(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0042】
明示的に別段の定めをした場合を除き、以下で本発明の特定の態様に関連して記述される本発明のあらゆる好ましい実施形態は、本発明のその他の態様にも適用されるものとする。この点において、「薬学的に活性な成分」および「薬理学的に有効な化合物(A)」または「医薬投薬形」あるいは「錠剤」などの本明細書中のほかの場所で言及された類似のキーワードと同義であるかまたは少なくともこれらのキーワードと部分的に重複するキーワードに関して記述された実施形態は、前記類似のキーワードに関しても適用可能であるものとして理解されるものとする。
【0043】
本発明の第1の態様は、少なくとも1つの薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)を含み、かつ長手方向軸と2つの相対する長手方向縁端、長手方向軸に対し垂直な横方向軸と2つの相対する横方向縁端、正面側、反対側の裏面側および前記正面側および裏面側の間の円周方向周縁を含む形状を有し;正面側および/または裏面側が基礎部域を含み、正面側および/または裏面側が、前記基礎部域から上に延在する少なくとも1つの隆起を含み、前記少なくとも1つの隆起が一方または両方の長手方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または一方または両方の横方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または両方の長手方向縁端および両方の横方向縁端の間に存在している医薬投薬形、特に経口剤形、詳細には錠剤に関する。剤形の正面側および/または裏面側特に正面側の基礎部域および/または裏面側の基礎部域は、さらに少なくとも1つのインデンテーションを含む可能性がある。
【0044】
錠剤の長手方向軸と横方向軸が本質的に同じ長さを有することも同じく可能であるが、本発明の錠剤がその横方向軸よりも長い長手方向軸を有することが好ましい。すなわち、本発明の錠剤の好ましい実施形態は、長円の形状を示す。長手方向軸は典型的には、一方の横方向縁端から反対側の横方向縁端まで両方の長手方向縁端の間を、詳細にはその長さが最大となるような形で錠剤の中央部分を通って延在している。横方向軸は典型的には、一方の長手方向縁端から反対側の長手方向縁端まで、詳細にはその長さが最大となるような形で延在している。横方向軸は、長手方向軸に対し垂直に配向されている。
【0045】
本発明の錠剤の正面側および/または裏面側の基礎部域は、必ずしも平坦でなくてよいものの、一実施形態においては、不規則なまたは規則的な三次元パターンを示すことができるが、ただし、これは隆起またはインデンテーションの寸法に対して有意な程度には拡がってはいない。
【0046】
本発明の錠剤の一実施形態の正面基礎部域と裏面基礎部域の間の平均距離は、通常その横方向軸の長さよりも小さい。最小の平均距離をもつ錠剤のこれらの相対する側面は、通常、正面および裏面基礎部域を含んでいる。
【0047】
別の好ましい実施形態によると、正面側および裏面側が各々、少なくとも両方の長手方向縁端にあるおよび/またはそれに隣接する一区分に沿って、および/または少なくとも両方の横方向縁端にあるおよび/またはそれに隣接する一区分に沿って、少なくとも1つの隆起を含んでいる錠剤が提供されている。この点に関して、場合によっては、前記正面側および前記裏面側が、少なくとも本質的に連続した隆起を、両方の相対する長手方向縁端の少なくとも3分の2の部分におよび/またはそれに隣接して、および/または両方の横方向縁端の少なくとも3分の2の部分におよび/またはそれに隣接して含んでいることが、より一層好ましい。
【0048】
隆起は、任意の幾何学的断面を有していてよく、例えば、丸味を帯びることも矩形、三角形、または正方形の断面を有することもできる。隆起は好ましくは、錠剤の幅の半分未満、より好ましくは3分の1未満の幅を有する。隆起の長さは大幅に変動し得る。個々の隆起の全体的長さが、その場所に応じて長手方向縁端または横方向縁端の長さの少なくとも半分であることが好ましい。典型的には、隆起の全体的長さはその幅よりもはるかに長く、例えば隆起の幅の数倍例えば、詳細には長手方向に配向されている場合にはその幅の2、3、4、5または6倍超、または横方向に配向されている場合にはその幅の2、3、または4倍超である。本発明の意味合いにおける隆起は同様に一連の隣接する隆起部分をも含んでいる。これらの隆起部分は、上から見た場合、例えば、円、卵形、矩形、正方形、三角形または任意のその他の多角形の円周形状を有することができ、またはこれらの形状に近いものとなってよく、さらには不規則な形状さえ有していてよい。
【0049】
長手方向縁端および/または横方向縁端に位置づけられる隆起は、通常は、有意な遷移ゾーンまたは遷移ステップなく、すなわち「陸部(land)」無く、錠剤の円周方向周縁から移行する。このような実施形態においては、周縁部分から隆起部分まで平滑な遷移が存在し、こうして、周縁および隆起の外部表面は、少なくとも一区分全体にわたり連続した表面を形成する。長手方向縁端に隣接してまたは横方向縁端に隣接して位置づけされた隆起は、これとは対照的に、錠剤の円周方向周縁に直接設置されず、一部分特に基礎部域の一部に帰属させることのできるわずかな部分により基礎部域の平面内で周縁から分離されている。前記わずかな部分は、錠剤技術の分野では「陸部」として知られる。このわずかな部域は通常、隆起自体の平均幅に比べて小さい幅を有する。好ましい実施形態においては、陸部は、約0.05mm〜約0.5mmの範囲内、例えば約0.1mmである。
【0050】
特に適切な実施形態において、本発明の錠剤には、錠剤の正面側と裏面側の両方の両長手方向縁端および/または両横方向縁端に隆起が具備されており、ここでこれらの隆起は、長手方向縁端および/または横方向縁端の長さの少なくとも半分、好ましくは3分の2にわたり、さらに一層好ましくは長手方向縁端および/または横方向縁端の全長にわたり延在している。別の好ましい実施形態において、隆起は、正面側および/または裏面側、好ましくは正面側および裏面側の基礎部域を、それぞれの長手方向縁端および横方向縁端でおよび/またはそれに隣接して、連続的に囲んでいる。改善された放出プロフィールに関する最も好ましい結果は、例えば、錠剤の両側面の両長手方向縁端に隆起を有する本発明の錠剤で得ることができる。これらの錠剤の断面は、H字形を有するかまたはそれに近いものとして記述できる。H字形という表現を用いることにより、相対する、詳細にはむしろ平担な基礎部域を有する錠剤本体には錠剤本体の両方の側面上の長手方向縁端にある相対する隆起が具備されていることが正に標示されるものとする。例えば、1つのH字形実施形態においては、隆起は、例えば最高約1または2mmという相対する長手方向縁端に沿った隆起間の横方向距離に比べてわずかな程度でしかそれぞれの基礎部域から上に突出することができない。
【0051】
1つの好ましい実施形態において、本発明の錠剤は、詳細にはその長円形態において、少なくとも1つの隆起を、両方の相対する長手方向縁端の主要部分にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して、詳細には正面側の長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って含んでいる。別の好ましい実施形態において、本発明の錠剤は、詳細にはその長円形態において、少なくとも1つの隆起を、両方の相対する長手方向縁端の主要部分にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して、詳細には錠剤の正面側および裏面側の両方の長手方向縁端の3分の2に少なくとも沿って含んでいる。別の好ましい実施形態において、本発明の錠剤は、詳細にはその長円形態において、円周方向の隆起を、前記錠剤の正面側の円周方向縁端にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して含んでいる。別の好ましい実施形態において、本発明の錠剤は、詳細にはその長円形態において、円周方向隆起を、前記錠剤の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して含んでいる。
【0052】
本発明の錠剤の別の適切な実施形態によると、一方または両方の長手方向縁端が少なくともその長さの大部分にわたり本質的に直線であることが規定されており、かつ/またはここで一方または両方の横方向縁端はその長さの大部分にわたり湾曲し、詳細には本質的に円弧の形で湾曲している。当然のことながら、長手方向縁端がその他の何らかの不規則なまたは規則的な形状、たとえば波様の縁縁端分を少なくとも一区分全体に有する形状を示すことも可能である。同様に、横方向縁端が三角形またはその他の任意の多角形形状を示すこともまた可能である。一般に、長手方向縁端および横方向縁端は両方共、錠剤の正面側および裏面側の外周を形成する。
【0053】
大部分の利用分野について、錠剤の長手方向長さすなわちその長手方向軸の長さは、30mm以下で充分である。
【0054】
別の実施形態によると、本発明の錠剤は好ましくは、正面側と裏面側の基礎部域全体にわたり少なくとも約1mm、そして詳細には約6mm以下、さらに詳細には約1mm〜約3mmの範囲内、またはさらに詳細には約2mm〜約4mmの範囲内の平均厚みを有する。
【0055】
本発明の錠剤の一実施形態によると、隆起は、正面側の基礎部域からおよび/または裏面側の基礎部域から、平均して約0.5mm〜約2mm、詳細には約0.5mm〜約1mmだけ垂直に延在している。
【0056】
本発明の錠剤は、好ましくは、長手方向において約5mm〜約30mmの範囲内、詳細には約15mm〜約25mmの範囲内、より詳細には約17mm〜約23mm、さらに詳細には約21mmの長さ;約5mm〜約15mmの範囲内、詳細には約7mm〜約12mmの範囲内、より詳細には約7mm〜約10mmの範囲内、さらに詳細には7mm、9mmまたは10mmの幅;そして基礎部域全体にわたり約1mm〜約6mm、詳細には約1.5mm〜約4mm、さらに詳細には2mm〜約4mmの範囲内、さらに一層詳細には約2.5mm〜約3.5mmの範囲内の厚みを有する。
【0057】
以上で指摘した通り、本発明の錠剤の正面側および/または裏面側、詳細には正面側の基礎部域および/または裏面側の基礎部域は、一実施形態においてはさらに少なくとも1つのインデンテーションを含むことができる。これは一般に放出プロフィールの制御のさらなる改善を可能にすることが分かっている。一実施形態におけるインデンテーションは一般に、錠剤の全体的表面の中に提供されたまたは埋込まれた中空空間を表わす。例えば、正面側、裏面側、特に正面側および/または裏面側の基礎部域、周縁および/または少なくとも1つの隆起に、少なくとも1つのインデンテーションを具備することができる。
【0058】
インデンテーションは、それを上から見た場合、任意の不規則なまたは規則的な形状、例えば正方形、矩形、三角形、卵形または円の形を有することができる。一実施形態において、インデンテーションは円筒、立方体、直平方6面体または半球の形をとることができ、すなわちインデンテーションを形成する開口部および壁が、円筒形、立方体、直方体6面体または半球の形をほぼ表わすことになる。上から見た場合、インデンテーションのシルエット形状は本質的に同じ幅および長さの寸法を有する。同様に、上から見た場合、インデンテーションのシルエット形状は、幅寸法よりも長い長さ寸法、例えば少なくとも幅寸法の2、3、または4倍である長さ寸法を有する。したがって、上から見た場合、シルエット形状はむしろ細長く、例えば矩形であり、規則的なシルエット形状例えば直線、波様、またはジグザクを有することができ、またはむしろ不規則でもあり得る。別の実施形態では、例えば正面側および/または裏面側上にインデンテーションのアレイを形成させることができる。多くの利用分野について、上から見た場合に、インデンテーションのシルエット形状が、例えば円形、正方形様またはわずかに卵形またはわずかに矩形の形状で見い出すことができるように、その幅寸法と本質的に同一である長さ寸法を有することで充分であることが分かっている。普通は横方向軸に対し平行に決定されるインデンテーションの前記幅寸法は、通常錠剤の横方向長さの半分未満、詳細には錠剤の横方向長さの3分の1未満である。一実施形態において、幅寸法は本質的に、インデンテーションの深さと同一であるかまたは、インデンテーションの深さの2倍または3倍以下である。普通長手方向軸に平行に決定されるインデンテーションの長さ寸法は、通常錠剤の長手方向長さの4分の3以下、詳細には、錠剤の長手方向長さの半分以下そして好ましくは錠剤の長手方向長さの3分の1以下である。錠剤中の穴は、本発明の意味合いにおけるインデンテーションではない。前記インデンテーションのシルエット形状および深さは、所望の放出プロフィールに応じて変動し得る。通常は、取扱い時に錠剤中を貫通する穴が形成されるのを妨げるため、これらのインデンテーションの深さが錠剤の厚みに近づきすぎないよう注意を払わなければならない。好ましくは、インデンテーションは、本発明の錠剤の厚みの半分を超えない深さを有する。大部分の利用分野について、前記インデンテーションの最大深さが本発明の錠剤の厚みの3分の1を超えないというだけですでに充分であることが多い。本発明の錠剤の平均厚みは、一般に錠剤の正面側と裏面側の間または好ましくは正面側の基礎部域と裏面側の基礎部域の間の距離として決定される。
【0059】
正面側および裏面側という表現を使用することにより、本発明の錠剤が、各々隆起および/またはインデンテーションを備えている可能性のある2つの相対する側を有するということも標示されるものとする。その結果、どちらが正面側であり、どちらが裏面側であるかの選択は、むしろ恣意的である。したがって、正面側および裏面側という表現は、同様に、それぞれ一方の側および他方の側によって置換することもできる。
【0060】
本発明の一実施形態において、正面側および/または裏面側、詳細には正面側の詳細には本質的に平担である基礎部域、および/または裏面側の詳細には本質的に平担である基礎部域が、少なくとも1つの隆起に加えて少なくとも1つのインデンテーションを詳細には相対する長手方向および/または横方向隆起の間に含んでいる錠剤が提供されている。
【0061】
本発明の一実施形態においては、正面側と裏面側の両方が少なくとも1つのインデンテーションを含むということが規定されている。
【0062】
本発明の錠剤の正面側および裏面側上のインデンテーションは、少なくとも一度、少なくとも部分的にオフセットされるかまたは合同な形で位置づけされ得る。1つの好ましい実施形態においては、正面側の全てのインデンテーションおよび裏面側の全てのインデンテーションが少なくとも部分的にオフセットされるかまたは合同な形で位置づけされている。
【0063】
インデンテーションは、本発明の錠剤の正面側および/または裏面側の基礎部域の上に規則的に位置づけされる。このようなインデンテーションの2つ以上を、例えば正面側および/または裏面側の長手方向縁端の間にある1本の列の形で互いに隣接して設置することが可能である。インデンテーションは好ましくは、本発明の錠剤の正面側および/または裏面側の長手方向縁端におよび/またはそれに隣接して相対する長手方向に延在する隆起の間に位置設定される。
【0064】
一つの好ましい実施形態において、本発明の錠剤、詳細にはその長円形態は、両方の長手方向縁端の主要部分にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して、詳細には少なくとも正面側の長手方向縁端の3分の2に沿って少なくとも1つの隆起そして、詳細には相対する長手方向縁端に沿って隆起の間に少なくとも1つのインデンテーションを含んでいる。
【0065】
別の好ましい実施形態において、本発明の錠剤、詳細にはその長円形態は、少なくとも1つの隆起を、両方の相対する長手方向縁端の主要部分にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して、詳細には錠剤の正面側および裏面側の両方の長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って;ならびに少なくとも1つのインデンテーションを、正面側および/または裏面側上、詳細には錠剤の正面側の基礎部域および/または裏面側の基礎部域の上、詳細にはそれぞれに正面側および/または裏面側上で相対する長手方向縁端に沿って位置設定されている隆起の間に含んでいる。別の好ましい実施形態において、本発明の錠剤、詳細にはその長円形態は、円周方向隆起を、前記錠剤の正面側および/または裏面側の円周方向縁端にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して含み、かつ少なくとも1つのインデンテーションを、正面側および/または裏面側上、詳細には正面側および/または裏面側上の円周方向隆起により囲まれた基礎部域上に含む。別の好ましい実施形態において、本発明の錠剤、詳細にはその長円形態は、円周方向縁端を前記錠剤の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端にまたはそれに隣接して、詳細にはそれに隣接して含み、少なくとも1つのインデンテーションを、正面側および裏面側上、詳細には正面側の円周方向隆起により囲まれた基礎部域上、および裏面側の円周方向隆起により囲まれた基礎部域上に含む。
【0066】
一般に、本発明の錠剤内に取込むことのできる薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)に関する制限は全く無い。
【0067】
適切な有効成分は、経口投与後に局所的生理学的効果を及ぼすもの、ならびに全身的効果を及ぼすものである。適切な有効成分の例には、以下のものが包含される:
鎮痛性抗炎症薬(NSAID、フェンタニル、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン、パラセタモール、ピロキシカム、トラマドール、COX−2阻害薬、例えばセレコキシブおよびロフェコキシブ);
抗不整脈薬(プロカインアミド、キニジン、ベラパミル);
抗細菌および抗原虫薬(アモキシシリン、アンピシリン、ベンザチン、ペニシリン、ベンジルペニシリン、セファクロール、セファドロキシル、セフプロジル、セフロキシムアキセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロロキン、シプロフロキサシン、クラリトロマイシン、クラブラン酸、クリンダマイシン、ドキシキシクリン、エリスロマイシン、フルクロキサシリンナトリウム、ハロファントリン、イソニアジド、リン酸カナマイシン、リンコマイシン、メフロキン、ミノサイクリン、ナフシリンナトリウム、ナルジクス酸、ネオマイシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、オキサシリン、フェノキシメチル−ペニシリンカリウム、ピリメタミン−スルファドキシム、ストレプトマイシン、TMC207);
抗凝固薬(ワルファリン);
抗うつ薬(アミトリプチリン、アモクサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドチエピン、ドキセピン、フルオキセチン、レボキセチン、アミネプチン、セレギリン、ゲピロン、イミプラミン、炭酸リチウム、ミアンセリン、ミルナシプラン、ノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリン;3−[2−[3,4−ジヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−2(1H)−イル]エチル]−2−メチル−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン);
抗糖尿病薬(グリベンクラミド、メトホルミン);
抗てんかん薬(カルバマゼピン、クロナゼパム、エトスキシミド、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、フェノバルビトン、フェニトイン、プリミドン、チアガビン、トピラメート、バルプロミド、ビガバトリン);
抗真菌薬(アンフォテリシン、クロトリマゾール、エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硝酸ミコナゾール、ナイスタチン、テルビナフィン、ボリコナゾール);
抗ヒスタミン薬(アステミゾール、シナリジン、シプロヘプタジン、デカルボエトキシルオラタジン、フェキソフェナジン、フルナリジン、レボカバスチン、ロラタジン、ノラステミゾール、オキサトミド、プロメタジン、テルフェナジン);
抗高血圧薬(カプトプリル、エナラプリル、ケタンセリン、リシノプリル、ミノキシジル、プラゾシン、ラミプリル、レセルピン、テラゾシン);
ムスカリン性受容体拮抗薬(硫酸アトロピン、ヒヨスチン);
抗腫瘍薬および代謝拮抗薬(白金化合物、例えばシスプラチン、カルボプラチン;タキサン、例えばパクリタキセル、ドセタキセル;テカン類(tecans)、例えばカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン;ビンカアルカロイド類、例えばビンブラスチン、ビンデシン、ビンクリスチン、ビノレルビン;ヌクレオシド誘導体および葉酸アンタゴニスト、例えば5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、メトトレキセート;
アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード類、例えばシクロホスファミド、クロラムブシル、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、またはニトロソウレア類、例えばカルムスチン、ロムスチン、またはその他のアルキル化剤、たとえばブスルファンおよびダカルバジン、プロカルバジン、チオテパ;抗生物質、例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ミトマイシン;HER2抗体、例えばトラスツツマブ;ポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシド、テニポシド;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害物質;アントラキノン誘導体、例えばミトキサントロン);
抗片頭痛薬(アルニジタン、ナラトリプタン、スマトリプタン);
抗パーキンソン病薬(メシル酸ブロモクリプチン、レボドパ、セレギリン);
抗精神病薬、睡眠導入剤および鎮静剤(アルプラゾラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、クロザピン、ジアゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、9−ヒドロキシリスペリドン、ロラゼパム、マザペルチン、オランザピン、オキサゼパム、ピモジド、ピパムペロン、ピラセタム、プロマジン、リスペリドン、セルフォテル、セロケル、セルチンドール、スルピリド、テマゼパム、チオチキセン、トリアゾラム、トリフルペリドール、ジプラシドン、ゾルピデム);
抗卒中薬(ルベルゾール、ルベルゾールオキシド、リルゾール、アプチガネル、エリプロジル、レマセミド;
鎮咳薬(デキストロメトルファン、レボドロプロピジン);
抗ウイルス薬(アシクロビル、ガンシクロビル、ロビリデ、チビラピン、ジドブジン、ラミブジン、ジドブジン+ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカビル、ロピナビル、アンプレナビル、ネビラピン、エファビレンツ、デラビルジン、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、アデフォビル、ヒドロキシウレア、TMC120、TMC125、TMC278);
ベータ−アドレナリン受容体遮断剤(アテノロール、カルベジロール、メトプロロール、ネビボロール、プロパノロール);
心変力性薬(アムリノン、ディジトキシン、ディゴキシン、ミルリノン);
コルチコステロイド剤(ベクロメタゾン二プロピオン酸塩、ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニソロン、プレドニソロン、プレドニソン、トリアムシノロン);
消毒薬(クロルヘキシジン);
利尿薬(アセタゾールアミド、フルセミド、ヒドロクロロチアジド、イソソルビド);
酵素類;
精油類(アネトール、アニス油、キャラウェイ、カルダモン、カシア油、シネオール、桂皮油、クローブ油、コリアンダー油、脱メントールハッカ油、ディル油、ユーカリ油、オイゲノール、ジンジャー、レモン油、カラシ油、ナツメグ油、オレンジ油、ペパーミント、セージ、スペアミント、テルピネオール、タイム);
胃腸薬(シメチジン、シサプリド、クレボプリド、ジフェノキシレート、ドムペリドン、ファモチジン、ランソプラゾール、ロペラミド、ロペラミドオキシド、メサラジン、メトクロプラミド、モサプリド、ニザチジン、ノルシスアプリド、オルサラジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ペルプラゾール、プルカロプリド、ラベプラゾール、ラニチジン、リドグレル、スルファサラジン);
止血剤(アミノカプロン酸);
脂質調整薬(アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、プロブコール、シンバスタチン);
局所麻酔薬(ベンゾカイン、リグノカイン);
オピオイド鎮痛薬(ブプレノルフィン、コデイン、デキストロモラミド、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、モルヒネ);
副交換神経興奮薬および抗認知症薬(ATT−082、エプタスチグミン、ガランタミン、メトリフォネート、ミラメリン、ネオスチグミン、フィソスチグミン、タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、サブコメリン、タルサクリジン、キサノメリン、メマンチン、ラザベミド);
ペプチド類およびタンパク質(抗体類、ベカプレルミン、シクロスポリン、エリスロポイエチン、免疫グロブリン、インシュリン);
性ホルモン薬(エストロゲン:複合エストロゲン、エチニルエストラジオール、メストラノール、エストラジオール、エストリオール、エストロン;プロゲストゲン;クロルマジノンアセテート、シプロテロンアセテート、17−デアセチルノルゲスチメート、デソゲストレル、ジエノゲスト、ジドロゲステロン、エチノジオールジアセテート、ゲストデン、3−ケトデソゲストレル、レボノルゲストレル、リネステレノール、メドロキシプロゲステロンアセテート、メゲストロール、ノルエチンドロン、ノルエチンドロンアセテート、ノルエチステロン、ノルエチステロンアセテート、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン、プロゲステロン、キンゲスタノールアセテート);
刺激剤(シルデナフィル);
血管拡張薬(アムロジピン、ブフロメジル、アミルニトリル、ジルチアゼム、ジピリダモール、三硝酸グリセリル、二硝酸イソソルビド、リドフラジン、モルシドミン、ニカルジピン、ニフェジピン、オキシペンチフィリン、四硝酸ペンタエリトリトール);そのN−オキシド、その薬学的に許容される酸または塩基付加塩およびその立体化学的異性体。
【0068】
薬学的に許容される酸付加塩は、適切な有機および無機酸で有効成分の塩基形態を処理することによって都合よく得ることのできる酸付加塩形態を含む。酸性プロトンを含む有効成分は、適切な有機および無機塩基での処理によりその非毒性金属またはアミン付加塩形態に転換されてよい。付加塩という用語には、有効成分が形成することのできる水和物および溶媒付加形態も同様に含まれる。このような形態の例は、例えば一水和物、アルコラートなどである。有効成分のNオキシド形態には、いわゆるNオキシドに至るまで1つまたは複数の窒素原子が酸化されているような有効成分をが含まれる。
【0069】
有効成分は、治療上有効な量で剤形内に存在する。治療上有効な量を構成する量は、使用されている成分、治療対象の身体条件、この身体条件の重篤性、治療対象の患者、そして剤形が即時放出か遅延放出のいずれのために設計されているかによって変動する。本発明において使用される有効成分は、好ましくは、約0.01%〜約90%(w/w)、詳細には約0.01%〜約50%(w/w)、さらに詳細には約20%〜約50%(w/w)の範囲内にある。
【0070】
明示的に別段の定めをした場合を除き、本発明の意味合いにおいては、(w/w)という標示は、錠剤を形成する組成物の合計重量あたりで明記された化合物の重量を意味するものとする。
【0071】
一実施形態において、1つ以上の有効成分は、即時放出のために錠剤中に取込まれる。
【0072】
別の実施形態において、1つ以上の活性成物は、遅延放出用の錠剤中に取込まれる。この場合、本発明の錠剤の有効成分は、従来の調合助剤および/または1つ以上の疎水性ポリマー内に従来通り包埋される。これらの親水性ポリマーは、投与の後水性流体と接触した時点で膨潤する傾向をもち、粘性の薬剤放出調節用ゲル層を結果としてもたらす。好ましくはこれらのポリマーの粘度は、150〜100,000mPa・sである(2%水溶液の20℃での見かけの粘度)。適切な親水性ポリマーの例としては、以下のものが含まれる:
− アルキルセルロース類、例えばメチルセルロース;
− ヒドロキシアルキルセルロース類、例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシブチルセルロース;
− ヒドロキシアルキルアルキルセルロース類、例えばヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース;
− カルボキシアルキルセルロース類、例えば、カルボキシメチルセルロース;
− カルボキシアルキルセルロース類のアルカリ金属塩類、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム;
− カルボキシアルキルアルキルセルロース類、例えばカルボキシメチルエチルセルロース;
− カルボキアルキルセルロースエステル類;
− その他の天然、半合成または合成多糖類、例えば、アルギン酸、アルカリ金属およびそれらのアンモニウム塩、カラギナン類、ガラクトマンナン類、トラガカント、寒天、アラビアガム、グアールガム、キサンタンガム、デンプン類、ペクチン類、例えばカルボキシメチルアミロペクチンナトリウム、キチン誘導体類、例えばキトサン、ポリフルクタン類、イヌリン;
ポリアクリル酸類およびその塩類;
− ポリメタクリル酸類およびその塩類、メタクリレートコポリマー類;
− ポリビニルアルコール;
− ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー類;
− ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンの組合せ;
− ポリアルキレンオキシド類、例えばポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー類。
【0073】
好ましくは、1つ以上の親水性ポリマーは、セルロース誘導体、詳細にはセルロースエーテル誘導体、例えばアルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルアルキルセルロース、より詳細にはヒドロキシアルキルセルロースまたはヒドロキシアルキルアルキルセルロースである。
【0074】
最も好ましいセルロースエーテル誘導体は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HMPC)およびヒドロキシプロピルセルロース(HPC)である。異なる粘度グレードのヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが市販されている。本発明において好んで用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、約3,500mPa・s〜約100,000mPa・sの範囲内、詳細には約4,000mPa・s〜約20,000mPa・sの範囲内そして最も詳細には、約6,500mPa・s〜約15,000mPa・sの粘度(2%の水溶液の20℃での見かけ粘度)を有し、例えばヒプロメロース2208(DOW, Antwerp, Belgium)である。1,500mPa・sより低い粘度(2%水溶液の20℃での見かけ粘度)を有するヒドロキシプロピルセルロースが好適であり、詳細には約150〜約700mPa・s、好ましくは200〜600mPa・sの範囲内の粘度をもつヒドロキシプロピルセルロース、例えばKlucel EF(Hercules, Wilmington, USA)が好適である。
【0075】
好ましくは、この製剤中の粘性親水性ポリマー特にHPMCおよびHPCの量は、約0.01〜約80%(w/w)の範囲内、詳細には約10〜約60%(w/w)、より詳細には30〜60%(w/w)の範囲内にある。
【0076】
1つ以上の親水性ポリマーに加えて、遅延放出製剤は、一実施形態において、アルファ化デンプンを含む。アルファ化デンプンの量は好ましくは5〜80%(w/w)、詳細には5〜15%(w/w)の範囲にある。
【0077】
一実施形態において、本発明の錠剤は、少なくとも1つの薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)、アルファ化デンプンおよびHPCおよび/またはHPMC、詳細には少なくとも1つの薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)、アルファ化デンプン、HPCおよびHPMCを含む。
【0078】
本発明に係る錠剤は、好ましくはダイおよびパンチを用いた圧縮により調製される。
【0079】
本発明の錠剤には任意に、従来の錠剤コーティングを部分的にまたは全体的に提供することができる。本発明の錠剤は、好ましくは、当該技術分野で公知のフィルムコーティング用組成物でフィルムコーティングされる。コーティングは、錠剤の美的印象および/または味ならびに嚥下し易さを改善する目的で適用される。本発明の錠剤をコーティングすることは同様に、例えば安定性および保管寿命を改善するためにも役立つ可能性がある。適切なコーティング製剤は、フィルムコーティング用ポリマー例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース例えばヒプロメロース2910(5mPa.s)、可塑剤例えばグリコール例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコール、乳白剤例えば二酸化チタンおよびフィルム平滑化剤例えばタルクを含む。適切なコーティング溶媒は水ならびに有機溶媒である。有機溶媒の例としては、アルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノール、ケトン、例えばアセトンまたはハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンがある。任意には、コーティングは、前記有効成分の即時放出、ひいては前記有効成分により治療される症候の即時緩和を提供するため、治療上有効な量の1つ以上の有効成分を含むことができる。本発明のコート錠は、以上で記述されているような形で錠剤コアを作製し、その後コーティングパン内でのコーティングなどの従来の技術を用いて前記錠剤コアをコーティングすることによって調製される。例えば、コーティング用にはPEG例えばPEG20,000またはHPMCを使用することができる。
【0080】
有効成分および任意の疎水性ポリマー類以外に、本発明の錠剤は、同様に、薬学的に許容できる調合作用物質例えば充填材、流動促進剤、結合剤、造粒剤、固化防止剤、滑剤、香味料、染料および防腐剤を含むことができる。
【0081】
充填材は、可溶性充填材例えばスクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、イヌリンならびに不溶性充填材例えば、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、タルクなどから選択されてよい。有利な充填材はラクトース、詳細にはラクトース一水和物である。異なるグレードのラクトースを使用することができる。本発明において好適に使用される1つのラクトースタイプは、ラクトース一水和物200メッシュ(DMV、Veghel、the Netherlands)である。別のラクトース一水和物である、DCL11タイプのラクトース一水和物(DMV、Veghel、the Netherlands)も同じく好適に使用される。DCLという表記は、「直接圧縮ラクトース」を意味する。11という番号は、メーカーの照会番号である。このタイプのラクトースは、利用されるラクトースの合計量に基づいて粒子の98%(w/w)が250μmより小さい直径を有し、利用されるラクトースの合計量に基づいて粒子の30%(w/w)から60%(w/w)が100μmの直径を有し、利用されるラクトースの合計量に基づいて最大で粒子の15%(w/w)が45μmより小さい直径を有することを特徴とする。充填材の重量百分率は、約6%〜約54%(w/w)の間の範囲内にある。
