特許第5774840号(P5774840)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トーコーの特許一覧

<>
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000002
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000003
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000004
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000005
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000006
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000007
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000008
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000009
  • 特許5774840-パラペット換気構造 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774840
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】パラペット換気構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/15 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   E04D13/15 301Z
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-250166(P2010-250166)
(22)【出願日】2010年11月8日
(65)【公開番号】特開2012-102486(P2012-102486A)
(43)【公開日】2012年5月31日
【審査請求日】2013年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】595133736
【氏名又は名称】株式会社トーコー
(74)【代理人】
【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100165755
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 典彦
(72)【発明者】
【氏名】西田 利博
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−182259(JP,A)
【文献】 特開2008−303552(JP,A)
【文献】 米国特許第08001739(US,B1)
【文献】 特開2003−206606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔を開けた柱体、間柱の上面に笠木を配置し、この笠木の屋外側、屋内側の両側に縦胴縁を配置し、この縦胴縁の外側に外壁を配置した上で、頂部上側にカバー部材を取り付けたパラペット部における換気構造において、
前記パラペット部の一つの外壁のうちその上端付近を開放するパラペット開放部と、
屋外側に開口部を、屋内側に本体開放部を有し、前記開口部から前記本体開放部までを空洞にして相通ずる通気路を有する換気本体と、からなるものであって、
前記パラペット開放部と前記本体開放部とが通気可能となるように、前記パラペット部に換気本体を配置し、前記パラペット部の屋内気を、前記本体開放部と前記パラペット開放部とを経て排出することができ、換気可能とし
前記換気本体の箱体部の内部で回動自在に垂下しており、前記屋内側に回動することにより前記通気路と前記本体開放部との通気を遮蔽する遮蔽板を有することを特徴とするパラペット換気構造。
【請求項2】
前記換気本体は、その上部が屋内側に延び出る取付部を有し、
この取付面の延長長さは笠木の屋内方向長さより短いものであって、
前記笠木の上面に、一又は複数の取付部材と笠木開放部を設け、
前記取付部材の上面に前記取付面を取り付け、前記笠木解放部と前記換気本体の本体開放部との間に第二通気路を有することを特徴とする請求項1に記載のパラペット換気構造。
【請求項3】
前記換気本体は、取付部と箱部材である箱体部と、閉塞部材とからなり、
前記箱体部内は空洞で、上部水平板とこの上部水平板から垂直状の下方に折曲されていて、屋外側に開口部を形成した屋外側垂直板と、
この屋外側垂直板から屋内側に折曲させた下部水平板とを有し、
前記下部水平板の屋内側端部から上方へ立ち上がる立ち上がり部とその立ち上がり部の上縁から斜め下方へ折り返されているカエシを有し、
