【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の造粒装置は、
添加剤を含んだ材料を成型して成型物を製造する造粒装置であって、1個又は複数の成型孔を有するダイと、ダイに向かって材料を押圧して成型孔から材料を押し出す押出手段と、上記ダイ及び押出手段を収容するケーシングと、上記ダイの押出手段側に材料を供給する供給通路と、上記ダイの成型孔から材料が押し出されてなる成型物をケーシングから排出する排出部とを備える造粒装置において、
上記ダイに関して材料が供給される側の気体を吸引し、材料が供給される方向と反対方向に気体の流れを形成する材料供給側吸引手段と、
上記ダイに関して成型物が排出される側の気体を吸引し、成型物が排出される方向と反対方向に気体の流れを形成する成型物排出側吸引手段と
を備えることを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、供給通路を通じてダイの押出手段側に供給された材料が、押出手段でダイの成型孔に向かって押圧され、ダイの成型孔から材料が押し出されて成型物が形成される。ここで、材料供給側吸引手段により、ダイに関して材料が供給される側の気体が吸引されて、材料の供給方向と反対方向の気体の流れが形成される。この材料が供給される方向と反対方向の流れにより、ダイに関して材料供給側に位置する材料に接触する気体の流量を大きくして、材料から効果的に添加剤を分離することができる。これと共に、成型物排出側吸引手段により、ダイに関して成型物排出側の気体が吸引されて、成型物の排出方向と反対方向の気体の流れが形成される。この成型物が排出される方向と反対方向の流れにより、ダイの成型物排出側に位置する成型物に接触する気体の流量を大きくして、成型物から効果的に添加剤を分離することができる。上記材料供給側吸引手段と成型物排出側吸引手段により、材料の成型動作が行われるダイに関して材料供給側と成型物排出側に分けて気体の流れを形成するので、供給及び成型過程の材料から放出される添加剤と、成型された材料から放出される添加剤を、夫々効果的に収集することができる。その結果、添加剤を迅速に収集できて、引火性の高い添加剤の引火を効果的に防止でき、また、環境負荷の大きい添加剤や、有害又は有毒の添加剤や、悪臭のする添加剤の漏出を効果的に防止できる。
【0014】
また、材料供給側吸引手段でダイの材料供給側の気体を吸引すると共に、成型物排出側吸引手段でダイの成型物排出側の気体を吸引するので、ケーシング及び供給通路内の気圧が大気圧よりも低く保持される。したがって、供給過程や成型過程で材料から放出された添加剤を、ケーシング及び供給通路から周辺に漏出させることなく収集することができる。また、材料の粒子を、ケーシング及び供給通路から周辺に漏出させることなく収集することができる。その結果、造粒装置の周辺の作業環境を清浄に保つことができる。
【0015】
また、材料供給側吸引手段でダイの材料供給側の気体を吸引すると共に、成型物排出側吸引手段でダイの成型物排出側の気体を吸引するので、材料供給側吸引手段と成型物排出側吸引手段の吸引量を調整することにより、ダイの材料供給側と成型物排出側との間に気圧の差が生じることを防止できる。したがって、成型孔を押出手段で押し出される材料に対して、押出方向の動きを阻害したり、押出方向の動きを加速したりすることを防止できる。その結果、成型孔を押出手段で押し出される材料に、適正な圧縮力を作用させることができて、適正な比重の成型物を製造することができる。
【0016】
なお、本発明の造粒装置において、材料から分離されて収集された添加剤は、添加剤の特性に応じて、分解又は燃焼する処理を施してもよく、あるいは、大気に放出してもよい。また、添加剤が有害である場合や、毒性を有する場合は、材料供給側吸引手段と成型物排出側吸引手段で吸引した気体から、添加剤をフィルタや吸収剤や吸着剤で捕捉して除去し、この後に、添加剤の除去された気体を放出するのが好ましい。
【0017】
