(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ遊技機として、所謂デジパチと呼ばれるものが知られている。
デジパチと称されるパチンコ遊技機においては、遊技球が打ち込まれて流下する遊技盤面に形成された遊技領域に始動入賞口が設けられ、当該始動入賞口に遊技球が入賞することに基いて、内部の主基板側の制御装置において、後述の変動表示ゲーム(特図ゲーム)の大当たり、はずれ(小当たりを含む場合がある)の抽選が行われ、抽選で大当たりになると遊技領域に設けられたアタッカが開放して、アタッカに遊技球が入賞可能になる大当たり状態になる。
【0003】
なお、大当たりには、一般的に、通常大当たり、確変大当たり、突確大当たり、突時大当たり、潜確大当たり等があり、大当たりおよびはずれを決定する抽選とともに、大当たりの場合の大当たりの種類を決定する抽選が行われる。なお、大当たりの種類は、パチンコ遊技機によって異なる場合がある。
【0004】
また、前記大当たりまたははずれの抽選結果は、変動表示ゲームにより報知されるようになっており、所定の変動表示ゲームの開始条件(乱数判定条件)が成立すると、上述の複数種の大当たり、はずれの乱数を用いた抽選結果の判定が行われるとともに、特別図柄(特図)表示器および演出表示装置(可変表示装置)で複数種の大当たりのいずれかもしくははずれになる同じ抽選結果を報知するための変動表示ゲームが同時進行的に行われる。変動表示ゲームが終了する直前に各種大当たりもしくははずれを識別情報としての1つの特別図柄(特図)もしくは複数の装飾図柄の組み合わせで表示する。なお、特図表示器で表示される変動表示ゲームをここでは特図ゲームと称する。
【0005】
このようなデジパチにおいては、一般的に遊技領域に始動入賞口が二つ設けられるとともに、それに対応して特図表示器が二つ設けられており、第1始動入賞口に遊技球が入賞することに基き第1特図ゲームが第1特図表示器に表示され、第2始動入賞口に遊技球が入賞することに基き第2特図ゲームが第1特図表示器に表示されるようになっている。
【0006】
ここで、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球が入賞した際に開始できない第1特図ゲームまたは第2特図ゲームは保留されることになる。この保留とは、例えば、第1始動入賞口に遊技球が入賞した際に、第1特図ゲームが開始できない状況(例えば、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが行われている場合や、既に第1特図ゲームが保留されている場合や、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームで大当たりとなって、上述の大当たり状態となっている場合など)の場合に、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて、第1特図ゲームを一回分保留し、第1始動入賞口に遊技球が入賞した際でなくとも、保留された変動表示ゲームを、所定の開始条件成立時に開始可能とするものである。
【0007】
第2特図ゲームも第1特図ゲームと同様に保留される。また、保留される第1特図ゲームの数には上限があるとともに、保留される第2特図ゲームにも上限があり、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの保留可能な上限となる数は、それぞれ4とされている。
【0008】
なお、保留されている第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されると、保留されている第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの数が減少することになり、上述の上限より保留されている数が減少し、新たに第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを保留することが可能となる。
【0009】
また、第1特図ゲームと第2特図ゲームは、同時に行うことが可能な機種と、どちらか一方の特図ゲームが行われている間、他方の特図ゲームの開始を禁止することにより、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームを同時に行わせることなく、一つずつ特図ゲームを行わせる機種とがある。また、一つずつ特図ゲームを行う場合に、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうちの一方の特図ゲームを優先して行う遊技機と、遊技球の始動入賞口への入賞順によりどちらか一方の特図ゲームを開始する遊技機が知られている。
【0010】
このような遊技機では、第1変動表示ゲームが4つ保留可能で、第2変動表示ゲームが4つ保留可能なので、合わせて8つの特図ゲームを保留可能となるが、実際には、両方の特図ゲームが上限まで保留されず、どちらか一方の特図ゲームが主に保留されたり、一方の特図ゲームが優先されることで、両方の特図ゲームが上限となるような状況でも、一方の特図ゲームしか行われず、他方の特図ゲームは保留が上限となったままとなり、対応する始動入賞口に遊技球が入賞しても特図ゲームが保留されない状態が保持されてしまう。
【0011】
そこで、2つの始動入賞口に遊技球が交互に入賞するように振り分ける珠振り分けユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、どちらか一方の特図ゲームに偏って特図ゲームが保留されるのを防止し、2つの特図ゲームの保留数を略同様にすることができ、これにより多くの特図ゲームを保留することが可能となる。
【0012】
このような遊技機においては、第1特図ゲームの保留数と、第2特図ゲームの保留数とをたとえばほぼ同じにすることで、保留されている特図ゲームの数を実質的に増加させることができる。言い換えれば、第2始動入賞口への遊技球の入賞率を第1始動入賞口より高くした場合に、入賞率の高い第2始動入賞口に遊技球が入賞することにより保留される第2特図ゲームの保留数が上限となっているのに、第1始動入賞口ではなく、入賞率の高い第2始動入賞口に遊技球が入賞することによって、始動入賞口に遊技球が入賞したにもかかわらず、保留数が上限となっていることで、開始可能な特図ゲームの数が増加しない状態(入賞率が低く保留数が上限となっていない第1始動入賞口に遊技球が入賞しない状態)となるのを防止することができる。
【0013】
また、いわゆる羽根物のパチンコ遊技機には、羽根を備える役物内部に形成されたV入賞領域と、一般領域とに振り分ける振分装置として、遊技球が通過するシーソー状の部材を配置し、通過する遊技球の荷重によるシーソーの傾きによって、遊技球をV入賞領域に案内する状態と、一般領域に案内する状態とが切り替わる遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、この実施の形態のパチンコ遊技機は、基本的には、所謂デジパチと呼ばれる種類のパチンコ遊技機としての構成を有するものである。
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、その略中央部に可変表示装置(表示装置)3が設けられている。可変表示装置3は、例えば、液晶表示装置からなるもので、抽選手段として機能する後述の主制御装置14で行われる抽選の各種大当たりおよびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し装飾図柄の変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの大当たりおよびはずれによって上述の抽選結果を報知するようになっている。
【0033】
遊技領域2の下部には、第1および第2特図表示器4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示器4a,4bは、例えば、7セグのLED表示装置からなる。なお、第1および第2特図表示器4a,4bは、数字を表示可能な7セグの表示装置である必要はなく、例えば、6から8個程度の任意の形状のセグメントが任意の位置に配置されたものでよく、各セグメントの点灯および消灯を個別に制御できるようになっていればよい。第1および第2特図表示器4a,4bは、上述の変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に特図(特別図柄)を停止表示する(抽選結果表示)。