前記立ち上がり部と前記カエシの上方において、前記本体開放部が形成され、
前記取付部は、前記上部水平板から垂直状に折曲して形成された垂直板から屋内側へ延長して形成されるものであり、
前記閉塞部材は、内枠と遮蔽板とからなり、
前記内枠は、前記取付部の下側に重ねられるものであり、
前記遮蔽板は、前記内枠の屋外側の端部から前記箱体部内の空洞内の通気路に回動自在に垂下せしめられる部材であって、通気時は通気路内で垂下し、強風時は屋内側に回動して前記カエシの先端に係合して前記本体開放部を遮蔽することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のパラペット換気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋上やベランダの外壁として用いられるパラペット部における換気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の軒先における換気構造として、特許文献1に記載の技術が存在する(例えば特許文献1参照)。
この技術は、換気装置本体の上側に屋根部材が配置されるので、上部水平板を屋根材と同じ角度で傾斜させ、屋根材を支持するように軒先側に突出させ、その突出した部分に閉塞部材を支持させてある。また、樋に水を受けるために水切り部材が下方に突出している。
また、パラペット部における換気構造として、特許文献2に記載の技術が存在する(例えば特許文献2参照)。
これは、パラペット部内において換気するために、パラペット部の屋内気を一旦カバー部材内に出した後に排出するという構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−304140号公報
【特許文献2】特開2001−288866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の換気構造をそのままパラペット部に配置することはできなかった。なぜならば、パラペット部はその上端をカバー部材により使用者が安全に使用できるようにするためのものであり、屋根材の配置を前提とする特許文献1に記載の換気構造ではそのままパラペット部に配置することができないからである。そのため、突出した部分を形成することは避けなければならず、閉塞部材を支持する位置を変えなければならなかった。
また、樋もないので水切り部材を突出させる必要もない。
【0005】
また、特許文献2に記載の換気構造は、パラペット部における換気を示すものであるが、笠木部材を通してパラペット部の気体を換気することができる。この場合には、パラペット部から笠木部材、笠木部材から換気部材を経て換気するため、換気の効率が悪くなるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明のパラペット部の換気構造は、所定間隔を開けた柱体、間柱の上面に笠木を配置し、この笠木の屋外側、屋内側の両側に縦胴縁を配置し、この縦胴縁の外側に外壁を配置した上で、頂部上側にカバー部材を取り付けたパラペット部における換気構造において、前記パラペット部の一つの外壁のうちその上端付近を開放するパラペット開放部と、
屋外側に開口部を、屋内側に本体開放部を有し、前記開口部から前記本体開放部までを空洞にして相通ずる通気路を有する換気本体と、からなるものであって、前記パラペット開放部と前記本体開放部とが通気可能となるように、前記パラペット部に換気本体を配置し、前記パラペット部の屋内気を、前記本体開放部と前記パラペット開放部とを経て排出することができ、換気可能とし、前記換気本体の箱体部の内部で回動自在に垂下しており、前記屋内側に回動することにより前記通気路と前記本体開放部との通気を遮蔽する遮蔽板を有することを特徴とするものである。
【0007】
また、前記換気本体は、その上部が屋内側に延び出る取付部を有し、この取付面の延長長さは笠木の屋内方向長さより短いものであって、前記笠木の上面に、一又は複数の取付部材と笠木開放部を設け、前記取付部材の上面に前記取付面を取り付け、前記笠木解放部と前記換気本体の本体開放部との間に第二通気路を有することが好ましい。
【0008】
また、前記換気本体は、取付部と箱部材である箱体部と、閉塞部材とからなり、前記箱体部内は空洞で、上部水平板とこの上部水平板から垂直状の下方に折曲されていて、屋外側に開口部を形成した屋外側垂直板と、この屋外側垂直板から屋内側に折曲させた下部水平板とを有し、前記下部水平板の屋内側端部から上方へ立ち上がる立ち上がり部とその立ち上がり部の上縁から斜め下方へ折り返されているカエシを有し、前記立ち上がり部と前記カエシの上方において、前記本体開放部が形成され、前記取付部は、前記上部水平板から垂直状に折曲して形成された垂直板から屋内側へ延長して形成されるものであり、前記閉塞部材は、内枠と遮蔽板とからなり、前記内枠は、前記取付部の下側に重ねられるものであり、前記遮蔽板は、前記内枠の屋外側の端部から前記箱体部内の空洞内の通気路に回動自在に垂下せしめられる部材であって、通気時は通気路内で垂下し、強風時は屋内側に回動して前記カエシの先端に係合して前記本体開放部を遮蔽することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、パラペット部内の屋内気をスムーズに排出し、換気することができる。従来のパラペット部の換気構造では、パラペット部内の屋内気を通気孔からカバー部材や笠木へ排出して、それから換気部材を経て換気していた。これに対して、本発明の換気構造によれば、パラペット部から直接換気本体を通じて換気することができるので、スムーズな換気が可能になる。
