(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774835
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】内燃機関
(51)【国際特許分類】
F01M 1/20 20060101AFI20150820BHJP
F01M 1/06 20060101ALI20150820BHJP
F01M 1/16 20060101ALI20150820BHJP
F02B 39/14 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
F01M1/20 Z
F01M1/06 K
F01M1/06 M
F01M1/06 Q
F01M1/16 B
F01M1/16 E
F02B39/14 F
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-241786(P2010-241786)
(22)【出願日】2010年10月28日
(65)【公開番号】特開2011-94624(P2011-94624A)
(43)【公開日】2011年5月12日
【審査請求日】2010年10月28日
【審判番号】不服2014-2266(P2014-2266/J1)
【審判請求日】2014年2月6日
(31)【優先権主張番号】10 2009 051 848.7
(32)【優先日】2009年10月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ キストナー
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト フライアームート
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ミュラー
【合議体】
【審判長】
伊藤 元人
【審判官】
加藤 友也
【審判官】
槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−280878(JP,A)
【文献】
実開昭59−172236(JP,U)
【文献】
実開昭53−37809(JP,U)
【文献】
特開平8−158876(JP,A)
【文献】
特開平6−257455(JP,A)
【文献】
特開平8−93490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M1/00-1/20
F02B39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関であって、シリンダを収容するクランクケースと、複数の排ガスターボチャージャ(46,47)と、少なくとも1つのオイルポンプを有する油圧回路とを有しており、少なくとも1つの前記オイルポンプによってエンジンオイルを吸込み可能であり、かつ、潤滑のために前記シリンダに供給可能であり、前記複数の排ガスターボチャージャは、吸い込まれたエンジンオイルが夫々の前記排ガスターボチャージャに通じている供給管路(59,60)を介して、夫々の前記排ガスターボチャージャの軸受個所に供給可能であり、次いで夫々の前記排ガスターボチャージャの前記軸受個所から、夫々の前記排ガスターボチャージャから前記オイルポンプを介し延びている排出管路を介してオイルパンへと導出可能であるように、前記油圧回路に連結されている、内燃機関において、
夫々の排ガスターボチャージャ(46,47)の夫々の排出管路(61,62)に対して個別に設けた圧力制限装置(63,64;68)は前記オイルポンプの上流に又は前記オイルポンプの吸込み段に組込まれた状態の絞りとして構成されたものであり、当該絞りにより前記エンジンオイルの流れを直接的に絞って前記オイルポンプによって生じる負圧を制限して、該圧力制限装置(63,64;68)によって夫々の排ガスターボチャージャ(46,47)の前記軸受個所に作用する負圧が制限され得ることを特徴とする、内燃機関。
【請求項2】
圧力制限装置(63,64)及びオイルポンプ(58)若しくは該オイルポンプ(58)の吸込み段が別体の構成群として構成されており、圧力制限装置(63,64)及びオイルポンプ(58)若しくは該オイルポンプ(58)の吸込み段は夫々、夫々の排出管路(61,62)に対して独立した構成群として配設されていることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関。
