(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を
図1〜
図12にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する図柄表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数列(本実施形態では、3列)の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11で実行される図柄変動ゲームでは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
【0017】
また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の第1特別表示器としての第1特図表示装置12が配設されている。また、第1特図表示装置12の右方には、7セグメント型の第2特別表示器としての第2特図表示装置14が配設されている。第1特図表示装置12と第2特図表示装置14では、それぞれ複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)及び小当りか否か(小当り抽選)などの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。以下、第1特図表示装置12で行われる図柄変動ゲームを「第1図柄変動ゲーム」と示し、第2特図表示装置14で行われる図柄変動ゲームを「第2図柄変動ゲーム」と示す場合がある。また、単に「図柄変動ゲーム」と示す場合には、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームの何れも指し示す。
【0018】
本実施形態において特図表示装置12,14には、複数種類(本実施形態では、112種類)の特図の中から、大当り抽選及び小当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が確定停止表示される。112種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、小当りを認識し得る図柄となる11種類の小当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄と、に分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。
【0019】
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が飾り図柄(以下、「数字図柄」と示す場合もある)として表示されるようになっている。そして、演出表示装置11には、特図表示装置12,14の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、特図表示装置12,14に大当り図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置11にも大当り図柄(大当りの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の図柄組み合わせ([222][777]など)である。また、特図表示装置12,14にはずれ図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が異なる図柄組み合わせ([123]など)、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせ([122][767]など)である。
【0020】
また、特図表示装置12,14に小当り図柄が確定停止表示される場合、演出表示装置11にも小当り図柄(確変示唆の図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。また、特図表示装置12,14に大当り図柄が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に確変示唆の図柄組み合わせが確定停止表示される場合がある。なお、この確変示唆の図柄組み合わせは、大当り抽選の抽選確率が低確率(通常状態)から高確率に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性を示唆する図柄組み合わせである。本実施形態の確変示唆の図柄組み合わせは、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせの中の所定の図柄組み合わせ(本実施形態では、[121][232][343][454][565][676][787][818])である。
【0021】
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の飾り図柄は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
【0022】
なお、「変動表示」とは、演出表示装置11と、特図表示装置12,14に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である。一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。そして、特図表示装置12,14における図柄変動ゲームと、演出表示装置11における図柄変動ゲームは、その図柄変動ゲームに係る表示演出が同時に開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
【0023】
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、発射装置としての発射ハンドルが装備されている(図示しない)。この発射ハンドルは、パチンコ遊技機において遊技者が操作可能な位置に配置されている。そして、遊技者が発射ハンドルを操作することにより、遊技球が、遊技盤10の左側(演出表示装置11の左側)より遊技領域17に発射されるようになっている。
【0024】
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、演出用操作手段としての演出用ボタンBTが装備されている(
図4に示す)。この演出用ボタンBTは、パチンコ遊技機において、例えば、遊技球を貯留するための球皿ユニットの上面など、遊技者が遊技を行いながら(発射ハンドルを操作しながら)、操作可能な位置に配設されている。
【0025】
また、第2特図表示装置14の上方には、2つのLEDから構成される普通図柄表示装置16が配設されている。普通図柄表示装置16では、各LEDの点灯及び消灯によって構成される複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す)を変動させて表示する普通図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す)が行われる。普図は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。普通図柄表示装置16には、普図当り抽選に当選したときは普通当り図柄が確定停止表示される一方、普図当り抽選に当選しなかったときは普通はずれ図柄が確定停止表示される。
【0026】
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入賞口としての第1入賞口18を有する第1始動入賞口19が配設されている。また、第1始動入賞口19の下方には、遊技球の入賞口としての第2入賞口20を有する第2始動入賞口21が配設されている。第2始動入賞口21は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根22を備えている。第2始動入賞口21は、開閉羽根22の開動作により入口が拡大されて遊技球が入賞し易い開放状態とされる一方で、開閉羽根22の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入賞しない閉鎖状態とされる。すなわち、開閉羽根22は、第2始動入賞口21の第2入賞口20を、遊技球が入球しない閉鎖状態から遊技球が入球し易い開放状態に可変させる。
【0027】
また、第1始動入賞口19の奥方には、第1始動入賞口19に遊技球が入賞したことを検知する第1始動口スイッチSW1が配設されている。本実施形態では、第1始動口スイッチSW1(
図4に示す)で第1始動入賞口19に入賞した遊技球を検知することにより、第1図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(本実施形態では、3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。また、第2始動入賞口21の奥方には、第2始動入賞口21に遊技球が入賞したことを検知する第2始動口スイッチSW2が配設されている。本実施形態では、第2始動口スイッチSW2(
図4に示す)で第2始動入賞口21に入賞した遊技球を検知することにより、第2図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(本実施形態では、3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態では、第1始動入賞口19と第1始動口スイッチSW1によって第1始動手段(始動手段)が構成され、第2始動入賞口21と第2始動口スイッチSW2によって第2始動手段(始動手段)が構成される。
【0028】
本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側(演出表示装置11の右側)から転動するときには、遊技盤10の左側(演出表示装置11の左側)から転動するときよりも、第1始動入賞口19に遊技球が入賞し難くなるように、障害釘等が配設されている。その一方で、本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側から転動するときには、遊技盤10の左側から転動するときよりも、開閉羽根22が開放している場合、第2始動入賞口21に遊技球が入賞し易くなるように障害釘等が配設されている。
【0029】
また、演出表示装置11の右方には、ゲート27が配設されている。ゲート27の奥方には、通過(入賞)した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW3(
図4に示す)が配設されている。ゲート27は、通過した遊技球を普通図柄変動スイッチSW3で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口21の開閉羽根22を開放状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。そして、普図当り抽選に当選すると(普通当り図柄が確定停止表示されると)、開閉羽根22を開放する普図当り遊技が付与される。また、普図当り遊技における開閉羽根22の開放によって、第2始動入賞口21に遊技球を入賞させ易くなり、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
【0030】
また、第1始動入賞口19の右方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた特別入賞手段としての大入賞口24が配設されている。大入賞口24の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW4(
図4に示す)が配設されている。大入賞口24は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、15個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口24は、大当り遊技中に大入賞口扉23の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側から転動するときには、遊技盤10の左側から転動するときよりも、大入賞口24に遊技球が入賞し易くなるように、障害釘等が配設されている。
【0031】