【0034】
ここで、第1および第2特図表示器4a,4bの前記点滅表示後に特図を停止表示する特図の変動表示ゲームを特図ゲームと称する。また、特図ゲームには、第1特図表示器4aで行われる第1特図ゲーム(第1ゲーム)と、第2特図表示器4bで行われる第2特図ゲーム(第2ゲーム)とがあるが、同時に第1特図ゲームと第2特図ゲームとが行われることがなく、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの両方が開始可能な場合には、例えば、第2特図ゲームが優先して行われる。なお、後述のように保留された際の保留時期が早い方の特図ゲームが先に開始されるものとしてもよい。すなわち、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームにかかわらず、保留された順(入賞順)に特図ゲームが一つずつ開始されるようにしてもよい。
【0035】
可変表示装置3で表示される変動表示ゲームは、実行されている第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームに対応したものであり、第1特図ゲームが実行されている際には、この第1特図ゲームと同様の結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが表示され、第2特図ゲームが実行されている際には、この第2特図ゲームと同様の結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが表示されている。
【0036】
前記可変表示装置3の下には、入賞口振分装置7を挟んで、第1始動入賞口5aおよび第2始動入賞口5bが左右に並んで設けられている。第1始動入賞口5aが向って左側に設けられ、その右側に第2始動入賞口5bが設けられている。
また、第1始動入賞口5aは、所謂電チューと呼ばれる普通変動入賞装置5に設けられている。
この普通変動入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、第1始動入賞口5aに遊技球が入賞し難いように可動片51,51が閉じた状態(低入賞状態)と、遊技球が入賞し易いように可動片51,51が開いた状態(高入賞状態)との間で変動するようになっている。可動片51,51が閉じた状態でも、可動片51,51同士の間には、遊技球が一個だけ通過可能な間隔があいているので、開いた場合よりも遊技球が入賞し難いが、遊技球が入賞可能になっている。
【0037】
第1始動入賞口5aには、遊技球の入賞を検知する第1始動入賞球検知センサ53a(
図5に図示)が設けられており、第1始動入賞球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口5aに入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口5bには、遊技球の入賞を検知する第2始動入賞球検知センサ53b(
図5に図示)が設けられており、第2始動入賞球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口5bに入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。
【0038】
主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力(所定の乱数取得条件の成立)に基づいて第1特図ゲーム(変動表示ゲーム)の各大当たりおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力(所定の乱数取得条件の成立)に基づいて第2特図ゲーム(変動表示ゲーム)の各大当たりおよびはずれを決める乱数の取得を行う。なお、この第1および第2始動入賞信号の入力に基く乱数の取得順を上述の入賞順として、この入賞順で第1および第2特図ゲームの開始順が決定されるものとしてもよい。
【0039】
また、可変表示装置3には、画面の周縁部分(演出表示を邪魔しない部分)に特図保留数表示領域31(第1特図保留数表示領域31a、第2特図保留数表示領域31b)が設定されている。主制御装置14では、特図ゲームの実行中において第1始動入賞球検知センサ53aから始動入賞信号が入力した場合に、第1特図ゲームの保留が可能な上限になる数値(たとえば4)の範囲内で第1特図保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第1特図ゲームが開始される場合に、第1特図保留数から1減算する。
【0040】
この第1特図保留数が第1特図保留数表示領域31aにマークの数として表示される。同様に、主制御装置14では、第2始動入賞球検知センサ53bから始動入賞信号が入力した場合に、第2特図ゲームの保留が可能な上限になる数値(たとえば4)の範囲内で第2特図保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第2特図ゲームが開始される場合に、第2特図保留数から1減算する。この第2特図保留数が第2特図保留数表示領域31bにマークの数として表示される。
【0041】
また、可変表示装置3の下方で、さらに入賞口振分装置7の右方に、大入賞口61を有する特別変動入賞装置(変動入賞装置)6が設けられている。この特別変動入賞装置6には、いわゆるアタッカとしての構成を有するもので、大入賞口61を開閉する可動扉62が備えられ、通常行われる通常遊技状態では、可動扉62が遊技球を大入賞口61に流入させないように立って閉じた閉状態になり、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの結果が各大当たりになって大当たり状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように前に略水平に倒れて開いた開状態になる。特別変動入賞装置6には、その大入賞口61に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ63が設けられている。
【0042】
なお、大当りになった場合には、大当り状態として、例えば、特別変動入賞装置6が閉塞状態から開放状態になって再び閉塞状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、所定ラウンド数だけ行うようになっている。パチンコ遊技機によって異なる場合があるが、例えば、大当たり状態では、所定ラウンド数が10〜16程度になっている。なお、ラウンド数は、当たりの種類によって異なる場合がある。
また、特別変動入賞装置6は、いわゆる突確、突時、潜確等の当たりに対応する大当たり状態では、2ラウンドだけの動作を行うものになっており、これらを2ラウンド当たりと称する。大当たり状態における特別変動入賞装置6の制御は、特別変動制御手段としての主制御装置14が行う。
【0043】
可変表示装置3の左側方には、普通図柄(普図と略す)始動口(スルーチャッカー)8aが設けられている。また、普図始動口8aに対応して、普図始動口8a内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ8dが設けられ、通過球検知センサ8dは遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、普通変動入賞装置5を開状態とする当たりと、普通変動入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。なお、この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲーム(以下、普図ゲーム)を普図表示装置8bで表示することにより報知される。上述の普図表示装置8bの下には、普図保留数表示ランプ8cが設けられており、特図保留数と同様に求められる普図保留数が表示される。
【0044】