【請求項3】
圧力制限装置(68)はオイルポンプ(58)若しくはオイルポンプ(58)の吸込み段に組み込まれており、夫々の前記オイルポンプ若しくは吸込み段と共に、各排出管路(61,62)に対して配設されていることを特徴とする、請求項1記載の内燃機関。
【請求項4】
各圧力制限装置(63,64;68)は弁として、特に逆止弁として構成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項記載の内燃機関。
【請求項5】
複数の排ガスターボチャージャ(46,47)を有しており、エンジンオイルは供給管路(59,60)を夫々介して、夫々の排ガスターボチャージャ(46,47)の軸受個所の潤滑のために、各排ガスターボチャージャ(46,47)に供給可能であり、次いで夫々の排ガスターボチャージャ(46,47)の前記軸受個所から、エンジンオイルは排出管路(61,62)を夫々介してオイルパン(69)へ導出可能であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項記載の内燃機関。
【請求項6】
2つの排出管路(61,62)が連結されており、エンジンオイルの流れ方向に見て排出管路(61,62)の連結個所(66)の下流側において、統一された排出管路(61,62)に対して1つの共通のオイルポンプ(58)若しくは吸込み段が配設されていることを特徴とする、請求項5記載の内燃機関。
【請求項7】
2つの排出管路(61,62)に対して、エンジンオイルの流れ方向において見て連結個所(66)の上流側に、夫々圧力制限装置(63,64)が配設されており、該圧力制限装置(63,64)は共通のオイルポンプ(58)若しくは吸込み段に対して別体の構成群として構成されていることを特徴とする、請求項6記載の内燃機関。
【請求項8】
前記2つの排出管路が分離されており、各前記排出管路に対して1つの圧力制限装置と、1つのオイルポンプ若しくは吸込み段とが、別体の構成群又は互いに統合された構成群として配設されていることを特徴とする、請求項5記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関であって、シリンダを収容するクランクケースと、少なくとも1つの排ガスターボチャージャと、少なくとも1つのオイルポンプを有する油圧回路とを有しており、少なくとも1つのオイルポンプによってエンジンオイルを吸込み可能であり、かつ、潤滑のためにシリンダに供給可能であり、単数又は各排ガスターボチャージャは、吸い込まれたエンジンオイルが夫々の排ガスターボチャージャに通じている供給管路を介して、夫々の排ガスターボチャージャの軸受個所に供給可能であり、次いで夫々の排ガスターボチャージャの軸受個所から、夫々の排ガスターボチャージャから延びている排出管路を介してオイルパンへと導出可能であるように油圧回路に連結されている、内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
図1には先行技術において公知の内燃機関10の概略的なブロック回路図が示されている。本従来例において公知の内燃機関10はクランクケース11を有している。クランクケース11は内燃機関10のシリンダ(図示せず)を収容する。内燃機関10のシリンダは2つのシリンダ群12,13を形成する。各シリンダ群12,13のためにシリンダヘッドケーシング14若しくは15が設けられている。内燃機関10の各シリンダ群12,13と排ガスターボチャージャ16若しくは17とは協働する。2つの排ガスターボチャージャ16,17については、内燃機関の排ガス流の緩和のためのタービン18若しくは19と、内燃機関のシリンダに供給したい燃焼空気流の圧縮のためのコンプレッサ20若しくは21とが記載されている。排ガスターボチャージャ16,17のコンプレッサ20,21によって圧縮された燃焼空気は、内燃機関10のシリンダ若しくはシリンダ群12若しくは13に、スロットルバルブ22及びいわゆる圧力装置23を介して供給可能である。
【0003】
