(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つのケイ素系前駆体、及び前記ケイ素系前駆体とは別個のポロゲンを含有し、かつ前記ケイ素系前駆体が下記の式を有する、組成物(ただし、ビニルシラン化合物を含まない):
(CH3)R1m(OR2)3−mSi
(R1は独立に、水素、又は直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC1〜C4炭化水素(ただし、ビニル基ではない);
R2は独立に、直鎖若しくは分枝鎖の、飽和、単不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的に若しくは完全にフッ素化されたC1〜C6炭化水素;かつ
mは、1〜2)。
前記少なくとも1種のケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジイソプロポキシキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、及びジメチルジ−t−ブトキシシランからなる群より選ばれる、請求項2に記載の組成物。
少なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシランであり、かつ少なくとも1つの前記追加のケイ素系前駆体が、テトラエトキシシランである、請求項6に記載の組成物。
少なくとも1つの前記ケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシランであり、かつ少なくとも1つの前記追加のケイ素系前駆体が、トリエトキシシランである、請求項6に記載の組成物。
前記ポロゲンが、α−テルピネン、リモネン、シクロへキサン、1,2,4−トリメチルシクロへキサン、1−メチル−4(1−メチルエチル)シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロオクタン、エチレン、プロピレン、アセチレン、ネオへキサン、ジメチルシクロへキセン、t−ブチルシクロへキセン、ピネン、ビニルシクロへキセン、ノルボルナン、スピロノナン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、カンフェン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、アダマンタン、1,3−ブタジエン、置換ジエン、及びデカヒドロナフタレンからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項9に記載の組成物。
前記少なくとも1種のケイ素系前駆体が、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジイソプロポキシキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、及びジメチルジ−t−ブトキシシランからなる群より選ばれる、請求項15に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
有機シリケートは、
低誘電率(低k
)材料の候補であるが、これらの材料に多孔性を付与するためにポロゲンを添加しないと、その固有誘電率は2.7程度の低さに制限される。多孔性の付与(空隙空間は固有誘電率1.0を有する)は、通常、機械的特性を犠牲にして膜の全体誘電率を低下させる。
低誘電率(低k)材料の特性は
、膜の化学組成及び構造に依存する。有機ケイ素前駆体の種類は
、膜構造及び組成に強い影響を有するので、所望の誘電率に到達するのに必要な量の細孔の付加が機械的に健全でない膜を生じないことを確実にするように、要求される膜特性を与える
ケイ素系前駆体を使用する
ことが有利である。このように、本発明は
、電気的及び機械的特性の望ましいバランスを有する多孔質
有機シリカガラス(OSG
)膜を生じさせる手段を提供する。他の膜特性は
、電気的若しくは機械的特性をたどることが多い。
【0019】
本発明の好適な態様は、他の多孔質有機シリカガラス材料に比べて
、低い誘電率
、改良された機械的性質、熱的安定性
、及び化学的耐性(酸素、水性酸化
雰囲気等に
対して)を有する薄膜材料を提供する。これは炭素(好ましくは主に有機炭素−CH
x(xは1〜3)の形態、
より好ましくはCの大部分は−CH
3の形態)
、及び無機フッ素(
例えばSi−F結合)の膜への導入の結果であ
る。これによれば、特定の
ケイ素系前駆体若しくはネットワーク形成化学品が
、酸化体(酸化体として作用すると思われる限度までの任意の付加的/キャリアガスCO
2以外)のない
雰囲気で
、膜を堆積するのに使用される。さらに、膜中の水素の大部分は炭素に結合されている
ことが好ましい。
【0020】
本発明の好適な態様は
、下記の成分を含む:(a)約10〜約35原子%、もっと好ましくは約20〜約30原子%のケイ素;(b)約10〜約65原子%、
より好ましくは約20〜約45原子%の酸素;(c)約10〜約50原子%、
より好ましくは約15〜約40原子%の水素;並びに(d)約5〜約30原子%、
より好ましくは約5〜約20原子%の炭
素。さらに、膜は
、1つ以上の材料特性を向上させるために、約0.1〜約15原子%、
より好ましくは約0.5〜約7.0原子%のフッ素を含みうる。比較的少量の他元素も
、本発明の膜に存在しうる。
【0021】
有機シリカガラス(OSG
)材料は、産業で伝統的に用いられている標準的な材料
であるシリカガラスよりも誘電率が低いので
、低誘電率(低k
)材料であると考えられ
ている。本発明の
低誘電率(低k)材料は
、堆積プロセスに細孔形成種
、すなわちポロゲンを添加し
て、堆積されたままの(すなわち予備的)
有機シリカガラス(OSG
)膜にポロゲンを
導入し、そして予備膜から実質的にすべてのポロゲンを除去する
一方で、予備膜の末端Si−CH
3基を実質的に保持したまま生成物膜を得ることにより
、得る
ことができる。生成
する膜は、多孔質
有機シリカガラス(OSG
)であり、予備膜
及びポロゲンなしに堆積された類似の膜と比べて
、減少した誘電率を有する。本発明の膜を
、多孔質の
有機シリカガラス(OSG
)として識別することが重要であ
る。これに対して多孔質の無機SiO
2は、
有機シリカガラス(OSG
)の有機基により付与される疎水性を欠く。
【0022】
PE(プラズマ増強)−CVD TEOS(テトラエトキシシラン)で製造されるシリカは
、陽電子消滅寿命分光法(PALS)分析により測定される固有の自由体積(free volume)細孔径が球体相当径約0.6nmである。小角中性子散乱(SANS)若しくはPALSで測定される本発明膜の細孔径は
、球体相当径が好ましくは5nm未満、
より好ましくは球体相当径が2.5nm未満である。
【0023】
膜の全気孔率は5〜75%であり得、プロセス条件及び所望の最終膜特性に依存する。好ましくは、本発明の膜は2.0g/ccより小さい
密度、1.5g/ccより小さい
密度、
又は1.25g/ccより小さい密度を有する。好適には、本発明の膜はポロゲンなしに製造された類似の
有機シリカガラス(OSG
)膜の密度
と比較して、少なくとも10%小さい
密度、
より好適には少なくとも20%小さい密度を有する。
【0024】
膜の気孔率は膜全体にわたって一様である必要はない。ある態様において、気孔率の勾配及び/又は種々の気孔率の複数層がある。このような膜は、
例えば堆積時に
ケイ素系前駆体に対するポロゲンの比を調節することにより得られうる。
【0025】
本発明の膜は
、一般的な
有機シリカガラス(OSG
)材料に比べて低い誘電率を有する。好ましくは、本発明の膜は、ポロゲンなしに製造された類似の
有機シリカガラス(OSG
)膜の密度
と比較して、少なくとも0.3小さい
誘電率、
より好適には少なくとも0.5小さい誘電率を有する。好適には、本発明の多孔質膜のフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルは、ポロゲンがないこと以外は実質的に同一の方法により調製された対照膜の
対照フーリエ変換赤外(FTIR
)と実質的に同一である。
【0026】
好ましくは、本発明の膜は一般的な
有機シリカガラス(OSG
)材料に比べて優れた機械的特性を有する。好適には、本発明の膜の基本
有機シリカガラス(OSG
)構造(
例えばポロゲンを添加していない膜)は、ナノ
押込みで測定して、同一の誘電率を有する類似の
有機シリカガラス(OSG
)膜より少なくとも10%大きい、
より好適には少なくとも25%大きい、硬さ
又は弾性率(モジュラス
)を有する。
【0027】
本発明の膜は
、低誘電率(低k
)膜を堆積するのに酸化体の使用を必要としない。ガス相に添加される酸化体(
例えばO
2、N
2O、オゾン、過酸化水素、NO、NO
2、N
2O
4又はそれらの混合物)の不存在は、膜における
ケイ素系前駆体のメチル基の保持を容易にする。ここでこの酸化体は、有機基を酸化しうる部分として定義される。これは望ましい特性、
例えば低減誘電率及び疎水性
の特性を付与するのに必要な最少量の炭素の配合を可能にする。同様に、これはシリカのネットワークを最大に保持し易く、優れた機械的特性、接着力、及び一般的なエッチング停止材料(
例えば炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素
等)へのエッチング選択性を有する膜を付与する。
これは、
本発明の膜
が、伝統的な誘電絶縁体であるシリカに
比較的類似する特徴を保持する
ことによる。
【0028】
さらに、本発明の膜は
、無機フッ素の形態で(
例えばSi−F
の形態で)フッ素を含有しうる。存在するとき、フッ素は0.5〜7原子%の量で含まれるのが好適である。
【0029】
本発明の膜は熱的に安定であり、良好な化学品耐性を有する。特に、アニール
処理後の好適な膜は
、N
2中で425℃の等温下に
おいて、1.0wt%/hrより小さい平均減量を有する。さらに、好適には膜は
、空気中で425℃の等温下に
おいて、1.0wt%/hrより小さい平均減量を有する。
【0030】