可変表示装置3の上および左右には、遊技球の可変表示装置3側への流入を防止する壁部33が設けられている。可変表示装置3の下側にはステージ34が設けられ、ワープ入り口35から流入した遊技球が図示しないワープ出口からステージ34上に流出するようになっている。また、ワープ入り口35からワープ出口までは、図示しないワープ流路が例えば、遊技盤1前面より後側(背面側)に設けられている。ワープ入り口35から流入した遊技球は、このワープ流路を通ってワープ出口からステージ34に流出する。
また、ステージ34の前縁は、遊技盤1の前面の位置になっており、ステージ34の下側で遊技釘等で撥ねた遊技球が載ることが可能になっているとともに、ステージ34の前縁から遊技球がステージ34より下の遊技領域2に流下可能になっている。
【0045】
前記ステージ34上では、ワープ出口から流出した遊技球が流出時の勢いで左右に転動するようになっている。このステージ34上を左右に転動する遊技球の一部は、ステージ34上の遊技球の転動路で導出口36に振分られるようになっている。この導出口36は、ステージ34の左右の中央に設けられ、導出口36から流出した遊技球は、高い確率で、入賞口振分装置7の後述の流入口71に流入するようになっている。
なお、ステージ34上に載った遊技球が流入口71に流入する確率は、ステージ34上に載らなかった遊技球が流入口71に流入する確率より高くなっている。
【0046】
前記入賞口振分装置7は、
図2(a)、(b)に示すように、一つの流入口71と、二つの流出口72,73と、一つの流入口71から流入した遊技球を二つの流出口72、73のいずれか一方に導く二股状の振分通路74と、振分通路74の二股に分岐する部分に設けられ、遊技球の流動方向を左右の流出口72,73のいずれか一方に振り分ける振分部材(振分手段)75と、振分通路74の左右端部にそれぞれ設けられ、遊技盤1の裏面側を通して遊技球をそれぞれ左右の流出口72,73のいずれかに誘導する第1通路76および第2通路77を備える。
【0047】
前記流入口71は、ステージ34の導出口36の真下に配置されており、導出口36から導出された遊技球が高い確率で流入するようになっている。
また、導出口36を備えるステージ34は、その前縁が遊技盤1の盤面と同じ位置で、かつ、ステージ34および導出口36と流入口71との間には、上下に十分な間隔があけられており、ワープ通路を介してステージ34上に載らなかった遊技球も流入口に流入可能になっている。また、導出口36に誘導されずにステージ34の前縁から下方に落下する遊技球もその一部が流入口71に流入可能になっている。
【0048】
前記振分通路74は、流入口71から下方に向う部分と、左右に分岐して下り傾斜しながら流出口72,73にそれぞれ向う部分とからなり、遊技盤1の前面(盤面)より前側に形成されている。
振分通路74の左右端部にはそれぞれ第1通路76または第2通路77が設けられ、遊技盤1の前面より後側を通して流出口(流出路)72,73に遊技球を誘導する。流出口72,73に至った遊技球は、流出口72,73の遊技盤1の前面位置とされている下縁から遊技領域2に流下するようになっている。
【0049】
左の流出口72の真下には、第1始動入賞口5aが配置されており、右の流出口73の真下には、第2始動入賞口5bが配置されている。これにより、左の流出口72から流下した遊技球は高い確率で第1始動入賞口5aに入賞し、右の流出口73から流下した遊技球は高い確率で第2始動入賞口5bに入賞する。なお、第1始動入賞口5aを有する普通変動入賞装置5の一組の可動片51が閉じている状態でも、左の流出口72を流下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口5aに流入するようになっている。
【0050】
また、入賞口振分装置7と第1始動入賞口5aおよび第2始動入賞口5bとの間には、遊技球が通過可能な間隔が空けられており、入賞口振分装置7に流入しなかった遊技球が第1始動入賞口5aまたは第2始動入賞口5bに流入可能になっている。
振分部材75は、基本的にシーソー状の板部材であり、
図2(a)に示すように、左の流出口72側に下り傾斜して遊技球を左の流出口72に誘導する状態と、
図2(b)に示すように右の流出口73側に下り傾斜して遊技球を右の流出口73側に誘導する状態とに変動可能(回転可能)になっている。
【0051】
また、振分通路74の底部の左右の中央部には、突出部78が設けられている。左右に回転する振分部材75が上述のように左右のいずれかに傾いた際に、左または右の先端部が前記突出部78に接触し、それ以上の振分部材75の回転を規制するようになっている。すなわち、突出部78が振分部材75の回転位置を決めるストッパとして機能するようになっている。
【0052】
この振分部材75の左の第1通路76側に遊技球を振り分ける左位置と、右の第2通路77に遊技球を振り分ける右位置とを切り替える回転は、遊技盤1の遊技領域2に設けられた後述の切替スイッチ41により行われる。
上述の入賞口振分装置7の振分部材75の回転軸80は、遊技盤1部分を貫通して裏面側に達した状態となっており、回転板81に接続されている。この回転板81と振分部材75とは、互いに平行とされるとともに、回転軸80を介して一体に回転可能となっている。
【0053】
回転板81の先端部には、回転板81に対して直交するように連結ピン83が設けられている。
この連結ピン83には、長尺な連結軸50が連結されている。すなわち、連結軸50の端部に設けられた長孔50bに連結ピン83が長孔50bの長さ方向に沿って移動自在に嵌合している。なお、長孔50bは、連結軸50の長さ方向に沿って設けられている。また、円柱状の連結ピン83の外周に沿って例えば溝が形成され、この溝に長孔50bの内周縁部が例えば弾性変形により嵌合させられている。
【0054】
これにより、連結軸50は、長孔50bの範囲で連結ピン83を移動可能としながら、連結ピン83および回転板81を介して振分部材75の回転に対応して概略自身の軸方向に移動可能となっている。また、連結軸50は、後述のように切替スイッチ41に連結され、振分部材75を左右に変動可能としている。
【0055】
図1に示すように、切替スイッチ41は、三枚羽根の回転体42と、振替通路を構成するケース43とを備える。
【0056】
前記ケース43は、遊技球が流入する流入口43aと、遊技球が流出する二つの流出口43b,43cとを備えている。ケース43の上端部に形成された流入口43aから流入した遊技球が、前記回転体42に接触するとともに振り分けられて、左の流出口43bまたは右の流出口43cから流出するようになっている。なお、この実施形態では、左の流出口43bから流出した遊技球は高い確率で開放した状態の特別変動入賞装置6に入賞可能となっている。また、右の流出口43cから流出した遊技球は開放した状態の特別変動入賞装置6に入賞し難いものとなっている。したがって、特別変動入賞装置6が開放状態の場合に、切替スイッチ41の部分に流入した遊技球の約50%が特別変動入賞装置6に入賞するようになっている。
【0057】
ケース43の底部の左右の中央には、突出部43dが設けられ、この突出部43dは、回転体42の左右の回転を規制するストッパとなっている。
また、回転体は、ほぼ120度間隔で配置されている3つの羽を備えており、左右の中央の振分羽44と、左の切替羽45と、右の切替羽46とを備えている。
【0058】
中央の振分羽44は、左に傾いた状態と右に傾いた状態とのいずれかになる。振分羽44が左に傾いた状態では、ケース43の流入口43aから流入した遊技球を右側に案内し、右側の切替羽45上に遊技球が載るようになっている。この状態では、遊技球の荷重により右の切替羽45に時計周りの回転方向の力が作用し、回転体42が右に回転する。なお、回転体42が右に回転すると右の切替羽46が突出部43dに接触して回転体42の回転が停止する。この状態で遊技球はその荷重により右側に傾斜した切替羽46上を流下して右の流出口43cから流出する。
【0059】
この状態では、中央の振分羽44が右に傾いた状態となり、この状態で切替スイッチ41の流入口43aから流入した遊技球は左側に振分られ、左側の切替羽45上に載ることになる。遊技球が左側の切替羽45に載ると、遊技球の荷重により回転体42が左に回転する。この際に左の切替羽45が突出部43dに接触して回転体42の回転が停止する。
【0060】