図1から判るように、排ガスターボチャージャ16若しくは17のコンプレッサ20若しくは21において圧縮したい燃焼空気は、夫々のコンプレッサ20若しくは21への供給前にエアフィルタ24若しくは25を介して案内される。エアフィルタ24若しくは25と、排ガスターボチャージャ16若しくは17のコンプレッサ20若しくは21との間にそれぞれ1つの測定装置26若しくは27が、夫々のコンプレッサ20若しくは21に供給される空気量の測定技術による検出のために接続されている。
【0004】
さらに先行技術において公知な、
図1においてブロック回路図を介して概略的に記載された内燃機関10は、オイルポンプ28を備えた開放型の油圧回路を有している。オイルポンプ28については単にオイルポンプ28の吸込み段だけが示されている。オイルポンプ28の上記吸込み段によってエンジンオイルは吸込み可能であり、2つのシリンダ群12,13のシリンダの潤滑のために、シリンダ群12,13に向かって、ひいてはシリンダヘッドケーシング14若しくは15へと圧送することができる。
【0005】
図1によれば、排ガスターボチャージャ15,17は内燃機関10の開放型の油圧回路に連結されていて、各排ガスターボチャージャ16若しくは17の軸受個所を潤滑するために、夫々のシリンダヘッドケーシング14若しくは15から出発してエンジンオイルを、夫々の排ガスターボチャージャ16若しくは17に供給管路29若しくは30を介して供給することがでる。次いでエンジンオイルは夫々の排ガスターボチャージャ16若しくは17の軸受個所から出発して、排出管路31若しくは32を介してオイルパン35へ吸い込まれる。つまり、オイルポンプ28の吸込み段によって吸い込まれる。
【0006】
使用されるオイルポンプ28若しくはオイルポンプ28の吸込み段は、非制御式のコンスタントフィードポンプである。コンスタントフィードポンプは回転毎に一定の排出量を有している。オイルポンプ28は内燃機関の回転数に基づき駆動されるので、内燃機関の回転数が増大するにつれて、オイルポンプ28の吸込み段によって吸い込まれるオイル量は増大する。これにより排ガスターボチャージャ16,17の軸受個所の領域に、回転数が増大するにつれて増大する負圧が形成される。排ガスターボチャージャ16,17の軸受個所の領域における負圧が過度に大きくなると、排ガスターボチャージャ16若しくは17は破損することがある。さらに極めて大きな負圧が、排ガスターボチャージャの機能障害に繋がることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題を排除するために、
図1の先行技術において公知の内燃機関10においてはバイパス管路33,34が設けられている。これらのバイパス管路33,34はクランクケース11若しくはシリンダヘッドケーシング14,15における圧力レベルと、排ガスターボチャージャ16,17の軸受個所における圧力レベルとの圧力補償を実施する。しかし、バイパス管路33,34は内燃機関の比較的複雑な構成の原因となる。
【0008】
したがって、本発明の目的は、簡単な構成を有する新たな内燃機関を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、内燃機関であって、シリンダを収容するクランクケースと、
複数の排ガスターボチャージャ
(46,47)と、少なくとも1つのオイルポンプを有する油圧回路とを有しており、少なくとも1つの前記オイルポンプによってエンジンオイルを吸込み可能であり、かつ、潤滑のために前記シリンダに供給可能であり、
前記複数の排ガスターボチャージャは、吸い込まれたエンジンオイルが夫々の前記排ガスターボチャージャに通じている供給管路
(59,60)を介して、夫々の前記排ガスターボチャージャの軸受個所に供給可能であり、次いで夫々の前記排ガスターボチャージャの前記軸受個所から、夫々の前記排ガスターボチャージャから前記オイルポンプを介し延びている排出管路を介してオイルパンへと導出可能であるように、前記油圧回路に連結されている、内燃機関において、
夫々の排ガスターボチャージャ(46,47)の夫々の排出管路(61,62)に対して
個別に設けた圧力制限装置(63,64;68)は前記オイルポンプの上流に又は前記オイルポンプの吸込み段に組込まれた状態
の絞りとして構成されたものであり、当該絞りにより前記エンジンオイルの流れを直接的に絞って前記オイルポンプによって生じる負圧を制限して、該圧力制限装置(63,64;68)によって夫々の排ガスターボチャージャ(46,47)の前記軸受個所に作用する負圧が制限され得ることにより達成される。
