特許第5774886号(P5774886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社平和の特許一覧

<>
  • 特許5774886-保留演出装置 図000002
  • 特許5774886-保留演出装置 図000003
  • 特許5774886-保留演出装置 図000004
  • 特許5774886-保留演出装置 図000005
  • 特許5774886-保留演出装置 図000006
  • 特許5774886-保留演出装置 図000007
  • 特許5774886-保留演出装置 図000008
  • 特許5774886-保留演出装置 図000009
  • 特許5774886-保留演出装置 図000010
  • 特許5774886-保留演出装置 図000011
  • 特許5774886-保留演出装置 図000012
  • 特許5774886-保留演出装置 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774886
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】保留演出装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   A63F7/02 312Z
   A63F7/02 304D
   A63F7/02 315Z
【請求項の数】1
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-73510(P2011-73510)
(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公開番号】特開2012-205742(P2012-205742A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2013年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】佐々 亮
【審査官】 廣瀬 貴理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−334490(JP,A)
【文献】 特開2005−270274(JP,A)
【文献】 特開2011−030845(JP,A)
【文献】 特開2006−061184(JP,A)
【文献】 特開2008−295565(JP,A)
【文献】 特開2005−328903(JP,A)
【文献】 特開2004−321299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定した特定の図柄変動中に特定の始動口に遊技球が入賞することで発生する保留球の状態を遊技者に表示するために、遊技機に設けられる保留演出装置であって、
予め設定した演出方向へ往復移動可能に支持される可動体と、
その可動体に形成されて当該可動体を前後に貫通する開口と、
その開口に配置され且つ光を透過可能な光透過体と、
上記可動体の後方位置に配置され上記開口よりも小径の通過穴と、
上記通過穴を通じて上記開口側に光を投光可能な光源と、を備え、
上記通過穴と上記開口とは、上記通過穴の軸方向からみて、上記可動体が上記往復移動しても常に重なる部分があるように設定され、
上記演出方向を上下方向に設定し、上記開口は、可動体における上下方向中央から上方に偏心した位置に形成され、
更に、上記可動体を上下方向に変位させる可動機構を有すると共に、可動体は、その自重によって下側の待機位置に位置決めされ、
上記可動機構は、可動体の裏面から突設する1又2以上の突起部と、上記突起部を上下に案内するガイド穴と、上記突起部の先端部に一端部を連結して横方向に延在すると共に他端部が上下方向に回動可能に軸支されるリンク部材と、そのリンク部材の軸方向途中位置に連結すると共に上方に延びる軸部材を備えると共に通電されることで上記途中位置を上方に引き上げるアクチュエータと、を備え、
始動口の上方に形成されて遊技球が転動可能なステージと図柄表示用の表示部との間に形成された壇部の壁面部に対し、上記通過穴及びガイド穴が上下に並ぶように形成されて、上記可動体は、上記ステージの後方位置において上記壁面部に沿って上下にストローク可能となっていることを特徴とする保留演出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動口に遊技球が入賞することで図柄変動が生じる遊技機に設けられて、保留球の状態を遊技者に報知する保留演出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機の一部には、始動口(特別図柄始動入賞口)に入賞した遊技球を検出することで抽選がなされ、この抽選の結果、当たりとなると、大入賞口が所定期間、所定回数開放されて(1回の開閉を1ラウンドとし、一般に10〜16ラウンド継続する。)、遊技球の入賞率を高める、遊技者に有利な状態とする機能(大当り処理)となるものがある。
【0003】
この種のパチンコ機では、抽選の結果を遊技者に報知する演出として、パチンコ機のゲージ盤の中央に表示部(通常は液晶表示画面)を設置している。この表示部は、例えば複数の列(例えば3列)の図柄変動パターン画面が構成され(背景画面もある)、この変動する図柄変動パターン演出後に停止したときの図柄の並びで当/外を報知するようになっている。遊技者は、この図柄変動画面を見ることによって、当たりか外れかに一喜一憂するため、期待感を持たせることができる。
ここで、図柄変動パターン演出は、比較的長い時間実行されるために、この図柄変動パターン演出中においても上記始動口への入賞があり得る。
このため、図柄変動パターン演出中に遊技球が始動口に入賞した場合、この入賞に対して抽選の権利を与えるべく、保留扱いとしている。