また、特図表示装置12の上方には、複数個(本実施形態では、2個)の第1特図保留発光部を備えた第1特図保留記憶表示装置13が配設されている。第1特図保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の第1始動保留球の記憶数(以下、「第1保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞口19に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、第1図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に第1始動入賞口19へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における2個の第1特図保留発光部は、第1保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。具体的には、第1保留記憶数が「0」の場合、2個の第1特図保留発光部は消灯し、第1保留記憶数が「1」の場合、左方の第1特図保留発光部が点灯して、右方の第1特図保留発光部が消灯するようになっている。また、第1保留記憶数が「2」の場合、2個の第1特図保留発光部が点灯し、第1保留記憶数が「3」の場合、左方の第1特図保留発光部が点滅して、右方の第1特図保留発光部が点灯するようになっている。また、第1保留記憶数が「4」の場合、2個の第1特図保留発光部が点滅するようになっている。なお、第1保留記憶数は、実行が保留されている第1図柄変動ゲームの数を示す。
【0032】
また、第1特図保留記憶表示装置13の上方には、複数個(本実施形態では、2個)の第2特図保留発光部を備えた第2特図保留記憶表示装置15が配設されている。第2特図保留記憶表示装置15は、機内部で記憶した特別図柄用の第2始動保留球の記憶数(以下、「第2保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞口21に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、第2図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に第2始動入賞口21へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における2個の第2特図保留発光部は、第2保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。なお、具体的な制御は、第1保留記憶数に係る制御と同様である。また、第2保留記憶数は、実行が保留されている第2図柄変動ゲームの数を示す。
【0033】
本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)させる。また、確変状態は、予め決められた確変付与回数(本実施形態では、80回)の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、付与される。このように確変状態が付与された場合は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
【0034】
また、本実施形態では、遊技者にとって有利な変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態が付与される場合がある。変短状態(入球率向上状態)が付与された場合、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート27の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)させる。また、普図当り抽選に当選したとき、変短状態が付与されている場合は、変短状態が付与されていない場合と比較して、開閉羽根22を長い時間開放させる。このため、変短状態が付与されている場合、単位時間当りの開閉羽根22の開放時間が増加することになる。すなわち、変短状態が付与されている場合は、単位時間当りの第2始動入賞口21への遊技球の入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となる。また、変短状態は、予め決められた変短付与回数(本実施形態では、80回)の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、付与される。このように、本実施形態では、変短付与回数と確変付与回数を同じ回数(80回)に定めている。
【0035】
このように、変短状態が付与されているときには、第2始動入賞口21へ遊技球が入賞し易くなるため、第2図柄変動ゲームの実行が保留され易くなっている。更に、本実施形態では、第1図柄変動ゲームの実行が保留されていたとしても(第1保留記憶数>0)、第2図柄変動ゲームの実行が保留されていれば(第2保留記憶数>0)、第2図柄変動ゲームを第1図柄変動ゲームよりも優先して実行されるようになっている。このため、変短状態が付与されているときには、第2図柄変動ゲームが連続して実行され易い。一方、変短状態が付与されていないときには、第2始動入賞口21へ遊技球が入賞し難くなるため、第2図柄変動ゲームの実行が保留され難くなっている。このため、変短状態が付与されているときには、第1図柄変動ゲームが連続して実行され易い。
【0036】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技及び小当り遊技について、
図2に基づき説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて、第1特図表示装置12又は第2特図表示装置14に大当り図柄が確定停止表示され、該図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、11ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定個数(入球上限個数(本実施形態では、9個))の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
【0037】
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、
図2に示す2種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。
【0038】
本実施形態において特図表示装置12,14に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、図柄A及び図柄Bに分類される。具体的には、図柄Aには特図表示装置12,14に確定停止表示される大当り図柄のうち70種類の大当り図柄が振り分けられている。また、図柄Bには特図表示装置12,14に確定停止表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。また、図柄Cには、小当り遊技に対応する11種類の特図(小当り図柄)が振り分けられている。
【0039】
図柄Aに分類される大当り図柄が特図表示装置12,14に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、確変状態が付与される大当り遊技(以下、「11R確変大当り」と示す)である。11R確変大当りでは、オープニング時間として「7(秒)」が、エンディング時間として「10(秒)」がそれぞれ設定されている。また、11R確変大当りでは、各ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。また、図示しないが、11R確変大当りにおける各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「1.5(秒)」にそれぞれ設定されている。また、11R確変大当り終了後、当該大当り当選時の遊技状態に関係なく、「80回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、変短状態が付与される。
【0040】
また、図柄Bに分類される大当り図柄が特図表示装置12,14に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、確変状態が付与される大当り遊技(以下、「11R短縮確変大当り」と示す)である。11R短縮確変大当りでは、オープニング時間として、「0.02(秒)」が、エンディング時間として「0.068(秒)」が設定されている。また、11R短縮確変大当りでは、各ラウンド遊技時間として「0.032(秒)」がそれぞれ設定されている。また、11R短縮確変大当りにおける各ラウンド間のインターバル時間は、「1.5(秒)」がそれぞれ設定されている。また、11R短縮確変大当りが付与されたとき、当該大当り当選時に確変状態と変短状態のうち何れか一方が付与されている場合には、11R短縮確変大当り終了後から「80回」の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、変短状態が付与される。一方で、11R短縮確変大当りが付与されたとき、当該大当り当選時に確変状態と変短状態の何れもが付与されていない場合には、11R短縮確変大当り終了後に変短状態が付与されない(
図2では、「0回」と示す)。
【0041】
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、11R短縮確変大当りにおけるラウンド遊技時間(0.032(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口24に入球する遊技球の個数が、入球上限個数(9個)を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機では、1分間あたりの遊技球の発射個数が約「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は、「0.6(秒)」となる。すなわち、11R短縮確変大当りのラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(0.032(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは困難である。
【0042】
このため、11R確変大当りと11R短縮確変大当りは、大当り遊技中に行われるラウンド遊技の回数と、大当り遊技終了後の確変状態の付与態様は同一である一方、各ラウンド遊技時間が異なる。このため、ラウンド遊技時間内に入球上限個数の遊技球を入賞させることが可能な時間がラウンド遊技時間として設定されている11R確変大当りは、ラウンド遊技時間内に入球上限個数の遊技球を入賞させることが困難な時間がラウンド遊技時間として設定されている11R短縮確変大当りよりも、遊技者にとって有利な大当り遊技となる。
【0043】
また、図柄Cに分類される小当り図柄が特図表示装置12,14に確定停止表示されたときに付与される小当り遊技では、オープニング時間として「0(秒)」が、エンディング時間として「0.096(秒)」がそれぞれ設定されている。また、小当り遊技では、大入賞口24の開放回数として「11回」が設定されている。また、小当り遊技では、開放1回目〜11回目の開放時間が「0.032(秒)」に設定されているとともに、各開放の間(例えば、2回目の開放から3回目の開放までの間)にはインターバル時間として「1.5(秒)」が設定されている。これにより、小当り遊技において1回目の開放から11回目の閉鎖までの開閉時間は、「0.032(秒)+1.5(秒)+0.032(秒)+1.5(秒)+…+0.032(秒)+1.5(秒)+0.032(秒)」からなる「15.064(秒)」に設定されていることになる。このように、11R短縮確変大当りにおける1ラウンド目の開放から11ラウンド目の閉鎖までと、小当り遊技における1回目の開放から11回目の閉鎖までと、では、大入賞口24の開放態様が同じとなっている。そのため、大入賞口24の開放態様及び演出時間からは、11R短縮確変大当りと小当り遊技の何れが付与されたかを認識できない。
【0044】
また、小当り遊技では、当該小当り遊技の終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている(
図2では、「現状維持」と示す)。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技の終了後も確変状態が継続して付与される一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも確変状態が付与されない。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後も変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも変短状態が付与されない。
【0045】
また、本実施形態では、大当りとなる可能性の高い図柄変動ゲームの実行が保留されていることを示唆する先読み演出を実行可能に構成されている。先読み演出を実行することが可能か否かについては、始動入賞口19,21に遊技球が入賞したときに判断されるようになっている。また、本実施形態において先読み演出は、先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が保留されてから、当該図柄変動ゲームが実行されるまでに実行される図柄変動ゲームと、前記先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームにて実行される。なお、先読み演出は、先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が第1保留記憶数「0」であって第2保留記憶数「0」のときに保留された場合、先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームのみ実行され得る。