【0010】
好ましくは、圧力制限装置及びオイルポンプ若しくはオイルポンプの吸込み段が別体の構成群として構成されており、夫々の排出管路に対して、圧力制限装置及びオイルポンプ若しくはオイルポンプの吸込み段は夫々、独立した構成群として配設されている。
【0011】
好ましくは、圧力制限装置はオイルポンプ若しくはオイルポンプの吸込み段に組み込まれており、夫々のオイルポンプ若しくは吸込み段と共に、夫々の排出管路に対して配設されている。
【0012】
好ましくは、単数又は各圧力制限装置は絞りとして構成されていることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、単数又は各圧力制限装置は弁として、特に逆止弁として構成されている。
【0014】
好ましくは、唯一の排ガスターボチャージャを有しており、該排ガスターボチャージャに1つの供給管路を介してエンジンオイルが排ガスターボチャージャの軸受個所の潤滑のために供給可能であり、排ガスターボチャージャの軸受個所から、エンジンオイルは1つの排出管路を介してオイルパンへ導出可能であり、排出管路に対して圧力制限装置及びオイルポンプ若しくは該オイルポンプの吸込み段は、別体の構成群又は互いに統合された構成群として配設されている。
【0015】
好ましくは、複数の排ガスターボチャージャを有しており、エンジンオイルは供給管路を夫々介して、夫々の排ガスターボチャージャの軸受個所の潤滑のために、夫々の排ガスターボチャージャに供給可能であり、次いで夫々の排ガスターボチャージャの軸受個所から、エンジンオイルは排出管路を夫々介してオイルパンへ導出可能である。
【0016】
好ましくは、2つの排出管路は連結されており、エンジンオイルの流れ方向に見て排出管路の連結個所の下流側において、統一された排出管路に対して1つの共通のオイルポンプ若しくは吸込み段が配設されている。
【0017】
好ましくは、2つの排出管路に対して、エンジンオイルの流れ方向において見て連結個所の上流側に、夫々圧力制限装置が配設されており、圧力制限装置は共通のオイルポンプ若しくは吸込み段に対して別体の構成群として構成されている。
【0018】
好ましくは、統一された排出管路に対して1つの共通の圧力制限装置が配設されており、共通の圧力制限装置は共通のオイルポンプ若しくは吸込み段に組み込まれている。
【0019】
好ましくは、統一された排出管路に対して1つの共通の圧力制限装置が配設されており、共通の圧力制限装置は共通のオイルポンプ若しくは吸込み段に対して別体の構成群として構成されている。
【0020】
好ましくは、2つの排出管路が分離されており、各排出管路に対して1つの圧力制限装置と、1つのオイルポンプ若しくは吸込み段とが、別体の構成群又は互いに統合された構成群として配設されている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、夫々の排ガスターボチャージャの夫々の排出管路に対して圧力制限装置が配設されている。圧力制限装置によって夫々の排ガスターボチャージャの軸受個所に作用している負圧は制限可能である。特に、夫々の排ガスターボチャージャの軸受個所に作用している負圧を、本発明に係る圧力制限装置により、内燃機関の各運転点に基づき調節することができるか若しくは内燃機関の各運転点に合わせることができる。
【0022】
本発明に係る内燃機関において、先行技術において必要であるバイパス管路を省くことができる。夫々の排ガスターボチャージャの夫々の排ガス管路に対して配設された圧力制限装置によって、夫々の排ガスターボチャージャの軸受個所を占めている負圧を制限することができる。その結果、排ガスターボチャージャが極めて高い負圧に基づき破損する、という危険はない。バイパス管路を省くことができるので、内燃機関の構造は簡単になる。
【0023】
本発明の第1の有利な構成によれば、圧力制限装置およびオイルポンプは別体の構成群として構成されており、夫々分離した構成群として夫々の排出管路に対して配設されている。圧力制限装置およびオイルポンプが別体の構成群として構成されていて、かつ別体の構成群として夫々の排ガスターボチャージャの夫々の排出管路に対して配設されていると、これらの構成群のうちの1つの構成群に故障が生じたような場合には、構成群を個別に新しく交換することができる。
【0024】