【0082】
さらに本発明の製剤の中に含み入れることのできる任意の製剤化剤としては、ポリビドン;デンプン;アカシアガム;ゼラチン;海藻誘導体例えばアルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびカルシウム;セルロース誘導体例えば有用な結合および造粒特性を有するエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース;コロイドシリカ、デンプンまたはタルクなどの流動促進剤;ステアリン酸および/またはパルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、液体パラフィン、ラウリル硫酸ナトリウムまたはマグネシウムなどの滑剤;タルクおよびコーンスターチなどの抗接着剤などの作用物質に言及することができる。
【0083】
本発明の第1の態様は、
図1〜6を参照することによってさらに容易に理解することができる。
【0084】
図1A)では、錠剤1は、上から見たその正面側2を示して描かれている。錠剤1は、長手方向の長手方向軸4と、それに垂直に横方向の横方向軸6を有する。2つの相対する長手方向縁端8および10および2つの相対する横方向縁端12および14は、錠剤1の正面側2の外周を形成している。描かれた実施形態において、長手方向縁端8、10は本質的に直線であり、一方横方向縁端12、14は丸くなっている。
図1A)の錠剤1は、20という参照記号を有する上部側面2と下部側面18の両方の上の円周方向隆起16、20(
図1B))を有する。隆起16および20は、長手方向および横方向縁端に隣接して位置づけされ、正面側2の基礎部域22より上そして裏面側18の基礎部域24より上にそれぞれもち上っている。
図1A)、1B)に示された実施形態において、基礎部域22、24は、隆起の横方向幅「b」よりも小さい横方向幅「a」を有する。
【0085】
図2A)では、正面側2の基礎部域22の横方向幅aがそれぞれ正面側2および裏面側18のそれぞれの隆起16、20の横方向幅bよりも大きいという相異点以外、
図1A)に示された錠剤とかなり類似する錠剤1が描かれている。
図2A)の錠剤1の実施形態は、同様に、基礎部域22、24がもはや
図1B)で描かれているように完全に平担ではなく、内向きに、詳細には
図2B)で描かれている通り中心に向かって対称に湾曲し得るという点において、
図1A)のものと異なっている。
【0086】
図1および2で示されている通りの実施形態は両方共、正面側2と裏面側18を連結する円周方向周縁26が、
図1B)および2B)から導出できるように、かなり平担なプロフィールを有するという共通点をもつ。
【0087】
図3A)では、それぞれ正面側2と裏面側18の基礎部域22および24の各々に4つのインデンテーション28が具備されているという点において、
図2A)で描かれている通りの錠剤とは異なっている本発明の錠剤1の別の実施形態が示されている。これらのインデンテーション28は、本質的に円形の形状を有し、基礎部域22および24(
図3B)および
図3C)も参照のこと)内に一列に位置づけされている。
図3B)および3C)から導出できるように、正面側2のインデンテーション28は、裏面側18の基礎部域24内のインデンテーション30と合同な関係で設置されている。ここでもまた、周縁26はかなり平担なプロフィールを有している。インデンテーション28、30は、ここに描かれた実施形態ではトラフ様の中空形態を有している。すなわち、インデンテーションの円周方向周縁から、深さはインデンテーションの中心までわずかに増大しつつあり、このことは
図3B)から導出することができる。
【0088】
図4A)で描かれている通りの本発明に係る錠剤1の実施形態は、正面側および裏面側2、18の隆起16および20がもはや錠剤の外周全体に沿って存在しないという点で、
図3A)の実施形態と異なっている。
図4の実施形態において、正面側2および裏面側18の相対する横方向縁端12および14の区分にはもはや隆起区分が具備されていない。したがって、正面側2の隆起16は、正面側の長手方向縁端8および10に沿ってならびに正面側の相対する横方向縁端12および14の部分全体にわたってのみ延在し、正面側および裏面側の相対する横方向縁端の両方が隆起の全く無い状態に残されている。同様のことはこのケースの裏面側にも適用される。
図4の実施形態の正面側の個々の隆起部分には、正面側2については17aおよび17bそして裏面側18については21aおよび21bの参照番号が割当てられた。正面側および裏面側のインデンテーション28および30はそれぞれ基礎部域22および24の内部に存在し、
図3の実施形態の場合と同様に(
図4C)も参照のこと)、合同な形で設置されている。ここでもまた、円周方向周縁26は本質的に平担な形態を有している。
【0089】
図5A)で描かれている通りの本発明の錠剤1の実施形態は、正面側2のインデンテーション28および裏面側18のインデンテーション30がもはや合同な形では位置設定されず、
図5C)から最も良く導出されるように少なくとも部分的にオフセットされているという点においてのみ、
図4に示されている通りの錠剤と異なっている。
【0090】
図6A)は、例えば正面側2上の円周方向隆起16ならびに裏面側18上の円周方向隆起20(
図6Aでは図示せず、
図6B)および
図6C)に図示されている)に関しておよびその長円形状および寸法に関して、
図1に描かれている実施形態とかなり類似する本発明の錠剤1の別の実施形態を示す。
図1の錠剤とは異なり、
図6に示した実施形態では、錠剤の正面側2上の円周方向陸部32、ならびに裏面側18上のこのような相応する円周方向陸部34が使用されている(
図6A)では図示せず、
図6B)および6C)に図示されている)。すなわち、円周方向隆起16および20は、円周方向周縁26まで延在せず、この周縁26に隣接して、すなわちこれから離隔して位置設定されている。
図6B)および6C)から導出できるように、隆起16は周縁区分26まで平滑に通過せず、周縁区分に隣接して終結し、こうして正面側2の基礎部域22の高さと幾分か類似する高さにある小さい部分が備わっている。同じことは、裏面側18上の円周方向陸部34および隆起20にもあてはまる。
図6A)〜6C)で示された実施形態において、正面側2の陸部32は、基礎部域22と全く同じ平面内には存在しておらず、わずか上にある。このことは
図6C)から最も良く導出することができる。同じことは、裏面側18の陸部34にもあてはまる。一部の錠剤製剤については、例えば大量生産における打抜きサイクルを軽減するため、詳細には円周方向の陸部区分を使用することが有利であることが分かっている。
【0091】
本発明の第2の態様は、乱用の可能性を有する少なくとも1つの薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)を含み、かつ長手方向軸と2つの相対する長手方向縁端、長手方向軸に対し垂直な横方向軸と2つの相対する横方向縁端、正面側、反対側の裏面側および前記正面側および裏面側の間の円周方向周縁を含む形状を有し;正面側および/または裏面側が基礎部域を含み、正面側および/または裏面側が、前記基礎部域から上に延在する少なくとも1つの隆起を含み、前記少なくとも1つの隆起が一方または両方の長手方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または一方または両方の横方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または両方の長手方向縁端および両方の横方向縁端の間に存在している遅延放出プロフィールを有する不正改変防止性医薬投薬形、特に遅延放出プロフィールを有する不正改変防止性経口剤形、特に遅延放出プロフィールを有する不正改変防止性錠剤に関する。剤形の正面側および/または裏面側、詳細には正面側の基礎部域および/または裏面側の基礎部域は、さらに少なくとも1つのインデンテーションを含む可能性がある。
【0092】
一般に、本発明の第1の態様に関する上述の教示は同様に、本発明のこの第2の態様にも適用可能である。ただし、以下のことが強調される。
【0093】
本発明の錠剤の好ましい実施形態は、長さ約21mm(長手方向軸);幅約9mm(横方向軸);正面側上の隆起の最上面から裏面側上の反対側の隆起の最上面までの厚み約5mm;基礎部域全体にわたる約3mmの厚みおよび基礎部域から隆起の最上面までの約1mmの拡張部分を有し、詳細には錠剤の正面側および/または裏面側上に円周方向隆起を有し、好ましくは
図1Aから導出可能であるようにインデンテーションが全く無い錠剤である。
【0094】
乱用の可能性のある有効成分は、当業者にとって公知であり、鎮静剤、覚醒剤、バルビツール剤、麻酔剤、オピオイドまたはオピオイド誘導体を含む。
【0095】
本発明の不正改変防止性錠剤で好適に使用される薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)は、鎮痛性化合物または痛み止め化合物例えばオピオイドまたはオピオイド誘導体、詳細にはタペンタドールまたはその塩、より詳細にはタペンタドールである。
【0096】
不正改変防止性という用語は、錠剤が容易に粉砕できないようなものであることを理由として、有効成分が乱用に適した形で錠剤から容易に分離され得ない、ということを意味する。こうして、錠剤から薬剤乱用のために使用され得る有効成分を抽出することが困難になるかまたは、錠剤を経鼻吸引するための粉末の形に変形させることが非常にむずかしくなる。
【0097】
本発明の錠剤は一実施形態において、錠剤の破壊強度を増大させてそれが従来の錠剤よりもはるかに高いものとなるようにする少なくとも1つの合成または天然のポリマーを取込むことにより、不正改変不能にすることができる。この要領で、例えば乳棒と乳鉢などによるものといった従来の手段による錠剤の粉状化はほとんど不可能となり、したがって、錠剤中に取込まれた有効成分を乱用に適した形へ転換することは複雑になる。
【0098】
本発明の一実施形態において、前記少なくとも1つの合成または天然のポリマーは、ポリアルキレンオキシド例えばポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの共重合体である。
【0099】
好ましくは、ポリアルキレンオキシドはポリエチレンオキシド、詳細には500,000超、好ましくは1,000,000超、そしてより好ましくは約2,000,000〜約7,000,000の範囲内の分子量を有するポリエチレンオキシドである。ポリエチレンオキシドの量は、一実施形態において、約20〜約80%(w/w)、詳細には約20〜50%(w/w)、より詳細には約30〜約50%(w/w)の範囲内にある。
【0100】
一実施形態において、本発明の錠剤は、少なくとも300N、詳細には少なくとも350N、より詳細には少なくとも400N、さらに一層詳細には少なくとも450Nの破壊強度を有する。本発明の錠剤の破壊強度は、ヨーロッパ薬局方1997年、143頁、144頁、方法番号2.9.8の中で記述されている錠剤の破壊強度を決定するための方法により決定可能である。破壊強度を測定するための好ましい代替案について、以下で本発明のさらなる態様に関連して記述する。
【0101】
経口剤形からの有効成分の遅延放出は、当業者にとって公知である。遅延放出錠剤については、錠剤を1日に1回または2回投与するだけで通常は充分である。本発明の錠剤の遅延放出プロフィールは、任意には従来の製剤化剤をも含む一定量の親水性ポリマーまたはその配合物中に有効成分を包埋することによって達成可能である。これらの親水性ポリマーは、投与後水性流体と接触した時点で膨潤し、粘性の薬剤放出調節用ゲル層を結果としてもたらす。好ましくは、これらのポリマーの粘度は150〜100,000mPa.s(2%水溶液の20℃での見かけ粘度)の範囲内にある。適切な親水性ポリマーの例としては、以下のものが含まれる:
− アルキルセルロース類、例えばメチルセルロース;
− ヒドロキシアルキルセルロース類、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシブチルセルロース;
− ヒドロキシアルキルアルキルセルロース類、例えばヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース;
− カルボキシアルキルセルロース類、例えばカルボキシメチルセルロース;
− カルボキシアルキルセルロース類のアルカリ金属塩類、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム;
− カルボキシアルキルアルキルセルロース類、例えばカルボキシメチルエチルセルロース;
− カルボキシアルキルセルロースエステル類;
− その他の天然、半合成または合成多糖類、例えばアルギン酸、アルカリ金属およびそのアンモニウム塩類、カラギナン類、ガラクトマンナン類、トラガカント、寒天、アラビアガム、グアールガム、キサンタンガム、デンプン類、ペクチン類、例えばカルボキシメチルアミロペクチンナトリウム、キチン誘導体類、例えばキトサン、ポリフルクタン類、イヌリン;
− ポリアクリル酸類およびそれらの塩類;
− ポリメタクリル酸類およびそれらの塩類、メタクリレートコポリマー類;
− ポリビニルアルコール;
− ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンのコポリマー類;
− ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンの組合せ。
【0102】
本発明の一実施形態において、有効成分が中に包埋される親水性ポリマーは、セルロース誘導体から選択される。好ましくは、セルロース誘導体はセルロースエーテル誘導体であり、より好ましくはセルロースエーテル誘導体はHPMCである。セルロース誘導体の量は一実施形態において、約1〜約20%(w/w)、詳細には約10〜約20%(w/w)の範囲内にあり得る。
【0103】
錠剤の破壊強度を増大させる前記合成または天然ポリマー、詳細にはポリアルキレンオキシドそして前記親水性ポリマーに加えて、一実施形態における錠剤製剤はさらに、例えばPEG6000などのポリアルキレングリコールを含み得る。ポリアルキレングリコールの量は、例えば約1〜約20%(w/w)、詳細には約1〜約10%(w/w)の範囲内にあり得る。
【0104】
一実施形態において、本発明の不正改変防止性錠剤は、乱用の可能性を有する少なくとも1つの薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)、詳細には痛み止め薬剤、より詳細にはオピオイドまたはオピオイド誘導体例えばタペンタドール;少なくとも1つのポリアルキレンオキシド、詳細にはポリエチレンオキシド、より詳細には約2,000,000〜7,000,000の範囲内の分子量を有するポリエチレンオキシド;少なくとも1つのセルロースエーテル誘導体、詳細にはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HMPC);および少なくとも1つのポリアルキレングリコール、詳細にはポリエチレングリコール例えばPEG6000を含む。好ましい組成物においては、例えばビタミンEなどの酸化防止剤などのさらなる構成成分が存在し得る。別の実施形態において、錠剤は、少なくとも5重量パーセントの量の乱用の可能性を伴う薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物);少なくとも15重量パーセントの量のポリエチレンオキシド;少なくとも5重量パーセントの量のセルロースエーテル誘導体、詳細にはHPMC;そして少なくとも5重量パーセントの量のポリアルキレングリコール、詳細にはポリエチレングリコールを含む。
【0105】
本発明の不正改変防止性錠剤は、好ましくは錠剤製剤を溶融押出することにより調製される。このように得た溶融押出されたストランドは好ましくはモノリスの形に切断され、次にこのモノリスは錠剤へと圧縮される。
【0106】
例えば特に本発明の錠剤が溶融押出モノリシック塊から生産される場合、もはや容易に粉砕または圧壊できずしたがって非常に高い不正改変不能度を可能にする非常に硬い圧密錠が得られる。これらの非常に硬い錠剤の場合、本発明の錠剤により薬剤放出プロフィールの改善された制御を得ることができる。
【0107】
本発明に係る錠剤は、好ましくは溶融押出しにより得られるモノリシック塊から、好ましくはダイとパンチを用いた圧縮により調製される。溶融押出により得られる場合、圧縮ステップは好ましくは周囲温度すなわち20〜25℃の範囲内の温度を示すモノリシック塊で実施される。
【0108】
押出を用いて得られたストランドは、そのまま圧縮ステップに付すこともできるし、あるいは圧縮ステップに先立ち切断することもできる。当然のことながら、まだ温かいうちに、すなわち多少の差こそあれ押出ステップの直後に、押出されたストランドを圧縮ステップまたは切断ステップに付すことも同様に可能である。押出は好ましくは、2軸スクリュー押出機を用いて実施される。
【0109】
本発明の錠剤の調製のために用いられる上述のポリマーすなわちこれらのポリマーの鎖は、好ましくは主に押出方向に沿って配位されている。押出の結果得られたモノリスがその幅よりも大きい長さを有する場合には、前記モノリスの圧縮は好ましくは長さに対して垂直な圧縮方向で実施される。
【0110】
本発明の第3の態様は、中に含まれている薬理学的に有効な化合物(A)の制御放出を伴う医薬投薬形において、拡張方向E
1に少なくとも500Nの破壊強度B
1を有し、拡張方向E
2に500N未満の破壊強度B
2を有する医薬投薬形に関する。
【0111】
一般に、本発明の第1の態様および第2の態様に関する以上の教示は、本発明のこの第3の態様にもあてはまる。ただし、次の点が強調される。
【0112】
拡張方向E
1および拡張方向E
2は、それぞれ破壊強度B
1およびB
2についての対応する必要条件が満たされていることを条件として、それぞれ主として医薬投薬形のあらゆる拡張方向すなわちあらゆる恣意的に選択された拡張方向であり得る。
【0113】
医薬投薬形の「破壊強度」(耐圧壊性)は当業者にとって周知である。この点に関しては、例えば非特許文献3;非特許文献4および非特許文献5を参照することができる。
【0114】
本明細書の目的で、破壊強度は好ましくは、医薬投薬形を破断させるために必要な力の量(=破壊力)として定義される。したがって、本明細書の目的のためには、剤形は好ましくは、壊れる時すなわち互いに分離した少なくとも2つの独立した部分に破断する時、所望の破壊強度を示さない。しかしながら別の好ましい実施形態において、測定中に、測定された最大の力の25%(閾値)だけ力が減少した場合に、医薬投薬形は破壊されているものとみなされる(以下参照)。
【0115】
本発明に係る剤形は、好ましくは、それらの破壊強度のため、例えば乳棒と乳鉢、ハンマー、木槌またはその他の通常の粉状化手段、詳細にはこの目的で開発された装置(錠剤圧砕機)などの従来の手段で力を加えることによって粉状化できないという点において、従来の剤形とは区別される。この点において、「粉状化」は、適切な媒質内で薬理学的に有効な化合物(A)を直ちに放出することになる小粒子の形への崩壊を意味する。粉状化を回避することで事実上、経口または非経口、詳細には静脈内または鼻腔内の乱用が排除される。
【0116】
従来の錠剤は標準的に、任意の拡張方向で200Nをはるかに下回る破壊強度を有する。従来の丸い錠剤の破壊強度は、以下の経験式により推定してよい:破壊強度[N単位]=10×錠剤の直径[mm単位]。こうして、前記経験式によると、少なくとも500Nの破壊強度を有する丸い錠剤は、少なくとも50mm(約2インチ)の直径を必要とすることになる。しかしながらこのような錠剤は嚥下不可能である。上述の経験式は、従来通りではなくむしろ特殊である本発明の医薬投薬形には適用されない。
【0117】
さらに、実際の平均咀嚼力は約220Nである(例えば非特許文献6(コピー添付))を参照のこと)。これはすなわち、200Nをはるかに下回る破壊強度を有する従来の錠剤が咀嚼時に圧壊され得、一方本発明に係る剤形が少なくとも拡張方向E
1においては圧壊され得ない、ということを意味している。さらに、約9.81m/s
2という重力加速度を適用する場合、500Nは50kg超の重力に対応する。すなわち本発明に係る医薬投薬形は、少なくとも拡張方向E
1において50kg超の重量に耐えることができる。
【0118】
医薬投薬形の破壊強度の測定用手段は、当業者にとって公知である。適切な装置が市販されている。
【0119】
例えば、破壊強度(耐圧壊性)は、ヨーロッパ薬局方5.0、2.9.8または6.0、2.09.08「Resistance to Crushing of Tablets」にしたがって測定可能である。試験は、定義された条件下で、圧壊により錠剤を分断するのに必要な力により測定される錠剤の耐圧壊性を決定するように意図されている。装置は、互いに対面する2つのジョーから成り、一方のジョーが他方のジョーに向かって移動する。ジョーの平担な表面は移動方向に対して垂直である。ジョーの圧壊表面は平担で、錠剤との接触ゾーンよりも大きい。装置は、1ニュートンの精度をもつシステムを用いて較正される。錠剤は、該当する場合、形状、ブレークマーク(break−mark)そして銘を考慮に入れて、ジョーの間に設置される。各々の測定について、錠剤は、力の付加方向(および破壊強度を測定すべき拡張方向)に関して同じ要領で配向される。測定は、各決定の前に全ての錠剤断片が除去されているように注意を払いながら、10個の錠剤について実施される。結果は、全てニュートンで表わされた測定対象の力の平均値、最小値および最大値として表現される。
【0120】
破壊強度(破壊力)についての類似の記述は、米国薬局方の中にも見出すことができる。破壊強度は、代替的には、その中に記述されている方法にしたがって測定することもでき、そこでは、破壊強度というのは錠剤を特定の平面内で壊す(破壊する)のに必要な力であると述べられている。錠剤は一般に2つのプラテンの間に置かれ、うち一方のプラテンは、破断を引き起こすのに充分な力を錠剤に与えるように移動する。従来の丸い(円形断面)の錠剤については、その直径を横断して荷重が発生し(時として直径方向荷重と呼ばれる)、平面内で破断が起こる。錠剤の破壊力は、医薬文献中では一般に硬度と呼ばれる。しかしながら、この用語の使用は、誤解を招く恐れがある。材料科学においては、硬度という用語は、小さいプローブによる貫入または圧入に対する表面の耐性を意味する。圧壊強度という用語も同様に、圧縮荷重の付加に対する錠剤の耐性を記述するために用いられることが多い。この用語は、試験の真の内容を硬度という用語によりも正確に説明しているものの、それには、錠剤が実際に試験中に圧壊されることが暗示されており、これは往々にしてあてはまらない。
【0121】
あるいは、破壊強度(耐圧壊性)は、ヨーロッパ薬局方の中で記述された方法の修正としてみなすことのできる特許文献20にしたがって測定可能である。測定用に用いられる装置は、好ましくは、最大引抜き1150mmであり、1本のカラムおよびスピンドルを用いて設定されるべきであり、後方すき間100mmそしてテスト速度は0.1〜800mm/分の間で調整可能で、testControlソフトウェアと併せて用いる“Zwick Z 2.5”マテリアルテスターである。測定は、DIN55350−18に準じたメーカーの試験証明書M(Zwick総出力F
max=1.45kN)を伴う、ネジ込み式インサートとシリンダ(直径10mm)付き圧力ピストン、力変換器、F
max 1kN、直径=8mm、ISO7500−1に適合する10Nからのクラス0.5、2Nからのクラス1(装置は全てZwick GmbH & Co. KG., Ulm, Germany)を用いて実施され、テスタの発注番号はBTC−FR2.5TH.D09、力変換器についての発注番号はBTC−LC0050N、心出し装置についての発注番号はBO70000S06である。
【0122】
本発明の好ましい実施形態において、破壊強度は、破壊強度テスタSotax(登録商標)HT100型(Allschwil、Switzerland)を用いて測定される。好ましくは、特定の拡張方向での破壊強度を測定するためにジョーの間に個別に剤形を設置できるようにするためだけにSotax(登録商標)HT100型のAuto Alignment(商標)装置を使用することはない。Sotax(登録商標)HT100型は、2つの異なる測定原理、すなわち一定速度(テストジョーは5から200mm/分まで調整可能な一定速度で移動する)または一定力(テストジョーは5から100N/秒まで線形的に調整可能な力を増大させる)にしたがって、破壊強度を測定することができる。原則的に、両方の測定原理共、本発明に係る剤形の破壊強度を測定するために適している。好ましくは、破壊強度は、一定速度、好ましくは120mm/分の一定速度で測定される。
【0123】
好ましい一実施形態において、医薬投薬形は、それが少なくとも2つの分離した破片に破断された場合に、破壊されているものとみなされる。
【0124】
別の好ましい実施形態において、医薬投薬形は、測定中に測定された最高の力の25%(閾値)だけ力が減少した場合に破壊されているものとみなされる。例えば、測定中に測定された最高の力が144Nである場合には、錠剤は、力が108N(=144Nの75%;25%の減少)未満に減少した場合に破壊されているものとみなされる。このとき対応するそれぞれの拡張方向の破壊強度の値は144Nである。好ましい実施形態において、前記閾値は30%、より好ましくは35%、さらに一層好ましくは40%、最も好ましくは45%、そして詳細には50%である。これらの状況下において剤形は、少なくとも2つの分離した破片に分断されていなくても破壊されているものとしてみなされなくてはならないかもしれない。例えば中央で引裂されたものの断片化されていない剤形は、破壊強度のこの定義に準じて破壊されているものとみなされなくてはならないかもしれない。したがって、この定義によると、特定の力における破壊強度試験の失敗は、例えば破裂、亀裂発生、ひび割れ、分裂、割れ目などの、上述の閾値より下に力を降下させる剤形の破断またはその他のあらゆる変形に起因するかもしれない。
【0125】
図18は、
図10において描写された剤形の破壊強度の測定、詳細には、3つの異なる拡張方向a)〜c)において測定前および測定中にこの目的で使用される剤形のための調整装置を概略的に示している。この測定セットアップは、ヨーロッパ薬局方に準じた上述の方法、その変形形態(Zwickに係るもの)そしてSotax(登録商標)HT−100を用いる好ましい方法に対して適用可能である。この目的で、剤形は、測定すべき錠剤を収容し心出しするのに必要な間隔どりがひとたび樹立された時点でジョーに対し毎回しっかり付着される2基の2部品式挟持装置を援用して力付加装置(図示せず)の平らなジョー(61a)と平らなジョー(61b)の間に保持される。間隔どりは、2部品式挟持装置が取付けられているジョーの上で毎回水平方向に外向きまたは内向きにこの装置を移動させることによって、確立されてよい。異なる拡張方向での破壊強度の測定は、
図18A)から
図18C)までに示されている。
図18A)は、剤形の主拡張方向E
2に対して垂直である拡張方向E
1の方向における破壊強度を測定するための配置を示している。
図18B)は、剤形の主拡張方向E
2における破壊強度を測定するための配置を示している。この配置は、従来の長円錠剤の破壊強度を測定する場合の標準的配置である。Sotax(登録商標)HT100のAuto Alignment(商標)装置は、この拡張方向における再現可能な結果を確保するために自動的に錠剤形状を心合せする用途に用いられる。しかしながら本発明によると、剤形の破壊強度は、異なる拡張方向で測定される必要があり、主拡張方向は前記異なる拡張方向の中にあってよいが、必ずしもその中にある必要はない。
図18C)は、剤形の主拡張方向E
2に対して垂直でありかつ拡張方向E
1に対して垂直である拡張方向E
3の破壊強度を測定するための配置を示す。
【0126】
好ましい実施形態において、破壊強度テスター、好ましくはSotax(登録商標)HT100には2つの平らなジョーが具備されている(
図18を参照のこと)。
【0127】
別の好ましい実施形態において、破壊強度テスター、好ましくはSotax(登録商標)HT100は、平らでない2つのジョー(
図19、20を参照)を備えている。好ましくは、1つのジョーはエンボスを含み、もう一方のジョーはインデンテーションを含む。エンボスとインデンテーションは、互いに合同であり得る(ポジとネガのごとく)が、必ずしもそうでなくてもよい。
【0128】
好ましくは、エンボスはアーバー(arbor)、スパイクまたはマンドレルとして役立つが、一連の角形(例えば三角形、矩形など)であり得る。好ましい実施形態において、このエンボスは、半球形状をとる。別の好ましい実施形態では、エンボスは円錐形状をとる。さらに別の好ましい実施形態において、エンボスは、三角錐または矩形の底面をもつ角錐の形状をとる。最も好ましくは、エンボスは、好ましくは2.5mmの曲率半径をもつ半円筒の形状をとる。好ましい実施形態において、前記半円筒の中心はジョーの主要拡張部域の表面の内部に存在する。別の好ましい実施形態において、中心は、前記表面から約0.5mm離れたジョーのちょうど内側に存在する。
【0129】
好ましくは、インデンテーションはエンボスのためのリセスとして役立つ。好ましい実施形態において、インデンテーションは、中空半球の形状をとる。別の好ましい実施形態においては、インデンテーションは中空円錐の形状をとる。さらに別の好ましい実施形態においては、インデンテーションは中空三角錐または矩形の底面をもつ角錐の形状をとる。最も好ましくは、インデンテーションは、好ましくは90°の角度での面取り、切り口または切込みの形状をとる。
【0130】
図19A)は、エンボス(62)を含むジョー(61a)およびインデンテーション(63/64)を含むジョー(61b)の概略図を示す。エンボス(62)は、半径rを特徴とする半円筒の形状をとる。好ましくはr=2.5mmである。半円筒の円形断面の中心は、半円筒全体がエンボス(62)を形成するようにジョーの表面主要拡張部域内に存在してよい。あるいは、半円筒の円形断面の中心は、主要拡張部域の表面から例えば距離r’のところでジョーの本体内部に存在し、こうして半円筒の一部分のみがエンボス(62)を形成するようになってよい。好ましくは、r’=0または0.5mmである。インデンテーションは、2x
1+2x
2の横方向長さとy
2の高さを有する矩形のリセス(64)の中にある。前記矩形リセス(64)の中心には、2x
1の横方向長さおよびy
1の高さ/深さを有する面取り、切り口または切込み(63)がある。好ましい実施形態においては、x
1=3mm、x
2=6mm、y
1=3mmそしてy
2=2mmである。別の好ましい実施形態においては、x
1=4mm、x
2=7mm、y
1=4mm、そしてy
2=2mmである。好ましくは、面取り、切り口または切込み(63)は、90°の角度をなす。
図19B)は、それぞれ面(65a)および(65b)上のジョー(61a)および(61b)の概略図を示す。
【0131】
図20は、
図18と同様に、拡張方向E
1、E
2およびE
3における破壊強度を測定するためにそれぞれエンボスおよびインデンテーションを有する2つのジョーの間に
図10で描かれた剤形を設置する方法を示している。当業者であれば、測定中、すなわちジョーが互いに向かって移動している間、例えば適切な案内用シャフトまたは誘導トラック(図示せず)を用いて剤形をさらに挟持して、剤形が傾動するかまたは横方向に脱出するのを回避することが必要となるかもしれないということを認識する。
【0132】
一般に、エンボスおよびインデンテーションの備わったジョーを伴う測定セットアップ(
図20参照)は、平らなジョーを伴う測定セットアップ(
図18参照)に比べて厳しい測定条件を実現する。したがって、
図18にしたがった測定に合格した所与の剤形が、同じ医薬投薬形で
図20にしたがって測定される場合に不合格となることも起こり得る。
【0133】
破壊力の測定中の錠剤の配向に関するかぎり、米国薬局方(USP)は、一般に直径を横断してかまたは最も長い軸に平行に錠剤を試験することを記している。分割錠剤は、2つの配向可能性を有する。分割錠剤がプラテンの面に対して垂直にその切込み線を有する状態で配向される場合、引張り破壊が分割ラインに沿って発生する尤度は増大する。これは、構造中の最も弱い箇所におけるマトリクスの強度についての情報を提供する。その切込み線がプラテン面に対し平行である状態で分割錠を配向している場合、マトリクスの強度に関するより一般的な情報が導出される。カプセル形状の錠剤または分割錠は、3点破断試験において最もうまく破壊され得る。プラテン上に設置されるかまたはプラテンに代用される取付け部品が、錠剤をその縁端で支持し、支持の無い錠剤の中央点で破壊荷重を反対側の面に適用できるようにしている。取付け部品は、硬度テスターと同じ供給元から入手可能であることが多い。
図20は、USP内のこの記述にしたがったものである。
【0134】
本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは、拡張方向E
1に少なくとも500Nの破壊強度B
1を有する。好ましくは、拡張方向E
1は剤形の主要拡張方向に対して垂直である。好ましくは、拡張方向E
1における破壊強度は、測定装置に平らなジョーが備わっているまたは、上述のとおり一方がエンボスを他方がインデンテーションを含む2つのジョーが備わっていいずれの場合であっても少なくとも500Nである。
【0135】
さらに、本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは、拡張方向E
2に500N未満の破壊強度B
2を有する。好ましくは、拡張方向E
2は、剤形の主要拡張方向である。好ましくは、拡張方向E
2での破壊強度は、2つの平らなジョーで測定される場合、500N未満である。しかしながら、以上で記述した通り一方がエンボスを含み他方がインデンテーションを含む2つのジョーで測定される場合、拡張方向E
2での破壊強度が500N未満であることは要求されない(ただし可能ではある)。
【0136】
本発明に係る好ましい実施形態において、拡張方向E
1における医薬投薬形の破壊強度B
1は、
図20A)にしたがって、すなわち、主拡張方向に対し直交して、かつエンボスおよびインデンテーションを用いて、測定される。しかしながら拡張方向E
2における破壊強度B
2は、好ましくは
図18B)にしたがって、すなわち主拡張方向に沿って、かつ平らなジョーを用いて測定される。
【0137】
本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは、破壊強度(耐圧壊性)任意には同様に、自然咀嚼、乳鉢内での粉砕、強打などによって粉状化することが事実上不可能となるほど、任意には低温(例えば−24℃未満、−40℃未満または液体窒素中)でも充分な硬度、耐衝撃性、衝撃弾性、引張り強度および/または弾性係数に加えて広い温度範囲にわたる機械的強度を示す。こうして、好ましくは、拡張方向E
1において、本発明に係る医薬投薬形の比較的高い破壊強度は、例えば医薬投薬形がその脆性を増大させるべく当初冷却される場合の低温かまたは超低温でさえ、例えば−25℃未満、−40℃未満の温度までさらには液体窒素中でさえ維持される。
【0138】
本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、一定程度の破壊強度によって特徴づけられる。これは、医薬投薬形が一定程度の硬度も示さなければならないということを意味するわけではない。硬度と破壊強度は異なる物理的特性である。したがって、医薬投薬形の不正改変防止性は必ずしも医薬投薬形の硬度に左右されるわけではない。例えば、その破壊強度、衝撃強度、弾性係数および引張り強度それぞれのために、好ましくは、例えばハンマーを用いて外力を及ぼしたときに医薬投薬形を変形することができるが、これを粉状化することすなわち多くの断片へと崩壊させることはできない。換言すると、本発明に係る医薬投薬形は、一定程度の破壊強度によって特徴づけされるが、必ずしも一定程度の形状安定度によっても特徴づけされるわけではない。
【0139】
したがって、本明細書の意味合いにおいては、特定の拡張方向の力に曝露された場合に変形するものの壊れない医薬投薬形は、前記拡張方向において所望の破壊強度を有するものとみなされるべきである。
【0140】
拡張方向E
1およびE
2における異方性機械特性に起因して、従来の手段による力の適用、例えば400Nの適用は、或る一定の制限された程度までの剤形の崩壊を引き起こすかもしれないが、その粉状化は引き起こさないかもしれない。例えば、拡張方向E
2での破壊強度が400N未満である場合、剤形は、拡張方向E
2に400Nを加えることにより破片へと崩壊される。しかしながら、好ましくは、前記破片は、400N以上を加えることによってもそれ以上崩壊されないかもしれない。
【0141】
