(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献2の上記排熱塔に特許文献1の微風力発電装置を設置して発電をすることが考えられる。この場合、通気胴縁間或いは通気垂木間に複数の風車を設置するよりも、大きな風力を得ることができる。しかし、特許文献2の上記排熱塔に特許文献1の微風力発電装置を設置した場合には、発電量が増加することが想定されるが、自然換気による発電量は常に変動することが予想される。また、高気密住宅では、1時間あたりの必要換気量(m
3/h)が決められている。例えば、一般家庭にける居間、浴室等において、床面積100m
2、天井高2.5mの場合、100×2.5×6=1500(m
3/h)が換気量の目安となる。そのため、居住者は発電量や換気量を知ることが望ましい。
【0005】
本発明は、換気をしながら発電をし、建物内の空気の流れを有効利用する一方で、居住者が発電量や換気量を知ることができる建物内発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一つを解決するために、請求項1に記載の建物内発電システム100に係る発明は、例えば、
図1に示すように、
トップライト1Aと天井3との間において建物内部の上下方向に配設される通風経路4と、
前記通風経路4の上端部に位置するとともに建物の上部に設けられ、建物外部と前記通風経路4間に設けられている排気口1と、
前記通風経路4に設けられるとともに、この通風経路4を通過して前記排気口1に向かう空気によって発電する風力発電手段17と、
この風力発電手段17により発電された発電量から換気量を求める演算手段21と、 前記発電量および前記換気量の少なくとも一つを表示する表示器19と、
を備え
ており、
前記排気口1は開閉可能な前記トップライト1Aで覆われ、前記通風経路4において前記風力発電手段17の下方にはシーリングファン2が設けられ、このシーリングファン2と風力発電手段17の間には、通風経路4の周囲から風力発電手段17に近づくほど高さが高くなるように傾斜している透明な板17aが備えられていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、換気をしながら風力発電手段17により発電するので、建物内の空気の流れを有効利用する一方で、前記発電量および前記換気量の少なくとも一つを表示するので、居住者が発電量や換気量を知ることができる建物内発電システムを提供できる。
また、トップライト1Aおよび通風経路4により採光が確保できるとともに、透明な板17aにより風力発電手段17の発電量を増加することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば、
図1に示すように、
請求項1に記載の建物内発電システムにおいて、
建物外部から前記通風経路に向かう空気を取り込む建物の開口部22と、
前記開口部22を開閉制御する開閉制御手段18と、
を更に備え、
前記開閉制御手段18は、前記換気量が所定の換気量より少ないとき、前記開口部22を開くことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、建物外部から前記通風経路に向かう空気を取り込む建物の前記開口部22を設け、前記開閉制御手段18は、前記換気量が所定の換気量より少ないとき、前記開口部22を開くので、前記換気量を増加できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば、
図1に示すように、
請求項2に記載の建物内発電システム100において、
前記開閉制御手段18は、前記換気量が所定の換気量より少ないとき所定の換気量に近づくように、前記開口部22の開閉について、フィードバック制御されることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記開閉制御手段18は、所定の換気量に近づくように、前記開口部22の開閉について、フィードバック制御されるので、前記所定の換気量に近づけることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば、
図1に示すように、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物内発電システム100において、
前記風力発電手段17によって発電された電力を建物内外の各種設備機器18,23に供給する電力供給手段24を更に備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、前記風力発電手段17によって発電された電力を建物内外の各種設備機器18,23に供給する電力供給手段24ので、蓄電したり、設備機器を駆動したりできる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば、
図2に示すように、
請求項4に記載の建物内発電システム100において、