以上のことから、切替スイッチ41の流入口43aに遊技球が流入するたびに、回転体が時計周りの回転(正回転)と反時計回りの回転(逆回転)とを交互に繰り返すことになる。
この回転体42の回転軸47は、遊技盤1部分を貫通して裏面側に達した状態となっており、スイッチ回転板48に接続されている。このスイッチ回転板48と回転体42とは、互いに平行とされるとともに、回転軸47を介して一体に回転可能となっている。
【0061】
スイッチ回転板48の先端部には、スイッチ回転板48に対して直交するように連結ピン49が設けられている。
この連結ピン49には、長尺な連結軸50が連結されている。すなわち、連結軸50の端部に設けられた長孔50aに連結ピン49が長孔50aの長さ方向に沿って移動自在に嵌合している。なお、長孔50aは、連結軸50の長さ方向に沿って設けられている。また、円柱状の連結ピン49の外周に沿って例えば溝が形成され、この溝に長孔50aの内周縁部が例えば弾性変形により嵌合させられている。
【0062】
これにより、連結軸50は、長孔50aの範囲で連結ピン49を移動可能としながら、連結ピン49およびスイッチ回転板48を介して回転体42の回転に対応して概略自身の軸方向に移動可能となっている。
【0063】
上述の構成から連結軸50により、切替スイッチ41の回転体42が、ケース43の流入口43aから流入した遊技球と、上述の振分羽44、切替羽45および切替羽46により左右に回転した際に、振分部材75を左右に回転させて第1始動入賞口5aに遊技球を誘導する状態と、第2始動入賞口5bに遊技球を流動させる状態とに変動させることができる。
【0064】
すなわち、切替スイッチ41を遊技球が通過することにより、入賞口振分装置7が遊技球を第1始動入賞口5aに誘導する状態と、第2始動入賞口5bに誘導する状態が交互に切り替えられることになる。なお、連結軸50等から構成されるリンク機構(連結軸50と一体に移動する振分部材75、回転体42等を含む)の総重量は、遊技球の重量より小さくされている。
また、切替スイッチ41側の連結ピン49の移動量と、連結ピン83の移動量が等しければ(例えば、連結ピン49,83が最も左に移動した場合と、最も右に移動した場合の、連結ピン49,83間の間隔が等ければ)、連結ピン49,83が係合する孔を長孔50a,50bとせずに、連結ピン49,83の径に対応した円孔としてもよい。また、移動量が等しくない場合に、両方の孔を長孔50a,50bとする必要はなく、片方だけ長孔としても良い。
【0065】
ここで、切替スイッチ41は、遊技領域2の右側に設けられている。また、切替スイッチ41は、特別変動入賞装置6の右端部上に配置されている。
また、特別変動入賞装置6は、遊技領域2の中央より下側の右側に配置されている。したがって、遊技領域2上部の左側から右側に向って発射される遊技球の発射勢を強めて右側に遊技球を発射させる所謂右打ちを行うと、開放した状態の特別変動入賞装置6に遊技球を入賞可能となる。すなわち、右打ちをした際の遊技球の流下経路は、主に特別変動入賞装置6に向うものとなる。
右打ちした際には、発射されるほとんどの遊技球の流下経路が入賞口振分装置7の流入口71から離れたものとなり、入賞口振分装置7の流入口71に遊技球が入賞し難い状態となる。
【0066】
逆に、右打ちの場合より遊技球の発射勢を弱めて遊技領域2の上部の左右の略中央部分もしくはそれより左よりの部分に遊技球を発射(左打ち)すると、一般的に遊技領域の最上部に設けられる天釘(遊技領域2の最も上の遊技釘9)に当たる可能性が高く、一般的に多くの遊技球が可変表示装置3の左側を通るとともに、図示しない遊技釘により可変表示装置3の下側で遊技領域2の左右の中央側に誘導される。
【0067】
この場合に、上述のワープ通路およびステージ34経由で入賞口振分装置7の流入口71に至る遊技球に加えて、可変表示装置3の下側を左側から中央側に向かう遊技球が入賞口振分装置7の流入口71に至るとともに、直接、第1始動入賞口5aおよび第2始動入賞口5bに至り、それらの遊技球の一部が第1始動入賞口5aまたは第2始動入賞口5bに入賞する。
【0068】
この場合の遊技球の流下経路のほとんどは、特別変動入賞装置6および切替スイッチ41から離れたものとなる。
以上のことから、開放した状態の特別変動入賞装置6へ入賞する遊技球の流下経路と、切替スイッチ41の後述の流入口43aに至る流下経路とは、近接しており、これらを狙って同じ発射勢で発射された遊技球が特別変動入賞装置6と切替スイッチ41のとのどちらかに至る可能性が高い。
【0069】
それに対して、特別変動入賞装置6および切替スイッチ41を狙った発射勢で発射された遊技球が入賞口振分装置7、第1始動入賞口5a、第2始動入賞口5bに至る可能性が低く、同様に、入賞口振分装置7、第1始動入賞口5a、第2始動入賞口5bを狙った発射勢で発射された遊技球が特別変動入賞装置6および切替スイッチ41に至る可能性が低い。すなわち、特別変動入賞装置6および切替スイッチ41に向かう遊技球の流下経路と、入賞口振分装置7、第1始動入賞口5a、第2始動入賞口5bに向かう遊技球の流下経路はほとんどの場合に離れている。
【0070】
なお、後述のように振分部材75は、上述の回転軸80を遊技盤1の裏面側に設けられた振分ソレノイド85(回転ソレノイド含む)やモータ等の駆動手段により左右に回転駆動せるものとしてもよい。この場合に切替スイッチ41は、遊技球を検知する周知の接触センサや近接センサを用い、主制御装置14等の制御装置により切替スイッチ41からの入力信号に基いて、振分ソレノイド85を制御して、回転軸80を介して振分部材75を回転させるものとしてもよい。
【0071】
また、遊技領域2の左側部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、一般入賞口10,10に対応して、一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ11がそれぞれ設けられている。
また、特別変動入賞装置6の下方の遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘9(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0072】
次に、この例のパチンコ遊技機の制御系を
図5に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)15と、副制御部(サブ基板側の制御装置としての副制御手段)16と、これら主制御部15および副制御部16に電力を供給する電源供給装置37とから構成されている。主制御部15には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、プログラムに基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや周波数発生回路部14d等が備えられている。
【0073】
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、通過球検知センサ8d、一般入賞球検知センサ11が接続されるとともに、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置17から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ18、パチンコ遊技機におけるエラーを検知するエラー検知センサ19等が接続されている。
【0074】
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置20が主制御装置14からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置14には、サブ制御装置(副制御手段)としての払出制御装置22、図柄制御装置23、ランプ制御装置24、音声制御装置25が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
【0075】
また、ここで、払出制御装置22は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機における遊技の主要な制御を行うことから主制御部15に含まれるものとし、遊技の演出に係わる図柄制御装置23、ランプ制御装置24、音声制御装置25は副制御部16に含まれるものになっている。
