【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、センサが、弾性的に復元するように変形可能な薄膜センサとして形成されており、そして通信接続が、エネルギー及び測定値すなわち測定データを伝送するように形成されている。
【0008】
薄膜センサの場合、個々のアクティブ層は、蒸着又は印刷によって基板上に被着される。この場合の重要な利点は、このような薄層をセンサの変形に特に良好に適合させ得ることにある。本発明による検出装置のセンサは身体部位に配置されており、そして身体の運動によって動的な変形にもさらされているので、センサが、規定に従った使用中に機械負荷によって損なわれることがないならば、センサの信頼性高い運転にとってまさに決定的に有意義である。
【0009】
同様に、着用快適さ、ひいては利用者による受け入れを考えると、通信接続を介して電気エネルギー及びデータを伝送することができると、有利である。検出手段は、バイタルサインの検出のために電気エネルギーを必要とする。電気エネルギーはセンサで準備されなければならず、このことは通常、エネルギー源によって行われる。しかしながら、周知のエネルギー源は容量に起因して、無視できない体積及び重量を有しており、ひいてはセンサに配置されると着用快適さを制限し、したがって利用者はセンサを邪魔なものと感じる、という欠点を有している。小さな体積のエネルギー源は、容量が僅かであるため、使用時間が著しく制限されているという欠点を有している。電気エネルギーが通信接続を介してセンサに伝送されるので、センサは著しくコンパクトで軽量に形成することができ、しかも、本発明による検出装置の使用時間を著しく制限することはない。
【0010】
第1通信接続が皮膚の近接界によって形成されていると、まさに特別な利点が得られる。このような構成は、配線を気にせずに、任意の身体部位にセンサを配置することができる。特に、このような構成は、被検出バイタルサインを特に際立って検出できる身体位置に、センサを好ましく配置できるという利点を有している。同様に、センサは、特に保護された状態で配置されていてもよく、又は着用者の運動自由度が制限されないような配置が可能である。このことは、特にトレーニング・データの検出時に、センサが相応に配置されていると、トレーニングしている者の自然の運動経過が制限されないので、有利である。
【0011】
さらに、第1通信接続の有効距離を調節して、別の患者によって着用された第2検出装置による妨害が阻止されるようにすることができると有利である。
【0012】
有利な別の構成の場合、第1通信接続は、有効距離が短い高周波接続によって、例えば免許不要のISM領域(工業、科学、及び医療用帯域)868又は915MHzにおけるHF接続によって形成されていてよい。このような周波数領域における通信接続に際しては、送信器/受信器回路のような多数の通信装置がすでに広く普及しており、利用可能である。
【0013】
有利な別の構成は、パルス酸素測定法によって血中酸素含有量を測定するのを可能にする。パルス酸素測定法を実施するためには、請求項によれば、電磁線源と電磁線検出器とによって形成された検出手段が必要である。このような方法では、毛細血管が、異なる波長を有する光で照らされ、そしてその都度異なる吸収速度が互いに関係づけられる。次いで基準値との関係づけ及び比較を行うことにより、酸素飽和度を測定することができる。このような評価は例えば外部評価装置内で実施される。測定を実施するために、例えば660nmの範囲及び940nmの範囲の波長を有する光が使用される。場合によっては、周囲光が使用されてもよい。
【0014】
線源としては、例えば、全ての発光半導体
デバイスを使用することができ、好ましくは発光ダイオードが使用される。検出器としては、好ましくはフォトトランジスタが使用されるが、しかし他のあらゆる感光性電子
デバイスが使用されてもよい。
【0015】
別の構成において、検出手段はバイタルサイン、例えば血圧又は血糖値を検出することもできる。このような別の構成の重要な利点は、このようなバイタルサインが非侵襲的に検出されることであり、特に、請求項に基づいて形成された光学的に作用する検出システムが、このようなバイタルサインの検出を可能にする。また、呼吸頻度を検出することのできる検出手段も考えられる。
【0016】
検出手段が有機及び/又は無機半導体
デバイスによって形成されていると、まさに特別な利点が得られる。センサの好ましい使用目的を考えると、有機半導体
デバイスによって形成された検出手段は、特に簡単に、迅速に、そして低廉に製造できるという特別な利点を有する。製造時及び廃棄時の環境問題の面で、有機半導体は、製造時には多くのエネルギーを費やすプロセス、例えば高温プロセスが必要とならず、またセンサの廃棄時に環境を脅かすおそれがないという、更なる利点を有している。バイタルサインの連続的な検出時には、センサの検出手段が汚されるおそれがあり、これによって、センサの機能性は制限され、又はセンサは使用不能になる。上記利点によれば、今やいわゆる使い捨てセンサが形成可能であり、これによって、汚されたセンサの清浄化はもはや必要でなくなり、このセンサは新しいセンサとただちに交換される。