意外にも、医薬投薬形の外部形状は、その破壊強度を低減させることなく広い限界内で変動可能であることがわかった。医薬投薬形の外部形状の変動は、一定の拡張方向において破壊強度の低下を引き起こすかもしれないものの、特定の形態および形状が、既定の破断部位(弱化点)において、医薬投薬形の残り(断片)の全体的破壊強度を完全に低下させることなく、或る程度の脆性を確立することが分かっている。
【0142】
弱化度は制御可能であり、医薬投薬形に対し力を加える場合、力の量が充分に高いことを条件として、前記弱化点は既定の破断部位として役立つことができる。
【0143】
脆性度は、従来の医薬投薬形の典型的な破壊強度よりもなおかなり高い、例えば100Nまたは200Nよりかなり高い値に調整されてよい。詳細には、意外にも、従来の手段(例えば錠剤圧砕機)により半分または三分の一などの大きい破片へと破断され得るもののそれ以上破断され得ない医薬投薬形を設計できることが分かっている。その結果、得られた断片(サブユニット)はそれ自体、既定の破断部位における破壊強度よりもはるかに高い破壊強度、例えば500Nよりもはるかに高い破壊強度を好ましくはあらゆる拡張方向に示す。
【0144】
図7A)は、従来の長円錠剤の概略図である。断面積(35)および(35’)は、それ自体断面積(37)よりも小さい断面積(36)および(36’)よりもさらに小さい。拡張方向(E
2)に外力(F
2)を加える場合、予想圧力(implied pressure)は一定ではなく、変動する断面積と共に変化する。例えば、断面積(37)を有する区分において予想される圧力は、断面積(37)が断面積(35)および(35’)よりも大きいことから、それぞれ断面積(35)および(35’)を有する区分における圧力よりも小さい。
【0145】
図7B)は、本発明に係る医薬投薬形の一実施形態の概略図である。増大した表面積対体積比および表面対重量比は、それぞれ、医薬投薬形のちょうど中央にあるテーパーTによって達成される。これらの状況下で、拡張方向(E
2)に外力(F
2)を及ぼす場合、断面積(42)を有する区分における予想圧力は、断面積(42)が断面積(38)および(38’)よりも小さいことから、それぞれ断面積(38)および(38’)を有する区分における圧力よりも高い。
図7B)に描かれている医薬投薬形は、
図7A)で描かれた医薬投薬形の拡張方向(E
2)における破壊強度よりも実質的に低い破壊強度を拡張方向(E
2)において示す。
【0146】
図7A)および7B)において、拡張方向(E
2)は、医薬投薬形の主たる拡張方向(principal direction of extension)(主要拡張方向(main direction of extension)、主拡張方向(major direction of extension))である。
【0147】
既定の破断部位(弱化点)は、大きな医薬投薬形の嚥下が困難な患者は嚥下前に既定の破断部位(弱化点)に沿って医薬投薬形を破断できることから、患者のコンプライアンスを改善できる。これらの患者は医薬投薬形を自らが嚥下できるサイズの断片へと制限的に破断することができる。しかしながら、結果として得られる断片は少なくとも従来の手段ではそれ自体それ以上細砕され得ないことから、医薬投薬形はなおも不正改変できない、すなわちそれぞれ薬剤乱用および(故意ではない)薬剤過剰摂取を効率良く回避する。換言すると、本発明に係る医薬投薬形は、誤用を避けるための非常に高い機械的強度、ならびに患者のコンプライアンスを改善するための一定程度の機械的弱さの両方を実現する。
【0148】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは以上で記した破壊強度を測定するための標準的条件下で、拡張方向E
2でB
2を超える力を加えた場合に断片を提供し、この断片はそれ自体、好ましくはその拡張方向のいずれか(各々および全て)において、好ましくは少なくとも500N、少なくとも550Nまたは少なくとも600N;より好ましくは少なくとも650N、少なくとも700Nまたは少なくとも750N;さらに一層好ましくは、少なくとも800N、少なくとも850Nまたは少なくとも900N;さらにより好ましくは少なくとも950N、少なくとも1000Nまたは少なくとも1100N;そして詳細には少なくとも1200N、少なくとも1300N、少なくとも1400Nまたは少なくとも1500Nの破壊強度を有する。
【0149】
好ましくは、剤形は、拡張方向E
2においてB
2より高い力を加えた場合、多くとも10個、より好ましくは多くとも8個、さらにより好ましくは多くとも6個、さらにより好ましくは多くとも5個、より好ましくは多くとも4個、そして詳細には多くとも3個の断片を提供する。
【0150】
好ましくは、各断片の体積は、医薬投薬形の体積の少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも15%、さらにより好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも25%そして詳細には少なくとも30%である。
【0151】
意外にも、医薬投薬形の不正改変防止性を低減させることなく医薬投薬形の外部形状を変化させることにより或る一定の限界内で医薬投薬形の放出プロフィールを変動させることができる、ということが分かっている。したがって、詳細には、高い薬剤負荷で、本発明に係る医薬投薬形は、高い破壊強度を有する従来の医薬投薬形(例えば長円の錠剤)では達成され得ない放出プロフィールの実現を可能にする。
【0152】
典型的には、本発明に係る医薬投薬形は、錠剤の形をとる。医薬投薬形は好ましくはフィルムの形をしていない。
【0153】
本発明に係る医薬投薬形(錠剤)は、さまざまな形状をとってよい。好ましくは、上面から見た場合に、医薬投薬形の形状は、実質的に六角形、楕円形、円形、長円、矩形、正方形、三角形などであり得る。好ましくは、側面から見た場合に、医薬投薬形の形状は、実質的に平面凸面、両凸面、切子面を伴う平面、切子面を伴わない平面、環状などであり得る。
【0154】
例えば、本発明に係る医薬投薬形(錠剤)は、球形、平面、立方体、六角形および円筒形などの単純な幾何形状、または凸状、中空円筒、ドーナツ状、半球形、十字形、星形(
図13、14、および15参照)などの複雑な幾何形状をとってよい。
【0155】
本発明に係る剤形(錠剤)の特に好ましい形状は、以上で本発明の第1および第2の態様に関連してすでに記述されてきた。
【0156】
特に好ましい実施形態においては、本発明に係る医薬投薬形(錠剤)を、少なくとも一方の側にリセスまたはキャビティ、好ましくは2つの側好ましくは相対する側に2つのリセスまたは2つのリセスを有する本体として記述することができる。あるいは、前記キャビティおよびリセスをそれぞれ、隆起、インデンテーション、トラフ、空洞、陥没、向斜、深化などとみなしてよい。このような実施形態の例は、
図8〜10、16A)および16B)の中で描かれている。
【0157】
医薬投薬形は好ましくは経口投与向けに適合される。すなわち嚥下が可能でなくてはならない。かくして、明らかに有害である不明瞭な幾何形状を、本発明に係る医薬投薬形とみなすことはできない。
【0158】
好ましい実施形態によると、医薬投薬形は、具体的アスペクト比によって特徴づけされる。本明細書の目的において、このアスペクト比は、剤形の主要拡張方向とこの主要拡張方向に直交する医薬投薬形の最大拡張の比率、例えば最大長対最大高さ(およびそれぞれ最大長対最大幅)の比率として定義されている。好ましくは、前記アスペクト比は、2.4±1.3:1、より好ましくは2.4±1.0:1、なお一層好ましくは2.4±0.8:1、さらにより好ましくは2.4±0.6:1、最も好ましくは2.4±0.4:1そして詳細には2.4±0.2:1の範囲内にある。
【0159】
好ましい実施形態によると、医薬投薬形は、長さ>高さ≧幅である、具体的な長さ対高さ対幅の比率として特徴づけされる。本明細書の目的では、この実施形態において、長さは剤形の主要拡張方向に対応し、高さは、長さに直交する医薬投薬形の最大拡張に対応し、幅は、長さに直交し幅に直交する最大拡張に対応する(直交座標空間)。好ましくは、長さ対高さの比は、4.7±2.0:2.0±1.0:1、より好ましくは4.7±1.6:2.0±0.8:1、なお一層好ましくは4.7±1.2:2.0±0.6:1、さらにより好ましくは4.7±0.8:2.0±0.4:1、最も好ましくは4.7±0.6:2.0±0.3:1、そして詳細には4.7±0.4:2.0±0.2:1の範囲内にある。
【0160】
好ましくは、医薬投薬形の表面の一部分は凸状である、すなわち外に湾曲しているか外に向かって隆起し、その表面の別の部分は凹状である、すなわち内に湾曲しているかまたは内に向かって中空となっている。本明細書の目的では、曲率半径はさほど重要ではない。
【0161】
好ましくは、医薬投薬形の全体的表面を、凹状部分、凸状部分および平面部分に分割することができる。典型的には、凹状部分、凸状部分および平面部分の和は、剤形の表面全体に対応する。ただし、少なくとも理論的には、所与の部分が、同時に凸状かつ凹状であり得る(鞍状)。これらの状況下では、凹状部分、凸状部分および平面部分の和は、剤形の表面全体を上回る。
【0162】
好ましい実施形態において、剤形の表面の凸状部分は、凹状部分、凸状部分および平面部分の和に基づいて多くとも95%、より好ましくは多くとも90%、または多くとも85%、なお一層好ましくは多くとも80%または多くとも75%、さらにより好ましくは多くとも70%または多くとも65%、最も好ましくは多くとも60%または多くとも55%、そして詳細には多くとも50%または多くとも45%である。
【0163】
別の好ましい実施形態において、剤形の表面の凹状部分は、凹状部分、凸状部分および平面部分の和に基づいて、少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%または少なくとも15%、なお一層好ましくは少なくとも20%または少なくとも25%、さらに一層好ましくは少なくとも30%または少なくとも35%、最も好ましくは少なくとも40%または少なくとも45%、そして詳細には少なくとも50%または少なくとも55%である。
【0164】
本発明に係る医薬投薬形の好ましい実施形態において、剤形の主要拡張部域に直交する剤形の最大拡張は、前記主要拡張部域に平行な剤形の質量中心から間隔どりされている。本明細書の目的において、剤形の主要拡張部域は、好ましくは、剤形の本体の切れ目に沿って設置できる最大の平らな部分である。この実施形態はさらに
図17A)に示されており、この図は、
図10で描かれた好ましい医薬投薬形の概略断面図を示している。剤形の主要拡張部域(57)に直交する剤形の最大拡張(56)は、前記主要拡張部域(57)に平行な剤形の質量中心(58)から間隔どりされている。
【0165】
好ましくは、剤形の主要拡張部域に直交する剤形の最大拡張から剤形の質量中心までの最も近い距離(59)は少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1.0mm、なお一層好ましくは少なくとも1.5mm、さらにより好ましくは少なくとも2.0mm、最も好ましくは2.5mm、そして詳細には少なくとも3.0mmである。
【0166】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、拡張方向E
2に増大する量の力を加えた場合に剤形がまず最初に変形され、力の量が破壊強度B
2に達した時点で変形が剤形の崩壊を導く牽引力を引き起こすような形状を有する。
【0167】
好ましい実施形態において、主要拡張方向に直交し剤形の質量中心を含む医薬投薬形の断面部域は、その部域の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%そして詳細には少なくとも75%が質量中心から少なくとも0.2mm、少なくとも0.3mm、少なくとも0.4mmまたは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも0.6mm、少なくとも0.7mm、少なくとも0.8mmまたは少なくとも0.9mm、なお一層好ましくは少なくとも1.0mm、少なくとも1.1mm、少なくとも1.2mmまたは少なくとも1.3mm、さらにより好ましくは少なくとも1.4mm、少なくとも1.5mm、少なくとも1.6mmまたは少なくとも1.7mm、最も好ましくは少なくとも1.8mm、少なくとも1.9mm、少なくとも2.0mmまたは少なくとも2.1mm、そして詳細には少なくとも2.2mm、少なくとも2.3mm、少なくとも2.4mmまたは少なくとも2.5mm間隔どりされているような形状を有する。好ましくは、前記断面部域は、質量中心ならびに拡張方向E
1、または質量中心ならびに拡張方向E
2を含む。この実施形態はさらに
図17B)で示されており、この図中、質量中心(58)は、中心から増大する距離を表わす同心円(60a)〜(60d)によりとり囲まれている。同心輪のいずれとも重複しない断面部域の一部分は、質量中心から輪(60d)の半径より大きく間隔どりされている。
【0168】
本発明に係る医薬投薬形の好ましい実施形態において、剤形内部の各々全ての幾何学的点から剤形の表面までの最も近い距離は、多くとも10mm、多くとも9mm、多くとも8mmまたは多くとも7.5mm;より好ましくは多くとも7.0mm、多くとも6.5mmまたは多くとも6.0mm;なお一層好ましくは多くとも5.8mm、多くとも5.6mm、多くとも5.4mm、多くとも5.2mmまたは多くとも5.0mm;さらにより好ましくは多くとも4.8mm、多くとも4.6mm、多くとも4.4mm、多くとも4.2mmまたは多くとも4.0mm;さらにより好ましくは多くとも3.8mm、多くとも3.6mm、多くとも3.4mm、多くとも3.2mmまたは多くとも3.0mm;最も好ましくは多くとも2.8mm、多くとも2.6mm、多くとも2.4mm、多くとも2.2mmまたは多くとも2.0mm;そして詳細には多くとも1.9mm、多くとも1.8mm、多くとも1.7mm、多くとも1.6mm、多くとも1.5mm、多くとも1.4mm、多くとも1.3mm、多くとも1.2mm、多くとも1.1mm、または多くとも1.0mmである。
【0169】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、その主要拡張方向(主拡張方向)を中心として放射相称でなく、好ましくは医薬投薬形は全く放射相称ではない。
【0170】
好ましい実施形態において、医薬投薬形の対称はSchoenflies表記法にしたがってC
i、C
s、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、C
6、C
7、C
8、C
∞、C
2h、C
3h、C
4h、C
5h、C
6h、C
7h、C
8h、C
∞h、C
2v、C
3v、C
4v、C
5v、C
6v、C
7v、C
8v、C
∞v、C
3i、D
2、D
3、D
4、D
5、D
6、D
7、D
8、D
∞、D
2h、D
3h、D
4h、D
5h、D
6h、D
7h、D
8h、D
∞h、D
2d、D
3d、D
4d、D
5d、D
6d、D
7d、D
8d、D
∞d、S
2、S
4、S
6、S
8、T、T
h、T
d、O、O
hおよびI
hからなる群から選択される。D
2hおよびD
4hが特に好適である。
【0171】
好ましい実施形態において、医薬投薬形の質量中心は剤形の主要拡張部域の内部に存在する。好ましくは、医薬投薬形はその主要拡張部域を中心にして対称である。
【0172】
本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、その拡張方向の少なくとも1つ、すなわちE
1において、ただし好ましくはその拡張方向の2つ以上、より好ましくは複数の拡張方向において少なくとも500Nの破壊強度B
1を有する。
【0173】
拡張方向E
1において、本発明に係る医薬投薬形は好ましくは少なくとも500N、好ましくは少なくとも510N、少なくとも520N、少なくとも530N、少なくとも540Nまたは少なくとも550N;より好ましくは少なくとも560N、少なくとも570N、少なくとも580N、少なくとも590Nまたは少なくとも600N;なお一層好ましくは少なくとも620N、少なくとも640N、少なくとも660N、少なくとも680Nまたは少なくとも700N;さらにより好ましくは少なくとも720N、少なくとも740N、少なくとも760N、少なくとも780Nまたは少なくとも800N;最も好ましくは少なくとも850N、少なくとも900N、少なくとも950N、少なくとも1000Nまたは少なくとも1050N;そして詳細には少なくとも1100N、少なくとも1200N、少なくとも1300N、少なくとも1400N、少なくとも1500N、少なくとも1600N、少なくとも1700N、少なくとも1800N、少なくとも1900Nまたは少なくとも2000Nの破壊強度B
1を有する。
【0174】
E
1は、医薬投薬形の任意の拡張方向、すなわち医薬投薬形の表面上の任意の第1の点を医薬投薬形の表面上の任意の第2の点とを結ぶ任意の直線であってよい。好ましくは、前記直線は、医薬投薬形本体の完全に内部に存在する。すなわち好ましくは、いずれかの場所で医薬投薬形を「離脱」して、他の場所で医薬投薬形に「再進入」することはない。好ましくは、拡張方向E
1の前記第1の点と前記第2の点との間の距離は、医薬投薬形の主要拡張方向の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%である。後者は、それが完全に剤形本体の内部に存在するか否かに関わらず、医薬投薬形の表面上の2点の間の最大の距離(主拡張方向)として定義される。好ましくは、剤形の主要拡張方向は、剤形の質量中心を通る。
【0175】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形の主要拡張方向の長さは32mm以下、より好ましくは30mm以下、なお一層好ましくは28mm以下、さらにより好ましくは26mm以下、最も好ましくは24mm以下、そして詳細には22mm以下である。
【0176】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、破壊強度の測定が行なわれる場合、破壊強度テスター内で変形させられる。変形というのは、典型的には圧縮を意味するが、曲げ、旋回およびその他の変形様式も同じく可能である。拡張方向E
1に100Nの力を加えた場合、剤形は好ましくは少なくとも0.1mmだけ変形するが、壊れることはない。拡張方向E
1に200Nの力を加えた場合、剤形は好ましくは少なくとも0.2mm、より好ましくは少なくとも0.3mm変形するが、壊れることはない。拡張方向E
1に300Nの力を加えた場合、剤形は好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも0.7mm変形するが、壊れることはない。拡張方向E
1に400Nの力を加えた場合、剤形は好ましくは少なくとも1.0mm、より好ましくは少なくとも1.2mm変形するが、壊れることはない。拡張方向E
1に500Nの力を加えた場合、剤形は好ましくは少なくとも1.5mm、より好ましくは少なくとも2.0mm変形するが、壊れることはない。拡張方向E
1に1000Nの力を加えた場合、剤形は好ましくは少なくとも3.0mm、より好ましくは少なくとも4.0mm変形するが、壊れることはない。
【0177】
理論的理由から、全ての医薬投薬形は無限の数の拡張方向を含む。
【0178】
本発明に係る好ましい医薬投薬形の一部の典型的な拡張方向が
図8に示されている。
図8A)は、異なる拡張方向を示す。拡張方向E
9およびE
10は互いに平行であり、拡張方向E
10、E
11およびE
12(そしてE
9)は、(それぞれ)互いに直交する。拡張方向E
9、E
10、E
11およびE
12は、それぞれ部位(43)、(44)、(45)および(46)において医薬投薬形の本体内に入る。拡張方向E
9は、完全に医薬投薬形の本体の内部に存在する;それは、部位(43)で医薬投薬形の本体内に入り、その裏面側(図示せず)で医薬投薬形の本体を離れる。しかしながら、拡張方向E
10は、部位(44)で医薬投薬形の本体に入り、上部前方縁端の裏面側(図示せず)で医薬投薬形の本体から過渡的に離れ、部位(44’)で医薬投薬形の本体に再度進入してから、最終的にその裏面側(図示せず)で医薬投薬形の本体を離れる。拡張方向E
13は、コーナー(47)で医薬投薬形の本体に入り、対角線上反対側のコーナーで医薬投薬形を離れる。拡張方向E
13の点線は、医薬投薬形の表面上の2つの点の間の最大距離を表わしている。すなわち、拡張方向E
13は、医薬投薬形の主要拡張方向である。合計して、
図8A)に描かれた医薬投薬形はこのような主要拡張方向を4つ有している。
【0179】
図8B)は、
図8A)にしたがった医薬投薬形の断面図を示す。断面(48、斜線)は、H字形の形状をとる。医薬投薬形は、相対する側に2つのリセス(50,50’)をもつ矩形形状をとる。換言すると、医薬投薬形は、上部面を迂回する縁端(49)と反対側の面を迂回する縁端(49’)を伴う比較的平担な矩形のサイズを有する。このタイプの医薬投薬形は、いわゆるH−プランジャの備わった打錠ツールにより製造されてよい。
【0180】
図9A)は、
図8A)に描かれている医薬投薬形の断面(48)の概略図である。
図9B)は、
図9A)で描かれた医薬投薬形の断面に類似した本発明に係る医薬投薬形の概略断面図である。しかしながら断面の周縁(49)は丸くなっており(51)、こうして凸状表面部域を形成する。
図9Cは、
図9A)および9B)に描かれている医薬投薬形の断面に類似した本発明に係る医薬投薬形の概略断面図である。リセスの底面にある縁端は丸くなっており(52)、かくして凹状表面部域を形成している。
【0181】
図10は、本発明に係る特に好ましい医薬投薬形の概略図である。
図10A)は、両方の相対する側から見て同一である上面図であり、
図10B)は、同じく両方の相対する側から見て同一である側面図である。
【0182】
直交座標空間では、
図10に概略的に示されている医薬投薬形の主たる寸法を、a、bおよびcと定義づけることができ、ここで、a=a
1+a
2+a
3、b=b
1+b
2+b
3そしてc=c
1+c
2+c
3である。
図10で描かれている医薬投薬形の好ましい相対的寸法D1〜D6は、それぞれ、次のようにa、bおよびc;a
1、a
2およびa
3;b
1、b
2およびb
3;そしてc
1、c
2およびc
3の相対的関係式で定義づけることができる。
【数1】
【0183】
図10で描かれている医薬投薬形の絶対的寸法に関する好ましい実施形態D7〜D18を下表に示す:
【0185】
図10で描かれている医薬投薬形の絶対的寸法に関する好ましい実施形態D19〜D30を下表に示す:
【0188】
本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、第2の拡張方向E
2で破壊強度B
2を有し、ここでB
2<500Nである。
【0189】
拡張方向E
1は、拡張方向E
2と異なる。E
2は、医薬投薬形の任意の拡張方向、すなわち医薬投薬形の表面上の任意の第1の点を医薬投薬形の表面上の任意の第2の点とを結ぶ任意の直線であってよい。好ましくは、前記直線は、医薬投薬形の本体の完全に内部に存在する。すなわち好ましくは、いずれかの場所で医薬投薬形を「離脱」たり、他の場所で医薬投薬形に「再進入」することはない。好ましくは、前記第1の点と前記第2の点との間の距離は、医薬投薬形の主要拡張方向の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%であり、後者は、医薬投薬形の表面上の2点の間の最大の距離として定義される。
【0190】
好ましくは、E
1およびE
2は互いに、10〜170°、より好ましくは20〜160°、なお一層好ましくは30〜150°、さらにより好ましくは40〜140°、最も好ましくは50〜130°、そして詳細には60〜120°の角度を成す。特に好ましい実施形態においてE
1はE
2と直交している。
【0191】
好ましくは、E
2は、医薬投薬形の主要拡張方向(主拡張方向)である。すなわちB
2は、好ましくは、2つのジョーが互いに最大限離隔されているものの各々医薬投薬形と接触するような形で測定装置のジョーの間に医薬投薬形を設置することにより測定可能である。
【0192】
好ましい実施形態において、好ましくは互いに直交するE
1とE
2は、剤形の主要拡張部分の内部に存在し、この主要拡張部域は好ましくは同様に、剤形の質量中心も含んでいる。
【0193】
好ましい実施形態において、B
2は490N未満、480N未満、460N未満、440N未満、または420N未満;より好ましくは400N未満、380N未満、360N未満、340Nまたは320N未満;なお一層好ましくは300N未満、280N未満、260N未満、240N未満または220N未満である。
【0194】
別の好ましい実施形態においは、B
2は少なくとも200N、少なくとも220N、少なくとも240N、少なくとも260N、または少なくとも280N;より好ましくは少なくとも300N、少なくとも320N、少なくとも340N、少なくとも360N、または少なくとも380N;なお一層好ましくは少なくとも420N、少なくとも440N、少なくとも460N、または少なくとも480Nである。
【0195】
好ましくは、B
1対B
2の比は、100:1〜1.1:1、より好ましくは75:1〜1.2:1、なお一層好ましくは50:1〜1.3:1、さらにより好ましくは25:1〜1.4:1、最も好ましくは10:1〜1.5:1そして詳細には5:1〜1.6:1の範囲内にある。
【0196】
好ましくは差B
1−B
2は、少なくとも10N、少なくとも20N、少なくとも30N、少なくとも40Nまたは少なくとも50N、より好ましくは少なくとも60N、少なくとも70N、少なくとも80Nまたは少なくとも90N、なお一層好ましくは少なくとも100N、少なくとも125N、少なくとも150N、少なくとも175Nまたは少なくとも200N、最も好ましくは少なくとも250N、少なくとも300N、少なくとも350N、少なくとも400または少なくとも450N、そして詳細には少なくとも500N、少なくとも600N、少なくとも750または少なくとも1000Nである。
【0197】
本発明に係る医薬投薬形の好ましい実施形態において、B
1およびB
2は、以下の条件C1〜C72の1つを満たす:
【0199】
さらなる好ましい実施形態C73〜C96は、以下の表中で要約されている。
【0201】
B
2<B
1という特性に起因して、本発明に係る医薬投薬形は好ましくは異方性機械的特性を有する、すなわち、その拡張方向のうちの少なくとも一つの方向(E
1)に関するその機械的強度に比べて、その拡張方向のうちの別の方向(E
2)に関して機械的に弱化されている。好ましい実施形態において、機械的弱化の質は、拡張方向E
2に充分な質の力を及ぼすことにより医薬投薬形を一回は破断させ得るものの、このようにして得られた断片は、その拡張方向のいずれか(各々かつ全て)において実質的に破壊耐性がある、すなわちそれらの拡張方向のいずれか(各々かつ全て)において同じ量の力を及ぼしてもそれ以上破断され得ないようなものである。好ましくは、前記力の量は400N、500N、600N、700N、800N、900N、1000N、1100N、1200N、1300N、1400Nまたは1500Nである。その結果、この実施形態によると、医薬投薬形は、拡張方向E
2に充分な量の力を及ぼすことにより一回破断され得るが、加える力を増大させなければそれ以上破断され得ない。好ましくは、医薬投薬形が一回破断された場合に得られる断片の数は制限されており、好ましくは、実質的に同一のまたは異なるサイズおよび/または重量の好ましくはわずか2個、3個、4個、5個または6個の断片のみが得られる。
【0202】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形の表面積S[mm
2]対重量W[mg]の比S/Wは少なくとも0.50mm
2/mgである。好ましくはS/Wは、少なくとも0.51、少なくとも0.52、少なくとも0.53、少なくとも0.54または少なくとも0.55;より好ましくは少なくとも0.56、少なくとも0.57、少なくとも0.58、少なくとも0.59または少なくとも0.60;なお一層好ましくは少なくとも0.61、少なくとも0.62、少なくとも0.63、少なくとも0.64または少なくとも0.65;さらにより好ましくは少なくとも0.66、少なくとも0.67、少なくとも0.68、少なくとも0.69または少なくとも0.70;最も好ましくは少なくとも0.705、少なくとも0.710、少なくとも0.715、少なくとも0.720、少なくとも0.725、少なくとも0.730、少なくとも0.735、少なくとも0.740、少なくとも0.745または少なくとも0.750;そして詳細には少なくとも0.755、少なくとも0.760、少なくとも0.765、少なくとも0.770、少なくとも0.775、少なくとも0.780、少なくとも0.785、少なくとも0.790、少なくとも0.795または少なくとも0.80mm
2/mgである。
【0203】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、
【数2】
という式により定義される合計表面積を有し、ここでAは少なくとも4.5、すなわちS≧
4.5・W
2/3である。
【0204】
例えば、本発明に係る医薬投薬形が623mgの合計重量を有し、その合計表面積Sが好ましくは少なくとも328mm
2(4.5・623
2/3)であり、本発明に係る医薬投薬形が983mgの合計重量を有する場合、その合計表面積Sは好ましくは少なくとも445mm
2(4.5・983
2/3)である。
【0205】
医薬投薬形の合計表面積を測定するための方法は当業者にとって公知である。例えば、合計表面積を、単純な幾何学的考察に基づいて医薬投薬形の三次元拡張から計算してよい(例えば非特許文献7を参照のこと)。
【0206】
例えば、
図11に描かれている従来の錠剤の幾何形状は、2つの球形キャップ(54a)および(54b)の間にある円筒形要素(53)によって記述されてよい。体積V(53)、V(54a)、およびV(54b)ならびに表面積S(53)、S(54a)およびS(54b)は以下の式にしたがって計算可能である:
【数3】
【0207】
近似においては、医薬投薬形を同様に、複数の適切なサイズの同一の立方体体積の要素(ボクセル)に想像上で分割してもよく、合計表面積を、表面にある正方形面積要素(ピクセル)を計数することによって決定してよい。この近似は、さらに
図12に示されており、ここでは、
図8B)にしたがった医薬投薬形は複数のボクセル(55)に分割されている。
【0208】
好ましくは、医薬投薬形の合計表面積を測定する場合、薬理学的に有効な化合物(A)およびポリマーおよび医薬賦形剤を含む剤形の超微細構造、例えばその多孔性は、考慮されない。本明細書の目的では、医薬投薬形の「表面(積)」という用語は、好ましくは、巨視的表面(外部寸法、シルエット)を意味する。換言すると、医薬投薬形の表面積を決定する目的では、表面構造は完全に平滑であるとみなされる。
【0209】
本発明に係る医薬投薬形の好ましい実施形態では、Aは4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9または6.0;より好ましくは6.05、6.1、6.15、6.2、6.25、6.3、6.35、6.4、6.45、6.5、6.55、6.6、6.65、6.7、6.75、6.8、6.85、6.9、6.95、7.0、7.05、7.1、7.15、7.2、7.25、7.3、7.35、7.4、7.45または7.5である。
【0210】
本発明に係る医薬投薬形の別の好ましい実施形態では、Aは7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9または9.0;より好ましくは9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4または10.5;最も好ましくは10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9または12.0;そして詳細には12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4または13.5である。
【0211】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形の合計表面積Sは、
【数4】
(式中、
AおよびWは以上で定義された通りであり、
Bは、多くとも20、より好ましくは多くとも19、なお一層好ましくは多くとも18、さらにより好ましくは多くとも17、最も好ましくは多くとも16であり、詳細には多くとも15である)
という必要条件を満たす。
【0212】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形の合計表面積Sは、少なくとも50mm
2、少なくとも75mm
2、少なくとも100mm
2、少なくとも125mm
2、少なくとも150mm
2、少なくとも175mm
2または少なくとも200mm
2;より好ましくは少なくとも225mm
2、少なくとも250mm
2、少なくとも275mm
2、少なくとも300mm
2、少なくとも325mm
2、少なくとも350mm
2、少なくとも375mm
2または少なくとも400mm
2;なお一層好ましくは少なくとも425mm
2、少なくとも450mm
2、少なくとも475mm
2、少なくとも500mm
2、少なくとも525mm
2;少なくとも550mm
2、少なくとも575mm
2または少なくとも600mm
2;さらにより好ましくは少なくとも625mm
2、少なくとも650mm
2、少なくとも675mm
2、少なくとも700mm
2、少なくとも725mm
2、少なくとも750mm
2、少なくとも775mm
2または少なくとも800mm
2;最も好ましくは少なくとも825mm
2、少なくとも850mm
2、少なくとも875mm
2、少なくとも900mm
2、少なくとも925mm
2、少なくとも950mm
2、少なくとも975mm
2または少なくとも1000mm
2;そして詳細には少なくとも1025mm
2、少なくとも1050mm
2、少なくとも1075mm
2、少なくとも1100mm
2、少なくとも1125mm
2、少なくとも1150mm
2、少なくとも1175mm
2または少なくとも1200mm
2である。
【0213】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形の合計表面積Sは、多くとも1500mm
2、より好ましくは多くとも1400mm
2、なお一層好ましくは多くとも1300mm
2、さらにより好ましくは多くとも1200mm
2、最も好ましくは多くとも1100mm
2、そして詳細には多くとも1000mm
2である。
【0214】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形はいわゆるH−プランジャを用いて製造され、詳細には成形される。このようなH−プランジャを用いて得ることのできる剤形のシルエットは、
図10に概略的に示されている。適切なサイズおよび形状のH−プランジャが市販されている。典型的には、所与のH−プランジャによって得ることのできる剤形の体積および表面積は、H−プランジャのメーカーによって通常提供される式を用いて計算可能である。
【0215】
例えば、NotterGmbH(Germany)は、(
図10中の距離b
2に対応する)剤形の高さをhとして94.3+171.6h[mm
3]の体積および382+52.3h[mm
2]の表面積を成形するH−プランジャを提供する。したがって、例えばこのようなH−プランジャで1,000mg/mm
3の全体的密度を有する圧密された組成物を650mg成形する場合、h=(650−94.3)/171.6=3.24mmという高さを有する剤形が得られる。こうして、前記剤形は、382+52.3・3.24=551mm
2という表面積を有する。A=4.5である場合、551mm
2≧4.5 650
2/3(=337.6mm
2)という必要条件が満たされる。Aが約7.3である場合、551mm
2≧7.3 650
2/3(=547mm
2)という必要条件が満たされるが、Aが7.4である場合、551mm
2≧7.4 650
2/3(=555mm
2)という必要条件が満たされる。
