(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774950
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】トレーへのカバーフィルムシール装置
(51)【国際特許分類】
B65B 7/01 20060101AFI20150820BHJP
B65B 7/28 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
B65B7/01
B65B7/28 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-202707(P2011-202707)
(22)【出願日】2011年9月16日
(65)【公開番号】特開2013-63791(P2013-63791A)
(43)【公開日】2013年4月11日
【審査請求日】2014年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142850
【氏名又は名称】株式会社古川製作所
(72)【発明者】
【氏名】隅田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】三阪 裕昭
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特表平08−505591(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第2259556(DE,A1)
【文献】
特開平10−129605(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 7/01
B65B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物が入れられたトレーを搬送するトレー供給コンベアと、
トレー供給コンベア上の複数のトレーを横列して上流側で受け取って支える複数のシール台が長手方向に所定のピッチで装備されるとともに、同ピッチの間欠運転でトレーを下流側に搬送するトレー搬送コンベアと、
トレー搬送コンベアの上域で帯状のカバーフィルムを所定ピッチの間欠運転で送り出して巻き取るカバーフィルム繰り出し巻き取り手段と、
前記カバーフィルムの上域で、かつ、該カバーフィルムが前記トレー搬送コンベアの上域で重なるシールセクションに配置されて下動して、カバーフィルムを前記トレーに溶着するシール枠を備えるシール手段と、
カバーフィルムが溶着されたシール済みトレーを前記トレー搬送コンベアの下流側から受け取って搬出する搬出手段と、を備えるシール装置であって、
前記トレー搬送コンベアによるトレーの搬送方向に対して、交叉する方向にカバーフィルムを送り出すように、前記カバーフィルム繰り出し巻き取り手段が設置されてなることを特徴とするシール装置。
【請求項2】
前記カバーフィルム繰り出し巻き取り手段のカバーフィルム送り出し方向と同じ方向に、前記トレー供給コンベアのトレー供給方向を設定し、正規の個数より少ないトレーを包装する場合、被包装物が入れられたトレーをシール台におけるカバーフィルム送り出し方向先端側につめてシールする請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記カバーフィルム繰り出し巻き取り手段のカバーフィルム送り出し方向と異なる方向に、前記トレー供給コンベアのトレー供給方向を設定し、正規の個数より少ないトレーを包装する場合、カバーフィルム繰り出し巻き取り手段により、送り込んだトレー分だけのカバーフィルムを送り出す請求項1に記載のシール装置。
【請求項4】
前記トレー供給コンベアが前記トレーの搬送方向に対して直角に配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のシール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、プラスチック製トレーの上面に、カバーフィルムをシールするシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、発泡スチロール製トレーの上面に、透明なカバーフィルムを被せてシールするシール装置として、
図6のような構成のシール装置Aが本件出願人によって提供されている。
このシール装置Aは、複数のシール台Bがトレー搬送コンベアCの上面に設けられ、シール台上Bに被包装物が入ったトレー(図示省略)が載置され、上流側から下流側(矢印F1)に横列状で搬送され、裏面側へと反転してさらに元の上流側へと復帰する。この従来のシール装置Aは、