【0046】
また、本実施形態では、先読み演出の実行が開始されてから当該先読み演出の実行契機となった図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、先読み演出実行時にのみ表示される先読み専用の背景画像に切り替えて図柄変動ゲームが行われるようになっている。なお、本実施形態において先読み演出が実行されているとき、先読み演出が実行されていることが認識できるように「先読み演出中」の文字画像が画像表示部GHに表示されるようになっている。
【0047】
また、本実施形態では、
図3に示すように、確変状態が付与されていることを遊技者に報知する「確変確定モード」を演出表示装置11で実行可能に構成されている。また、本実施形態では、確変状態が付与されていることに対して期待できることを遊技者に報知する「確変秘匿モード」を演出表示装置11で実行可能に構成されている。また、本実施形態では、確変状態が付与されていないことを遊技者に報知する「通常演出モード」を演出表示装置11で実行可能に構成されている。
【0048】
また、本実施形態において、演出表示装置11では、背景画像に重なるように各列の飾り図柄が表示されて、これら飾り図柄が変動表示されることで図柄変動ゲームが実行されるようになっている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、演出表示装置11に表示される背景画像の種類から遊技者に現在滞在している演出モードの種類を遊技者に把握させて確変状態が付与されていることに対して期待できるか否かを報知したり、確変状態が付与されていることを報知したりするようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機における背景画像は、図柄変動ゲームで表示される飾り図柄を除いて構成し得る画像である。
【0049】
なお、本実施形態において実行中(滞在中)の演出モードが確変確定モードである場合、確変確定モード専用の画像が背景画像として表示されるとともに、確変確定モードに滞在していることが認識できるように「確変確定モード」の文字画像が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、確変秘匿モード専用の画像が背景画像として表示されるとともに、確変秘匿モードに滞在していることが認識できるように「確変秘匿モード」の文字画像が画像表示部GHの上部に表示されるようになっている。また、本実施形態において実行中の演出モードが通常演出モードである場合、通常演出モード専用の画像が背景画像として表示されるようになっている。なお、
図3では、破線部の内部を変短状態が付与されていない場合のモード移行態様を示しており、破線部の外部を変短状態が付与されている場合のモード移行態様を示している。
【0050】
図3に示すように、通常演出モードは、変短状態が付与されていないときに実行される(滞在する)演出モードである。実行中(滞在中)の演出モードが通常演出モードである場合、11R確変大当り(図柄A)が付与されると、当該大当り遊技終了後、確変確定モードへ移行する。また、実行中の演出モードが通常演出モードである場合、11R短縮確変大当り又は小当り遊技が付与されると、当該当り遊技終了後、確変秘匿モードへ移行する。
【0051】
また、確変秘匿モードは、変短状態が付与されていないときに実行される演出モードである。実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、11R確変大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、確変確定モードへ移行する。また、実行中の演出モードが確変秘匿モードであって、確変状態が付与されているときに11R短縮確変大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、確変確定モードへ移行する。その一方で、実行中の演出モードが確変秘匿モードであって、確変状態が付与されていないときに11R短縮確変大当りが付与されると、当該大当り遊技終了後、確変秘匿モードが引き続き実行される。また、実行中の演出モードが確変秘匿モードである場合、小当り遊技が付与されると、付与される時点で確変状態が付与されているか否かに関係なく、小当り遊技終了後、確変秘匿モードが引き続き実行される。実行中の演出モードが確変秘匿モードであって、当り遊技が付与されてから実行された図柄変動ゲームの回数が予め定めた確変秘匿滞在回数(本実施形態では、確変付与回数と同じ80回)に達した場合、当該図柄変動ゲームの終了後、通常演出モードへ移行する。
【0052】
また、確変確定モードは、変短状態が付与されているときに実行され、確変状態が付与されていることを認識できる演出モードである。実行中の演出モードが確変確定モードである場合、11R確変大当り、11R短縮確変大当り及び小当り遊技のうち何れかの当り遊技が付与されると、当該当り遊技終了後、確変確定モードが引き続き実行される。また、実行中の演出モードが確変確定モードである場合、変短状態の付与が終了(確変状態の付与が終了)すると、通常演出モードへ移行する。
【0053】
次に、パチンコ遊技機の制御構成を
図4にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や各種の演出装置を制御する。
【0054】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特図表示装置12、第1特図保留記憶表示装置13、第2特図表示装置14、第2特図保留記憶表示装置15及び普通図柄表示装置16が接続されている。
【0055】
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数及び普図当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数(以下、「当り乱数」と示す場合がある)は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数(以下、「特図乱数」と示す場合がある)は、大当り抽選に当選した場合に、付与する大当り遊技の種類を決定する際に用いる乱数である。リーチ判定用乱数(以下、「リーチ乱数」と示す場合がある)は、大当り抽選及び小当り抽選で非当選の場合に、図柄変動ゲームにてリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数(以下、「変パタ乱数」と示す)は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、普図当り判定用乱数は、普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0056】
また、主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。また、変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、大当りのとき及び小当りのときに決定される確変示唆演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンがある。
【0057】
また、リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り、はずれ又は確変示唆の図柄組み合わせ)が導出されるまでの間に行われる演出である。なお、はずれ通常演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、大当り演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、確変示唆演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に確変示唆の図柄組み合わせが確定停止表示されるように展開される。
【0058】
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り乱数の取り得る数値の中から定められている。また、大当り判定値には、確変状態が付与されているか否かに関係なく当り乱数の値と一致するか否かについて比較される共通大当り判定値と、確変状態が付与されているときにのみ当り乱数の値と一致するか否かについて比較される高確大当り判定値がある。すなわち、確変状態が付与されているときには、当り乱数の値が、共通大当り判定値と高確大当り判定値の何れかの値と一致すれば大当りと判定される。一方、確変状態が付与されていないときには、当り乱数の値が、共通大当り判定値と一致すれば大当りと判定される。なお、本実施形態では、共通大当り判定値として定められた値と高確大当り判定値として定められた値には、共通する値は存在しないようになっている。
【0059】
また、主制御用ROM30bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り乱数の取り得る数値の中から大当り判定値(共通大当り判定値と高確大当り判定値)とは異なる値が定められている。また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、本実施形態においてリーチ乱数の取り得る数値は「0〜238」としている。そして、本実施形態では、変短状態が付与されていないときのリーチ判定値として「0〜7」までの8個の数値が定められており、変短状態が付与されているときのリーチ判定値として「0〜14」までの15個の数値が定められている。このため、取得したリーチ乱数の値が「7以下(0〜7)」であれば、変短状態の付与態様に関係なく、リーチ判定の判定結果が必ず肯定となる。また、主制御用ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
【0060】
次に、
図4に示す演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、先読み判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。先読み判定用乱数とは、先読み演出を実行可能とするか否かを決定する際に用いる乱数である。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、演出用ボタンBTが接続されている。そして、演出制御用CPU31aは、演出用ボタンBTが操作された際に出力される操作信号を入力することで、演出用ボタンBTが操作されたことを認識する。また、演出制御用ROM31bには、先読み判定値が記憶されている。先読み判定値は、先読み演出の実行可否を決定する際に用いる判定値であり、先読み判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
【0061】
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普図ゲーム処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理、普図ゲーム処理などの各種処理を実行する。
【0062】
最初に、特別図柄入力処理について、
図5に基づき説明する。
特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、第1始動入賞口19に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ステップS1において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS6の処理へと進む。一方、ステップS1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(第1保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、ステップS6の処理へと進む。
【0063】
ステップS2の判定結果が肯定(第1保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える(ステップS3)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1特図保留記憶表示装置13の表示内容を変更させる。続いて、主制御用CPU30aは、当り乱数の値と、特図乱数の値、リーチ乱数の値及び変パタ乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS4)。その後、主制御用CPU30aは、
