(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明を婦人科用、産科用などの検診台(以下、単に「検診台」という。)に適用した一実施例を、「1、検診台全体の概略的な構成」、「2、背板・座板支持機構の構成」、「3、支脚器支持機構の構成」、「4、汚水ロート支持機構の構成」、「5、検診台全体の概略的な動作」、「6、背板・座板支持機構の動作」、「7、支脚器支持機構の動作」および「8、汚水ロート支持機構の動作」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
1、検診台全体の概略的な構成
図1〜
図4に示すように、検診台1は、婦人科、産科などの診療室の床面上などに設置される脚付き基台2を備えている。したがって、この基台2は、例えばその四隅にそれぞれ脚部3を備えている。そして、これらの脚部3は、上記床面上に配置されることができるように構成されている。さらに、脚付き基台2上には、背板・座板作動機構4が配設されている。そして、この背板・座板作動機構4の上には、背板・座板支持機構5が配設されている。
【0011】
図1〜
図4に示すように、背板・座板支持機構5は、カバー部材9によってほぼ全体的に被覆されている連結手段としての連結部材6を備えている。そして、この連結部材6は、背板・座板作動機構4上に配設されていて、この背板・座板作動機構4に連結されている。また、背板・座板作動機構4は、この連結部材6を回動させるための電動モータなどの回動駆動源(図示せず)と、この連結部材6を昇降させるための油圧シリンダなどの昇降駆動源(図示せず)とを備えている。また、背板11および座板12は、背板・座板支持機構5によって支持および駆動される。なお、背板・座板支持機構5の構成については、後述の「2、背板・座板支持機構の構成」の項において詳述する。
【0012】
図5〜
図7および
図16〜
図19に示すように、背板11は、腰板兼用に構成されていて、背板部および腰板部が互いに一体に構成されたものである。そして、背板11は、背板フレーム13を備えている。また、この背板フレーム13の下端部付近の左右両側に設けられた左右一対の軸受け部10a、10bには、左右一対の支脚器アーム14a、14bの基端部7にそれぞれ設けられた支軸部としての左右一対の支軸15がそれぞれ回動可能に軸支されている。さらに、左右一対の支脚器アーム14a、14bの自由端部8には、左右一対の支脚器16a、16bが支軸17によってそれぞれ回動可能に軸支されている。そして、左右一対の支脚器16a、16bのそれぞれはほぼ鞍型に構成されている。また、これら左右一対の支脚器16a、16bの表面にそれぞれ形成されている凹部18は、背板起立状態においては、ほぼ前後方向にそれぞれ延在している。なお、支脚器支持機構19の構成については、後述の「3、支脚器支持機構の構成」の項において詳述する。
【0013】
図1〜
図4に示すように、背板11の左右一対の両側部には、肘受けまたは手受けとしてそれぞれ機能することができる左右一対の腕受け21a、21bが支軸22によってそれぞれ回動可能に軸支されている。そして、これら左右一対の腕受け21a、21bは、
図2に示すように背板起立状態においてほぼ水平になる第1の状態と、
図2に示す背板11に対してほぼ平行になるように持ち上げられた第2の状態との間を手動によってそれぞれ往復回動させることができる。また、
図4、
図14および
図15に示すように、汚液受け手段としての汚水ロート23が、汚水ロート支持機構(換言すれば、汚液受け支持機構)24によって、背板・座板支持機構5に取り付けられている。なお、汚水ロート支持機構24の構成については、後述の「4、汚水ロート支持機構の構成」の項において詳述する。
【0014】
2、背板・座板支持機構の構成
図2、
図4および
図16に示すように、背板・座板支持機構5の連結部材6には、背板フレーム13が支軸25によって回動可能に軸支されている。なお、
図16に示す鎖線26は、支軸25の軸心を通る線分を示している。また、
図16に示す背板フレーム13の下端部(換言すれば、座板12側の端部)には、
図14および
図15に示すように、座板フレーム31が左右一対の支軸32によって背板11に対して相対的に回動可能に軸支されている。また、