膜は種々の用途に適している。特に膜は半導体基体上の堆積に適しており、そして
例えば絶縁層、層間絶縁膜及び/又は金属間絶縁膜としての使用に特に適する。膜は適合した被覆を形成しうる。これらの膜により示される機械的性質は、Alサブストラクティブ(subtractive)法
、及びCuダマシン(damascene)法
又はデュアルダマシン法における使用にそれらを特に適合させる。
【0031】
膜は化学的機械平坦化及び異方性エッチングに適合し、そしてシリコン、SiO
2、Si
3N
4、
有機シリカガラス(OSG
)、FSG(フッ素化シリカガラス)、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、水素化炭窒化ケイ素、窒化ホウ素、水素化窒化ホウ素、反射防止被覆、フォトレジスト、有機ポリマー、多孔質有機及び無機材料、銅及びアルミニウムのような金属、並びにTiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、WN若しくはW(C)Nのような(これらに限定されない)拡散バリア層のような種々の材料に接着しうる。膜は、ASTM D3359−95aテープ引張り試験のような従来の引張り試験に合格する
のに充分に、少なくとも1つの前述の材料
に接着しうるのが好適である。試料は膜の識別しうる除去がなければ合格したと判断される。
【0032】
本発明は膜を供給するのに特に好適であり、そして本発明の生成物はここでは主として膜として説明されているが、本発明はそれに限定されない。
【0033】
本発明は膜を供給するのに特に適し、そして本発明の生成物は膜としてここで主として説明されるが、本発明はこれらに限定されない。本発明の生成物はCVDにより堆積され得るいかなる形態でも供給され得、
例えば被覆、多層集合体、並びに必ずしも平面若しくは薄くなくてもよい、他の種類の対象物であり得、さらには集積回路に必ずしも使用されない多数の対象物でありうる。好適には、基体は半導体である。
【0034】
本発明の
有機シリカガラス(OSG
)生成物に加えて、本発明は
、生成物が製造される方法、その生成物を使用する方法、並びにその生成物を製造するのに有用な化合物及び組成物を含む。
【0035】
分子の単一種が構造形成物及びポロゲンの両方として機能することも
、本発明の範囲内である。すなわち、構造形成
用ケイ素系前駆体及び細孔形成
用前駆体は必ずしも異なる分子でなくてもよく、ある態様においては
、ポロゲンは
、構造形成
用ケイ素系前駆体の
一部(
例えば共有結合的に結合されている)である。それらに結合されているポロゲンを含有する
ケイ素系前駆体はここでは以後、「ポロゲン化された
ケイ素系前駆体」(
「porogenated
silicon−based precursors
」)と呼ばれることがある。
例えば、ネオヘキシル
−テトラメチルシクロテトラシロキサン
(TMCTS)を単一種として使用することは可能であり、それにより分子の
テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS
)部分は
、基本
有機シリカガラス(OSG
)構造を形成し、かさばったアルキル置喚基であるネオヘキシルは
、細孔形成種であり、アニール
処理プロセスの際に除去される。
【0036】
有機シリカガラス(OSG
)構造にネットワークを形成するSi種に結合されたポロゲンを有することは、堆積時に膜への比較的高いポロゲン配合を達成するのに有利であり得る。さらに、
ケイ素系前駆体
の1つのSiに結合した2つのポロゲン(
例えばジ−ネオへキシル−ジエトキシシラン)、又は1つのポロゲンに結合した2つのSi(
例えば1,4−ビス(ジエトキシシリル)シクロへキサン)を有することも、堆積時にプラズマ中で最も壊れ易い結合はSi−ポロゲン結合であるので、有利である。この
様式では、プラズマ中での1つのSi−ポロゲン結合の反応は
、堆積膜におけるポロゲンの配合をなお生じさせる。
【0037】
好適なポロゲン化された
ケイ素系前駆体のさらなる非制限的な例は、1−ネオへキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−ネオペンチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、ネオペンチルジエトキシシラン、ネオヘキシルジエトキシシラン、ネオヘキシルトリエトキシシラン、ネオペンチルトリエトキシシラン
、及びネオペンチル−ジ−t−ブトキシシランを含む。
【0038】
単一若しくは複数のポロゲンがケイ素に結合している材料
のある態様
では、膜が硬化して細孔を形成するとき
にポロゲンの
一部がケイ素に結合したままで
、膜に疎水性を付与するようにポロゲンを設計するのが有利である。Si−
ポロゲン
結合を含む
ケイ素系前駆体におけるポロゲンは、分解若しくは硬化が
、−CH
3のようなポロゲンからの末端化学基をSiに結合したまま残すように
して選ばれ得る。
例えば、ポロゲン
としてネオペンチルが選ばれると、適切な条件下での熱アニール
処理は
、Siに
対してβ位であるC−C結合での結合切断を生じさせる
。この結合は
、Siに隣接する2級炭素とt−ブチル基の4級炭素の間の結合であり、熱力学的に切断するのに最も有利な結合である。適切な条件下で、これはSiを満たすために末端−CH
3基を残し、
また膜に疎水性及び低誘電率を与える。
ケイ素系前駆体の例は、ネオペンチルトリエトキシシラン、ネオペンチルジエトキシシラン及びネオペンチルジエトキシメチルシランである。
【0039】
堆積された膜におけるポロゲンは
、反応チャンバに導入されたポロゲンと同一の形態であっても
、そうでなくてもよい。同様に、ポロゲン除去プロセスは
、膜からポロゲン若しくはその断片を遊離させうる。本質的に、ポロゲン試薬(
又はケイ素系前駆体に結合されたポロゲン置換基)、予備膜におけるポロゲン
、及び除去されるポロゲンは
、同一種であってもなくてもよいが、それらはすべてポロゲン試薬(
又はポロゲン置換基)に由来するのが好ましい。本発明
の方法にわたってポロゲンが変化しないか否かにかかわらず、ここで使用される「ポロゲン」(
「porogen
」)という用語は
、細孔形成試薬(
又は細孔形成置換基)及びその誘導体(本発明の全プロセスにわたって見出されるいかなる形態であっても)を包含するように意図される。
【0040】
他の本発明の態様は
、新規なオルガノシラン及びオルガノシロキサンである。ネオへキシル
−テトラメチルシクロテトラシロキサン(ネオヘキシル−TMCTS
)及びトリメチルシリルエチル−
テトラメチルシクロテトラシロキサン(トリメチルシリルエチル−TMCTS
)のような低誘電率
ケイ素系前駆体として使用するために合成された新規なポロゲン含有
材料(すなわちポロゲン化された
材料)は、さらに他の領域で潜在的な用途を有しうる。本発明の新規なオルガノシランは
、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS
)、又はジエトキシメチルシランを用いたオレフィン前駆体のヒドロシリル化反応により容易に調製され得る。
例えば、クロロ白金酸触媒の存在下に
おいて、等モルの蒸留3,3−ジメチルブテンに
、ジエトキシメチルシラン
、又はテトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS
)を滴下添加すると、ネオへキシル置換シランであるネオへキシルジエトキシメチルシラン及びネオへキシルテトラメチルシクロテトラシロキサンが高収率で得られる。
【0041】
「ガス状試薬」という用語は試薬を説明するのにここで用いられることがあるが、その用語は、反応器にガスとして、直接に供給され
る試薬、気化した液体、昇華した固体として供給され
る試薬、
かつ/又は反応器に不活性キャリアガスにより輸送され
る試薬を包含する。
【0042】
さらに、試薬は
、別個の供給源から別々に、
又は混合物として、反応器に供給されうる。試薬はいかなる数の手段によっても、好ましくはプロセス反応器に液体の配給を可能にする適切なバルブ及び継ぎ手を備えた加圧しうるステンレス鋼容器を用いて、反応系に送られうる。
【0043】
ある態様において、異なるオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサンの混合物は一緒に用いられる。さらに、多数の異なるポロゲンの組合わせの使用、並びにオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサンを、結合したポロゲンを持つオルガノシラン及び/又はオルガノシロキサン種と組合わせて使用することも、本発明の範囲内である。このような態様は
、最終生成物のSiに対する細孔の比を調節するのを容易にし、及び/又は基本
有機シリカガラス(OSG
)構造の1つ以上の重要な特性を向上させる。
【0044】
例えば、
ジエトキシメチルシラン(DEMS
)及びポロゲンを用いる堆積
では、膜の機械的特性を改良するために
、テトラエトキシシラン(TEOS)のような付加的な有機ケイ素を使用しうる。同様な例は有機ケイ素であるネオへキシル−ジエトキシメチルシランを用いる反応に添加される
ジエトキシメチルシラン(DEMS
)の使用であり得
る。ここでは
、ネオへキシル基は
、ポロゲンとして
ケイ素系前駆体官能基に結合
している。さらなる例は
、ジ−t−ブトキシメチルシラン及びポロゲンを用いる反応への
、ジ−t−ブトキシ−ジアセトキシシランの添加である。ある態様において、2以下のSi−O結合を持つ第1の有機ケイ素前駆体と
、3以上のSi−O結合を持つ第2の有機ケイ素前駆体
との混合物は
、本発明の膜の化学組成を適合させるのに与えられる。
【0045】
構造形成種及び細孔形成種に加えて、堆積反応前に、
堆積反応中に、及び/又は
堆積反応後に、付加的材料が真空チャンバに装入されうる。このような材料は、
例えば不活性ガス(
例えば、He
、Ar
、N
2、Kr
、Xe等であり、比較的揮発性の小さい
ケイ素系前駆体のためのキャリアガスとして使用され得、
かつ/又は堆積されたままの材料の硬化を促進し、