図6に示す先読みコマンド設定処理を実行し(ステップS5)、ステップS6の処理へと進む。なお、ステップS5の先読みコマンド設定処理に係る詳しい説明は、後ほど行う。
【0064】
ステップS6の処理に進んだ主制御用CPU30aは、第2始動入賞口21に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS6)。すなわち、ステップS6において主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS6の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS6の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定結果が否定(第2保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0065】
ステップS7の判定結果が肯定(第2保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に1加算し、第2保留記憶数を書き換える(ステップS8)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2特図保留記憶表示装置15の表示内容を変更させる。続いて、主制御用CPU30aは、当り乱数の値と、特図乱数の値、リーチ乱数の値及び変パタ乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応付けられた主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS9)。その後、主制御用CPU30aは、
図6に示す先読みコマンド設定処理を実行し(ステップS10)、特別図柄入力処理を終了する。このように、本実施形態における主制御用RAM30cは、保留記憶手段として機能する。
【0066】
特別図柄入力処理のステップS5における先読みコマンド設定処理は、第1始動入賞口19へ遊技球が入賞したことを契機に取得した各乱数の値に基づく各種判定(事前判定)結果を、入賞検知に基づく図柄変動ゲームの実行開始時期よりも前に演出制御基板31に把握させるための各種先読みコマンドを生成及び出力するための処理である。また、特別図柄入力処理のステップS10における先読みコマンド設定処理は、第2始動入賞口21へ遊技球が入賞したことを契機に取得した各乱数の値に基づく各種判定(事前判定)結果を、入賞検知に基づく図柄変動ゲームの実行開始時期よりも前に演出制御基板31に把握させるための各種先読みコマンドを生成及び出力するための処理である。
【0067】
ここで、先読みコマンドについて説明する。
先読みコマンドは、各種情報を格納する複数の領域によって構成されている。本実施形態における先読みコマンドは、特図情報領域、保留数情報領域、ゲーム情報領域、当り乱数領域及び演出情報領域で構成されている。特図情報領域には、特別図柄を示す情報(特図情報)が格納され、保留数情報領域には、第1保留記憶数(又は第2保留記憶数)を示す情報(保留数情報)が格納される。また、ゲーム情報領域には、図柄変動ゲームの種類(第1図柄変動ゲーム又は第2図柄変動ゲーム)を示す情報(特図ゲーム情報)が格納され、当り乱数領域には、当り乱数の値がどのような値であるかを示す情報(当り乱数情報)が格納される。また、演出情報領域には、図柄変動ゲームが実行された際の図柄変動ゲームの演出内容として予想される内容を示す情報(演出情報)が格納される。
【0068】
そして、本実施形態では、先読みコマンドの種類として、共通大当りの先読みコマンド、小当りの先読みコマンド、はずれリーチの先読みコマンド、はずれ不特定の先読みコマンド及びはずれ通常の先読みコマンドがある。共通大当りの先読みコマンドは、確変状態の付与態様に関係なく大当りとなることを示す情報が格納された先読みコマンドである。また、小当りの先読みコマンドは、小当りとなることを示す情報が格納された先読みコマンドである。また、はずれリーチの先読みコマンドは、変短状態の付与態様に関係なくリーチ演出が行われることを示す情報が格納された先読みコマンドである。また、はずれ不特定の先読みコマンドは、リーチ演出の実行有無が不特定であること(変短状態が付与されているときにのみリーチ演出が行われること)を示す情報が格納された先読みコマンドである。また、はずれ通常の先読みコマンドは、変短状態の付与態様に関係なくリーチ演出が行われないことが予想されることを示す情報が格納された先読みコマンドである。
【0069】
以下、各種先読みコマンドを生成及び出力するための先読みコマンド設定処理について、
図6に基づき説明する。
特別図柄入力処理のステップS5で行う先読みコマンド設定処理のステップS21において主制御用CPU30aは、ステップS4で取得した各乱数のうちの当り乱数の値が、共通大当り判定値と一致するか否かを判定する。なお、特別図柄入力処理のステップS10で行う先読みコマンド設定処理のステップS21において主制御用CPU30aは、ステップS9で取得した各乱数のうちの当り乱数の値が、共通大当り判定値と一致するか否かを判定する。このように主制御用CPU30aは、始動入賞口19,21にて遊技球を入賞検知した時、当該入賞検知時に主制御用RAM30cに記憶された当り乱数の値が、大当り判定において、確実に(確変状態の付与態様に関係なく)大当りとなると判定されるか否かについて事前判定するようになっている(事前大当り判定)。以下、先読みコマンド設定処理の説明において、単に「取得した乱数」と示す場合、特別図柄入力処理のステップS5で行う先読みコマンド設定処理では「ステップS4で取得した乱数」を示し、特別図柄入力処理のステップS10で行う先読みコマンド設定処理では「ステップS9で取得した乱数」を指し示す。
【0070】
また、ステップS21の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、共通大当りの先読みコマンドを生成し(ステップS22)、出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS23)。ステップS22において主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちの当り乱数の値が共通大当り判定値と一致する値であることを示す当り乱数情報を先読みコマンドの当り乱数領域に格納する。また、ステップS22において主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちの特図乱数の値に基づいて決定される大当り図柄(図柄A又は図柄B)を特定して、特定した大当り図柄を示す特図情報を先読みコマンドの特図情報領域に格納する。このとき、主制御用CPU30aは、後で説明する特別図柄開始処理にて特図乱数を用いて大当り図柄を決定する際と同様の処理を行い、付与され得る大当り遊技の種類を特定する。また、ステップS22において主制御用CPU30aは、先読みコマンドの演出情報領域に演出情報を格納しない。
【0071】
また、ステップS5で行う先読みコマンド設定処理におけるステップS22において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を特定して、特定した第1保留記憶数を示す保留数情報を先読みコマンドの保留数情報領域に格納するとともに、第1図柄変動ゲームであることを示す特図ゲーム情報を先読みコマンドのゲーム情報領域に格納する。一方、ステップS10で行う先読みコマンド設定処理におけるステップS22において主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を特定して、特定した第2保留記憶数を示す保留数情報を先読みコマンドの保留数情報領域に格納するとともに、第2図柄変動ゲームであることを示す特図ゲーム情報を先読みコマンドのゲーム情報領域に格納する。
【0072】
一方、ステップ21の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちの当り乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS24)。つまり、事前大当り判定と同様に、小当りとなると判定されるか否かについて事前判定するようになっている(事前小当り判定)。そして、ステップS24の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、小当りの先読みコマンドを生成し(ステップS25)、出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS23)。
【0073】
ステップS25において主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちの当り乱数の値が小当り判定値と一致する値であることを示す当り乱数情報を先読みコマンドの当り乱数領域に格納する。また、ステップS25において主制御用CPU30aは、小当り図柄(図柄E)を示す特図情報を先読みコマンドの特図情報領域に格納する。また、ステップS25において主制御用CPU30aは、ステップS22と同様に、先読みコマンドの演出情報領域に演出情報を格納しない。また、ステップS25において主制御用CPU30aは、ステップS22と同様の処理にて、先読みコマンドの保留数情報領域に保留数情報を格納するとともに、先読みコマンドのゲーム情報領域に特図ゲーム情報を格納する。
【0074】
一方、ステップS24の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちのリーチ乱数の値が、変短状態の付与態様に関係なく確実にリーチ判定の判定結果を肯定とする値(共通リーチ判定値、「7以下(0〜7)」)と一致するか否かを判定する(ステップS26)。つまり、事前大当り判定と同様に、リーチ判定の判定結果が確実に肯定となるか否かについて事前判定するようになっている(事前リーチ判定)。そして、ステップS26の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、はずれリーチの先読みコマンドを生成し(ステップS27)、出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS23)。
【0075】
ステップS27において主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちの当り乱数の値が、共通大当り判定値及び小当り判定値の何れにも一致しない値(はずれ)であることを示す当り乱数情報を先読みコマンドの当り乱数領域に格納する。但し、このときの当り乱数情報は、当り乱数の値が高確大当り判定値と一致する値である場合もあるため、必ずしもはずれであることを示すわけではない。また、ステップS27において主制御用CPU30aは、はずれ図柄を示す特図情報を先読みコマンドの特図情報領域に格納する。また、ステップS27において主制御用CPU30aは、リーチ演出が実行されることを示す演出情報を演出情報領域に格納する。また、ステップS27において主制御用CPU30aは、ステップS22と同様の処理にて、先読みコマンドの保留数情報領域に保留数情報を格納するとともに、先読みコマンドのゲーム情報領域に特図ゲーム情報を格納する。
【0076】
一方、ステップS26の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちのリーチ乱数の値が、変短状態の付与態様によってリーチ判定の判定結果を肯定とする場合がある値(高確リーチ判定値、「8〜14」)と一致するか否かを判定する(ステップS28)。つまり、事前大当り判定と同様に、リーチ判定の判定結果が変短状態の付与態様によって変わるか否かについて事前判定するようになっている。そして、ステップS28の判定結果が肯定の場合、つまり、リーチ乱数の値が、変短状態が付与されているときにのみリーチ判定の判定結果が肯定となる値である場合、主制御用CPU30aは、はずれ不特定の先読みコマンドを生成し(ステップS29)、出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように出力バッファに設定する(ステップS23)。
【0077】