図16における左右一対の鎖線33a、33bは、
図14に示す左右一対の支軸32の軸心をそれぞれ通る線分を示している。そして、連結部材6には、この連結部材6から背板・座板作動機構4の前面にほぼ沿って下方に向かって延在しているシリンダ取り付け部27が一体的に配設されている。また、このシリンダ取り付け部27には、伸縮駆動手段としての電動シリンダ、油圧シリンダなどの伸縮駆動用シリンダ29の下端部が支軸28によって回動可能に軸支されている。さらに、伸縮駆動用シリンダ29の上端部は、支軸(図示せず)によって、
図16に示す背板フレーム13のシリンダ取り付け部30に軸支されている。
【0015】
図1、
図2、
図4および
図5に示すように、背板11は、背板フレーム13と、この背板フレーム13をほぼ全体的に被覆している外装部材34とを備えている。そして、この背板フレーム13は、背板11を一回り小さくした形状に類似した形状であってよく、背板11(換言すれば、外装部材34)とほぼ平行な位置関係を有している。また、
図14および
図15に示すように、座板12は、前後方向に往復摺動可能(換言すれば、往復移動可能)に座板フレーム31に取り付けられている。さらに、背板・座板支持機構5には、背板11と座板12とを連結するための左右一対の連結部材35がそれぞれ配設されている。具体的には、これら左右一対の連結部材35のそれぞれの一端部は、左右一対の支軸36によって、背板フレーム13の下端部付近の左右両側にそれぞれ軸支されている。また、これら左右一対の連結部材35のそれぞれの他端部は、左右一対の支軸37によって座板12の下部の左右両側にそれぞれ軸支されている。なお、左右一対の連結部材35のそれぞれは、座板12の座板本体12a(換言すれば、座板上部)との接触を回避するためにほぼJ字形状に形成されているが、原理的には、ほぼ直線形状であってよい。
【0016】
図14および
図15に示すように、座板フレーム31は、取り付け腕部41を備えている。そして、この取り付け腕部41には、リンク42の一端部が支軸43によって連結されている。また、リンク42の他端部は、
図4に示すように、支軸44によって連結部材6に回動可能に軸支されている。したがって、連結部材6、背板フレーム13、座板フレーム31およびリンク42によって、リンク機構40が構成されている。そして、これら4種類のリンク6、13、31、42は、支軸25、32、43、44によって順次連結されている。また、支軸25、32、43、44を順次結ぶ線分によって常にほぼ平行四辺形が形成されている。この場合、支軸25、44のそれぞれは、連結部材6に対して常に一定の位置に保持されるように構成されている。一方、連結部材6は、
図4に示すほぼ水平な状態を常に保持されるように構成されている。このために、座板フレーム31(ひいては、座板12)も、
図4に示すほぼ水平な状態を保持されるように構成されている。
【0017】
3、支脚器支持機構の構成
図5〜
図7および
図16〜
図19に示すように、左右一対の支脚器アーム14a、14bのそれぞれは、基端側の部分45、中間の部分46および自由端側の部分47を有するほぼコ字状に構成されているので、左側の外方または右側の外方に向かって突出している屈曲部49を有している。そして、左右一対の支脚器アーム14a、14bのそれぞれの基端側部分45の基端部7にそれぞれ設けられた左右一対の支軸15が、背板フレーム13の下端部付近の取り付け部48の左右両側にそれぞれ設けられた左右一対の軸受け部10a、10bにそれぞれ回動可能に軸支されている。なお、取り付け部48は、
図16に示すように、扁平なほぼV字形状のフレーム材から構成されているのが好ましい。また、左右一対の支軸15は、背板フレーム13を回動可能に軸支している支軸25(換言すれば、
図16に示す線分26)に対して垂直な背板フレーム13の長さ方向に延在する中心線51に対して互いに左右対称的に配置されているのが好ましい。したがって、左右一対の支軸15の軸心方向のそれぞれは、中心線51に対して下方から上方に向かうに従ってこの中心線51にほぼ向かう方向に傾斜している。
【0018】
具体的には、図示の実施例においては、この傾斜角度θ1は、ほぼ15°である。そして、この傾斜角度θ1は、実用性の観点から見て一般的に、10°〜20°の範囲であるのが好ましく、12.5°〜17.5°の範囲であるのがさらに好ましい。また、