より安定な最終的な膜を与えうる)、並びにガス若しくは液体の有機物質、NH
3、H
2、CO
2若しくはCOのような反応性物質を含む。CO
2は好適なキャリアガスである。
【0046】
エネルギーは
、ガスを反応させ、基体上に膜を形成させるために
、ガス状試薬に加えられる。このようなエネルギーは、
例えば熱、プラズマ、パルスプラズマ、へリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合(inductively coupled)プラズマ、及び遠隔プラズマ法により供給されうる。2次的な
高周波周波数源は
、基体表面でプラズマ特性を変性するために用いられうる。好適には、膜はプラズマ増強化学的蒸着で形成される。13.56MHzの周波数で、容量結合型(capacitively coupled)プラズマを発生させるのが特に好適である。プラズマの
出力は基体の表面積にもとづいて、好ましくは0.02〜7W/cm
2、
より好ましくは0.3〜3W/cm
2である。プラズマの電子温度を低くするために低イオン化エネルギーを有し、
有機シリカガラス(OSG
)前駆体及びポロゲンにおける切断(fragmentation)を少なくさせるキャリアガスを使用するのが
有利である。低イオン化エネルギーを有する種類の例は、CO
2、NH
3、CO、CH
4、Ar
、Xe
、Krである。
【0047】
ガス状試薬のそれぞれの流速は
、単一の200mmウェハに関し、好ましくは10〜5000sccm,
より好ましくは30〜1000sccmである。個々の流速は
、膜中に所望の量の構造形成剤及び細孔形成剤を与えるように選択される。必要とされる実際の流速は
、ウェハの大きさ及びチャンバの形態に依存し得、200mmウェハ
又は単一のウェハチャンバに決して限定されない。
【0048】
少なくとも50nm/分の堆積速度で膜を堆積するのが好適である。堆積時の真空チャンバの圧力は、好ましくは0.01〜600torr
、より好ましくは1〜15torrである。
【0049】
膜は0.002〜10μmの厚さに堆積されるのが好適であるが、厚さは必要に応じて変動されうる。非パターン表面に堆積されるブランケット膜は、優れた均一性を有し、
合理的に周辺部を除外したときに、基体
にわたる1標準偏差
に対して2%より少ない厚さ変動を有する。ここでは、
例えば、基体の5mmの最外周辺は
、均一
性の統計的な計算には含まれない。
【0050】
膜の気孔率は
、嵩密度
が減少するにつれて増加
して、対応して減少して材料の誘電率をさらに低減させ、そして次世代(
例えば2.0
未満の誘電率(k))へのこの材料の適用性も拡げる。
【0051】
アニール
処理された多孔質
有機シリカガラス(OSG
)と
、ポロゲン
を添加しなかった類似
の多孔質有機シリカガラス(OSG)との間で、統計的に意味のある
原子組成の差が測定されなければ、
実質的にすべてのポロゲンの除去が達成されたとみなされる。組成についての分析法
{X線光電子分光法(XPS)、ラザフォード後方散乱分光法/水素前方散乱分光法(RBS/HFS)
}の固有測定誤差及びプロセス変動性の両方は
、データの範囲
に寄与する。
X線光電子分光法(XPS
)について
の固有測定誤差は
、約±2原子%であるが、
ラザフォード後方散乱分光法/水素前方散乱分光法(RBS/HFS
)について
の固有測定誤差は
、より大きいと予測され、種に依存して約±2〜5原子%に及ぶ。プロセス
の変動性は
、データの最終範囲
に対して更に±2原子%の
寄与となる。
【0052】
次に、
別個のポロゲン
と共に使用するのに適切な
ケイ素(Si
)系前駆体の非制限的な例を示す。次の化学式
及び本明細書におけるすべての化学式において、「独立
に」という用語は
、対象となるR基が異なる肩文字を持つ
他のR基に関して独立
に選ばれるばかりでなく、同一のR基の付加的種に関して独立
に選ばれることを示すと理解されるべきである。
例えば、式R
1n(OR
2)
4−nSiにおいて、nが2
又は3であるとき、2
又は3のR
1基は互いに
同一、又はR
2と同一である必要はない。
【0053】
R1n(OR
2)
4−nSi
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3でありうる。
例:ジエトキシメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン
【0054】
R1n(OR
2)
3−nSi−O−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1,3−ジエトキシジシロキサン
【0055】
R1n(OR
2)
3−nSi−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1,1,2,2,−テトラエトキシジシラン
【0056】
R1n(O(O)CR
2)
4−nSi
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにnは1〜3である。
例:ジメチルジアセトキシシラン
【0057】
R1n(O(O)CR
2)
3−nSi−O−SiR
3m(O(O)CR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4はは独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにtは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1,3−ジアセトキシシロキサン
【0058】
R1n(O(O)CR
2)
3−nSi−SiR
3m(O(O)CR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1,1,2,2,−テトラアセトキシジシラン
【0059】
R1n(O(O)CR
2)
3−nSi−O−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1−アセトキシ−3−エトキシジシロキサン
【0060】
R1n(OR
2)
3−nSi−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1−アセトキシ−2−エトキシジシラン
【0061】
R1n(OR
2)
p(O(O)R
4)
4−(n+p)Si
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは1〜3でありうる。
例:メチルアセトキシ−t−ブトキシシラン
【0062】
R1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−O−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,3−ジメチル−1,3−ジアセトキシ−1,3−ジエトキシジシロキサン
【0063】
R1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,2−ジメチル−1,2−ジアセトキシ−1,2−ジエトキシジシラン
【0064】
式(OSiR
1R
3)
xの環状シロキサン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
例:1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン
【0065】
上述のすべての
ケイ素系前駆体群には
、次の条件がある:
(1)反応
雰囲気は
、本質的に非酸化性
かつ/又は反応混合物に添加された酸化体を
含まないこと(酸化体とみなされない
程度の任意のCO
2を除く)、
(2)ポロゲンは
、反応混合物に添加される
こと、及び
(3)硬化(
例えばアニール
処理)段階
は、2.6
未満の誘電率(k)を得るために堆積膜から実質的にすべての含有ポロゲンを除去するのに使用され得る
こと。
【0066】
上述の
ケイ素系前駆体は
、ポロゲンと混合され得、又は結合
したポロゲンを有し得
る。また、上述のケイ素系前駆体は、これらの
群の他の分子と
混合され得、
かつ/又はn及び/又はmが0〜3の場合を除いて同一の
群の分子
(下記の例を参照)と混合され得る。
例:
テトラエチルオルソシリケート(TEOS
)、トリエトキシシラン、ジ−t−ブトキシシラン、シラン、ジシラン、ジ−t−ブトキシジアセトキシシラン等
【0067】
次は
、別個のポロゲンを使用するのに適切
なある
種のケイ素(Si
)系前駆体を示す
追加の式である:
【0068】
(a)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3である;
【0069】
(b)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−O−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
【0070】
(c)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
【0071】
(d)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−R
7−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
6及びR
7は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
【0072】
(e)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tCH
4−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4(ただし、n+p≦4)である;
【0073】
(f)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tNH
3−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3(ただし、n+p≦4)である;