また、パラペット部内の屋内気を通気孔から一旦笠木やカバー部材を通して換気するところ、従来はこの通気孔を埃などが塞いでしまうことがあった。これに対して、本発明の換気構造によれば、かかる内部の通気孔が存在せず、円滑な換気が可能になる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、取付部材と笠木開放部から笠木の上側に溜まる屋内気を排出することが可能になる。この笠木の上側に溜まった屋内気も直接、換気本体を通じて換気することができるので、スムーズな換気が可能になる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、閉塞部材により、屋外から強風と共に雨水が浸入した場合であっても、パラペット部内に侵入することを防止することができる。また、従来の換気構造では突出した部材などがあり、そのままパラペット部に取り付けることができなかった。特にパラペット部は手すりなど建物利用者が手を触れることが多いので、突出した部材を用いることは好ましくない。
これに対して、本発明の換気本体は外側に突出する部材をなくし、建物利用者が安全にパラペット部を利用できる状態で換気する換気構造とすることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一例を示す全体斜視図である。
図2】(a)はパラペット部からカバー部材を外した状態を示す斜視図であり、(b)はパラペット部の屋外側の外壁を下げてパラペット開放部を形成した状態を示す斜視図である。
図3】(a)は枠部材の側面図であり、(b)は閉塞部材の側面図である。
図4】(a)は枠部材と閉塞部材とを重ね合わせた換気本体の側面図であり、(b)は換気本体の斜視図である。
図5】パラペット部に換気本体を取り付ける状態を示す斜視図である。
図6】本発明のパラペット換気構造の一例を示すものあって、屋内気の排気ルートを示す側面図である。
図7】本発明のパラペット換気構造を示すものあって、屋外気が流入した場合に閉塞する状態を示す側面図である。
図8】本発明の第二実施例を示すものであって、パラペット部の取付部材に換気本体を取り付ける状況を示す斜視図で、カバー部材を除いて示す。
図9】本発明の第二実施例を示す側面図であって、屋内気の排気ルートを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の一例を図面に沿って説明する。
図1に示すように、本発明のパラペット換気構造は、カバー部材3を取り付けたパラペット部1の上端付近に、換気本体2を取り付けて、パラペット部1の内部の気体を屋外へ排出して換気するものである。
パラペット部1は、建物の屋上やベランダの外壁として用いられるものであり、所定の高さを有し、その上に手すりを取り付けることが多い。ここではカバー部材3が手すりとして用いられている場合を例示する。パラペット部1の換気構造は、パラペット部1内の気体を屋外に排出するものであるが、パラペット部1が建物の外壁と連結して配置されている場合には、パラペット部1内の気体のみならず、建物の外壁内の気体を排出することができる。
【0014】
図2(a)、(b)に示すように、通常のパラペット部1は、笠木4、縦胴縁5、柱体6a、6a、間柱6b、6b、外壁7、7とカバー部材3とからなる。
具体的には、両側の柱体6a、6aの間に所定の間隔をもって適宜配置された間柱6b、6bの上側に平面状の部材である笠木4を取り付けて、釘等により固定する。そして、笠木4の側面から柱体6a、6a、間柱6b、6bと同じ垂直方向へ、屋外側(図2の手前側)と屋内側(図2の奥側)の両側に所定間隔をもって縦胴縁5、5を複数取り付ける。そして、縦胴縁5、5の外側に外壁7、7を取り付け、笠木4の上側に外壁7、7にかかるようにカバー部材3を取り付ける。
【0015】
換気本体2を取り付けるパラペット部1には、図2(b)に示すように、屋内気を排出するためのパラペット開放部8が形成されている。このパラペット開放部8は、パラペット部1の一方の外壁7の上端付近に形成する。
具体的には、屋外側の外壁7を通常位置(図2(b)の破線で示す位置)より下げて、その下げた部分のうち、柱体6a、6a、間柱6b、6b、複数の縦胴縁5、5の間において、パラペット部1の内部を開放し、この部分をパラペット開放部8とする。
