(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774837
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】分割式フロアプレートを備えた貨物積載用昇降装置
(51)【国際特許分類】
B60P 1/44 20060101AFI20150820BHJP
B60P 1/16 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
B60P1/44 J
B60P1/44 E
B60P1/16 B
B60P1/44 G
B60P1/44 B
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-242523(P2010-242523)
(22)【出願日】2010年10月28日
(65)【公開番号】特開2012-91743(P2012-91743A)
(43)【公開日】2012年5月17日
【審査請求日】2013年10月7日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229900
【氏名又は名称】日本フルハーフ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000230445
【氏名又は名称】日本リフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100102417
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】初鹿野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】石田 隆大
【審査官】
林 政道
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−150869(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第04400502(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/44
B60P 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装備され、貨物積載用の折り畳み式フロアプレートを地面と荷台床面との間で昇降させる昇降装置であって、
前記昇降装置は、前記折り畳み式フロアプレートを水平状態で昇降させる平行リンク機構と昇降用油圧シリンダとを備え、かつ、車両後部における荷台床下に固着したガイドレールにスライド可能に支持され、
前記折り畳み式フロアプレートには、前記平行リンク機構に連結された基部プレート部材と、前記基部プレート部材にダブルヒンジにより回動可能に枢着された中間プレート部材と、前記中間プレート部材にダブルヒンジにより回動可能に枢着された先端プレート部材とが設けられるとともに、前記中間プレート部材を回動させる第1折り畳み・展開用油圧シリンダと、前記先端プレート部材を回動させる第2折り畳み・展開用油圧シリンダとが設けられ、
前記折り畳み式フロアプレートを展開したときに、前記基部プレート部材、前記中間プレート部材及び前記先端プレート部材の上面が連続した平面をなしており、さらに、
前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダが、折り畳み時に加圧油が供給される油圧室と展開時に加圧油が供給される油圧室とを有する複動式油圧シリンダであって、
前記折り畳み式フロアプレートの前記基部プレート部材の下端を地面に接地させ、前記中間プレート部材を、折り畳み状態から直立状態を経て平面状態となるよう回動して展開するときに、直立状態を経過した後の時点において、前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダの、展開時に加圧油が供給される油圧室への加圧油の供給を停止してその油圧室を排油通路と連通し、前記中間プレート部材がその自重により平面状態となることを特徴とする昇降装置。
【請求項2】
前記第2折り畳み・展開用油圧シリンダが、折り畳み時に加圧油が供給される油圧室と展開時に加圧油が供給される油圧室とを有する複動式油圧シリンダであって、
前記先端プレート部材を、折り畳み状態から直立状態を経て平面状態となるよう回動して展開するときに、直立状態を経過した後の時点において、前記第2折り畳み・展開用油圧シリンダの、展開時に加圧油が供給される油圧室への加圧油の供給を停止してその油圧室を排油通路と連通し、前記先端プレート部材がその自重により平面状態となる請求項1に記載の昇降装置。
【請求項3】
前記第2折り畳み・展開用油圧シリンダが、折り畳み時に加圧油が供給される油圧室と展開時に加圧油が供給される油圧室とを有する複動式油圧シリンダであって、
前記先端プレート部材を、折り畳み状態から直立状態を経て平面状態となるよう回動して展開するときに、前記先端プレート部材が平面状態となるまで、前記第2折り畳み・展開用油圧シリンダの、展開時に加圧油が供給される油圧室への加圧油の供給を継続する請求項1に記載の昇降装置。