【0074】
(g)式(OSiR
1R
3)
xの環状シロキサン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
【0075】
(h)式(NR
1SiR
1R
3)
xの環状シラザン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;又は
【0076】
(i)式(CR
1R
3SiR
1R
3)
xの環状カルボシラン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である。
【0077】
ケイ素系前駆体及びポロゲン化
ケイ素系前駆体として
、シロキサン及びジシロキサンについて明細書にわたって
言及されているが、本発明はそれらに限定されないこと、そしてトリシロキサン及び
より大きい長さの線状シロキサンのよう
な他のシロキサンも
、本発明の範囲内であることが
、理解されるべきである。
【0078】
次は
、ポロゲン化された
ケイ素(Si)系前駆体の非制限的な例であり、ポロゲン材料はR
1、R
3及びR
7の1つ以上である:
【0079】
R1n(OR
2)
3−nSi
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3でありうる。
例:ジエトキシ−ネオ−ヘキシルシラン
【0080】
R1n(OR
2)
3−nSi−O−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシロキサン
【0081】
R1n(OR
2)
3−nSi−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン
【0082】
R1n(OR
2)
3−nSi―R
7―SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
7は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;2つのSi原子の架橋;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,4−ビス(ジメトキシシリル)シクロへキサン
【0083】
R1n(OR
2)
3−nSi−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジエトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン
【0084】
R1n(O(O)CR
2)
4−nSi
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにnは1〜3でありうる。
例:ジアセトキ−ネオ−ヘキシルシラン
【0085】
R1n(O(O)CR
2)
3−nSi−O−SiR
3m(O(O)CR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4はは独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,3−ジアセトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシロキサン
【0086】
R1n(O(O)CR
2)
3−nSi−SiR
3m(O(O)CR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
4は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1,2−ジアセトキシ−1−ネオ−ヘキシルジシラン
【0087】
R1n(O(O)CR
2)
3−nSi−O−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1−アセトキシ−3,3−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシロキサン
【0088】
R1n(O(O)CR
2)
3−nSi−SiR
3m(OR
4)
3−m
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにmは1〜3でありうる。
例:1−アセトキシ−2,2−ジ−t−ブトキシ−1−ネオヘキシルジシラン
【0089】
R1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは1〜3でありうる。
例:アセトキシ−t−ブトキシ−ネオ−ヘキシルシラン
【0090】
R1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−O−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,3−ジアセトキシ−1,3−ジ−t−ブトキシ−1−ネオへキシルジシロキサン
【0091】
R1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;mは1〜3;pは1〜3;並びにqは1〜3でありうる。
例:1,2−ジアセトキシ−1,2−ジ−t−1−ブトキシ−1−ネオへキシルジシラン
【0092】
式(OSiR
1R
3)
xの環状シロキサン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
例:1−ネオへキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
【0093】
上述のすべての
ケイ素系前駆体群には
、次の条件がある:
(1)反応
雰囲気は
、本質的に非酸化性
かつ/又は反応混合物に添加された酸化体を
含まないこと(酸化体とみなされない
程度の任意のCO
2の任意
を除く)、
(2)R
1、R
3及びR
7の少なくとも1つは
、C
3以上の炭化水素を有し、細孔形成剤として作用するのが好ましい
こと、及び
(3)硬化(
例えばアニール
処理)段階は
、2.6
未満の誘電率(k)を得るために堆積膜から実質的にすべての含有ポロゲンを除去するのに使用され得る
こと。
【0094】
上述の
ケイ素系前駆体は
、同一
のこの群の他の分子と
混合され得、
かつ/又はn及び/又はmが0〜3の場合を除いて
、同一の
この群の分子
と混合され得る。
【0095】
あるいは、適切
なポロゲン化
ケイ素(Si
)系前駆体の非制限的な例は
、次の式で示される:
【0096】
(a)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
3は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3であり;ただし、R
1の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0097】
(b)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−O−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
4、R
5及びR
6は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、
かつR
1及びR
3の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0098】
(c)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
4、R
5及びR
6は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、
かつR
1及びR
3の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0099】
(d)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−R
7−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
4、R
5、R
6及びR
7は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、
かつR
1、R
3及びR
7の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0100】
(e)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tCH
4−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
3は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4;ただし、n+p≦4であり、
かつR
1の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0101】
(f)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tNH
3−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
3は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3;ただし、n+p≦であり、
かつR
1の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0102】
(g)式(OSiR
1R
3)
xの環状シロキサン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり、
かつR
1及びR
3の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0103】
(h)式(NR
1SiR
1R
3)
xの環状シラザン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;