【0004】
遊技者に対する保留の報知は、一般には保留ランプで行われる。保留ランプは、例えばセンター役物の一部にランプを最大保留数(現状では4個)分だけ並べておき、保留が加算される度に保留ランプの点灯数を追加すると共に、保留が解消される度に保留ランプの点灯数を減少させることで、保留状態を報知する。なお、保留ランプを用いず、図柄変動パターン演出を報知する表示部の一部を用いて保留数を報知する場合もある。
【0005】
これに対し、特許文献1には、遊技球が転動するステージの上面に対して、報知用の突起部を設け、そのステージ上面で突出する突起部の突出数によって保留球の数を報知することが開示されている。
その突起部の可動構造は、突起部の下方に電磁ソレノイドが配置されている。すなわち、突起部の下端部から下方に軸部材が延び、その軸部材を上下に駆動する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−321299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の保留表示装置では、突起部をステージ上面から単純に突出させるだけであるので、図柄変動を見ている遊技者に対して、保留数報知のための表示効果が低いという課題がある。
また、遊技球が転動するステージ上面に突起部を配置しているため、ステージ上面における、遊技球が転動可能な領域が狭くなってしまう。
【0008】
また、突起部の下方にアクチュエータとしての電磁ソレノイドを配置する構造であるため、遊技盤内において、ステージである突起部下側の空間を当該電磁ソレノイドが占有してしまうという課題もある。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたもので、より保留球の保留状態をより分かりやすく保留役物の演出によって報知可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、予め設定した特定の図柄変動中に特定の始動口に遊技球が入賞することで発生する保留球の状態を遊技者に表示するために、遊技機に設けられる保留演出装置であって、
予め設定した演出方向へ往復移動可能に支持される可動体と、その可動体に形成されて当該可動体を前後に貫通する開口と、その開口に配置され且つ光を透過可能な光透過体と、上記可動体の後方位置に配置され上記開口よりも小径の通過穴と、上記通過穴を通じて上記開口側に光を投光可能な光源と、を備え、
上記通過穴と上記開口とは、上記通過穴の軸方向からみて、上記可動体が上記往復移動しても常に重なる部分があるように設定され、
上記演出方向を上下方向に設定し、上記開口は、可動体における上下方向中央から上方に偏心した位置に形成され、
更に、上記可動体を上下方向に変位させる可動機構を有すると共に、可動体は、その自重によって下側の待機位置に位置決めされ、
上記可動機構は、可動体の裏面から突設する1又2以上の突起部と、上記突起部を上下に案内するガイド穴と、上記突起部の先端部に一端部を連結して横方向に延在すると共に他端部が上下方向に回動可能に軸支されるリンク部材と、そのリンク部材の軸方向途中位置に連結すると共に上方に延びる軸部材を備えると共に通電されることで上記途中位置を上方に引き上げるアクチュエータと、を備え、
始動口の上方に形成されて遊技球が転動可能なステージと図柄表示用の表示部との間に形成された壇部の壁面部に対し、上記通過穴及びガイド穴が上下に並ぶように形成されて、上記可動体は、上記ステージの後方位置において上記壁面部に沿って上下にストローク可能となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、可動する可動体によって保留状態を表示(報知)することが出来る。このとき、可動体に設けた光透過体に光が当たることで、可動体の一部を発光させることが可能となり、図柄表示を見ている遊技者に対する保留数の報知効果が増大すると共に、可動体の可動と共に発光させることで、遊技の演出性も増大させることが可能となる。
このとき、開口よりも小径の通過穴を介して開口に光を照射(投光)することから、光の照射方向が主として開口位置つまり光透過体位置に集中させることが出来る。また、通過穴と上記開口とは、上記通過穴の軸方向からみて、上記可動体が往復移動しても常に重なる部分があるので、可動体がどの位置にストロークしていても確実に光透過体部分を光らせることが出来る。
【0014】
さらに、通過穴を介した投光に対して、開口位置が変更されることで、光源が同じ発光状態であっても、光透過体の光具合が変化するので、その点からも報知及び演出効果をともに増大させることが可能となる。
また、可動体の光透過体がストロークしても、光源は固定した状態とできるので、光源に対する配線が可動体の移動に伴い揺動させる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に基づく実施形態に係る遊技盤の正面図である。
図2】本発明に基づく実施形態に係る遊技盤の斜視図である。
図3】本発明に基づく実施形態に係るパチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図4】ステージを取り除いた壇部廻りの斜視図を示す図である。
図5】壇部前の装飾物を取り除いた斜視図である。
図6】壇部の後方から見た斜視図である。
図7】保留演出装置を分解した図である。
図8】保留演出装置を後方から見た図である。
図9】保留表示位置の状態を示す図8のA−A断面図である。
図10】待機位置の状態を示す図8のB−B断面図である。
図11】保留数を報知するための処理例を示す図である。
図12】可動部の移動制御の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(遊技盤)
図1は、本実施形態の遊技機の遊技盤を示す正面図であり、図2はその斜視図である。