【請求項4】
前記基部プレート部材の端面、又は、その端面と対向する前記中間プレート部材の端面には、前記中間プレート部材の位置を検出するセンサが設置され、前記センサからの信号により、前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダの、展開時に加圧油が供給される油圧室への加圧油の供給を停止してその油圧室を排油通路と連通する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の昇降装置。
【請求項5】
前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダと前記第2折り畳み・展開用油圧シリンダとが、前記中間プレート部材に装着されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の昇降装置。
【請求項6】
前記昇降装置が、前記折り畳み式フロアプレートの前記基部プレート部材の下端を地面に接地させた後に、前記基部プレート部材を傾斜して前記先端プレート部材の先端部を接地させる傾斜機構を備えている請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラック等の荷台に貨物の積み降ろしを行うため、トラック等の後部又は側部に装備され、貨物を積載するフロアプレート(プラットフォーム)を地面と荷台床面との間で昇降させる昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
貨物輸送用の車両であるトラックの荷台には、上方が開放された無蓋の荷台、屋根を備え周囲が密閉された6面体の箱型荷台等がある。近年では、風雨等による貨物の損傷を防止でき、梱包を簡易化できるとともに荷くずれ防止も容易な箱型荷台、つまりバンボディが広く普及している。こうした荷台は、車輪、メインレール及びサスペンション機構等からなるトラックのシャシフレーム上に架装されるため、荷台床面と地面との間には相当の高低差が存在し、貨物の積み降ろしに際して支障となる。
【0003】
貨物の積み降ろしの荷役作業における作業性を向上し、作業者の負担を軽減するよう、フロアプレートに貨物を載せて、これを地面と荷台床面との間で昇降させる昇降装置が良く知られており、テールゲートと呼ばれている。テールゲートは、通常、トラックの後端部分に装着されていて、フロアプレート上の貨物等の落下を防止するため、これを水平状態に保ちつつ昇降させる平行リンク機構を備えている。テールゲートを車両の側面に設置する場合もあり、また、フロアプレートを垂直な支柱にスライド可能に支持し、地面と荷台床面との間で水平のまま上下させる昇降装置もある。
【0004】
テールゲートは荷役作業において使用するものであって、トラック等の走行時にはフロアプレート等を格納状態としなければならない。テールゲートの格納には、フロアプレートを荷台の後端に立て掛けた状態で保持する、いわば立て掛け格納式のものが多用されているが、荷台の後方部分の床下にフロアプレート等を引き込んで収納する、床下格納式のテールゲートも広く用いられている。床下格納式のテールゲートは、立て掛け格納式のものと異なり、テールゲートが格納状態でも後部ドアの開放が可能であって、この面では、後部ドアを備えたバンボディに好都合である。
ただし、格納スペースとなる荷台後方部分(車両後輪から荷台後端までのいわゆるリアオーバーハング部)の床下は、一般的に車両前後方向の長さがフロアプレート等の長さよりも短いので、そのままでは格納することができず、フロアプレートを2つに分割して折り畳むことが必要となる。荷台後方部分が大型トラック程長くない中型以下のトラックにおいては、3分割したフロアプレートを重ねるように折り畳んで、より短いスペースでも格納可能とした3枚折れのフロアプレートも採用されている。
【0005】
3枚折れの折り畳み式フロアプレートを有する床下格納式のテールゲートの概要と基本的な作動方法について、
図6及び
図7により説明する。
図6は、フロアプレートを折り畳んだテールゲートを、トラックの床下に格納した状態を示す側面図である。トラックのシャシフレームには、前後方向に全長に亘って平行に延びる2本のメインレールMRが配置されており、トラックの荷台は、メインレールMR上に載置される。トラックの後輪RWの後方部分におけるメインレールMRには、ブラケットBRによってガイドレール1が固着され、このガイドレール1は、左右のメインレールMRにそれぞれ取り付けられている(
図6では片側のみを示す)。それぞれのガイドレール1には、フロアプレートや平行リンク機構等からなるテールゲートの全体を支持する支持基板2がスライド可能に吊り下げられ、左右の支持基板2は、中空矩形断面の連結ロッド3により互いに結合される。連結ロッド3は、この図には示していないスライド用油圧シリンダに結合されており、テールゲートの格納状態では、スライド用油圧シリンダが収縮して、支持基板2はガイドレール1の前端部分の格納位置に位置している。
【0006】