【0016】
図1に示すように、換気本体2をこのパラペット開放部8に取り付ける。これについは後述する。この場合において、パラペット開放部8を形成するために下方へ下げた外壁7の上面が換気本体2の下部水平板16に当接するようにする。これにより、外壁7と換気本体2の下部水平板16との間から、外部の雨風がパラペット部1内に侵入することを防ぐことができる。
【0017】
また、パラペット開放部8のその他の形態として、図示しないが、パラペット開放部8を形成するために外壁7を下方へ下げるのではなく、ドリル等で孔を開けることにより形成することもできる。
この場合、換気本体2を外壁7の屋外側に取り付ける必要があるので、換気本体2の取付部13の長さなどを調整する必要がある。
【0018】
換気本体2は、図3(a)、(b)、図4(a)、(b)に示す枠部材11と閉塞部材31とからなり、両者を重ね合わせて固定し、一つの換気本体2とする。
図3(a)に示すように、枠部材11は箱状の部材である箱体部12と取付部13とからなり、取付部13は箱体部12の上部水平板14の屋内側(図3の左側)から、垂直状の垂直板26を介して屋内側へ延長することにより形成されている。
【0019】
箱体部12は、上部水平板14、屋外側垂直板15、下部水平板16の3つの面からなり、その断面形状は略コの字状である。箱体部12の長手方向の長さは、取り付けるパラペット部1の長さにより適宜決定される。
箱体部12の上部水平板14は水平状であり、その屋外側(図3(a)の右側)から下方に垂直状に折曲して屋外側垂直板15を形成し、その面に複数の開口部19、19を形成する。そして、この屋外側垂直板15から屋内側へ折曲して下部水平板16を形成し、さらに、垂直状に立ち上げて立ち上がり部20を形成する。屋外側垂直板15と下部水平板16との折曲部分に孔を適宜開けて箱体部12の内部に溜まった雨水等を排出する水切り17を形成する。また、下部水平板16のうち中央付近から屋外側の部分について水切り17を最下点として傾斜する傾斜面部18を形成し、雨水が水切り17に流れ易くする。
【0020】
なお、立ち上がり部20の先端を屋外側に折り返してカエシ21を形成する。
開口部19、19から雨水が浸入したとしても、この立ち上がり部20とカエシ21によりパラペット部1への雨水の浸入を防ぐことが可能になる。
【0021】
また、立ち上がり部20及びカエシ21の高さは屋外側垂直板15の約半分程度であり、立ち上がり部20とカエシ21の上端部分と上部水平板14との間が開放されている。この部分が本体開放部22となる。
立ち上がり部20、カエシ21の高さは、本体開放部22の開放面積に関係するが、あまりに広すぎると雨水などの浸入が容易になる。また、後述のように、カエシ21は閉塞部材31による閉塞時に箱体部12内の通気路23を閉塞し得るように、一定の高さが必要となる。そこで、本実施例においては、屋外側垂直板15の約半分程度の高さとしているが、必ずしもこの場合のみに限定されない。
【0022】
箱体部12は、内部を空洞とし、屋内側の立ち上がり部20とカエシ21の上方に開放された本体開放部22と、屋外側垂直板15に形成された開口部19、19と間を気体が流れるようにすることができる。この箱体部12の内部が通気路23となる。
後述のように、この箱体部12の内部に閉塞部材31の遮蔽板32が回動可能に配置される。屋内気は本体開放部22から遮蔽板32の下側を通り、開口部19、19から屋外に排出されるので、具体的にはその排出ルートが通気路23となる。
【0023】
図3(a)に示すように、屋外側垂直板15は、開口部遮断壁24、24と支持部材25、25により、その両側方向(図3(a)、図4(a)の正面方向、図4(b)の長手方向)に気体が通過するように開口されている。
つまり、開口部19、19は、上下から支持部材25、25に立脚支持された開口部遮断壁24、24が屋内側に向けて出窓状に張り出すことにより形成されている。そして、開口部遮断壁24、24が張り出した両側方の隙間と屋外側垂直板15を開口した部分を、気体が通過する。
これにより、屋外からの風雨が直接侵入しようとしても、開口部遮断面24、24や支持部材25、25により遮断される。また、両側方に開口しているので、主に上側から降る雨水が換気本体2に浸入し難い。そのため、雨水がパラペット部1内に浸入することを防止することができる。
【0024】
取付部13は、枠部材11を含む換気本体2をパラペット部1に取り付ける部分である。この取付部13は、箱体部12の上部水平板14の屋内側から垂直状の垂直板26を介して屋内側に延長することにより形成されるものである。換気本体2は、本体開放部22の位置とパラペット開放部8の位置とを対面させて、パラペット部1の屋内気を排気するようにしなければならないので、この対面が実現しつつ取付部13による取付が可能となるように、前記垂直板26の高さを調整する必要がある。垂直板26は配置するパラペット部1に合わせて調整してもよいし、垂直板26を一定の高さにしておき、それに合わせて外壁7を下げてパラペット開放部8の位置を調整しても良い。