なお、本実施形態の遊技機はパチンコ機である。
図1,2に示すように、遊技盤2の略中央部には、演出画像を表示することが可能な表示部としての演出図柄表示装置4が設けられている。演出図柄表示装置4は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。
【0017】
表示部を構成する演出図柄表示装置4は、図示しないが、互いに独立して演出図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能な複数(例えば4つ)の領域を有している。そして、演出図柄表示装置4では、上記複数の領域で停止表示された演出図柄の組み合わせによって、当たり抽選(特賞抽選)の結果を表示する。
演出図柄表示装置4の右側には普通図柄始動ゲート6が設けられている。普通図柄始動ゲート6は、遊技球が通過するとパチンコ機内部の始動ゲートスイッチ(図示せず)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。
【0018】
演出図柄表示装置4の下側には第一始動入賞口8aが設けられ、普通図柄始動ゲート6の下側に第二始動入賞口8bが設けられていて、これら両始動入賞口8a,8bは始動入賞装置8の構成部品である。第一始動入賞口8aは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)である。第二始動入賞口8bは、入賞確率を変更することが可能な、いわゆる電動チューリップである。第二始動入賞口8bは、通常時は、遊技球が入賞することができないように閉止状態であるが、普通図柄による抽選に当選した場合に所定パターンで開放状態となって遊技球が入賞可能な状態となる。
【0019】
第一始動入賞口8aに入賞した遊技球は、第一始動入賞口スイッチ10a(図3参照)により検出され、当たり抽選の契機を与える。また、第二始動入賞口8bに入賞した遊技球は、第二始動入賞口スイッチ10b(図3参照)により検出され、当たり抽選の契機を与える。
第一始動入賞口8aの右方には大入賞口12が設けられている。大入賞口12は通常時は閉止状態であるが、特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球が入賞可能な状態となる。大入賞口12に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ14(図3参照)により検出され賞球を払い出す契機を与える。
【0020】
大入賞口12の下方であって遊技盤2の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口16が設けられている。また、演出図柄表示装置4の下方には、横方向に遊技球を誘導可能なステージ80が形成され、そのステージ80の中央部下方に上記第一始動入賞口8aが設けられている。本実施形態では、その上記第一始動入賞口8aの下部にも、回転可能な電動役物18が配設されている。
上記ステージ80は、その上面80aが、遊技球が横方向中央部の溝位置に向けて転動可能なように当該中央部の溝位置に向けて傾斜していると共に、奥側から手前側に向けて遊技球が転動可能なように若干傾斜している。
【0021】
また、ステージ80は、上記上面の奥側に連続して立ち上がる仕切部80bを有し、その仕切部80bによって、ステージ80上面を転動する遊技球が演出図柄表示装置4側へ転動することを抑制している。
本実施形態では、上記ステージ80と上記演出図柄表示装置4との間に、壇部81が形成されている。壇部81は、上記演出図柄表示装置4の下部から前方に張り出した壇上部品81Aと、壇上部品81Aの前側から下方に延びる壁面部品81Bと備える。なお、壁面部品81Bは、左右側面部も有して横断面略コの字状となっている。
【0022】
そして、その壁面部品81Bと上記ステージ80の仕切部80bとの間に、保留演出装置100の役物としての可動体82が配置されると共に、その可動体82の可動機構や発光機構を上記壇部81内に配置している。
すなわち、上記演出図柄表示装置4の下部から前方に張り出した壇上部品81Aと、壇上部品81Aの前側から下方に延びる壁面部品81Bと備え、その壁面部品81Bの前側に上記ステージ80が配置されている。そして、上記壁面部品81Bとステージ80との間に保留演出装置100の可動体82が配置されている。
この保留演出装置100の詳細については後述する。
【0023】
(制御系)
次に、パチンコ機における制御系の構成を主として図3に基づいて説明する。
パチンコ機は、図3に示すように、第一始動入賞口スイッチ10aと、第二始動入賞口スイッチ10bと、大入賞口スイッチ14と、各種入賞口スイッチ20とを備えている。
第一始動入賞口スイッチ10aは、第一始動入賞口8aへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置22に送信する。第二始動入賞口スイッチ10bは、第二始動入賞口8bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置22に送信する。大入賞口スイッチ14は、大入賞口12への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置22に送信する。各種入賞口スイッチ20は、普通図柄始動ゲート6への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御装置22に送信する。
【0024】
また、パチンコ機は、制御部として、主制御装置22と演出制御装置24と表示制御装置26とランプ制御装置28と効果音制御装置30と役物制御装置32とを備えている。不正行為防止等のため、主制御装置22及び演出制御装置24は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置22から演出制御装置24への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