図18において、左右一対の支軸15の軸心の、線分26側に向かう延長線50のそれぞれが、互いに交差するように構成されている。なお、上記傾斜角度θ1の大きさは、
図18に示すように、背板フレーム13(換言すれば、背板11)をその平面とは直交する方向から見たときの中心線51に対する延長線50の傾斜角度の大きさを意味している。そして、
図17に示す背板フレーム13(換言すれば、背板11)をその側面から見たときの中心線に対する延長線50の傾斜角度は、ほぼ0°であることができる。
【0019】
図5〜
図13に示すように、支脚器支持機構19は、左右一対の支脚器16a、16bの開き角度を制御することができる左右一対の開き角度制御機構52a、52bを備えている。そして、これらの開き角度制御機構52a、52bのそれぞれは、取り付け基板部としての取り付け基板53、支脚器ロック操作手段としての支脚器ロックレバー54、開き角度調節用操作手段としての開き角度調節レバー55、第1のロックプレート56および第2のロックプレート57をそれぞれ備えている。また、取り付け基板53は、背板フレーム13の左右両側の下端付近において、背板フレーム13のほぼ長さ方向に延在している取り付け部61に取り付け固定されている。さらに、支脚器ロックレバー54は、支軸62によって取り付け基板53に回動可能に軸支されている。そして、開き角度調節レバー55は、支軸63によって取り付け基板53に回動可能に軸支されている。
【0020】
図8〜
図13に示すように、第1および第2のロックプレート56、57のそれぞれは、取り付け基板53に取り付けられている。この場合、第1および第2のロックプレート56、57のそれぞれには、一対の長孔64、65がそれぞれ形成されている。そして、取り付け基板53には、これら一対の長孔64、65にそれぞれ嵌合している一対ずつのガイドピン66が設けられている。したがって、第1および第2のロックプレート56、57は、一対の長孔64、65の長さ方向に沿って往復摺動(換言すれば、往復移動)することができる。なお、左右一対の支脚器アーム14a、14bの基端側部分45のそれぞれは、ロック手段としてのロックピン71を備えている。また、ほぼ円弧状の長孔72、73が、第1および第2のロックプレート56、57にそれぞれ設けられている。そして、基端側部分45が取り付け部48に対して支軸15を回動中心として往復回動するときには、ロックピン71がこれらほぼ円弧状の長孔72、73内を往復回動する。さらに、ほぼ円弧状の長孔72、73の円弧状部分(具体的には、外周側の円弧状部分)には、ロックピン71が順次係合し得る多数個のほぼ半円形状などの係合用凹部74、75がそれぞれほぼ連続的に形成されている。また、第1のロックプレート56の多数個の係合用凹部74(換言すれば、上記外周側の円弧状部分)は、第2のロックプレート56の多数個の係合用凹部75(換言すれば、上記外周側の円弧状部分)とは、係合用凹部74が1個多いことを除いてほぼ同一形状であってよい。ただし、第1のロックプレート56の多数個の係合用凹部74は、第2のロックプレート57の多数個の係合用凹部75に対し、1個の係合用凹部74のほぼ半ピッチ分だけ位置ずれした状態で配置されている。
【0021】
図8〜
図13に示すように、支脚器ロックレバー54には、ストッパとして機能するほぼアングル形状などの係合用の突起部76が支軸62に隣接するように配設されている。そして、突起部76は、第1および第2のロックプレート56、57にそれぞれ配設された係合用の開口81、82に取り付け基板53の開口77を介してそれぞれ係合している。また、取り付け基板53と第1のロックプレート56との間には、弾性付勢手段としての反発用コイルばね83が圧縮された状態で介装されている。具体的には、このばね83は、第1のロックプレート56に設けられた長孔85に挿入されている。そして、このばね83の一端部は、取り付け基板53に配設された係止用ピン84に当接している。また、ばね83の他端部は、第1のロックプレート56に設けられた係合用の当接面に当接している。なお、この当接面は、長孔85の一方の端面部であってよい。さらに、取り付け基板53と第2のロックプレート57との間にも、弾性付勢手段としての反発用コイルばね86が圧縮された状態で介装されている。具体的には、このばね86は、第2のロックプレート57に設けられた長孔88に挿入されている。そして、このばね86の一端部は、取り付け基板53に配設された係止用ピン87に当接している。また、ばね86の他端部は、第2のロックプレート57に設けられた係合用の当接面に当接している。なお、この当接面は、長孔88の一方の端面部であってよい。