図6では図示されていないが、上面には、幅方向に横列する2組4個の孔を備えたシール台Bが、7セクション[符号(1)〜(7)]にわたって配置され、各シール台Bの2組4個の孔には1個のトレーを嵌め込んで載置することができる。
【0003】
トレー搬送コンベアCの上部には、カバーフィルム送り出しローラDと、巻き取りローラEが配置されて、送り出しローラDから繰り出されるカバーフィルムGは、トレーの流れ方向(矢印F1)と同方向に送り出されて、巻き取りローラEにより巻き取られる。コンベアCの第5セクション(5)の上部には、シール手段Hが配置され、ストップモーションで間欠移動する4個のトレー上面は、シール手段Hによって同時にシールする。
【0004】
【特許文献1】登録第3144709号実用新案公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来のシール装置Aは、送り出しローラDから繰り出されたカバーフィルムGは、トレーの流れ方向と同方向に送り出されて、巻き取りローラEにより巻き取られるため、コンベアCのセクション数が(1)〜(7)と多くなって、それだけトレーの搬送方向の寸法(シール装置Aの長手方向寸法)が長く成らざるを得ない。すなわち、コンベアCの上面だけで2組4個の孔を備えたシール台Bを7セクション(1)〜(7)にわたって配置することが必要となる。しかも、コンベアCの下面にも前記上面と同じシール台Bが7セクション(7)〜(1)にわたって配置される。このため、シール装置Aが大型化し、その設置には広いスペースが必要とする。
【0006】
また、横列している4個のトレー上面を同時にシールするには、幅寸法の大きいカバーフィルムG(原反幅500mm)が必要ととなり、1ロールはかなりの重量となるので、そのロールの交換作業が力の弱い作業員では単独作業は困難である。
さらに、通常は前記のように、シール手段Hによって前記第5セクション(5)でなされるカバーフィルムGのシール工程で、2組4個のシール台Bの孔に嵌め込んで載置されている4個のトレーの全てをシールする。しかし、シール作業において、1組2個のトレーの内、1個のトレーだけをシールするイレギュラーなシール作業の必要性が生じることがあるが、従来は、1個は正常にシールして、残りの1個は被包装物が入っていない未包装のままシールして破棄しなければならなかったので、カバーフィルムGが無駄になっていた。
【0007】
本発明は、トレー搬送コンベアのセクション数を削減して、シール装置の長手方向寸法を短縮することにより装置の小型化と設置スペースを縮小し、かつ、幅の小さいカバーフィルムを用いることができることから、重量の軽い原反を使用することができ、しかも、正規より少ない一部のトレーだけをシールする必要があっても、カバーフィルムの無駄を省けるシール装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシール装置は、被包装物が入れられたトレーを搬送するトレー供給コンベアと、トレー供給コンベア上の複数のトレーを横列して上流側で受け取って支える複数のシール台が長手方向に所定のピッチで装備されるとともに、同ピッチの間欠運転でトレーを下流側に搬送するトレー搬送コンベアと、トレー搬送コンベアの上域で帯状のカバーフィルムを所定ピッチの間欠運転で送り出して巻き取るカバーフィルム繰り出し巻き取り手段と、前記カバーフィルムの上域で、かつ、該カバーフィルムが前記トレー搬送コンベアの上域で重なるシールセクションに配置されて下動して、カバーフィルムを前記トレーに溶着するシール枠を備えるシール手段と、カバーフィルムが溶着されたシール済みトレーを前記トレー搬送コンベアの下流側から受け取って搬出する搬出手段と、を備えるシール装置であって、前記トレー搬送コンベアによるトレーの搬送方向に対して、交叉する方向にカバーフィルムを送り出すように、前記カバーフィルム繰り出し巻き取り手段が設置されてなることを特徴としている。
【0009】
本発明はトレー搬送コンベアによるトレーの搬送方向に対して、交叉する方向にカバーフィルムを送り出すことにより、トレー搬送コンベアのセクション数を削減できると共に、幅寸法の小さいカバーフィルムの使用が可能となる。
【0010】
本発明のシール装置は、前記カバーフィルム繰り出し巻き取り手段のカバーフィルム送り出し方向と同じ方向に、前記トレー供給コンベアのトレー供給方向を設定し、正規の個数より少ないトレーをシールする場合であっても、被包装物が入れられた少ないトレーをシール台におけるカバーフィルム送り出し方向先端側につめて、シールするように構成することにより、未シール部分のカバーフィルムを次の作業で使用することができる。これによると、正規より少ない、例えば1個のトレーだけをシールする必要性があっても、この1個のトレーをカバーフィルム送り出し方向先端側につめてシールすれば、残り2個分のシールせずに残った長さのカバーフィルムは次のシール作業で使用できるので、無駄を省くことが可能になる。
