイバーはシャットダウン機能が円滑に行われるようにするために、融点が約120〜170℃であってもよい。
前記ナノファイバーの素材は、前記のようなシャットダウン機能を行うことができるものであれば、特に限らず、具体的な例において、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリビニルフロライド(PVF)、ポリイミド、及びアラミドの中で選択された繊維のいずれか一つであってもよい。
【0021】
前記ナノファイバーは、基材の単位面積当たり約1.0〜10.0g/m
2程度でコーティングされることが好ましく、ナノファイバー層は、PET不織布基材上にナノファイバーを電気放射して形成することができる。前記電気放射工程は、特に限らず、当業界に公知された方式によって本発明に適宜に変形適用することが可能である。例えば、電気放射は、放射溶液が電荷を有するように電圧を印加させる段階、前記電荷を有する放射溶液を放射ノズルを通じて吐き出すことでナノファイバーを製造する段階、及び前記放射溶液と相反した電荷を有する集電体に前記ナノファイバーを集積させる段階を含むことができる。電気放射工程は、ナノサイズの直径を有する繊維を容易に製造することができるという利点がある。電気放射工程を通じて製造されたナノファイバー層は、薄い厚さと高い多孔度を有する。好ましい例において、ナノファイバー層の厚さは、基材層であるPET不織布層の厚さ対比、約10〜30%程度であり、具体的に約1〜13.5μmである。このような本発明の分離膜は、電気抵抗が低くて二次電池に利用される場合、二次電池の性能を大きく向上させることができる。
【0022】
このように本発明に開示されたPET不織布基材上にナノファイバー層を形成した分離膜は、40%〜80%の優れた孔隙率と約0.1〜1.0μmの微細な気孔直径を有し、気孔度分布が均一であるという長所がある。また、機械的強度が非常に優れているところ、約250〜1500kgf/cm
2の引張強度及び約200〜600gfの打抜き強度を表わす。
このように、本発明による分離膜は、耐熱性及び機械的強度に優れ、電解液濡れ性と表面特性が良いだけでなく、ナノファイバーが塗布されて気孔サイズが微細でかつ均質であり、屈曲率が高くてデンドライト耐性を発揮することができるという長所がある。
このような本発明の分離膜は、非水系二次電池に適用可能であり、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウム高分子二次電池などのリチウム二次電池に好ましく利用されることができる。
【0023】
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。これらの実施例は、単に本発明をより具体的に説明するためのもので、本発明の範囲がこれらの実施例に限らないということは、当業界で通常の知識を持った者において自明である。
【0024】
<評価方法>
1.空気透過度
空気透過度の測定装置にサンプルを皺のないように伸ばした後、円形の直径15cmのチャンバを下に押してサンプルを固定させる。設定圧力は600Paであり、測定された値はcm
3/cm
2/Sである。即ち、製品に設定された圧力を加え、この時、サンプルを通じて通過された空気の量を測定する方式である。1個のサンプルに対して、対角線形態で3ポイントを測定した後、その平均値とする。
【0025】
2.打抜き強度
打抜き強度の測定は、サンプルを皺のないように伸ばした後、テストフレームに固定させる。固定させたサンプルを直径が1mmのNeedleに1Kgfの力を加えながらサンプルが打抜かれるまで加える。打抜かれた時の値をgfの単位で記録する。サンプルは、10回測定し、その平均値とする。
【0026】
3.引張強度
製品をMD、TD方向に長さ10cm、幅1cmで切った後、引張強度の測定器の上端及び下端クリップに固定させる。500mm/minの速度で引張強度を測定する。上端と下端方向に力が加えられて試片が切れる時点の強度を引張強度として表示し、同一サンプル当り5回の試片を測定した後、その平均値とする。単位は、Kgf/cm
2の単位で表現する。
【0027】
4.熱安定性