【0025】
また、図3(a)、図4(b)に示すように、取付部13の一部を開孔して取付孔27、27を形成する。この取付孔27、27は、図5において符号61で示すビス等を用いて、取付部13を、笠木4や笠木4に取り付けた取付部材等に取り付ける場合に用いるものである。
取付孔27、27の位置は、取付部13の長手方向に複数開口するものであるが、この場合のみに限定されるものではなく、取り付ける対象物、取付方法等から適宜、位置や形状を変更してもよい。
【0026】
図3(b)に示すように、閉塞部材31は、遮蔽板32と内枠33とからなる。
内枠33は、枠部材11の取付部13に重なり合う内枠取付部34と、この内枠取付部34をさらに垂直状の下方に折曲して形成された内枠垂直板35とを有する。さらに、内枠垂直板35を屋外側に水平状に折曲して形成された上部水平板36と、さらに垂直状の下方へ折曲して形成された遮蔽板支持部37とを有する。
【0027】
内枠33を含む閉塞部材31は、前記枠部材11の下側に重ね合わせるものであるので、内枠取付部34と内枠垂直板35は、枠部材11の取付部13と垂直板26とほぼ同じ形状、大きさとなる。内枠取付部34は、その屋内側を折り返した折り返し部38を有する。この折り返した内側に枠部材11の取付部13の屋内側端縁を嵌め込んで、枠部材11と重ね合わせた状態を保持することができる。
【0028】
そして、枠部材11の取付部13と同じく、内枠取付部34にも開孔された内枠取付孔39、39を有する。
内枠取付孔39、39は、閉塞部材31と枠部材11とを重ね合わせて、ともにパラペット部1に固定するためのものであるので、枠部材11の取付部13に開孔されている取付孔27、27と重ね合わせたときに同じ位置に開孔されている。取付孔27、27と内枠取付孔39、39とにビス61、61を嵌めて笠木4に固定することにより、閉塞部材31と枠部材11とを重ね合わせた状態でパラペット部1に固定することができる。
内枠取付孔39、39の位置のみならず取付方法がこの実施例のみに限定されないのは、取付孔27、27の場合と同じである。
【0029】
内枠垂直板35は、枠部材11の垂直板26の裏側に重なり合うものなので、垂直板26と同じ形状、大きさを有する。
【0030】
内枠上部水平板36は、内枠垂直板35の下端から屋外側に水平状に折曲したものであり、遮蔽板取付部37は内枠上部水平板36の屋外側からさらに垂直状の下方へ折曲することにより形成されている。この内枠上部水平板36の屋外側へ延び出させる長さは、閉塞部材31と枠部材11を重ね合わせて固定したときに、遮蔽取付部37に取り付けるべき遮蔽板32が図4に示す通気路23の中央付近に位置するようにする。
【0031】
遮蔽取付部37は、内枠上部水平板36の屋外側からさらに垂直状の下方へ折曲したもので、遮蔽板32を回動可能に取り付けることができる。本実施例では、遮蔽取付部37に遮蔽板32を可撓性のあるビニルテープ40で取り付けている。この取付は、遮蔽取付部37と遮蔽板32との間に一定の間隔を開けてビニルテープ40で両者を繋ぎとめる。この遮蔽取付部37と遮蔽板32との間の部分42において、ビニルテープ40の可撓性により、遮蔽板32を回動させることができる。
【0032】
遮蔽板32の長さは、箱体部12内で垂下した通常の状態において、その下端が下部水平板16に接触しないように決める。この垂下した状態において、箱体部12の内部を遮蔽しないようにし、気体が通気できる通気路23を確保する。そして、開口部19、19から強い風が入るなどして遮蔽板32が屋内側へ回動したときに、遮蔽板32がカエシ21の先端にあたるようにしている。
このカエシ21の先端にあたる部分には、遮蔽板32を保護するために、緩衝材41が配置されている。この緩衝材41により遮蔽板32がカエシ21の先端にあたったときに遮蔽板32を損傷させないようにするのみならず、遮蔽板32がカエシ21の先端にあたった衝撃を吸収することができる。これにより、遮蔽板32がカエシ21の先端にあたってその反動で直ぐに遮蔽板32による遮蔽が解かれることを防止することができる。
【0033】
図6に示すように、通常の通気時には、遮蔽板32は箱体部12の内部で垂下しているので、遮蔽板32の下側を気体が通過することができ、この部分が通気路23となる。すなわち、パラペット部1の内部や複数の縦胴縁5の間の屋内気が本体開放部22から換気本体2の内部に入る(矢印線A)。そして、換気本体2の内部に入った屋内気は、通常の通気時に垂下している遮蔽板32の下側を通る(矢印線B)。その後、遮蔽板32の下側を通った屋内気は、開口部19から屋外に排出される(矢印線C)。
【0034】