前記電力供給手段24は、前記風力発電手段17によって発電された電力を、前記開閉制御手段18に供給することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記風力発電手段17によって発電された電力を、前記開閉制御手段18に供給するので、前記開口部22により換気をするための電力供給を極力自立して行うことができ、省エネ効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、換気をしながら発電をし、建物内の空気の流れを有効利用する一方で、居住者が発電量や換気量を知ることができる建物内発電システムを提供することができる。
また、トップライトおよび通風経路により採光が確保できるとともに、透明な板により風力発電手段の発電量を増加することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明に係る住宅の建物内発電システムの一例について説明する。
本実施の形態の建物内発電システムは、
図1および
図2に示すように、換気のために設けられた排気口1と、排気口1を覆うように設けられた開閉可能なトップライト1Aと、シーリングファン2と、建物内部の上下方向に配設される通風経路4と、制御手段16と、風力発電手段17と、演算手段21と、表示器19と、開口部22と、開閉制御手段18と、蓄電装置23と、蓄電装置23等に電力を供給する電力供給手段24と、を備えている。蓄電装置23は、蓄電池等の装置であり、風力発電手段17で発電された電力を一時的に蓄電できる。そして、蓄電装置23は、必要に応じて、開閉制御手段18等に電力を供給する。
【0019】
トップライト1Aは、前記通風経路4の上端部に位置するとともに建物の上部に設けられ、建物外部と前記通風経路4間に設けられている。トップライト1は開閉制御手段18により開かれた状態で排気口1を開口し、建物内の熱気を建物外部に放出する。また、排気口として、
図6に示す排熱塔27を設けて、排気口1に向かう空気により複数の風力発電手段17を駆動して発電してもよい。
【0020】
風力発電手段17は、前記通風経路4に設けられるとともに、この通風経路4を通過して前記排気口1に向かう空気によって発電する。風力発電手段17は、風車と発電部とを有し、風車は、プロペラ型風車、多翼型風車などを用いることができる。発電部は、既存のコイルと磁石を有する発電部を用いることができる。演算手段21は、この風力発電手段17により発電された発電量から換気量を求める。ここで、記憶手段25は、発電量と換気量との関係を示すテーブルを予め記憶している。このテーブルには、発電量と換気量の代表値が複数記憶されている。前記制御手段16は、前記風力発電手段17から発電した電力を検知すると、演算手段21に前記検知した電力を電力量として送信する。演算手段21は、前記制御手段16から発電量を受信したとき、記憶手段25から前記テーブルを読み出し、制御手段16から受信した発電量に基づき換気量を算出する。演算手段21は、制御手段16から受信した発電量が、前記テーブルにあるときは、この発電量に対応する換気量を演算結果として出力する。演算手段21は、制御手段16から受信した発電量が、前記テーブルにないときは、テーブルから複数の発電量と換気量の代表値を取り出し、これらの代表値に基づき線形補間を行い、制御手段16から受信した発電量に対応する換気量を算出する。そして、演算手段21は、求めた換気量を制御手段16に送信し、制御手段16は、発電量と換気量を表示器19に送信する。表示器19は、例えば、
図8に示すように、表示画面に前記発電量(15w)および前記換気量(500m
3)等を表示する。
【0021】
開口部22は、建物外部から前記通風経路4に向かう空気を取り込む建物の開口部であり、具体的には、サッシや地窓である。
図2、
図3に示す例では、建物の一階に設けてある。開口部22は、通風経路4の空気よりも気温の低い空気を取り込むため、北側の開口部を設け、または、木陰などで気温の低いところに開口部を設けることが望ましい。
【0022】
開閉制御手段18は、前記制御手段16からの制御信号に基づいて前記開口部22を開閉制御する。電力供給手段24は、前記風力発電手段17によって発電された電力を、必要に応じて、直流を交流に変換し、または、交流を直流に変換し、建物内外の各種設備機器18,23および前記開閉制御手段18に供給する。例えば、制御手段16は、前記換気量が所定の換気量より少ないと判断したとき、前記開閉制御手段18に電力供給手段24から直流を供給させ、前記開閉制御手段18により、前記開口部22を開くよう制御する。開口部22を大きく開くほど、換気量も増加する。ここで、前記開閉制御手段18は、前記換気量が所定の換気量より少ないとき所定の換気量に近づくように、前記開口部22の開閉について、フィードバック制御されるように設定してもよい。制御部16が、演算手段24を用いて前記フィードバック制御を行う。
【0023】
具体的には、
図7に示すように、開閉制御手段18は、開口部22を開閉する手段であり、制御手段13からの制御信号に応じて、開錠および施錠する電気錠(図示せず)と開口部22を左右に移動させる駆動部18Aとを備え、