また、カバーフィルム繰り出し巻き取り手段のカバーフィルム送り出し方向と異なる方向に、前記トレー供給コンベアのトレー供給方向を設定し、正規の個数より少ないトレーを包装する場合、カバーフィルム繰り出し巻き取り手段により、送り込んだトレー分だけのカバーフィルムを送り出すようにしても、同様にカバーフィルムの無駄を削減することができる。
【0011】
本発明のシール装置は、前記トレー供給コンベアを、前記トレーの搬送方向に対して直角に配置することが望ましい。これによると、シール装置の長手方向寸法を積極的に短縮できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシール装置は、トレー搬送コンベアのセクション数が削減されることで、トレー搬送コンベアおよびシール装置の長手方向寸法を短縮して、シール装置の小型化とシール装置の設置スペースを小さくし、かつ、幅の狭い重量の軽いカバーフィルムの原反の使用により原反の交換作業を容易にすることができる。また、正規の個数より少ないトレーを包装する場合であっても、シールしないで残ったカバーフィルムは使用できるので、カバーフィルムの無駄を省けるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図5】本発明のシール装置の他の実施例の全体平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施例1)
図1〜
図4において、シール装置1は、被包装物が入れられた複数のトレー2を縦列搬送するトレー供給コンベア3と、トレー供給コンベア3上の複数のトレー2における先端側の3個のトレー2を横列状で一括して待機セクションP1に向けて押し込むとともに、待機セクションP1で既に待機している先発の3個のトレー2を、待機セクションP1直下流側の第1昇降セクションP2に向けて一括して押し込むトレー押し込み機構4と、第1昇降セクションP2に配置されて図示していない昇降機構の作動によって昇降し、上動トップh1(
図3参照)で待機して、トレー押し込み機構4により押し出された3個のトレー2を各別に受け取って載置する3個の昇降台5と、を備える。
【0015】
トレー供給コンベア3は、シール装置1の最上流端部(
図1,
図2の右端部)で後述するトレー搬送コンベア3に直交する方向に延びて配置されたベルトコンベアからなり、その上面に被包装物が入っているトレー2を順次載置して、上流側から下流側に向けて縦列状で搬送(矢印f1)する。トレー供給コンベア3の下流端には邪魔板14が設置されている。このため、搬送方向先端のトレー2は邪魔板14に当接して停止する。これにより、搬送方向先端のトレー2およびこれに後続のトレー2は、空回りするトレー供給コンベア3上で搬送方向に縦列して滞留する。
【0016】
トレー押し込み機構4は、空回りするトレー供給コンベア3上で縦列して滞留している複数のトレー2において、先端側の3個のトレー2を一括して待機セクションP1の載置台15上面に押し込む(矢印f2)とともに、この一括して押し込まれた3個のトレー2の前動により、載置台15上で既に待機している先発の3個のトレー2を一括して第1昇降セクションP2に押し込み、その直後に後退(矢印f3)して元の位置に復帰する。
【0017】
トレー押し込み機構4は、図示されていないアクチュエータにより同時に水平に進退(矢印f2,f3)する係止部4aと保持部4bとを備える。係止部4aは、前進して載置台15上の先発の3個のトレー2を第1昇降セクションP2に押し込むが、後退する時に待機セクションP1上の待機するトレー2との接触を回避するために、エアーシリンダー(図示省略)により先端が上方向に回転して退避した後、後退して元の位置及び姿勢に復帰する。保持部4bは、前進して前記トレー供給コンベア3の先端側の3個のトレー2を一括して載置台15の上面に押し込んだ後、そのまま水平に後退して元の位置に復帰する。保持部4bがそのまま水平に後退できるように、トレー押し込み作業中、ストッパー手段(図示省略)によりトレー2の前進を止め、トレー供給コンベア3上に、保持部4bが後退するためのスペースを空ける。保持部4bが後退して元の位置に復帰した後、ストッパー手段により止められて待機していたトレー2を前進させ、搬送方向先端のトレー2が邪魔板14に当接し、後続のトレー2と共に、空回りするトレー供給コンベア3上で縦列滞留させて、先端側の3個のトレー2の次の押し込みの準備を完了させる。
【0018】