【0216】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、少なくとも50mg、少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mgまたは少なくとも150mg;より好ましくは少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mgまたは少なくとも275mg;なお一層好ましくは少なくとも300mg、少なくとも325mg、少なくとも350mg、少なくとも375mgまたは少なくとも400mg;さらにより好ましくは少なくとも425mg、少なくとも450mg、少なくとも475mg、少なくとも500mgまたは少なくとも525mg;最も好ましくは少なくとも550mg、少なくとも575mg、少なくとも600mg、少なくとも625mgまたは少なくとも650mg;そして詳細には少なくとも675mg、少なくとも700mg、少なくとも725mg、少なくとも750mgまたは少なくとも775mgの合計重量Wを有する。好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の合計重量は、0.01g〜1.5gの範囲、より好ましくは0.05g〜1.2g、さらに一層好ましくは0.1g〜1.0g、最も好ましくは0.2g〜0.9g、そして詳細には0.25g〜0.8gの範囲内にある。
【0217】
医薬投薬形の破壊強度を特定の拡張方向でひとたび測定したならば、剤形の外部形状を考慮に入れて前記拡張方向でのその引張り強度を計算してよい。例えば、以下の等式にしたがって、従来の錠剤の引張り強度を計算することができる:TS=2×P/π×D×t(なお式中TSは、引張り強度(N・cm
−2、MPa)であり、Pは錠剤の破壊強度(N)であり、Dは錠剤の直径(cm)であり、tは錠剤の厚み(cm)である。当業者であれば、剤形の外部形状を修正する場合の上述の式の修正方法が分かっている。この点に関して、例えば非特許文献8、非特許文献9および非特許文献10を参照とすることができる。
【0218】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは少なくとも拡張方向E
1において少なくとも2.5N/cm
2、少なくとも3.0N/cm
2、少なくとも3.5N/cm
2、少なくとも4.0N/cm
2、少なくとも4.5N/cm
2、少なくとも5.0N/cm
2、少なくとも6.0N/cm
2、少なくとも7.5N/cm
2、少なくとも10.0N/cm
2、少なくとも12.5N/cm
2または少なくとも15.0N/cm
2;より好ましくは少なくとも17.5N/cm
2、少なくとも20.0N/cm
2、少なくとも22.5N/cm
2または少なくとも25.0N/cm
2;なお一層好ましくは少なくとも27.5N/cm
2、少なくとも30.0N/cm
2、少なくとも32.5N/cm
2または少なくとも35.0N/cm
2;さらにより好ましくは少なくとも37.5N/cm
2、少なくとも40.0N/cm
2、少なくとも42.5N/cm
2または少なくとも45.0N/cm
2;最も好ましくは少なくとも47.5N/cm
2、少なくとも50.0N/cm
2、少なくとも52.5N/cm
2または少なくとも55.0N/cm
2;そして詳細には少なくとも57.5N/cm
2、少なくとも60.0N/cm
2、少なくとも62.5N/cm
2または少なくとも65.0N/cm
2という引張り強度を有する。
【0219】
本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは高い衝撃強度を示す。
【0220】
例えば、医薬投薬形の落下衝撃強度は好ましくは約0%である。落下衝撃強度は、錠剤を50cmの高さからステンレス鋼版上に落下させた場合に得られる破壊比であり、{(壊れた錠剤数)/(テストされた錠剤数)}100(%)により定義される。
【0221】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の衝撃強度は、ハンマーにより細砕され得ないほど充分高いものである。好ましくは、500gの重量を有するハンマーにより手持ちで5回打撃を加えた場合、医薬投薬形を細砕することはできない。好ましい実施形態において、医薬投薬形はこの衝撃強度を周囲温度で示すだけでなく+4℃未満(冷蔵庫)、より好ましくは−33℃未満(ディープフリーザー)、最も好ましくは−77℃未満(ドライアイス)、そして詳細には−190℃未満(液体窒素)でもそれを示す。
【0222】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、少なくとも1つの拡張方向、好ましくは拡張方向E
1で、少なくとも75N、より好ましくは少なくとも100N、なお一層好ましくは少なくとも125N、さらにより好ましくは少なくとも140N、最も好ましくは少なくとも150Nおよび特に少なくとも160Nを示す。好ましくは、切断試験は30mm/分の試験速度で、0.30mmの厚みを有する汎用ガラスクリーニングブレード(glass cleaning blade)を用いて、DIN EN ISO604に準じて実施される。
【0223】
本発明に係る医薬投薬形の脆砕度(friability)は、例えばヨーロッパ薬局方(Ph,Eur)の仕様に準じて、Pharmatest PTF−E装置(Hainburg、Germany)を用いて測定可能である。好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の脆砕度は、多くとも0.50%、より好ましくは多くとも0.40%、なお一層好ましくは多くとも0.30%、さらにより好ましくは多くとも0.20%、最も好ましくは多くとも0.10%、そして詳細には多くとも0.05%である。
【0224】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、少なくとも0.80または少なくとも0.85g/cm
3、より好ましくは少なくとも0.90または少なくとも0.95g/cm
3、なお一層好ましくは少なくとも1.00、少なくとも1.05または少なくとも1.10g/cm
3、最も好ましくは0.80〜1.35g/cm
3の範囲内、そして詳細には0.95〜1.25g/cm
3の範囲内の全体的密度を有する。
【0225】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、1.00±0.30g/cm
3、より好ましくは1.00±0.25g/cm
3、なお一層好ましくは1.00±0.20g/cm
3、さらにより好ましくは1.00±0.15g/cm
3、最も好ましくは1.00±0.10g/cm
3、そして詳細には1.00±0.05g/cm
3の範囲内の全体的密度を有する。別の好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、1.10±0.30g/cm
3、より好ましくは1.10±0.25g/cm
3、なお一層好ましくは1.10±0.20g/cm
3、さらにより好ましくは1.10±0.15g/cm
3、最も好ましくは1.10±0.10g/cm
3、そして詳細には1.10±0.05g/cm
3の範囲内に入る全体的密度を有する。さらに別の実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、1.20±0.30g/cm
3、より好ましくは1.20±0.25g/cm
3、なお一層好ましくは1.20±0.20g/cm
3、さらにより好ましくは1.20±0.15g/cm
3、最も好ましくは1.20±0.10g/cm
3、そして詳細には1.20±0.05g/cm
3の範囲内に入る全体的密度を有する。好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の全体的密度は、1.00±0.02g/cm
3、1.02±0.02g/cm
3、1.04±0.02g/cm
3、1.06±0.02g/cm
3、1.08±0.02g/cm
3、1.10±0.02g/cm
3、1.12±0.02g/cm
3、1.14±0.02g/cm
3、1.16±0.02g/cm
3、1.18±0.02g/cm
3、1.20±0.02g/cm
3、1.22±0.02g/cm
3、1.24±0.02g/cm
3、1.26±0.02g/cm
3、1.28±0.02g/cm
3、1.30±0.02g/cm
3、1.32±0.02g/cm
3、1.34±0.02g/cm
3、1.36±0.02g/cm
3、1.38±0.02g/cm
3、または1.40±0.02g/cm
3である。
【0226】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、比較的均質な密度分布により特徴づけされる。好ましくは、各々1.0mm
3の体積を有する医薬投薬形の2つのセグメントの密度には、互いに±10%以下、より好ましくは±7.5%以下、なお一層好ましくは±5.0%以下、最も好ましくは±2.5%以下、そして詳細には±1.0%以下だけの偏差がある。医薬投薬形がフィルムコートされている場合、各々1.0mm
3の体積を有する医薬投薬形の前記2つのセグメントは好ましくは、コアのセグメントである、すなわちいかなるコーティング材料も含まない。
【0227】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは押出によって熱成形されるが、高温でのプレス成形などのその他の熱成形方法を用いて本発明に係る剤形を製造してもよい。
【0228】
本発明に係る医薬投薬形は、本明細書に関しては「構成要素」(A)とも呼ばれる、薬理学的に有効な化合物(A)を含む。
【0229】
好ましい薬理学的に有効な化合物(A)はすでに、本発明の第1および第2の態様に関連して、薬学的に活性な成分および乱用の可能性のある薬学的に活性な成分として言及されてきた。
【0230】
好ましい実施形態において、周囲条件下で純水中における構成要素(A)の溶解度は、少なくとも1.0g/L、より好ましくは少なくとも5.0g/L、なお一層好ましくは少なくとも10g/L、さらにより好ましくは少なくとも25g/L、最も好ましくは少なくとも50g/L、そして詳細には少なくとも100g/Lである。
【0231】
別の好ましい実施形態において、周囲条件下で、純水中における構成要素(A)の溶解度は多くとも1.0g/L、より好ましくは多くとも0.5g/L、なお一層好ましくは多くとも0.1g/L、さらにより好ましくは多くとも0.05g/L、最も好ましくは多くとも0.01g/Lそして詳細には多くとも0.005g/Lである。
【0232】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、医薬調製物としての医薬投薬形の使用を正当化しその活性の原因である薬学的に有効な量の薬理学的に有効な化合物(A)を含有する。原則として本発明に係る医薬投薬形において考慮に入れてよい薬理学的に有効な化合物(A)は、任意の公知の医薬物質であり、ここでこれらの物質はそのままの状態で、その誘導体、詳細にはエステルまたはエーテルの形で、または各々の場合において対応する生理学的に許容される化合物、詳細にはその対応する塩または溶媒和物の形、ラセミ化合物としてまたは1つ以上の立体異性体(光学異性体またはジアステレオマー)の形で、本発明に係る医薬投薬形中に存在していてよい。
【0233】
本発明に係る医薬投薬形は、単一の医薬投薬形中で数多くの薬理学的に有効な化合物(A)を投与するために適している。好ましくは、医薬投薬形は、1つの特定の薬理学的に有効な化合物(A)しか含まない。
【0234】
医薬投薬形の合計量に基づいた薬理学的に有効な化合物(A)の量は、好ましくは0.01〜95重量%、より好ましくは0.5〜80重量%、なお一層好ましくは1.0〜70重量%、最も好ましくは5.0〜60重量%、そして詳細には10〜50重量%の範囲内にある。好ましい実施形態において、それは20重量%超である。
【0235】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、薬理学的に有効な化合物(A)として向精神作用物質を含む。
【0236】
当業者は、どの物質が向精神作用を有するかを知っている。精神的プロセスに影響を及ぼす物質は、一般に、向精神作用を有する。すなわち、これらは、精神的機能に対して特異的に作用する。こうして向精神作用を有する物質は、情緒に影響を及ぼし、それを高揚または減退させ得る。本明細書の目的では、向精神作用をもつ物質は、詳細にはオピオイド、覚醒剤、精神安定剤(例えば、バルビツール酸系催眠薬およびベンゾジアゼピン系睡眠薬)およびその他の麻薬を含む。向精神作用を有する物質は、詳細には不適切に(特に乱用を意図して)投与された場合に、適切な経口投与に比べた活性化合物レベルの加速された増大を引き起こし、乱用者に所望の効果すなわち「興奮」または「陶酔感」を与える物質を含む。この興奮は同様に、粉末化された医薬投薬形を経鼻投与した場合、すなわち経鼻吸引した場合にも得られる。向精神作用を有する物質は、好ましくは、(適切用量および医薬投薬形で、かつ適切に投与された場合に)、ヒトの精神活動および/または知覚に影響を及ぼす物質であり、こうしてこれらの物質は根本的に乱用に適している。
【0237】
詳細には、本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは、オピオイド[A07DA、N01AH、N02A、R05DA,R05FA];バルビツール酸素系催眠薬[N01AF、N01AG、N03AA];ベンゾジアゼピン誘導体[N03AE];アヘン剤依存症を治療するための作用物質[N07BC];抗不安薬[N05B];睡眠薬および鎮静剤[N05C];精神刺激薬、注意欠陥活動性障害(ADHD)治療用作用物質および向知性薬[N06B];制吐薬[A04A];ダイエット製品を除く抗肥満調製物[A08A];中枢性骨格筋弛緩薬[M03B];および解毒剤[V03AB]からなる群から選択された向精神作用性物質を含む。角カッコ内に記されている略語は、ここでは、医薬物質を分類するためにWHOにより使用される通りの(好適な版:2007年、または2008年度版)ATCインデックス(「Gelbe Liste」)に対応する。
【0238】
本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、オピオイド、バニロイド受容体モジュレータ、セロトニン/ノルエピネフリン/ドーパミンモジュレータ、GABAモジュレータ、NMDA拮抗薬、イオンチャンネルブロッカー/モジュレータ、カナビオノイドおよびその他のNSAIDSを含む。
【0239】
以下のアヘン剤、オピオイド、精神安定剤またはその他の麻酔薬は、向精神作用を伴う物質、すなわち乱用の可能性をもつ物質であり、したがって好ましくは本発明に係る医薬投薬形の中に含まれる:すなわち、アルフェンタニル、アロバルビタール、アリルプロジン、アルファプロジン、アルプラゾラム、アンフェプラモン、アンフェタミン、アンフェタミニル、アモバルビタール、アニレリジン、アポコデイン、アクソマドール、バルビタール、ベミドン、ベンジルモルヒネ、ベンジトラミド、ブロマゼパム、ブロチゾラム、ブプレノルフィン、ブトバルビタール、ブトルファノール、カマゼパム、カルフェンタニル、カシン/D−ノルシュードエフェドリン、クロルジアゼポキシド、クロバザムクロフェダノール、クロナゼパム、クロニタゼン、クロラゼペ−ト、クロチアゼパム、クロキサゾラム、コカイン、コデイン、シクロバルビタール、シクロルファン、シプレノルフィン、デロラゼパム、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジアゼパム、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルフォン、ジメノキサドール、ジメフェタモール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、ドロナビノール、エプタゾシン、エスタゾラム、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルロフラゼペート、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、フェンカムファミン、フェネチリン、フェンピプラミド、フェンプロプレックス、フェンタニル、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ハラゼパム、ハロキサゾラム、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ヒドロキシメチルモルヒナン、ケタゾラム、ケトベミドン、レバセチルメタドール(LAAM)、レボメタドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、レボゼマシン、リスデクキサンフェタミンジメシレート、ロフェンタニル、ロプラゾラム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マジンドール、メダゼパム、メフェノレックス、メペリジン、メプロバメート、メタポン、メプタジノール、メタゾシン、メチルモルヒネ、メトアンフェタミン、メタドン、メタカロン、3−メチルフェンタニル、4−メチルフェンタニル、メチルフェニデート、メチルフェノバルビタール、メチプリロン、メトポン、ミダゾラム、モダフィニル、モルヒネ、ミロフィン、ナビロン、ナルブフェン、ナロルフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ニメタゼパム、ニトラゼパム、ノルダゼパム、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキサゼパム、オキサゾラム、オキシコドン、オキシモルフォン、ケシ、パパベレタム、ペルノリン、ペンタゾシン、ペントバルビタール、ペチジン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、フォルコデイン、フェンメトラジン、フェノバルビタール、フェンテルミン、ピナゼパム、ピプラドロール、ピリトラミド、プラゼパム、プロファドール、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、レミフェンタニル、セクブタバルビタール、セコバルビタール、スフェンタニル、タペンタドール、テマゼパム、テトラゼパム、チリジン(シスおよびトランス)、トラマドール、トリアゾラム、ビニルビタール、N−(1−メチル−2−ピペリジノエチル)−N−(2−ピリジル)−プロピオンアミド、(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(1R,2R,4S)−2−(ジメチルアミノ)メチル−4−(p−フルオロベンジルオキシ)−1−(m−メトキシフェニル)−シクロヘキサノール、(1R,2R)−3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘキシル)フェノール、(1S,2S)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)フェノール、(2R,3R)−1−ジメチルアミノ−3(3−メトキシフェニル)−2−メチル−ペンタン−3−オール、(1RS,3RS,6RS)−6−ジメチルアミノメチル−1−(3−メトキシフェニル)−シクロヘキサン−1,3−ジオール、(好ましくはラセミ化合物として)、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)フェニル2−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘクス−1−エニル)−フェニル2−(4−イソブチル−フェニル)プロピオネート、3−(2−ジメチルアミノメチル−シクロヘクス−1−エニル)−フェニル2−(6−メトキシフ−ナフタレン−2−イル)プロピオネート、(RR−SS)−2−アセトキシ−4−トリフルオロメチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−トリフルオロ-メチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−4−クロロ−2−ヒドロキシ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メチル−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノ-メチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2−ヒドロキシ−5−ニトロ−安息香酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−フェニルエステル、(RR−SS)−2’,4’−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸3−(2−ジメチルアミノメチル−1−ヒドロキシ−シクロ−ヘキシル)−フェニルエステルおよび対応する立体異性体化合物、各々の場合においてその対応する誘導体、生理学的に許可される光学異性体、立体異性体、ジアステレオマーおよびラセミ化合物ならびにその生理学的に許容される誘導体、例えばエーテル、エステルまたはアミド、そして各々の場合においてその生理学的に許容される化合物、詳細にはその塩および溶媒和物例えば塩酸塩。
【0240】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、DPI−125、M6G(CE−04−410)、ADL−5859、CR−665、WRP290およびセバコイルジナルブフィンエステルからなる群から選択されるオピオイドを含む。
【0241】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形はオキシモルホン、ヒドロモルホンおよびモルヒネからなる群から選択された1つ以上の薬理学的に有効な化合物(A)を含む。
【0242】
別の好ましい実施形態において、薬理学的に有効な化合物(A)は、タペンタドール、ファキセラドールおよびアキソマドールからなる群から選択される。
【0243】
本明細書の目的のため、薬理学的に有効な化合物(A)の血漿濃度から決定されてよい薬物動態パラメータは、以下のように定義される:
【0245】
上述のパラメータは各々の場合において、全ての調査対象患者/被験者についての個々の値の平均値として記述されている。
【0246】
当業者であれば、血漿中で測定された有効成分濃度から有効成分の薬物動態パラメータを計算する方法を知っている。これに関連して、例えば非特許文献11を参照してよい。
【0247】
好ましい実施形態において、本発明に係る剤形の好ましくは経口での投与の後、生体内で平均ピーク血漿レベル(Cmax)は平均してt
max4.0±2.5時間の後、より好ましくはt
max4.0±2.0時間の後、なお一層好ましくはt
max4.0±1.5時間の後、最も好ましくはt
max4.0±1.0時間の後、そして詳細にはt
max4.0±0.5時間の後に達成される。別の好ましい実施形態において、本発明に係る剤形の好ましくは経口での投与後、生体内で平均ピーク血漿レベル(C
max)は、平均してt
max5.0±2.5時間の後、より好ましくはt
max5.0±2.0時間の後、なお一層好ましくはt
max5.0±1.5時間の後、最も好ましくはt
max5.0±1.0時間の後、そして詳細にはt
max5.0±0.5時間の後に達成される。なお一層好ましい実施形態において、本発明に係る剤形の好ましくは経口投与後、生体内で平均ピーク血漿レベル(C
max)は平均t
max6.0±2.5時間の後、より好ましくはt
max6.0±2.0時間の後、なお一層好ましくはt
max6.0±1.5時間の後、最も好ましくはt
max6.0±1.0時間の後、そして詳細には
max6.0±0.5時間の後に達成される。
【0248】
好ましい実施形態において、生体内での本発明に係る剤形の好ましくは経口での投与の後のt
1/2についての平均値は、4.3±2.5時間、より好ましくは4.3±2.0時間、なお一層好ましくは4.3±1.5時間、最も好ましくは4.3±1.0時間、そして詳細には4.3±0.5時間である。別の好ましい実施形態において、本発明に係る剤形の好ましくは経口での投与後の生体内でのt
1/2についての平均値は、好ましくは5.3±2.5時間、より好ましくは5.3±2.0時間、なお一層好ましくは5.3±1.5時間、最も好ましくは5.3±1.0時間、そして詳細には5.3±0.5時間である。なお一層好ましい実施形態において、本発明に係る剤形の好ましくは経口での投与後の生体内でのt
1/2についての平均値は、好ましくは6.3±2.5時間、より好ましくは6.3±2.0時間、なお一層好ましくは6.3±1.5時間、最も好ましくは6.3±1.0時間、そして詳細には6.3±0.5時間である。
【0249】
好ましい実施形態において、薬理学的に有効な化合物(A)は、タペンタドールまたはその生理学的に許容される塩であり、本発明に係る剤形の好ましくは経口投与の後、生体内で曲線下の合計面積AUC
0〜∞についての平均値は825±600ng・h/mL、より好ましくは825±500ng・h/mL、なお一層好ましくは825±400ng・h/mL、さらにより好ましくは825±300ng・h/mL、最も好ましくは825±200ng・h/mL、そして詳細には825±100ng・h/mLである。別の好ましい実施形態において、薬理学的に有効な化合物(A)はタペンタドールまたはその生理学的に許容される塩であり、本発明に係る剤形の好ましくは経口での投与後、生体内で曲線下の合計面積AUC
0〜∞についての平均値は1100±600ng・h/mL、より好ましくは1100±500ng・h/mL、なお一層好ましくは1100±400ng・h/mL、さらにより好ましくは1100±300ng・h/mL、最も好ましくは1100±200ng・h/mL、そして詳細には1100±100ng・h/mLである。
【0250】
好ましい実施形態において、薬理学的に有効な化合物(A)は、タペンタドールまたはその生理学的に許容される塩であり、本発明に係る剤形の好ましくは経口投与の後、生体内でC
maxの平均値は63±40ng/mL、より好ましくは63±30ng/mL、なお一層好ましくは63±20ng/mL、さらにより好ましくは63±15ng/mL、最も好ましくは63±10ng/mL、そして詳細には63±5ng/mLである。別の好ましい実施形態において、薬理学的に有効な化合物(A)はタペンタドールまたはその生理学的に許容される塩であり、本発明に係る剤形の好ましくは経口での投与後、生体内でC
maxの平均値は、89±40ng/mL、より好ましくは89±30ng/mL、なお一層好ましくは89±20ng/mL、さらにより好ましくは89±15ng/mL、最も好ましくは89±10ng/mL、そして詳細には89±5ng/mLである。
【0251】
特に好ましい実施形態において、薬理学的に有効な化合物(A)はタペンタドールまたはその生理学的に許容される塩であり、本発明に係る医薬投薬形は、それぞれ200mgおよび250mgの投薬量でタペンタドールまたはその生理学的に許容される塩を含む製剤に対する生物学的等価物であり、以下の薬物動態データによって特徴づけされる:
【0253】
当業者は、生物学的等価物を達成するためにどのような要件を満たさなくてはならないかを認識している。この点に関しては、例えば非特許文献12、非特許文献13、および非特許文献14を参照することができる。
【0254】
一般に、2つの医薬品は、それらが薬学的に等価であるか薬学的代替物である場合そして同じモル用量での投与後のそれらの生物学的利用能が、効率および安全性の両方に関してそれらの効果が本質的に同じになるほどまで類似している場合に、生物学的に等価である。好ましくは、90%の信頼区間に基づいてANOVAを用いて統計学的データを分析すべきである。例えば、AUC−比に関しては、相対的生物学的利用能のこの尺度についての90%信頼区間は、0.80〜1.25の許容区間の内部になくてはならず、Cmax−比に関しては、相対的生物学的利用能のこの尺度についての90%信頼区間は、0.80〜1.25も許容区間の内部にあるべきである。
【0255】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、1,1−(3−ジメチルアミノ−3−フェニル−ペンタメチレン)−6−フルオール−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、詳細にはそのヘミクエン酸塩;1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]インドール、詳細にはそのクエン酸塩;および1,1−[3−ジメチルアミノ−3−(2−チエニル)ペンタメチレン]−1,3,4,9−テトラヒドロピラノ[3,4−b]−6−フルオロ−インドール、詳細にはそのヘミクエン酸塩からなる群から選択された1つ以上の薬理学的に有効な化合物(A)を含む。これらの化合物は、例えば、特許文献24または特許文献25から公知である。対応する明細書が本明細書に参照として援用されており、開示の一部とみなされる。
【0256】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、鼻腔および/または咽頭を刺激する物質、すなわち鼻腔および/または咽頭を介して投与された場合に、患者にとって非常に不快であるため投与を続けることを患者が望まないかまたはそれを不能にする身体反応例えば灼熱感をもたらすか、あるいは例えば鼻汁またはくしゃみの増加に起因して対応する活性化合物の摂取を生理的に妨げる物質を全く含んでいない。鼻腔および/または咽頭を刺激する物質のさらなる例は、灼熱感、そう痒感、くしゃみ切迫感、分泌物形成増加、またはこれらの刺激のうちの少なくとも2つの組合せを引き起こすものである。慣習的に使用すべき対応する物質およびその数量は、当業者にとって公知である。したがって鼻腔および/または咽頭を刺激する物質の一部は辛味物質薬の1つ以上の構成成分または1つ以上の植物部分に基づいている。対応する辛味物質薬はそれ自体当業者にとって公知であり、例えば非特許文献15、82頁以降の中で記述されている。対応する記述は、本明細書に参照により援用されており、開示の一部とみなされている。
【0257】
本発明に係る医薬投薬形はさらに好ましくは、薬理学的に有効な化合物(A)に対する拮抗薬、好ましくは、向精神作用物質、詳細にはオピオイドに対する拮抗薬を全く含んでいない。所与の薬理学的に有効な化合物(A)に適した拮抗薬は、当業者にとっては公知であり、そのままの状態、または対応する誘導体、詳細にはエステルまたはエーテルの形、または各々の場合において対応する生理学的に許容される化合物、詳細にはその塩または溶媒和物の形で存在してよい。本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、各々の場合において任意には対応する生理学的に許容される化合物、詳細には塩基、塩または溶媒和物の形で、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルメフェン、ナリド、ナルメクソン、ナロルフィンまたはナルフィンを含む群から選択された拮抗薬を全く含まず;かつハロペリドール、プロメタシン、フルフェナジン、ペルフェナジン、レボメプロマジン、チオリダジン、ペラジン、クロルプロマジン、クロルプロチキシン、ズクロペンチキソール、フルペンチキソール、プロチペンジル、ゾテピン、ベンペリドール、ピパンペロン、メルペロンおよびブロムペリドールからなる群から選択された化合物などの神経弛緩薬を全く含まない。
【0258】
本発明に係る医薬投薬形はさらに、好ましくは、吐剤を全く含まない。吐剤は、当業者にとって公知であり、そのままの状態、または対応する誘導体詳細にはエステルまたはエーテルの形、または各々の場合において対応する生理学的に許容される化合物詳細にはその塩または溶媒和物の形で存在してよい。本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、トコン(ipecac)の根の1つ以上の構成成分に基づく、例えば非特許文献15中に記述されているような構成成分エメチン系の吐剤を全く含まない。対応する文献の記述は、本明細書に参照により援用され、開示の一部であるとみなされる。本発明に係る医薬投薬形は好ましくは同様に、吐剤としてのアポモルヒネを全く含まない。
【0259】
最後に、本発明に係る医薬投薬形は好ましくは同様に、苦味物質を全く含まない。苦味物質および有効な用量は、特許文献26の中に見出すことができ、この特許の対応する開示は、本出願の開示としてみなされるべきであり、本明細書に参照により援用される。苦味物質の例は、芳香族油、例えばペパーミント油、ユーカリ油、苦扁桃油、メントール、果実香気物質、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ由来の香気物質またはその混合物、および/またはの安息香酸デナトニウムである。
【0260】
したがって本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、鼻腔および/または咽頭を刺激する物質、または薬理学的に有効な化合物(A)の拮抗薬、吐剤、苦味物質のいずれも含まない。
【0261】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、薬理学的に有効な化合物(A)として向精神作用を及ぼさない物質を含む。
【0262】
特に好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、
− 消化器系および代謝疾患の治療および予防用の作用物質[A];詳細には口腔疾病調製物[A01]、酸関連障害の治療および予防用の作用物質[A02]、胃腸管機能障害の治療および予防用作用物質[A03]、セロトニン5HT
3拮抗薬[A04a)A]、抗ヒスタミン調製物[A04a)B]、胆汁および肝臓療法用作用物質[A05]、緩下剤[A06]、腸抗感染薬[A07A]、腸吸着剤[A07B]、炭水化物を伴う電解質[A07C]、腸抗炎症剤[A07E]、微生物性下痢止め薬[A07F]、酵素を含む消化薬[A09]、糖尿病で使用される薬剤[A10]、ビタミン[A11]、ミネラル[A12]、全身的適用向け同化剤[A14]および食欲増進剤[A15]
− 血液および造血臓器の疾患の治療および予防用作用物質[B];詳細には抗血栓剤[B01]、抗出血剤[B02]、抗貧血調製物[B03]、およびその他の血液剤[B06];
− 心臓血管系の治療および予防用作用物質[C];詳細には心臓療法用作用物質[C01]、抗高血圧薬[C02]、利尿薬[C03]、末梢血管拡張剤[C04]、血管保護剤[C05]、抗低血圧薬[C06A]、β―アドレナリン受容体拮抗薬[C07]、カルシウムチャンネル遮断薬[C08]、レニン−アンギオテンシン系に作用する作用物質[C09]および脂質低下剤[C10];
− 皮膚病薬[D];詳細には全身的使用向けの抗真菌剤[D01B]、全身的使用向けの乾癬治療剤[D05B]、全身的使用向けの抗にきび調製物[D10B];
− 泌尿生殖器系疾患の治療および予防用の作用物質および性ホルモン[G];詳細には産婦人科用坑感染薬および消毒薬[G01]、子宮収縮剤[G02A]、交感神経作用性(陣痛抑制剤)[G02CA]、プロラクチン阻害物質[G02CB]、全身的使用向けのホルモン避妊薬[G03]および泌尿器剤[G04];
− 性ホルモンおよびインシュリンを除く全身性ホルモン調製物[H];詳細には下垂体および視床下部ホルモンおよび類似体[H01]、全身的使用向けのコルチコステロイド[H02]、甲状腺調製物[H03]、膵ホルモン[H04]、およびカルシウムホメオスタシス調節用作用物質[H05];
− 全身的使用向けの坑感染薬[J];詳細には全身的使用向けの抗生物質[J01]、全身的使用向けの抗カビ剤[J02]、抗抗酸菌剤[J04]、全身的使用向けの抗ウイルス剤[J05]、免疫血清および免疫グロブリン[J06]、およびワクチン[J07]);
− 抗新生物および免疫抑制薬[L](詳細には抗新生物薬[L01]、内分泌療法薬[L02]、免疫刺激剤[L03]および免疫抑制剤[L04];
− 筋骨格系疾患の治療および予防用の作用物質[M];詳細には抗炎症薬および抗リューマチ薬[M01]、末梢作用性筋弛緩剤[M03A]、直接作用性筋弛緩剤[M03C]、抗痛風調製物[M04]および骨疾患治療薬[M05];
− 神経系疾患の治療および予防用の作用物質[N];詳細にはサリチル酸及びその誘導体[N02 b)A]、ピラゾロン[N02 b)B]、アニリド[N02 b)E]、麦核アルカロイド[N02CA]、コルチコステロイド誘導体[N02CB]、選択的セロトニン5HT
1作動薬[N02CC]、ヒダントイン誘導体[N03 a)B]、オキサゾリジン誘導体[N03 a)C]、スクシンイミド誘導体[N03 a)D]、カルボキサミド誘導体[N03 a)F]、脂肪酸誘導体[N03 a)G]、抗パーキンソン病薬[N04])、抗神経病薬[N05A]、坑うつ薬[N06A]、抗認知症薬[N06D]、副交感神経作用薬[N07A]および抗めまい調製物[N07C];
− 駆虫薬(antiparasitic)製品、殺虫剤および防虫剤[P];詳細には抗原虫薬[P01]、駆虫薬(anthelminitics)[P02] および疥癬虫殺虫剤、殺虫剤および防虫剤を含む外部寄生虫撲滅薬[P03];
− 呼吸器系疾患の治療および予防用の作用物質[R];詳細には経鼻調製物[R01]、経咽頭調製物[R02]、閉塞性気道疾患用薬剤[R03]、鎮咳薬との組合せを除く去痰薬、[R05C]および全身的使用向けの抗ヒスヒタミン剤[R06];