かつR
1及びR
3の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;又は、
【0104】
(i)式(CR
1R
3SiR
1R
3)
xの環状カルボシラン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;
かつR
1及びR
3の少なくとも1つはポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている。
【0105】
次は
、本発明のポロゲンとして使用するのに適切な材料の非制限的な例である:
【0106】
(1)一般式C
nH
2nを持つ環状炭化水素
ここで
、nは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10であり、そして環状構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい。例は、シクロへキサン、トリメチルシクロヘキサン、1−メチル−4(1−メチルエチル)シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロオクタン等を含む。
【0107】
(2)一般式C
nH
(2n+2)−2yの直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の炭化水
素
ここで
、nは2〜20及びy=0−nである。例は、エチレン、プロピレン、アセチレン、ネオへキサン
等を含む。
【0108】
(3)一般式C
nH
2n−2xを持つ、単
不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水
素
ここで
、xは分子の不飽和部位の数、nは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10
であり、そして単
不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水素は
、環状構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を
有していてもよい。不飽和は
、環内に
位置していても、又は環構造への炭化水素置換基の1つに位置していてもよい。例は、シクロへキセン、ビニルシクロへキセン、ジメチルシクロへキセン、t−ブチルシクロへキセン、
α−テルピネン、ピネン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエ
ン等を含む。
【0109】
(4)一般式C
nH
2n−2を持つ2環状炭化水
素
ここで
、nは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12
であり、そして2環構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素を
有していてもよい。例は、ノルボルナン、スピロノナン、デカヒドロナフタレ
ン等を含む。
【0110】
(5)一般式C
nH
2n−(2+2x)を持つ複不飽和の2環状炭化水
素
ここで
、xは分子の不飽和部位の数、nは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12
であり、2環構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を
有していてもよい。不飽和は
、環内に
位置していても、又は環構造への炭化水素置換基の1つ
に位置していてもよい。例は、カンフェン、ノルボルネン、ノルボルナジエン
等を含む。
【0111】
(6)一般式C
nH
2n−4を持つ3環状炭化水
素
ここで
、nは4〜14、3環構造の炭素数は4〜12
であり、そして3環構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素を
有していてもよい。例はアダマンタンを含む。
【0112】
さらに本発明は
、本発明の方法を実施するための組成物を提供する。本発明の組成物は好適には次の
成分(A)、又は成分(B)(1)及び成分(B)(2)を含む:
【0113】
(A)次式で表わされる少なくとも1つのポロゲン化された
ケイ素系前駆体:
【0114】
(1)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
3は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3であり;ただし、n+p≦4であり、
かつR
1の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0115】
(2)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−O−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
4、R
5及びR
6は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3m+q≦3であり、
かつR
1及びR
3の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0116】
(3)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
4、R
5及びR
6は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、
かつR
1及びR
3の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0117】
(4)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−R
7−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
4、R
5、R
6及びR
7は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3;ただし、n+m≧1、n+p≦3、m+q≦3であり、
かつR
1、R
3及びR
7の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0118】
(5)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tCH
4−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
3は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4;ただし、n+p≦4であり、
かつR
1の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0119】
(6)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tNH
3−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
3は独立
に、C
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3;ただし、n+p≦であり、
かつR
1の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0120】
(7)式(OSiR
1R
3)
xの環状シロキサン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり、
かつR
1及びR
3の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;
【0121】
(8)式(NR
1SiR
1R
3)
xの環状シラザン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;
かつR
1及びR
3の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;又は、
【0122】
(9)式(CR
1R
3SiR
1R
3)
xの環状カルボシラン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
12の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数であり;
かつR
1及びR
3の少なくとも1つは
、ポロゲンとして
のC
3以上の炭化水素で置換されている;又は、
【0123】
(B)(1)次式からなる群より選ばれる少なくとも1つの
ケイ素系前駆体:
【0124】
(a)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;並びにpは0〜3である;
【0125】
(b)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−O−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
【0126】
(c)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2及びR
6は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
【0127】
(d)式R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
4)
3−n−pSi−R
7−SiR
3m(O(O)CR
5)
q(OR
6)
3−m−q
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2、R
6及びR
7は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
4及びR