【0022】
図8〜
図13に示すように、支脚器ロックレバー54の摘み部91とは反対側の端部付近の裏側面には、例えば2個のボールプランジャ92がそれぞれ配設されている。なお、これらのボールプランジャ92のそれぞれは、ボールプランジャ92を支脚器ロックレバー54に取り付けるための取り付け部と、この取り付け部から取り付け基板53に向かって弾性的に付勢されている係合用突起部とを備えている。そして、取り付け基板53には、ボールプランジャ92のそれぞれの上記係合用突起部と選択的に係合することができる複数個ずつ(具体的には、2個ずつ)の係合用の凹部93がそれぞれ設けられている。具体的には、2個の上記係合用突起部のそれぞれが同時に係合することができる2個の第1の係合用凹部93と、2個の上記係合用突起部のそれぞれが同時に係合することができる2個の第2の係合用凹部93とが、取り付け基板53にそれぞれ設けられている。
【0023】
図8〜
図13に示すように、開き角度調節レバー55の摘み部98とは反対側の端部付近の裏側面には、例えば2個のボールプランジャ99がそれぞれ配設されている。なお、これらのボールプランジャ99のそれぞれは、ボールプラジャ99を開き角度調節レバー55に取り付けるための取り付け部と、この取り付け部から取り付け基板53に向かって弾性的に付勢されている係合用突起部とを備えている。そして、取り付け基板53には、ボールプランジャ99のそれぞれの上記係合用突起部と選択的に係合することができる複数個ずつ(具体的には、2個ずつ)の係合用の凹部100がそれぞれ設けられている。具体的には、2個の上記係合用突起部のそれぞれが同時に係合することができる2個の第1の係合用凹部100と、2個の上記係合用突起部のそれぞれが同時に係合することができる2個の第2の係合用凹部100と、2個の上記係合用突起部のそれぞれが同時に係合することができる2個の第3の係合用凹部100とが、取り付け基板53にそれぞれ設けられている。
【0024】
図8、
図9および
図12に示すように、左右一対の支脚器アーム14a、14bのそれぞれの基端側部分45には、左右一対の枝分かれ部94が設けられている。そして、これらの枝分かれ部94のそれぞれには、ばね力が比較的弱い弾性付勢手段としての左右一対の牽引用コイルばね(図示せず)の一端部が取り付けられている。また、これら比較的弱い左右一対の牽引用コイルばねのそれぞれは、背板11の中心線51にほぼ向かって延在している。そして、上記左右一対の牽引用コイルばねの他端部のそれぞれは、背板フレーム13の取り付け部48に取り付けられている。したがって、左右一対の支脚器アーム14a、14bのそれぞれは、支軸15を支点として互いに閉じる方向(換言すれば、左右一対の支脚器16a、16bが互いに近づく方向)に上記左右一対の牽引用コイルばねによって比較的弱い力で弾性的に付勢されている。
【0025】
図8〜
図13に示すように、左右一対の支脚器アーム14a、14bの基端側部分45の基端部付近のそれぞれには、左右一対の第1のダンパ96が配設されている。また、背板フレーム13の取り付け部48には、左右一対の第1のダンパ受け97がそれぞれ配設されている。そして、左右一対の支脚器アーム14a、14bが支軸15を支点として互いに開く方向に往回動したときには、左右一対の第1のダンパ96のそれぞれが
図9〜
図13に示すようにこれら左右一対の第1のダンパ受け97に当接する。一方、背板フレーム13の取り付け部48には、
図5に示すように、左右一対の第2のダンパ101がそれぞれ取り付けられている。また、左右一対の支脚器アーム14a、14bの基端側部分45には、
図5に示すように、左右一対の第2のダンパ受け102がそれぞれ配設されている。そして、左右一対の支脚器アーム14a、14bのそれぞれが支軸15を支点として互いに閉じる方向に復回動したときには、これら左右一対の第2のダンパ受け102のそれぞれが左右一対の第2のダンパ101にそれぞれ当接する。さらに、左右一対の支脚器支持アーム14a、14bのそれぞれの支軸15には、