本発明の第2の択一的な有利な構成によれば、圧力制限装置はオイルポンプに組み込まれており、オイルポンプと共に夫々の排出管路に対して配設されている。圧力制限装置をオイルポンプ内に組み込むことにより、必要な構成スペースを減じることができる。
【0025】
本発明のさらに別の有利な構成は従属請求項および以下の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】先行技術において公知の内燃機関のブロック回路図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る、本発明に係る内燃機関のブロック回路図である。
【
図3】本発明の第2の実施の形態に係る、本発明に係る内燃機関のブロック回路図である。
【
図4】本発明の第3の実施の形態に係る、本発明に係る内燃機関のブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図2には、本発明に係る内燃機関40の有利な実施の形態の極めて概略的なブロック回路図が示されている。また内燃機関40はクランクケース41を介してシリンダ(詳細に図示せず)を収容するために働く。
図2にはまた、単に2つのシリンダ群42,43が示されており、これらのシリンダ群42,43には対応するシリンダヘッドケーシング44,45が設けられている。
【0029】
また、各シリンダ群42,43と排ガスターボチャージャ46若しくは47が協働する。また、排ガスターボチャージャ46,47については、タービン48,49及びコンプレッサ50,51が示されている。タービン48,49は内燃機関の排ガス流、つまり夫々のシリンダ群42,43の排ガス流の緩和のために働く。排ガスターボチャージャ46,47のタービン48,49は、内燃機関に供給しようとする燃焼空気流を圧縮するために夫々の排ガスターボチャージャ46,47の夫々のコンプレッサ50,51を駆動する。また、圧縮された燃焼空気流はスロットルバルブ52及び圧力装置53を介して、夫々のシリンダ群42,43の領域に到達する。
【0030】
図2の内燃機関40の場合にも、排ガスターボチャージャ46,47のコンプレッサ50,51において圧縮したい燃焼空気は、コンプレッサ50,51への供給前にエアフィルタ54若しくは55を介して案内される。また、エアフィルタ54若しくは55と、排ガスターボチャージャ46,47のコンプレッサ50若しくは51との間に、コンプレッサ50,51に供給される空気量を測定技術により、例えば圧力モトロニックにより検出するために、測定装置56,57が位置決めされている。
【0031】
また、
図2の本発明に係る内燃機関40はオイルポンプ58を備えた開放型の油圧回路を有している。また、オイルポンプ58ついては、単に1つの吸込み段が図示されているだけである。オイルポンプ58若しくはオイルポンプ58の吸込み段は、エンジン回転数に基づき駆動される、非制御式のコンスタントフィードポンプとして構成されている。つまり、オイルポンプ58若しくはオイルポンプ58の吸込み段は、ポンプ回転毎に一定の排出量を有する。
【0032】
オイルポンプ58若しくはオイルポンプ58の吸込み段を介して、エンジンオイルをオイルパン69の方向に吸い込むことができ、内燃機関40のシリンダの潤滑のために、シリンダ群42,43に向かって圧送することができる。
【0033】
また、排ガスターボチャージャ46,47は内燃機関の開放型の油圧回路に連結されていて、排ガスターボチャージャ46若しくは47にエンジンオイルを供給管路59若しくは60を介して、排ガスターボチャージャ46若しくは47の軸受個所の潤滑のために供給することができる。排ガスターボチャージャ46若しくは47の軸受個所から出発して、エンジンオイルが、排出管路61若しくは62を介して、オイルポンプ58の吸込み段によってオイルパン69に向かって導出可能若しくは排出可能である。
【0034】
内燃機関40の回転数が増加するに伴い、ひいてはオイルポンプ58の吸込み段の回転数が増大するに伴い、ターボチャージャ46,47の軸受個所の領域において負圧がますます増大することに対抗するために、
図2に記載の実施の形態においては、夫々のターボチャージャ46,47の各排出管路62,61に対してそれぞれ1つの圧力制限装置63,64が配設されている。圧力制限装置63,64により、夫々の排ガスターボチャージャ46若しくは47の軸受個所を占めている負圧を制限することができる。