貨物の積み降ろしのためテールゲートを使用するときは、スライド用油圧シリンダを伸長して、
図7に示すように、支持基板2をガイドレール1の後端部分の引き出し位置に位置させる。テールゲートは、平行リンク機構4を構成する上方アーム4U及び下方アーム4Lを有し、支持基板2と上方アーム4Uとの間には、昇降用油圧シリンダ(昇降用油圧シリンダの支持基板2への枢着点を符号Kで示す)が配置されている。引き出し位置においては、昇降用油圧シリンダを収縮してフロアプレート5を下降し、フロアプレート5が着地した後、折り畳んだフロアプレート5を展開する。なお、このテールゲートには、フロアプレート5が下降するとき(あるいは格納時に折り畳むとき)に、分割されたプレート部材を立て掛けて支持するローラ付きの支持ロッド7が、連結ロッド3の車両幅方向の中央部に固着されている(後述の
図3(a)参照)。
3枚折れフロアプレートでは、フロアプレート5が、基部プレート部材51、中間プレート部材52及び先端プレート部材53に3分割されており、展開したときには、これらのプレート部材の上面が連続した平面をなす。この状態で昇降用油圧シリンダを伸長すると、
図7の2点鎖線に示すように、展開されたフロアプレート5の上面がトラックの荷台床面と同じ高さまで上昇し、フロアプレート5上に載せた貨物の荷台への容易な積み降ろしが可能となる。この間、平行リンク機構をなす上方アーム4U及び下方アーム4Lの作用により、フロアプレート5の上面は水平状態を保持しながら昇降することとなる。
【0007】
テールゲートは、通常、地上に置かれた貨物の積み降ろしの便を図るよう、フロアプレートを地面に接地させた後、これを傾斜してフロアプレートの先端部を接地させる傾斜機構を備えている。
図7のテールゲートでは、上方アーム4Uが、支持基板2に枢着された補助リンク板AR(後述の
図3(a)(d)参照)にさらに枢着される構成となっており、フロアプレート5が着地した状態で昇降用油圧シリンダをなお収縮すると、平行リンク機構に連結された基部プレート部材51が、下方アーム4Lの枢着点を中心に少し回動傾斜(チルト)する。これにより、展開した状態の中間プレート部材52及び先端プレート部材53の先端を接地することができる(後述の
図3(f)参照)。平行リンク機構を備えた床下格納式のテールゲートにおいて、補助リンク板を使用して3枚折れフロアプレートをチルトさせることは、一例として、特許第3409839号公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3409839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
フロアプレートを折り畳み又は展開するには、作業者が手動で操作する手動方式と、折り畳み・展開用油圧シリンダを用いる方式があり、上記特許文献のテールゲートでは、手動方式を採用している。しかし、フロアプレートは相当の重量があるので、作業者の負担軽減のためには折り畳み・展開用油圧シリンダによる機械式の折り畳み機構を設けることが望ましい。また、フロアプレートは地面に接地するものであって汚れやすく、作業者が手動で折り畳み等の操作を行うと、手に汚れが付着して食品の配送などにおいては安全・衛生管理の面で問題を生じる場合がある。
【0010】
床下格納式のテールゲートでは、フロアプレートを昇降させる昇降用油圧シリンダと、テールゲートの格納・引き出しを行うスライド用油圧シリンダとを装備する必要があり、これらの油圧シリンダを駆動してテールゲートを操作するためのコントロール盤が、一般的には、テールゲートの支持基板2(
図6、7)を連結する連結ロッド3の端部に取り付けられ、車両後部の床下の側面に位置している。折り畳み・展開用油圧シリンダを設けたときは、フロアプレートの折り畳み又は展開作動を制御する制御装置も、そのコントロール盤に組み込まれる。作業者は、車両の一方の側面からフロアプレートを見ながらコントロール盤を操作することとなるが、特に、中間プレート部材や先端プレート部材を展開するときには、車両の反対側におけるそれらプレート部材の先端部周辺の状況を確認し難いことがある。
【0011】
折り畳み・展開用油圧シリンダとしては、折り畳みと展開とがともに操作力を要する逆方向の作動であるために、シリンダ内のピストンの両側に油圧を作用させる複動式油圧シリンダが用いられる。そして、ピストンに油圧を作用させつつ中間プレート部材等を展開してその先端を接地させるときに、先端の下方に、貨物積載作業者の足、貨物の一部等の異物が存在し、これを確認できずに展開中のプレート部材と地面との間に挟み込んだ場合には、油圧による大きな操作力に起因して異物を損傷する虞れがある。また、異物が石や金属片等の硬いものであるときは、反作用によりプレート部材の先端部分等が損傷することもある。3枚折れフロアプレートでは、中間プレート部材用及び先端プレート部材用の折り畳み・展開用油圧シリンダをそれぞれ設け、これらプレート部材を順次展開する必要があるが、中間プレート部材の重量が先端プレート部材よりもはるかに大きいので、損傷の問題は、中間プレート部材を展開するときにより重大なものとなる。