5は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは0〜3;mは0〜3;qは0〜3;並びにpは0〜3(ただし、n+m≧1、n+p≦3及びm+q≦3)である;
【0128】
(e)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tCH
4−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは2〜4(ただし、n+p≦4)である;
【0129】
(f)式(R
1n(OR
2)
p(O(O)CR
3)
4−(n+p)Si)
tNH
3−t
ここで、R
1は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
2は独立
に、C
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;R
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
6の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽和された、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、芳香族の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;nは1〜3;pは0〜3;並びにtは1〜3(ただし、n+p≦4)である;
【0130】
(g)式(OSiR
1R
3)
xの環状シロキサン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;
【0131】
(h)式(NR
1SiR
1R
3)
xの環状シラザン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;又は
【0132】
(i)式(CR
1R
3SiR
1R
3)
xの環状カルボシラン
ここで、R
1及びR
3は独立
に、水素
、又はC
1〜C
4の直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の、環状の、又は部分的
に若しくは
完全にフッ素化された炭化水素;並びにxは2〜8の整数である;並びに、
【0133】
(B)(2)少なくとも1つの
ケイ素系前駆体と
は別個であり、かつ少なくとも次の1つである
ポロゲン:
【0134】
(a)環状構造及び式C
nH
2nの少なくとも1つの環状炭化水
素
ここで
、nは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10であり、そして少なくとも1つの環状炭化水素は環状構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい;
【0135】
(b)一般式C
nH
(2n+2)−2yの少なくとも1つの直鎖若しくは分枝
鎖の、飽
和、単
不飽和若しくは複不飽和の炭化水
素
ここで
、nは2〜20及びy=0−nである;
【0136】
(c)環状構造及び式C
nH
2n−2xの少なくとも1つの、単
不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水
素
ここで
、xは不飽和部位の数、nは4〜14、環状構造の炭素数は4〜10
であり、そして少なくとも1つの単
不飽和若しくは複不飽和の環状炭化水素は環状構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を
有していてもよく、さらに環内不飽和若しくはその炭化水素置換基の1つに不飽和を
有していてもよい;
【0137】
(d)2環構造及び式C
nH
2n−2の少なくとも1つの2環状炭化水素
ここで
、nは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12
であり、そして少なくとも1つの2環状炭化水素は2環構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい;
【0138】
(e)2環構造及び式C
nH
2n−(2+2x)の少なくとも1つの複不飽和の2環状炭化水素
ここで
、xは不飽和部位の数、nは4〜14、2環構造の炭素数は4〜12
であり、そして少なくとも1つの複不飽和の2環状炭化水素は
、2環構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素置換基を
有していてもよく、さらに環内不飽和若しくはその炭化水素置換基の1つに不飽和を
有していてもよい;並びに、
【0139】
(f)3環構造及び式C
nH
2n−4の少なくとも1つの3環状炭化水素
ここで
、nは4〜14、3環構造の炭素数は4〜12
であり、そして少なくとも1つの3環状炭化水素は
、3環構造に置換された
複数の単純若しくは分枝炭化水素を含んでいてもよい。
【0140】
ポロゲン化された
ケイ素系前駆体を含む組成物のある態様において、好ましくは組成物は
、ネオへキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
、及びトリメチルシリルエチル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサ
ンからなる群より選ばれる少なくとも1つのポロゲン化された
ケイ素系前駆体を含む。
【0141】
ポロゲン
化されていないケイ素系前駆体を含む組成物のある態様において、好ましくは組成物は
、下記
の(a)及び/又は(b)を
含有している:
【0142】
(a)(i)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジイソプロポキシキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びテトラエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1つの
ケイ素系前駆体
、並びに(ii)少なくとも1つの
ケイ素系前駆体と
は別個のポロゲン
であって、
α−テルピネン、リモネン、シクロへキサン、1,2,4−トリメチルシクロへキサン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、カンフェン、アダマンタン、1,3−ブタジエン、置換ジエン及びデカヒドロナフタレンからなる群より選ばれる少なくとも1つである
ポロゲン。
【0143】
(b)(i)トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、メチルエトキシジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルジアセトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシシリル)メタン、テトラエトキシシラン及びトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1つの
ケイ素系前駆体,並びに(ii)少なくとも1つの
ケイ素系前駆体と
は別個のポロゲンであ
って、
α−テルピネン、ガンマ−テルピネン、リモネン、ジメチルヘキサジエン、エチルベンゼン、デカヒドロナフタレン、2−カレン、3−カレン、ビニルシクロへキセン及びジメチルシクロオクタジエンからなる群より選ばれる1つである
ポロゲン。
【0144】
本発明の組成物は
例えば、適切なバルブ及び継ぎ手を備えた
少なくとも1つの加圧可能容器(好ましくはステンレス鋼製)
に入っており、プロセス反応器にポロゲン、非ポロゲン化
ケイ素系前駆体及び/又はポロゲン化
ケイ素系前駆体を供給するのを可能にする。容器の中身は予め混合され得る。あるいは、ポロゲン及び
ケイ素系前駆体は別個の容器に、若しくは貯蔵時にポロゲン及び
ケイ素系前駆体を別個に保持する手段を持つ単一容器に、保持されうる。
所望の場合、このような容器も
、ポロゲン及び
ケイ素系前駆体を混合する手段を有しうる。
【0145】
ポロゲンは硬化段階により予備的
な膜(すなわち堆積されたまま
の膜)から除去されるが、それは熱アニール
処理、化学処理、その場の若しくは遠隔のプラズマ処理、光硬化及び/又はマイクロ波を含みうる。他のその場
の若しくは後堆積処理が
、硬さ、安定性(収縮、空気にさらすこと、エッチング、湿式エッチング等に対して)、
一体性(integrability)、均一性及び接着力のような材料特性を向上させるために使用され得る。このような処理は
、ポロゲン除去の前に、
ポロゲン除去の間に、及び/又は
ポロゲン除去の後に、ポロゲン除去に使用される手段と同一若しくは異なる手段を使用して
、膜に適用されうる
。このように、ここで用いられる「後処理」(
「post−treating
」)という用語は、エネルギー(
例えば、熱、プラズマ、光子、電子、マイクロ波等)
又は化学
物質で膜を処理してポロゲンを除去し、そして任意に材料特性を向上させることを示す。後処理が実施される条件は大きく変動しうる。
例えば、後処理は高圧下
又は真空下に実施されうる。
【0146】
アニール
処理は次の条件下で実施される。
雰囲気は不活性(
例えば、窒素、CO
2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化
性(
例えば、酸素、空気、希釈酸素
雰囲気、富化酸素
雰囲気、オゾン、亜酸化窒素
等)
、又は還元
性(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族)
等)でありうる。圧力は、好ましくは約1Torr〜約1000Torr
、より好ましくは大気圧である。しかし、真空雰囲気も
、熱アニール
処理並びに他の後処理手段のために可能である。温度は好ましくは200〜500℃、そして温度勾配は0.1〜100℃/分である。合計
のアニール
処理時間は
、好ましくは0.01分〜12時間である。
有機シリカガラス(OSG
)膜の化学処理は
、次の条件下で実施される。フッ素化(HF、SIF