【0076】
また、主制御装置14には、第1および第2特図表示器4a,4bが接続され、主制御装置14が始動入賞に基く抽選結果に応じるように第1および第2特図表示器4a,4bにおける特図の変動表示および変動停止表示の表示制御を行う。
また、主制御装置14には、上述の普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通変動ソレノイド55が駆動制御可能とされているとともに、特別変動入賞装置6の可動扉62を駆動する特別変動ソレノイド64が駆動制御可能とされている。
【0077】
また、払出制御装置22には、払出制御装置22により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置17が接続されるとともに、プリペードカード(記録媒体)26のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット27が球貸信号制御装置28を介して接続されている。払出制御装置22は、主制御装置14からのコマンドに基づいて賞球を払出すとともに、CRユニット27から球貸信号制御装置28を介して入力される球貸信号に基づいて貸球を払出す制御を行う。
【0078】
また、主制御部15には、主制御装置14と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域2に発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置29を制御する発射制御装置29aが設けられ、発射制御装置29aには、遊技球の発射を操作するための回転式操作ハンドル29b、発射停止釦29c、タッチセンサ29dが接続されている。
【0079】
主制御部15の主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、一般入賞球検知センサ11から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置22にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行わせる。
【0080】
また、主制御装置14は、通過球検知センサ8dから遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の普図保留数を加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数(当たり判定乱数、演出乱数)を取得し、普図保留数が上限未満の場合に乱数を記憶する。また、所定の開始条件として、前の普図ゲームのはずれでの終了もしくは当たり後の普通変動入賞装置5の開閉動作の終了で普図ゲームを開始するとともに普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定するとともに、普図ゲームの変動表示時間(ゲーム時間)を決定し、普図ゲームの表示や結果(当たり)の報知や演出のために図柄制御装置23やランプ制御装置24や音声制御装置25にコマンドを出力する。
【0081】
また、主制御装置14は、第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、上述の特図保留数の処理を行うとともに、特図ゲームの大当たり外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を取得し、特図保留数が上限未満の場合に当該乱数をRAM14c(乱数記憶手段)に記憶する。なお、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2特図ゲームの大当たりおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示器4a,4bを制御して第1および第2特図ゲームを表示するとともに、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置23やランプ制御装置24や音声制御装置25等にコマンドを出力する。
【0082】
なお、第1および第2特図ゲーム(変動表示ゲーム)の開始条件(乱数判定条件)は、前の第1特図ゲームまたは第2特図ゲームがはずれで終了した際と、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが大当たりになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり状態になった場合に、この大当り状態が終了した際に、第1特図保留数(第2特図保留数)が1以上になっている場合である。また、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの両方が開始可能な場合には、第2特図ゲームが優先される。なお、上述の乱数を取得した時期が早い方の特図ゲームが開始されるようにしてもよい。また、開始条件の成立(乱数判定条件の成立)に伴って、特図ゲームの開始時に、この特図ゲームに対応する当たり判定乱数により大当たりおよびはずれ等の判定を行う。
【0083】
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合には、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通変動ソレノイド55を制御して普通変動入賞装置5を閉状態から開状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが各大当たりになった場合には、特別変動入賞装置6の可動扉62の特別変動ソレノイド64を制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置6を閉状態から開状態に変動させて上述の大当たり状態を発生させる制御を行う。
【0084】
また、抽選手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて取得された当たり判定乱数を用いて第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。また、主制御装置14は、大当たりとはずれとのいずれかを示す第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを順次表示する際に、確変大当たり等の発生に基づいて前記抽選処理により第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになる確率を低確率状態より高い高確率状態とし、通常大当たり等の発生に基づいて前記抽選処理により第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになる確率を高確率状態より低い低確率状態とする制御を行う。
【0085】
また、主制御装置14は、所定の大当たりの発生に基づいて、通常状態より普通変動入賞装置5の単位時間当たりの開放時間(開放回数)が多くなる時短状態(電チユーサポート状態)とする制御を行う。なお、確変状態(高確率支援状態)では、基本的に高確率状態になるとともに電チユーサポート状態になり、時短状態(支援状態)では、低確率状態で電チユーサポート状態になる。
【0086】
また、副制御部16の変動表示ゲーム表示制御手段としての図柄制御装置23は、可変表示装置3と、普図表示装置(LED表示装置)8とを制御するものであり、可変表示装置3がビデオディスプレイプロセッサ35を介して接続されている。上述の主制御装置14により決定された各大当たりおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、報知演出制御手段としての図柄制御装置23により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置3における表示が制御される。また、図柄制御装置23は、主制御装置14において、算出される特図保留数に基づいて、可変表示装置3の特図保留数表示領域31における特図保留数のマークの表示を制御する。
【0087】
