(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774808
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】加熱抵抗素子を有する電気式発火始動器
(51)【国際特許分類】
F42B 3/18 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
F42B3/18
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2008-271838(P2008-271838)
(22)【出願日】2008年10月22日
(65)【公開番号】特開2009-109181(P2009-109181A)
(43)【公開日】2009年5月21日
【審査請求日】2011年8月16日
【審判番号】不服2014-2392(P2014-2392/J1)
【審判請求日】2014年2月7日
(31)【優先権主張番号】0707637
(32)【優先日】2007年10月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500404203
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】エティエンヌ デュガス
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ ゴーディナ
【合議体】
【審判長】
氏原 康宏
【審判官】
島田 信一
【審判官】
出口 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−522428(JP,A)
【文献】
英国特許出願公告第1419775(GB,A)
【文献】
特開2001−194094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱抵抗素子(17)を備える電気式発火始動器であって、
加熱抵抗素子が、
点火用発火装填材(19,21)によって覆われた少なくとも1つの電気導体層を具備し、かつ、
前記発火装填材を点火する前記加熱抵抗素子(17)に電力を供給するように、2つの電極(12,13)の第一及び第二の2つの先端の接触部(26,27)によってそれぞれ接続されている、
電気式発火始動器において、
前記層にわたって上記接触部同士の間に流れる電流を横切る方向を幅とした場合、
前記加熱抵抗素子(17)は、
前記発火装填材の点火用の電気抵抗を画定する第一の幅(L1)を有する少なくとも2つの第一の部分(101,102)と、
前記接触部(26,27)のうちの1つの近くに配置されていると共に第二の幅(L2)を有する少なくとも1つの第二の部分(201,202)と、
第三の幅(L3)を有すると共に第一の部分よりも大きな領域を有する熱分散表面を形成するために第一の部分(101,102)と第二の部分(201,202)との間に配置されている少なくとも1つの第三の部分(301,302)であって、点火限界のレベルを安定させると共に、前記第一の部分(101,102)及び前記第二の部分(201,202)と協働することによって点火限界のレベルを下げる第三の部分(301,302)と、
を備えており、
前記第三の幅(L3)は、前記第二の幅(L2)よりも広く、前記第二の幅(L2)は前記第一の幅(L1)よりも広く、
前記第一の部分(101,102)同士の間に少なくとも1つの第四の部分(401)が配置され、該第四の部分(401)は、第一の幅(L1)よりも広い第四の幅(L4)を有し、かつ、近隣の第一の部分(101,102)よりも大きな領域を有する熱分散表面を有しており、前記第四の部分(401)は不点火限界のレベルを高め、
前記加熱抵抗素子(17)は電気導体層(25)のむき出し部分を有し、前記接触部(26,27)は少なくとも1つの別の電気を伝導する層(28,29)に覆われた電気導体層(25)の一部から構成されていることを特徴とする電気式発火始動器。
【請求項2】
前記第三の部分(301,302)はフィンの形であることを特徴とする請求項1に記載の始動器。
【請求項3】
前記加熱抵抗素子(17)がエッチングによって形成されていることを特徴とする請求項1から2のいずれか1項に記載の始動器。
【請求項4】
前記第四の部分(401)はフィンの形であることを特徴とする請求項3に記載の始動
器。
【請求項5】
前記第二の部分(201,202)が有する前記第二の幅(L2)は近隣の前記接触部(26,27)の幅に等しいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の始動器。
【請求項6】
少なくとも加熱抵抗素子(17)の下の、電気的に絶縁する加熱抵抗素子の支持物(16)との間に、
支持物(16)の側に加熱抵抗素子(17)で発生した熱を分散する熱分散部(31)と、
前記加熱抵抗素子(17)と前記熱分散部(31)との間に少なくとも挿入されている熱を伝導しかつ電気的に絶縁する接着材の層(32)と、