【0025】
主制御装置22は、始動入賞口8a,8bへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数値を取得(抽選)する。そして、主制御装置22は、取得した各種乱数値に基づいて制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置22は、特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置36、遊技状態表示装置38、賞球払出制御装置40、大入賞口ソレノイド42等を直接制御(ポート出力制御)する。
【0026】
主制御装置22は、CPU44とROM46とRAM48と入力ポート50と出力ポート52とを備える。入力ポート50は、第一始動入賞口スイッチ10a、第二始動入賞口スイッチ10b、大入賞口スイッチ14及び各種入賞口スイッチ20のそれぞれから出力された検出信号をCPU44に出力する。
出力ポート52は、演出制御装置24、特別図柄表示装置34、普通図柄表示装置36、遊技状態表示装置38、賞球払出制御装置40及び大入賞口ソレノイド42のそれぞれに制御コマンドや制御信号を出力する。また、出力ポート52は、パチンコ機の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ54に出力する。
【0027】
ROM46には、主制御装置22で実行されるパチンコ機を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、演出制御装置24を制御するための各種制御コマンド等が含まれる。ここで、各種制御コマンドとしては、状態指定コマンド、変動時間指定コマンド、図柄停止指定コマンド、演出開始指定コマンド等がある。
【0028】
RAM48は、主制御装置22に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、RAM48は、始動入賞口8a,8bへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報を記憶する領域が設けられている。ここで、始動情報とは、始動入賞口8a,8bへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報(例えば、当たり決定乱数値、当たり種別決定乱数値、変動時間決定乱数値等)をいう。
【0029】
また、主制御装置22には、電源供給を行うための電源回路56が接続されている。
演出制御装置24は、主制御装置22と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。演出制御装置24のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。演出制御装置24のRAMには、主制御装置22から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
【0030】
演出制御装置24のCPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、表示制御装置26、ランプ制御装置28及び効果音制御装置30、役物制御装置32のそれぞれを制御する。
演出制御装置24は、主制御装置22から受信した制御コマンドに基づいて実行する演出を決定する。そして、演出制御装置24は、決定した演出に応じた演出制御コマンドを生成して、生成した演出制御コマンドを送信することによって、表示制御装置26、ランプ制御装置28、効果音制御装置30及び役物制御装置32のそれぞれを制御する。
【0031】
表示制御装置26は、CPU、ROM、RAM、画像処理用VDP(Video Display Processor)、入力ポート及び出力ポートを備えている。表示制御装置26のROMには、演出表示を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御装置26のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
【0032】
表示制御装置26のCPUは、演出制御装置24から演出制御コマンド(以下、表示制御コマンドとする)を受信することに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、該表示制御コマンドが指定する画像データをROMから読み出して、該画像データをVDPに出力する。画像処理用VDPは、CPUからの出力指示にしたがって、出力ポートを介して演出図柄表示装置4に画像データを出力する。
【0033】
ランプ制御装置28は、ランプ58の点灯、点滅等を制御する。ランプ制御装置28は、演出制御装置24から演出制御コマンドを受信することに応じて、該演出制御コマンドが指示するランプ演出に対応する制御データをROMから読み出して、該制御データに基づいてランプ58の点灯、点滅、消灯等を行う。
効果音制御装置30は、スピーカ60からの効果音の出力を制御する。効果音制御装置30は、演出制御装置24から演出制御コマンドを受信することに応じて、該演出制御コマンドが指示する効果音演出に対応する音響データをROMから読み出してスピーカ60に出力する。
【0034】
役物制御装置32は、電動役物18の作動を制御する。役物制御装置32は、演出制御装置24から演出制御コマンドを受信することに応じて、該役物制御コマンドが指示する電動役物18の作動パターンに対応する制御データをROMから読み出して、該制御データに基づいて電動役物18や保留演出装置100の可動体82や光源を作動させる。