本発明の課題は、折り畳み式フロアプレートを折り畳み・展開用油圧シリンダにより機械的に作動するテールゲートにおいて、中間プレート部材等を展開するときの異物挟み込みによる損傷を回避して、上記の問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題に鑑み、本発明は、3枚折れの折り畳み式フロアプレートを地面に接地し中間プレート部材を展開するときに、中間プレート部材が直立状態を経過した後の時点で、
複動式油圧シリンダとして構成された中間プレート部材用折り畳み・展開用油圧シリンダへの加圧油の供給を停止して、中間プレート部材がその自重により平面状態まで展開するようにしたものである。すなわち、本発明は、
「車両に装備され、貨物積載用の折り畳み式フロアプレートを地面と荷台床面との間で昇降させる昇降装置であって、
前記昇降装置は、前記折り畳み式フロアプレートを水平状態で昇降させる平行リンク機構と昇降用油圧シリンダとを備え、かつ、車両後部における荷台床下に固着したガイドレールにスライド可能に支持され、
前記折り畳み式フロアプレートには、前記平行リンク機構に連結された基部プレート部材と、前記基部プレート部材に
ダブルヒンジにより回動可能に枢着された中間プレート部材と、前記中間プレート部材に
ダブルヒンジにより回動可能に枢着された先端プレート部材とが設けられるとともに、前記中間プレート部材を回動させる第1折り畳み・展開用油圧シリンダと、前記先端プレート部材を回動させる第2折り畳み・展開用油圧シリンダとが設けられ、
前記折り畳み式フロアプレートを展開したときに、前記基部プレート部材、前記中間プレート部材及び前記先端プレート部材の上面が連続した平面をなしており、さらに、
前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダが、折り畳み時に加圧油が供給される油圧室と展開時に加圧油が供給される油圧室とを有する複動式油圧シリンダであって、
前記折り畳み式フロアプレート
の前記基部プレート部材の下端を地面に接地させ、前記中間プレート部材を、折り畳み状態から直立状態を経て平面状態となるよう回動して展開するときに、直立状態を経過した後の時点において、
前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダの、展開時に加圧油が供給される油圧室への加圧油の供給を停止してその油圧室を排油通路と連通し、前記中間プレート部材がその自重により平面状態となる」
ことを特徴とする昇降装置となっている。
【0013】
前記先端プレート部材を展開するときには、請求項2に記載のように、中間プレート部材の作動と同様、直立状態を経過した後の時点において前記先端プレート部材がその自重により平面状態となる構成としてもよく、請求項3に記載のように、前記先端プレート部材が平面状態となるまで、展開のための前記第2折り畳み・展開用油圧シリンダへの加圧油の供給を継続する構成としてもよい。
【0014】
請求項4に記載のように、前記基部プレート部材の端面、又は、その端面と対向する前記中間プレート部材の端面に、前記中間プレート部材の位置を検出するセンサを設置し、前記センサからの信号により、展開のための前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダ
の油圧室への加圧油の供給を停止して前記油圧室を排油通路と連通することが好ましい。
【0015】
請求項5に記載のように、前記第1折り畳み・展開用油圧シリンダと前記第2折り畳み・展開用油圧シリンダとを、前記中間プレート部材に装着することが好ましい。
【0016】
また、請求項6に記載のように、前記昇降装置には、前記折り畳み式フロアプレートを地面に接地させた後に、前記基部プレート部材を傾斜して前記先端プレート部材の先端部を接地させる傾斜機構を設けることができる。
【発明の効果】
【0017】
3枚折れの折り畳み式フロアプレートを備えた昇降装置では、作業者の負担軽減等のためには、折り畳み・展開用油圧シリンダを設けるのが好ましいが、油圧シリンダの操作力は強力であるから、ことに、重量の大きい中間プレート部材を展開するときに地面との間に異物を挟み込んだ場合には、異物の重大な損壊等を起こすことがある。本発明では、折り畳み式フロアプレートを地面に接地させて中間プレート部材を展開するとき、
いわゆるダブルヒンジにより基部プレート部材に連結された中間プレート部材が、直立状態(中間点)を経過した後の時点において、(中間プレート部材用)第1折り畳み・展開用油圧シリンダへの加圧油の供給を停止する。
ここで、第1折り畳み・展開用油圧シリンダは、複動式の油圧シリンダであって、折り畳み時に加圧油が供給される油圧室と展開時に加圧油が供給される油圧室とを有しており、直立状態を経過した後の時点では、展開時に加圧油が供給される油圧室への加圧油の供給が停止される。その結果、油圧シリンダの操作力が消失し、中間プレート部材は、その自重により回動を継続して基部プレート部材の上面と平面状態となる。このとき、中間プレート部材の下部に貨物積載作業者の足等の異物を挟んだとしても、その異物には油圧による操作力が作用しないので、損傷等の重大な事態を招くことは回避される。
【0018】