− 感覚器官疾患の治療および予防用の作用物質[S];詳細には耳鼻科薬[S02];および
− 一般ダイエット製品[V06]および治療用放射性医薬品[V10]、
からなる群から選択された1つの薬理学的に有効な化合物(A)または2つ以上のこのような化合物を含むが、ここで角カッコ内に記した略語は、医薬物質を分類するためにWHOが使用するとおりのATCインデックスに対応する(好適な版:2007年または2008年度版)。
【0263】
本発明に係る医薬投薬形は好ましくは、4−アミノメチル安息香酸、アバカビル、アバメクチン、アブシキシマブ、アビベンダン、アブリン、アカンプロセート、アカルボス、アセブトロール、アセクリジン、アセクロフェナク、アセジアスルホン、アセメタシン、アセノクマロール、アセタゾールアミド、アセト酢酸、アセチルジゴキシン、アセチルアンドロメドール、アセチルシステイン、β−アセチルジゴキシン、アセチルヒスタミン、アセチルサリチル酸、アセチルチオコリン、アシクロビル、アシピモックス、アシトレチン、アクラルビシン、アコニチン、塩化アクリフラビニウム、アクリバスチン、アクチノキノール、アシルアミノペニシリン、アダリムマブ、アダパレン、アデフォビル、アデフォビルジピボキシル、アデノシン、アデノシンリン酸、アデノシン三リン酸、アジピオドン、アドレナリン、アエスシン、アガルシダーゼアルファ、アガルシダーゼベータ、アガリシン酸、アジマリン、アラニン、アルベンダゾール、アルクロニウム、アルデスロイキン、アルドステロン、アレムツズマブ、アレンドロン酸、アルファカルシドール、アルフゾシン、アルゲルドレートF、アリトレチノイン、アリザプリド、アラントインF、アロプリノール、アリルイソロダネート、アルマシレートF、アルモトリプタン、α−アセチルジゴキシン、アルプレノロール、アルプロスタジル、アルテプラーゼ、アルミニウムグリシネートF、アルミニウムヒドロキシドF、アルミニウムホスフェートF、アルミニウムトリホルメート、アマンタジン、アンバゾン、アンブロキソール、臭化アンブトニウム、ギ酸、アミカシン、アミデフリン、アミドトリゾ酸、アミホスチン、アミカシン、アミロリド、アミノ酢酸、アミノグルテチミド、アミノフィリン、アミノキヌリド、アミオダロン、アミスルプリド、アミトリプチリン(Amitriptyline)、アミトリプチリン(Amitryptiline)、アムロジピン、アモロルフィン、アモキシシリン、アンホテリシンB、アンピシリン、アンプレナビル、アミルメタクレゾール、アミルニトリル、アナグレリド、アナキンラ、アナストロゾール、アンクロド、アニストレプラーゼ、アンタゾリン、抗トロンビンIII、アポモルヒネ、アプラクロニジン、アプレピタント、アプリンジン、アプロチニン、アルシツモマブ、アルギニン、アリピプラゾール、三酸化ヒ素、アルテメテル、アルチカイン、アスコルビン酸、アスパラギン、L−アスパラギナーゼ、アスパラギン酸、アタザナビル、アテノロール、アトモキセチン、アトルバスタチン、アトシバン、アトバクオン、アトラクリウム、ベシル酸アトラクリウム、アトロピン、アウラノフィン、アザプロパゾン、アザチオプリン、アゼライン酸、アゼラスチン、アジドチミジン、アジトロマイシン、アズロシリン、アズトレオナム、N2−アラニルレボグルタミド、p−アミノサリチル酸、
バカンピシリン、バシトラシン、バクロフェン、バルサラジド、バンブテロール、バメタン、バミピン、バルベキサクロン、硫酸バリウムF、バルニジピン、バシリキシマブ、バトロキソビン、ベカプレルミン、ベクロメタゾン、ベンダムスチン、ベフノロール、ベミパリン、ベナクチジン、ベナゼプリル、ベンシクラン、ベンダザク、ベンドロフルメチアジド、ベンプロペリン、ベンセラジド、ベンザセリド、ベンザチン、ベンザトロピン、ペンズブロマロン、ベンゾカイン、過酸化ベンゾイル、ベンジクラン、ベンジダミン、ベンジルペニシリン、ベンジルフェニルグリコラート、ベータカロテン、ベータヒスチジン、ベータヒスチン、ベータメタゾン、ベタネコール、ベタキソロール、塩化ベタネコール、ベチアチド、ベバシズマブ、ベキサロテン、ベザフィブラート、臭化ビベンゾニウム、ビカルタミド、ビシサット、ビフォナゾール、ビマトプロスト、ビペリデン、ビソプロロール、ビバリルジン、ブレオマイシン、血液凝固因子VII、VIII、IX、X、XIII、ボルナピン、ボルナプリン、ボルテゾミブ、ボセンタン、ボツリヌム毒素B型、ブリモニジン、ブリンゾールアミド、ブリブジン、ブロムヘキシン、ブロモクリプチン、ブロムペリドール、ブロムフェニラミン、ブロチゾラム、ブデソニド、ブジピン、ブフェキサマク、ブフロメジル、ブメタニド、ブナゾシン、ブフェニン、ブピバカイン、ブプラノロール、ブプロピオン、ブセレリン、ブスピロン、ブスルファン、ブタラミン、ブタニリカイン、ブテナフィン、ブテタメート、ブチノリン、ブチジド、ブチルスコポラミニウム、
5−クロロカルバクロール、C1−エステラーゼ阻害剤、カベルゴリン、カデキソマーヨウ素、カフェドリン、カルシポトリオール、カルシトニン、カルシトリオール、カミロフィン、カンデサルタンシレキセチル、カンレノイン酸、カペシタビン、カプレオマイシン、カプサイシン、カプトプリル、カラゾロール、カルバルドレートF、カルバマゼピン、カルバサレートカルシウム、カルベノキソロン、カルビドパ、カルビマゾール、カルビノキサミン、カルボプラチン、カルグルミン酸、カルムスチン、カロベリン、カルテオロール、カルベジロール、カスポフンギン、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セファロリジン、セファマンドール、セファゾリン、セフジニル、セフェピム、セフェタメトピボチル、セフィキシム、セフォジジム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォチアム、セフォキシチン、セフピロム、セフポドキシム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セレコキシブ、セリプロロール、セルトパリン、セチリジン、セトリミド、臭化セトリモニウム、セトロレリクス、セツキシマブ、セチルピリジニウム、ケノデオキシコール酸、キニジン、キニン、クエン酸鉄キニンF、タンニン酸キニンF、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロルブチノール、クロルヘキシジン、クロルミダゾール、クロロブタノール、クロロキン、クロロキシレノール、クロルフェナミン、クロルフェネシン、クロルフェノキサミン、クロルプロマジン、クロルプロテアキシン、クロロプロチキシン、クロルタリドン、クロルテトラサイクリン、クロルゾキサゾン、コリン、硫酸コンドロイチン、コリオゴナドトロピンアルファ、絨毛性コリオゴナドトロピン、クリサロビン、キモトリプシン、シクレソニド、シクレタニン、シクロピロックス、シクロスポリン、シドフォビル、シラスタチン、シラザプリル、シメチジン、シナカルセト、シンコカイン、シンナリジン、シノラゼパム、シプロフロキサシン、シサプリド、ベシル酸シサトラクリウム、シスプラチン、シタロプラム、シチコリン、クラドリビン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クレマスチン、クレンブテロール、クリンダマイシン、クリオキノール、クロベタゾール、クロベタゾン、クロブチノール、クロコルトロン、クロドロン酸、クロフィブレート、クロミフェン、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロパミド、クロピドグレル、酢酸クロステボル、クロストリジウムボツリヌム、クロトリマゾール、クロキシキン、クロザピン、コカルボキシラーゼ、コルチシン、コレカルシフェロール、コレセベラム、コレスチポール、コレスチラミン、パルミチン酸コルフォスセリル、コリスチン、亜鉛洗眼薬F、コルチコレリン、コルチコトロピン、コルチゾン、クレゾール、クロコナゾール、クロモグリシン酸、クロタミトン、クリオフルオラン、クマリン、シアナミド、シアノコバラミン、シクリジン、シクロブチロール、シクロペントレート、シクロホスファミド、シクロセリン、シプロヘプタジン、シプロテロン、システイン、シタラビン、シタラビン、
2,4−ジクロロベンジルアルコール、2−ジエチルアミノエタノール、ダカルバジン、ダクリズマブ、ダクチノマイシン、ダルフォプリスチン、ダルテパリン、ダナパロイド、ダナゾール、ダントロレン、ダピプラゾール、ダプソン、ダルベポエチンアルファ、ダリフェナシン、ダウノルビシン、デアノール、デアノレース、デカルバジン、デクタフルルF、デフェリプロン、デフェロキサミン、デラプリル、デメクロサイクリン、デナベリン、デプレオチド、デカリニウム、デスフルラン、デシプラミン、デシルジン、デスラノシド、デスロラタジン、デスメニノール、デスモプレッシン、デソゲストレル、デソキシメタゾン、デオキシリボヌクレアーゼ、デタジミウム、デキサメタゾン、デキシクロルフェニラミン、デキシブプロフェン、デキスケトプロフェン、デキスラゾキサン、デキストラン、デキストロメトルファン、ジアセレイン、ジアセチルモルヒネ、ジベンゼピン、ジボテルミンアルファ、ジクロフェナク、ジクロフェナミド、ジダノシン、ジエネストロール、ジエノゲスト、ジエチルスチルベストロール、ジフロキサシン、ジフルコルトロン、ジフルニサール、ジギトキシン、ジゴキシン、ジヒドララジン、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン、ジヒドロタキステロール、ジイソプロピルアミン、二カリウムクロラゼペート、ジルチアゼム、ジメンヒドリネート、ジメプラノール、ジメルカプロール、ジメチルスルホキシド、ジメチンデン、亜セレン酸二ナトリウム、ジノプロスト、ジノプロストン、ジオスミン、ジフェンヒドラミン、ジフェンオキシレート、ジフェニルピラリン、ジピベフリン、ジプロフィリン、ジピリダモール、ジソピラミド、一酸化二窒素、ジスチグミン、ジスルフィラム、ジトラノール、ジキシラジン、D−ノルシュードエフェドリン、ドベシレートカルシウム、ドブタミン、ドセタキセル、ドフェチリド、ドラセトロン、ドムペリドン、ドネペジル、ドーパミン、ドペキサミン、ドルナーゼアルファ、ドルゾラミド、ドスレピン、ドキサプラム、ドキサゾシン、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、ドキシラミン、ドロフェニン、ドロペリドール、ドロスピレノン、ドロトレコギンアルファ、デュロキセチン、デュタステリド、ジドロゲステロン、N,N′−ジヒドロキシメチル−尿素、
エバスチン、エコナゾール、ヨウ化エコチオペート、エファリズマブ、エファビレンツ、エフロルニチン、鉄III アンモニウムシトレートF、超常磁性酸化鉄、エルカトニン、エレトリプタン、エメダスチン、エメプロニウム、エメプロニウムカラゲナート、エメチン、エムトリシタビン、エナラプリル、エナラプリラト、エンフルラン、エンフビルチド、エノキサシン、エノキサパリン、エンタカポン、エフェドリン、エフェドリンラセフェドリン、エピナスチン、エピネフリン、エピルビシン、エプレレノン、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポプロステノール、エプラジノン、エプロサルタン、エプタコグアルファ、エプチフィバチド、エプトテルミンアルファ、エルドステイン、エルゴカルシフェロール、エルゴメトリン、エルゴタミド、エルタペネム、エリスロマイシン、エスシタロプラム、エスモロール、エソメプラゾール、エストラジオール、エストラムスチン、エストリオール、エストロン、エタクリン酸、エタミバン、エタネルセプト、エタクリジン、エタムブトール、エタベリン、エチニルエストラジオール、エチステロン、エトスクシミド、エチドロン酸、エチレフリン、エトドラク、エトフェナメート、エトフィブレート、エトフィリン、エトミデート、エトノゲストレル、エトポシド、エトリコキシブ、エベロリムス、エキサメタジム、エキセメスタン、エゼチミブ、
3−フルオロチロシン、ファムシクロビル、ファモチジン、フェルバメート、フェルビナク、フェロジピン、フェンブフェン、フェンジリン、フェノフィブレート、フェノテロール、フェンチコナゾール、フェキソフェナジン、フィブリノーゲン、フィブリノリジン、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボキセート、フレカイニド、フルクロキサシリン、フルコナゾール、フルダラビン、フルデオキシグルコース[
18F]、フルドロコスチゾン、フルフェナミン酸、フルマゼニル、フルメタゾン、フルナリジン、フルニソリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルトロン、フルオフェノジン、フルオレセインジラウレート、フルオレセインナトリウム、フルオロメトロン、フルオロウラシル、フルオロリン酸、フルオロシラン、フルオキセチル、フルオキセチン、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルピルチン、フルプレドニデン、フルルビプロフェン、フルタミド、フルチカゾン、フルトリマゾール、フルバスタチン、フルボキサミン、葉酸、フォリトロピンアルファ、フォリトロピンベータ、葉酸、フォメピゾール、フォミビルセン、フォンダパリヌクス、フォルメスタン、フォルモテロール、フォサムプレナビル、フォスカルネット、フォスフェストロール、フォスフォマイシン、フォシノプリル、フォスフェニトイン、フォテムスチン、フラミセチン、フラミセチン、フロバトリプタン、フルベストラント、フロセミド、フサフンギン、フシジン酸、フィチン酸、
ガバペンチン、ガドベン酸、ガドブトロール、ガドジアミド、ガドペンテト酸、ガドテリドール、ガドテル酸、ガドテル酸メグルミン、ガドキセト酸、ガランタミン、ガロパミル、ガンシクロビル、ガニレリクス、ガチフロキサシン、ゲムシタビン、ゲムフィブロジル、ゲンタマイシン、ゲペフリン、ゲストデン、グラチラマー、グリベンクラミド、グリボルヌリド、グリクラジド、グリメピリド、グリピジド、グリキドン、グリソキセピド、グルカゴン、グルタミン、グルタミン酸、グリコピロニウム、臭化グリコピロニウム、グリシルレチン酸、ゴナドレリン、ゴセレリン、グラミシジン、グラニセトロン、グレパフルオキサシン、グリセオフルビン、G−ストロファンチン、グアヤコール、グアネチジン、グアンファシン、
13C−尿素、4−ヒドロキシ酪酸、ハルシノニド、ハロファントリン、ハロメタゾン、ハロペリドール、ハロタン、ヘム、ヘマトポルフィリン、ヘパリン、B型肝炎ワクチン、ヘプタミノール、ヘキソバルビタール、ヘキソベンジン、ヘキソプレナリン、ヒスタミン、ヒスチジン、ホマトロピン、ホモフェナジン、ヒトアルブミン、ヒアルロニダーゼ、ヒドララジン、ヒドラスチニン、ヒドロキノン、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコルチゾン、ヒドロタルシトF、ヒドロキソコバラミン、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシクロロキン、ヒドロキシシン、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシプロゲステロン、ヒドロキシジン、ヒメクロモン、
イバンドロン酸、イボパミン、イブリツモマブチウキセタン、イブプロフェン、イブチリド、イダルビシン、イフォスファミド、イロプロスト、イマチニブ、メシル酸イマチニブ、イミダプリル、イミグルセラーゼ、イミペネム、イミプラミン、イミキモド、イムノシアニン、インダナゾリン、インダパミド、インジナビル、塩化インジウム[
111In]、インドブフェン、インドメタシン、インドラミン、インフリキシマブ、イノシン、インシュリン、インシュリンアスパルト、インシュリンデテミル、インシュリングラルギン、インシュリングルリシン、インシュリンリスプロ、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファコン−1、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ−1a、インターフェロンベータ−1b、インターフェロンガンマ、イオビトリドール、ヨウ素、イオダミド、イオジキサノール、イオフルパン[
123I]、イオヘキソール、イオメプロール、イオパミドール、イオペントール、イオプロミド、イオサルコール、イオトロラン、イオトロクス酸、イオベルソール、イオキサグル酸、イオキシタラム酸、イパトロピウム、イルベサルタン、イリノテカン、イリノテカン、イセパミシン、イソアミニル、イソコナゾール、イソフルラン、イソロイシン、イソニアジド、イソニコチン酸、イソプレナリン、イソソルビド、イソスパグルミン酸、イソトレチノイン、イソクスプリン、イスラジピン、イトラコナゾール、
ジョサマイシン、
過マンガン酸カリウム、カリジノゲナーゼ、カナマイシン、カワイン、ケブゾン、ケタミン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラク、ケトチフェン、コラゲナーゼ、クレオソート、
ラベタロール、ラシジピン、ラクチトール、ラミブジン、ラモトリギン、ランレオチド、ランソプラゾール、ラロニダーゼ、ラタノプロスト、レフノミド、レノグラスチム、レピルジン、レルカニジピン、レトロゾール、ロイシン、ロイプロレリン、レバロルファン、レバミソール、レベチラセタム、レボブノロール、レボブピバカイン、レボカバスチン、レボセチリジン、レボドーパ、レボフロキサシン、レボホリネートカルシウム、レボメプロマジン、レボメタジル、レボノルゲストレル、レボプロピルヘキセドリン、レボシメンダン、レボチロキシン、リドカイン、リンコマイシン、リンダン、リネゾリド、リオチロニン、リシノプリル、リスリド、ロベリン、ロドキサミド、ロフェプラミン、ロメフロキサシン、ロムスチン、ロナゾラク、ロペラミド、ロピナビル、ロラタジン、ロラゼパムオキシド、ロルノキシカム、ロサルタン、ロテプレドノール、ロバスタチン、ルメファントリン、ルトロピンアルファ、リメサイクリン、リネストレノール、リプレシン、リジン、
マガルドレートF、マグネシウムピドラート、L−アスパラギン酸マグネシウム、マンガホジピル、マニジピン、マプロチリン、メベンダゾール、メベベリン、メクロフェノキセート、メクロキサミン、メクロジン、メドロゲストン、メドロキシプロゲステロン、メフェナム酸、メフロキン、メゲストロール、メラガトラン、メリトラセン、メルペロール、メルペロン、メルファラン、メマンチン、メナジオン、メパクリン、メパルトリシン、メフェニトイン、メピンドロール、メピバカイン、メピラミン、メキノール、メルカプタミン、メルカプトプリン、メロペネム、メサラジン、メスナ、メステロロン、メスキシミド、メタクラゼパム、メタミゾール、メトアンフェタミン、メテノロン、酢酸メテノロン、メトホルミン、メタンテリニウム、メタゾールアミド、メテナミン、メチオニン、メトヘキシタール、メトトレキセート、5−メトキシプソラレン、8−メトキシプソラレン、メチル5−アミノレブリネート、臭化メチルベナクチジウム、メチルドーパ、メチルエルゴメトリン、メチルプレドニゾロン、メチルロサニリニウム、メチルテストステロン、塩化メチルチオニウム、メチセルギド、メチルジゴキシン、メチプラノロール、メトクロプラミド、メトプロロール、メチキセン、メトロニダゾール、メキシレチン、メズロシリン、ミアンセリン、ミコナゾール、ミドドリン、ミフェプリストン、ミグリトール、ミグルスタット、ミルナシプラン、ミルリノン、ミルテフォシン、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミルタザピン、ミソプロストール、ミトブロニトール、ミトマイシン、ミトタン、ミトキサトロン、塩化ミバクリウム、ミバクロニウム、ミゾラスチン、モクロベミド、モエキシプリル、モルグラモスチム、モルシドミン、モメタゾン、モノクロロ酢酸、モンテルカスト、モロクトコグアルファ、モキサベリン、モキシフロキサシン、モキソニジン、ムピロシン、ミコフェノール酸モフェチル、
ナジフロキサシン、デカン酸ナドロロン、ナドロパリンカルシウム、ナフチドロフリル、ナフチフィン、ナルブフィン、ナリド、ナルメフェン、ナルメキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルフィン、ナファゾリン、2−ナフトール、ナプロキセン、ナラトリプタン、ナラトリプタン、ナテグリニド、金チオリンゴ酸ナトリウム、フェニル酪酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヨウ化ナトリウム[
131I]、モリブデン酸ナトリウム[
99Mo]、フェニル酪酸ナトリウム、n−ブチル−p−アミノベンゾエート、N−ブチルスコポラミニウムブロミド、ネビボロール、ネドクロミル、ネファゾドン、ネフォパム、ネルフィナビル、ネオマイシン、ネオスチグミン、メチル硫酸ネオスチグミン、ネチルミシン、ネビラピン、n−ヘプチル−2−フェニルグリシネート、ニカルジピン、ニセルゴリン、ニセタミド、ニクロサミン、ニコボキシル、ニコランジル、ニコチン、ニコチンアルデヒド、ニコチンアミド、樹脂酸ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸エステル、ニコチニルアルコール、ニフェジピン、ニフルミン酸、ニフラテル、ニルバジピン、ニメスリド、ニモジピン、ニモラゾール、ニムスチン、ニソルジピン、ニチシノン、ニトレンジピン、酸化窒素、ニトロフラントイン、ニトログリセリン、ニザチジン、N−メチルエフェドリン、ノナコグアルファ、ノニバミド、ノルアドレナリン、ノルエルゲストロミン、ノルエピネフリン、ノルエチステロン、ノルフェネフリン、ノルフロキサシン、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルトリプチリン、ノスカピン、ニスタチン、
塩化オビドキシム、オクタフルオロプロパン、オクトコグアルファ、オクトドリン、オクトレオチド、オダンセトロン、オフロキサシン、オラフルルF、オランザピン、オルメサルタン メドキソミル、オロパタジン、オルサラジン、オメプラゾール、オモコナゾール、オンダンセトロン、オピプラモール、経口コレラワクチン、オルシプレナリン、オルリスタット、オルニプレシン、オルフェナドリン、オセルタミビル、骨形成タンパク質−1:BMP−7、オキサプロジン、オキサトミド、オキシカルバゼピン、酒石酸オキセドリン、オキセタカイン、オキシコナゾール、オキシロフリン、オキシトロピウム、2−オキソ−3−メチル酪酸、2−オキソ−3−メチル吉草酸、2−オキソ−3−フェニルプロピオン酸、2−オキソ−4−メチル吉草酸、オキシプレノロール、オキシブプロカイン、オキシブプロカイン、オキシブチニン、オキシブチニン、オキシフェドリン、オキシメタゾリン、オキシテトラサイクリン、オキシトシン、
パクリタキセル、パリナビル、パリビズマブ、パロノセトロン、パミドロン酸、パンクロニウム、パントプラゾール、パパベリン、パラセタモール、パルアルデヒド、パレコキシブ、パリカルシトール、パルナパリン、パロモマイシン、パロキセチン、ペフロキサシン、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ、ペグビソマント、ペメトレキセド、ペンブトロール、ペンシクロビル、ペンフルリドール、ペニシラミン、ベンペリドール、四硝酸ペンタエリスリチル、ペンタミジン、ペンテトラゾール、ペンテトレオチド、多硫酸ペントサンナトリウム、ペントキシフィリン、ペントキシベリン、ペラジン、過塩素酸、ペルフレナペント、ペルフリソペント、ペルフルトレン、ペルゴリド、ペリンドプリル、ペルフェナジン、フェナセチン、フェナマジド、フェナゾン、フェナゾピリジン、フェニラミン、フェノール、フェノールフタレイン、フェノキシベンザミン、フェノキシメチルペニシリン、フェンプロクモン、フェントラミン、フェニルアラニン、フェニルブタゾン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニルトロキサミン、フェニトイン、フロログルシノール、ホレドリン、フタリルスルファチアゾール、フィゾスチグミン、フィトメナジオン、フィトステロール、ピクリン酸、ピロカルピン、ピメクロリムス、ピモジド、臭化ピナベリウム、ピンドロール、ピオグリタゾン、ピパムペロン、ピパゼテート、臭化ピペクロニウム、ピペミド酸、ピペンゾレート、ピペラシリン、ピプリンヒドリネート、ピラセタム、ピラルビシン、ピルブテロール、ピレンゼピン、ピリトラミド、ピロキシカム、ピブメシリナム、ピゾチフェン、ポドフィロトキシン、ポリドカノール、ポリカルボフィル、リン酸ポリエストラジオール、ポリミキシンB、ポリミキシン−B、ポリスチレンスルホン酸、ポルフィマー、プラジマリン、二酒石酸プラジマリウム、プラミペキソール、プラノプロフェン、プラステロン、プラバスタチン、プラゼパム、プラゾシン、プレドニカルベート、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレガバリン、プログルメタシン、プリジノール、プリロカイン、プリマキン、プリミドン、プリチペンジル、プロカイン、プロカインアミド、プロカルバジル、プロカルバジン、プロサイクリジン、プロゲステロン、プログルメタシン、プログルミド、プログアニル、プロリン、プロメタジン、プロパセタモール、プロパフェノン、プロパノロール、プロピシリン、プロピベリン、プロポフォール、プロプラノロール、プロピルチオウラシル、プロピフェナゾン、プロタミン、硫酸プロタミン、プロテインC、プロチペンジル、プロトロンビン、プロチオナミド、プロチレリン、プロキシメタカイン、プロキシフィリン、プソイドエフェドリン、プルモナール、ピランテル、ピラジンアミド、ピリドスチグミン、臭化ピリドスチグミン、ピリドキシン、3−ピリジルメタノール、ピリメタミン、ピリチオン亜鉛、ピリチノール、ピロガロール、ピルビニウム、エンボン酸ピルビニウム、
塩化水銀アミド、ケチアピン、キナゴリド、キナプリル、キヌプリスチン、
ラベプラゾール、ラセフェドリン、ラセカドトリル、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラミプリル、ラニチジン、ラサギリン、ラスブリカーゼ、ラウバシン、レボキセチン、レパグリニド、レプロテロール、レセルピン、レゾルシノール、レテプラーゼ、レチノール、レビパリン、リバビリン、リボフラビン、リファブチン、リファンピシリン、リファマイシン、リファキシミン、リルメニジン、リルゾール、リメキソロン、リセドロン酸、リスペリドン、リトナビル、リツキシマブ、リバスチグミン、リザトリプタン、臭化ロクロニウム、ロフェコキシブ、ロピニロール、ロピバカイン、ロピバカイン、ロシグリタゾン、赤色硫化水銀F、ロキサチジン、ロキシトロマイシン、
サルブタモール、サリチル酸、サルメテロール、硝酸、亜硝酸、サルベリン、サマリウム[
153Sm]レキシドロナム、サキナビル、六フッ化硫黄、スコポラミン、セレギリン、硫化セレン、セリン、セルモレリン、セルタコナゾール、セルチンドール、セルトラリン、セベラマー、セボフルラン、シブトラミン、塩化銀F、シルデナフィル、シリビニン、シンバスタチン、シロリムス、ホルムアルデヒド溶液、ソリフェナシン、ソマトスタチン、ソマトロピン、ソタロール、スパグルミン酸、スパルテイン、スペクチノマイシン、スピラマイシン、スピラプリル、スピロノラクトン、スタブジン、ストレプトドルナーゼ、ストレプトキナーゼ、ストレプトマイシン、ストロンチウムラネレート、塩化ストロンチウム、ストリキニーネ、スクラルフェートF、スルバクタム、スレソマブ、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジメトキシン、スルファグアニジン、スルファメラジン、スルファメトキサゾール、スルファメトキシジアジン、スルファメトロール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルファチアゾール、スルフィソミジン、スリンダク、スロデキシド、六フッ化硫黄、スルピリド、スルプロストン、スルタミシリン、スルチアム、スマトリプタン、スクサメトニウム、
タカルシトール、タクロリムス、タダラフィル、タモキシフェン、タムスロシン、タソネルミン、タウロリジン、タザロテン、タゾバクタム、テガフル、テイコプラニン、テリスロマイシン、テルミサルタン、テモポルフィン、テモゾロミド、テネクテプラーゼ、テニポシド、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、テノキシカム、テラゾシン、テルビナフィン、テルブタリン、テルフェナジン、テリパラチド、テリジドン、テルリプレッシン、テストステロン、プロピオン酸テストステロン、ウンデカン酸テストステロン、テトラカイン、テトラコサクチド、テトラサイクリン、テトラフルオロボレート−1+、テトロフォスミン、テトリゾリン、塩化タリウム[
201Tl]、テオブロミン、テオドレナリン、テオドレナリン、テオフィリン、チアマゾール、チアミン、チエチルペラジン、チオコルチコシド、チオペンタール、チオリダジン、チオテパ、トレオニン、トロンビン、トロンボキナーゼ、チモール、チロトロピンアルファ、チアガビン、チアネプチン、チアプリド、チボロン、チクロピジン、チルドロン酸、チモロール、チンザパリン、チオコナゾール、チオグアニン、臭化チオトロピウム、チリラザド、チロフィバン、チソプリン、チザミジン、チザニジン、トブラマイシン、トカイニド、トラゾリン、トルブタミド、トルカポン、トルフェナミン酸、トルメチン、トルペリゾン、トルテロジン、トピラメート、トポテカン、トラセミド、トレミフェン、トラマゾリン、トランドラプリル、トラネキサム酸、トラニルシプロミン、トラピジル、トラスツズマブ、トラボプロスト、トラゾドン、トレチノイン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムテレン、トリクロロ酢酸、トリエチルペラジン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン、トリヘキシフェニジル、トリメブチン、トリメカイン、トリメゲストン、トリメタジジン、トリメトプリム、トリミプラミン、トリペレナミン、トリプロリジン、トリプトレリン、トリトクアリン、トロホスファミド、トロマンタジン、トロメタモール、トロピカミド、トロピセトロン、トロスピウム、トリプトファン、塩化ツボクラリン、ツロブテロール、チロキサポール、チロシン、チロトリシン、
ウノプロストン、ウラピド、ウラピジル、ウロキナーゼ、ウルソデオキシコール酸
バラシクロビル、バルデコキシブ、バルガンシクロビル、バリン、バルプロイン酸、バルサルタン、バンコマイシン、バルデナフィル、ベクロニウム、臭化ベクロニウム、ベンラファキシン、ベラパミル、ベルテポルフィン、ビガバトリン、ビロキサジン、ビンブラスチン、ビンカミン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンポセチン、ビキジル、ボリコナゾール、ボツムマブ、
過酸化水素、
ニコチン酸キサンチノール、キシメラガトラン、キシパミド、キシロメタゾリン、
ヨヒンビン、塩化イットリウム
90Y、
ザルシタビン、ザレプロン、ザナミビル、ジドブジン、酢酸亜鉛二水和物、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ジプラシドン、ゾフェノプリル、ゾレドロン酸、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、酒石酸ゾルピデム、ゾニサミド、ゾピクロン、ゾテピン、ズクロパンテキソール及びズクロペンチキソールからなる群から選択された1つ、2つまたはそれ以上の薬理学的に有効な化合物(A)を含む。
【0264】
上述の化合物は、大部分はその国際一般名(INN)により記されており、当業者にとって公知である。さらなる詳細は、例えば、非特許文献16を参照することで見出すことができる。
【0265】
好ましい実施形態において、医薬投薬形はモノリシック構造である。
【0266】
本発明に係る医薬投薬形は、薬理学的に有効な化合物(A)の比較的均質な分布により特徴づけされる。好ましくは、各々1.0mm
3の体積を有する医薬投薬形の2つのセグメント内の薬理学的に有効な化合物(A)の含有量は互いに±10%以下、より好ましくは±7.5%以下、なお一層好ましくは±5.0%以下、最も好ましくは±2.5%以下そして詳細には±1.0%以下だけの偏差がある。医薬投薬形がフィルムコートされている場合、各々1.0mm
3の体積を有する医薬投薬形の前記2つのセグメントは好ましくは、コアのセグメントである、すなわちいかなるコーティング材料も含まない。
【0267】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の全ての構成要素は、医薬投薬形内で比較的質な分布を有する好ましくは、各々1.0mm
3の体積を有する医薬投薬形の2つのセグメント内の各構成要素の含有量は互いに±10%以下、より好ましくは±7.5%以下、なお一層好ましくは±5.0%以下、最も好ましくは±2.5%以下そして詳細には±1.0%以下だけの偏差がある。医薬投薬形がフィルムコートされている場合、各々1.0mm
3の体積を有する医薬投薬形の前記2つのセグメントは好ましくは、コアのセグメントである、すなわちいかなるコーティング材料も含まない。
【0268】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、経口投与のために適合させられる。しかしながら、異なる経路を介して医薬投薬形を投与することも同様に可能であり、かくして医薬投薬形を口腔投与、舌下投与、直腸投与または膣内投与してもよい。インプラントも同様に可能である。
【0269】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、1日1回投与するために適合させられている。別の好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、1日2回の投与のために適合させられている。なお別の好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は1日3回の投与のために適合させられている。
【0270】
本明細書の目的のため、「1日2回」という用語は、各回の投与間の等しい時間的間隔すなわち12時間おき、または異なる時間的間隔例えば8時間と16時間、または10時間と14時間を意味する。
【0271】
本明細書の目的のため、「1日3回」という用語は、各回の投与の間の等しい時間的間隔すなわち8時間おき、または異なる時間的間隔、例えば6時間と6時間と12時間または7時間と7時間と10時間を意味する。
【0272】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、薬理学的に有効な化合物(A)の少なくとも部分的に遅延した放出をもたらす。
【0273】
遅延放出は、本発明によると、好ましくは、長時間の治療的作用を目的として薬理学的に有効な化合物(A)が削減された摂取頻度で比較的長い期間にわたって放出される放出プロフィールを意味するものと理解される。これは詳細には経口投与で達成される。「少なくとも部分的に遅延された放出」という表現は、本発明によると、中に含まれている薬理学的に有効な化合物(A)の修正された放出を確保する任意の医薬投薬形を網羅する。医薬投薬形は、好ましくは、意図的に放出速度または放出場所を変更するように2つの考えられるオプションの組合せによってかまたは特定のプロセスによって、特異的補助物質を用いて生産されるコーティングされたまたはされない医薬投薬形を含む。
【0274】
本発明に係る医薬投薬形の場合、放出時間プロフィールは、例えば、徐放性放出、復効放出、長時間放出および持続放出のように修正してよい。
【0275】
本明細書の目的のため、「徐放性放出」とは好ましくは、活性化合物の放出が有限遅延時間の間遅延され、その後放出が妨害されない製品を意味する。本明細書の目的のため、「復効放出」とは好ましくは、活性化合物の第1の部分が最初放出され、それに続いて少なくとも1つのさらなる活性化合物部分がひき続き放出される製品を意味する。本発明の目的のため、「長時間放出」とは好ましくは、投与後の製剤からの活性化合物の放出速度が、治療的活性を維持するため、毒性効果を削減するため、または一部のその他の治療上の目的のために低減されている製品を意味する。本発明目的のため、「持続放出」というのは好ましくは、長時間にわたり体内に着実に放出させて投薬頻度を少なくするような形での薬の調合方法を意味する。さらなる詳細については、例えば非特許文献17およびヨーロッパ薬局方を参照してよい。
【0276】
本発明に係る医薬投薬形は、少なくとも部分的に更なる遅延放出形態での1つ以上の薬理学的に有効な化合物(A)を含んでいてよく、ここで遅延放出は、例えば遅延放出マトリクス内に物質を包埋させることまたは1つ以上の遅延放出コーティングを塗布することによって、当業者にとって公知の従来の材料およびプロセスを活用して達成可能である。しかしながら物質の放出は、遅延放出材料の添加によって所要破壊強度が損なわれることがないような形で制御されなくてはならない。本発明に係る医薬投薬形からの制御放出は、好ましくは、マトリクス内に物質を包埋することにより達成される。構成要素(C)がこのようなマトリクスとして役立つ。マトリクス材料として作用する補助物質は放出を制御する。マトリクス材料は例えば、そこからの放出が主として拡散により行われる親水性ゲル形成材料、またはそこからの放出が主としてマトリクス中の気孔からの拡散により行われる疎水性材料であってよい。