図5に示すように、左右一対のロータリダンパ103が取り付けられている。そして、ダンパ手段としてのこれら左右一対のロータリダンパ103のそれぞれは、左右一対の支脚器支持アーム14a、14bのそれぞれが支軸15を支点として互いに開く方向に往回動するときのみ、支軸15に負荷を加えることによって支軸15を支点とする左右一対の支脚器支持アーム14a、14bのそれぞれの回動速度を抑制することができる。
【0026】
4、汚水ロート支持機構の構成
図3、
図4、
図14および
図15に示すように、汚水ロート支持機構24は、座板フレーム31に取り付け固定された案内支持手段としての左右一対の支持基板111と、これら左右一対の支持基板111によって前後方向に往復摺動可能(換言すれば、往復移動可能)に支持されている汚水ロート受け112とを備えている。そして、汚水ロート受け112は、汚水ロート23を手動によりほぼ上方から嵌合状態で載置し得るように構成されている。また、このようにして載置された汚水ロート23は、汚水ロート受け112から手動によりほぼ上方に抜き出し得るように構成されている。なお、
図2および
図4において、符号117は、汚水ロート23および汚水ロート支持機構24を部分的に被覆しているカバー部材である。
【0027】
図14に示す起立状態にある背板フレーム13の下端部には、この下端部からほぼ下方に向かって延在している位置制御手段としての左右一対の作動腕部113が背板フレーム13と一体的に連設されている。そして、これら左右一対の作動腕部113の自由端部のそれぞれには、位置制御手段としての左右一対の位置制御用ローラ114が回動可能に軸支されている。また、汚水ロート受け112の左右一対の後端部付近には、この汚水ロート受け112の左右両外方に向かって延在している位置被制御手段としての左右一対の屈曲部115が設けられている。なお、左右一対の位置制御用ローラ114は、
図14に示すように、位置被制御手段としての左右一対の屈曲部115に選択的に当接しかつ必要に応じてこれら左右一対の屈曲部115(ひいては、汚水ロート23)をほぼ前方からほぼ後方に向かって復動させる。
【0028】
5、検診台全体の概略的な動作
つぎに、上記第1項〜第4項に記載のように構成された検診台1の概略的な動作を図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1〜
図4に示す検診台1を使用する際には、予め、従来から周知のように背板・座板作動機構4が背板・座板支持機構5の連結部材6を最下方位置に保持しかつ背板11が起立した初期状態(換言すれば、
図1および
図2に示す状態)にしておく。なお、背板11の起立状態においては、背板11(ひいては、背板フレーム13)は、基台2に対して大よそ垂直な状態ではあるが、
図2に示すように、下方から上方に向かうに従って後方に多少(具体的には、ほぼ20°)傾斜している。ついで、患者は、
図1および
図2に示す初期状態になっている検診台1の背板11および座板12に患者の背部および腰部を預けるようにして座板12上に深く座る。この場合、患者は、左右一対の脚部(具体的には、大腿部および/または膝部)を左右一対の支脚器16a、16b上にそれぞれ載置する。
【0030】
ついで、医者または看護師は、患者の診察を目的として、操作ボタンなどの操作手段を操作することによって、
図1および
図2に示す検診台1を作動させる。例えば、検診台1が
図3および
図4に示す診察状態に移行するときには、背板11は、支軸25を支点として
図2における反時計方向に回動して、基台2に対してほぼ水平な状態になる。この場合、座板12は、上方にかなり往動するとともに前方にも多少往動する。そして、閉脚状態になっていた左右一対の支脚器16a、16bは、上方に大きく往動するとともに左右両外側に向かって互いにかなり遠ざかるので、開脚状態になる。また、汚水ロート23は、座板12のほぼ下方からほぼ前方に向かって手動により引っぱり出し得る状態になる。なお、背板・座板支持機構5の動作については、後述の「6、背板・座板支持機構の動作」の項において詳述する。そして、支脚器支持機構19の動作については、後述の「7、支脚器支持機構の動作」の項において詳述する。また、汚水ロート支持機構24の動作については、後述の「8、汚水ロート支持機構の動作」の項において詳述する。
