特許第5774907号(P5774907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774907
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】容器用のヒンジキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/44 20060101AFI20150820BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   B65D35/44 J
   B65D47/08 F
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-115914(P2011-115914)
(22)【出願日】2011年5月24日
(65)【公開番号】特開2012-240741(P2012-240741A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年3月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000160223
【氏名又は名称】吉田プラ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100090516
【弁理士】
【氏名又は名称】松倉 秀実
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(72)【発明者】
【氏名】長坂 茂明
(72)【発明者】
【氏名】安間 一寿
(72)【発明者】
【氏名】金原 康博
(72)【発明者】
【氏名】秋山 武史
【審査官】 結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−102369(JP,U)
【文献】 特開2011−084283(JP,A)
【文献】 米国特許第04127221(US,A)
【文献】 特開2002−362603(JP,A)
【文献】 特開2005−193944(JP,A)
【文献】 特開2003−292004(JP,A)
【文献】 特開2012−192968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44
B65D 47/06
B65D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に取り付ける容器用のヒンジキャップであって、
前記容器の開口端に取り付ける基部と、
前記容器の内容物を吐出する前記基部の吐出口に嵌合する、該基部にヒンジを介して回動可能に連結されて該吐出口を開閉可能な蓋部と、を備え、
前記蓋部は、該蓋部が前記吐出口に嵌合して該蓋部が前記基部に当接した閉止状態において、該蓋部の嵌合軸が該吐出口の嵌合軸に対して傾くように形成されており、
前記蓋部と前記基部のうち少なくとも何れか一方には、何れか他方と係合して該蓋部の嵌合状態を保持する係止部を有し、
前記蓋部は、該蓋部が前記吐出口に嵌合しつつ該蓋部が前記係止部によって前記基部に係止されない半閉止状態において、該蓋部の嵌合軸が該吐出口の嵌合軸と揃う、
容器用のヒンジキャップ。
【請求項2】
前記蓋部の嵌合軸の傾きは、該蓋部が前記吐出口に対して斜めに嵌合することにより該蓋部と該吐出口とが相互に干渉し、該蓋部の前記基部に対する遊動が防止される傾きである、
請求項1に記載の容器用のヒンジキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器用のヒンジキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料を収納するものには、例えば、特許文献1に示すようなチューブ状の容器がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−168825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
容器用のヒンジキャップは、開閉がしやすいものの、衝撃等によって誤開閉することがある。そこで、輸送する際は輸送中に加わる振動や衝撃等によってキャップが誤開閉しないよう、キャップを閉状態で固定する係止機構を強固にすることも考えられる。しかし、係止機構を強固なものにすると、日常の開閉操作が煩わしくなり一般的な使用に耐えないし、開閉に要する力が加工精度によって変動するので、係止機構の固定力にバラつきが生ずる。
【0005】
その他の方策として、シール(いわゆるバージンシール)などを貼り付けて輸送時のみキャップを固定することも考えられるが、一般消費者がこれを剥がす必要があり、また、製造時の工数が無視できない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、誤開閉しにくいヒンジキャップを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、閉止状態において、蓋部の嵌合軸が吐出口の嵌合軸に対して傾くように蓋部を形成した。
【0008】
詳細には、容器に取り付ける容器用のヒンジキャップであって、前記容器の開口端に取り付ける基部と、前記容器の内容物を吐出する前記基部の吐出口に嵌合する、該基部にヒンジを介して回動可能に連結されて該吐出口を開閉可能な蓋部と、を備え、前記蓋部は、該蓋部が前記吐出口に嵌合して該蓋部が前記基部に当接した閉止状態において、該蓋部の嵌合軸が該吐出口の嵌合軸に対して傾くように形成する。
【0009】
蓋部の嵌合軸の傾きは、例えば、蓋部が吐出口に対して斜めに嵌合することにより蓋部と吐出口とが相互に干渉し、蓋部の基部に対する遊動が防止される傾きにする。ここで、蓋部の嵌合軸とは、蓋部が吐出口の形状に一致するように嵌合する場合の蓋部の基準軸である。吐出口の嵌合軸についても然りである。よって、蓋部が吐出口に嵌合していたとしても、蓋部の嵌合軸が吐出口の嵌合軸に対して傾いていれば、蓋部が吐出口の形状に一致するようには嵌合せず、蓋部が吐出口の内壁に干渉することになる。
【0010】
上記ヒンジキャップであれば、閉止状態において蓋部の嵌合軸が吐出口の嵌合軸に対して傾いているため、蓋部が吐出口に干渉した状態になる。閉止状態において、蓋部が吐出口に干渉していれば、蓋部と吐出口との間に作用する摩擦力により蓋部の遊動が阻害され
、容器に振動や衝撃が加わっても蓋部が誤開閉しにくくなる。
【0011】
なお、前記蓋部と前記基部のうち少なくとも何れか一方には、何れか他方と係合して該蓋部の嵌合状態を保持する係止部を有するものであってもよい。このような係止部が設けられていれば、容器に振動や衝撃が加わっても蓋部が誤開閉しにくい。
【0012】
また、前記蓋部は、該蓋部が前記吐出口に嵌合しつつ該蓋部が前記係止部によって前記基部に係止されない半閉止状態において、該蓋部の嵌合軸が該吐出口の嵌合軸と揃うものであってもよい。半閉止状態において、蓋部の嵌合軸が吐出口の嵌合軸と揃えば、蓋が吐出口にスムーズに進入する為、容器に振動や衝撃が加わった際の蓋部の誤開閉の防止作用と、蓋部の容易な開閉操作とを相乗的に両立できる。
【発明の効果】
【0013】
容器用のヒンジキャップが誤開閉しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第一実施形態に係るヒンジキャップを取り付けたチューブ容器の側面図である。
図2】第一実施形態に係るヒンジキャップの動作説明図である。
図3】第一実施形態に係るヒンジキャップの内部構造図である(開状態)。
図4】第一実施形態に係るヒンジキャップの内部構造図である(閉止状態)
図5】第一実施形態に係る吐出口と突起との嵌合部分の拡大図である。
図6】第二実施形態に係るヒンジキャップの内部構造図である(開状態)。
図7】第二実施形態に係るヒンジキャップの内部構造図である(閉止状態)。
図8】第二実施形態に係る吐出口と突起との嵌合部分の拡大図である。
図9】第一実施形態に係るヒンジキャップを取り付けたボトル状の容器の側面図である。
図10】変形例に係るヒンジキャップの内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様を示すものであり、本願発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、第一実施形態に係る容器用のヒンジキャップ1を取り付けたチューブ容器2の側面図である。ヒンジキャップ1は、図1に示すように、チューブ容器2の開口端に取り付けられる基部3と、基部3にヒンジ4を介して回動可能に連結される蓋5とを備えている。
【0017】
図2は、ヒンジキャップ1の動作説明図である。ヒンジキャップ1は、図2に示すように、ヒンジ4を介して蓋5を回動させることにより、吐出口6を開閉する。蓋5を閉じると、蓋5に設けられている突起7が吐出口6に嵌合し、吐出口6が塞がる。また蓋5には、蓋5の開閉状態を保持するリンク機構8が設けられている。
【0018】
リンク機構8は、ヒンジキャップ1を構成するプラスチック材の弾性により、蓋5が開閉されると、上側リンク9と下側リンク10とを締結する締結部11が変形して弾性力を発生し、蓋5を開方向や閉方向へ付勢する。蓋5が開方向あるいは閉方向へ付勢されることにより、蓋5の遊動が防止されるので、チューブ容器2の内容物を吐出させやすい。
【0019】
図3は、ヒンジキャップ1の内部構造図である。ヒンジキャップ1は、図3に示すように、チューブ容器2の開口端に設けられたネジと螺合するネジ部12の内側に吐出口6が
設けられている。この吐出口6は、蓋5に設けられた突起7が嵌合しやすいように、吐出口6の上側(出口側)に向かうにつれて内径が広がっており、蓋5を閉じると突起7が吐出口6の中へ案内されるようになっている。吐出口6の中心軸である嵌合軸(二点鎖線)は、チューブ容器2やネジ部12の中心軸と平行な基準軸(一点鎖線)に対して傾いている。従って、蓋5を閉じると、吐出口6と突起7との嵌合状態は、以下のようになる。
【0020】
図4の符号Aで囲った吐出口6と突起7との嵌合部分の拡大図を、図5に示す。図5(A)は、蓋5を閉じる途中の状態を示している。吐出口6は上側へ向かうにつれて内径が広がっているため、蓋5を閉じる過程で突起7が吐出口6の周囲に接触して干渉することなく、突起7が吐出口6の中へ案内される。
【0021】
図5(B)は、半閉止状態にある蓋5の状態を示している。蓋5の突起7の先端は膨らんでおり、係止部13を形成している。係止部13は、吐出口6のうち最も内径が狭くなっている下端と係合する。この下端部分を被係止部14と呼び、係止部13と被係止部14とによって構成される機構を係止機構15と呼ぶことにする。蓋5が閉じられて係止部13が被係止部14と係合することにより、蓋5が基部3に係止されて蓋5の遊動が防止される。半閉止状態とは、図5(B)に示すように、蓋5の突起7が吐出口6に嵌合しつつも、蓋5が係止機構15によって基部3に係止されない状態をいう。
【0022】
図5(C)は、閉止状態にある蓋5の状態を示している。蓋5が完全に閉止されると、係止部13が被係止部14と係合する。図5(C)において示す二点鎖線は、吐出口6の中心軸である嵌合軸を示している。また、図5(C)において示す一点鎖線は、蓋5の突起7の中心軸である嵌合軸を示している。吐出口6の中心軸である嵌合軸(二点鎖線)は、チューブ容器2やネジ部12の中心軸と平行な基準軸に対してヒンジ4側に傾いている(例えば、1°程度)。これにより、蓋5は、閉止状態になると、蓋5の突起7の中心軸である嵌合軸(一点鎖線)が吐出口6の嵌合軸に対して傾くことになる。
【0023】
ここで、突起7の先端に形成された係止部13は、蓋5が閉止状態において、係止部13と被係止部14との間に遊びSが形成されるようになっている。この遊びSは、ヒンジキャップ1を製造する際の成形上の理由によって形成される。すなわち、成形用の金型の設計上はこの遊びSを確保しておかないと、量産品の中に蓋5を閉止状態にしても係止部13が被係止部14と係合しないものが生ずる虞がある。遊びSは、このような不良品の発生を防ぐため、設計者の本意ではないものの不可避的に形成される。
【0024】
しかし、このような遊びSが形成されていたとしても、閉止状態において、吐出口6の嵌合軸(二点鎖線)が突起7の嵌合軸(一点鎖線)に対して傾いているため、突起7と吐出口6とが相互に干渉し、蓋5の基部3に対する遊動が防止される。この傾きは、突起7と吐出口6とが相互に干渉して、蓋5の基部3に対する遊動が防止される範囲であれば如何なる角度であってもよいが、蓋5を閉止する過程で突起7の先端が吐出口6の周囲に接触して干渉しない範囲である必要がある。
【0025】
ところで、図5(B)において示す二点鎖線は、吐出口6の中心軸である嵌合軸、及び蓋5の突起7の嵌合軸を示している。蓋5は開閉の際にヒンジ4の回転軸を中心に回動するため、蓋5の突起7の嵌合軸は、ヒンジ4の回転軸を中心に回転する。吐出口6の嵌合軸は、既述したように、チューブ容器2やネジ部12の中心軸と平行な基準軸に対して傾いているため、蓋5を開閉する過程で、図5(B)に示すように、吐出口6の嵌合軸と突起7の嵌合軸とが一致する場合が生じる。吐出口6の嵌合軸は、突起7が吐出口6に嵌合しつつ蓋5が係止機構15によって基部3に係止されない半閉止状態において、吐出口6の嵌合軸と突起7の嵌合軸とが一致する程度に傾いていることにより、蓋5を開閉する際に突起7が吐出口6の内周面に接触したりすることもなく、蓋5をスムーズに開閉できる
【0026】
以上のように構成されるヒンジキャップ1であれば、次のような効果がある。すなわち、本実施形態に係るヒンジキャップ1であれば、係止機構15に遊びSがあっても、突起7の嵌合軸が吐出口6の嵌合軸に対して傾いており、突起7と吐出口6とが相互に干渉しているため、蓋5の基部3に対する遊動が防止される。このため、チューブ容器2の輸送中にコンテナの中などで蓋5が誤開閉し、チューブ容器2の内容物が飛び出したりする虞が無い。よって、従来は必要とされていた、蓋5の誤開閉を防止するためのシール(いわゆるバージンシール)を貼り付ける必要が無くなり、商品の製造コストを大幅に削減することができる。
【0027】
なお、上記実施形態では、係止機構15を設けていたが、突起7と吐出口6との相互干渉による、蓋5の基部3に対する遊動防止機能は、係止機構15が無くても失われるものではない。また、上記実施形態では、細い突起7が吐出口6に嵌合していたが、突起7の嵌合軸を吐出口6の嵌合軸に対して傾けても嵌合できる範囲内であれば、突起7や吐出口6の径が大きくてもよい。
【0028】
以下、本願発明の第二実施形態について説明する。図6は、第二実施形態に係るヒンジキャップ21の内部構造図である。なお、以下の説明において、第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0029】
ヒンジキャップ21は、第一実施形態に係るヒンジキャップ1と同様、図6に示すように、チューブ容器2の開口端に設けられたネジと螺合するネジ部12の内側に吐出口26が設けられている。吐出口26の中心軸である嵌合軸(二点鎖線)は、チューブ容器2やネジ部12の中心軸と平行な基準軸(一点鎖線)に対して傾いているが、その傾き方向は、第一実施形態に係るヒンジキャップ1と反対側である。従って、蓋5を閉じると、吐出口26と突起27との嵌合状態は、以下のようになる。
【0030】
図7の符号Bで囲った吐出口26と突起27との嵌合部分を拡大した図を、図8に示す。図8(A)は、蓋5を閉じる途中の状態を示している。吐出口26は第一実施形態に係る吐出口6と同様、上側へ向かうにつれて内径が広がっているため、蓋5を閉じる過程で突起7が吐出口6の周囲に接触して干渉することなく、突起27が吐出口26の中へ案内される。
【0031】
図8(B)は、半閉止状態にある蓋5の状態を示している。蓋5の突起27の先端は膨らんでおり、係止部13を形成している。係止部13は、被係止部14と協働して係止機構15を形成する。
【0032】
図8(C)は、閉止状態にある蓋5の状態を示している。蓋5が完全に閉止されると、係止部13が被係止部14と係合する。図8(C)において示す二点鎖線は、吐出口26の中心軸である嵌合軸を示している。また、図8(C)において示す一点鎖線は、蓋5の突起27の中心軸である嵌合軸を示している。吐出口26の中心軸である嵌合軸(二点鎖線)は、チューブ容器2やネジ部12の中心軸と平行な基準軸に対してヒンジ4と反対側に傾いている。そして、蓋5は、閉止状態になると、蓋5の突起27の中心軸である嵌合軸(一点鎖線)が吐出口26の嵌合軸に対して傾くことになる。
【0033】
本実施形態に係るヒンジキャップ21についても、第一実施形態に係るヒンジキャップ1と同様、係止部13と被係止部14との間に遊びSが形成されるようになっている。しかし、このような遊びSが形成されていたとしても、閉止状態において、吐出口26の嵌合軸(二点鎖線)が突起27の嵌合軸(一点鎖線)に対して傾いているため、突起7と吐
出口6とが相互に干渉し、蓋5の基部3に対する遊動が防止される。
【0034】
なお、第一実施形態に係るヒンジキャップ1は、図5(B)において示すように、吐出口6の嵌合軸と突起7の嵌合軸とが一致する場合が生じる。しかし、本実施形態に係るヒンジキャップ1は、吐出口26の嵌合軸(二点鎖線)が第一実施形態に係る吐出口6の嵌合軸と反対側に傾いているため、半閉止状態においても、吐出口6の嵌合軸と突起7の嵌合軸とが一致することはない。
【0035】
しかしながら、以上のように構成されるヒンジキャップ21であれば、第一実施形態に係るヒンジキャップ1と同様、突起27の嵌合軸が吐出口26の嵌合軸に対して傾いて突起7と吐出口6とが相互に干渉するため、蓋5の基部3に対する遊動が防止される。このため、チューブ容器2の輸送中にコンテナの中などで蓋5が誤開閉し、チューブ容器2の内容物が飛び出したりする虞が無い。
【0036】
なお、上記ヒンジキャップは、チューブ容器2に適用していたが、例えば、ローションのような液体を収容する図9のようなボトル状の容器に適用することも可能である。液体を収容したボトル状の容器に適用した場合であっても、蓋5の基部3に対する遊動が防止されるので、輸送中に蓋5が誤開閉して容器内の液体が飛び出す虞が無い。
【0037】
また、上記ヒンジキャップは、例えば、図10に示すように、吐出口36が大口径であり、基部3から突出する環状の突起37aの外側が蓋5から突出する環状の突起37bの内側と嵌合するものであってもよい。突起37bの中心軸である嵌合軸は、突起37aの中心軸に対して傾いて突出口36の突起37aと突起37bとが相互に干渉するため、蓋5の基部3に対する遊動が防止される。
【符号の説明】
【0038】
1,21・・ヒンジキャップ;2・・チューブ容器;3・・基部;4・・ヒンジ;5・・蓋;6,26・・吐出口;7,27・・突起;8・・リンク機構;9・・上側リンク;10・・下側リンク;11・・締結部;12・・ネジ部;13・・係止部;14・・被係止部;15・・係止機構;S・・遊び
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10