中間プレート部材は、第1折り畳み・展開用油圧シリンダと機械的に連結されており、自重により回動を継続(先端部が落下)するときは、中間プレート部材の重力に基づき油圧シリンダから排油通路を介してオイルがオイルタンクに流れる。排油通路等にはオイルの流速に応じた流体抵抗が発生するため、回動する中間プレート部材は制動力を受けて速度が低下し、中間プレート部材が急激に地面と衝突することはない。油圧シリンダへの加圧油の供給を停止する時点、すなわち、直立状態を経過した後に加圧油の供給を停止する中間プレート部材の位置は、自重により回動を継続するときの速度等の要素を考慮して、中間プレート部材と基部プレート部材の上面の延長線とのなす角度が15°〜45°となるような位置に設定される。
【0019】
請求項2の発明は、中間プレート部材の展開の後に先端プレート部材を展開するときににおいても、中間プレート部材の作動と同様、直立状態を経過した後の時点において先端プレート部材がその自重により平面状態となるように、(先端プレート部材用)第2折り畳み・展開用油圧シリンダを制御するものである。これにより、先端プレート部材を展開するときにも異物の損傷等の事態が回避される。
【0020】
ところで、3枚折れフロアプレートの先端プレート部材は、一般に、中間プレート部材よりも軽量で前後方向の長さも短く、(先端プレート部材用)第2折り畳み・展開用油圧シリンダとしては、(中間プレート部材用)第1折り畳み・展開用油圧シリンダよりも小型のものが装備される。そのため、先端プレート部材の展開時には、中間プレート部材のときほどは損傷回避の必要性が認められず、場合によっては、請求項3の発明のように、先端プレート部材が平面状態となるまで第2折り畳み・展開用油圧シリンダへの加圧油の供給を継続することができる。こうしたときには、第2折り畳み・展開用油圧シリンダの油圧制御回路等の構成が簡易化される。
なお、先端プレート部材を2分割し、フロアプレートをいわば4枚折れの折り畳み式フロアプレートとすることも考えられるが、こうしたフロアプレートに対しても、本発明が適用できるのは明らかである。
【0021】
請求項4の発明は、基部プレート部材の端面、又は、その端面と対向する中間プレート部材の端面に、中間プレート部材の位置を検出するセンサを取り付け、中間プレート部材が直立状態を経過した後所定の位置に達した時点で、第1折り畳み・展開用油圧シリンダへの展開のための加圧油の供給を停止
して前記油圧室を排油通路と連通するものである。このような個所にセンサを設置することにより、基部プレート部材に対する中間プレート部材の位置を正確に検出することが可能であり、また、センサとして、耐久性に優れた非接触形の近接センサを利用することが可能となる。
【0022】
請求項5の発明のように、第1折り畳み・展開用油圧シリンダと第2折り畳み・展開用油圧シリンダとを、ともに中間プレート部材に装着したときは、油圧シリンダのレイアウトが単純化され、また、比較的ストロークの長い油圧シリンダの採用が可能となる。
請求項6の発明のように、折り畳み式フロアプレートを地面に接地させた後に、基部プレート部材を傾斜して先端プレート部材の先端部を接地させる傾斜機構を設けたときは、貨物積み降ろしの荷役作業が、より効率的なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】折り畳み・展開用油圧シリンダを設置した、本発明の3枚折れ折り畳み式フロアプレートの全体図及び作動図である。
【
図2】3枚折れ折り畳み式のフロアプレートを折り畳んだ状態で示す図である。
【
図3】本発明のフロアプレートの展開時における連続的な作動を示す連続作動図である。
【
図4】サブプレートの角度位置を検出するセンサの構成を示す図である。
【
図5】折り畳み・展開用油圧シリンダの制御用油圧回路を示す図である。
【
図6】床下格納式のテールゲートにおいて、3枚折れのフロアプレートを折り畳んでトラックの床下に格納した状態を示す側面図である。
【
図7】床下格納式のテールゲートを、引き出し位置に位置させて3枚折れのフロアプレートを水平に昇降させる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて、本発明の折り畳み式フロアプレートを備えたテールゲートについて説明するが、テールゲートの基本的な構造等は、
図6及び
図7に示す従来の構造と変わるものではなく、本発明を説明する図面では、
図6、
図7の部品等と対応するものについては同一の符号を付している。
本発明のテールゲートは、中間プレート部材52及び先端プレート部材53の折り畳み等をそれぞれ行う2個の折り畳み・展開用油圧シリンダを設けるもので、まず、このような3枚折れフロアプレートの1実施例の構造について、
図1及び
図2により説明する。
図1において、(a)は、折り畳み・展開用油圧シリンダを備えた3枚折れフロアプレート5の展開時の全体図であり、(b)は、基部プレート部材51と中間プレート部材52との連結部分の拡大図、(c)は、中間プレート部材52を基部プレート部材51に重ねるように折り畳んだ状態における連結部分の拡大図、となっている。また、
図2は、フロアプレート5を完全に折り畳んだ状態で示す図である。