図3に示すように、屋内側に設置されている。
図7に示すように、駆動部18Aは、例えば、モータ18bとモータ18bの回転軸に固定され引戸のフレームと接触する円盤状のローラ(回動部)18cと、モータ18bとローラ18cを収納する筐体18aとから構成され、筐体18aが壁面等に取付けられている。ローラ18cはモータ18bによって正逆方向に回転するようになっており、この回転によって引戸のフレームとローラ18cとに摩擦力が作用し、この摩擦力によって引戸が左右方向に往復動するようになっている。
モータ18bを制御手段13で制御することによってローラ18cの回転を制御し、これによって引戸の開閉を制御するようになっている。なお、開閉制御手段18は上記のような構成に限らず、例えば、リニアモータ、ラック&ピニオン機構等によって構成してもよい。
【0024】
図1および
図4に示すように、トップライト1Aは住宅の屋根に設けられており、図示しない駆動モータ等によって自動的に開閉されるようになっている。シーリングファン2はトップライト1Aの直下に設けられている。すなわち
図4に示すように、トップライト1Aと天井3との間には、通風および採光用の通風経路4が設けられており、この通風経路4においてトップライト1Aの直下にシーリングファン2が設けられている。また、通風経路4の下面にはルーバ5が天井3とほぼ面一に設けられている。ルーバ5は風(空気)や光が通り抜けられるように形成されている。
【0025】
図4に示すように、トップライト1Aとシーリングファン2との間に風力発電手段17が設けられている。符号17aは、通風経路4を上方に移動する空気を風力発電手段17に集めるための板である。この板17aは、例えば、透明なアクリル板であり、通風経路の形状に合わせて作られている。そして、通風経路の周囲から風力発電手段17に近づくほど高さが高くなるように傾斜している。これにより、採光が確保できるとともに、下方から上昇する空気が風力発電手段17に効率的に集まるため、風車の回転速度が向上し、発電量が増加する。
【0026】
また、前記建物内発電システム100は、
図1、
図2に示すように、室内温度検出手段10、上方温度検出手段11、外気温度検出手段12、降雨検出手段13、エアコン14、リモコン15等を備えている。
前記室内温度検出手段10は、例えば温度センサ10によって構成されており、この温度センサ10は建物内発電システム100用のリモコン15に内蔵されている。
リモコン15は制御手段16に信号線によって接続され、これに内蔵されている温度センサ10も信号線によって制御手段16に接続されている。
また、リモコン15は室内の壁面等に固定されている。例えば
図3(a)に示すように、住宅の1階の居間6の壁に、照明スイッチ等とほぼ同じ高さ(床面から1m〜1.5m程度の高さ)に固定されている。このリモコン15に温度センサ10が内蔵されているので、この温度センサ10によって居間6の下部の温度を検出できるようになっている。なお、居間6の上方は2階の天井まで吹き抜けている。
【0027】
上方温度検出手段11は、例えば温度センサ11によって構成されており、この温度センサ11は、
図4に示すように、前記通風経路4を形成する壁面にトップライト1Aの下端から1m以内の位置に固定されている。したがって、この温度センサ11によってトップライト1A付近の温度を検出することができるようになっている。また、温度センサ11は、
図1および
図2に示すように、信号線によって制御手段16に接続されている。
外気温度検出手段12は、例えば温度センサ12によって構成されており、この温度センサ12は、
図1に示すように、1階の床下でかつ風通しのよい場所(換気台輪近く)に設置されている。したがって、この温度センサ12によって外気温度を検出することができるようになっている。なお、温度センサ12は、メンテナンス等を容易に行える床下収納庫付近に設置するのが望ましい。また、温度センサ12は信号線によって制御手段16に接続されている。
【0028】
降雨検出手段13は、例えば降雨センサ13によって構成されており、この降雨センサ13は、
図1および
図4に示すように、トップライト1A近くの屋根面に設置されている。したがって、この降雨センサ13によって降雨の有無を検出できるようになっている。また、降雨センサ13は信号線によって制御手段16に接続されている。
エアコン14は居間6の壁に固定されており、このエアコン14には制御ユニット14aが接続され、この制御ユニット14aが信号線によって制御手段16に接続されている。したがって、エアコン14は制御ユニット14aを介して制御手段16に接続されている。
【0029】
制御手段16は、本実施の形態の建物内発電システム100の心臓部を構成するものであり、例えば
図3(a)に示すように、住宅の1階の収納庫7に設置されている。また、この制御手段16には、
図1、
図2および
図4に示すように、赤外線発光部1a,2aがそれぞれ信号線によって接続されている。