【0031】
6、背板・座板支持機構の動作
患者が検診台1を使用するときには、前記操作手段を操作することなどによって、
図1および
図2に示す検診台1を必要に応じて左右いずれかの方向に回動させることができる。この場合には、背板・座板作動機構4が回動動作を行うので、背板・座板支持機構5の連結部材6(換言すれば、検診台1のうちの基台2、脚部3および背板・座板作動機構4以外の部分)が左右のいずれかの方向に往回動する。ついで、患者が前述のように座板12に座ると、前記操作手段を操作することなどによって、検診台1を
図1および
図2に示す状態に戻すことができる。
【0032】
ついで、前記操作手段を操作することなどによって、
図1および
図2に示す背板起立状態になっている検診台1を
図3および
図4に示す背板倒伏状態にする。この場合、
図2に示す短縮状態にある昇降駆動用シリンダ29が
図4に示す伸長状態に変化するので、背板11が連結部材6に対して支軸25を支点として
図2における反時計方向に往回動する。したがって、座板フレーム31は、
図14に示す支軸32の上昇に伴われて
図15に示すように上昇する。このとき、座板フレーム31は、リンク機構40の機能によってほぼ水平な状態に保たれるので、座板12も、ほぼ水平な状態に保たれる。また、座板12は、連結部材35によって背板フレーム13に連結されているので、座板フレーム31に対して
図15に示す距離L1だけ後方に往動する。したがって、
図4および
図15に示すように、座板12の後端部と背板11の前端部との間隙116は特に大きくなることはないので、背板11の倒伏状態において医師などが患者を診察するときに、座板12が患者の臀部の前方に位置して診察の邪魔になるようなことがない。
【0033】
図3および
図4に示す倒伏状態にある背板11を起立状態に戻すときには、前記操作手段を操作することなどによって、昇降駆動用シリンダ29を
図4に示す伸長状態から
図2に示す短縮状態に復動させる。この場合、背板・座板支持機構5は、昇降駆動用シリンダ29が前述のように短縮状態から伸長状態に往動したときとは全く逆の動作を行う。したがって、検診台1は、
図3、
図4および
図15に示す背板倒伏状態から、
図1、
図2および
図14に示す背板起立状態へと復動する。この場合、
図15に示す往動位置にある座板12は、
図14に示す復動位置まで復動するので、患者の臀部が背板11と座板12との間に挟み込まれて患者の腹部が圧迫されるおそれがない。なお、背板11の起立状態および倒伏状態での位置決めは、昇降駆動用シリンダ29の本来の伸長動作および本来の短縮動作のみによって行うこともできるが、必要に応じて、復動位置のためのリミットスイッチなどのストッパおよび往動位置のためのリミットスイッチなどのストッパを設けることもできる。
【0034】
7、支脚器支持機構の動作
前述のように、
図1および
図2に示す背板起立状態になっている検診台1を
図3および
図4に示す背板倒伏状態にするときには、左右一対の支脚器支持アーム14a、14bのそれぞれは、これら左右一対の支脚器支持アーム14a、14bおよび左右一対の支脚器16a、16bの自重によって、左右一対の支脚器16a、16bが
図18に示す左右一対の支軸15の軸心50を支点として左右両側に拡がるように、往回動する。なお、本文において、この自重による回動(以下、「前記自重回動」という。)とは、左右一対の支脚器16a、16bのそれぞれが支脚器支持アーム14a、14bおよび支脚器16a、16bの自重によって上記支軸15の軸心を支点として左右両側に拡がるように回動することを意味している。そして、この自重回動における自重には、左右一対の支脚器16a、16b上に載置される患者の左右一対の脚部によって左右一対の支脚器16a、16bにそれぞれ加えられる重さ(換言すれば、圧力)も必要に応じて含むことができる。
【0035】
具体的には、
図1および
図2に示す背板起立状態においては、左右一対の支脚器16a、16bは、前記自重回動における自重によって、
図1および