ただし、保持部4bも後退(矢印f3)する時、上方向に回転して退避するようにしてもよい。その場合は、ストッパー手段によりトレー供給コンベア3上にトレー2を待機させる必要はないので、保持部4bは、空回りするトレー供給コンベア3上で、既に縦列滞留しているトレー2の上域を移動して元の姿勢に復帰し、直ちに次の押し込みの準備ができる。
【0019】
シール装置1はトレー搬送コンベア6を備える。トレー搬送コンベア6は、7個のシール台60をトレー搬送コンベア6の搬送ピッチPに相当する搬送方向の間隔を隔てて架設した幅方向両側一対のエンドレスチェーン6aを備えるチェーンコンベアによって構成されており、各シール台60がエンドレスチェーン6aの張り側(上側)において、上流端部の第1昇降セクションP2と、中間のシールセクションP4および下流端部の第2昇降セクションP3で順次停止し得るように、図示されていない駆動機構によって間欠駆動される。すなわち、トレー搬送コンベア6のセクション数は、第1昇降セクションP2、シールセクションP4および第2昇降セクションP3の3セクションに削減される。
【0020】
各シール台60は、エンドレスチェーン6aの張り側で上向きに開口する枠付き長方形皿型のもので、その底部には、第1昇降セクションP2において、前記3個の昇降台5の上下動を許容する3個の透孔60a(
図1参照)を、幅方向等間隔で設けてある。このため、昇降台5が上動トップh1(
図3参照)から下動アンダ−h2(
図3参照)に下降する過程で、各昇降台5に載置されているトレー2はシール台60によって一括して受け取られる。
【0021】
シール装置1はカバーフィルム繰り出し巻き取り手段7を備える。カバーフィルム繰り出し巻き取り手段7は、シールセクションP4においてトレー搬送コンベア6の上域を交叉して跨ぐ帯状で透明な樹脂製のカバーフィルムFを、所定ピッチの間欠運転で送り出して巻き取るもので、カバーフィルムFをロール状に巻回した原反F1を装着して間欠的に繰り出す繰り出し側の原動機(モータ)7aと、繰り出し側の原動機7aから繰り出された後で、後述するシール手段とトレー搬送コンベア6側のシール台60との協働によって、カバーフィルムFの一部がトレー2の周縁フランジに溶着され、かつ、トリミングにより除去されたスクラップ部F2を間欠的に巻き取る巻き取り側の原動機(モータ)7bとを備え、繰り出し側の原動機7aから繰り出されたカバーフィルムFは、複数の方向変換ローラ,ダンサーローラおよびピンチローラなどを含むロール群7Aに掛け渡されて、所定のテンションが付与された状態で、原反F1側からスクラップ部F2側に向けて間欠移動する。
【0022】
トレー搬送コンベア6によるトレー2の搬送方向に対して、交叉方向にカバーフィルムFを送り出すように、カバーフィルム繰り出し巻き取り手段7が設置され、かつ、前述のように、トレー搬送コンベア6のセクション数が第1昇降セクションP2、シールセクションP4および第2昇降セクションP3の3セクションに削減さることによって、トレー搬送コンベア6およびシール装置1の長手方向寸法を短縮して、シール装置1の設置スペースを縮小することが可能になる。また、トレー2の搬送方向に対して、交叉する方向にカバーフィルムFが送り出されることで、幅寸法の小さいカバーフィルムF(原反幅240mm)の使用が可能となる。このため、原反F1の重量が軽くなるので、その設置作業が容易になる。
【0023】
シール装置1はシール手段8を備える。シール手段8は、カバーフィルムFの上域で、かつ、カバーフィルムFがトレー搬送コンベア6のシール台60上域で重なるシールセクションP4に配置される。このシール手段8は、図示されていない昇降機構の作動で昇降するシール枠8aと真空ボックス8bを装備している。
【0024】
シール枠8aの下動により、カバーフィルムFはシール台60上に押し下げられ、シール台60により各別に受け取って支えられている3個のトレー2の周縁フランジに、シール枠8aの加熱シーラを押し当ててカバーフィルムFを周縁フランジに溶着し、かつ、周縁フランジの周りをトリミングする。
【0025】
真空ボックス8bは、シール枠8aがカバーフィルムFをシール台60上のトレー2に押し当てる前段で、真空引きが開始される。真空引きは、真空ボックス8b内とシール台60の下部からも同時に実施され、3個のトレー2の周囲は負圧化される。所定の減圧状態になったときに、カバーフィルムFをトレー2の上面に押し当て、大気を真空ボックス8b内だけに注入すると共に、シール枠8aがカバーフィルムFをシール台60に上に押し当て、3個のトレー2の周縁フランジにカバーフィルムFを溶着し、かつ、トリミングする。その結果、シール台60側は負圧で、上部の真空ボックス8b内だけが大気圧に開放されるので、カバーフィルムFは大気によって、トレー2の表面及びトレー2内の被包装物に密着していわゆるスキンパックとなる。シール枠8a側も大気圧に開放して、真空ボックス8bは、図示されていない昇降機構の作動による上動で元の位置に復帰して待機する。