を含んでいることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の始動器。
【請求項7】
前記接触部(26,27)は、前記加熱抵抗素子(17)の隣接する前記第二の部分(201,202)が有する電気抵抗よりも小さい電気抵抗を有する領域(262,272)から構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の始動器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式発火始動器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明が適用可能である分野として、自動車に乗っている人を守るための装置(例えばエアバッグ)を作動するためのガス発生器の発火装填材を発火させるための始動器が挙げられる。この始動器はシートベルトの作動装置として使われている電気発火式の点火器に利用することも可能である。
【0003】
この始動器には、点火用発火装填材、及びジュール効果で上記点火用発火装填材を点火するために上記点火用発火装填材に被せられた加熱抵抗素子が含まれている。この始動器に電気を供給するために、二つの電極が設置されている。
【0004】
電気式発火始動器の動作は、抵抗素子/点火用発火装填材の両者に影響され、そして抵抗素子/点火用発火装填材の両者の感度に影響される。
【0005】
実際、点火限界は上記電極に流れる電流の強度の限界に相当する。その限界を超えた強度の場合は、始動器が必ず作動する、つまり、点火用発火装填材が必ず点火する。
【0006】
不点火限界は点火限界未満であり、上記電極に流れる電流の強度の限界に相当する。その限界を超えていない強度の場合は、始動器は絶対に作動しない、つまり、点火用発火装填材が点火することはない。
【0007】
自動車メーカは仕様として一般に、点火のインパルスが1.2A/2ms又は1.75A/0.5msであり、不点火限界が0.4A/10sであるものの流通を求めている。
【0008】
この機能は例えばFR-A-2 866 106という文書に述べてあるタイプの抵抗素子によって果たすことができる。
【0009】
AK-LV 16という新しい仕様が登場した。発火技術という分野で通常利用していた試験を見直し、上記試験の代わりに新しい試験を提案した結果、新しい試験に合格するために点火限界のレベルを下げるべきであり不点火限界のレベルを高めるべきであることが明らかになった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
現在、点火限界のレベルを下げるための唯一の方法は抵抗素子の幅を減らすことであるが、抵抗素子の幅を減らすと不点火限界のレベルも下げる結果になる。
【0011】
従って、この方法は点火限界のレベルと不点火限界のレベルの差異を減少する問題を解決できない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はその欠点を解決でき、点火限界のレベルと不点火限界のレベルの差異を減らすことができる電気式発火始動器を提供することを目的としている。
【0013】
そのために、本発明の目的は、
加熱抵抗素子を備える電気式発火始動器であって、加熱抵抗素子が、点火用発火装填材によって覆われた少なくとも1つの電気導体層を具備し、かつ前記発火装填材を点火する前記加熱抵抗素子に電力を供給するように、2つの電極の第一及び第二の2つの先端の接触部によってそれぞれ接続されている、電気式発火始動器において、
前記層にわたって上記接触部
同士の間
に流れる電流を横切る方向を幅とした場合、上記加熱抵抗素子は、上記発火装填材の点火のための電気抵抗
を画定する第一
の幅を有する少なくとも1つの第一の部分と、上記接触部の
うちの1つの近くに配置されている
と共に第二の幅を有する少なくとも1つの第二の部分と、第三の幅を有
すると共に第一の部分より
も大きな領域を有する熱分散
表面を
形成するため
に第一の部分と第二の部分との間に配置されている少なくとも1つの第三の部分とを備えており、上記第三の幅は第二の幅より
も広く、上記第二の幅は第一の幅より
も広いことを特徴とする電気式発火始動器。
本発明の実施形態によれば、上記第三の部分はフィンの形である。
少なくとも2つの上記第一の部分を備え、上記第一の部分の間に少なくとも1つの第四の部分が配置され、上記第四の部分は
、第一の幅よりも広い第四の幅を有し、かつ近隣の第一の部分が有する熱分散
表面より
も大きい熱分散
表面を有する。
上記第四の部分はフィンの形である。
上記第二の部分が有する第二の幅は近隣の上記接触部の幅に等しい。
少なくとも加熱抵抗素子の下の、電気的に絶縁する加熱抵抗素子の支持物との間
に、支持物の側に加熱抵抗素子で発生した熱の一部を分散するための熱分散部と、加熱抵抗素子と熱分散部との間に
少なくとも挿入されて
いる熱を伝導
しかつ電気的に絶縁
する接着材の層とを含んでいる。
上記接触部は
、加熱抵抗素子の