【0025】
図1(a)に示すように、フロアプレート5の基部プレート部材51の前側部分には、テールゲート昇降装置の平行リンク機構である上方アーム4U及び下方アーム4L(
図7等参照)を枢着する枢着孔51U、51Lが形成され、これにより、基部プレート部材51は平行リンク機構に連結される。基部プレート部材51と中間プレート部材52とは、いわゆるダブルヒンジを構成するヒンジリンクH1によって連結されており、ヒンジリンクH1の前方ヒンジH1Fが基部プレート部材51に、後方ヒンジH1Rが中間プレート部材52に枢着されて、中間プレート部材52が基部プレート部材51に対し回動可能となっている。同様に、中間プレート部材52の先方に置かれた先端プレート部材53は、ヒンジリンクH2によって回動可能に中間プレート部材52に連結される。なお、基部プレート部材51の底部には、フロアプレート5が展開し傾斜したときに接地する脚部材LMが、適所に取り付けられている。
【0026】
中間プレート部材52には、中間プレート部材52を基部プレート部材51に対し回動するための第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61と、先端プレート部材53を中間プレート部材52に対して回動するための第2折り畳み・展開用油圧シリンダ62とが装着されている。
図2に示されるように、これらの油圧シリンダ61、62は、並行で互いに逆向きとなるよう配置されており、車両の幅方向には2組のものが取り付けられる。それぞれの組の油圧シリンダは断面ハット形のカバーCに覆われ、フロアプレート5が展開し傾斜して接地するカバーCの先方側部分には、ゴム製パッドRPが設けてある。
【0027】
中間プレート部材52の回動機構について述べると、
図1(b)に示すとおり、第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61は、連結リンク61Rを介して基部プレート部材51のピン51Pに枢着される。フロアプレート5の展開時には、第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61が収縮して、ダブルヒンジのヒンジリンクH1は水平となっている。フロアプレート5を格納するため中間プレート部材52を折り畳むとき(このときは、先端プレート部材53が中間プレート部材52上に折り畳まれている)には、第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61を伸長することにより、中間プレート部材52自体が反力を受け、まず後方ヒンジH1Rを中心に、次いで、前方ヒンジH1Fを中心に回動する。そして、
図1(c)に示すとおり、ヒンジリンクH1及び連結リンク61Rが直立して、中間プレート部材が基部プレート部材51の上面に折り畳まれる。折り畳みが完了すると、フロアプレート5は
図2に示す状態となる。
先端プレート部材53を中間プレート部材52上に折り畳むときには、第2折り畳み・展開用油圧シリンダ62を伸長する。この伸長方向は、連結リンク62Rを介して先端プレート部材53を先端側に押す方向であり、先端プレート部材53がヒンジリンクH2の回りに回動し、最終的には
図1(c)と同様に、ヒンジリンクH2及び連結リンク62Rが直立して、先端プレート部材53が中間プレート部材52の上面に折り畳まれる。
【0028】
次いで、中間プレート部材52の展開に関する本発明の作動態様について説明する。3枚折れのフロアプレートの展開作動を連続的に示す
図3において、(a)は、貨物の積み降ろし時に、支持基板2をガイドレール1の後端部分の引き出し位置に位置させ、フロアプレート5を下降して着地させた状態、(b)は、第1折り畳み・展開用油圧シリンダにより中間プレート部材52を回動して基部プレート部材51に対し直立させた状態、(c)は、第1折り畳み・展開用油圧シリンダの油圧室への圧油の供給を停止して、中間プレート部材52を自重により回動する状態、(d)は、中間プレート部材52が自重により回動して接地した状態、(e)は、第2折り畳み・展開用油圧シリンダの油圧室への圧油の供給を停止して、先端プレート部材53を自重により回動する状態、(f)は、先端プレート部材53を最終的に接地した状態、をそれぞれ示している。
【0029】
これらの作動図において、フロアプレート5が下降して着地した時点では、
図3(a)から分かるように、基部プレート部材51は地面と平行であって、テールゲートの格納時(
図6参照)に基部プレート部材51に密着していた中間プレート部材52は、支持ロッド7のローラに押されて基部プレート部材51から離れる。
図3に示す実施例のテールゲートでは、フロアプレート5が下降して着地した時点、つまり、基部プレート部材51の下端が接地した時点において、中間プレート部材52が第1折り畳み・展開用油圧シリンダに駆動されて回動を開始するとともに、基部プレート部材51が脚部材LMを接地するようチルト作動を開始し、中間プレート部材52が自重により回動を始める
図3(c)の時点では、基部プレート部材51の脚部材LMは既に接地している。ただし、中間プレート部材52の回動は、基部プレート部材51の脚部材LMが接地した時点で開始するようにしてもよい。