製品を140mm×60mmずつ3個を用意した後、長さ方向に100mm、幅方向に40mmで十字架状に線を引く。実験に設定された温度にセッティングし、セッティング温度に到逹してオーブンが温度安定化された時に、サンプルをオーブンに入れて60分間放置した後、取り出して常温で10分間放置する。この時、実験前の十字線の長さ対比減った長さを測定して熱収縮率を計算する。
熱収縮率(%):(初期の長さ−オーブン実験後の長さ)/初期の長さ×100
【0028】
5.ポアサイズ
ポアサイズの測定は、ポロメーターを利用して実施するが、サンプル30mm×30mmでサンプルを切った後、ポロメーター測定器にサンプルを固定させ、Dry状態及び標準溶液をサンプルに投入した後、Wet状態における結果値を微/積分計算によって平均ポアサイズ、Maxポアサイズ及びポア散布などを測定する。
【0029】
6.ピンホール/異物
製品を蛍光灯が設置されたスタンド上に載せ、蛍光灯光が貫通するものをピンホールと定義し、2mm以上の斑点(黒点)などを異物として定義し、個数で表示する。
【0030】
7.SEMの分析
SEMは、ヘッド部分に装着されているフィラメントが電圧20KV、Beamサイズ10アンペアで電子Beamを発生させる。その電子Beamを試料上に反射させてイメージ形状を具現する。サンプル分析は、直径が約2cmのマウントにサンプルを固定後、シルバーフェースを両端に塗布、前処理Goldコーティングする。前処理が完了したサンプルを挿入後、ソフトウェアを通じて所望の倍率でイメージを分析する。
【0031】
[製造例1]PET不織布の製造(第1ファイバーと第2ファイバー)
240℃以上の溶融点を有するPET繊維(CRALAY CO.,LTD.、 KOLON Industries,Inc.)第1ファイバーを直径1.5μmのファイバー(i)と2.5μmのファイバー(ii)とを50:50の比率にし、180℃〜220℃の溶融点を有するPET繊維(CRALAY CO.,LTD.、KOLON Industries,Inc.)第2ファイバーを直径4.0μmのファイバー(iii)と5.0μmのファイバー(iv)とを50:50の比率にして、第1ファイバーと第2ファイバーとの下記の表1のように重量比率を異ならせて、下記のように不織布を製造した。
【0032】
1−1.実験実用の水草室設備に事前にビーカーに用意した試料を入れる。上記の試料は、第1ファイバーと第2ファイバーとの重量%を異ならせ、水対比の濃度が0.01−0.1重量%中で分散性に優れた濃度を選択して、同一濃度で実施した。
1−2.水草設備に定められた試料を入れた後、PETファイバーがよく分散されるようにブレードタイプの攪拌機を利用して1分間3600RPMで高速攪拌を実施する。攪拌時間が長くなり過ぎると、PETファイバーが互いに絡み合って分散が阻害され、サンプルの製造後、異物形態による品質の低下が生じる。
1−3.均等によく分散された原料を金網メッシュ状に受け、自然と水が抜けられるように一定時間脱水させる。
1−4.1次の自然脱水が終わったサンプルを柔らかい毛布を利用して包み、105℃のロールドライヤーを通過させて2次のサンプル内の水分を除去する。
1−5.2次の脱水されたサンプルを180℃−220℃の熱カレンダリング機械で温度と一定圧力を加えて作業を実施し、それぞれのサンプルに対して評価を実施した。
【0033】
[実施例1〜6]第1ファイバー/第2ファイバー重量比(%)
上記の実験方法で第1ファイバーと第2ファイバーとの重量比を異ならせて最終厚さが20μmのサンプルを製作し、実施例に係る重量比%は、下記の通りである。
【0035】
[実験例1]
実施例1〜6に係るPET不織布と常用分離膜である米国Celgard,LLC製品である分離膜(Celgard
(R)2320)に対して空気透過度、打抜き強度、引張強度及び熱安定性の実験を行い、その結果を下記の表2に示した。また、実施例4のサンプルの平面写真をSEMで撮影して
図1に示した。また、実施例4のサンプルの空気透過度は、15.8cm
3/cm
2/Sと表れ、打抜き強度が487gfであり、引張強度は、MDが1230kgf/cm
2、TDが675kgf/cm
2であるとそれぞれ表れた。
【0037】
[製造例2]