赤外線発光部1aは、トップライト1Aの受光部に当該トップライト1Aを開閉させるための開閉信号を赤外線によって送信するものであり、前記通風経路4を形成する壁面に受光部に対向して固定されている。
赤外線発光部2aは、シーリングファン2の受光部に当該シーリングファンをオン・オフするためのオン・オフ信号を赤外線によって送信するものであり、前記通風経路4を形成する壁面に受光部に対向して、かつ、前記赤外線発光部1aより下方位置に固定されている。
【0030】
また、前記リモコン15は、本実施の形態の建物内発電システム100のオン・オフ、システム設定温度の設定・変更の際に使用されるもので、
図5に示すように、建物内発電システム100のオン・オフを行う運転/停止ボタン15a、システム設定温度の設定・変更を行う温度ボタン15b、システム設定温度等を表示する液晶画面15c等を備えている。
本実施の形態の建物内発電システム100を運転する場合、運転/停止ボタン15aを押し、運転/停止ボタン15aのランプ15dが点灯するようにし、液晶画面15cに現在の設定温度が表示され、トップライト1A、シーリングファン2、エアコン14の運転が温度状況に合わせて自動的に制御されるようになっている。
建物内発電システム100を停止させる場合、運転/停止ボタン15aを押し、運転/停止ボタン15aのランプ15dが消灯するようにし、これによって、液晶画面15cの表示が消え、トップライト1Aを閉じてシーリングファン2とエアコン14を停止し、風力発電手段17による発電は行われないようになっている。
【0031】
なお、前記制御手段16による制御中において、トップライト1A、シーリングファン2、エアコン14は、それぞれの専用リモコンによってそれぞれ手動操作することができるが、すぐに制御状態に戻るようになっている。したがって、トップライト1A、シーリングファン2、エアコン14をそれぞれ手動で操作したい場合、前記リモコン15の運転/停止ボタン15aによって本システムを停止させてから、それぞれの専用リモコンによって手動操作する。
【0032】
次に、夏季において、本実施の形態の建物内発電システムによって、トップライト1A、シーリングファン2、エアコン14を制御する方法の一例について説明する。
まず、リモコン15の運転/停止ボタン15aによって、建物内発電システムをオンとする。これによって、本建物内発電システムが運転開始されるとともに、エアコン14がオンとなる。これは、制御手段16から制御ユニット14aに信号が送信され、この制御ユニット14aからエアコン14にオン信号が送信されることによって行われる。
また、システム設定温度をリモコン15の温度ボタン15bによって27℃に設定するとともに、エアコン14の設定温度を、システム設定温度より低い26℃に設定する。
【0033】
次に、夏季における居間6の下部の温度とトップライト1A付近の温度をそれぞれ温度センサ10,11が検出し、これら検出値の差によって温度差(上下温度差)を求める。これは前記制御手段16に、温度センサ10,11による検出値が入力されるので、この制御手段16によってこれら検出値の差を求めることによって行われる。
そして、本実施の形態では、温度センサ10によって検出された居間6の下部の温度と温度センサ11によって検出されたトップライト1A付近の温度との温度差が所定値(例えば3℃)以上の場合に以下のような制御を行う。
なお、以下では温度センサ12,10によって検出される外気温度および室内温度が、それぞれ27℃以上の場合を「暑」とし、27℃未満の場合を「涼」とする。
【0034】
(1)外気温度が「涼」、室内温度が「涼」、上下温度差が「3℃以上」の場合、制御手段16が、シーリングファン2を「オフ」、トップライト1Aを「開」、エアコン14を「オフ」とする制御を行う。この場合、トップライト1Aが開放され、シーリングファン2とエアコン14が停止されているので、「自然空冷」となり、自然換気のみによる風力発電手段17による発電が開始される。なお、制御手段16は、換気量が所定の換気量より少ないと判断したとき、前記開口部22を開くように、開閉制御手段18を制御する。
【0035】
(2)外気温度が「暑」、室内温度が「涼」、上下温度差が「3℃以上」の場合、制御手段16が、シーリングファン2を「オフ」、トップライト1Aを「閉」、エアコン14を「オフ」とする制御を行う。この場合、トップライト1Aが閉鎖され、シーリングファン2が停止され、エアコン14が停止されているので、「保冷」となる。この場合、自然換気において風力発電手段17による発電は行われない。
【0036】
(3)外気温度が「暑」、室内温度が「暑」、上下温度差が「3℃以上」の場合、制御手段16が、シーリングファン2を「オン」、トップライト1Aを「開」とする制御を行う。この場合、トップライト1Aが開かれ、シーリングファン2が上方に向けて気流を生じさせるべく回転されるので、「強制排熱」となり、風力発電手段17による発電が開始される。なお、室内温度が「暑」であるので、この時点ではエアコン14はオフ(一時停止)となっている。