4、NF
3、F
2、COF
2、CO
2F
2等)、酸化(H
2O
2、O
3等)、化学乾燥、メチル化、又は最終材料の特性を向上させ
る他の化学処理が使用されうる。このような処理に使用される化学
物質は
、固体、液体、ガス状、及び/又は超臨界流体状態でありうる。
【0147】
有機シリケート膜からポロゲンを選択的に除去するための超臨界流体後処理は
、次の条件下に実施される。流体は
、二酸化炭素、水、亜酸化窒素、エチレン、SF
6、及び/又は他の種類の化学
物質でありうる。他の化学
物質は、不活性(
例えば、窒素、CO
2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化
性(
例えば、酸素、オゾン、亜酸化窒素
等)又は還元
性(希釈若しくは濃縮された炭化水素、水素
等)でありうる。温度は好ましくは大気
温〜500℃である。さらに、化学
物質は
、界面活性剤のような比較的大きい化学種を含みうる。合計
の曝露時間は
、好ましくは0.01分〜12時間である。
【0148】
有機シリカガラス(OSG
)膜の反応活性基の選択的除去及び可能な化学修飾のためのプラズマ処理は
、次の条件下で実施される。
雰囲気は、不活性(
例えば、窒素、CO
2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化
性(
例えば、酸素、空気、希釈酸素
雰囲気、富化酸素
雰囲気、オゾン、亜酸化窒素
等)、又は還元
性(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族)
等)でありうる。プラズマ
出力は好ましくは0〜5000Wである。温度は好ましくは大気〜500℃である。圧力は、好ましくは約10m
Torr〜大気圧である。合計硬化時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
【0149】
有機シリケート膜からのポロゲンの選択的除去のための光硬化は次の条件下で実施される。
雰囲気は、不活性(
例えば、窒素、CO
2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化
性(
例えば、酸素、空気、希釈酸素
雰囲気、富化酸素
雰囲気、オゾン、亜酸化窒素
等)、又は還元
性(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族)
等)でありうる。温度は好ましくは大気〜500℃である。
出力は好ましくは0〜5000Wである。波長は好ましくは
赤外(IR
)、可視、
紫外(UV
)、若しくは深
紫外(深UV
)(200nm
未満の波長)である。合計
の硬化時間は
、好ましくは0.01分〜12時間である。
【0150】
有機シリケート膜からのポロゲンの選択的除去のためのマイクロ波後処理は
、次の条件下で実施される。
雰囲気は、不活性(
例えば、窒素、CO
2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化
性(
例えば、酸素、空気、希釈酸素
雰囲気、富化酸素
雰囲気、オゾン、亜酸化窒素
等)、又は還元
性(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族)
等)でありうる。温度は好ましくは大気
温〜500℃である。
出力及び波長は
、特定の結合に応じて変動し、適合されうる。合計
の硬化時間は
、好ましくは0.01分〜12時間である。
【0151】
有機シリケート膜からのポロゲン若しくは特定の化学種の選択的除去及び/又は膜特性の改良のための電子線後処理は、次の条件下で実施される。
雰囲気は、不活性(
例えば、窒素、CO
2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化
性(
例えば、酸素、空気、希釈酸素
雰囲気、富化酸素
雰囲気、オゾン、亜酸化窒素
等)、又は還元
性(希釈若しくは濃縮された水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖若しくは分枝、芳香族)
等)でありうる。温度は
、好ましくは大気
温〜500℃である。合計
の硬化時間は
、好ましくは0.01分〜12時間であり、連続的
又は脈動的であってもよい。
【0152】
電子線の一般的な使用についての付加的ガイダンスは、
例えば下記の刊行物が利用できる:S.Chattopadhyay らのJournal of Materials Science,36(2001)4323−4330; G.KlosterらのProceedings of IITC, June 3−5,2002,SF,CA
;米国特許第6,207,555
号;6,204,201B1;及び
米国特許第6,132,814
号。電子線処理の使用は、マトリックスでの結合形成プロセスにより、ポロゲン除去及び膜の機械的特性の向上を与えうる。
【0153】
本発明は次の例に関してさらに詳細に説明されるが、本発明はそれらに限定されるものではないことが理解されるべきである。
【実施例】
【0154】
すべての実験は、非ドープTEOSプロセスキットを用いて、Advance Energy 2000
高周波発生器を固定した200mmDxZ チャンバ内でApplied Materials Precision−5000システムにより実施された。その処方は次の基礎段階を含んでいた:ガス流、堆積、及びウェハ除去に先行するチャンバのパージ/真空排気についての初期セットアップ及び安定化。膜は管炉内において、425℃で4時間、N
2下にアニール
処理された。
【0155】
厚さ及び屈折率は、SCI Filmtek 2000 Reflectometerで測定された。誘電率は
、低比抵抗の
P型ウェハ(0.02
Ω−cm
未満)についてHgプローブ法を用いて測定された。機械的特性は
、MTS Nano Indenterを用いて測定された。熱安定性及びオフガス生成物は
、Thermo TA Instruments 2050 TGAを用いた熱重量分析により測定された。組成データは
、Physical Electronics 5000LSを用いたX線光電子分光法(XPS)により得られた。表に示され
ている原子%は水素を含まない。
【0156】
3つの経路が
有機シリカガラス(OSG
)膜に細孔を導入するのに選ばれた
。2.6
未満の誘電率(k)を有する
低誘電率(低k
)膜を製造するために検討された第1の経路
では、プラズマ増強化学蒸着(
PE
−CVD)により
、有機シリカガラス(OSG
)とともにポロゲンとして
の熱的に反応活性な有機オリゴマーを共堆積
させ、ついで熱アニール
処理段階において
、このオリゴマーを除去した。
【0157】
〈例1A〉
α−テルピネン(ATP)が、酸化体のない
雰囲気でPECVDによりシリコンウェハ上にジエトキシメチルシラン(DEMS)とともに共堆積された。プロセス条件は
、ジエトキシメチルシラン(DEMS
)中の39.4vol%
α−テルピネン(ATP
)混合物の流れが700mg/分(mgm)であった。500sccmのCO
2のキャリアガス流が
、化学
物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力5Torr;ウェハチャック温度150℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.26インチ(約0.6cm);及びプラズマ
出力300W、180秒。
【0158】
堆積されたままの膜は
、厚さ650nm及び誘電率2.8であった。膜は
、窒素下に4時間、425℃でアニール
処理され
た。X線光電子分光法(XPS
)で確認されたように、配合された
α−テルピネン(ATP
)は実質的にすべて除去
された。
図1はアニール
処理前(淡色実線)及び後(濃色実線)の膜の赤外スペクトルを示すが、ポロゲンの消失がみられる。アニール
処理された膜は
、厚さ492nm及び誘電率2.4であった(表2下部参照)。
図4は膜の熱重量分析を示し、熱処理時の減量が示され
ている。
【0159】
〈例1B〉
α−テルピネン(ATP
)が、酸化体のない
雰囲気でPE
−CVDによりシリコンウェハ上に
、ジエトキシメチルシラン(DEMS
)とともに共堆積された。プロセス条件は
、ジエトキシメチルシラン(DEMS
)中の70vol%
α−テルピネン(ATP
)混合物の流れが1300mg/分(mgm)であった。500sccmのCO
2のキャリアガス流が
、これらの化学
物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力8Torr;ウェハチャック温度200℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.30インチ(約0.8cm);及びプラズマ
出力600W、120秒。
【0160】
堆積されたままの膜は
、厚さ414nm及び誘電率2.59であった。膜は窒素下に4時間、425℃でアニール
処理され、配合された
α−テルピネン(ATP
)を実質的にすべて除去した。アニール
処理された膜は
、厚さ349nm及び誘電率2.14であった(表2下部参照)。
【0161】
〈例1C〉
膜は、アニール
処理が400℃の
低下した温度で実施された以外は実質的に例1Aに従って製造され、そしてアニール
処理された。得られた膜の赤外スペクトルが波数を含んで
図2に示され
ている。ポロゲン
であるα−テルピネン(ATP
)の赤外スペクトルが
、比較のために
図3に示され
ている。
【0162】
〈例1D(比較)〉
膜が、ポロゲンを使用しなかったこと以外は実質的に例1Aに従って製造され、そしてアニール
処理された。膜は誘電率2.8であり、例1Aのアニール
処理された膜と実質的に同一の組成を有していた(表1及び2参照)。
【0163】
〈例1E(比較)〉
膜は、プラズマ
出力が400Wであったこと以外は実質的に例1Dに従って製造され、そしてアニール
処理された。膜は誘電率2.8であり、例1Aのアニール
処理された膜と実質的に同一の組成を有していた(表1及び2参照)。
【0164】