一実施形態の造粒装置は、上記材料供給側吸引手段は、上記ダイの材料供給側に連通する材料供給側吸引通路を通して気体を吸引するように形成されている
【0018】
上記実施形態によれば、材料供給側吸引通路を通して、材料から分離した添加剤を含む気体をダイの材料供給側から効率的に吸引することができる。
【0019】
一実施形態の造粒装置は、上記供給通路が、上記材料供給側吸引通路を兼ねている。
【0020】
上記実施形態によれば、供給通路を通してダイの材料供給側から気体を吸引することにより、この供給通路を通る材料から添加剤を効率的に分離することができる。
【0021】
一実施形態の造粒装置は、上記ダイの材料供給側に空気を供給する材料供給側給気部が設けられている。
【0022】
上記実施形態によれば、材料供給側給気部により空気がダイの材料供給側に供給される状態で、供給通路を通った材料がダイの材料供給側に供給される。材料供給側給気部から供給された空気により、材料から添加剤を分離すると共に、ダイと押出手段で押出作用が施される際に材料から放出された添加剤を、効果的に材料供給側に流すことができる。
【0023】
一実施形態の造粒装置は、上記成型物排出側吸引手段は、上記ダイの成型物排出側に連通する成型物排出側吸引通路を通して気体を吸引するように形成されている。
【0024】
上記実施形態によれば、成型物排出側吸引通路を通して、材料が成型される過程で分離した添加剤や、成型後の成型物から分離した添加剤を含む気体を、ダイの成型物排出側から効率的に吸引することができる。
【0025】
一実施形態の造粒装置は、上記ケーシングが、成型物排出側吸引手段を兼ねている。
【0026】
上記実施形態によれば、ケーシングを通してダイの成型物排出側から気体を吸引することにより、ケーシング内のダイから押し出されて排出部に向かう成型物に気体の流れを接触させることができ、成型物から効果的に添加剤を分離することができる。
【0027】
一実施形態の造粒装置は、上記ケーシング内のダイの成型物排出側に空気を供給する成型物排出側給気部を備える。
【0028】
上記実施形態によれば、成型物排出側給気部により空気がダイの成型物排出側に供給される状態で、ケーシング内のダイで成型された成型物がダイの成型物排出側を排出部に向かって移動する。成型物排出側給気部から供給された空気により、成型物から添加剤を分離すると共に、ダイと押出手段で押出作用が施される際に材料から放出された添加剤を、効果的に成型物排出側に流すことができる。
【0029】
一実施形態の造粒装置は、上記成型物の排出部が、上記成型物排出側給気部を兼ねている。
【0030】
上記実施形態によれば、排出部から成型物が排出されると共に、この排出部からダイの成型物排出側に空気が供給されるので、成型物がダイで成型されて排出部から排出されるまでの間に、成型物の排出方向と反対方向に流れる空気に接触させて、成型物から効果的に添加剤を分離することができる。
【0031】
一実施形態の造粒装置は、上記供給通路に、上記材料に力を直接与えてダイの材料供給側に送る送り手段を備える。
【0032】
上記実施形態によれば、送り手段で材料に直接力を与えることにより、かさ比重の比較的小さい材料を、確実にダイの材料供給側に送ることができ、また、材料に含まれる添加剤を効果的に分離させることができる。ここで、供給通路が材料供給側吸引通路を兼ねている場合は、材料の供給方向と反対方向の気体の流れに抗して材料を確実にダイの材料供給側に送ることができ、また、気体の流れと反対方向に材料を送ることにより、材料を大量の気体に接触させて、材料から添加剤を効果的に分離することができる。
【0033】
一実施形態の造粒装置は、上記材料は、断熱材、吸音材、緩衝材又は容器材料である。
【0034】
上記実施形態によれば、断熱材、吸音材、緩衝材又は容器材料に含まれる添加剤を、成型工程で効果的に分離して収集することができる。したがって、断熱材、吸音材、緩衝材又は容器材料のリサイクルを促進することができる。ここで、断熱材としては、例えば家電に用いられるものや建築物に用いられるものが該当し、吸音材としては、例えば音響機器や建築物に用いられるものが該当し、緩衝材としては、例えば梱包用に用いられるものが該当し、容器材料としては、例えば食品や日用品や医薬品に用いられるものが該当するが、本発明の造粒装置で処理される断熱材、吸音材、緩衝材又は容器材料の用途は、特に限定されない。