トップライト1Aを開けるとともにシーリングファン2を回転させてから所定時間経過後(例えば2分間経過後)に、制御手段16はエアコン14を運転開始するように制御し、このエアコン14の運転開始から所定時間経過後(例えば6分経過後)にトップライト1Aを閉じるように制御し、風力発電手段17による発電が終了する。
次に、制御手段16は、室内温度がシステム設定温度27℃以下になった場合にエアコン14を停止するように制御する。この状態で室内温度が上昇して「暑」となり、かつ上下温度差が「3℃以上」の場合、(3)に戻って同様の制御を行い、風力発電手段17による発電が開始される。
その後、外気温度がシステム設定温度未満になった場合、制御手段16はトップライト1Aを開けるように制御する。
【0037】
また、上記のような制御中に、前記降雨検出手段13によって降雨が検出された場合でかつトップライト1Aが開いている場合、制御手段16は、優先して当該トップライト1Aを閉じるように制御し、風力発電手段17による発電を終了する。
【0038】
本実施の形態によれば、換気をしながら風力発電手段17により発電するので、建物内の空気の流れを有効利用する一方で、前記発電量および前記換気量を表示するので、居住者が発電量および換気量を知ることができる建物内発電システムを提供できる。
【0039】
また、建物外部から前記通風経路に向かう空気を取り込む建物の前記開口部22を設け、前記開閉制御手段18は、前記換気量が所定の換気量より少ないとき、前記開口部22を開くので、前記換気量を増加できる。
【0040】
また、前記開閉制御手段18は、前記換気量をモニタリングし、所定の換気量に近づくように、前記開口部22の開閉について、フィードバック制御されるので、前記所定の換気量に近づけることができる。
【0041】
また、前記風力発電手段17によって発電された電力を建物内外の各種設備機器18,23に供給する電力供給手段24ので、蓄電したり、設備機器を駆動したりできる。
【0042】
また、前記風力発電手段17によって発電された電力を、前記開閉制御手段18に供給するので、前記開口部22により換気をするための電力供給を極力自立して行うことができ、省エネ効果を高めることができる。
【0043】
また、室内温度検出手段10によって検出された室内温度と上方温度検出手段11によって検出された1A付近の温度との温度差が所定値(例えば3℃)以上の場合、トップライト1A付近に熱気が溜まっているが、トップライト1A付近の温度が外気温度検出手段12によって検出された外気温度以上の場合に、制御手段16がトップライト1Aを開けるとともにシーリングファン2を上方に向けて気流を生じさせるべく回転させるように制御することによって、発電をするとともにトップライト1A付近の熱気をシーリングファン2によって外部に容易かつ十分に排熱でき、この結果住宅内の室内環境を快適に保つことができる。
【0044】
また、制御手段16が、トップライト1Aを開けるとともにシーリングファン2を回転させてから所定時間経過後(例えば約2分間経過後)にエアコン14を運転開始するように制御するので、発電をするとともにトップライト1A付近の熱気が排熱された後にエアコン14を運転開始でき、さらに、このエアコン14の運転開始から所定時間経過後(例えば約6分経過後)にトップライト1Aを閉じるように制御するので、エアコン14に負荷をかけすぎることなく、エアコン14の涼風を室内に行き渡らせることができる。
さらに、制御手段16が、室内温度検出手段10によって検出された室内温度がシステム設定温度以下になった場合にエアコン14を停止するように制御するので、室内を冷やし過ぎることもなく、省エネを図ることができる。
【0045】
また、エアコン14の設定温度がシステム設定温度と同じか少し低めに設定されているので、エアコン14を運転すると室内温度はシステム設定温度かそれより少し低めになっていく。したがって、この場合に制御手段16がエアコン14を停止するように確実に制御でき、室内温度の上昇を防止できる。
また、外気温度検出手段12によって検出された外気温度がシステム設定温度未満になった場合に制御手段16がトップライト1Aを開けるように制御するので、エアコン停止後の室内温度の上昇を防ぐことができる。
また、制御手段16が、降雨検出手段13によって降雨が検出された場合でかつトップライト1Aが開いている場合に、優先して当該トップライト1Aを閉じるように制御するので、室内への雨水の浸入を防止できる。
【0046】
さらに、温度センサ(室内温度検出手段)10がリモコン15に内蔵されているので、温度センサ専用の設置スペースが必要なく、しかも、温度センサ10をリモコン15の筺体によって保護できる。
また、外気温度検出手段12が1階の床下でかつ風通しのよい場所に設置されているので、正確な外気温度を検出できる。
【0047】
(変形例)
上記実施の形態においては、発電量および換気量を表示器19に表示する例について説明したが、これに限られない。発電量および換気量の少なくとも1つを表示器19に表示するようにしてもよい。
なお、この変形例においては、上記実施の形態と同じ部材には同一の符号を付し、説明を省略する。