【0017】
有機半導体
デバイス及び特に有機発光ダイオード及び有機フォトトランジスタは、従来技術から十分に知られているので、ここではさらなる説明は省く。
【0018】
しかし、好ましい別の構成では、検出手段は無機半導体
デバイス、及び有機半導体
デバイスと無機半導体
デバイスとの組み合わせによって形成されていてもよい。
【0019】
別の構成によれば、センサは、平面状の支持体層によって形成されており、支持体層上に検出手段が配置されている。弾性的に復元するように変形可能に形成された、センサの平面状の支持体層の利点は、支持体層が、センサが配置される表面構造に特に良好に適合され得ることである。支持体層はPEN又はPETで形成されていてよい。
【0020】
好ましい別の構成では、平面状の支持体層は電気絶縁作用を有するように形成されており、これによって、検出手段は、付加的な電気絶縁保護層なしで支持体層上に被着することができる。さらに、支持体層が好ましくはロール上のシート材料として形成されていることも有利であり、これによって特に合理的なセンサ製造法、特に連続法を導入することができる。
【0021】
好ましい別の構成によれば、光学的に作用する検出手段は、支持体層の、身体部位とは反対の平らな側に配置されてもよい。支持体層が少なくとも、線源又は線検出器のスペクトル領域内で透明又は半透明であると、高められた汚れ負荷にさらされている場所では、検出手段を身体表面に向けて配置する必要はない。
【0022】
検出手段が支持体層の平らな側に印刷されていると、まさに決定的な利点が得られる。印刷法によって、例えばインクジェット印刷、スクリーン印刷、スタンプ印刷によって製造された検出手段は、特に低廉に提供することができる。印刷法のまさに特別の利点は、これらの方法を、変化する要件に極めて迅速且つフレキシブルに適合させ得ることであり、これによって、僅かな個数でも経済的に製造することができる。また半導体
デバイスのために必要となるような複雑な構造も、印刷法を用いると著しく簡単且つ迅速に実現することができる。特に、検出手段は、予め製作した
デバイス上に後から印刷することができる。
【0023】
好ましい別の構成によれば、検出手段は、有機半導体部分によって形成されている。有機半導体材料は、印刷法において特に有利に使用することができ、特に、無機半導体材料を用いた場合には実現が不可能であるか又は極めて困難であろう配置状態を形成することができる。例えば、第1の印刷動作時に1部分を露出させておくことができ、この部分内で、第2の印刷動作時に別の材料が印刷される。無機材料の場合には、これに加えて手間のかかるリソグラフィ・プロセス及びエッチング・プロセスが必要となる。
【0024】
利用者に対する配慮の面では、センサを簡単に装着又は取り外しできる構造が有利である。一般に知られているように、長手延在方向において、必要とされる身体部位周りを取り囲むために必要な長さを少なくとも有するように、カフが形成されている。カフは、閉じられた円筒状のカフとして形成されていてよく、身体部位周りとの精密な適合は好ましくは弾性区分によって生じる。しかしながら、カフは、展開された円筒として形成されていてもよく、この場合には、カフは、取り囲むべき身体部位周りに装着され、そして保持手段によってこの身体部位周りに位置決めされる。
【0025】
カフが、トリガ信号を送出するように形成された閉鎖要素を有している別の構成が有利である。生体信号測定の実施は、センサが1身体部位上に装着されているときだけ必要である。閉鎖要素がトリガ信号を送出するように形成されていると、このような信号は、検出装置をアクティブ化するために使用することができ、これによって、次いで周期的に生体信号が検出される。このような構成は、有利には誤測定を阻止する。例えば、不注意によってセンサが身体から外れると、結果として生体信号がもはや検出されず、このような状態が例えば警報を発することもある。しかし請求項によれば、身体からセンサが不慮に外れると、トリガ信号が発生し、ひいては、バイタルサインがないことによる警報は差し止められる。しかしながら、センサが不慮に外れることによって発せられるトリガ信号は、着用者にこのような状況に関する情報を与えるために使用することもできる。請求項に基づく構成は、こうして、利用者のための運転確実性及び快適さを有意義に高める。
【0026】