【0030】
中間プレート部材52を自重により回動させるには、重力によって中間プレート部材52に展開方向のモーメントが作用する状態となる、すなわち、
図3(b)の直立状態を経過した後の時点において、第1折り畳み・展開用油圧シリンダへの加圧油の供給を停止して、ピストン両側の油圧室を低圧側(オイルタンク側)と連通することが必要である。ただし、重力による展開方向のモーメントが余りに小さいと、中間プレート部材52は実質的には回動しないから、自重により回動を始める
図3(c)の位置では、中間プレート部材52と基部プレート部材51の上面の延長線とのなす角度θ1が、15°〜45°となるように設定されている。
【0031】
自重による回動の結果、中間プレート部材52の先端が接地する
図3(d)の状態となり展開が完了すると、第2折り畳み・展開用油圧シリンダに駆動されて先端プレート部材53が回動を開始する。先端プレート部材53が
図3(e)の状態に達した時点では、第2折り畳み・展開用油圧シリンダへの加圧油の供給を停止して、先端プレート部材53を自重により回動させる。この作動は、中間プレート部材52の展開の際の作動と同様であって、
図3(e)の状態では、中間プレート部材52と先端プレート部材53の上面の延長線とのなす角度θ2は、15°〜45°となっている。先端プレート部材53の自重による回動が完了してその先端が接地すると、
図3(f)に示すように、フロアプレート5全体の展開が終了し、その上面が傾斜した平面状態となる。
【0032】
図4に示すように、本発明の折り畳み式フロアプレート5においては、基部プレート部材51の中間プレート部材52と対向する端面に、中間プレート部材52の位置を検出するセンサが置かれている。この実施例では、センサは、磁束の変化を検出する非接触形の近接センサ8であって、基部プレート部材51の横方向(車両の車幅方向)の端部に設置される。近接センサ8と対向するように、中間プレート部材52には鉄片81が固定されており、
図4の2点鎖線に示されるように、中間プレート部材52の角度位置がθ1となったことを近接センサ8が検出すると、第1折り畳み・展開用油圧シリンダの制御装置に信号を出力し、後述するように、加圧油の供給を停止して油圧室を低圧側である排油通路と連通する。同様なセンサは、中間プレート部材52と先端プレート部材53との間にも設置されている。
この実施例では、基部プレート部材51の端面に近接センサ8を設け、中間プレート部材52の対向位置に鉄片を設置して角度位置を検出しているが、逆に、中間プレート部材52の端面に近接センサを設け、基部プレート部材51の対向位置に鉄片を設置してもよい。また、基部プレート部材の端面に近接センサを置く代わりに、第1折り畳み・展開用油圧シリンダのストローク位置を機械的に検出するマイクロスイッチを用い、中間プレート部材の角度位置を検出するようにしてもよい。
【0033】
このように、本発明の3枚折れの折り畳み式フロアプレートでは、第1折り畳み・展開用油圧シリンダによる中間プレート部材52の展開時に、その角度位置が
図1(c)のθ1となった時点で、中間プレート部材52の自重による回動に切り換える。そのため、万一中間プレート部材52の下部に異物を挟んだとしても、その異物には油圧による操作力が作用せず、損傷等の重大な事態を招くことは回避される。また、異物が硬いものであった場合でも、中間プレート部材52の先端部の変形等を起こすことはない。
上述の実施例では、先端プレート部材53についても、中間プレート部材52の展開における作動と同様に、異物の挟み込みによる損傷等を回避するよう自重による回動作動が採用されている。ただし、先端プレート部材53は、中間プレート部材よりもはるかに軽量で前後方向の長さも短く、第2折り畳み・展開用油圧シリンダも小型となっている。そのため、場合によっては、展開が完了するまで第2折り畳み・展開用油圧シリンダの油圧室への加圧油の供給を継続するよう構成することも可能である。
【0034】
ここで、本発明に使用される、2個の折り畳み・展開用油圧シリンダを備えたテールゲートの制御用油圧回路について、
図5により説明する。
この図に示されるとおり、本発明の制御用油圧回路は、第1及び第2の折り畳み・展開用油圧シリンダ61、62の作動を制御すると同時に、3枚折れのフロアプレート5を昇降させる昇降用油圧シリンダ9及びテールゲートの格納・引き出しを行うスライド用油圧シリンダ10をも制御するものである。油圧回路には油圧ポンプPを駆動するモータMが備えられ、モータMの電流をデューティ比制御により増減して、油圧モータPの吐出する油圧圧力を制御する。ちなみに、スライド用油圧シリンダ10と第1及び第2の折り畳み・展開用油圧シリンダ61、62とが、ポートA、B等からピストンの両側に油圧を作用させる複動式油圧シリンダであるのに対し、昇降用油圧シリンダ9は、ポートPdからピストンの片側のみに油圧を作用させる単動式油圧シリンダであって、フロアプレート5を下降させるときは、電磁弁SV9を開いて油圧室を排油通路からタンクTに連通し、フロアプレート5等の自重によって下降を行わせる。