隣接する第二の部分が有する電気抵抗より
も低い電気抵抗を有する領域から構成されている。
上記加熱抵抗素子は電気導体層に覆われない部分を有し、接触部は、少なくとも1つの別の電気を伝導する層に覆われた電気導体層の一部から構成されている。
【0014】
本発明は下記の説明により、より理解できる。説明は添付の図面に対して、制限的でない例としてしか述べていない。添付の図面は以下である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明による電気式発火始動器1が
図1に示されている。上記電気式発火始動器1は円筒形の容器2を含んでいる。上記円筒形の容器2は、始動器の縦軸の周りに円形であり、ばらばらに分解することができ、一端が開いている。上記円筒形の容器2の開いた一端が中実の円筒の本体3で閉じられてある。本体3の側壁4は外部ショルダー5を有する。上記容器2の開いた一端は上記外部ショルダー5に支えられる。容器2と本体3はオーバーモールド6の中で締め付けられて、オーバーモールド6に固定されて連動するようになっている。従って、上記容器2は、側壁7、及び平面で開口がない閉じられている上部面8からなる円筒形のフードの形を有する。例えば、上記容器2は上記側壁7を補強する金属管20も含む。上記容器2は軽くて薄い金属でできている。上記容器2の平面の面8は、容器の中の圧力が高くなることで簡単に開けるように、もろく作られていることが好ましい。オーバーモールド6は熱可塑性樹脂(例えばポリエチレンテレフタラート)でできていることが好ましい。本体3は例えば鋼鉄のように高密度の金属で作られている。
【0016】
本体3は、平らな上部面9と平らな下部面15を有し、2つの導体電極12,13を通すために電気を絶縁する構造を、本体3の高さhの全体に渡って締め付ける。2つの電極12,13を通すための構造は例えばガラス質である。2つ電極12,13はピンの形である。示されている実施形態では、2つの電極12,13を通すための構造は電気を絶縁する、例えばガラスでできている2つの管10及び11から構成されている。上記管10,11はそれぞれ2つの電極12,13を締め付けている。変形例として、2つの電極12,13を通すための構成は対応する電極12又は13を締め付けるただ1つの管10又は11を含んでもよい。また、別な変形例として、本体3は電気を絶縁する例えばガラスでできており、管10,11なしで電極12,13を締め付ける構成であってもよい。図面で示されていない実施形態では、電気を絶縁する管10,11の1つに取り囲まれている電極12,13の1つは同軸タイプであってよく、本体3の下にある接続部で本体3に電気的につながっていてもよい。
【0017】
本体3の平らな上部面9に支持物16が、例えば貼り付けで、固定されている。図面で例として示されている実施形態の場合、上記支持物16は電極12,13から絶縁されるように電気を絶縁する材料、例えばガラス/樹脂の混合(ガラス繊維にエポキシを充填した複合重合体のように)でできている板から構成されている。支持物16の中に、2つの導体電極12,13を通すための2つの円筒形の通行導管22,23が用意されている。それぞれの電極12,13には、本体3の平らな上部面9と支持物16の平らな上部面9から突き出す上部の一端12b,13b、及びオーバーモールド6の下部面14から突き出す一端12c,13cが備えられている。
【0018】
支持物16は、加熱抵抗素子17を含む電極12,13に電気的につながっている電気回路18を支えている。
【0019】
抵抗素子17は既に知られている方法を利用して写真製版された。抵抗素子17は容器2に入った、又は図面に示されているように容器2及び金属管20に入った点火用発火装填材に覆われた上部面24を有する。上記点火用発火装填材は、例えば発火起爆剤19と点火粉末又は点火剤21を含んでいる。上記発火起爆剤は、加熱抵抗素子17と接触しており、例えばトリニトロレゾルシン酸鉛でできている。上記点火粉末又は点火剤は発火起爆剤19を覆い、例えば硝酸セルロースを元にした粉から、又はホウ素と硝酸カリウムの混合物から構成されている。加熱抵抗素子17は例えば平らである。下記に示される始動器のように、発火起爆剤19はジルコニウムと過塩素酸カリウムの混合であってもよいこと、及び点火粉末21は水素化チタンと過塩素酸カリウムの混合であってもよいことである。
【0020】
加熱抵抗素子17は例えば金属でできており、例えば1つの電気の導体層25の中間部から構成され、例えばPtW、ニッケルクロム等の合金でできている。層25は、加熱抵抗素子17を構成するその中間部以外、2つの電極12,13のそれぞれと共に、2つに分かれた電気接触部26,27に覆われている。接触部26,27は点火用発火装填材に覆われており、層25と共に電気回路18を構成しており、例えば層25の上にある銅の層28からなる。上記銅の層は例えば別のメタル化層29に覆われている。層25及び加熱抵抗素子17の外にある接触部26,27を、電極12,13が貫通している。それぞれの接触部26,27は電導アイランド261,271を含んでいる。上記導体単独系統261,271は導管22,23を取り囲んでおり、加熱抵抗素子17の周りのより狭い幅の部分262,272で終ることである。