ステップS29において主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちの当り乱数の値が、共通大当り判定値及び小当り判定値の何れにも一致しない値(はずれ)であることを示す当り乱数情報を先読みコマンドの当り乱数領域に格納する。但し、このときの当り乱数情報は、当り乱数の値が高確大当り判定値と一致する値である場合もあるため、必ずしもはずれであることを示すわけではない。また、ステップS29において主制御用CPU30aは、はずれ図柄を示す特図情報を先読みコマンドの特図情報領域に格納する。また、ステップS29において主制御用CPU30aは、リーチ演出の実行有無が不特定であることを示す演出情報を先読みコマンドの演出情報領域に格納する。また、ステップS29において主制御用CPU30aは、ステップS22と同様の処理にて、先読みコマンドの保留数情報領域に保留数情報を格納するとともに、先読みコマンドのゲーム情報領域に特図ゲーム情報を格納する。
【0078】
また、ステップS28の判定結果が否定の場合、つまり、リーチ乱数の値が変短状態の付与態様に関係なく確実にリーチ判定の判定結果が否定となる値である場合、主制御用CPU30aは、はずれ通常の先読みコマンドを生成し(ステップS30)、出力処理で演出制御用CPU31aに出力するように、出力バッファに設定する(ステップS23)。
【0079】
ステップS30において主制御用CPU30aは、取得した乱数のうちの当り乱数の値が、共通大当り判定値及び小当り判定値の何れにも一致しない値(はずれ)であることを示す当り乱数情報を先読みコマンドの当り乱数領域に格納する。但し、このときの当り乱数情報は、当り乱数の値が高確大当り判定値と一致する値である場合もあるため、必ずしもはずれであることを示すわけではない。また、ステップS30において主制御用CPU30aは、はずれ図柄を示す特図情報を先読みコマンドの特図情報領域に格納する。また、ステップS30において主制御用CPU30aは、リーチ演出が行われないことを示す演出情報を先読みコマンドの演出情報領域に格納する。但し、取得した当り乱数の値が高確大当り判定値と一致する場合には、リーチ演出が実行されるため、必ずしもリーチ演出が行われないことを示すわけではないため、はずれ通常先読みコマンドの演出情報領域に格納される演出情報はリーチ演出が行われないことが予想されることを示している。また、ステップS30において主制御用CPU30aは、ステップS22と同様の処理にて、先読みコマンドの保留数情報領域に保留数情報を格納するとともに、先読みコマンドのゲーム情報領域に特図ゲーム情報を格納する。
【0080】
次に、特別図柄開始処理について、
図7及び
図8に基づき説明する。
まず、特別図柄開始処理において、主制御用CPU30aは、
図7に示すように、図柄変動ゲーム中又は当り遊技(大当り遊技及び小当り遊技)中であるか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS41の判定結果が否定の場合、つまり、図柄変動ゲーム中でなく、且つ当り遊技中でもない場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を読み出し(ステップS42)、当該第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43の判定結果が否定(第2保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を読み出し(ステップS44)、当該第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する(ステップS45)。ステップS45の判定結果が否定(第1保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0081】
また、ステップS45の判定結果が肯定(第1保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに、第1図柄変動ゲームを実行することを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する(ステップS46)。次に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数から1減算し(ステップS47)、第1保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数(当り乱数、特図乱数、リーチ乱数及び変パタ乱数)の値を取得する(ステップS48)。ステップS48において、第1保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を取得した主制御用CPU30aは、当該取得した各種乱数の値を現在実行中の図柄変動ゲームに係る各種乱数を記憶する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。その後、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第1保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。次に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第1保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。その次に、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第1保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶し、第1保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を消去する。
【0082】
また、ステップS48の処理を終了した主制御用CPU30aは、
図8に示すように、取得した当り乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS49)。このとき、主制御用CPU30aは、確変状態が付与されている場合には、取得した当り乱数の値が、共通大当り判定値又は高確大当り判定値と一致するか否かを判定する。一方、主制御用CPU30aは、確変状態が付与されていない場合には、取得した当り乱数の値が、共通大当り判定値と一致するか否かを判定する。このように、本実施形態において大当り判定を行う主制御用CPU30aは、大当り判定手段として機能する。
【0083】
また、ステップS49の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、取得した特図乱数の値に基づき、特別図柄による大当り図柄の中から第1特図表示装置12(第2図柄変動ゲームの場合は、第2特図表示装置14)に確定停止表示させる最終停止図柄を決定する(ステップS50)。なお、本実施形態において特図乱数の取り得る数値は「0〜99」としている。そして、本実施形態では、ステップS50において主制御用CPU30aは、特図乱数の値が「0〜69」である場合には図柄A、特図乱数の値が「70〜99」である場合には図柄Bを決定するように定められている。このため、主制御用CPU30aは、取得した特図乱数の値に基づき、大当り図柄の種類を決定することができる。
【0084】
また、主制御用CPU30aは、大当り図柄の種類及び取得した変パタ乱数の値に基づき、決定可能な変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS51)。ステップS51において主制御用CPU30aは、大当り図柄として図柄Aを決定している場合には、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から、取得した変パタ乱数の値に基づき1つの変動パターンを決定する。一方、ステップS51において主制御用CPU30aは、大当り図柄として図柄Bを決定している場合には、複数種類の確変示唆演出用の変動パターンの中から、取得した変パタ乱数の値に基づき1つの変動パターンを決定する。
【0085】
また、変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに係わる各種処理を実行する(ステップS52)。具体的には、主制御用CPU30aは、変動パターンを指定するとともに、図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドと、特別図柄変動処理フラグに設定されている値を特定可能なゲーム指定コマンドを最初に出力する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに設定されている値が「0」である場合(第1図柄変動ゲームを実行するとき)は、特別図柄を変動表示させるように第1特図表示装置12の表示内容を制御する。このとき、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに設定されている値が「1」である場合(第2図柄変動ゲームを実行するとき)は、特別図柄を変動表示させるように第2特図表示装置14の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始するとともに、最終停止図柄を指定する特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、決定した最終停止図柄を確定停止表示させるように第1特図表示装置12(第2図柄変動ゲームを実行させているときは第2特図表示装置14)の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、飾り図柄の変動表示を停止させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0086】
一方、ステップS49の判定結果が否定の場合、つまり、大当りでない場合、主制御用CPU30aは、取得した当り乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う(ステップS53)。このように、本実施形態において小当り判定を行う主制御用CPU30aは、小当り判定手段として機能する。また、ステップS53の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、最終停止図柄として小当り図柄を決定する(ステップS54)。その次に、主制御用CPU30aは、複数種類の確変示唆演出用の変動パターンの中から取得した変パタ乱数の値に基づき1つの変動パターンを決定する(ステップS55)。
【0087】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、ステップS52の処理へ移行し、前述同様、演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに係わる各種処理を実行し、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、決定した最終停止図柄を確定停止表示させるように第1特図表示装置12(第2図柄変動ゲームを実行させているときは第2特図表示装置14)の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、飾り図柄の変動表示を停止させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0088】
一方、ステップS53の判定結果が否定の場合、つまり、大当りでも小当りでもない場合、主制御用CPU30aは、取得したリーチ乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されているリーチ判定値と一致するか否かを判定してリーチ判定(リーチ抽選)を行う(ステップS56)。このとき、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されている場合には、取得したリーチ乱数の値が、共通リーチ判定値又は高確リーチ判定値(「14以下(0〜14)」)と一致するか否かを判定する。一方、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されていない場合には、取得したリーチ乱数の値が、共通リーチ判定値(「7以下(0〜7)」)と一致するか否かを判定する。そして、ステップS56の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、最終停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップS57)。
【0089】
その次に、主制御用CPU30aは、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から取得した変パタ乱数の値に基づき1つの変動パターンを決定する(ステップS58)。