【0026】
シール装置1の搬出側には、3個の昇降台11と、トレー押し出し機構12と、搬出コンベア(搬出手段)13とを備える。3個の昇降台11は、第2昇降セクションP3に配置されており、図示されていない昇降機構の作動によって昇降し、下動アンダ−h3(
図3参照)で待機して、下動アンダ−h3から上動トップh4(
図3参照)への上昇の過程で、トレー搬送コンベア6のシール台60により一括して保持されている3個のシール済みトレー2を上動トップh4と同じ高さの搬出レベル10まで各別に押し上げて支持する。なお、3個の昇降台11の上下動は、シール台60に設けた前記3個の透孔60aによって許容される。
【0027】
トレー押し出し機構12は、搬出レベル10まで押し上げられて、3個の昇降台11により横列状で各別に支持されている3個のシール済みトレー2を、搬出コンベア13の上流端に向けて押し出す。トレー押し出し機構12は、図示されていないアクチュエータの作動により、所定のストロークでシール装置1の長手方向に水平軌跡で進退し、前進時にシール済みトレー2に係止されてこれらを同時に搬出コンベア13の上流端に向けて押し出す押し出し板12aを備える。この押し出し板12aは、3個のシール済みトレー2が、3個の昇降台11により搬出レベル10まで押し上げられた時点では、待機位置P5(
図2、
図3参照)で待機しており、押し出し板12aが待機位置P5から前進トップP6(
図2参照)まで前進し、ここから反転後退して待機位置P5に復帰する間に、3個のリフト台11は下動アンダ−h3まで下降して待機する。
【0028】
搬出コンベア13は、シール装置1の最下流端部(
図1,
図2の左端部)でトレー搬送コンベア6側からトレーを送り出すために配置されたベルトコンベアである。なお、
図1において、16は搬送コンベアを示し、搬出コンベア13から送りだされるシール済みトレー2を順次受け取って、たとえば、梱包工程などの後工程へ送り出す。
(実施例2)
【0029】
トレー2の上面にカバーフィルムFをシールする際に、正規の個数(本実施例では3個)より少ないトレー2(1個又は2個)を包装するイレギュラーなシール作業をしなければならない場合がある。その場合、
図6の従来例では、1個又は2個は正常にシールして、残りは被包装物が入っていない未包装のままシールして破棄しなければならなかったので、トレー及びカバーフィルムFが無駄になっていた。
そこで、
図5に示すように、カバーフィルム繰り出し巻き取り手段7のカバーフィルムF送り出し方向と同じ方向に、トレー供給コンベア3のトレー2供給方向を設定した場合は、被包装物が入れられた1個又は2個のトレー2を、シール台60におけるカバーフィルムF送り出し方向先端側につめて、トレー2をシールする。当然、トレー2が嵌め入れられていない部分のシール枠8aのトリミングは実施しない。このように実施することにより、2個又は1個分の長さのカバーフィルムFは、次の作業で使用することができるので、従来、破棄しなければならなかった分だけカバーフィルムFの無駄を削減することができる。なお、
図5において、
図1と同一部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
【0030】
(実施例3)
図1のように、カバーフィルム繰り出し巻き取り手段7のカバーフィルムF送り出し方向と逆方向に、トレー供給コンベア3のトレー2供給方向を設定した場合は、トレー供給コンベア3の先端側につめたトレー2(1個又は2個)をトレー押し込み機構4によってシール台60側に押し込み、カバーフィルム繰り出し巻き取り手段7から送り込んだトレー2(1個又は2個)分だけのカバーフィルムFを送り出す。この場合も、2個又は1個分の長さのカバーフィルムFの無駄を削減することができる。
【0031】
図1に示す実施例1および
図2に示す実施例2のように、トレー供給コンベア2を、トレー2の搬送方向に対して直角に配置することによって、シール装置1の長手方向寸法を積極的に短縮できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のシール装置は、発泡スチロール製のトレーに生鮮食品などの被包装物を入れて、透明なカバーフィルムでシールするシール装置に応用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 シール装置
2 トレー
3 トレー供給コンベア
5 昇降台
6 トレー搬送コンベア
7 カバーフィルム繰り出し巻き取り手段
11 昇降台
13 搬出コンベア(搬出手段)
60 シール台
F カバーフィルム
P 搬送ピッチ(ピッチ)
P2 第1昇降セクション
P3 第2昇降セクション
P4 シールセクション