【0021】
上記幅は電流の通り道を横切る方向に測るものだと理解されたい。
【0022】
熱分散部31は支持物16と加熱抵抗素子17の間に備えられている。上記熱分散部は例えば、参照として本出願に添付されている特許出願FR-A-2 866 106に基づくものである。熱分散部31は、加熱抵抗素子17から熱分散部31への熱の伝導を可能にする適切な任意の手段によって、電極12,13と加熱抵抗素子17から電気的に絶縁されている。熱分散部31は加熱抵抗素子17と接触していない。熱分散部31は熱を伝導でき、支持物16の方に加熱抵抗素子17で発生した熱の一部を分散するために使われる。熱分散部は例えば100 mW/cm.K(銅合金の中で一番熱伝導しない銅合金であるコンスタンタンの場合)に等しい又は100 mW/cm.Kを超える熱伝導性を有し、又は、望ましくは200 mW/cm.Kに等しい又は200 mW/cm.Kを超える熱導体性を有する。
【0023】
熱分散部31は、加熱抵抗素子17の下に位置し、例えば上記加熱抵抗素子と同じ方向に配置される、又は、
図3に破線で示されているように、接触部26,27の下にその位置から突き出すように配置される。
【0024】
熱分散部31は例えば、連続した所定の厚さを持つ、熱伝導層31から構成されている。熱分散部31は例えば電気を伝導する、例えば銅又はアルミのような金属でできている。勿論、熱分散部31のために上記銅又はアルミのような金属以外の熱を伝導する任意の他の材料を使用してもよい。
【0025】
図2と
図3に示されている実施形態の場合には、加熱抵抗素子17に対して熱分散部31を電気的に絶縁するために、熱を伝導でき、かつ電気的に絶縁できる接着材からなる第一の層32が、加熱抵抗素子17と熱分散部31の間に配置されている。接着材の層32は加熱抵抗素子17と熱分散部31の間に物理的な接触を確保する。勿論、熱分散部31と支持物16の間に熱を伝導でき、かつ電気的に絶縁できる接着材の第二の層を配置してもよい。
【0026】
図2に示されている実施形態の場合には、熱分散部31の下に接着材の第二の層33がないため、熱分散部31は直接に支持物16を接触する。そうするために、熱分散部31は平らな上部面を有する支持物16の上の適切な場所に配置され、そして回路18は、熱分散部31及び支持物16の上の接着材の層32の上に配置される。接着材の第一の層32は、支持物16と加熱抵抗素子17及び電極12,13を通すための導管22,23との間で、上記熱分散部31の上部面及び側面を取り囲んでおり、かつ各導管22,23と熱分散部31との間において、支持物16と接触している。第一の層32は導管22,23を取り組んでいて、電気伝導層25を支える。
抵抗素子17は製版を利用して2つの段階で作られる。支持物16、層31、接着材32、層25及び層28から構成されているスタックの上に、抵抗素子17及び接続領域26,27の全体的な形を決定するために層25及び層28の製版を行う。そして、層28の製版を行って、その結果、層25をむき出しにしにすることができ、抵抗素子17の境界を定めることができる。そして、接続領域26,27のはんだ付け性を確保するために、層29を配置する。
【0027】
抵抗素子17は、発火装填材に直接に覆われていて、かつ接触部26,27に覆われていない導電性の領域とみなされる。
【0028】
加熱抵抗素子17は、接触部の部分262,272の間に、第一の幅L1の境界を持つ第一の中心部分101,102を有する。上記第一の中心部分101,102は、その上に配置されている発火装填材を熱するときに、点火限界のレベルを保つ電流が流れるように計算された電気抵抗Rを定義する。その結果、第一の中心部分101,102は接触部26,27の間に位置する一部の電気抵抗を定義し、かつ通常ミリ秒の範囲の電流インパルスである点火限界のレベルを定義する敏感素子を構成している。上記抵抗素子17の点火限界のレベルは、上記部分101,102の第一の幅L1によって直接定義されている。敏感な部分101,102が2つあるので、冗長な効果がある。従って、始動器の動作の安全性が高まる。勿論、ただ1つの部分101又は102が備えられていてもよい。
【0029】
抵抗素子17はさらに2つの第二の部分を有する。上記2つの第二の部分は接触部26,27に接続されているものである。従って、2つの第二の部分201,202は抵抗素子17の端の部分である。第二の部分201,202の幅L2は中心部分101,102の幅より大きい。第二の部分201,202の固有の点火限界のレベルは第一の部分101,102の点火限界のレベルより大きいので、全体的な点火限界のレベルに干渉しない。第二の部分201,202は抵抗素子17の抵抗を定義することに関与する。
【0030】
第二の部分201,202の幅は第一の部分101,102の幅より大きいので、抵抗素子が単なる棒で構成される場合より、全体抵抗を正確に定義することを可能にする。実際、単なる棒の場合には、製版の変動は直接的に単なる棒の幅の変動に影響を与える。従って、単なる棒の幅の変動は抵抗素子の抵抗の変動に影響を与える。