【0090】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、ステップS52の処理へ移行し、前述同様、演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに係わる各種処理を実行し、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、決定した最終停止図柄を確定停止表示させるように第1特図表示装置12(第2図柄変動ゲームを実行させているときは第2特図表示装置14)の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、飾り図柄の変動表示を停止させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0091】
一方、ステップS56の判定結果が否定の場合、つまり、リーチ演出をはずれの図柄変動ゲームで実行しない場合、主制御用CPU30aは、最終停止図柄としてはずれ図柄を決定する(ステップS59)。その次に、主制御用CPU30aは、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から取得した変パタ乱数の値に基づき1つの変動パターンを決定する(ステップS60)。
【0092】
変動パターン及び最終停止図柄を決定した主制御用CPU30aは、ステップS52の処理へ移行し、前述同様、演出制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに係わる各種処理を実行し、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、決定した最終停止図柄を確定停止表示させるように第1特図表示装置12(第2図柄変動ゲームを実行させているときは第2特図表示装置14)の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている演出時間の経過時、飾り図柄の変動表示を停止させるための全図柄停止コマンドを出力する。
【0093】
一方、
図7に示すように、ステップS43の判定結果が肯定(第2保留記憶数>0)の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄変動処理フラグに、第2図柄変動ゲームを実行することを示す値(本実施形態では、「1」)を設定する(ステップS61)。次に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数から1減算し(ステップS62)、第2保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数(当り乱数、特図乱数、リーチ乱数及び変パタ乱数)の値を取得する(ステップS63)。ステップS63において、第2保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を取得した主制御用CPU30aは、当該取得した各種乱数の値を現在実行中の図柄変動ゲームに係る各種乱数を記憶する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶する。その後、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第2保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。次に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第2保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。その次に、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を、第2保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶し、第2保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各種乱数の値を消去する。また、ステップS67の処理を終了した主制御用CPU30aは、
図8に示すように、前述したステップS49以降の処理を行う。
【0094】
次に、大当り抽選(又は小当り抽選)に当選した図柄変動ゲーム終了後に主制御用CPU30aが実行する当り遊技処理を説明する。
当り遊技処理において主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。次に、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合には、オープニング演出の終了後、各ラウンド遊技(小当り遊技の場合には、大入賞口24の1回目〜11回目の開閉時間における演出)を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御用CPU31aに出力するとともに、大入賞口24の開放及び閉鎖を制御する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技(小当り遊技の場合には、11回目の大入賞口24の開放)が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、エンディング演出の終了によって大当り遊技又は小当り遊技を終了させる。このように、本実施形態において小当り遊技を付与する主制御用CPU30aは、小当り遊技付与手段として機能する。
【0095】
また、主制御用CPU30aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、主制御用RAM30cに記憶されている各種主制御用設定フラグや各種主制御用リミッタの値を設定する。主制御用リミッタには、確変状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される主制御用確変リミッタと、変短状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される主制御用変短リミッタと、がある。また、主制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための主制御用確変フラグと、変短状態の付与態様を特定するための主制御用作動フラグと、がある。
【0096】
そして、主制御用CPU30aは、図柄A又は図柄Bを決定した場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、主制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、主制御用確変リミッタに「80」を設定する。また、主制御用CPU30aは、図柄Aを決定した場合、大当り遊技開始前に主制御用作動フラグに設定されていた値に関係なく、大当り遊技終了後に主制御用作動フラグに変短状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、主制御用変短リミッタに「80」を設定する。
【0097】
また、主制御用CPU30aは、図柄Bを決定した場合、大当り遊技開始前に主制御用作動フラグに「1」が設定されていたとき或いは主制御用確変フラグに「1」が設定されていたときには、大当り遊技終了後に主制御用作動フラグに「1」を設定するとともに、主制御用変短リミッタに「80」を設定する。一方、主制御用CPU30aは、図柄Bを決定した場合、大当り遊技開始前に主制御用作動フラグに変短状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)が設定され、且つ主制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値が設定されていたときには、大当り遊技終了後に主制御用作動フラグに「0」を設定する。なお、本実施形態では、主制御用確変フラグに設定され得る確変状態が付与されていないことを示す値を「0」としている。
【0098】
また、主制御用CPU30aは、はずれ図柄又は小当り図柄(図柄C)を決定した場合、主制御用確変フラグに「1」が設定されているときには、主制御用確変リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の主制御用確変リミッタの値が「0」となった場合、主制御用CPU30aは、主制御用確変フラグに「0」を設定する。また、主制御用CPU30aは、はずれ図柄又は小当り図柄を決定した場合、主制御用作動フラグに「1」が設定されているときには、主制御用変短リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の主制御用変短リミッタの値が「0」となった場合、主制御用CPU30aは、主制御用作動フラグに「0」を設定する。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技中及び小当り遊技中は、主制御用確変フラグ及び主制御用作動フラグに、それぞれ「0」を設定する。
【0099】
このように、主制御用CPU30aは、主制御用確変フラグ及び主制御用作動フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様及び変短状態の付与態様を特定することができる。また、主制御用CPU30aは、主制御用確変リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると確変状態の付与が終了するかについて特定することができる。また、主制御用CPU30aは、主制御用変短リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると変短状態の付与が終了するかについて特定することができる。また、本実施形態において主制御用作動フラグに「1」を設定して変短状態(入球率向上状態)を付与する主制御用CPU30aは、入球率向上状態付与手段として機能する。また、本実施形態において主制御用確変フラグに「1」を設定して確変状態を付与する主制御用CPU30aは、確変付与手段として機能する。
【0100】
次に、普図ゲーム処理について説明する。
まず、普図ゲーム処理において主制御用CPU30aは、普通図柄変動スイッチSW3が出力する検知信号を入力してゲート27へ遊技球が入球したことを検知した場合、普図当り判定用乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。そして、主制御用CPU30aは、普図ゲーム開始時に取得した普図当り判定用乱数の値が普図当り判定値と一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、変短状態が付与されているとき、主制御用CPU30aは、変短時の普図当り判定値と、取得した普図当り判定用乱数の値が一致するか否かの普図当り判定を行う。一方、変短状態が付与されていないとき、主制御用CPU30aは、非変短時の普図当り判定値と、取得した普図当り判定用乱数の値が一致するか否かの普図当り判定を行う。なお、変短時の普図当り判定値の個数は、非変短時の普図当り判定値の個数よりも多く設定されている。
【0101】
普図当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置16に確定停止表示させる普通当り図柄を決定し、普図ゲーム処理を終了する。一方、普図当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄表示装置16に確定停止表示させる普通はずれ図柄を決定し、普図ゲーム処理を終了する。
【0102】
普通図柄表示装置16に確定停止表示させる普通図柄を決定し、普図ゲーム処理を終了すると、主制御用CPU30aは、普図を変動表示させるように普通図柄表示装置16の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間が経過すると、普図ゲーム処理にて決定した普図を普通図柄表示装置16に確定停止表示させる。なお、本実施形態における普図ゲームの変動時間は、普図ゲーム開始時において、変短状態が付与されているときには「0.7(秒)」、変短状態が付与されていないときには「5(秒)」が設定されている。また、図柄変動ゲームと普図ゲームは、同時に実行可能である。
【0103】
次に、普図当り抽選に当選した場合に主制御用CPU30aが実行する普図当り遊技に係る制御について説明する。
主制御用CPU30aは、普図当りの普図ゲーム終了時(普通当り図柄を確定停止表示させた時)、変短状態が付与されている(主制御用作動フラグに「1」が設定されている)場合には、開閉羽根22を5回開放させ、各回の開放において開放してから「0.72(秒)」が経過するまで開放状態を維持するように開閉羽根22の開放を制御する。一方、主制御用CPU30aは、普図当りの普図ゲーム終了時、変短状態が付与されていない(主制御用作動フラグに「0」が設定されている)場合には、開閉羽根22を1回開放させ、開放してから「0.2(秒)」が経過するまで開放状態を維持するように開閉羽根22の開放を制御する。
【0104】