【0035】
ここで、遊技球が上記第一始動入賞口8aに入賞し、所定の図柄変動パターン演出が実行された後、抽選の結果が当たりとなると、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中では、大入賞口12がほとんど開放状態(1ラウンド約30秒開放し、その開放中に第一始動入賞口スイッチ10aが遊技球を検出していたら、一旦閉じた後次ラウンドで同様に開放する。)に制御されるため、この間に、大入賞口12への遊技球の入賞が容易となり(最大10球)、遊技者によっては有利な状態ということができる。
【0036】
一方、第一始動入賞口8aの入賞を契機に抽選が実行され、図柄変動パターンが実行されている間に、第一始動入賞口8aに遊技球が入賞する場合がある。この場合、前回入賞分の抽選結果を報知しているため(図柄変動パターン演出実行中)、今回の入賞に関して保留するようにしている。
保留は、第一始動入賞口8aへの入賞の際に乱数カウンタから1つのカウント値を取得して記憶することをいい、順番がきた(前回の図柄変動パターン演出の終了)時点で当たり値を比較(抽選)し、抽選結果を図柄変動パターン演出で報知する。
本実施の形態では、この保留できる最大数が「4」に設定され、現在の保留数を、保留演出装置100によって遊技者に報知する。本実施形態の保留演出装置100は、保留数の状態を報知することに併せて、演出表示効果も有する。
【0037】
(保留演出装置100)
次に、保留演出装置100の構成について説明する。
図4は、保留演出装置100の手前にあるステージ80を取り除いた状態を示す図である。
本実施形態では、図4から分かるように、本実施形態では、壇部81は、左右の2つに分離し、その壇部81毎に2個ずつ可動体82を配置してある。これによって、4個の可動体82を備え、保留の数だけ可動体82を上方に移動させることが可能となっている。
【0038】
また図4は、各可動体82の前に存在する装飾物を除去した状態を示す図である。
この図4から分かるように、壇上部品81Aに連続して下方に延びる壁面部品81Bの前側に各可動体82が配置され、各可動体82は、それぞれ独立して上下に往復移動可能となっている。
図6は、図4の部品を裏側から見た図であり、図7は、図5の分解図である。
【0039】
壇部81は、図7に示すように、上記壇上部品81A及び壁面部品81Bの二つの部品から構成されている。壇上部品81Aは、上方を向く壇上面部81Aaとその壇上面部81Aaに連続して壁面上部81Abを構成する部分とから構成される。壁面部品81Bは、その壇上部品81Aの壁面上部81Abに接続して下方に延在する部品である。その壁面部品81Bの上端部には、上記壇上部品81Aにおける壁面上部81Abの裏面側に配置される、基板取付け部81Baを備える。なお、保留演出装置100の各部品は、全て壁面部品81B側に支持された構造となっている。
【0040】
ここで、各可動体82及びその可動機構その他の駆動機構及び発光機構は、全て同じ構成であるので、一つの可動体82に着目して説明する。
上記壇上部品81Aの壁面上部81Abには、通過穴83が開口しており、その通過穴83に対応する上記基板取付け部81Baの部分が切り欠かれて光を遮ることが無いようになっている。
その基板取付け部81Baの裏面側にLED基板84が取り付けられ、そのLED基板84には、LEDからなる光源84Aが取り付けられている。その光源84Aは、上記切欠き部81aを介して上記通過穴83に臨む位置に配置されている。
【0041】
また、上記壁面部品81Bには、上記切欠き部81aの下方位置にガイド穴85が開口している。このガイド穴85は、上下に長軸を向けた長穴からなる。
そのガイド穴85の前に可動体82が配置されている。可動体82は、上下に延びる足部82bと、その足部82bの上端部に形成された保留役物本体82aとからなる。
上記保留役物本体82aには、その中央部に開口92が形成されており、その開口92に対して光透過体としてのレンズ部材86が裏側から差し込まれ、そのレンズ部材86は、可動体82に対しネジ止めされている。なお、レンズ部材86の表面は磨りガラス状となっていて、入射した光を乱反射可能となっている。レンズ部材86は、凹レンズ状でも凸レンズ状でも、平板状、複数の三角錐やシリンダ状などの光学要素で形成されていても構わない。
【0042】
また、上記足部82bから後方(壁面部品81B側)に向けて2つの突起部82cが突出している。二つの突起部82cは上下に並んで配置されている。各突起部82cは、上記ガイド穴85に差し込まれて、その先端部が壁面部品81B部の下面に突出している。上記突起部82cの先端部には、上記ガイド穴85の幅よりも大径のワッシャ87が取り付けられている。なお、突起部82cの付け根側にも同様のワッシャ87が配置されている。これによって、可動体82は、ガイド穴85に案内されて上下に往復移動可能となっている。なお、突起部82cの位置が可動体82の重心位置よりも上方位置に配置される場合には、突起部82cは一つでも構わない。
【0043】
2つの突起部82cのうち、下側の突起部82cの先端部には、リンク部材88の先端部88aが相互に回転自在な状態で連結している。そのリンク部材88は、軸が横方向に延びて、その他端部88bを壁面部品81Bの裏面に対し、上下方向に回転自在に取り付けられている。
これによって、上記リンク部材88は、他端部88b側を中心に先端部88a側が上下に揺動可能となっており、その揺動に応じて、上記可動体82は、上記ガイド穴85に案内されつつ上下に往復移動(ストローク)が可能となっている。
【0044】
ここで、上記往復運動の下死点位置(下側位置)を待機位置と、上死点位置(上側位置)を保留表示位置と呼ぶ。
上記リンク部材88の先端部88aには、可動体82の質量が掛かっているので、無負荷の状態(アクチュエータが無作動)では、可動体82の自重によって、当該可動体82は、待機位置に落下して当該待機位置に位置決めされる。