図2によれば、圧力制限装置63,64は絞りとして構成されている。
【0035】
図3には、
図2の実施の形態とほぼ一致する本発明に係る内燃機関65の別の実施の形態が示されている。したがって、不必要な繰り返しを避けるために同じ構成群に対しては同じ符号を使用している。
図3の内燃機関65は、
図2の内燃機関40とは単に排出管路62,61に対して配設されている圧力制限装置63,64の構成に関してのみ異なっている。
図3の実施の形態においては、圧力制限装置63,64は逆止弁として構成されている。
【0036】
図2,3の実施の形態において、排出管路62,61は互いに連結されているか、若しくは互いになめらかに接続し合っている。エンジンオイルの流れ方向において見て、連結個所66若しくは2つの排出管路62,61の結合個所の下流側に、オイルポンプ58若しくはオイルポンプ58の吸込み段が位置決めされている。圧力制限装置63,64は、エンジンオイルの流れ方向において見てそれぞれ排出管路62,61の連結個所66の上流側で、夫々の排ガスターボチャージャ46,47若しくは排ガスターボチャージャ46,47の軸受個所と、共通のオイルポンプ58若しくはオイルポンプ58の吸込み段との間に位置決めされている。
【0037】
上記実施の形態とは異なり、2つの排出管路61,62は互いに連結されておらず、むしろ独立して若しくは互いに分離されて構成されていることも可能である。本実施の形態において有利には、各排出管路に対して別体の独立したオイルポンプ58若しくは吸込み段が配設される。
【0038】
図2,3記載の実施の形態において、圧力制限装置63,64及び共通のオイルポンプ58若しくはオイルポンプ58の吸込み段はそれぞれ、別体若しくは分離された構成群として構成されている。
【0039】
これに対して
図4には、本発明に係る内燃機関67のさらに別の実施の形態が示されている。内燃機関67においては、1つの共通の圧力制限装置68が2つの排ガスターボチャージャ46,47のための共通のオイルポンプ58若しくは吸込み段に組み込まれている。したがって本実施の形態においては2つの排ガスターボチャージャ46,47のために、1つの共通の圧力制限装置68が設けられている。共通の圧力制限装置68は共通のオイルポンプ58若しくは共通のオイルポンプ58の吸込み段に組み込まれている。これにより、必要とされる構成スペースは絶対的な最小値にまで減じることができる。
【0040】
他の細部に関して
図4の実施の形態は、
図2,3の実施の形態と一致するので、不必要な繰り返しを回避するために同じ構成群に対してはやはり同じ符号を使用する。
【0041】
図2〜4に基づいて本発明は2つのターボチャージャを備えた内燃機関を例にして説明した。内燃機関が専ら唯一のターボチャージャを有している場合であっても、当然に本発明は使用可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 内燃機関、 11 クランクケース、 12 シリンダ群、 13 シリンダ群、 14 シリンダヘッドケーシング、 15 シリンダヘッドケーシング、 16 排ガスターボチャージャ、 17 排ガスターボチャージャ、 18 タービン、 19 タービン、 20 コンプレッサ、 21 コンプレッサ、 22 スロットルバルブ、 23 圧力装置、 24 エアフィルタ、 25 エアフィルタ、 26 測定装置、 27 測定装置、 28 オイルポンプ、 29 供給管路、 30 供給管路、 31 排出管路、 32 排出管路、 33 バイパス管路、 34 バイパス管路、 35 オイルパン、 40 内燃機関、 41 クランクケース、 42 シリンダ群、 43 シリンダ群、 44 シリンダヘッドケーシング、 45 シリンダヘッドケーシング、 46 排ガスターボチャージャ、 47 排ガスターボチャージャ、 48 タービン、 49 タービン、 50 コンプレッサ、 51 コンプレッサ、 52 スロットルバルブ、 53 圧力装置、 54 エアフィルタ、 55 エアフィルタ、 56 測定装置、 57 測定装置、 58 オイルポンプ、 59 供給管路、 60 供給管路、 61 排出管路、 62 排出管路、 63 圧力制限装置、 64 圧力制限装置、 65 内燃機関、 66 連結個所、 67 内燃機関、 68 圧力制限装置、 69 オイルパン