【0035】
一実施形態の造粒装置は、上記材料の添加剤は、可燃性ガス、温室効果ガス、有害ガス、有毒ガス又は悪臭ガスである。
【0036】
上記実施形態によれば、添加剤が可燃性ガスである場合、引火を防止しながら添加剤を材料から分離して収集できる。また、添加剤が温室効果ガス、有害ガス、有毒ガス又は悪臭ガスである場合、添加剤の漏出を防止しながら添加剤を材料から分離して収集できる。これと共に、上記添加剤を分離した材料を成型することができる。したがって、可燃性ガス、温室効果ガス、有害ガス、有毒ガス又は悪臭ガスを添加剤として含む材料を、安全性や環境保全性を確保しながらリサイクルに利用することができる。
【0037】
一実施形態の造粒装置は、上記材料は発泡性樹脂であり、上記添加剤は発泡剤である。
【0038】
上記実施形態によれば、材料としての発泡性樹脂に用いられた発泡剤を、引火や外部への漏出の不都合を防止しながら材料から分離して収集すると共に、上記発泡剤を分離した発泡性樹脂を成型することができる。したがって、発泡性樹脂を、安全性や環境保全性を確保しながらリサイクルに利用することができる。
【0039】
一実施形態の造粒装置は、上記発泡性樹脂の発泡剤は、シクロペンタン又はフロンである。
【0040】
上記実施形態によれば、代替フロンに替わって発泡剤として普及しつつあるシクロペンタンを含んだ発泡性樹脂を材料として、引火を防止しながらシクロペンタンを材料から分離して収集できると共に、シクロペンタンを分離した材料を成型することができる。したがって、シクロペンタンを発泡剤に用いた発泡性樹脂の廃材を、安全性を確保しながらリサイクルに利用することができる。
【0041】
また、上記実施形態によれば、フロンを含んだ発泡性樹脂を材料として、フロンの外部への漏出を防止しながら、材料からフロンを分離して収集できると共に、フロンを分離した材料を成型することができる。したがって、フロンを発泡剤に用いた発泡性樹脂の廃材を、環境への影響を防止しながらリサイクルに利用することができる。
【0042】
一実施形態の造粒装置は、上記ダイは、内周面に押出手段としてのローラが相対的に転動可能に収容されたリングダイであり、このリングダイの端面に形成された開口に、上記供給通路の供給口と材料供給側給気部の開口が近接して配置されている。
【0043】
上記実施形態によれば、リングダイとローラを備えたリングダイ式の造粒装置において、供給通路の供給口からリングダイの開口を通して内部に供給される材料に、材料供給側給気部の開口から給気される気体を効果的に接触させることができ、材料から効果的に添加剤を収集することができる。
【0044】
一実施形態の造粒装置は、上記供給通路に材料を供給する供給手段と、
上記材料供給側吸引手段で吸引される気体と、成型物排出側吸引手段で吸引される気体との少なくとも一方における添加剤の濃度を測定する濃度計と、
上記供給手段及び濃度計に接続され、上記濃度計による測定値に基づいて、上記供給手段による材料の供給量を制御する供給手段制御部とを備える。
【0045】
上記実施形態によれば、供給手段により、供給通路に材料が供給され、供給された材料が供給通路を通してダイの材料供給側に導かれる。また、濃度計により、材料供給側吸引手段で吸引される気体と、成型物排出側吸引手段で吸引される気体との少なくとも一方における添加剤の濃度が測定される。上記濃度計による測定値に基づいて、供給手段による材料の供給量が供給手段制御部によって制御され、これにより、造粒装置で分離される添加剤の量が制御される。