〈例1F〉
膜は、プロセス条件がジ−t−ブトキシメチルシラン(DtBOMS)中の75vol%
α−テルピネン(ATP
)混合物の流れが1000mg/分(mgm)であったこと以外は実質的に例1Aに従って製造され、そしてアニール
処理された。500sccmのCO
2のキャリアガス流が
、これらの化学
物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力7Torr;ウェハチャック温度215℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.30インチ(約0.8cm);及びプラズマ
出力400W、240秒。
【0165】
堆積されたままの膜は
、厚さ540nm及び誘電率2.8であった。膜は
、窒素下に4時間、425℃でアニール
処理され
た。X線光電子分光法(XPS
)で確認されたように、配合された
α−テルピネン(ATP
)を実質的にすべて除去した。アニール
処理された膜は厚さ474nm及び誘電率2.10であった。
弾性率及び硬さはそれぞれ
、2.23
GPa及び0.18GPaであった。
【0166】
〈例1G〉
α−テルピネン(ATP
)が、酸化体のない
雰囲気でPE
−CVDによりシリコンウェハ上に
ジ−t−ブトキシメチルシラン(DtBOMS
)とともに共堆積された。プロセス条件は
ジ−t−ブトキシメチルシラン(DtBOMS
)中の75vol%
α−テルピネン(ATP
)混合物の流れが
、700mg/分(mgm)であった。500sccmのCO
2のキャリアガス流が
、これらの化学
物質を堆積チャンバに随伴するのに用いられた。さらなるプロセス条件は次のとおりであった:チャンバ圧力9Torr;ウェハチャック温度275℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.30インチ(約0.8cm);及びプラズマ
出力600W、240秒。
【0167】
堆積されたままの膜は
、厚さ670nm及び誘電率2.64であった。膜は
、窒素下に4時間、425℃でアニール
処理され、配合された
α−テルピネン(ATP
)を実質的にすべて除去した。アニール
処理された膜は
、厚さ633nm及び誘電率2.19であった。
弾性率及び硬さはそれぞれ
、3.40
GPa及び0.44GPaであった。
【0168】
〈例2〉
2.6
未満の誘電率を有する
低誘電率(低k
)膜を製造するために検討された第2の経路
では、分子構造の
一部として熱的に反応活性な有機官能基を含む単一源オルガノシラン前駆体を使用した。シリカ前駆体に熱的に反応活性な基を結合することの潜在的な利点は
、膜への熱的に反応活性な基の
膜への改良された導入である。この経路を検討するために、ネオ−へキシル−テトラメチルシクロテトラシロキサン(ネオ−へキシル−TMCTS)が合成され
た。ここでは、ネオ−へキシル基は、
テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS
)の骨組にグラフトされ
ていた。この試験に使用されたプロセスは
、ネオ−へキシル−
テトラメチルシクロテトラシロキサン(ネオ−ヘキシル−TMCTS
)の500mgm流及び500sccmのCO
2のキャリアガス流;チャンバ圧力6Torr;ウェハチャック温度150℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.32インチ(約0.8cm);及びプラズマ
出力300W、90秒であった。
【0169】
堆積されたままの膜は
、厚さ1120nm及び誘電率2.7であった。膜は
、窒素下に4時間、425℃でアニール
処理された。膜厚さは710nmに減少し、誘電率は2.5であった。
【0170】
150℃で
テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS
)から堆積された膜は
、堆積されたままで
は誘電率2.8であ
り、4時間
及び425℃でのアニール
処理後も変化しなかった。
【0171】
〈例3〉
2.6
未満の誘電率を有する
低誘電率(低k
)膜を製造するために検討された第3の経路
では、有機ケイ素前駆体を
、それに結合される熱的に反応活性
の大きな基と物理的に混合することであった
。シリカ前駆体に熱的に反応活性な基を結合することの潜在的な利点は
、熱的に反応活性な基の
膜への改良された導入である。この経路を検討するために、フルフロキシジメチルシランが
、次の条件で
、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS
)とともに共堆積された:
テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS
)中の11%フルフロキシジメチルシラン混合物の1000
(mg/分)mgm流
、及び500sccmのHeのキャリアガス流;チャンバ圧力6Torr;ウェハチャック温度150℃;シャワーヘッド−ウェハ間隔0.26インチ(約0.6cm);及びプラズマ
出力300W
及び40
秒。
【0172】
堆積されたままの膜は
、厚さ1220nm及び誘電率3.0であった。フルフロキシの含有は
、堆積されたままの膜における
フーリエ変換赤外(FTIR
)分析により示された。窒素下に4時間、400℃での熱後処理後に、
誘電率(k
)は2.73であった。この場合、熱アニール
処理後でさえも、導入されたフルフロキシのかなりの部分が残存していたと考えられる。
【0173】
上述の例は堆積されたままの膜に種々の官能基を導入する能力を示し、そして
より重要なことには
、2.6
未満の誘電率を有する材料を可能にするためにポロゲンを適切に選ぶことの重要性を示す。種々の他のポロゲンもこれらの経路を用いて機能しうる。
2.6
未満の誘電率を有する低誘電率材料を提供することは、
有機シリカガラス(OSG
)ネットワークに適切な種類及び量の有機基を導入しうるような、ネットワーク形成
ケイ素系前駆体を必要とする。
有機シリカガラス(OSG
)膜を製造するのに酸化体の添加を必要としないネットワーク形成
ケイ素系前駆体を使用する
ことが好適である。これは、酸化に敏感な炭化水素系細孔形成前駆体を用いるときに特に重要である。酸化は堆積時に細孔形成剤に重大な変性を生じさせ得、アニール
処理プロセス時に除去される能力を妨げうる。
【0174】
【表1】
【0175】
【表2】
【0176】
堆積されたまま
のジエトキシメチルシラン(DEMS)/α−テルピネン(ATP)膜のIRスペクトルと、N
2熱後処理
されたこの膜のIRスペクトル
との比較は
、不活性雰囲気での熱後処理が
、ポロゲンの選択的除去及び
有機シリカガラス(OSG
)格子の保持についてうまくいったことを示
している。熱アニール
処理後に
、1275cm
−1におけるSi−CH
3吸収には本質的な変化がない(Si−CH
3は
有機シリカガラス(OSG
)ネットワークと関連する)。しかし、3000cm
−1近くのC−H吸収の劇的な減少がみられ、
これは、α−テルピネン(ATP
)に関連する本質的にすべての炭素が除去されたことを示す。
α−テルピネン(ATP
)に対する
赤外(IR
)スペクトルは
、図3に対照として示され
ている。
【0177】
このアニール
処理のさらなる利点は
、2240及び2170cm
−1におけるSi−H吸収の著しい減少であると思われ
、これは膜をより疎水性にする。このように、本発明のある態様において、膜の
それぞれのSi原子は
、1以下のH原子に結合され
ている。しかし、他の態様において、Si原子に結合されるH原子の数はそのように限定されない。
【0178】
元素分析は
、425℃
及び4時間のアニール
処理後の
ジエトキシメチルシラン(DEMS
)/α−テルピネン(ATP
)膜(例1A)
が、同様な方法で堆積され
、かつアニール
処理された
ジエトキシメチルシラン(DEMS
)膜(例1D)と本質的に同一の組成を有
することを示す。アニール
処理前の
ジエトキシメチルシラン(DEMS
)/α−テルピネン(ATP
)膜は
、実質的に
多量の炭素に基づく材料
が膜中に存在することを示す(
赤外(IR
)分析はこの炭素に基づく材料が
α−テルピネン(ATP
)に非常に類似することを支持する。
図3参照)。これは
、α−テルピネン(ATP
)とともに共堆積されたとき
にジエトキシメチルシラン(DEMS
)膜に導入されたポロゲン材料
が、熱後処理プロセスにおいて本質的に十分に除去されるという
考えを支持する。
【0179】
さらに、熱重量分析は(
図4)は、堆積されたままの材料の著しい減量が
、350℃を超える温度に加熱されるときに経験されることを示
す。これはアニール
処理時のポロゲン除去の付加的な証明になる。
【0180】
観察された膜収縮は
、ポロゲンの除去の際に
有機シリカガラス(OSG
)ネットワークのいくつかの部分の崩壊によりもたらされたようである。しかし、
有機シリカガラス(OSG
)ネットワークからの有機基の損失はほとんどなく、すなわち
ジエトキシメチルシラン(DEMS
)内の末端メチル基はほとんど保持されている(表1に示され
ている
ジエトキシメチルシラン(DEMS
)膜についての熱処理前後の
X線光電子分光法(XPS
)データ参照)。これは
赤外(IR
)スペクトルにおいて
、約1275波数での相当Si−CH
3バンドにより支持される。この材料の疎水性は
、赤外(IR
)スペクトルのSi−OH基の欠失により実証される。後処理膜の屈折率及び誘電率の低下は
、膜厚の減少にもかかわらず、アニール
処理前の膜よりも緻密でないことを示唆する。
【0181】
陽電子消滅寿命分光法(PALS)は
、例1A、
例1B、及び
例1Fの試料の細孔が
、約1.5nm球体相当径の範囲にあることを示す。さらに、前述の
非特許文献1の研究と異なり、組成変化と関連して
、厚みの減少は
、有機シリカガラス(OSG
)ネットワークがアニール
処理時に保持され、ほとんど劣化しないことを示す
(例1A)。
【0182】
本発明はいくつかの好適な態様について説明されたが、本発明の範囲はこれらの態様に限定されるものではなく、請求項の記載により確認されるべきである。