【0277】
好ましくは、放出プロフィールは実質的に、好ましくは構成要素(C)および任意にはさらなるマトリクス材料を含むマトリクス内に構成要素(A)を包埋することにより、マトリクス制御される。好ましくは、放出プロフィールは浸透圧により駆動されない。好ましくは、放出反応速度はゼロ次ではない。
【0278】
好ましくは、生理学的条件下で、本発明に係る医薬投薬形は、30分後には0.1〜75%、240分後には0.5〜95%、480分後には1.0〜100%そして720分後には2.5〜100%の薬理学的に有効な化合物(A)を放出した。さらなる好ましい放出プロフィールR
1〜R
5が、ここで下表に要約されている[データは全て、放出された薬理学的に有効な化合物(A)の重量%単位]:
【0280】
好ましくは、試験管内条件の下で、医薬投薬形は、0.5時間後1.0〜35重量%、1時間後5.0〜45重量%、2時間後10〜60重量%、4時間後少なくとも15重量%、6時間後少なくとも20重量%、8時間後少なくとも25重量%そして12時間後少なくとも30重量%の、医薬投薬形中にもともと含まれていた薬理学的に有効な化合物(A)を放出した。
【0281】
適切な試験管内条件は当業者にとって公知である。この点に関しては、例えばヨーロッパ薬局方および実験の項を参照することができる。好ましくは、放出プロフィールは、以下の条件下で測定される:シンカーの備わったパドル装置、50rpm、37±5℃、900mLの人工腸液pH6.8(リン酸緩衝液)。好ましい実施形態において、パドルの回転速度は100rpmまで増大させられる。
【0282】
医薬投薬形中に含まれた薬理学的に有効な化合物(A)の好ましい放出プロフィールR
6〜R
11が下表にまとめられている:
【0284】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の放出特性は、実質的に放出媒質のpH値とは無関係である。すなわち、好ましくは、人工腸液中の放出プロフィールは、実質的に人工胃液中の放出プロフィールに対応する。好ましくは、任意の所与の時点において、放出プロフィールは、互いに20%以下、より好ましくは15%以下、なお一層好ましくは10%以下、さらにより好ましくは7.5%以下、最も好ましくは5.0%以下、そして詳細には2.5%以下だけの偏差を示す。
【0285】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、均一の放出プロフィールを示す。好ましくは、薬理学的に有効な化合物(A)の放出プロフィールは、個人間で均一(すなわち同じプロセスから得た医薬投薬形を比較した場合)(
図22参照)であり、かつ/または単一の医薬投薬形内で均一(すなわち同じ医薬投薬形のセグメントを比較した場合)である。好ましくは、各々好ましくは500mgの質量を有する2つのプローブを比較した場合、任意の所与の測定時点についての放出された活性化合物の合計量は、20%以下、より好ましくは15%以下、なお一層好ましくは10%以下、さらにより好ましくは7.5%以下、最も好ましくは5.0%以下、そして詳細には2.5%以下の偏差を示さない。
【0286】
好ましくは本発明に係る剤形、好ましくは錠剤の外部表面全体は、水および構成要素(A)に対し透過性がある、すなわち、好ましくは表面の透水特性はあらゆる場所で同一である。このことはすなわち好ましくは、剤形好ましくは錠剤が、塗布された表面の場所の水の浸透を妨げると思われるバリヤ効果をもつ材料で部分的にコーティングされていないことを意味する。
【0287】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の放出プロフィールは、保管後、好ましくは高温例えば37℃で密封容器内に3ヶ月間保管した後、安定している。この点において、「安定した」という用語は、初期放出プロフィールを保管後の放出プロフィールと比較した場合、任意の所与の時点で放出プロフィールが互いに20%以下、より好ましくは15%以下、なお一層好ましくは10%以下、さらにより好ましくは7.5%以下、最も好ましくは5.0%以下、そして詳細には2.5%以下の偏差を示すことを意味している。(
図24参照)。
【0288】
意外にも、医薬投薬形の外部形状を修正することにより、貯蔵安定性例えば放出プロフィールの貯蔵安定性を、保管前の匹敵する放出プロフィールを有する従来の剤形に比べて増大させることが出来る。
【0289】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形は、本発明のためには、「構成要素(C)」とも呼ばれている少なくとも1つのポリマー(C)を含む。好ましくは、医薬投薬形は、その高い破壊強度(耐圧壊性)に著しく寄与する少なくとも1つの合成、半合成または天然ポリマー(C)を含んでいる。本明細書の目的のため、「半合成」製品が、天然に発生する物質の化学的操作によって生産された。
【0290】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形の機械的特性、詳細にはその破壊強度は、実質的にポリマー(C)の存在に依存するが、前記特性を達成するためには単にその存在だけでは充分ではない。本発明に係る医薬投薬形の有利な特性、詳細にはその機械的特性も、医薬投薬形の調製用の従来の方法を用いて薬理学的に有効な化合物(A)、ポリマー(C)および任意にはさらなる賦形剤を単に加工することによって自動的に達成され得るものではない。事実、調製のためには、通常適切な装置を選択しなければならず、きわめて重要な加工パラメータ、詳細には圧力/力、温度および時間を調整しなければならない。したがって、たとえ従来の装置を使用する場合でも、通常求められる基準を満たすべく加工プロトコルを適合させなくてはならない。
【0291】
好ましくは、ポリマー(C)は水溶性である。好ましくはポリマー(C)は実質的に未分岐である。
【0292】
ポリマー(C)は、特定の平均分子量を有する単一のタイプのポリマーまたは異なるポリマー、例えば2、3、4または5種のポリマー、例えば同じ化学的性質を有するものの平均分子量が異なるポリマー、異なる化学的性質を有するものの平均分子量が同じであるポリマー、または化学的性質も分子量も異なるポリマーの混合物(配合物)を含んでいてよい。
【0293】
個々のポリマーまたはポリマーの組合せは、ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリ(アルク)アクリレート、ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)、例えばポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)(Biopol(登録商標))、ポリ(ヒドロキシ−吉草酸);ポリカプロ−ラクトン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、コハク酸ポリエチレン、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリウレタン、ポリアミド、ポリラクチド、ポリアセタール(例えば、任意に修飾側鎖を伴う多糖類)、ポリラクチド/グリコリド、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコールとポリブチレンテレフタレートのブロックポリマー類(Polyactive(登録商標))、ポリ無水物(Polifeprosan)、そのコポリマー、そのブロックコポリマー、および上述のポリマーのうちの少なくとも2つのポリマーの混合物、または上述の特性を有するその他のポリマーからなる群から選択されてよい。
【0294】
好ましくは、ポリマー(C)はポリアルキレンオキシド、より好ましくはポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、例えばランダムコポリマー、交互コポリマーまたはブロックコポリマーであってよいエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合物または以上のもののいずれかの混合物を含む。
【0295】
特に好ましいのは、少なくとも0.1・10
6g/mol、少なくとも0.2・10
6g/mol、少なくとも0.5・10
6g/mol、少なくとも1.0・10
6g/mol、少なくとも2.5・10
6g/mol、少なくとも5.0・10
6g/mol、少なくとも7.5・10
6g/molまたは少なくとも10・10
6g/mol、好ましくは1.0・10
6g/mol〜15・10
6g/molという好ましくは重量平均分子量(M
W)または粘度平均分子量(Mη)を有する高分子量ポリマーである。M
WまたはMηを決定するための適切な方法は当業者にとって公知である。好ましくは、Mηは、レオロジー的測定を用いて決定され、M
Wは適切な相上のゲル透過クロマトグラフィ(GPC)を用いて決定される。
【0296】
好ましくはポリマー(C)の分子量分散度M
W/Mηは、2.5±2.0、より好ましくは2.5±1.5、なお一層好ましくは2.5±1.0、さらにより好ましくは2.5±0.8、最も好ましくは2.5±0.6、そして詳細には2.5±0.4の範囲内にある。
【0297】
ポリマーは好ましくは、RVF型Brookfield粘度計(スピンドルNo.2/回転速度2rpm)を用いて5重量%の水溶液中で測定した4,500〜17,600cPという25℃での粘度、上述の粘度計(スピンドルNo.1または3/回転速度10rpm)を用いて2重量%水溶液上で測定した400〜4,000cP、または上述の粘度計(スピンドルNo.2/回転速度2rpm)を用いて1重量%の水溶液上で測定した1,650〜10,000cPという25℃での粘度を有する。
【0298】
最も好ましいのは、少なくとも0.2・10
6g/mol、より好ましくは少なくとも0.3・10
6g/mol、なお一層好ましくは少なくとも0.4・10
6g/mol、さらにより好ましくは少なくとも0.5・10
6g/mol、最も好ましくは少なくとも1.0・10
6g/mol、そして詳細には1.0・10
6〜15・10
6g/molの範囲内という重量平均分子量(M
W)または粘度平均分子量(Mη)を有する熱可塑性ポリアルキレンオキシド、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはその(ブロック−)コポリマーである。
【0299】
本発明に係る好ましい実施形態においては、ポリマー(C)は、
− 必然的ではないものの好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)、ポリカプロラクトン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、コハク酸ポリエチレン、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリラクチド、ポリラクチド/グリコリド、ポリラクトン、ポリグリコリド、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリエチレングリコールとポリブチレンテレフタレートのブロックポリマー類、ポリ酸無水物、ポリアセタール、セルロースエステル類、セルロースエーテル類およびそれらのコポリマー類からなる群から選択された少なくとも0.2・10
6g/molの重量平均分子量(M
W)または粘度平均分子量(Mη)も有する少なくとも1つのさらなるポリマー(なお例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエステルおよびセルロースエーテルが特に好適である)、
と組合わせた形で、
− 少なくとも0.2・10
6g/molの重量平均分子量(M
W)または粘度平均分子量(Mη)を有するポリアルキレンオキシド、
を含む。
【0300】
好ましい実施形態において、前記さらなるポリマーは、ポリアルキレンオキシドでもポリアルキレングリコールでもない。それでもなお、医薬投薬形は可塑剤としてポリアルキレングリコールを含んでいてよいが、その場合、医薬投薬形は好ましくはポリマーの三成分混合物すなわち構成要素(C)+さらなるポリマー+可塑剤である。
【0301】
特に好ましい実施形態において、前記さらなるポリマーは100,000±50,000mPas、より好ましくは100,000±20,000mPasの平均粘度を有する親水性セルロースエステルまたはセルロースエーテル、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0302】
好ましくは、前記さらなるポリマーの含有量は、ポリアルキレンオキシドの合計重量に基づいて0.5〜25重量%、より好ましくは1.0〜20重量%、なお一層好ましくは2.0〜17.5重量%、さらにより好ましくは3.0〜15重量%および最も好ましくは4.0〜12.5重量%、そして詳細には5.0〜10重量%となる。
【0303】
好ましい実施形態において、前記ポリアルキレンオキシドとさらなるポリマーの相対的重量比は、20:1〜1:20、より好ましくは10:1〜1:10、なお一層好ましくは7:1〜1:5、さらにより好ましくは5:1〜1:1、最も好ましくは4:1〜1.5:1、そして詳細には3:1〜2:1の範囲内にある。
【0304】
好ましくは、前記さらなるポリマーの含有量は、医薬投薬形の合計重量比に基づいて0.5〜25重量%、より好ましくは1.0〜20重量%、なお一層好ましくは2.0〜22.5重量%、さらにより好ましくは3.0〜20重量%および最も好ましくは4.0〜17.5重量%、そして詳細には5.0〜15重量%となる。
【0305】
何らかの理論により束縛されることは意図されないものの、さらなるポリマーは、たとえ医薬投薬形の製造中に例えば押出などによりポリアルキレンオキシドの分子鎖が部分的に損傷を受けて平均分子量が減少したとしても、薬理学的に有効な化合物(A)の放出に対する最小限の遅延効果を保障する補足的マトリクス材料として役立ち得ると考えられている。さらに、さらなるポリマーは、特にその放出プロフィールに関連して、剤形の貯蔵安定性に寄与すると思われる。
【0306】
当業者にとって公知の生理学的に許容される疎水性材料は、補足的マトリクス材料として使用されてよい。ポリマー、特に好ましくはセルロースエーテル、セルロースエステルおよび/またはアクリル樹脂が好ましくはマトリクス材料として使用される。エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸および/またはそれらの誘導体、例えばそれらの塩類、アミド類またはエステル類をマトリクス材料として使用することがとりわけ好適である。疎水性ポリマー、ロウ、脂肪、長鎖脂肪酸、脂肪アルコールまたは対応するエステルまたはエーテルまたはそれらの混合物などの疎水性物質から調製されたマトリクス材料も好適である。C12−C30脂肪酸および/またはC12−C30脂肪アルコールのモノまたはジグリセリドおよび/またはロウまたはそれらの混合物が、疎水性材料として特に好適に使用される。マトリクス材料として上述の親水性および疎水性材料の混合物を使用することも同様に可能である。
【0307】
好ましくは、ポリマー(C)の全体的含有量は、好ましくは医薬投薬形の合計重量の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%または少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも30重量%、なお一層好ましくは少なくとも40重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%、そして詳細には少なくとも60重量%である。好ましい実施形態において、ポリマー(C)の含有量は、医薬投薬形の合計重量の約20〜約49重量%の範囲内にある。
【0308】
好ましい実施形態において、ポリマー(C)の全体的含有量は、25±20重量%、より好ましくは25±15重量%、最も好ましくは25±10重量%そして詳細には25±5重量%の範囲内にある。別の好ましい実施形態において、ポリマー(C)の全体的含有量は、35±20重量%、より好ましくは35±15重量%、最も好ましくは35±10重量%、そして詳細には35±5重量%の範囲内にある。なお別の好ましい実施形態において、ポリマー(C)の全体的含有量は、45±20重量%、より好ましくは45±15重量%、最も好ましくは45±10重量%、そして詳細には45±5重量%の範囲内にある。さらに別の好ましい実施形態において、ポリマー(C)の全体的含有量は、55±20重量%、より好ましくは55±15重量%、最も好ましくは55±10重量%、そして詳細には55±5重量%の範囲内にある。さらに好ましい実施形態において、ポリマー(C)の全体的含有量は65±20重量%、より好ましくは65±15重量%、最も好ましくは65±10重量%、そして詳細には65±5重量%の範囲内にある。なおさらに好ましい実施形態において、ポリマー(C)の全体的含有量は75±20重量%、より好ましくは75±15重量%、最も好ましくは75±10重量%、そして詳細には75±5重量%の範囲内にある。
【0309】
好ましい実施形態において、ポリマー(C)は、本発明に係る医薬投薬形中で均質に分布させられている。好ましくは、ポリマー(C)は、薬理学的に有効な化合物(A)が中に包埋されているマトリクスを形成する。特に好ましい実施形態において、薬理学的に有効な化合物(A)およびポリマー(C)は、医薬投薬形内に緊密にに分布しており、こうして医薬投薬形は、ポリマー(C)が不在で薬理学的に有効な化合物(A)が存在するかまたは薬理学的に有効な化合物(A)が不在でポリマー(C)が存在するセグメントは一切含んでいない。
【0310】
医薬投薬形がフィルムコーティングされている場合、ポリマー(C)は好ましくは医薬投薬形のコア内に均質に分布している。すなわちフィルムコーティングは好ましくは、ポリマー(C)を含まない。それでもなお、このような状態でフィルムコーティングは当然のことながら1つ以上のポリマーを含んでいるが、ただしこのポリマーはコア内に含まれているポリマー(C)と異なるものである。
【0311】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形はコーティング好ましくはフィルムコーティングを含む。適切なコーティング材料は当業者には公知であり、例えばOpadry(登録商標)およびEudragit(登録商標)という商標の下で市販されている。
【0312】
適切な材料の例としては、セルロースエステル類およびセルロースエーテル類、例えばメチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(Na−CMC)、エチルセルロース(EC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP);ポリ(メタ)アクリレート類、例えばアミノアルキルメタクリレートコポリマー類、エチルアクリレートメチルメタクリレートコポリマー類、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー類、メタクリル酸メチルメタクリレートコポリマー類;ビニルポリマー類、例えばポリビニルピロリドン、酢酸フタル酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル;および天然皮膜形成剤、例えばシェラックが含まれる。
【0313】
特に好ましい実施形態において、コーティングは水溶性である。好ましくはコーティングはポリビニルアルコール例えば部分的に加水分解されたポリビニルアルコールに基づいており、さらに、マクロゴール3350などのポリエチレングリコールおよび/または顔料を含んでいてよい。
【0314】
医薬投薬形のコーティングはその貯蔵安定性を増大させることができる。
【0315】
コーティングは、胃液に対する耐性を有し、放出環境のpH値の関数として溶解し得る。このコーティングを用いて、本発明に係る医薬投薬形が必ず未溶解状態で胃内を通過し、腸内でのみ活性化合物を放出させるようにすることが可能である。胃液に対する耐性をもつコーティングは、好ましくは、5〜7.5の間のpH値で溶解する。活性化合物の遅延放出および胃液耐性あるコーティングの適用のための対応する材料および方法は、例えば非特許文献18に記載されているもののように、当業者にとって公知である。
【0316】
意外にも、医薬投薬形が容易にフィルムコーティング可能であることがわかったが、医薬投薬形の外部形状は、従来の剤形形状から逸脱してよい。例えば、本発明に係る医薬投薬形がH−プランジャを用いて成形される場合、当業者であれば、適切な装置内で剤形上にコーティング材料を噴霧するときに実質的なステープリング(stapling)またはスタッキングそして対形成が発生することを予想すると思われる。剤形のこのようなスタッキングおよび凝集はコーティングの性能ひいてはフィルム品質を劣化させると思われる。しかしながら、意外にも、不規則な形状をもつ医薬投薬形でさえも平滑にコーティングできることが分かっている。
【0317】
特に好ましい実施形態において、
− 医薬投薬形は、好ましくは押出により熱成形され;かつ/または、
− 医薬投薬形の表面の一部分は凸状であり、その表面の別の部分は凹状であり;かつ/または、
− 薬理学的に有効な化合物(A)は向精神作用物質、好ましくは鎮痛剤、より好ましくはオピオイド、覚醒剤、精神安定剤(例えばバルビツール酸系催眠薬およびベンゾジアゼピン系催眠剤)そしてその他の麻酔剤からなる群から選択された薬剤であり;かつ/または、
− 薬理学的に有効な化合物(A)の含有量は剤形の合計重量に基づいて少なくとも0.5重量%であり;かつ/または、
− ポリマー(C)は、少なくとも200,000g/mol、好ましくは少なくとも500,000g/mol、より好ましくは1,000,000〜10,000,000g/molの範囲内の重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドであり;かつ/または、
− ポリアルキレンオキシドの含有量は、剤形の合計重量に基づいて少なくとも15重量%であり;かつ/または、
− オピオイドはポリアルキレンオキシド内すなわちポリアルキレンオキシドによって形成されたマトリクス内に包埋され;かつ/または、
− 医薬投薬形は可塑剤、好ましくはポリエチレングリコールを含み;かつ/または、
− 前記可塑剤の含有量は、剤形の合計重量に基づいて少なくとも5重量%であり;かつ/または、
−ポリマー(C)以外に、医薬投薬形はセルロースエーテル、セルロースエステルおよびアクリレート、好ましくはHPMCからなる群から選択されたさらなるポリマーを含み;かつ/または、
− 前記さらなるポリマーの含有量は、剤形の合計重量に基づいて少なくとも1重量%であり;かつ/または、
− 医薬投薬形は、酸化防止剤、好ましくはα―トコフェロールを含み;かつ/または、
− 前記酸化防止剤の含有量は、剤形の合計重量に基づいて少なくとも0.05重量%であり;かつ/または
− 医薬投薬形は、1日1回または1日2回の経口投与向けに適合されており;かつ/または、
− 医薬投薬形はコーティング、好ましくはフィルムコーティングを含む。
【0318】
医薬投薬形(A)およびポリマー(C)以外に、本発明に係る医薬投薬形は、従来の医薬賦形剤などのさらなる構成成分を含んでいてよい。
【0319】
好ましい実施形態において、医薬投薬形は、本発明の目的のため、「構成要素(D)」とも呼ばれる少なくとも1つの天然、半合成または合成ロウ(D)を含む。好ましいロウは、少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも55℃、なお一層好ましくは少なくとも60℃、最も好ましくは少なくとも65℃そして詳細には少なくとも70℃の軟化点を有するものである。
【0320】
カルナウバロウおよび蜜ロウが特に好適である。カルナウバロウはとりわけ好まれる。カルナウバロウはブラジルロウヤシの葉から得られ、少なくとも80℃の軟化点を有する。ロウ構成要素が付加的に含まれている場合、その含有量は、医薬投薬形の所望の機械的特性が達成されるように充分高いものである。
【0321】
本発明に係る医薬投薬形の中に含まれてよい、本明細書の目的のためには「構成要素(B)」とも呼ばれている補助物質(B)は、固体の医薬投薬形の調合のために慣習的である公知の補助物質である。
【0322】
補助物質(B)の例は、可塑剤、(さらなる)マトリクス材料、酸化防止剤などである。
【0323】
適切な可塑剤は、トリアセチンおよびポリエチレングリコール、好ましくは低分子量のポリエチレングリコール(例えばマクロゴール6000)を含む。
【0324】
マトリクス材料は、活性化合物の放出に影響を及ぼす補助物質、好ましくは疎水性または親水性、好ましくは親水性ポリマー、とりわけ好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/または酸化防止剤である。好ましくは、親水性マトリクス材料として、ポリマー特に好ましくはセルロースエーテル、セルロースエステルおよび/またはアクリル樹脂が含まれている。とりわけ好ましくはエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体、例えばそのコポリマー、塩、アミドまたはエステルが、マトリクス材料として含まれている。
【0325】
適切な酸化防止剤は、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸の塩、モノチオグリセロール、リン酸、ビタミンC、ビタミンEおよびそれらの誘導体、安息香酸コニフェリル、ノルヒドログアイヤレチン酸、ガルス酸エステル、亜硫酸ナトリウム、特に好ましいのはブチルヒドロキシトルエンまたはブチルヒドロキシアニソールおよびα−トコフェロールである。酸化防止剤は、好ましくは医薬投薬形の合計重量に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%の量で使用される。
【0326】
本発明に係る医薬投薬形の好ましい組成物X
1〜X
4が下表にまとめられている。
【0328】
本発明に係る医薬投薬形は以下でより詳細に説明されている異なるプロセスによって生産可能であり、本発明は同様に、以下で記述するプロセスのいずれかによって得ることができる医薬投薬形にも関する。
【0329】
一般に、本発明に係る医薬投薬形の生産のためのプロセスは、好ましくは以下のステップ:
(a)構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)を混合するステップ;
(b)好ましくはステップ(a)から得た混合物に対して熱および/または力を加えることによりステップ(a)から得た混合物を任意に予備成形するステップであって、供給される熱の量は好ましくは構成要素(C)をその軟化点まで加熱するのに充分なものではない、ステップ;
(c)熱および力を加えることにより混合物を硬化するステップであって、力を加える間および/またはその前に熱を供給することが可能であり、供給される熱の量は少なくともその軟化点まで構成要素(C)を加熱するのに充分であるステップ;
(d)硬化された混合物を任意に個片化(singulate)するステップ;
(e)医薬投薬形を任意に成形するステップ;および
(f)フィルムコーティングを任意に提供するステップ
を含む。
【0330】
熱を直接かまたは超音波を活用して供給してもよい。力を加えてもよくかつ/または、例えば直接的打錠によってかまたは適切な押出機を活用して、詳細には2本のスクリューを備えたスクリュー押出機(2軸スクリュー押出機)または遊星歯車装置押出機を用いて医薬投薬形を成形してもよい。
【0331】
本発明に係る医薬投薬形の成形は、特に重要なものである。医薬投薬形の最終的形状は、熱および力を加えることによって混合物の硬化中に(ステップ(C))、あるいは後続するステップにおいて(ステップ(e))提供されてよい。両方の場合において、全ての構成要素の混合物は、好ましくは可塑化された状態にある。すなわち、成形は、好ましくは少なくとも構成要素(C)の軟化点よりも高い温度で実施される。
【0332】
成形は、例えば適切な形状のダイおよびプランジャを含む打錠プレスを用いて実施し得る。好ましくは、プランジャは、医薬投薬形の断面がHの形をとるようにH−プランジャである。
【0333】
以下のプロセス変形形態は、特に好適である。
【0334】
プロセス変形形態1:
この実施形態において、本発明に係る医薬投薬形は、好ましくは、押出機を使用せずに好ましくは構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)を混合することによって、および任意には造粒後に結果として得た混合物を、直前におよび/または同時に熱に曝露すると共に力を加えて医薬投薬形を生成することによって、生産される。
【0335】
医薬投薬形の生産のためのこの加熱および力の適用は、押出機を使用することなく行われる。
【0336】
構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)は、当業者にとって公知のミキサー中で混合される。このミキサーは例えばロールミキサー、振とうミキサー、せん断ミキサーまたは強制ミキサーであってよい。
【0337】
結果として得られた混合物は、好ましくは、直前におよび/または同時に熱に曝露すると共に力を加えることにより、好ましくは本発明に係る医薬投薬形へと直接成形される。混合物は、例えば直接的打錠により錠剤の形に成形されてよい。直前の熱曝露を伴う直接的打錠においては、プレス加工される材料は少なくとも構成要素(C)の軟化温度、好ましくは溶融温度まで打錠直前に加熱され、その後プレス加工される。同時の加熱を伴う直接的打錠の場合には、プレス成形されるべき混合物は、打錠工具すなわちボトムパンチ、トップパンチおよびダイを活用して、少なくともポリマー構成要素(C)の軟化点まで加熱され、そのようにプレス加工される。
【0338】
この方法は同様に、焼結方法とみなされてよく、このようにして得られた剤形は、焼結剤形とみなされてよい。この点において、焼結というのは、適切に加熱された時点で結晶子が共に成長することによる結晶質、粒状または粉末化材料の固化を意味する。この同時成長は、例えば拡散(固体/固体反応)により発生させることができ、焼結構造は例えば(電子)顕微鏡により、当該技術分野において公知の方法によって分析可能である。剤形は複数の構成要素を含むことから、焼結方法は好ましくは、関与する構成要素の1つがより高融点の構成要素を溶融し、加湿しコーティングするいわゆる「融合焼結」である。冷却の時点で、溶融した構成要素は再度固化する。好ましい実施形態において、構成要素(C)は、その他の構成要素が所与の条件下で溶融しないのに溶融する構成要素である。それでもなお、その他の構成要素は少なくとも部分的に、溶融した構成要素(C)中に溶解してよいが、溶解しなければならないわけではない。
【0339】
ボトムパンチ、トップパンチおよびダイを伴う打錠工具を用いたこのようなプロセスにより、例えば全ての構成要素の粉末混合物を例えば80℃の温度で圧縮してよく、例えば2kNまたは4kNの力により引き起こされる圧力は、例えば15秒間維持される。
【0340】
結果として得られた構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)の混合物は同様にまず最初に造粒され、次に直前におよび/または同時に熱に曝露すると共に、力を加えることにより本発明に係る医薬投薬形へと成形されてよい。
【0341】
造粒は、湿式造粒または溶融造粒により公知の造粒機の中で実施されてよい。
【0342】
上述したプロセスステップの各々、詳細には本発明に係る医薬投薬形の生産のための加熱ステップおよび同時または直後の力の適用は、押出機を用いることなく行われる。
【0343】
プロセス変形形態2:
このプロセス変形形態において、本発明に係る医薬投薬形は、押出機を活用して熱成形することによって生産され、好ましくは押出物が後に目で見える変色を全く示さない。
【0344】
この熱成形に起因する変色の程度を調査するためには、医薬投薬形を構成する出発構成要素の混合物の色が、まず第一に、例えば着色用顔料または本来有色の構成要素(例えばα―トコフェロール)などの色付与構成要素を添加することなく決定される。この組成物は次に本発明にしたがって熱成形され、ここで押出物の冷却を含めた全てのプロセスステップが不活性ガス雰囲気の下で実施される。比較として同じ組成物を同じプロセスにより、ただし不活性ガス雰囲気無しで生産する。出発組成物から本発明にしたがって生産される医薬投薬形の色および比較のために生産される医薬投薬形の色を決定する。この決定は、非特許文献19を活用して実施される。本発明にしたがって熱成形された医薬投薬形の色が識別番号N9.5、ただし最高でも識別番号5Y9/1の色を有する場合には、熱成形は、「変色無し」として分類される。医薬投薬形がマンセル・ブックオブカラーにしたがって判定されるように5Y9/2以上の識別番号をもつ色を有する場合、熱成形は、「変色有り」として分類される。
【0345】
意外にも、本発明に係る医薬投薬形は、不活性ガス雰囲気下、好ましくは熱成形用の押出機を活用して窒素雰囲気下で生産プロセス全体が実施される場合、上述の分類に準じて分類された変色を全く示さない。
【0346】
本発明に係る医薬投薬形の生産のための本発明に係るこの変形形態は、
z)構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)を混合すること、
y)結果として得られた混合物を少なくとも構成要素(C)の軟化点まで加熱し、力を加えることにより押出機の出口オリフィスを通して押出すこと、
x)なおも可塑性をもつ押出物を個片化し医薬投薬形に成形すること、または
w)冷却され任意に再加熱された個片化された押出物を医薬投薬形に成形すること、
を特徴とし、
ここで、プロセスステップy)およびz)そして任意にはプロセスステップz)およびw)は不活性ガス、好ましくは窒素雰囲気下で実施される。
【0347】
プロセスステップz)にしたがった構成要素の混合は、押出機内で行なわれてもよい。
【0348】
構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)は同様に、当業者にとって公知のミキサー内で混合されてもよい。ミキサーは、例えばロールミキサー、振とうミキサー、せん断ミキサーまたは強制ミキサーであってよい。
【0349】
残りの構成要素との配合の前に、構成要素(C)および/または(D)には好ましくは本発明にしたがって酸化防止剤が加えられる。これは、2つの構成要素つまり(C)および酸化防止剤を混合すること、好ましくはきわめて揮発性の溶媒中に酸化防止剤を溶解または懸濁させ、この溶液または懸濁液を構成要素(C)および任意に存在する構成要素(D)と均質に混合し、溶媒を好ましくは不活性ガス雰囲気の下で乾燥させることにより除去することで行われてよい。
【0350】
少なくとも構成要素(C)の軟化点まで押出機の中で加熱された好ましくは溶融した混合物は、少なくとも1つの中ぐりをもつダイを通して押出機から押出される。
【0351】
本発明に係るプロセスには、適切な押出機の使用好ましくはスクリュー押出機の使用が必要である。2本のスクリューが備わったスクリュー押出機(2軸スクリュー押出機)が特に好適である。
【0352】
押出は好ましくは、押出に起因するストランドの膨張が50%以下となるように実施される。すなわち、例えば6mmの直径をもつ中ぐりを備えたダイを用いる場合、押出されたストランドは9mm以下の直径を有していなければならない。より好ましくは、ストランドの膨張は、40%以下、なお一層好ましくは35%以下、最も好ましくは30%以下、そして詳細には25%以下である。意外にも、押出機内の押出材料が或る一定の限界を上回る機械的応力にさらされた場合、ストランドの著しい膨張が発生しかくして、押出されたストランドの特性、詳細にはその機械的特性に望ましくない不規則性が結果としてもたらされることが分かっている。
【0353】
好ましくは、押出は水の無い状態で実施される。すなわち、水は全く添加されない。しかしながら微量の水(例えば大気湿度)は存在していてよい。
【0354】
押出機は好ましくは少なくとも2つの温度ゾーンを含み、少なくとも構成要素(C)の軟化点までの混合物の加熱が、補給ゾーンそして任意には混合ゾーンの下流側である第1のゾーン内で行われる。混合物の処理量は好ましくは2.0kg〜8.0kg/時である。
【0355】
少なくとも構成要素(C)の軟化点まで加熱された後、溶融混合物はスクリューを活用して搬送され、さらに均質化され、圧縮または圧密され、こうして押出しダイから出現する直前にそれは5バール、好ましくは少なくとも7.5バール、より好ましくは少なくとも10バール、なお一層好ましくは少なくとも12.5バール、さらにより好ましくは少なくとも15バール、最も好ましくは少なくとも17.5バール、そして詳細には少なくとも20バールの最小圧力を示し、ダイを通して、ダイに含まれる中ぐりの数に応じて1つまたは複数のストランドとして押出される。
【0356】
好ましい実施形態において、ダイヘッド圧は25〜85バールの範囲内にある。ダイヘッド圧は、なかでもダイの幾何形状、温度プロフィールおよび押出速度により調整され得る。