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。具体的には、演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、大当りの図柄組み合わせ(例えば、[333]や[777]など)の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄B又は小当り図柄(図柄E)が指定された場合、確変示唆の図柄組み合わせ(例えば、[343]や[787]など)の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
【0105】
また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323]や[757]など)の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[426]や[211])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
【0106】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾り図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した飾り図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
【0107】
また、演出制御用CPU31aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、演出制御用RAM31cに記憶されている各種演出制御用設定フラグや各種演出制御用リミッタの値を設定する。演出制御用リミッタには、確変状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される演出制御用確変リミッタと、変短状態の付与が終了するまでに実行される図柄変動ゲームの回数が設定される演出制御用変短リミッタと、がある。また、演出制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための演出制御用確変フラグと、変短状態の付与態様を特定するための演出制御用作動フラグと、がある。
【0108】
そして、演出制御用CPU31aは、図柄A又は図柄Bが指定された場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、演出制御用確変リミッタに「80」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、大当り遊技開始前に演出制御用作動フラグに設定されていた値に関係なく、大当り遊技終了後に演出制御用作動フラグに変短状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定するとともに、演出制御用変短リミッタに「80」を設定する。
【0109】
また、演出制御用CPU31aは、図柄Bが指定された場合、大当り遊技開始前に演出制御用作動フラグに「1」が設定されていたとき或いは、演出制御用確変フラグに「1」が設定されていたときには、大当り遊技終了後に演出制御用作動フラグに「1」を設定するとともに、演出制御用変短リミッタに「80」を設定する。一方、演出制御用CPU31aは、図柄Bが指定された場合、大当り遊技開始前に演出制御用作動フラグに変短状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)が設定され、且つ演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値が設定されているときには、大当り遊技終了後に演出制御用作動フラグに「0」を設定する。なお、本実施形態において、演出制御用確変フラグに設定され得る確変状態が付与されていないことを示す値を「0」としている。
【0110】
また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄又は小当り図柄(図柄C)が指定された場合、演出制御用確変フラグに「1」が設定されているときには、演出制御用確変リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の演出制御用確変リミッタの値が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグに「0」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄又は小当り図柄が指定された場合、演出制御用作動フラグに「1」が設定されているときには、演出制御用変短リミッタに設定された値から1減算する。そして、減算後の演出制御用変短リミッタの値が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用作動フラグに「0」を設定する。
【0111】
このように、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグ及び演出制御用作動フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様及び変短状態の付与態様を特定することができる。また、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると確変状態の付与が終了するかについて特定することができる。また、演出制御用CPU31aは、演出制御用変短リミッタに設定された値を参照することにより、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると変短状態の付与が終了するかについて特定することができる。
【0112】
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム終了時、演出モードの切り替えを行うモード切替処理を行う。演出制御用RAM31cには実行中(滞在中)の演出モードの種類を特定可能なモード特定フラグが記憶されている。モード特定フラグには、確変確定モードを実行中であるか否かを特定できる確変確定モードフラグと、確変秘匿モードを実行中であるか否かを特定できる確変秘匿モードフラグと、通常演出モードを実行中であるか否かを特定できる通常演出モードフラグと、がある。なお、各モード特定フラグのうち、実行中の演出モードに対応するモード特定フラグには実行中であることを示す値(本実施形態では、「1」)が設定され、実行中の演出モード以外の演出モードに対応するモード特定フラグには実行中でないことを示す値(本実施形態では、「0」)が設定されるようになっている。
【0113】
そして、演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、当該特別図柄に基づく大当り遊技の終了後、確変確定モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。
【0114】
また、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグと演出制御用作動フラグの少なくとも一方のフラグに「1」が設定されているときに図柄Bが指定された場合、当該特別図柄に基づく大当り遊技の終了後、確変確定モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。一方、演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグと演出制御用作動フラグの何れのフラグにも「0」が設定されているときに図柄Bが指定された場合、当該特別図柄に基づく大当り遊技の終了後、確変秘匿モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。このとき、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードの残りの最大滞在回数を示す確変秘匿滞在回数に「80」を設定する。
【0115】
また、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードフラグ又は通常演出モードフラグに「1」が設定されているときに、小当り図柄(図柄C)が指定された場合、当該特別図柄に基づく当り遊技の終了後、確変秘匿モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。このとき、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードの残りの最大滞在回数を示す確変秘匿滞在回数に「80」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、確変確定モードフラグに「1」が設定されているときに、小当り図柄が指定された場合、当該特別図柄に基づく当り遊技の終了後、確変確定モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。
【0116】
また、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードフラグに「1」が設定されているとき、はずれ図柄が指定されると、確変秘匿滞在回数から1減算する。そして、減算後の確変秘匿滞在回数が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、通常演出モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。また、演出制御用CPU31aは、確変秘匿モードフラグに「1」が設定されているとき、当り遊技が付与されると、当該当り遊技の開始時に確変秘匿滞在回数に「0」を設定する。
【0117】
また、演出制御用CPU31aは、確変確定モードフラグに「1」が設定されているときであって、演出制御用作動フラグに「0」を設定する際には、通常演出モードフラグに「1」を設定するとともに、他のモード特定フラグに「0」を設定する。
【0118】
また、演出制御用CPU31aは、当り遊技が付与された場合には、当該当り遊技終了後において「1」が設定されているモード特定フラグに対応する演出モードを実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、はずれの図柄変動ゲームが実行された場合には、次の図柄変動ゲーム開始時において「1」が設定されているモード特定フラグに対応する演出モードを実行するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。例えば、演出制御用CPU31aは、確変確定モードフラグに「1」が設定されている場合、確変確定モード専用の画像を背景画像として表示するとともに、画像表示部GHの上部に「確変確定モード」の文字画像を表示させて確変確定モードを実行するように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0119】
また、本実施形態では、変短状態が付与されているとき、つまり、確変確定モード滞在中には、第2図柄変動ゲームの実行が保留されると当該第2図柄変動ゲームを対象(先読み演出の実行契機)にした先読み演出の実行を開始可能とする。一方で、本実施形態では、変短状態が付与されているとき、第1図柄変動ゲームの実行が保留されても当該第1図柄変動ゲームを対象にした先読み演出を実行開始しないようになっている。また、確変確定モード以外の演出モード(通常演出モード及び確変秘匿モード)滞在中、つまり、変短状態が付与されていないときには、実行が保留された図柄変動ゲームを対象にした先読み演出を実行開始しないようになっている。
【0120】
以下、先読み演出に係る制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンドを入力すると、当該先読みコマンドのゲーム情報領域に格納されている特図ゲーム情報と、保留数情報領域に格納されている保留数情報から特定できる保留記憶数に対応付けられた演出制御用RAM31cの所定の記憶領域に、入力した先読みコマンドを記憶する。例えば、先読みコマンドのゲーム情報領域に第2図柄変動ゲームを示す特図ゲーム情報が格納されているとともに、保留数情報領域に保留記憶数「3」を示す保留数情報が格納された先読みコマンドを入力した場合、演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数「3」に対応する演出制御用RAM31cの記憶領域に入力した先読みコマンドを記憶する。
【0121】