副制御部16のランプ制御装置24は、遊技盤1の盤面に設けられた盤面関係の電飾(LED等の光源)24aと、パチンコ遊技機の遊技盤1を支持する前面枠に設けられ、遊技盤1の前面を覆うガラス枠等の枠扉関係の電飾(LED等の光源)24bとが接続され、LEDやランプ等による演出を制御する。また、ランプ制御装置24には、普図保留数表示ランプ8cが接続されている。
【0088】
音声制御装置25には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ等からなる音声発生装置25aが接続されており、音声制御装置25は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0089】
この実施の形態において、乱数生成手段としての主制御装置14は、所定範囲内の数値からなる乱数(擬似乱数)を生成する。例えば、0から所定数まで高速にカウントアップし、所定数に達したら再び0とする処理を行い、この数値を擬似乱数とする。なお、乱数の生成に際して、周期性のある擬似乱数の周期性を乱すような処理を加えてもよい。また、主制御装置14とは、別に乱数生成手段を設けてもよい。
【0090】
乱数取得手段としての主制御装置14が第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力時に生成された乱数を取得する。なお、始動入賞信号が入力した際に、上述の対応する特図保留数(記憶された3つ一組の乱数の組数)が上限未満の場合に乱数を取得するが、対応する特図保留数が上限の場合には、乱数を取得しない。
【0091】
また、乱数記憶手段としての主制御装置14は、上述のように取得した乱数をRAM14cに記憶し、この乱数に対応する変動表示ゲームの開始条件が成立し、記憶された乱数による抽選処理が行われた場合に乱数消去条件が成立したものとして乱数を消去し、この際に特図保留数が一つ減算される。
【0092】
抽選手段としての主制御装置14は、特図ゲーム開始の際に、上述のように取得された3つずつの乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を用いて第1および第2特図ゲームを表示するための抽選処理を行う。抽選処理においては、当たり判定乱数と、設定されている当たり判定テーブル(低確率判定テーブルおよび高確率判定テーブル)に登録された当たり判定値とを比較する。主制御装置14のROM14bは、テーブル記憶手段として当たり判定テーブルが記憶されている。
【0093】
当たり判定値は、当たり判定乱数になる所定範囲の数値のうちから予め決められた数値であり、大当たり確率は、(当たり判定値の数)/(当たり判定乱数になる所定範囲の数値の数)になる。また、当たり判定値には、当たり確率が低確率になる通常時の低確率判定テーブルに登録された当たり判定値と、確変大当たり等の後の高確率時の高確率判定テーブルに登録された当たり判定値とがあり、例えば、通常時(低確率時)の当たり判定値の数に対して、高確率時の当たり判定値の数が約10倍とされる。これにより、低確率時に対して高確率時の大当たり確率が約10倍とされる。
【0094】
取得された当たり乱数の数値と、当たり判定値とが一致した場合に、大当たりになり、一致しない場合にはずれになる。
また、低確率判定テーブルを用いるか、高確率判定テーブルを用いるかは、上述のように制御される確率状態が高確率状態か低確率状態かにより主制御装置14で決定される。
【0095】
図柄乱数は、第1および第2特図表示器4a,4bに表示される特図の種類を決定するものであるが、特図ゲームがはずれの場合には、たとえば一種類の特図になり、大当たりの場合には、各大当たりの種類毎、例えば、通常大当たり、確変大当たりでそれぞれ複数種類の特図が設定されており、図柄乱数と関連付けられた特図が選択される。特図の選択には、各特図が載せられたデータテーブルが用いられる。
【0096】
この実施形態では、大当たりの種類が、大当たり状態後の大当たり確率が低確率となる通常大当たり(低確率大当たり)と、大当たり状態後の大当たり確率が低確率より高い高確率となる高確率大当たりとがあるとともに、それぞれに、後述の電サポ有り(時短有り)と、電サポ無し(時短無し)が設定されている。
すなわち、大当たりの種類は、電サポ無し低確率大当たり、電サポ有り低確率大当たり、電サポ有り高確率大当たり、電サポ無し高確率大当たりの4種類となる。
【0097】
また、第1始動入賞口5aへの遊技球の入賞に基いて開始される第1特図ゲームと、第2始動入賞口5bへの遊技球の入賞に基いて開始される第2特図ゲームでは、大当たりの種類が異なっており、第1特図ゲームでは、時短有り低確率大当たりと、時短有り高確率大当たりのいずれかしか発生しないものとなっている。それに対して、第2特図ゲームは、上述の4つの大当たりのいずれでも発生可能となっている。
【0098】
すなわち、時短無しの大当たりは、第1特図ゲームでは発生せず、第2特図ゲームでだけ発生する。
また、第2特図ゲームにおいて、現状が時短状態でない通常状態の場合には、時短有り低確率大当たりもしくは時短有り高確率大当たりのいずれかが発生するが、現状が時短状態の場合には、時短無し低確率大当たりもしくは時短無し高確率大当たりが発生する。
【0099】
なお、時短状態は、例えば、大当たり状態後から実行される第1特図ゲームの実行回数と、第2特図ゲームの実行回数との和が例えば所定数としての100回に至った場合に終了するようになっている。したがって、時短有りの大当たりであっても、大当たり状態後の100回目の特図ゲームが終了した際に終了する。
したがって、第2特図ゲームにおいて、時短有りの大当たりが発生した際でも、時短状態中は、時短無しの大当たりが発生し、時短状態後の通常状態中は、時短有りの大当たりが発生する。
なお、時短有りの大当たりを、次回の大当たりまで高確率状態と電サポ状態の両方が保持される確変大当たりや、高確率状態と電サポ状態の両方が第1特図ゲームの実行回数と、第2特図ゲームの実行回数との和が所定数となった際に終了して、電サポ無しの低確率状態となる回数切りの確変大当たりとしてもよい。
【0100】
大当たりの場合には、図柄乱数と図柄判定用のデータテーブルによって、上述の4つの大当たりのいずれかが決定される。
この特図選択用のデータテーブルとしては、第1特図ゲーム用テーブルと第2特図ゲーム用テーブルとがあり、それぞれ、当たり用テーブルと、はずれ用テーブルとがある。なお、はずれ用テーブルには、一つのはずれを示す特図だけが設定されており、実質的にはずれになることで特図ゲームで停止表示される特図が決定される。
【0101】
また、第2特図ゲームの当たり用テーブルは、時短中に選択される時短用テーブルと、時短終了後に選択される通常用テーブルとに分かれている。第2特図ゲーム用でかつ時短用のデータテーブルには、時短無し低確大当たりを示す特図と、時短無し高確率大当たりを示す特図とが載せられ、この時短用テーブルが用いられた場合に、時短有りの大当たりが発生しないようになっている。
【0102】
また、第2特図ゲーム用でかつ通常用のデータテーブルには、時短有り低確率大当たりを示す特図と、時短有り高確率大当たりを示す特図が載せられている。
この特図選択用のデータテーブルには、例えば、図柄乱数になる所定範囲の数値を0〜255とした場合に、データテーブル上で各図柄に0〜255の数値のうちの一部が割り振られる。
図柄乱数と一致する数値が割り振られた特図が選択され、その特図が示す大当たりの種類によって、大当たりの種類が決定される。大当たりの種類および特図の種類毎の抽選確率は、図柄乱数になる所定範囲の数値の数を分母とし、各大当たりの種類または各特図に割り振られた数値の数を分子としたものになる。
【0103】
なお、実際には、各種類の大当たりの特図が一つではなく複数あるので、各大当たりの種類毎に分けられた上述の各数値範囲が、さらに各特図に分けられて割り付けられることになる。これにより、データテーブルには、各当たりに対応する特図が載せられるとともに、各特図が抽選で選択される抽選確率が設定されていることになる。以上のことから、必ず時短ありの大当たりが発生する第1特図ゲームの方が、時短なし当たりが発生する場合がある第2特図ゲームより遊技者に有利となっている。第1特図ゲームは、第1始動入賞口5aに遊技球が入賞することに基いて実行され、第2特図ゲームは、第2始動入賞口5bに遊技球が入賞することに基いて実行されるので、第1始動入賞口5aに遊技球が入賞した場合の方が、第2始動入賞口5bに遊技球が入賞した場合より遊技者に有利となる。