240℃以上の溶融点を有するPET繊維(CRALAY CO.,LTD.、 KOLON Industries,Inc.)第1ファイバー60重量%と、180℃〜220℃の溶融点を有するPET繊維(CRALAY CO.,LTD.、 KOLON Industries,Inc.)第2ファイバー40重量%とを含み、下記の表3のように直径が互いに異なる2種のファイバーを混合したという点を除いては、製造例1と同一の方法で不織布を製造した。
【0039】
[実験例2]
実施例7−16及び比較例1−4に係るPET不織布に対して、空気透過度、打抜き強度、引張強度及び熱安定性の実験を行い、その結果を下記の表4に示した。
【0041】
[製造例3]二重層PET不織布の製造
240℃以上の溶融点を有するPET第1ファイバー(ファイバー(i):ファイバー(ii)=65:35)と、180−220℃の溶融点を有するPET第2ファイバー(ファイバー(iii):ファイバー(iv)=45:55)とを重量比(%)60:40で用意し、最終製品の厚さが18μmになるように構造を異ならせて下記の実験方法で製造した。
【0042】
2−1.実験実用の水草室設備に事前にビーカーに用意した試料を入れる。(上記試料は、第1ファイバーと第2ファイバーとの重量比(%)60:40%、水対比濃度が約0.01−0.1重量%の中で分散性に優れた濃度を選択して同一濃度で実施した。)
2−2.水草設備に定められた試料を入れた後、PETファイバーがよく分散するようにブレードタイプの攪拌機を利用して1分間3600RPMで高速攪拌を実施する。攪拌時間が長くなり過ぎると、PETファイバーが互いに絡み合って分散が阻害され、サンプルの製造後、異物形態による品質の低下が生じる。
2−3.1つ層の厚さで18μm製造時には、1次の自然脱水、ドライヤーを利用した2次脱水、3次の熱カレンダリング作業の順で進行し、2つ層の構造のサンプル作業時には、9μmずつ水草室に入れ、1次の自然脱水後に9μmを二つの層を重ねた後、2次のドライヤーを利用した脱水、3次の熱カレンダリングの作業順で進行した。従って、3つ層の作業時には、6μmずつ水草室に入れ、1次の自然脱水後に6μmを3つ層重ねた後、2次のドライヤーを利用した脱水、3次の熱カレンダリングの順で進行した。
2−4.均等によく分散された原料を金網メッシュ状に受け、自然と水が抜けられるように一定時間脱水させる。
2−5.1次の自然脱水が終わったサンプルを柔らかい毛布を利用して包み、2次として、105℃のロールドライヤーを通過させてサンプル内の水分を除去する。
2−6.2次の水分が除去されたサンプルを3次で180℃〜220℃の熱カレンダリング機械で温度と一定圧力を加えて作業を実施し、それぞれのサンプルに対して評価を実施した。
【0044】
[実験例3]
上記のように製作されたサンプル(実施例12−14)に対して、下記の項目を評価実施した。
【0046】
[製造例4]
実施例10に係るPET不織布層にPVDFナノファイバーを電気放射して二次電池用の分離膜(実施例15)を製造した。製造された分離膜のSEM写真が
図2に示されている。同分離膜は、孔隙率が74%であり、平均気孔直径が0.32μmであり、最小気孔直径が0.15μm、最大気孔直径が0.48μmとして、均一な散布を表した。また、打抜き強度が507gfであり、引張強度(MD)が1120kgf/cm
2、引張強度(TD)が652kgf/cm
2で表れた。
【0047】
これまで本発明に対してその好ましい実施例を中心として検討した。本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者は、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現されることができることが理解できる。従って、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮される。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に表れており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれる。