特許第5774912号(P5774912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5774912-カットノズル 図000002
  • 特許5774912-カットノズル 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774912
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】カットノズル
(51)【国際特許分類】
   B65B 39/00 20060101AFI20150820BHJP
   F16K 3/24 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   B65B39/00 B
   B65B39/00 Z
   F16K3/24 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-124695(P2011-124695)
(22)【出願日】2011年6月3日
(65)【公開番号】特開2012-250743(P2012-250743A)
(43)【公開日】2012年12月20日
【審査請求日】2014年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】冨保 博文
(72)【発明者】
【氏名】黒市 真治
【審査官】 八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−059299(JP,U)
【文献】 特開平06−257678(JP,A)
【文献】 実開平04−128206(JP,U)
【文献】 特開2000−264308(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B37/00−39/14、1/00−3/36
F16K 3/00− 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出開口を下端に形成し、吐出通路に連通した充填物の供給口が形成されたシリンダと、前記吐出通路内を昇降自在なピストンと、前記ピストンを昇降させる駆動源と、を備えたカットノズルであって、
前記シリンダ又はピストンの何れか一方に螺旋状のガイド溝が形成され、
前記ガイド溝に対応したピストン又はシリンダに、前記螺旋状のガイド溝に係合するピンを設け、
前記ピストンの下降、上昇に合わせて前記ガイド溝の傾斜面がピンに圧接してピストンの円周方向の回転モーメントが発生し、当該ピストンが回転する、
ことを特徴とするカットノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断しにくい固形物を含む液状物(例えばイカの塩辛)を包袋に充填する際に使用されるカットノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
液状物や粘性物を包袋等に充填するためにカットノズルが使用されている。カットノズルはシリンダ内でピストンが昇降動して充填物を包袋内に充填している。その際、イカの切り身が、シリンダ側壁に形成された充填物の供給口からシリンダの吐出通路側に突出して留まることがあるが、ピストンの下端と供給口の周縁とでイカの切り身を押し切っている。
【0003】
しかし、充填物が例えばイカの塩辛などの切り身に薄皮のある場合には、薄皮の切断不良を起こしたり、また、切断した薄皮がシリンダとピストンとの間に挟み込むことで、当該薄皮に貼り付いている切り身がカットノズルから落ちなかったりすることがあった。
【0004】
図3は、前記課題を解決するための特許文献1のカットノズルが図示されており、この特許文献1には、吐出開口10Bが下端に形成され、吐出通路10Cに連通した充填物の供給口10Aが側壁に形成されたシリンダ10と、前記吐出通路10C内を昇降し、前記供給口10Aを通過するときに下端周縁で充填物をカットするピストン11とが備えられたカットノズルを開示している。
【0005】
当該カットノズルは、前記ピストン11の上部にスプライン11Aが連結され、当該スプライン11Aは歯車12の内周に形成された内歯に摺動自在に噛み合わされる。モータ13に軸支した歯車14によって前記歯車12と前記ピストン11とが一体に回転する。また、エアシリンダー15のピストンロッドと前記スプライン11Aとを連結する継手16は前記ピストン11の回転を許容するものである。
【0006】
従って、前記エアシリンダー15による前記ピストン11の昇降と同時に、前記モータ13を駆動させると、スプライン11Aを介して前記ピストン11が前記歯車12内を摺動しながら昇降し、かつ回転する。
【0007】
前記ピストン11が回転しながら下降すると、前記ピストン11は下降と回転との運動が合成され、前記供給口10Aから供給された固形物を含む液状物のうちの固形物は、前記ピストン11の下端周縁での切断の形態が摺り切りとなり、固形物に対する下端周縁の相対速度も大きくなるため、前記ピストン11を回転させない場合の単なる押切りよりも充填物の切断が容易となり、イカの薄皮のように切断がしにくい物であっても確実に切断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−264308
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1では、ピストンの回転駆動源にモータを使用していることから、電気配線が必要であり、また、モータに水をかけると漏電するので、水対策が必要という問題点がある。
また、回転動力伝達機構にスプラインと歯車とを使用しているので部品点数が多く容積を大きくとるという問題点がある。
【0010】
そこで本発明は、ピストンの回転駆動源に電気やモータを使用せず、回転動力伝達機構にスプラインと歯車とを使用せず、簡単な構成でシリンダが回転しながら昇降するカットノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、吐出開口を下端に形成し、吐出通路に連通した充填物の供給口が形成されたシリンダと、前記吐出通路内を昇降自在なピストンと、前記ピストンを昇降させる駆動源と、を備えたカットノズルであって、前記シリンダ又はピストンの何れか一方に螺旋状のガイド溝が形成され、前記ガイド溝に対応したピストン又はシリンダに、前記螺旋状のガイド溝に係合するピンを設け、前記ピストンの下降、上昇に合わせて前記ガイド溝の傾斜面がピンに圧接してピストンの円周方向の回転モーメントが発生し、当該ピストンが回転する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前記構成により、本発明のカットノズルは、ピストンの回転駆動源に前記ピストンの昇降運動を利用したので、別途モータなどの回転駆動源を使用しないから漏電や水対策を必要とせずまた、スプラインと歯車とを使用しないので部品点数が少なく容積も小さくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のカットノズルの正面図
図2】本発明の作用を説明するカットノズルの正面図
図3】従来のカットノズルの正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、図1を用いて本発明のカットノズルを説明する。
図1に示すように、シリンダ10は、下端を吐出開口10Bとする吐出通路10Cが上下方向に貫通形成され、該吐出通路10Cに連通した充填物の供給口10Aが側壁に開口形成されている。前記供給口10Aには図示していないホースの一端が接続され、前記ホースの他端に充填物を前記シリンダ10に送り込む同じく図示していない充填ポンプが接続されている。
【0015】
前記吐出通路10C内を昇降スライドするピストン11が当該吐出通路10Cに内嵌している。前記ピストン11の外周壁に螺旋状のガイド溝21が形成されている。
【0016】
なお、前記シリンダ10は2重構造になっており、前記ピストン11に接する内側は、スライドするピストン11に対して焼き付きを起こさないように、硬質のメッキを施してある。
【0017】
前記シリンダ10に、当該シリンダ10の外側から吐出通路内に向けて突出させたピン22が設けられ、前記ピストン11の前記ガイド溝21に係合している。また、前記ピン22の前記シリンダ10への固定は、図示していないネジを用いてある。
【0018】
前記シリンダ10の上部に筒状の支持体17が配設され、当該支持体17の上部に前記ピストン11の昇降駆動源であるエアシリンダー15が取り付けられている。
【0019】
前記エアシリンダー15のピストンロッドの先端に固定した継手16と前記ピストン11の上部とが連結しているが、当該継手16は前記ピストン11の回転を許容する構造になっている。
【0020】
次に作用を、図2を用いて説明する。
カットノズルを公知の自動袋詰機に取り付けて使用する場合、前記自動包装機の上下動軸にカットノズルを支持する。充填物を包袋に充填するには、カットノズルを下降させて前記自動袋詰機の支持する包袋の袋口に前記吐出開口10Bを挿入する。次に、前記吐出開口から充填物を吐出して前記包袋に充填した後、カットノズルを上昇させて袋口から前記吐出開口10Bを抜き出す。充填物が充填された包袋は前記自動袋詰機のシール装置で袋口をシールされて搬出される工程になっている。
【0021】
次にカットノズルの詳細な作用を説明する。前記上下動軸によってカットノズルが下降すると、前記エアシリンダー15のピストンロッドを縮めて、前記ピストン11を上昇させる。前記ピストン11が上昇すると、前記供給口10Aと前記吐出開口10Bとが連通する。この状態で、図示していない前記充填ポンプを作用させ、前記ホースを介して前記供給口10Aに充填物が送り込まれる。前記供給口10Aに送り込まれた充填物は矢印で示すように、前記シリンダ10内の吐出通路10Cを通過して前記吐出開口10Bから吐出される。
【0022】
充填物の充填を終了するには、前記充填ポンプの作用を中止すると同時に、前記エアシリンダー15のピストンロッドを伸ばし、前記ピストン11を下降して、図1に示すように供給口10Aをピストン11で閉じる。
【0023】
前記シリンダ10に固定した前記ピン22が前記ピストン11の外周壁に形成された螺旋状のガイド溝21に係合しているので、前記ピストン11が下降すると、ガイド溝21の傾斜面がピン22に圧接してピストン11の円周方向の回転モーメントが発生し、前記ピストン11の下降に合わせて当該ピストン11が回転する。なお、前記ピストン11が上昇するときも同様の状態になるので、上昇しながら回転する。
【0024】
前記ピストン11の下降中に、当該ピストン11が前記供給口10Aを通過し、供給口10Aから吐出通路10C側に突出して留まった充填物は、前記供給口10Aの周縁と前記ピストン11の下端とで充填物がカットされる。
【0025】
前記ピストン11が回転しながら下降すると、前記ピストン11は下降と回転との運動が合成され、前記供給口10Aから供給された固形物を含む液状物のうちの固形物は、前記ピストン11の下端周縁での切断の形態が摺り切りとなり、固形物に対する下端周縁の相対速度も大きくなるため、前記ピストン11を回転させない場合の単なる押切りよりも充填物の切断が容易となり、イカの薄皮のように切断がしにくい物であっても確実に切断することができる。
【0026】
前記ピストン11がさらに下降すると、前記供給口10Aと前記吐出開口10Bとの連通が遮断される。
【0027】
また、前記ガイド溝21は前記供給口10Aに接しないように、前記供給口10Aを跨ぐように形成され、前記ガイド溝21内に充填物が入り込まないようにするのが好ましい。
【0028】
以上の発明を実施するための形態では、ピストン11の外周壁に螺旋状のガイド溝21が形成され、シリンダ10に、当該シリンダ10の外側から吐出通路内に向けて突出させたピン22が設けられている。しかし、これとは逆の構成にあたる、ピストン11にピン22が設けられ、シリンダ10にガイド溝21が形成された構成であっても、同様の効果が期待できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0029】
10 シリンダ
10A 供給口
10B 吐出開口
10C 吐出通路
11 ピストン
15 エアシリンダー
16 継手
17 支持体
21 ガイド溝
22 ピン
図1
図2
図3