【0045】
また、上記リンク部材88の軸方向途中位置には、アクチュエータとしての電磁ソレノイド90の軸部89の下端部が連結している。上記電磁ソレノイド90は、電流が供給されて通電されることで上記軸部材を上方に移動させる。この移動によって、上記リンク部材88は、他端部88bを中心にして、先端部88a側が上方に移動し、それに応じて、上記可動体82は、上記ガイド穴85に案内されて上方の保留表示位置まで上昇する。すなわち、可動体82の保留役物本体82aが保留表示位置に移動する。また、電磁ソレノイド90への通電を切ると、可動体82の自重によって当該可動体82は下側の待機位置まで落下して当該待機位置に位置決めされる。
【0046】
図8は、上記可動体82が、下側の待機位置に位置状態と、上側に移動した状態との2つの状態を示す図である。そして図9は、可動体が保留表示位置にある図8のA−A断面図であり、図10は、可動体が待機位置にある図8のB−B断面図である。
この図9図10のように、本実施形態では、可動体82に形成した開口92よりも、光を通過させる通過穴83の断面が小さく形成されている。これによって、光源84AであるLEDからの光を開口92側に向かう光として、できるだけレンズ部材86に投光可能としている。
【0047】
また、図9図10のように、可動体82が下側の待機位置にいても上側の保留表示位置にいても、通過穴83の軸方向からみて、通過穴83の大部分が上記開口92と重なるように設定している。具体的には、可動体82が下側の待機位置にいる場合には、通過穴83は、開口92の上半分位置と対向し、可動体82が上側の保留表示位置にいる場合には、通過穴83は、開口92の下半分位置と対向している。これによって、確実に光源84AであるLEDからの光を開口92に設けたレンズ部材86に投光可能とすると共に、光源84Aの発光状態が同じ状態であっても、可動体82の位置に応じてレンズ部材86に対する光の投光位置が変更されて、遊技者に表示する発光状態を変更すなわち演出状態が変更可能となっている。
【0048】
ここで、本実施形態では、可動体82が上方の保留表示位置にある状態が「保留有り」を報知し、可動体82が下側の待避位置の状態が「保留無し」を報知するようになっている。このとき、各可動部のレンズ部品の表面に対して、それぞれ1〜4の数字などを表示しておいても良い。
【0049】
(動作その他について)
次に、本実施形態の動作その他について説明する。
上記第一始動入賞口8aに入賞し、抽選の結果を報知する図柄変動パターン演出中に、第一始動入賞口8aに入賞した場合、その入賞分を保留し、保留数を、上記保留演出装置100の可動部の突出数によって報知するようにしている。
このとき、本実施形態では、可動体82上部の保留役物本体82aの略中央部を光らせることで、保留の表示効果が向上する。
【0050】
ここで、LEDからなる光源84Aは、待機位置でも点灯させておいても良いし、上記可動体82が保留演出装置100にあるときにLEDを点滅状態としても良い。または、LEDが発光する色を変えるようにしても良い。これによって、保留状態の表示とは別の演出を、本実施形態の保留表示位置で行うことが可能となる。
遊技の流れ及び保留数報知に関する制御の流れの一例を、図6及び図7のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
図11は、遊技の進行の一例を示すフローチャートであり、遊技者がハンドルを把持し、発射のための操作を行なうと、このハンドル操作量(回転量)に応じた強度で、遊技球が打ち出される。遊技球が打ち出されると、外バンド及び内バンドに案内されて遊技盤2の上方に移動し、その後、釘や風車等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら遊技球は遊技領域を落下していく。
【0052】
ここで、ステップS200では、第一始動入賞口8aに遊技球Pが入賞したか否かが判断する。条件を満足するとステップS202へ移行して現在の保留数が4以上か否かが判断される。このステップS202で条件を満足すると、上記第一始動入賞口8aへの入賞は無効とされ、抽選されずにこのルーチンは終了する。なお、第一始動入賞口8aに入賞したことによる賞球は実行される。
【0053】
ステップS202において条件を満足しない場合には、上記第一始動入賞口8aへの入賞が有効とされ、ステップS204へ移行して乱数カウンタから乱数を取得し、次のステップS206へ移行する。ステップS206では、フラグFをリセット(0)した後ステップS210へ移行する。また、ステップS200において条件を満足しない場合には、ステップS208へ移行して、フラグFをセット(1)した後ステップS210へ移行する。
ステップS210では、現在が図柄変動中(図柄変動パターン演出実行中)から否かが判断され、条件を満足しない場合にはステップS212へ移行し、ステップS212で大当たり処理中か否かが判断される。このステップS212で条件を満足しない場合には、通常遊技中であると判定され、ステップS214へ移行する。
【0054】
ステップS214では、フラグFがセットされているか否かが判断される。条件を満足しない場合には、有効な第一始動入賞口8aへの入賞があったと判定され、ステップS216へ移行して、ステップS216で保留数を−1減算してステップS218へ移行する。なお、現在の保留数が0の場合には、0を維持する。また、ステップS214肯定で条件満足された場合には、第一始動入賞口8aには入賞していない状態であるため、ステップS216を飛び越してステップS218へ移行する。
ステップS218では、上記取得した乱数の抽選が実行される。すなわち、取得した乱数値と、予め設定された当たり値とが比較され、一致していれば当たり、不一致ならば外れとなる。
【0055】