図2に示す閉脚状態に保持されている。そして、
図3および
図4に示す背板倒伏状態になると、左右一対の支脚器16a、16bは、前記自重回動によって、
図3および
図4に示す開脚状態へと移行する。なお、この移行は、左右一対の支軸15が前記自重回動により往回動することによって、行われる。そして、
図3および
図4に示す背板倒伏状態から
図1および
図2に示す背板起立状態に戻るときには、上記移行の場合とは逆の動作が行われる。
【0036】
以上においては、左右一対の開き角度制御機構52a、52bの支脚器ロックレバー54および開き角度調節レバー55を不使用状態にしている場合の支脚器支持機構19の動作について記述したが、以下において、左右一対の開き角度制御機構52a、52bの支脚器ロックレバー54および開き角度調節レバー55を使用状態にした場合の支脚器支持機構19の動作について、順次記述する。
【0037】
支脚器ロックレバー54および開き角度調節レバー55を上述のように不使用状態にしている場合には、開き角度制御機構52a、52bは、つぎのように動作する。すなわち、
図1および
図2における背板起立状態においては、ロックピン71は、
図8に示すように、長孔72、73の一方の端部である後端部付近に対向する位置に存在している。そして、上記背板起立状態から
図3および
図4に示す背板倒伏状態に移行するときには、左右一対の支脚器アーム14a、14bのそれぞれが支軸15を回動中心(換言すれば、回動支点)として往回動(
図8の場合には時計方向に往回動)する。このために、ロックピン71は、長孔72、73内を上記一方の端部から他方の端部である下端部に向かって往動する。そして、ロックピン71が開き角度調節レバー55のロックピン用当接部としての低位部122に当接して停止するので、左右一対の支脚器16a、16bの開脚動作が、この時点で終了する。
【0038】
つぎに、開き角度調節レバー55の機能についてまず説明する。すなわち、左右一対の開き角度調節レバー55を支軸63を支点として
図8における反時計方向に多少往回動させると、
図10に示すように、このレバー55のロックピン用当接部としての中位部123が長孔72、73に対向する位置に存在するようになる。したがって、ロックピン71が前述のように長孔72、73内を前記一端部から前記他端部に向かって往動するときに、このロックピン71は中位部123に当接して停止するので、左右一対の支脚器16a、16bの開脚動作がこの時点で終了する。また、左右一対の開き角度調節レバー55を支軸63を支点として
図9における反時計方向にさらに往回動させると、
図11に示すように、このレバー55のロックピン用当接部としての高位部124が長孔72、73に対向する位置に存在するようになる。したがって、前述のようにロックピン71が長孔72、73内を前記一端部から前記他端部に向かって往動するときに、このロックピン71は高位部124に当接して停止するので、左右一対の支脚器16a、16bの開脚動作がこの時点で終了する。
【0039】
つぎに、左右一対の支脚器ロックレバー54の機能について説明する。すなわち、ロック不能位置にそれぞれ存在している第1および第2のロックプレート56、57は、コイルばね83、86によって、ロック可能位置に向かって付勢されている。この場合、第1のロックプレート56のロック可能位置は、
図12に示されている。また、第2のロックプレート57のロック可能位置は、
図13に示されている。しかし、支脚器ロックレバー54の係合用突起部76が取り付け基板53の開口77を通して第1のロックプレート56の開口81および第2のロックプレート57の開口82にそれぞれ挿入されている。そして、これらの挿入によって、第1および第2のロックプレート56、57は、
図8〜
図11に示すように、ロック不能位置に強制的に保持されている。
【0040】
しかし、支脚器ロックレバー54を支軸62を支点として
図10における時計方向に多少回動させると、支脚器ロックレバー54の突起部76は、
図12および
図13に示すように、開口77、81、82内を長孔72、73から遠ざかるように往動する。このために、第1および第2のロックプレート56、57は、コイルばね83、86の付勢力によって、
図12および