本発明によれば、エネルギー供給モジュールからセンサへのエネルギー伝送は、無線通信接続を介して行われる。ここで第1通信モジュール内に電気エネルギー蓄積器が存在していると、より高いエネルギー消費量を有するような検出手段もセンサに配置することができる。本発明によれば、バイタルサインは連続的には検出されず、予め選択可能な例えば1分ごとのタイムスロットでだけ検出される。無線通信接続を介して、ある程度制限された量のエネルギーだけしか伝送することができないので、請求項に基づく構成は、測定間の休止中にエネルギー蓄積器を充電できるという利点を有している。測定中には、検出手段にエネルギー蓄積器から電気エネルギーが供給される。測定サイクルは、次の測定動作を実施可能にするのに十分なエネルギーでエネルギー蓄積器を充電するために、測定動作間の時間が十分であるように選択されなければならない。
【0027】
エネルギー蓄積器は、例えば容量性蓄積器として、又は電気化学的蓄積器要素として形成されている。特に有利なのは、エネルギー蓄積器が薄膜素子として、例えばポリマー蓄電池として形成されている構成である。それというのも、このようなエネルギー蓄積器は、印刷法によって製造することができるからである。
【0028】
有利な別の構成によれば、第1通信モジュール及び第2通信モジュールは、電磁線のための送信及び/又は受信装置を有している。送信及び/又は受信装置はそれぞれ、第1又は第2の通信モジュールに印加された電気エネルギー、制御信号、及び突き止められた測定値を、電磁界内に移すように形成されており、この場合、第1通信モジュールと第2通信モジュールとの間に無線通信接続が形成されるようになっている。
【0029】
請求項に記載された別の構成によれば、通信接続は皮膚の近接界によって形成されている。第1及び第2の通信モジュールの送信及び/又は受信装置は、この場合、電磁線が搬送媒体としての皮膚に結合されることが可能であるように形成されていなければならない。測定値又は制御信号の他に、センサに供給するための電気エネルギーもまた、通信接続を介して伝達されるようになっているので、電磁交番信号のためには100kHzの周波数が特に有利であることが判っている。
【0030】
送信及び/又は受信装置は、例えばアンテナによって、例えば印刷されたストリップ導体アンテナによって形成されていてよい。このように形成された送信及び/又は受信装置は、特に有利にはセンサに配置することができ、又はこのセンサ内に組み込むことができる。
【0031】
エネルギー源が、化学的要素、無機太陽電池又は有機太陽電池を含む群のうちの1つの要素によって形成されている構成が有利である。エネルギー供給モジュールがセンサから隔たって配置されているので、つまり、着用者の運動自由度がほとんど制限されないので、エネルギー源として、容量のより大きい装置を使用することができる。特に、広く普及している低廉且つ大容量の化学的要素を使用することができる。しかしまた、本発明による検出装置のエネルギー自給自足運転のためには、エネルギー源が太陽電池として、特に有機太陽電池として形成されていても有利である。有機太陽電池の特別な利点は、これらが特に低廉に、そして合理的に製造可能であり、特にこれらを印刷法によって製造できることである。
【0032】
請求項に基づく構成の重要な利点は、センサへの電気エネルギーの供給がエネルギー供給モジュールによって行われることである。センサにエネルギー源を設けずに済むので、センサは特にコンパクトに形成することができ、このことは、着用者に大きく受け入れられるという点で有利である。それというのも、コンパクトなセンサが運動自由度を全く又はほとんど制限せず、したがって邪魔なものと感じられないからである。
【0033】
検出された測定値の処理のために、エネルギー供給モジュールが評価装置を有していると、有利である。検出手段によって検出された生体信号は、いわゆる生データとして提供され、これをデータ技術的な検出の前に処理しなければならない。このような処理は、今や特に有利に、エネルギー供給モジュールの評価装置によって引き受けることができる。血中酸素濃度の検出時には、例えば輝度値が検出される。周知のパルス酸素測定法によれば、異なるスペクトル成分における個々の輝度値を互いに関係づけなければならず、このことは評価装置によって引き受けることができる。これによって、例えば評価装置は、酸素濃度に対して比例する値を提供する。評価装置はしかし、周期的に検出されたバイタルサインを総計することによって、長時間動向を測定できるように形成されていてもよい。有利な別の構成の場合、評価装置は例えば警報装置を有することもできる。この警報装置は、バイタルサインの限界値を上回ったとき又は下回ったときに着用者に警報を発する。
【0034】
測定値処理を実施するために、評価装置は制御装置と記憶装置とを含んでいると有利である。記憶装置内には、命令を記憶することができる。これらの命令は、制御装置によってローディングして実行することにより、例えば、検出されたバイタルサインを処理することができる。制御装置は、例えばマイクロコンピュータによって形成されていてよく、記憶装置は、揮発性もしくは不揮発性の記憶装置
デバイスによって形成されていてよい。また、記憶装置は、検出・処理されたバイタルサインを次のデータ同期まで、一時記憶するように形成されていてもよい。
【0035】