次のステップS220では、抽選結果に基づいて図柄変動パターンの設定がなされ、次いでステップS222へ移行して変動開始コマンドを特別図柄表示装置34へ送信し、このルーチンは終了する。これにより、特別図柄表示装置34は、特別図柄表示の図柄変動パターンを表示する。この図柄変動パターンにおいては、リーチを経由した当り、外れリーチ、リーチを経由しない外れ等、様々な演出があり、遊技者は期待感をもって抽選結果を待つことができる。
【0056】
次に、上記ステップS210で条件満足、すなわち図柄変動中であると判定されると、ステップS210からステップS224へ移行して、フラグFがセットされているか否かが判断される。
このステップS224で条件を満足しない場合には、有効な第一始動入賞口8aへの入賞があったと判断され、ステップS226へ移行して保留数を+1加算して、ステップS228へ移行する。なお、保留数は上限が4とされ、それ以上は増加せず、4を維持する。
【0057】
また、ステップS224で条件満足された場合には、第一始動入賞口8aには入賞していないため、ステップS226を飛び越してステップS228へ移行する。
ステップS228では、変動時間が経過したか否かが判断され、条件を満足しない場合には、図柄変動を継続しつつ、このルーチンは終了する。一方、ステップS228で条件を満足すると、ステップS230へ移行し、変動停止コマンドを送信し、ステップS232へ移行する。
【0058】
ステップS232では、上記抽選の結果が当たりか否かが判断され、条件満足された場合には、ステップS234で大当たり処理を指示し、このルーチンは終了する。大当たり処理の指示があると、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中は、大入賞口12がほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
【0059】
また、ステップS232で条件を満足しない場合には、通常の遊技に戻るべく、このルーチンは終了する。
上記ステップS212で条件満足、すなわち大当たり処理中であると判定されると、ステップS212からステップS236へ移行して、フラグFがセットされているか否かが判断される。
【0060】
このステップS236で条件を満足しない場合には、有効な第一始動入賞口8aへの入賞があったと判断され、ステップS238へ移行して保留数を+1加算して、このルーチンは終了する。なお、保留数は上限が4とされ、それ以上は増加せず、4を維持する。また、ステップS236で条件満足された場合には、始動入賞自体がないため、このルーチンは終了する。
【0061】
次に、上記遊技の進行のルーチンのサブルーチンとして実施される、保留数報知のための制御を、図12を参照して説明する。
ステップS250では、保留数が0か否かが判断され、条件を満足するとステップS252へ移行して、全ての可動体82を退避位置へ移動し(ソレノイドを引込励磁し)、このルーチンは終了する。
【0062】
ステップS250で条件を満足しない場合には、ステップS254へ移行して保留数が1か否かが判断され、条件を満足すると、ステップS256へ移行して第1の可動体82を突出位置へ移動させ(ソレノイドを伸長励磁させ)、次いでステップS258で第2の可動体82、第3の可動体82、第4の可動体82を退避位置へ移動し(ソレノイド104を引込励磁し)、このルーチンは終了する。
なお、本実施形態における4個の可動体82を区別するときに、それぞれ第1の可動体82、第2の可動体82、第3の可動体82、第4の可動体82と呼ぶ。
【0063】
ステップS254で条件を満足しない場合には、ステップS260へ移行して保留数が2か否かが判断され、条件を満足すると、ステップS262へ移行して第1の可動体82、第2の可動体82を突出位置へ移動させ(ソレノイドを伸長励磁させ)、次いでステップS264で第3の可動体82、第4の可動体82を退避位置へ移動し(ソレノイド104を引込励磁し)、このルーチンは終了する。
【0064】
ステップS260で条件を満足しない場合には、ステップS266へ移行して保留数が3か否かが判断され、条件を満足すると、ステップS268へ移行して第1の可動体82、第2の可動体82、第3の可動体82を突出位置へ移動させ(ソレノイド104を伸長励磁させ)、次いでステップS270で第4の可動体82を退避位置へ移動し(ソレノイド104を引込励磁し)、このルーチンは終了する。
【0065】
ステップS266で条件を満足しない場合には、ステップS272へ移行して保留数が4か否かが判断され、条件を満足するとステップS274へ移行して第1の可動体82、第2の可動体82、第3の可動体82、第4の可動体82、すなわち全ての可動体82を突出位置へ移動し(ソレノイド104を伸長励磁し)、このルーチンは終了する。
これを随時繰り返すことで、可動体82の突出数が保留数となり、遊技者はこの可動体82の突出数を数えることで、現在の保留数を確認することができる。例えば、保留数が4の状態で図柄変動が終了すると、第4の可動体82が退避位置に移動し結果として第1の可動体82、第2の可動体82及び第3の可動体82が突出位置となる。
【0066】
また、各可動体82には、保留数に対応した数字が刻印(プリント)されているため、突出している可動体82の数字の最大値を見ても、保留数は確認可能である。
また、本実施形態では、上記可動体82の上下ストロークとは別に、各可動体82に対応する光源84A(LED)の発光を制御する。
この発光は、他の図柄演出に連動させて、各光源84Aの発光を制御したりする。また、対応する可動体82の上昇とは連動させることなく、常に点灯や点滅状態としていても良い。
【0067】
本実施形態では、可動体82の上下ストロークしても常にレンズ部材86からの発光を可能に出来ると共に、可動体82の上下位置によって光に当たる位置が変更されることで、つまり光源84Aの発光状態が同じであっても、可動体82のレンズ部材86を介した発光の見え方が変わるようになっている。