一方、図7に示すように、屋外から開口部19、19を通じて雨をともなった強風が流入した場合、遮蔽板32がパラペット部1への屋外気や雨水の侵入を防ぐ。すなわち、矢印線Dに示すように、流入した屋外気が遮蔽板32を通常位置(図7の破線で示した位置)から、屋内側に回動させ(矢印線E)、回動した遮蔽板32がカエシ21に接触する。このとき、遮蔽板32と立ち上がり部20、カエシ21により通気路23と本体開放部22との通気を遮蔽する。
これにより、屋内に極端な外気の流入や雨水の侵入を防ぐことができる。
また、屋内からの排出量が多い場合に、遮蔽板32が屋外側に回動する可能性があるが、開口部遮断面部24、24と接触するのみでその側方にある開口部19、19を遮蔽しないので、通気を妨げることはない。
【0035】
次に、図5に示す換気本体2をパラペット部1に取り付ける方法を示す。
まず、図4(a)、(b)に示すように、枠部材11と閉塞部材31とを重ね合わせ、閉塞部材31の折り返し部38の折り返した内側に枠部材11の取付部13の屋内側端縁を嵌め込んで、枠部材11と重ね合わせた状態を保持させて、一つの換気本体2とする。
【0036】
そして、パラペット部1の外壁7、7を引き下げたパラペット開放部8[図2(b)]に換気本体2の本体開放部22が位置するように、換気本体2を配置する。このとき、換気本体2の取付部13が笠木4の上部水平板に位置するように垂直板26の高さを調整するか、垂直板26が一定ならパラペット開放部8を調整する。本実施例は、垂直板26が一定の高さで形成されているので、この高さに合致するように、パラペット開放部8を開放するための外壁7の位置を調整している。
換気本体2は取付部13が笠木4の上面にあたるようにし、本体開放部22とパラペット開放部8が通気可能になるように、上方から配置する(矢印線X)。このときに、外壁7、7の上面が換気本体2の下部水平板16に合わさるようにしている。
【0037】
そして、枠部材11の取付孔27、27と内枠33の内枠取付孔39、39にビス61、61を通し、笠木4に固定して、換気本体2を固定する(矢印線Y)。
そして、換気本体2の上側からカバー部材3を被せて(矢印線Z)、換気構造を有するパラペット部1とすることができる。
なお、本実施例はビス61、61により換気本体2を固定しているが、必ずしもこれのみに限定されない。ビス以外にも取付孔27、27に釘等で固定することも可能である。その他に、取付孔27、27を使用せずに、両面テープなどによる固定でもよい。
【0038】
カバー部材3は、蓋状の部材で、換気本体2とパラペット部1とを覆うように取り付けるものである。カバー部材3は、その裏面から支持片62が形成され、笠木4と取付部13の上面においてカバー部材3を支持する。また、カバー部材3の屋外側の端縁は、側方支持片63となり、換気本体2の開口部19の上部で支持する。
【0039】
次に本発明の第二実施例について説明する。
図8、9に示すように、本実施例は笠木4に取付部材51、51を配置し、取付部材51、51の上側に換気本体2を固定する。取付部材51、51の周囲には笠木解放部52が形成され、笠木開放部52から笠木4の上側に溜まった屋内気を第二通気路53、通気路23を通じて排出することができる。
【0040】
具体的には、以下の通りである。
取付部材51、51は、笠木4の上面に所定間隔をもって枕木状に配置して固定させる。図8では複数の縦胴縁5、5と同じ間隔で、適宜、屋外側の縦胴縁5、5の上部水平板から屋内側の縦胴縁5、5の上部水平板に渡しかけて取付部材51、51を配置する。これら複数の取付部材51、51の両側の部分は相対的に凹んだ状態となり、笠木開放部52となる。
【0041】
換気本体2は、取付部材51、51の上側に取り付ける。具体的には、枠部材11の取付孔27、27と内枠33の内枠取付孔39、39にビス61、61を通して、取付部材51、51に取り付ける(矢印線W)。
【0042】
図9に示すように、第二実施例にかかるパラペット換気構造によれば、パラペット部1内の屋内気を、通気路23を通じて排出することができるのみならず、笠木4の上側に溜まっている屋内気も排出することができる。
つまり、笠木4の上側に溜まっている屋内気は通常は上側からカバー部材3が被せられているので、排出することができなかった。しかし、第二実施例にかかるパラペット換気構造では、取付部材51、51の両側部分に笠木開放部52が形成されているので、この部分から屋内気を排出することができる。この排出において、垂直板26、内枠垂直板35とパラペット部1との間に空間があることが必要であり、この部分を第二通気路53とする。
これにより、笠木4の上側に溜まる屋内気を第二通気路53を通って(矢印線D)、本体開放部22から通気路23を経て、開口部19、19から排出することが可能になる。
【符号の説明】
【0043】
1…パラペット部、2…換気本体、11…枠部材、12…箱体部、13…取付部、19…開口部、22…本体開放部、23…通気路、31…閉塞部材、32…遮蔽板、33…内枠、51…取付部材、53…第二通気路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9