【0104】
また、演出乱数は、特図ゲームの変動表示時間を含む変動パターンを決定するものであり、はずれの場合にリーチになるか否か、また、リーチの場合に表示時間が短いノーマルリーチか、表示時間の長いスーパーリーチやプレミアムリーチになるかを決定するものである。大当たりの場合は、リーチ確定であり、ノーマルリーチかスーパーリーチかなどのリーチの演出の種類を決定するものになる。なお、変動パターン選択手段としての主制御装置14は、変動パターン(変動)の選択に際して、はずれや大当りの種類毎に設定された抽選確率と複数の変動パターンの組み合わせからなる変動パターンのデータテーブルに従って抽選を行い、変動パターンを選択する。
【0105】
このデータテーブルは、当たり用とはずれ用とに分けられている。当たり用およびはずれ用にデータテーブルを分けているのは、例えば、各リーチ演出に対応する変動パターンの当たりの場合に選択される抽選確率と、はずれの場合の抽選確率とを設定することで、各リーチ演出の大当たりとなる期待値を設定するためである。
【0106】
データテーブルにおいては、変動パターンが複数登録され、上述の特図選択用のデータテーブルと同様に、各変動パターンに、演出乱数となる所定の数値範囲内の数値が割り付けられた状態となっており、抽選では、演出乱数となる数値が割り付けられた変動パターンが選択される。
【0107】
上述の3つの乱数により、特図ゲームの表示が決定されて特図ゲームの結果に基づいてはずれおよび大当たりの第1および第2特図ゲームが行われる。また、主制御装置14からこれらの抽選決定情報に基づく情報(変動パターンを含む)が、図柄制御装置23に送られ、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示制御が行われる。
【0108】
すなわち、主制御装置14は、第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームを開始する際に、上述の抽選結果に基づいて、図柄制御装置23に、大当たりおよびはずれのいずれかを示すデータと、変動パターンのデータと、大当りの場合の大当りの種類データとを送信するとともに、変動表示ゲームの開始コマンドを送信するようになっている。
【0109】
また、主制御装置14では、普図ゲームの当たり、はずれの判定用の当たり判定値が載せられたデータテーブルとして、普図低確率用テーブルと、普図高確率用テーブルとが記憶され、時短時の電サポ状態(始動入賞支援状態)の場合に、普図高確率テーブルが用いられ、それ以外の通常時に普図低確率テーブルが用いられる。付図低確率テーブルを用いた場合に対して普図高確率テーブルを用いた場合には、普図ゲームの当たり確率が例えば10倍程度となる。
【0110】
また、普図ゲームの変動パターン(変動表示時間)のデータテーブルとして、通常用と、確変および時短用とが設定されており、通常用のデータテーブルを用いた場合よりも確変および時短用のデータテーブルを用いた場合の方が普図ゲームの変動表示時間の平均時間が大幅に短くなるようになっている。
【0111】
また、主制御装置14は、普通変動入賞装置5の制御として、通常時に対して大当たり終了後に開始される電サポ状態では、普図ゲームが当たりとなった場合に普通変動入賞装置5の開放時間が長くなっている。なお、一回の普図ゲームの当たりに対して普通変動入賞装置5が開放する回数を通常時より電サポ状態の方が多くなるようにしてもよい。
【0112】
以上のような遊技機における遊技について説明する。
遊技者は、大当たり状態でなく特別変動入賞装置が開放していない状態では、基本的に左打ちを行い遊技球を上述のように入賞口振分装置7(流入口71)、第1始動入賞口5a、第2始動入賞口5bに向けて発射する。
【0113】
なお、この場合に、時短状態でない通常状態ならば、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームのいずれでも、時短有りの大当たりが発生するので、入賞口振分装置7が遊技球を第1始動入賞口5aに誘導する状態でも、第2始動入賞口5bに誘導する状態でも遊技者に不利となることはない。
【0114】
この状態で、第1始動入賞口5aまたは第2始動入賞口5bに入賞した遊技球に基いて大当たりが発生した場合に、大当たり後に時短有りの低確率状態もしくは時短有りの高確率状態が発生する。なお、高確率状態となる確率は、例えば、50%以上であり、60%や70%程度であってもよい。
この際には、遊技領域2の右側の特別変動入賞装置6が開放状態となるので、遊技者は、遊技球の発射勢を回転式操作ハンドル29bで調整して、発射勢を大きくすることにより、右打ちとする。
【0115】
これにより、左打ちした場合よりも、開放している特別変動入賞装置6への入賞率が極めて高くなる。また、遊技者は、特別変動入賞装置6への遊技球の入賞に対応する多くの賞球を得られる状態となる。
この際に、特別変動入賞装置6の近傍(特別変動入賞装置6へ入賞する遊技球の流下経路の近傍)にある切替スイッチ41に発射された遊技球のうちの一部が流入することになる。
【0116】
これにより、入賞口振分装置7においては、振分部材75が遊技球を第1始動入賞口5aに誘導する状態と、第2始動入賞口5bに誘導する状態との間で変動を繰り返すことになる。
特別変動入賞装置6が例えば15ラウンド分開放された後に閉塞し、大当たり状態が終了する。この際には、また、第1始動入賞口5aおよび第2始動入賞口5bに遊技球を入賞させるため左打ちとする。
【0117】
また、上述のようの通常状態で大当たりとなった場合には、第1特図ゲームであっても、第2特図ゲームであっても、時短有りの大当たり状態となるので、時短有り大当たり状態が発生する。
しかし、時短状態では、第1特図ゲームで時短有りの大当たりが発生し、第2特図ゲームで時短無しの大当たりが発生するので、入賞口振分装置7の振分部材が第2始動入賞口5bに遊技球を誘導する状態となっている場合には、遊技者によっては、入賞口振分装置7、第1始動入賞口5a、第2始動入賞口5bを狙って左打ちせずに、切替スイッチ41を狙って右打ちする可能性がある。
【0118】
この場合に、右打ちすることで、切替スイッチ41への遊技球の流入率が高まり、切替スイッチ41を遊技球が通過することで、上述のように振分羽44、切替羽45および切替羽46を有する回転体42が左右いずれかに回転し、この回転が連結軸50等を介して、振分部材75に伝達され、振分部材75が遊技球を第1始動入賞口5aに誘導する状態と、第2始動入賞口5bに誘導する状態とのいずれかに変動する。
【0119】
ここでは、現状で、入賞口振分装置7は、第2始動入賞口5bに遊技球を誘導する状態であることにすると、切替スイッチ41に遊技球が流入した場合に、第1始動入賞口5aに遊技球を誘導する状態に切り替えられることになる。
右打ちすることで、切替スイッチ41に遊技球を通過させることによって、第1始動入賞口5aに遊技球が振り分けられるようにすることができる。これにより、第2始動入賞口5bより第1始動入賞口5aに遊技球が入賞する可能性が高まる。
【0120】
この場合に、時短中(特に高確率状態で)時短有りの大当たり状態が発生する可能性が高まる。なお、この例では、第1始動入賞口5a側に普通変動入賞装置5が設けられているので、時短中(電サポ中)は、可動片51が開閉を繰り返しているので、基本的に第1始動入賞口5aへの遊技球の入賞率が、第2始動入賞口5bへの遊技球の入賞率より高く、入賞口振分装置7が遊技球を第2始動入賞口に誘導する状態でも、第1特図ゲームが開始される確率は高くなっている。しかし、第2特図ゲームが第1特図ゲームより優先して行われるので、第2始動入賞口5bに遊技球が入賞すると、第2特図ゲームが優先して行われ、時短無しの大当たりが発生する確率が高くなってしまう。
【0121】
但し、右打ちした場合に、第1始動入賞口5aおよび第2始動入賞口5bに遊技球が入賞する可能性が極端に低下する。また、右打ちした場合には、遊技領域2の右側に基本的に遊技球を入賞可能な入賞口は、特別変動入賞装置6しか存在せず、遊技球がいずれの入賞口にも入賞せずにアウト口12から排出される可能性が高くなる。
【0122】