【0068】
(変形例)
上記実施形態では、可動体82が上下に往復移動する場合を例示しているが、左右方向(横方向)に往復移動するように配置しても良い。
また、可動体82を表示部の下部に配置する場合を例示しているが、表示部の上部や側方位置に配置しても良い。
【0069】
このとき、可動体82を表示部に向けて往復移動させて、遊技者が表示部の図柄変動を見る際に、可動体82の保留役物本体82aが目に入る位置となるようにすることが好ましい。このとき、遊技者が表示部の画面を注視した状態では、可動体82は周辺視で見ることになるが、本実施形態では、可動体82の動作で表示すると共に、発光によっても保留状態の演出を行うので、遊技者に保留状態をより報知可能となる。
【0070】
(本実施形態の効果)
(1)特別図柄による図柄変動中に第一始動入賞口8aに遊技球が入賞することで発生する保留状態を遊技者に表示するために、遊技機に設けられる保留演出装置100である。保留演出装置100は、予め設定した演出方向へ往復移動可能に支持される可動体82と、その可動体82に形成されて当該可動体82を前後に貫通する開口92と、その開口92に配置され且つ光を透過可能な光透過体と、上記可動体82の後方位置に配置され上記開口92よりも小径の通過穴83と、上記通過穴83を通じて上記開口92側に光を投光可能な光源84Aと、を備える。そして、上記通過穴83と上記開口92とは、上記通過穴83の軸方向からみて、上記可動体82が上記往復移動しても常に重なる部分があるように設定されている。
【0071】
これによって、可動する可動体82によって保留状態を表示することが出来る。このとき、可動体82に設けた光透過体であるレンズ部材86に光が当たることで、可動体82の一部を光らせることが可能となり、遊技者に対する保留数の報知効果が増大する。さらに、可動体82の可動共に発光させることで、遊技の演出性も増大させることが可能となる。
【0072】
このとき、開口92よりも小径の通過穴83を介して開口92に光を照射(投光)することから、光の照射方向を、主として開口92位置つまりレンズ部材86位置に集中させることが出来る。また、通過穴83と上記開口92とは、上記通過穴83の軸方向からみて、上記可動体82が往復移動しても常に重なる部分があるので、可動体82がどの位置にストロークしていても確実に光透過体部分を光らせることが出来る。
さらに、通過穴83を介した投光に対して、開口92位置が変更されることで、同じ発光状態であっても、光透過体の光具合が変化するので、その点からも報知及び演出効果をともに増大させることが可能となる。
【0073】
またこのように可動体82の位置によって、光源84Aによる発光状態が異なっていても、光源84A自体は位置を固定した状態に出来る結果、発光による演出が変わる機構となっていていても、光源84Aへのハーネスが揺動する必要がない。そして、その分、当該ハーネスの断線などの不具合発生を低減することが可能となる。
また、可動体82の光透過体はストロークしても光源84Aは固定した状態とできるので、光源84Aに対する配線が可動体82の移動に伴い揺動させる必要がない。
【0074】
(2)可動体82の移動方向である演出方向を上下方向に設定し、上記保留役物本体82aに設ける開口92は、可動体82における上下方向中央から上方に偏心した位置に形成されている。更に、上記可動体82を上下方向に変位させる可動機構を有すると共に、可動体82は、その自重によって下側の待機位置に位置決めされる。
これによって、可動体82が上方に移動した際に、保留役物本体82aを遊技者に見えやすくすると共に、自重で待機位置に戻るので、可動体82を待機位置に位置決めするために、動力が不要となる。
【0075】
(3)上記可動機構は、可動体82の裏面から突設する1又2以上の突起部82cと、上記突起部82cを上下に案内するガイド穴85と、上記突起部82cの先端部に一端部を連結して横方向に延在して他端部が上下方向に回動可能に軸支されるリンク部材88と、そのリンク部材88の軸方向途中位置に連結すると共に上方に延びる軸部材を備えると共に通電されることで上記途中位置を上方に引き上げるアクチュエータと、を備える。
これによって、可動体82を上下に往復移動させることが可能となる。
また、可動体82の下方にアクチュエータを配置することなく、本実施形態における壇部81内に可動機構を収容することが可能となる。すなわち、他の部品との干渉をその分抑えることが可能となる。
【0076】
(4)始動口の上方に形成されたステージ80と演出用の表示部との間に形成された壇部81の壁面部品81Bに対し、上記通過穴83及びガイド穴85が上下に並ぶように形成されて、上記可動体82は、上記ステージ80の後方位置において上記壁面部品81Bに沿って上下にストローク可能となっている。
これによって、保留役物本体82aを表示部に近づけて配置出来ると共に、ステージ80を横方向に転動する遊技球の移動を規制することもない。
【符号の説明】
【0077】
2 遊技盤
4 演出図柄表示装置
8a 第一始動入賞口
10a 第一始動入賞口スイッチ
34 特別図柄表示装置
80 ステージ
80a 上面
80b 仕切部
81 壇部
81A 壇上部
81Aa 壇上面部
81Ab 壁面上部
81B 壁面部品
81Ba 基板取付け部
81a 切欠き部
82 可動体
82a 保留役物本体
82b 足部
82c 突起部
83 通過穴
84A 光源
85 ガイド穴
86 レンズ部材(光透過体)
88 リンク部材
88a 先端部
88b 他端部
89 軸部
90 電磁ソレノイド(アクチュエータ)
92 開口
100 保留演出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12