【0035】
中間プレート部材52の折り畳み等を行う第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61の制御油圧回路と、先端プレート部材53の折り畳み等を行う第2折り畳み・展開用油圧シリンダ62の制御油圧回路とは、ほぼ同等な構成と作動態様を備えており(
図5では、対応する部品に同様な符号が付されている)、ここでは、主に、中間プレート部材52用の第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61の制御油圧回路を例にとって説明を加える。
第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61の両方の油圧室に連なるポートC1、D1は、それぞれ電磁弁V61C、電磁弁V61Dを介して、制御電磁弁CV1に連通している。そして、制御電磁弁CV1には、油圧ポンプPに連なる油圧の供給通路SPとタンクTに連なる低圧側の排油通路EPとが接続されている。
【0036】
中間プレート部材52を展開するときには、電磁弁V61Cと電磁弁V61Dとを開放するとともに、制御電磁弁CV1を制御して、まず、第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61のポートD1を供給通路SPに、ポートC1を排油通路EPに接続する。これによって、第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61のピストンが図の左方に向けて移動し、油圧シリンダが収縮して、基部プレート部材51上に折り畳まれた中間プレート部材52が、
図3(b)の直立状態に向けて回動を始める。この実施例では、昇降用油圧シリンダ9の油圧室における圧力を検出する圧力センサが設けてあり、このセンサで、フロアプレート5が下降して基部プレート部材51の下端が着地した時点(フロアプレート5の荷重が消失して圧力が急降下)を検出して、中間プレート部材52の回動を開始する。
【0037】
そして、本発明では、第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61の収縮が続き、中間プレート部材52が、
図3(b)の直立状態を経過した後、
図3(c)の状態となった時点において、
図4の近接センサ8が出力する信号により、制御電磁弁CV1を切り換えて
図5に表される状態とし、ポートD1を排油通路EPに連通する(ポートC1は排油通路EPに接続したまま)。これにより、第1折り畳み・展開用油圧シリンダ61への加圧油の供給が停止され、これ以降、中間プレート部材52はその自重により回動して
図3(d)の平面状態に達する。自重により回動するときは、ピストンの図の左方への移動に伴い、ポートD1側の油圧室に排油通路EPから低圧のオイルが流れ込むとともに、ポートC1側の油圧室からオイルが排油通路EPに流れ出て流体抵抗が生じる。そのため、ピストンの移動速度は抑制され、中間プレート部材52が衝撃的に地面に接地することは防止される。
【0038】
中間プレート部材52の展開が完了して
図3(d)の状態となると、先端プレート部材53の展開が開始されるが、この展開は、中間プレート部材52とほぼ同様の過程で実行される。まず、第2折り畳み・展開用油圧シリンダ62のポートD2を供給通路SPに、ポートC2を排油通路EPに接続する。先端プレート部材53が回動して
図3(e)の状態となった時点で制御電磁弁CV2を切り換え、ポートD2とポートC2とを共に排油通路EPに連通する。これにより、先端プレート部材53は、その自重により回動して
図3(f)の平面状態に達し、フロアプレート5全体の展開が終了する。
【0039】
以上詳述したように、本発明は、3枚折れの折り畳み式フロアプレートの中間プレート部材を折り畳み・展開用油圧シリンダによって展開するときに、中間プレート部材が直立状態を経過した後の時点において油圧シリンダへの加圧油の供給を停止し、中間プレート部材がその自重により展開するようにして、異物挟み込みによる損傷等を回避するものである。上記実施例では、先端プレート部材についても、その先端が接地するときには自重により展開する構成としているが、先端プレート部材を展開するときは、展開終了まで油圧により回動する構成としてもよく、また、先端プレート部材が2枚に分割されたフロアプレートについても、本発明を適用することができる。さらに、上記実施例では、近接センサによりサブプレートの位置を検出して自重により展開させているが、展開開始から自重により回動可能な状態となるまでの所定時間が経過した時点で、油圧室への加圧油の供給を停止するなど、実施例に対し種々の変形が可能であることは明らかである。
【符号の説明】
【0040】
1 ガイドレール
4 平行リンク機構
4U 上方アーム
4L 下方アーム
5 折り畳み式フロアプレート
51 基部プレート部材
52 中間プレート部材
53 先端プレート部材
61 第1折り畳み・展開用油圧シリンダ(中間プレート部材用)
62 第2折り畳み・展開用油圧シリンダ(先端プレート部材用)
8 近接センサ
MR メインレール(車両シャシフレームの)