【0357】
ダイ幾何形状または中ぐりの幾何形状は自由に選択可能である。ダイまたは中ぐりは、したがって円、長円のまたは印形の断面を示してよく、ここで円形の断面は好ましくは0.1mm〜15mmの直径を有し、長円の断面は好ましくは21mmの最大長さ方向拡張部分および10mmの横断方向拡張部分を有する。好ましくは、ダイまたは中ぐりは円形の断面を有する。本発明にしたがって使用される押出機のケーシングは、加熱または冷却されてよい。対応する温度制御すなわち加熱または冷却は、押出されるべき混合物が少なくとも構成要素(C)の軟化温度に対応する平均温度(製品温度)を示し、加工されるべき薬理学的に有効な化合物(A)が損傷を受けるかもしれない温度を超えて上昇しないように調整される。好ましくは、押出されるべき混合物の温度は、180℃未満、好ましくは150℃未満、ただし少なくとも構成要素(C)の軟化温度に調整される。典型的な押出温度は120℃および130℃である。
【0358】
好ましい実施形態において、押出機トルクは25〜55N/mの範囲内にある。押出機トルクは、なかでもダイの幾何形状、温度プロフィールおよび押出し速度により調整され得る。
【0359】
溶融混合物の押出後および押出された1つまたは複数のストランドの任意の冷却の後、押出物は好ましくは個片化される。この個片化は好ましくは周囲または回転ナイフ、水噴射カッター、ワイヤー、切刃を用いて、またはレーザーカッターを活用して押出物を切断することにより実施されてよい。
【0360】
任意には個片化された押出物のまたは最終的形状の本発明に係る医薬投薬形の中間または最終的保管のためには、不活性ガス雰囲気は必要でない。
【0361】
個片化された押出物は、医薬投薬形に最終形状を付与するため、従来の方法でペレット化されるかまたは錠剤の形にプレス成形される。しかしながら、押出されたストランドを個片化せず、外部スリーブ内に相対するリセスを含む二重反転カレンダロールを活用して、これらのストランドを最終形状、好ましくは錠剤に成形してこれらを従来の方法により個片化することも同様に可能である。
【0362】
万一、任意に個片化された押出物が最終形状に直ちに成形されず、代りに保管のため冷却される場合には、保管期間の後、不活性ガス雰囲気、好ましくは窒素雰囲気を提供すべきであり、可塑化および医薬投薬形を生み出すための最終的成形まで保管済み押出物を加熱する間、この雰囲気を維持しなければならない。
【0363】
少なくとも可塑化された混合物上への押出機内での力の適用は、押出機内の搬送装置の回転速度およびその幾何形状を制御することによってかまたは、好ましくは押出の直前に、可塑化された混合物を押出するために必要な圧力が押出機内に発達するような形で出口オリフィスを寸法決定することによって調整される。各々の特定の組成物について、少なくとも400N、好ましくは少なくとも500Nの圧壊に対する耐性をもつ医薬投薬形を生じさせるのに必要な押出パラメータは、単純な予備的試験により立証されてよい。
【0364】
例えば、2軸スクリュー押出機型Micro27GL40D(Leistritz, Nuerumberg, Germany)、スクリュー直径27mmを用いて押出しを実施してよい。偏心縁端を有するスクリューを使用してよい。8mmの直径を有する丸い中ぐりを伴う加熱可能なダイを使用してよい。押出プロセス全体は、窒素雰囲気下で実施すべきである。押出パラメータは、例えば以下の値に調整してよい:スクリューの回転速度:100Upm、送出し速度;4kg/時;製品温度:125℃;そしてジャケット温度;120℃。
【0365】
プロセス変形形態3:
本発明に係る医薬投薬形の生産のためのこのプロセス変形形態では、超音波処理を用いて、構成要素の混合物にエネルギーが適用される。
【0366】
まず最初に少なくとも構成要素(A)および構成要素(C)(=結合剤)の均質な混合物を生産する。さらなる補助物質、例えば充填材、可塑剤、スリップ剤または染料も同様にこの混合物に取込んでよい。低分子量ポリエチレングリコールが、好ましくは可塑剤として使用される。
【0367】
混合は、従来のミキサーを活用して実施してよい。適切なミキサーの例としては、タンブラ、ドラムまたは回転ミキサーとしても知られているロールミキサー、コンテナミキサー、バレルミキサー(ドラムフープミキサーまたはタンブリングミキサー)または振とうミキサー、せん断ミキサー、強制ミキサー、プラウバーミキサー、遊星ニーダーミキサー、Z−ニーダー、シグマニーダー、流体ミキサーまたは高負荷ミキサーがある。
【0368】
適切なミキサーの選択は、なかでも混同すべき材料の流動性および凝集性により決定される。
【0369】
このとき混合物は成形に付される。混合物は好ましくは超音波処理の間また後で、好ましくは圧密により成形される。
【0370】
超音波処理中、混合物と超音波装置の音極との間に直接的接触が存在することが特に好ましい。
【0371】
超音波処理中は、1kH
Z〜2MH
Z、好ましくは15〜40kH
Zの周波数を維持すべきである。超音波処理は、ポリマー(C)の軟化が達成されるまで実施すべきである。これは好ましくは数秒以内で、特に好ましくは0.1〜5秒以内で、好ましくは0.5〜3秒以内で達成される。
【0372】
超音波処理および力の適用により、均等なエネルギー伝達が確保され、こうして混合物の急速で均質な焼結がもたらされる。この要領で、少なくとも400N、好ましくは少なくとも500Nの耐圧壊性を有し、したがって粉状化不能な医薬投薬形が得られる。
【0373】
成形の実施前に、混合作業の後で混合物を造粒してよく、その後、結果として得た顆粒は、超音波処理および力の適用を用いて医薬投薬形へと成形される。
【0374】
造粒は、当業者にとって公知の機械および器具の中で実施してよい。
【0375】
湿式造粒として造粒を実施する場合には、水または水溶液、例えばエタノール/水またはイソプロパノール/水を造粒液体として使用してよい。
【0376】
混合物またはそれから生産された顆粒は同様に、さらなる成形のために溶融押出に付してもよく、ここで混合物は超音波処理および力への曝露により溶融体に転換され、その後ダイを通して押出される。この要領で得られた1つまたは複数のストランドを、公知の器具を用いて所望の長さに個片化してよい。この要領で個片化した成形品は、任意には、超音波処理および力の適用を用いて最終的形状へとさらに転換されてよい。
【0377】
医薬投薬形を生み出すための最終的成形は、好ましくは、適切な型の中での力の適用により行なわれる。
【0378】
上述の成形品は、最初に混合物またはそれから生産された顆粒を超音波および力の適用により可塑化し適切なダイを通して押出を実施することによる、カレンダ加工プロセスを用いて生産されてもよい。これらの押出物は次に、好ましくは力の適用により、2本の反転する成形ロールの間で最終的な形状へと成形される。
【0379】
すでに言及した通り、薬理学的に有効な化合物(A)およびポリマー(C)を含む混合物を用いることにより医薬投薬形の最終的形状を生み出すための成形は、好ましくは力を加えながら直接圧縮することによって粉末の形で行なわれ、ここで、この混合物の超音波処理が力の適用の前またはその間に提供される。力は最大でも、錠剤などの医薬投薬形を成形するためまたは対応する最終形状へと顆粒をプレス成形するために従来用いられる力である。
【0380】
本発明にしたがって生成される錠剤は同様に多層錠であってもよい。
【0381】
多重錠においては、少なくとも薬理学的に有効な化合物(A)を含む層は超音波処理され力に曝露されるべきである。
【0382】
押出機ロールまたはカレンダロールを活用して混合物に対応する必要な力を加えてもよい。医薬投薬形の成形は好ましくは、医薬投薬形の構成要素の粉状混合物またはそれから形成された対応する顆粒の直接的プレス成形により行なわれ、ここで、好ましくは成形の途中または前に超音波処理が行なわれる。このような曝露は、ポリマー(C)が軟化してしまうまで続行され、これは従来1秒未満から多くとも5秒以内で達成される。
【0383】
適切なプレスは、例えば、平らなプレス表面を有するBranson WPS、94−003−A、空気圧式(Branson Ultraschall、Dietzenbach、Germany)である。適切な発生装置(2000W)は、例えば、12mmの直径を有する音極の備わったBranson PG−220A、94−001−Aアナログ(Branson Ultraschall)である。直径12mmのダイを使用してよく、ダイの底面は平らなプレス表面および12mmの直径をもつボトムパンチにより形成される。可塑化のための適切なパラメータは周波数20kHz、振幅50%、力250Nである。音極を用いた超音波および力の効果は、例えば0.5秒間維持されてよく、両方の効果を同時に発生させることが好ましい。
【0384】
プロセス変形形態4:
本発明に係る医薬投薬形生産のためのこのプロセス変形形態において、構成要素(A)、(C)、任意には(B)、例えば酸化防止剤、可塑剤および/または遅延放出補助物質そして任意には構成要素(D)は、遊星歯車押出機を活用して加工し、本発明に係る医薬投薬形を製造する。
【0385】
遊星歯車押出機は公知であり、なかでも、非特許文献20、4〜6頁内で詳述されている。対応する記述は本明細書に参照により援用されており、開示の一部をなすものとみなされる。
【0386】
混合物は、遊星歯車押出機の補給ゾーン内に搬送される。少なくとも構成要素(C)の軟化点まで加熱することにより、混合物は溶融され、溶融混合物は中央スピンドルの部域すなわち押出ゾーン内に、中央スピンドル3と遊星スピンドル4の相互作用によって搬送され、さらに均質化され、圧縮または圧密され、ダイに含まれる中ぐりの数に応じて1本の押出ストランドまたは複数の押出ストランドとしてダイ8を通して押出される。ダイの幾何形状または中ぐりの幾何形状は、自由に選択可能である。したがって、ダイまたは中ぐりは、円、長円または印形の断面を示していてよく、ここで円形断面は好ましくは0.1mm〜15mmの直径を有し、長円の断面は好ましくは21mmの最大長さ方向拡張部分および10mmの横断方向拡張部分を有する。押出ダイはスロットダイの形をとってもよい。好ましくは、ダイまたは中ぐりは円、印形のまたは長円の断面を有する。本発明にしたがって使用される遊星歯車押出機のケーシング6および中央スピンドルは両方共、加熱または冷却されてよい。対応する温度制御すなわち加熱または冷却は、押出されるべき混合物が構成要素(C)の軟化温度に対応する平均温度を示し、加工されるべき構成要素(A)が損傷を受けるかもしれない温度を超えて上昇しないように調整される。好ましくは、押出されるべき混合物の温度は、180℃未満、好ましくは150℃未満、ただし少なくとも構成要素(C)の軟化温度に調整される。
【0387】
溶融混合物の押出後および押出された1つまたは複数のストランドまたは押出されたストランドの任意の冷却の後、押出物は個片化される。この個片化は好ましくは周囲または回転ナイフ、水噴射カッター、ワイヤー、切刃を用いて、またはレーザーカッターを活用して押出物を切断することにより実施されてよい。
【0388】
任意には、好ましくは円板状で存在する個片化された押出物のさらなる冷却の後、これらは任意に医薬投薬形の最終形状に再成形され、ここでこれは必要に応じて再び熱に曝露される。
【0389】
例えば錠剤へのこの成形は、可塑性押出物が、好ましくはロールスリーブ内での可塑化のための互いに相対し錠剤の形状を決定する構造をもつリセスを備えた2つの反転するロールを活用してプレス成形により成形される形で実施可能である。
【0390】
しかしながら、各々の場合において任意には加熱されたダイおよび少なくとも1つの成形パンチを活用して、個片化された押出物から錠剤を成形することもまた可能である。この目的で、押出ストランドの個片化後に得られた円筒形の顆粒が、好ましくは使用されてよい。錠剤の形にプレス成形されることとは別に、得られたこれらの顆粒またはペレットまたは回転楕円体などのその他の多粒子形状をカプセルの形に包装して、本発明に係る医薬投薬形として使用してもよい。
【0391】
さらなる好ましい実施形態において、押出ダイ内の複数の中ぐりを通して押出された押出ストランドは、その冷却後に、個別の押出ストランドよりも厚みの大きい1つのストランドを製造するべくロープ生産の要領での織り交ぜまたは包み込みにより、任意に統合されてよい。このストランドは任意には、適切な溶媒を用いた溶媒処理によってかまたはポリマー(C)の軟化点まで加熱し、個々のストランドの上述の個片化および成形にしたがって溶媒を任意に除去することによってさらに加工されてよい。
【0392】
必要な場合には、使用される遊星歯車押出機は、押出ゾーンのみならず少なくとも1つのさらなるゾーンを含んでいてよく、こうして押出すべき混合物は任意には同様に脱ガスされてよい。
【0393】
本発明に係るプロセスは、不連続的にまたは連続的に実施されてよく、好ましくは連続的に実施される。
【0394】
例えば適切な押出機は、4個の遊星スピンドルおよび直径8mmの中ぐりを備えた押出しダイを有する遊星歯車押出機BCG10型(LBB Bohle、Eninigerloh、Germany)である。重量測定により3.0kg/時の用量を決定することが好ましい。押出は例えば28.6rmpの回転速度および約88℃の製品温度で実施されてよい。
【0395】
プロセス変形形態5:
本発明に係る医薬投薬形の生産のためのこのプロセス変形形態は、医薬投薬形の生成を目的として構成要素(C)すなわち1つまたは複数のポリマー(C)のための溶媒を添加しながら、少なくとも構成要素(A)、(C)、任意には(B)例えば酸化防止剤、可塑剤および/または遅延放出補助物質、そして任意には構成要素(D)を加工することによって実施される。
【0396】
この目的で、構成要素(A)、(C)任意には(B)および/または(D)を混合し、溶媒の添加後そして任意には造粒後、結果として得た調合混合物を成形して医薬投薬形を生成する。
【0397】
構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)は、当業者にとって公知のミキサー内で混合される。ミキサーは例えば、ロールミキサー、振とうミキサー、せん断ミキサーまたは強制ミキサーであってよい。
【0398】
ポリマー(C)用の溶媒は、少なくとも調合混合物が均一に湿潤化されるような数量で添加される。
【0399】
ポリマー(C)に適した溶媒は好ましくは、水性溶媒、例えば水、水と脂肪族アルコール、好ましくはC
1〜C
6アルコール、エステル、エーテル、炭化水素との混合物、特に好ましくは精製水、短鎖アルコール例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールまたはアルコール水溶液である。
【0400】
溶媒は好ましくは攪拌しながら添加される。均一に加湿された組成物を次に乾燥させる。乾燥は好ましくは、組成物の変色をことごとく排除できる温度の熱に対する曝露によって行なわれる。この温度は、単純な予備試験により立証され得る。
【0401】
乾燥の前または後で、組成物を、各々の場合において医薬投薬形の一単位の質量に対応する下位部分に分割してもよい。次に、対応する乾燥済み部分を成形して医薬投薬形を生成する。
【0402】
これは好ましくは、錠剤プレスを用いて達成される。
【0403】
調合混合物は、溶媒の添加の前に調合混合物を好ましくは金型内で下位部分に分割し、攪拌しながら液体分散剤中に分散させ、その後に溶媒を添加するような形で、湿潤化されてもよい。構成要素(C)は、溶媒と混和可能でなくてはならない分散剤中に不溶性である。
【0404】
適切な分散剤は好ましくは脂肪族アルコール、ケトン、エステルなどの親水性溶媒である。短鎖アルコールを使用するのが好ましい。
【0405】
或いは、溶媒を発泡体として調合混合物内に取込むような形で、調合混合物を湿潤化させてもよい。このような溶媒発泡体は、好ましくは従来の気泡安定剤を添加して、高速ミキサーを活用して生成するのが好ましい。適切な安定剤は例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水性ポリマーである。
【0406】
発泡性は、同様に好ましくは、攪拌しながら調合混合物中に取込まれ、このようにして好ましくは造粒された組成物が得られる。
【0407】
好ましくは医薬投薬形の一単位の質量に対応する下位部分に分割する前後に、造粒された組成物を乾燥させた後に医薬投薬形に成形する。
【0408】
乾燥および成形は好ましくは上述の通りに行なわれてよい。本発明に係るプロセスは、成形可能なペーストが得られるような量で調合混合物に溶媒を添加する形で行なわれてもよい。
【0409】
以上で説明した通りに行なわれてよい乾燥の前後で、このようなペーストは下位部分に分割されてよく、各々の場合において、医薬投薬形の一単位の質量に対応する部分にさらに分割した後の乾燥済み部分を成形または転換して医薬投薬形を生成する。
【0410】
ここで、スクリーンまたはストランド形成装置を活用して生産可能なストランドの形をした下位部分を形成することが可能である。乾燥させたストランドは好ましくは個片化され成形されて医薬投薬形を生成する。この成形は好ましくは、成形ローラーまたはローラーの備わった成形用ベルトを用いて、錠剤プレスを活用して行なわれる。
【0411】
同様に、ペーストを平面構造に転換し、ひとたび乾燥したならばそれから医薬投薬形を打抜きしてもよい。
【0412】
ペーストは有利には押出機を用いて加工され、ここで押出構成に応じて、ストランドまたは平面構造品が生産され、これは細断、切断または打抜きによって個片化される。個片化された下位部分は、上述の通りに成形、成形または打抜きされ、医薬投薬形を生成してよい。対応する器具類は、当業者にとって公知である。
【0413】
本発明に係るプロセスは、ここでは、連続的にまたは不連続的に実施されてよい。
【0414】
少なくともポリマー構成要素(C)を溶解させるような数量で、調合混合物に溶媒を添加することも可能である。このような溶液または分散/懸濁液は好ましくは平面構造に転換され得、フラットダイを伴う押出機を使用することが好ましく、あるいは溶液は平面支持体上に流し込まれる。
【0415】
上述の通り、乾燥の後、打抜きまたはカレンダ加工により、平面構造から医薬投薬形を得てよい。同様に、上述の通り、溶液をストランドの形に転換し、好ましくは乾燥の後にこれらを個片化し成形して医薬投薬形を生成することも可能である。
【0416】
あるいは、乾燥の後、好ましくは専用に用いられている医薬投薬形の単位の形状にすでに対応している金型を用いて、医薬投薬形の一単位の質量に各々が対応するような形で、溶液を複数の部分に分割してもよい。
【0417】
溶液を任意の所望の部分に分割する場合、これらの部分は、乾燥後、任意に再び組合わされ、成形されて、例えばカプセルの中に包装されるかプレス成形されて錠剤を形成する医薬投薬形を形成してもよい。
【0418】
溶媒と組合わされた調合混合物は、好ましくは20℃〜40℃の温度で加工され、ここで溶媒および任意に存在する分散剤を除去するための乾燥の間は除いて、より高い温度が用いられることは一切ない。乾燥温度は、構成要素の分解温度より低温に選択されなくてはならない。医薬投薬形を生成するために成形した後、上述の乾燥に対応するさらなる乾燥を任意に実施してよい。
【0419】
本発明に係る医薬投薬形の生産のために、上述のプロセス変形形態の個々のプロセスを組合せることも可能である。
【0420】
上述の通りのプロセス変形形態2および4には、構成要素(A)、(C)任意には(B)および/または(D)を含む組成物の押出が関与する。好ましくは、押出は2軸スクリュー押出機または遊星歯車押出機を用いて実施され、2軸スクリュー押出機が特に好ましい。
【0421】
本発明に係る医薬投薬形の調製のためのプロセスは好ましくは連続的に実施される。好ましくは、このプロセスには、構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)の均質な混合物の押出が関与している。得られた中間体例えば押出により得られたストランドが均一な特性を示す場合、特に有利である。特に望ましいのは、均一な密度、活性化合物の均一な分布、均一な機械的特性、均一な多孔度、表面の均一な外観などである。これらの状況下でのみ、放出プロフィールの安定性などの薬理学的特性の均一性が確保され得、不良品の量を低く保つことが出来る。
【0422】
好ましくは、本発明に係るプロセスは、25%未満、より好ましくは20%未満、最も好ましくは15%未満そして詳細には10%未満の不良率で実施され得、ここで不良品基準は好ましくは同じバッチから取った2つの医薬投薬形を比較した場合の医薬投薬形の構成要素(A)の含有量、その放出プロフィールおよび/または密度の相互可変性に関するFDA規格である。
【0423】
意外にも、上述の特性は2軸スクリュー押出機および遊星歯車押出機を用いて得ることができ、2軸スクリュー押出機が特に好ましいということが分かっている。
【0424】
さらに、意外にも、有利な形態を示す押出物を遊星歯車押出機および2軸スクリュー押出機を用いて得ることができるということが分かっている。適切な条件下で、押出物は、「押出スキン」と表すことのできるシェルによりとり囲まれていることが分かっている。前記押出スキンは、長手方向押出軸を中心として押出物の円周方向区分を形成するカラー様または管状構造と、みなすことができ、こうして前記カラー様または管状の構造は、押出物の閉鎖シェルを形成することになる。通常は、押出物の正面のみが前記押出スキンにより被覆されていない。
【0425】
押出スキンは、カラー様または管状の配置で押出物のコアを取り囲んでおり、好ましくは継ぎ目のない形でそれと連結されている。押出スキンは前記コアとその形態が異なっている。通常は、押出スキンは押出物の断面で裸眼で見え、押出スキンを形成する材料およびコアを形成する材料の異なる形態に起因して光学的特性もまた異なることから、任意には顕微鏡を用いて見ることができる。押出の間、押出スキンを形成する材料は、押出物のコアが曝露されている条件とは異なる機械的および熱的条件に曝露されていると思われる。その結果、押出されたストランドの不均一な形態が得られ、これは例えば円形形状をもつ押出ダイが使用される場合に放射対称となる。押出スキンを形成する材料およびコアを形成する材料は通常、その形態により区別されるが、好ましくはその組成によっては区別されず、詳細には構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)の相対的含有量によっては区別されない。
【0426】
通常は、押出スキンは、押出ダイにどの幾何形状が選択されたかとは無関係に、一部品のカラーのように押出物のシェル全体を被覆する。したがって、押出物は、円形、楕円形またはその他の断面をとってよい。
【0427】
押出スキンは好ましくは、単位厚みにより特徴づけされる。好ましくは、押出スキンの厚みは、0.1〜0.4mm、より好ましくは0.15〜3.5mm、なお一層好ましくは0.2〜3.0mm、最も好ましくは0.2〜2.5mmそして詳細には0.2〜2.0mmの範囲内にある。好ましい実施形態において、相対する両側の面の和としての押出スキンの厚みは、押出物の直径の0.5〜50%、より好ましくは1.0〜40%、さらに一層好ましくは1.5〜35%、最も好ましくは2.0〜30%そして詳細には2.5〜25%である。
【0428】
本発明に係る医薬投薬形が、上述の通りの押出スキンを有する中間体を導く押出プロセスを用いて調製される場合、そこから得られる医薬投薬形は好ましくは同様に、特定の形態によって特徴づけされる。
【0429】
好ましい実施形態において、押出された中間体の中で押出スキンを形成する領域はなお、医薬投薬形の断面内で裸眼で、任意には顕微鏡を用いて見える。これは、通常は押出物を特に個片化および/または成形によってさらに加工しても、押出スキンを形成する材料およびコアを形成する材料の異なる性質ひいては異なる光学特性も維持されるためである。以下では、押出された中間体をさらに加工する間に押出スキンから出現した医薬投薬形の領域を「スキン領域」と記す。
【0430】
好ましくは、本発明に係る医薬投薬形はスキン領域とその中にあるコアを含む。好ましくはスキン領域は継ぎ目無しの形でコアと連結される。好ましくは、スキン領域ならびにコアは実質的に同じ化学的組成、すなわち構成要素、(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)の実質的に同じ相対的含有量を有する。スキン領域を形成する材料は、コアを形成する材料とは異なる形態を有する。通常は、この異なる形態は同様に、異なる光学特性の観点からも表現され、したがってスキン領域およびコアは医薬投薬形の断面内で裸眼で見ることができる。
【0431】
医薬投薬形が例えばフィルムコーティングなどによってコーティングされている場合、スキン領域は、フィルムコーティングとコアの間にある。
【0432】
本発明に係る医薬投薬形は、押出スキンを含む押出物(中間体)から異なる要領で得られてよいことから、スキン領域は、本発明に係る医薬投薬形の内部で異なる配置および拡がりをとってもよい。しかしながら全ての配置は、スキン領域が部分的にコアの表面を被覆するものの通常はその表面全体を被覆しないという共通点をもつ。好ましくは、コアの2つの相対する表面は、スキン領域により被覆されていないかまたは少なくとも完全には被覆されていない。換言すると、好ましくは、スキン領域は相対する側に2つの開口部/ブランクを有する。
【0433】
スキン領域の厚みは、均一であってよい。しかしながら、加工の間に、すなわち押出物の後続する成形(例えばプレス成形)に起因して、押出しスキンのさまざまな区分が異なる形で膨張または圧縮され、こうして医薬投薬形内部のスキン領域の厚みの変動が導かれる可能性もある。
【0434】
好ましくは、スキン領域の厚みは0.1〜4.0mm、より好ましくは0.15〜3.5mm、なお一層好ましくは0.2〜3.0mm、最も好ましくは0.2〜2.5mmそして詳細には0.2〜2.0mmの範囲内にある。
【0435】
本発明に係るプロセスには、好ましくは遊星歯車押出機または2軸スクリュー押出機を用いた構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)の混合物の押出が関与することが好ましい。押出後、押出物は好ましくは個片化され、成形され、任意にはコーティングされて最終的な医薬投薬形を提供する。
【0436】
本発明に係るプロセスの好ましい実施形態において、成形は、構成要素(A)、(C)、任意には(B)および/または(D)の混合物が可塑化された状態で実施される。意外にも、或る種のポリマー(C)、詳細には高分子量のポリエチレンオキシドの押出が、或る種の記憶効果を示す中間体を生み出すということが分かっている。すなわち、個片化された押出物が周囲温度で例えばプレス成形により成形される場合、応力を受けた保管条件下での保管の後にその原初の外部形状を回復させる傾向をもつ医薬投薬形が得られる。すなわち、これらの医薬投薬形は、成形前のその形に復帰する。
【0437】
応力を受けた条件下、例えば40℃/75%RHでの保管後の医薬投薬形の形状は、その他の理由でも不安定である可能性がある。
【0438】
前記記憶効果は、その外部形状を回復させることで医薬投薬形の複数の特性が変わることから、医薬投薬形の貯蔵安定性を著しく低下させる。同じことは、その他の理由での外部形状のあらゆる変化にもあてはまる。
【0439】
例えば、押出条件に応じて、ストランドの著しい膨張が発生しこうして押出物の体積の増加、すなわちその密度の低下が結果としてもたらされるかもしれないことがわかった。前記膨張は、充分な圧力で個片化された押出物をその後プレス成形することによって補償され得るが、それは、これらの条件下で材料の膨張が逆転し得るからである。
【0440】
ただし、プレス成形が周囲温度で実施された場合、圧縮された押出物の記憶効果によりこの押出物は保管後に膨潤膨張して医薬投薬形の体積を著しく増大させる。
【0441】
意外にも、このような記憶効果は、個片化された押出物の成形がより高温で行なわれる場合、すなわち構成要素(A)、(C)任意には(B)および/または(D)の混合物の可塑化状態で実施される場合に、抑制されるかもしれないということが分かっている。好ましくは、成形は、少なくとも1kN、より好ましくは2kN〜50kNの範囲内の圧力で、例えば錠剤プレスを用いて実施される。好ましくは、成形は、約40℃、より好ましくは約30℃、そして詳細には約25℃だけ構成要素(A)、(C)任意には(B)および/または(D)の混合物の溶融範囲よりも低い温度で実施される。所与の混合物の溶融範囲は、従来の方法、好ましくはDSCによって決定されてよい(例えばDSC2920型(TA Instruments, New Castle)および150ml/分の流量のパージガスとしての超高純度窒素;非密閉アルミ製鍋内に封入した試料重量約10〜20mg;温度上昇速度10℃/分を使用)。
【0442】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形の外部形状は、好ましくは開放した容器内で40℃、および75%RHで少なくとも12時間、好ましくは少なくとも24時間保管される場合、実質的に変化しない。
【0443】
好ましい実施形態において、本発明に係る医薬投薬形の体積は、構成要素(A)、(C)任意には(B)および/または(D)の混合物の溶融範囲よりも20℃低い温度、任意には40℃の温度で75%RHで、少なくとも12時間、好ましくは少なくとも24時間保管された場合、20%または17.5%以下、より好ましくは15%または12.5%以下、なお一層好ましくは10%または7.5%以下、最も好ましくは6.0%、5.0%又は4.0%以下そして詳細には3.0%、2.0%または1.0%以下だけ増大する。
【0444】
本発明のさらなる態様は、本発明に係る医薬投薬形および脱酸素剤を含む包装に関する。適切な包装としては、ブリスタ包装およびボトル例えばガラスびんまたは熱可塑性ポリマーで作られたボトルが含まれる。
【0445】
脱酸素剤および医薬包装におけるその利用は、当業者にとって公知である。好ましい実施形態において、脱酸素剤は、金属触媒酸化可能な有機ポリマーおよび酸化防止剤からなる群から選択される。意外にも、医薬投薬形の貯蔵安定性は、包装内の雰囲気の酸素含有量を低く保った場合に増加し得るということが分かっている。医薬投薬形の包装方法および適切な脱酸素剤の利用は、当業者にとって公知である。この点に関しては、非特許文献21、非特許文献22および非特許文献23を参照することが可能である。
【0446】
本発明に係る医薬投薬形はさまざまな誤用、詳細には、
− 偶発的誤用;
− 遊びでの誤用;
− 熟達した薬物誤用、
を回避するのに適している。
【0447】
本発明のさらなる態様は、痛みの治療のために上述された通りの医薬投薬形を製造するためのオピオイドの使用に関する。
【0448】
本発明のさらなる態様は、中に含まれる薬理学的に有効な化合物(A)の乱用を回避または妨げるための上述の通りの医薬投薬形の使用に関する。
【0449】
本発明のさらなる態様は、中に含まれる薬理学的に有効な化合物(A)の意図的ではない過剰摂取を回避または妨げるための上述の通りの医薬投薬形の使用に関する。
【0450】
この点に関して、本発明は同様に、1つの障害の予防および/または治療のための本発明に係る医薬投薬形の製造を目的とする、上述の通りの薬理学的に有効な化合物(A)および/または上述の通りの合成または天然のポリマー(C)の使用にも関し、これにより詳細には機械的作用による医薬投薬形の細砕に起因する薬理学的に有効な化合物(A)の過剰摂取が予防される。
【0451】
さらに、本発明は、本発明に係る医薬投薬形の投与を含む1つの障害の予防および/または治療のための方法に関し、これにより詳細には機械的作用による医薬投薬形の細砕による薬理学的に有効な化合物(A)の過剰摂取が予防される。好ましくは、機械的作用は、咀嚼、乳鉢内での粉砕、強打および従来の医薬投薬形を粉状化するための器具の使用からなる群から選択される。
【0452】
本発明に係る好ましい実施形態emb−1〜emb−81について以下で表示する:
emb−1. 少なくとも1つの薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)を含み、かつ長手方向軸と2つの相対する長手方向縁端、長手方向軸に対し垂直な横方向軸と2つの相対する横方向縁端、正面側、反対側の裏面側および前記正面側および裏面側の間の円周方向周縁を含む形状を有し;正面側および/または裏面側が基礎部域を含み、正面側および/または裏面側が、前記基礎部域から上に延在する少なくとも1つの隆起を含み、前記少なくとも1つの隆起が一方または両方の長手方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または一方または両方の横方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または両方の長手方向縁端および両方の横方向縁端の間に存在している、好ましくは錠剤である医薬投薬形。
【0453】
emb−2. 長円形状を有する錠剤であるemb−1に記載の医薬投薬形。
【0454】
emb−3. 正面側および裏面側が各々、少なくとも両方の長手方向縁端にあるおよび/またはそれに隣接する一区分に沿って、および/または少なくとも両方の横方向縁端にあるおよび/またはそれに隣接する一区分に沿って、少なくとも1つの隆起を含む、emb−1または2に記載の医薬投薬形。
【0455】
emb−4. 前記正面側および前記裏面側が、少なくとも本質的に連続した隆起を、両方の相対する長手方向縁端の少なくとも3分の2におよび/またはそれに隣接して含んでいる、emb−1〜3のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0456】
emb−5. 一方または両方の長手方向縁端がその長さの少なくとも大部分にわたり本質的に直線でありかつ/または、一方または両方の横方向縁端がその縁端の大部分にわたり湾曲している、emb−1〜4のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0457】
emb−6. 正面側および/または裏面側が、医薬投薬形の正面側および/または裏面側の円周方向縁端におよび/またはこれに隣接して本質的に円周方向の隆起を含む、emb−1〜5のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0458】
emb−7. 医薬投薬形がその長円形態において、正面側の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分におよび/またはそれに隣接して、詳細には前記長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、またはその長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側両方の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分におよび/またはそれに隣接して、詳細には少なくともその前記長手方向縁端の3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、または、その長円形態において、医薬投薬形の正面側の円周方向縁端におよび/またはそれに隣接して円周方向隆起を含むか、または、その長円形態において医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端におよび/またはそれに隣接して円周方向隆起を含む、emb−1〜6のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0459】
emb−8. 医薬投薬形がその長円形態において、正面側の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に、詳細には前記長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、またはその長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側両方の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に、詳細には少なくともその前記長手方向縁端の3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、または、その長円形態において、医薬投薬形の正面側の円周方向縁端に円周方向隆起を含むか、または、その長円形態において医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端に円周方向隆起を含む、emb−7に記載の医薬投薬形。
【0460】