例えば、ダイの材料供給側に供給される材料から分離する添加剤の量が増大し、あるいは、ダイの成型孔を押し出される材料から分離する添加剤の量が増大し、あるいは、ダイの成型物排出側に排出される成型物から分離する添加剤の量が増大することにより、濃度計で測定される添加剤の濃度の測定値が所定の基準値を超えると、供給手段制御部により、供給手段の動作が、供給通路への材料の供給量を減少するように制御される。これにより、造粒装置で分離される添加剤の量が減少するので、造粒装置内で添加剤が引火したり、吸引手段による吸引能力を超えた添加剤が外部に漏出して環境に負荷を与える不都合を防止できる。また、供給通路への材料の供給量を減少させた後、濃度計で測定される添加剤の濃度の測定値が所定の基準値を下回った場合、供給手段制御部は、供給手段の動作を、供給通路への材料の供給量を増大させてもよい。ここで、上記供給手段制御部は、供給手段による材料の供給量を、濃度の測定値に応じた量となるように制御してもよく、また、濃度の測定値が閾値を越えたときに供給手段による材料の供給を停止してもよい。
【0046】
一実施形態の造粒装置は、上記材料供給側吸引手段で吸引される気体と、成型物排出側吸引手段で吸引される気体との少なくとも一方における添加剤の濃度を測定する濃度計と、
上記供給手段及び濃度計に接続され、上記濃度計による測定値に基づいて、上記材料供給側吸引手段又は成型物排出側吸引手段の気体の吸引量を制御する吸引手段制御部とを備える。
【0047】
上記実施形態によれば、濃度計により、材料供給側吸引手段で吸引される気体と、成型物排出側吸引手段で吸引される気体との少なくとも一方における添加剤の濃度が測定される。上記濃度計による測定値に基づいて、材料供給側吸引手段又は成型物排出側吸引手段の気体の吸引量が吸引手段制御部によって制御され、これにより、造粒装置からの添加剤を含む空気の吸引量が制御される。例えば、ダイの材料供給側に供給される材料から分離する添加剤の量が増大し、あるいは、ダイの成型孔を押し出される材料から分離する添加剤の量が増大し、あるいは、ダイの成型物排出側に排出される成型物から分離する添加剤の量が増大することにより、濃度計で測定される添加剤の濃度の測定値が所定の基準値を超えると、吸引手段制御部により、材料供給側吸引手段又は成型物排出側吸引手段の動作が、造粒装置内の材料供給側又は成型物排出側からの空気の吸引量を増大するように制御される。これにより、造粒装置内の添加剤の濃度が減少するので、造粒装置内で添加剤が引火したり、吸引手段による吸引能力を超えた添加剤が外部に漏出して環境に負荷を与える不都合を防止できる。
【0048】
一実施形態の造粒装置は、上記材料供給側吸引手段で吸引される気体と、成型物排出側吸引手段で吸引される気体との少なくとも一方における添加剤の濃度を測定する濃度計と、
上記供給手段及び濃度計に接続され、上記濃度計による測定値に基づいて警告動作を行う警告部とを備える。
【0049】
上記実施形態によれば、濃度計により、材料供給側吸引手段で吸引される気体と、成型物排出側吸引手段で吸引される気体との少なくとも一方における添加剤の濃度が測定される。上記濃度計による測定値に基づいて、警告部が警告動作を行う。例えば、ダイの材料供給側に供給される材料から分離する添加剤の量が増大し、あるいは、ダイの成型孔を押し出される材料から分離する添加剤の量が増大し、あるいは、ダイの成型物排出側に排出される成型物から分離する添加剤の量が増大することにより、濃度計で測定される添加剤の濃度の測定値が所定の基準値を超えると、警告部が警告動作を行う。警告部は、警告動作として、警告音を鳴動してもよく、警告光を出射してもよく、警告情報を出力してもよい。警告部が警告動作を行うことにより、造粒装置内の添加剤の濃度が増大したことを操作者や管理者に迅速に通知でき、したがって、造粒装置内で添加剤が引火したり、吸引手段による吸引能力を超えた添加剤が外部に漏出して環境に負荷を与える不都合を防止できる。なお、上記警告部は、濃度計が測定した濃度に応じて、例えば異なる音色又は音量の警告音を鳴動させ、あるいは、異なる色やパターンや点滅形態の警告光を出射し、あるいは、異なる内容の警告情報を出力する等のように、測定濃度に対応する異なる警告動作を行ってもよい。