図13に示すようにロック不能位置からロック可能位置に復動可能になる。したがって、第1および第2のロックプレート56、57の長孔72、73のそれぞれに挿入されているロックピン71は、
図12および
図13に示すように、第1および第2のロックプレート56、57の凹部74、75のうちのいずれか1つに係合することができる。よって、ロックピン71は、支脚器ロックレバー54を復回動させるまで、上記いずれか1つの凹部74、75に係合した状態を保持される。
【0041】
左右一対の開き角度制御機構52a、52bのそれぞれには、左右一対の支脚器ロックレバー54および左右一対の開き角度調節レバー55が設けられている。そして、これら左右一対の支脚器ロックレバー54のうちのいずれか一方のみまたは両方を上述のように操作することができる。また、これら左右一対の開き角度調節レバー55のうちのいずれか一方かまたは両方を上述のように操作することができる。
【0042】
8、汚水ロート支持機構の動作
図14に示すように、背板フレーム13(換言すれば、背板11)が起立状態にあるときには、背板フレーム13の作動腕部113に軸支されているローラ114が、汚水ロート受け112の屈曲部(換言すれば、被ストッパ部)115の前面に当接し得る位置に配されている。したがって、汚水ロート受け112(ひいては、汚水ロート23)を、手動などによって、支持基板111に対して前方に引っぱり出すことはできない。
【0043】
図15に示すように、背板フレーム13(換言すれば、背板11)が倒伏状態にあるときには、ローラ114が汚水ロート受け112の屈曲部115に当接し得ない上昇位置に配されている。したがって、汚水ロート受け112(ひいては、汚水ロート23)を手動などによって支持基板111に対して最大で距離L2だけ前方に引っぱり出すことができる。
【0044】
図15に示す背板倒伏状態から
図14に示す背板起立状態に移行するときには、背板フレーム13が、支軸25を支点として、
図4における時計方向に復回動する。このために、位置制限用ローラ114が、汚水ロート受け112の屈曲部115に係合して屈曲部115を後方に引っぱり込むので、汚水ロート受け112は、支持基板111に案内されて後方に向かって復動する。したがって、左右一対の支脚器16a、16bが、それらの復動時に、汚水ロート23および汚水ロート受け112に接触するおそれがない。
【0045】
以上において、本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正が可能である。
【0046】
例えば、上述の実施例においては、本発明を検診台1に適用したが、本発明は分娩台などの他の医療台にも適用することができる。
【0047】
また、上述の実施例においては、背板フレーム13(換言すれば、背板11)をその側面から見たときの中心線51に対する延長線50の傾斜角度をほぼ0°にした。しかし、この傾斜角度は、必ずしもほぼ0°である必要はなく、0°よりも多少大きいかマイナス方向に多少小さくてもよい。
【0048】
また、上述の実施例においては、左右一対の支軸15を左右一対の支脚器支持アーム14a、14b側にそれぞれ設けるとともに、左右一対の軸受け部10a、10bを背板フレーム13側にそれぞれ設けた。しかし、左右一対の支軸15のうちの少なくとも一方を支脚器支持アーム14a、14b側に設けるとともに、左右一対の軸受け部10a、10bのうちの少なくとも一方を背板フレーム13側に設けることもできる。
【0049】
また、上述の実施例においては、ロックプレートを2枚(すなわち、第1および第2のロックプレート56、57)とした。しかし、ロックプレートは3枚以上であってもよい。そして、ロックプレートが例えば3枚の場合には、これら3枚のロックプレート56の係合用凹部74、75を順次ほぼ1/3ピッチ分だけ位置ずれさせればよい。
【0050】
さらに、上述の実施例においては、開き角度調節レバー55に3ヶ所のロックピン用当接部(換言すれば、低位部122、中位部123および高位部124)を設けた。しかし、ロックピン用当接部は、2ヶ所または4ヶ所以上であってもよい。さらに、ロックピン71の最大の最終復動位置のみでなくて最大の最終往動位置を第1および/または第2のロックプレート56、57などによって規定する場合には、ロックピン用当接部は1ヶ所だけであってもよい。