本発明による検出装置は独立して運転することができ、監視、評価、及び場合によっては着用者への警報は、データ技術的な評価装置の干渉又は関与なしに、この場合は自給自足的に行われる。本発明による検出装置はしかし、個人固有のバイタルデータを分析装置によって評価させるように形成されていてもよい。したがって、エネルギー供給モジュールが第3通信モジュールを有していると、特に有利である。このような第3通信モジュールは好ましくは、無線通信接続を生成するように形成されているが、しかし、分析装置とのケーブル接続も考えられる。第3通信モジュールはいずれにしても、検出され場合によっては処理された生体信号の測定値を、伝送可能な形態に変換するように形成されている。
【0036】
有利な別の構成によれば、第3通信モジュールは、データ分析装置の
データ受信ステーションとのデータ接続を生成するように形成されている。データ接続は、近接領域内で作用する無線通信接続、例えばRFID(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、IrDAによって形成されていてよい。第3通信モジュール及び
データ受信ステーションは、この場合送信及び/又は受信装置を有している。しかしながら、データ接続部はケーブル接続された通信接続、例えばUSBによって形成されていてもよい。
【0037】
請求項によれば、第3通信モジュールは検出された生体信号をデータ分析装置に伝送するために、記憶装置モジュールを有すると有利である。しかし利用者、特にエネルギー供給モジュールは、データ接続を生成するために、データ分析装置の
データ受信ステーションの近傍に位置しなければならない。第3通信モジュールが記憶装置モジュールを有していると、検出された生体信号を、記憶装置モジュールの容量によって確定可能な時間にわたって一時記憶し、そして、後でデータ接続が生成されたときに初めてデータ分析装置に伝送することができる。このことは、できる限り長い時間にわたってバイタルサインを検出したい場合に特に有利である。それというのも、本発明による検出装置の着用者に、検出されたバイタルサインを同期するためにデータ分析装置とのデータ接続を過度に頻繁に生成することを要求することはできないからである。記憶装置モジュールが、電気エネルギーの供給がなくても、記憶された内容を保持する構成が特に有利である。
【0038】
エネルギー供給モジュールが利用者の衣服に配置されていることの利点は、利用者の運動自由度をできる限り制限しないエネルギー供給モジュールのできる限り目立たない配置が可能であることである。場合によっては、エネルギー供給モジュールも身体表面上に、例えば弾性的な保持ベルトで固定することによって配置されていてよい。身体表面上にエネルギー供給モジュールを配置することは、通信接続が皮膚の近接界によって形成されている場合に特に有利である。それというのも、このような配置になっていると、皮膚表面に対する磁界の特に良好な結合又は結合解除が可能だからである。しかし、皮膚の近接界による通信接続のためには、直接の皮膚接触は必要でなく、特に、エネルギー供給モジュール、特に第2通信モジュールが、皮膚表面から数cmの間隔を置いて近接領域内に配置されているならばそれで十分である。
【0039】
検出装置のできる限り長い自給自足運転という面で、また特に、できる限りコンパクトなセンサという面で、エネルギー供給モジュールがセンサをアクティブ化するように形成されているとまさに特に有利である。バイタルサインは連続的に検出される必要はなく、特に、周期的な検出、例えば1分毎の検出で十分である。したがって、センサをコンパクトに、そしてできる限りエネルギー節約的に形成可能にするために、このような時間制御がセンサで実行されるのではなく、ひいては永続的にエネルギーを消費するのではなく、センサが外部のタイミング発生器によってアクティブ化されると有利である。したがって、エネルギー供給モジュールは例えば、周期的に通信接続を介してセンサをアクティブ化するタイミング発生器を有することができる。タイミング発生器は好ましくは、評価装置内に配置されていてよく、又は評価装置によって形成されていてよい。アクティブ化は例えば、第2通信モジュールから、第1通信モジュール内のアクティブ化装置がこれに対して選択的である特定の周波数を有する信号が送出され、そして次いで検出手段をアクティブ化することによって行うことができる。バイタルサインの検出後、バイタルサインは通信接続を介してエネルギー供給モジュールに伝送され、そしてセンサは再び非アクティブになる。エネルギーを消費するバイタルサイン検出は、全運転時間のうちの短い時間だけアクティブであり、これによって、エネルギー消費量が少なくなるので、使用時間を著しく長くすることができ、ひいてはよりコンパクトな構造が可能になる。
【0040】
図面に示された実施態様により、本発明を以下に詳しく説明する。
【0041】
図面はそれぞれ概略的に単純化された状態で示されている。