【0031】
この場合は、第一の部分101,102の幅に関する変動は第二の部分201,202の幅に関する変動と絶対値では同一であっても、第二の部分201,202の変動は第一の部分101,102の変動より相対値では低い。その上、第一の部分101,102の幅と第二の部分201,202の幅の差異は大きいからよりいっそう、第二の部分201,202の変動は第一の部分101,102の変動より相対値で低くなる。
【0032】
第一の部分101,102と第二の部分201,202との間のそれぞれに、抵抗素子17の第三の部分301,302が配置されている、つまり、
図3と
図4に示されている実施形態の場合に第三の部分が2つある。第三の部分301,302が有する第三の幅L3は第二の部分201,202が有する第二の幅L2より大きく、かつ第一の部分101,102が有する第一の幅L1より大きい。
図3と
図4に示されている実施形態の場合に、第三の部分301,302は例えばフィンの形を有する。
【0033】
それぞれの第三の部分301,302が有する熱分散
表面はそれぞれの隣接の第一の部分101,102が有する熱分散
表面より
も大きい。
【0034】
第三の部分301,302は安定した熱質量を定義することを可能にする。第三の部分301,302の熱質量は直接的に点火限界のレベルの値に影響を与えている。上記第三の部分301,302により点火限界の値を接触部26,27の導体層28,29の厚さから独立させることができるという点で優れている。実際、単なる棒から構成されている抵抗素子では、点火限界の値は電流が棒を走りぬけるときに棒の中央部分が到達する温度によって定義されている。上記温度は棒の幅によるが、それだけでなく、抵抗素子の一端の熱質量に行われた冷却にもよる。上記熱質量は構造と材料の厚さ、及び材料によって定義されている。2つの第三の部分301,302が用意されている場合、熱質量の大きい構成であり、かつ抵抗素子17の厚さは一定している。その結果、安定した熱質量を有することができる。したがって、単なる棒から構成されている抵抗素子が備えられている場合より安定している点火限界のレベルを有することができる。
【0035】
勿論、ただ1つの第三の部分を備えてもよい。2つより多い第一の部分を備えてもよい。2つより多い第三の部分を備えてもよい。
【0036】
図3と
図4に示されている実施形態の場合には、抵抗素子17は2つの第一の部分101,102の間に第四の部分401を有している。上記第四の部分401は第一の幅L1より大きい、かつ第二の幅L2より
も大きい第四の幅L4を有しており、例えばフィンの形を有する。第四の部分401が有する熱分散
表面は各第一の部分101,102が有する熱分散
表面より
も大きい。従って、第四の部分401は、抵抗素子17に不点火限界の電流が流れるときにエネルギーの一部が流れることを可能にする。
図4に示されている実施形態では、インパルスからなる不点火限界の電流が流れる場合、不点火限界のレベルをさらに約100mA/10s高めることが可能である。
【0037】
第三の部分301,302、及び第四の部分401(上記第四の部分401が備えられている場合)は、冷却性を確保する。
【0038】
第一の、第二の及び第三の部分の構造は、点火限界のレベルを減少することを可能にし、抵抗素子の全体抵抗をより簡単に調整することを可能にし、かつ接触部26,27を構成する領域(つまり上記の例で述べたように錫めっきされた領域)の金属層の厚さから点火限界のレベルを独立させる。
【0039】
第二の部分201,202は例えば、接触部26,27の一端の部分262,272の幅に等しい第二の幅L2を有する。
【0040】
抵抗素子17の1つ又は他の部分は例えば、接触部26と接触部27を相互に接合する長さの方向に一定の幅を有する。抵抗素子17の1つ又は他の部分は例えば、端部は直線であり、例えば幅の縦断の方向及び幅の横断の方向はそれぞれ平行である。
【0041】
1つ又は他のフィン301,302又は/及び401は例えば、隣接する部分の両側から突き出している側面の脚から構成されている。1つ又は他の脚は例えば長方形である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、本発明による始動器の一例を示す始動器の軸方向の概略断面図である。
【
図2】
図2は、
図1による上記始動器の実施形態による、支持物に乗せてある加熱抵抗素子の配置の、縦軸方向の概略断面図である。
【
図3】
図3は、本発明による支持物に乗せてある加熱抵抗素子の実施形態の一例の概略上面図である。
【
図4】
図4は、図面4による加熱抵抗素子を拡大した概略上面図である。
【0043】
17 加熱抵抗素子
19 点火用発火装填材
21 点火用発火装填材
26 接触部
27 接触部
101 第一の部分
102 第一の部分
201 第二の部分
202 第二の部分
301 第三の部分
302 第三の部分