すなわち、右打ちした場合にほとんど賞球を得られず、遊技球の消費が早くなってしまうし、特図ゲームの開始機会も減少することになる。ただし、時短になる期間は、特図ゲームの実行回数で決まるので、第1始動入賞口5aおよび第2始動入賞口5bに遊技球が入賞しない状態では、時短状態が保持され、右打ちしている間に時短が終了することはない。
また、この実施形態では、遊技釘9の配置や、流入口43aの形状等により、右打ちしても、切替スイッチ41に遊技球が流入し難い状態となっており、平均で遊技球を例えば300個程度発射した場合に、遊技球が1個だけ切替スイッチ41に流入するような設定としている。なお、左打ちするより右打ちする方が、切替スイッチ41に遊技球が流入する確率は高いのは言うまでもない。
【0123】
そのため、第2始動入賞口5b側に遊技球を入賞する状態となった入賞口振分装置7を第1始動入賞口5a側に遊技球を入賞する状態に変動させるために、遊技球を切替スイッチ41側に右打ちすると、大当たり状態で得た賞球をかなり減らす原因となる。
【0124】
したがって、大当たり状態終了時に、入賞口振分装置7が、第2始動入賞口5bに遊技球が誘導される状態でも、遊技者が右打ちせずに左打ちして、時短無しの大当たりを発生させることも考えられる。この場合に、大当たりが発生する前に時短が終了してしまえば、通常状態となり上述のように第2特図ゲームの図柄(大当たり種類)判定テーブルが切り替えられ、時短有り大当たりが発生する状態となるので、時短中に大当たりが発生する可能性がそれほど高くない低確率状態の際に、遊技者が右打ちせずに左打ちを続行する可能性がある。
【0125】
また、上述のように入賞口振分装置7に遊技球が入賞し難い設定の場合に、大当たり状態中に右打ちした際に、切替スイッチ41に遊技球が流入したことによって、入賞口振分装置7が第1始動入賞口5aに遊技球を誘導する状態となった際に、遊技者が遊技球の発射を停止し、大当たり状態を終了させてしまう可能性もある。
【0126】
この場合には、入賞口振分装置7が第1始動入賞口5aに遊技球が誘導される状態なので、時短中に第1特図ゲームで大当たりが発生して、大当り状態が終了した際に再び時短が発生する可能性が高い。したがって、入賞口振分装置7が第1始動入賞口5aに遊技球を誘導する状態で、さらに遊技球を右打ちして、再び、遊技球が切替スイッチ41を通過することで、入賞口振分装置7が遊技球を第2始動入賞口5bに振り分ける状態となるのを防止するために、遊技球の発射を停止する遊技者もいると思われる。
【0127】
なお、大当たり状態は、例えば、1ラウンドの特別変動入賞装置6の開放してからの閉塞条件が、例えば、所定数(9〜10個程度)の遊技球の特別変動入賞装置6への入賞または所定時間の経過となっている。したがって、大当たり状態中に遊技球の発射を停止すると、所定時間が経過し、ラウンドが終了するとともに、所定数のラウンドの終了により大当たり状態が終了してしまう。この場合に、大当たり状態中に特別変動入賞装置6に入賞するはずだった遊技球の一部が入賞せずに大当たり状態が終了することになり、大当たり状態中に遊技者の得られる賞球が減少してしまう。
【0128】
但し、大当たり状態の初期、すなわち、大当たり状態となっている残りの期間が長い場合に、入賞口振分装置7が第2始動入賞口5bに遊技球を振り分ける状態から、第1始動入賞口5aに遊技球を誘導する状態となった場合に、その後、大当たり状態が終了するまでの間に、2回切替スイッチ41に遊技球が流入する可能性もあるので、遊技者は、遊技球の発射を停止することなく、遊技球を発射し続ける可能性も高い。
【0129】
いずれにしろ、入賞口振分装置7の状態に応じて遊技者が、特別変動入賞装置6を開放していないのに、遊技球を右打ちしたり、特別変動入賞装置6が開放しているのに遊技球の発射を停止したりすることで、遊技者が獲得可能な遊技球が異なる可能性がある。すなわち、遊技者が積極的に遊技に介入することで獲得可能な遊技球が変化し、遊技機の遊技性を高めることができる。
【0130】
また、遊技者の介入は、必ずしも獲得できる遊技球の増大を招くとは限らず、逆に獲得できる遊技球が減少している可能性もあり、遊技者が介入するか否かを考えることで、さらに遊技への興趣が高められる。また、大当たり状態の初期に入賞口振分装置7が遊技者に有利な第1始動入賞口5aに遊技球を誘導する状態となっている場合(なった場合に)、いつまで遊技球を打ち続けるかによってスリルを得ることができる。すなわち、上述のように切替スイッチ41には、遊技球が入賞し難い設定となっていることから、大当たり状態が終わるまで、遊技球を発射し続けても、切替スイッチ41に遊技球が流入せず、入賞口振分装置7が第1始動入賞口5aに誘導し続ける状態のままとなる可能性がある。このような状況で、遊技球の発射を停止するか否かを判断することに遊技者が興趣を得る可能性が高い。
【0131】
なお、第1始動入賞口5aに普通変動入賞装置5を設けずに、第2始動入手口5bに普通変動入賞装置5を設けるものとしてもよいが、この場合に、時短中に遊技者に不利な第2始動入賞口5bに遊技球が入賞してしまう可能性が増え、入賞口振分装置7による遊技性の向上の効果が薄れる可能性があり、第1始動入賞口5bに普通変動入賞装置5を設けることが好ましい。なお、第2始動入手口5bに普通変動入賞装置5を設ける場合には、第1特図ゲームが第2特図ゲームより優先して行われる設定とすることが好ましい。
また、第1始動入賞口5a、第2始動入賞口5bの両方に普通変動入賞装置5を設け、時短時に、抽選により選択された始動入賞口や、入賞口振分装置7に誘導される側の始動入賞口だけ作動させるような構成としてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、切替スイッチ41と、入賞口振分装置7とを機械的にリンクさせ、この機械的リンクにより、入賞口振分装置7の遊技球の振分方向を切り替えるようにした。しかし、上述のように入賞口振分装置7の振分方向の切替を振分ソレノイド85等の駆動手段で可能とし、切替スイッチ41を遊技球を検知して信号を出力するセンサとしてもよい。
【0133】
この場合に
図5に点線のブロックで示すように主制御装置14に切替スイッチ41および振分ソレノイド85を接続し、切替スイッチ41から遊技球を検知したことを示す信号が主制御装置14に入力した場合に振分ソレノイド85を作動させて振分部材75を左右いずれかに移動させるように制御するものとしてもよい。したがって、主制御装置14に切替スイッチ41から信号が入力するたびに、振分部材75左右に交互に回転する状態となる。
【0134】
また、上記実施形態では、切替スイッチ41を特別変動入賞装置6の外側の近傍に配置したが、切替スイッチ41を特別変動入賞装置6内の遊技球が流入する部分に設けてもよい。
【0135】
この場合には、特別変動入賞装置6が開放している状態でないと切替スイッチ41に遊技球を当てたり、遊技球を通過させたりすることができないので、上述のように、大当たり状態が終了した後に特別変動入賞装置6の近傍にある切替スイッチ41を狙って右打ちして、入賞口振分装置7を遊技者に不利な第2始動入賞口5bに遊技球を誘導する状態から、遊技者に有利な第1始動入賞口5aに誘導する状態に切り替えることができない。
【0136】
したがって、遊技者は、大当たり状態の際に、遊技球を特別変動入賞装置6に向かって発射し続けるか、遊技球の発射を停止するかを決定することになる。すなわち、上述のように入賞口振分装置7が遊技者に有利な第1始動入賞口に遊技球を振り分ける状態となった際に、遊技球の発射を継続するか中止するか遊技者が判断することになる。この場合に、遊技者に有利な状態が継続したまま大当たり状態が終了するか否かや、大当たり状態が終了するまでに遊技者に不利な状態から有利な状態に切り替えられるか否かなどに遊技者が興味を持ちながら大当たり状態の遊技を行うことになる。これにより、大当たり状態が単に特図ゲームの大当たり発生による遊技球を得るために時間を消化するような遊技でなく、スリルに富んだ遊技となる。
【0137】
なお、上記切替スイッチ41として、回転体とリンク機構を用いたが、その他の機械的構成を用いてもよく、例えば、ばねで付勢されている押圧式のスイッチで、スイッチが押される度に軸が軸方向に移動するようなものであってもよい。
【0138】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。