emb−9. 医薬投薬形がその長円形態において、正面側の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に隣接して、詳細には前記長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、またはその長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側両方の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に隣接して、詳細には少なくともその前記長手方向縁端の3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、または、その長円形態において、医薬投薬形の正面側の円周方向縁端に隣接して円周方向隆起を含むか、または、その長円形態において医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端に隣接して円周方向隆起を含む、emb−7または8に記載の医薬投薬形。
【0461】
emb−10. その長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端に隣接して円周方向隆起を含む、emb−7〜9のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0462】
emb−11. 正面側および/または裏面側、詳細には正面側の基礎部域および/または裏面側の基礎部域が、正面側および/または裏面側上の少なくとも1つの隆起に加えて、少なくとも1つのインデンテーションを、詳細には相対する長手方向および/または横方向の隆起の間に含む、emb−1〜10のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0463】
emb−12. 正面側および裏面側が少なくとも1つのインデンテーションを含む、emb−11に記載の医薬投薬形。
【0464】
emb−13. 正面側および裏面側内の1つおよび複数のインデンテーションが少なくとも一度、少なくとも部分的にオフセットされている、emb−12に記載の医薬投薬形。
【0465】
emb−14. 正面側の全てのインデンテーションおよび裏面側の全てのインデンテーションが少なくとも部分的にオフセットされている、emb−12または13に記載の医薬投薬形。
【0466】
emb−15. 正面側の少なくとも1つのインデンテーションおよび裏面側の少なくとも1つのインデンテーションが合同な形で位置づけされている、emb−12に記載の医薬投薬形。
【0467】
emb−16. 正面側の全てのインデンテーションおよび裏面側の全てのインデンテーションが合同な形で位置づけされている、emb−15に記載の医薬投薬形。
【0468】
emb−17. インデンテーションが円筒または立法体様または直平行六面体様の形状、または半球の形状を有する、emb−11〜16のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0469】
emb−18. 1つ以上の親水性ポリマーを含む、emb1〜17のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0470】
emb−19. 1つ以上の親水性ポリマーがヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルセルロースである、emb−18に記載の医薬投薬形。
【0471】
emb−20. アルファ化デンプンをさらに含む、emb−18または19に記載の医薬投薬形。
【0472】
emb−21. 詳細には長円の医薬投薬形の長手方向長さが30mmを超えない、emb−1〜20のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0473】
emb−22. 正面側および裏面側の基礎部域全体にわたって有する平均厚みが、少なくとも約1mm、そして詳細には約6mm以下である、emb−1〜21のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0474】
emb−23. 隆起が、正面側の基礎部域からおよび/または裏面側の基礎部域から垂直に平均して約0.5mmから約2mm延在している、emb−1〜22のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0475】
emb−24. 約5mm〜約30mmの範囲内、詳細には約15mm〜約25mmの範囲内の長手方向の長さ、約5mm〜約15mm、詳細には約7mm〜約12mmの範囲内の幅、および約1mm〜約6mmの範囲内、詳細には約2mm〜約4mmの範囲内の基礎部域全体にわたる厚みを有する、emb−1〜23のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0476】
emb−25. 少なくとも部分的なコーティングをさらに含む、emb−1〜24のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0477】
emb−26. 乱用の可能性ある少なくとも1つの薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)を含み、かつ長手方向軸と2つの相対する長手方向縁端、長手方向軸に対し垂直な横方向軸と2つの相対する横方向縁端、正面側、反対側の裏面側および前記正面側および裏面側の間の円周方向周縁を含む形状を有し;正面側および/または裏面側が基礎部域を含み、正面側および/または裏面側が、前記基礎部域から上に延在する少なくとも1つの隆起を含み;前記少なくとも1つの隆起が一方または両方の長手方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または一方または両方の横方向縁端の少なくとも一区分におよび/またはそれに隣接して、および/または両方の長手方向縁端および両方の横方向縁端の間に存在している、経口剤形として医薬的に応用するための遅延放出プロフィールを有する不正改変防止性医薬投薬形。
【0478】
emb−27. 長円形状を有する錠剤であるemb−26に記載の医薬投薬形。
【0479】
emb−28. 正面側および裏面側が各々、少なくとも両方の長手方向縁端にあるおよび/またはそれに隣接する一区分に沿って、少なくともおよび/または両方の横方向縁端にあるおよび/またはそれに隣接する一区分に沿って、少なくとも1つの隆起を含む、emb−26または27に記載の医薬投薬形。
【0480】
emb−29. 前記正面側および前記裏面側が、少なくとも本質的に連続した隆起を、両方の相対する長手方向縁端の少なくとも3分の2におよび/またはそれに隣接して含んでいる、emb−26〜28のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0481】
emb−30. 一方または両方の長手方向縁端がその長さの少なくとも大部分にわたり本質的に直線でありかつ/または、一方または両方の横方向縁端がその縁端の大部分にわたり湾曲している、emb−26〜29のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0482】
emb−31. 正面側および/または裏面側が、医薬投薬形の正面側および/または裏面側の円周方向縁端におよび/またはこれに隣接して本質的に円周方向の隆起を含む、emb−26〜30のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0483】
emb−32. 医薬投薬形がその長円形態において、正面側の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分におよび/またはそれに隣接して、詳細には前記長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、またはその長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側両方の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分におよび/またはそれに隣接して、詳細には少なくともその前記長手方向縁端の3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、または、その長円形態において、医薬投薬形の正面側の円周方向縁端におよび/またはそれに隣接して円周方向隆起を含むか、または、その長円形態において医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端におよび/またはそれに隣接して円周方向隆起を含む、emb−26〜30のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0484】
emb−33. 医薬投薬形がその長円形態において、正面側の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に、詳細には前記長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、またはその長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側両方の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に、詳細には少なくともその前記長手方向縁端の3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、または、その長円形態において、医薬投薬形の正面側の円周方向縁端に円周方向隆起を含むか、または、その長円形態において医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端に円周方向隆起を含む、emb−32に記載の医薬投薬形。
【0485】
emb−34. 医薬投薬形がその長円形態において、正面側の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に隣接して、詳細には前記長手方向縁端の少なくとも3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、またはその長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側両方の、相対する両方の長手方向縁端の主要部分に隣接して、詳細には少なくともその前記長手方向縁端の3分の2に沿って少なくとも1つの隆起を含むか、または、その長円形態において、医薬投薬形の正面側の円周方向縁端に隣接して円周方向隆起を含むか、または、その長円形態において医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端に隣接して円周方向隆起を含む、emb−32に記載の医薬投薬形。
【0486】
emb−35. その長円形態において、医薬投薬形の正面側および裏面側の両方の円周方向縁端に隣接して円周方向隆起を含む、emb−32に記載の医薬投薬形。
【0487】
emb−36. 正面側および/または裏面側、詳細には正面側の基礎部域および/または裏面側の基礎部域が、正面側および/または裏面側上の少なくとも1つの隆起に加えて、少なくとも1つのインデンテーションを、詳細には相対する長手方向および/または横方向の隆起の間に含む、emb−26〜35のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0488】
emb−37. 正面側および裏面側が少なくとも1つのインデンテーションを含む、emb−36に記載の医薬投薬形。
【0489】
emb−38. 正面側および裏面側内の1つおよび複数のインデンテーションが少なくとも一度、少なくとも部分的にオフセットされている、emb−37に記載の医薬投薬形。
【0490】
emb−39. 正面側の全てのインデンテーションおよび裏面側の全てのインデンテーションが少なくとも部分的にオフセットされている、emb−37または38に記載の医薬投薬形。
【0491】
emb−40. 正面側の少なくとも1つのインデンテーションおよび裏面側の少なくとも1つのインデンテーションが合同な形で位置づけされている、emb−36に記載の医薬投薬形。
【0492】
emb−41. 正面側の全てのインデンテーションおよび裏面側の全てのインデンテーションが合同な形で位置づけされている、emb−40に記載の医薬投薬形。
【0493】
emb−42. インデンテーションが円筒または立法体様または直平行六面体様の形状、または半球の形状を有する、emb−36〜41のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0494】
emb−43. ポリアルキレンオキシドを含む、emb−26〜42のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0495】
emb−44. 少なくとも1つのセルロースエーテル誘導体を含む、emb−26〜43のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0496】
emb−45. セルロースエーテル誘導体がHPMCである、emb−44に記載の医薬投薬形。
【0497】
emb−46. ポリアルキレンオキシドがポリエチレンオキシドである、emb−43〜45のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0498】
emb−47. ポリエチレンオキシドが約2,000,000〜約7,000,000の範囲内の分子量を有する、emb−46に記載の医薬投薬形。
【0499】
emb−48. 医薬投薬形がポリアルキレングリコールをさらに含む、emb−26〜47のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0500】
emb−49. ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールである、emb−48に記載の医薬投薬形。
【0501】
emb−50. 乱用の可能性ある薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)が痛み止め薬、詳細にはオピオイドまたはオピオイド誘導体である、emb−26〜49のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0502】
emb−51. 薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)がタペンタドールである、emb−50に記載の医薬投薬形。
【0503】
emb−52. 少なくとも1つの乱用の可能性ある薬学的に活性な成分(薬理学的に有効な化合物)、詳細には鎮痛性化合物;少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)、詳細にはポリ(エチレン)オキシド;少なくとも1つのセルロースエーテル誘導体、詳細にはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);および少なくとも1つのポリアルキレングリコール、詳細にはポリエチレングリコールおよび任意には添加剤を含む、emb−26〜51のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0504】
emb−53. 乱用の可能性を有する有効成分が、少なくとも5重量パーセントの量で存在し;ポリ(アルキレンオキシド)、詳細にはポリ(エチレンオキシド)が少なくとも15重量パーセントの量で存在し;セルロースエーテル誘導体詳細にはHPMCが少なくとも5重量パーセントの量で存在し;ポリアルキレングリコール、詳細にはポリエチレングリコールが少なくとも5重量パーセントの量で存在する、emb−52に記載の医薬投薬形。
【0505】
emb−54. 詳細には長円の医薬投薬形の長手方向長さが30mmを超えない、emb−26〜53のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0506】
emb−55. 正面側および裏面側の基礎部域全体にわたって有する平均厚みが、少なくとも約1mm、そして詳細には約6mm以下である、emb−26〜54いずれかに記載の医薬投薬形。
【0507】
emb−56. 隆起が、正面側の基礎部域からおよび/または裏面側の基礎部域から垂直に平均して約0.5mmから約2mm延在している、emb−26〜55のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0508】
emb−57. 約5mm〜約30mmの範囲内、詳細には約15mm〜約25mmの範囲内の長手方向の長さ、約5mm〜約15mm、詳細には約7mm〜約12mmの範囲内の幅、および約1mm〜約6mmの範囲内、詳細には約2mm〜約4mmの範囲内の基礎部域全体にわたる厚みを有する、emb−26〜56のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0509】
emb−58. 前記医薬投薬形が、詳細には押出モノリシック塊で形成されたモノリスである、emb−26〜57のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0510】
emb−59. 溶融押出により得られたモノリシック塊からダイおよびパンチを用いた圧縮を介して調製された、emb−26〜58のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0511】
emb−60. 周囲温度を示す溶融押出モノリシック塊を圧縮することにより得られた、emb−58または59に記載の医薬投薬形。
【0512】
emb−61. 押出モノリシック塊が圧縮に先立ち切断されている、emb−58〜60のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0513】
emb−62. 溶融押出が2軸スクリュー押出機を用いて実施されている、emb−58〜61のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0514】
emb−63. 少なくとも部分的なコーティングをさらに含む、emb−1〜62のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0515】
emb−64. 中に含まれている薬理学的に有効な化合物(A)の制御放出を伴う医薬投薬形において、拡張方向E
1に少なくとも500Nの破壊強度B
1を有し、拡張方向E
2に500N未満の破壊強度B
2を有する医薬投薬形。
【0516】
emb−65. E
1がE
2に対し直交する、emb−64に記載の医薬投薬形。
【0517】
emb−66. E
2が医薬投薬形の主拡張方向である、emb−64または65に記載の医薬投薬形。
【0518】
emb−67. 拡張方向E
2にB
2より高い力を加えた場合に断片を提供し、次に前記断片はその拡張方向のいずれおいても少なくとも500Nの破壊強度を有する、emb−64〜66のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0519】
emb−68. 各断片の体積が医薬投薬形の体積の少なくとも5%である、emb−67に記載の医薬投薬形。
【0520】
emb−69. 医薬投薬形のmm
2単位の合計表面積Sが、
【数5】
(式中、
Aが4.5であり
Wはmg単位の医薬投薬形の合計重量である)
という必要条件を満たす、emb−64〜68のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0521】
emb−70. Aが6.2である、emb−69に記載の医薬投薬形。
【0522】
emb−71. 拡張方向E
2に力を加えた場合に変形し、力の量が破壊強度B
2に達した時点で、変形によってけん引力がもたらされ、このけん引力により剤形が破壊されるようになっている、emb−64〜70のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0523】
emb−72. 試験管内条件下で、医薬投薬形中に当初含まれていた薬理学的に有効な化合物(A)を、
0.5時間後に、1.0〜35重量%、
1時間後に、5.0〜45重量%、
2時間後に、10〜60重量%、
4時間後に、少なくとも15重量%、
6時間後に、少なくとも20重量%、
8時間後に、少なくとも25重量%、および
12時間後に、少なくとも30重量%、
放出した、emb−64〜71のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0524】
emb−73. その主要な拡張方向を中心として半径方向に対称ではない、emb−64〜72のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0525】
emb−74. 剤形の主要拡張部域に対して直交する剤形の最大拡張が、この主要拡張部域に対し平行な剤形の質量中心から間隔どりされている、emb−64〜73にいずれかに記載の医薬投薬形。
【0526】
emb−75. その表面の一部分が凸状であり、その表面の別の部分が凹状である、emb−64〜74のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0527】
emb−76. 少なくとも100,000gmol
−1の重量平均分子量を有するポリマー(C)を含む、emb−64〜75のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0528】
emb−77. ポリマー(C)がポリアルキレンオキシドを含む、emb−76に記載の医薬投薬形。
【0529】
emb−78.
− 医薬投薬形の表面の一部分が凸状であり、その表面の別の部分が凹状であり;かつ
− 薬理学的に有効な化合物(A)が向精神作用性物質であり;かつ
− 薬理学的に有効な化合物(A)の含有量が、剤形の合計重量に基づいて少なくとも0.5重量%であり;かつ
−ポリマー(C)が少なくとも200,000g/molの重量平均分子量を有するポリアルキレンオキシドであり;かつ
− ポリマー(C)の含有量が、剤形の合計重量に基づいて少なくとも15重量%であり;かつ
− 薬理学的に有効な化合物(A)がポリマー(C)中に包埋されており;かつ
− 医薬投薬形が一日一回または一日二回の経口投与向けに適合されており;かつ
− 医薬投薬形が熱成形されている、
emb−64〜77のいずれかに記載の医薬投薬形。
【0530】
emb−79. 即時放出または遅延放出経口剤形としての、emb−1〜25のいずれかに記載の医薬投薬形の使用。
【0531】
emb−80. 不正改変防止性または耐破壊性の遅延放出経口剤形としての、emb−26〜78のいずれかに記載の医薬投薬形の使用。
【0532】
emb−81. 治療を必要とする患者における痛みの治療方法において、治療用として有効量のemb−1〜78のいずれかに記載の医薬投薬形を前記患者に投与するステップを含み、薬学的に活性な成分、乱用対象の薬学的に活性な成分および薬理学的に有効な化合物(A)が複数の鎮痛剤からなる群から選択される方法。
【0533】
以下では、実施例を参照しながら本発明について説明する。これらの説明は、単に一例として示されており、本発明の全体的概念および範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0534】
実施例1:
調合例
A.遅延放出製剤の調合例
有効成分(1つまたは複数) 0.01−50%(w/w)
粘性親水性ポリマー(1つまたは複数) 0.01−80%(w/w)
アルファ化デンプン 5−80%(w/w)
薬学的に許容される製剤化剤 100%までの残量(w/w)
有効成分(1つまたは複数) 0.01−50%(w/w)
ヒドロキシプロピルセルロースを含む
粘性親水性ポリマー(1つまたは複数) 0.01−80%(w/w)
アルファ化デンプン 5−80%(w/w)
薬学的に許容される製剤化剤 100%までの残量(w/w)
有効成分(1つまたは複数) 0.01−50%(w/w)
粘性親水性ポリマー(1つまたは複数) 0.01−80%(w/w)
アルファ化デンプン 5−15%(w/w)
薬学的に許容される製剤化剤 100%までの残量(w/w)
有効成分(1つまたは複数) 0.01−50%(w/w)
ヒドロキシプロピルセルロースを含む
粘性親水性ポリマー(1つまたは複数) 0.01−80%(w/w)
アルファ化デンプン 5−15%(w/w)
薬学的に許容される製剤化剤 100%までの残量(w/w)
有効成分(1つまたは複数) 0.01−50%(w/w)
粘性親水性ポリマー(1つまたは複数) 0.01−80%(w/w)
アルファ化デンプン 5%(w/w)
薬学的に許容される製剤化剤 100%までの残量(w/w)
有効成分(1つまたは複数) 0.01−50%(w/w)
ヒドロキシプロピルセルロースを含む
粘性親水性ポリマー(1つまたは複数) 0.01−80%(w/w)
アルファ化デンプン 5%(w/w)
薬学的に許容される製剤化剤 100%までの残量(w/w)
有効成分(1つまたは複数) 0.01−50%(w/w)
ヒドロキシプロピルセルロース 25−62%(w/w)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0−16%(w/w)
アルファ化デンプン 5−15%(w/w)
薬学的に許容される製剤化剤 100%までの残量(w/w)
【0535】
上述の製剤は一般に、以下のプロセスにしたがって調製可能である:
(1.a)1つ以上の有効成分、アルファ化デンプン、1つ以上の粘性親水性ポリマーそして任意には薬学的に許容される製剤化剤の一部または全てを混合する;
(1.b)(1.a)で調製した粉末混合物を圧密機中に通して、板材を生成する;
(1.c)結果として得られる板材を破壊し篩がけして、顆粒を生成する;
(1.d)結果として得られた顆粒を、好ましくは均質になるまで、薬学的に許容される製剤化剤の全てまたは残りと任意に混合する。
【0536】
有効成分が、水難溶性、わずかに水溶性、極くわずかに水溶性、事実上水不溶性または水不溶性の薬剤、またはpH依存性溶解度をもつ薬剤、詳細にはアルカリ性薬剤である場合、この有効成分は、一実施形態において、上述の通りのシクロデキストリンまたはその誘導体または別の水溶性ポリマーとの密な混合物として、制御放出製剤中に取込まれ得る。前記の場合において、この制御放出製剤は、付加的な第1のステップすなわち、
(2.a)1つ以上の有効成分および水溶性ポリマーを密に混合する;
(2.b)(2.a)で調製された密な混合物を、アルファ化デンプン、1つ以上の粘性親水性ポリマー、および薬学的に許容される製剤化剤の一部または全てと混合する;
(2.c)(2.b)で調製した粉末混合物を圧密機の中に通して、板材を生成する;
(2.d)結果として得られる板材を破壊し篩がけして、顆粒を生成させる;
(2.e)結果として得られた顆粒を、好ましくは均質になるまで薬学的に許容される製剤化剤の全てまたは残りと任意に混合する。
【0537】
1つの実施形態において以上で記述した通りのプロセスによって得られた製剤を次に、本発明の錠剤用に適合されたパンチおよびダイを伴う打錠機内で、上述のプロセスの結果として得られた最終的配合物すなわち(1.d)または(2.e)でもたらされた配合物を打錠することによって、本発明に係る錠剤の形に圧縮することができる。
【0538】
上述のプロセスのステップ(1.b)または(2.c)で言及されている圧密機は、粉末状の混合物を2つのローラーの間に通してこれに圧力を加える装置である。このようにして、混合物は圧密され、シートまたは板材が形成される。圧密機は例えば、Polygran 3W圧密機など、Gerteis(Jona, Swiss)社から市販されている。
【0539】
制御放出製剤の上述の一般的調製経路は、例えば上述のもの以外の段階で或る種の成分を添加することにより、当業者により修正されてよい。
【0540】
圧密ステップが関与する上述の調製経路に対する代替案として、上述の混合物を直接的圧縮を用いて打錠することもまた可能である。直接圧縮技術を使用する場合には、本発明の所望の錠剤の形をしたダイまたはマトリクスに錠剤組成を有する粉末状混合物を充填し、次に所望の錠剤用に適合されたパンチで押抜きする。この打錠方法がもつ利点は、それに必要なステップが比較的少ないということにある。直接圧縮打錠用の装置は、当業者にとって公知である。これらの装置は、強制補給無くダイまたはマトリクスを充填するのに混合物のレオロジー特性が適切でない場合に、強制補給システムを必要とする。
【0541】
本発明に係る遅延放出製剤の実施例
シサプリド−(L)−タルトレート 52.92mg
ラクトース一水和物、200メッシュ 149.43mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 74.1mg
ヒドロキシプロピルセルロース 228.00mg
ドラム乾燥ワキシーコーンスターチ 28.5mg
ステアリン酸マグネシウム 2.85mg
コロイド質無水シリカ 5.7mg
タルク 28.5mg
【0542】
上述の粉末混合物の調製
遊星ミキサー内でシサプリド−(L)−タルトレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ドラム乾燥ワキシーコーンスターチ、ラクトース充填材を混合し、その後乾式圧密機を用いて圧密する。圧密粉を破壊し、篩がけし、遊星ミキサー内でコロイド無水シリカと混合する。ステアリン酸マグネシウムを添加し、混合する。
【0543】
その後上述の混合物を、本発明に係る錠剤の形に圧縮することができる。
【0544】
B.即時放出製剤用の調合例
100gの有効成分、570gのラクトースおよび200gのデンプンの混合物を充分に混合しその後、約200mgの水中の5gのドデシル硫酸ナトリウムおよび10gのポリビニルピロリドン(Kollidon−K90(登録商標))の溶液で加湿する。湿潤粉末混合物を篩がけし、乾燥させ、再び篩がけする。その後、100gの微結晶性セルロース(Avicel(登録商標))および15gの水素化植物油(Sterotex(登録商標))を添加する。全体を充分混合する。
【0545】
上述の混合物を次に本発明に係る錠剤へと圧縮し、各々10mgの有効成分を含む10,000個の錠剤を得る。
【0546】
実施例2:
以下の組成物から医薬投薬形を製造した:
【0547】
【表11】
【0548】
291.20mgのタペンタドールHClは、タペンタドール遊離塩基に250mgに対応する。
【0549】
一般的手順:
ポリエチレンオキシドを90℃で溶融し、全量のα−トコフェロールを中に溶解させた。その後、70℃の温度で5分間、高速ミキサー内でタペンタドールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を混合した。ポリエチレンオキシドとα−トコフェロールの溶融体を10分以内に滴下により混合物に添加した。このようにして得た粒質体をテーパー篩がけ機(taper sieving machine)の上で篩がけし、その後、自由落下ミキサー内で15分間混合した。粉末混合物を押出機に重量計量式に投入した。直径8mmの加熱できる丸型ダイが備わったMicro 27 GL 40 D型の2軸スクリュー押出機(Leistritz, Nuernberg, Germany)を用いて、押出を実施した。
【0550】
以下の押出条件を調整した:
スクリューの回転数:100Upm
処理能力:4kg/時
製品温度:120℃
シェル温度:100℃
【0551】
コンベヤベルト上で高温押出物を冷却し、冷却した押出ストランドを、各々重量700mgの切断片に細砕した。切断片を偏心プレスを用いて成形した。H−プランジャ(9
*21H0、21×9WR1.9型、「内庭(inner courtyard)」付き、Notter, Oelbronn−Duerrn, Germany)を用いて、本発明の実施例I−1およびI−2の錠剤を成形し、比較例C−1の錠剤を従来の長円プランジャを用いて成形した。
【0552】
本発明の実施例I−1およびI−2の錠剤は、以下の寸法(
図9B)にしたがった基本高さH;
図10にしたがった幅、高さおよび長さa、bおよびc(平均値n=10))を有していた:
【0553】
【表12】
【0554】
相対的に、比較例C−1に係る医薬投薬形の表面積は、約459mm
2であると推定された(非特許文献7にしたがった推定)。
【0555】
S≧A・W
2/3を必要条件とした本発明の実施例I−1およびI−2に係る医薬投薬形の相関関係は、下表にまとめめられている。
【0556】
【表13】
【0557】
実施例3:
錠剤の溶解プロフィールを以下の条件で調査した:シンカーの備わったパドル装置、50rpm、37±5℃、900mLの人工腸液pH6.8(リン酸緩衝液)。
【0558】
結果は
図21〜24に示されている。
【0559】
図21は、製造直後に、本発明の実施例I−2(H字形)に係る錠剤の放出プロフィールが、比較例C−1(長円)に係るヒドロキシプロピルメチルセルロースの放出プロフィールに匹敵することを示している。
【0560】
図22は、本発明の実施例I−1(H字形)に係る錠剤の放出プロフィールが、本発明の実施例I−2(H字形)に係る錠剤に匹敵すること、すなわち異なるバッチが再現可能な結果を提供することを示している。
【0561】
図23は、保管後(それぞれ40℃、6カ月;25℃9カ月および30℃9カ月)に比較例C−1(長円)に係る錠剤の放出プロフィールが変化することを示している。
【0562】
図24は、本発明の実施例I−2(H字形)に係る錠剤の放出プロフィールが保管後(それぞれ40℃、6カ月;25℃9カ月;および30℃9カ月)安定している、すなわち変化しないことを示している。
【0563】
これらの実験上の発見事実は、本発明に係る医薬投薬形が、放出プロフィールの観点から見て比較用医薬投薬形の貯蔵安定性よりも優れた貯蔵安定性を有することを実証している。
【0564】
実施例4
実施例2にしたがって、以下の組成物から医薬投薬形を製造した。
【0565】
【表14】
【0566】
さらに、232.96mgのタペンタドールHCl(C−5)および291.20mgのタペンタドールHCl(C−6)を含む2つの比較用H字形錠剤(9×21mm)を、高分子量のポリアルキレンオキシドを含まない従来の賦形剤から押出無しで製造した。
【0567】
医薬投薬形の破壊強度を、120mm/分の一定速度でSotax(登録商標) HT100を用いて測定した。測定中に、剤形が個別の断片に破断されたか否かとは無関係に、力が測定中に観察された最大の力の25%という閾値より低く降下した場合に、錠剤は破壊試験に不合格であるとみなされた。
【0568】
全ての値は、10回の測定の平均として示されている(n=10)。
【0569】
破壊強度測定の結果は下表にまとめられている:
【0570】
【表15】
【0571】
上述の破壊強度データは、本発明に係る剤形I−3およびI−4が、
図18B)にしたがって(E
2)測定された場合500N未満の破壊強度(B
2)を示すのに対して、エンボスおよびインデンテーションを伴うテスタージョーを装備した場合でさえ、
図20A)および20C)にしたがって測定した(E
1)場合には500N超の破壊強度(B
1)を示す、ということを実証している。
【0572】
それでもなお、
図18B)にしたがって(E
2)測定された場合の本発明に係る剤形I−3およびI−4の破壊強度(B
2)は、押出無しで従来の賦形剤から製造されたH字形の剤形(C−5およびC−6)のものよりもなおはるかに高いものである。
【0573】
さらに、特許文献27または特許文献28に記述されているような高い破壊強度を有する比較用の長円形錠剤(C−2、C−3およびC−4)は、
図18B)にしたがって測定された場合、500N超の破壊強度を示す。このような長円形錠剤は、各々全ての拡張方向において少なくとも500Nの破壊強度を示し、こうして本発明に係る医薬投薬形とは区別される。
【0574】
実施例5
タペンタドールeq200mg錠剤を、2つの異なる錠剤形状で押出により(3.5kg/時)調製した。組成は事実上同一であり(αトコフェロールにわずかな変動)、同じ重量を有していた。
【0575】
タペンタドールeq200mg錠剤の組成(mg単位):
【0576】
【表16】
【0577】
50rpmのパドル速度、USP装置II、USP緩衝液pH6.8で、溶解状態で試験されたタペンタドールeq200mg錠剤についての放出薬剤百分率:
【0578】
【表17】
【0579】
実施例6
異なる錠剤形状で押出(3.5kg/時)により、タペンタドールeq200mg錠剤を調製した。組成は次の表に示されている。
【0580】
タペンタドールeq200mg錠剤の組成(mg単位):
【0581】
【表18】
【0582】
第1の比較用錠剤セットを従来の長円プランジャ9×21mmを用いて成形し、第2の本発明の錠剤のセットをH−プランジャ(22.6
*8.6H1、CPS Batonett型、C7084−1、Elisabeth EPMO, France)を用いて成形した。
【0583】
50rpmのパドル速度、USP装置II、USP緩衝液pH6.8で、溶解状態で試験されたタペンタドールeq250mgについての放出薬剤百分率:
【0584】
【表19】