また、演出制御用CPU31aは、第1図柄変動ゲームを特定可能なゲーム指定コマンドと変動パターンを入力すると、第1保留記憶数「2」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、第1保留記憶数「1」に対応する記憶領域に格納する。次に、演出制御用CPU31aは、第1保留記憶数「3」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、第1保留記憶数「2」に対応する記憶領域に格納する。その次に、演出制御用CPU31aは、第1保留記憶数「4」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、第1保留記憶数「3」に対応する記憶領域に格納するとともに、第1保留記憶数「4」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを消去する。
【0122】
また、演出制御用CPU31aは、第2図柄変動ゲームを特定可能なゲーム指定コマンドと変動パターンを入力すると、第2保留記憶数「2」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、第2保留記憶数「1」に対応する記憶領域に格納する。次に、演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数「3」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、第2保留記憶数「2」に対応する記憶領域に格納する。その次に、演出制御用CPU31aは、第2保留記憶数「4」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを、第2保留記憶数「3」に対応する記憶領域に格納するとともに、第2保留記憶数「4」に対応する記憶領域に格納された先読みコマンドを消去する。
【0123】
また、演出制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから先読みコマンドを入力した場合、
図9に示す先読み演出処理を行い、先読み演出の対象(先読み演出の実行契機)とすることができる先読みコマンドを入力したか否かの判断を行うとともに、先読み演出を実行可能とするか否かを決定する。以下、先読み演出処理について、
図9に基づき説明する。
【0124】
演出制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力すると、入力した先読みコマンドが小当りの先読みコマンド、はずれ不特定の先読みコマンド及びはずれ通常の先読みコマンドのうちの何れかであるか否かを判定する(ステップS71)。そして、ステップS71の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出処理を終了する。一方、ステップS71の判定結果が否定の場合、確変確定モードフラグに設定されている値を参照して、実行中の演出モードが確変確定モードであるか否かを判定する(ステップS72)。そして、ステップS72の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出処理を終了する。
【0125】
一方、ステップS72の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドのゲーム情報領域に第2図柄変動ゲームを示す特図ゲーム情報が格納(記憶)されているか否かを判定する(ステップS73)。ステップS73の判定結果が否定の場合、つまり、変短状態が付与されているときに第1図柄変動ゲームを示す特図ゲーム情報がゲーム情報領域に格納された先読みコマンドを入力した場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出処理を終了する。一方、ステップS73の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、
図10に示す先読み演出実行可能判定処理を行い(ステップS74)、その後、先読み演出処理を終了する。
【0126】
以下、先読み演出実行可能判定処理について、
図10に基づき説明する。
演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドに対応する図柄変動ゲームが実行されるまでに、リーチ演出が行われないか否かを判定する(ステップS81)。ステップS81において演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドの保留数情報領域に格納された保留数情報が示す第2保留記憶数よりも前の第2保留記憶数に対応する記憶領域に記憶された先読みコマンドの全てがはずれ通常の先読みコマンドであるか否かを判定する。なお、「保留数情報が示す第2保留記憶数よりも前の第2保留記憶数」は、例えば、保留数情報が示す第2保留記憶数が「3」である場合、第2保留記憶数「1」と第2保留記憶数「2」である。因みに、本実施形態では、当り乱数の値が高確大当り判定値と一致する場合でもはずれ通常の先読みコマンドが出力されるため、ステップS81において演出制御用CPU31aは、リーチ演出が行われないことが予想されるか否かを判定している。そして、ステップS81の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出実行判定処理を終了する。
【0127】
一方、ステップS81の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行が既に決定されているか否かを示す先読み実行フラグに、先読み演出の実行が決定されていることを示す値(本実施形態では、「1」)が設定されているか否かを判定する(ステップS82)。また、ステップS82において演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行が既に決定されていなくても、既に先読み演出が実行可能であるか否かを同時に判定している。具体的には、ステップS82において演出制御用CPU31aは、先読み演出が実行可能であるか否かを示す先読み可能フラグに先読み演出が実行可能であることを示す値(本実施形態では、「1」)が設定されているか否かを判定している。そして、ステップS82の判定結果が肯定の場合、すなわち、先読み実行フラグと先読み可能フラグの何れか一方に「1」が設定されている場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出実行判定処理を終了する。
【0128】
一方、ステップS82の判定結果が否定の場合、つまり、先読み実行フラグに先読み演出の実行が決定されていないことを示す値が設定され、且つ先読み可能フラグに先読み演出が実行可能でないことを示す値が設定されている場合、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cから先読み判定用乱数の値を取得する(ステップS83)。なお、本実施形態では、先読み演出の実行が決定されていないことを示す値を「0」とし、先読み演出が実行可能でないことを示す値を「0」としている。その後、演出制御用RAM31cは、取得した先読み判定用乱数の値が、先読み判定値と一致するか否かの判定(先読み実行可能抽選)を行う(ステップS84)。
【0129】
そして、ステップS84の判定結果が否定の場合、つまり、先読み実行抽選に非当選の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出実行判定処理を終了する。一方、ステップS84の判定結果が肯定の場合、つまり、先読み実行抽選に当選の場合、演出制御用CPU31aは、先読み演出を実行する図柄変動ゲームの回数(先読み演出の実行回数)を演出制御用RAM31cに記憶して、設定する(ステップS85)。ステップS85において演出制御用CPU31aは、入力した先読みコマンドの保留数情報領域に格納された保留数情報が示す保留記憶数を先読み演出の実行回数として演出制御用RAM31cに記憶する。その後、先読み演出の実行回数を記憶した演出制御用CPU31aは、先読み可能フラグに「1」を設定し(ステップS86)、先読み演出実行判定処理を終了する。
【0130】
そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したとき、先読み可能フラグに「1」が設定されている場合、図柄変動ゲームが開始してから1秒後、所定時間の間、演出用ボタンBTの操作を有効とする操作有効期間を設定する。
【0131】
この操作有効期間内に演出用ボタンBTからの操作信号を入力した場合、操作有効期間の設定を終了する際に、演出制御用CPU31aは、先読み可能フラグに「0」を設定するとともに、先読み実行フラグに「1」を設定し、先読み演出を実行するように演出表示装置11の表示内容を制御する。一方、操作有効期間内に演出用ボタンBTからの操作信号を入力しなかった場合、当該操作有効期間の設定を終了する際に、演出制御用CPU31aは、先読み可能フラグと先読み実行フラグに「0」を設定するとともに、先読み演出の実行回数として「0」を設定する。
【0132】
このように、先読み演出が実行可能とされている場合であっても、操作有効期間内に演出用ボタンBTを操作しなければ、実際に先読み演出が実行されない。このため、先読み演出が実行させて楽しみたいと思う遊技者は操作有効期間内に演出用ボタンBTを操作するようにすれば良い。その一方で、先読み演出を実行させずに楽しみたいと思う遊技者は操作有効期間内に演出用ボタンBTを操作しなければ良い。すなわち、遊技者自らがどのように楽しみたいかについて、演出用ボタンBTの操作態様によって選択することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0133】
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力したとき、先読み実行フラグに「1」が設定されている場合、先読み演出を実行するように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0134】
また、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲーム終了時、先読み実行フラグに「1」が設定されている場合には、演出制御用RAM31cに記憶された先読み演出の実行回数から1減算する。そして、減算後の先読み演出の実行回数が「0」となった場合、演出制御用CPU31aは、先読み実行フラグに「0」を設定する。
【0135】
また、演出制御用CPU31aは、大当り遊技又は小当り遊技が付与されたとき、先読み実行フラグ又は先読み可能フラグに「1」が設定されている場合には、先読み実行フラグ及び先読み可能フラグに「0」を設定する。それとともに、演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cに記憶した先読み演出の実行回数として「0」を設定する。
【0136】
そして、本実施形態では、確変確定モード滞在中、発展契機演出を実行可能に構成している。発展契機演出は、特定の遊技演出が行われる前に実行され得る演出である。このため、図柄変動ゲームにて発展契機演出が実行された際には、当該発展契機演出の終了後に複数種類の遊技演出のうち何らかの遊技演出が実行され得るようになっている。本実施形態における発展契機演出には、小当り用の発展契機演出、先読み演出実行選択用の発展契機演出、リーチ演出実行前用の発展契機演出、残り回数報知用の発展契機演出及びフェイク用の発展契機演出の全5種類がある。
【0137】
本実施形態における小当り用の発展契機演出は、確変確定モード中に小当りとなる図柄変動ゲームと当該図柄変動ゲーム終了後に付与される小当り遊技中にて実行される発展契機演出であって、小当り用の発展契機演出の終了後には、はずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、本実施形態における先読み演出実行選択用の発展契機演出は、先読み演出を実行可能なときに実行されるとともに、少なくとも操作有効期間が設定されている間に実行される発展契機演出である。そして、先読み演出実行選択用の発展契機演出が実行されているときの操作有効期間中において演出用ボタンBTが操作された場合には、当該先読み演出実行選択用の発展契機演出の終了後、先読み演出の実行が開始されるようになっている。なお、先読み演出実行選択用の発展契機演出が実行されているときの操作有効期間中において演出用ボタンBTが操作されなかった場合には、当該先読み演出実行選択用の発展契機演出の終了後、先読み演出の実行が開始されないようになっている。
【0138】
また、本実施形態におけるリーチ演出実行前用の発展契機演出は、リーチ演出が行われる図柄変動ゲームにて実行され得る発展契機演出であって、リーチ演出実行前用の発展契機演出の終了後には、リーチ演出が実行されるようになっている。また、本実施形態における残り回数報知用の発展契機演出は、確変確定モードに移行してから実行された図柄変動ゲームの回数が所定回数となる図柄変動ゲームにて実行され得る発展契機演出である。そして、残り回数報知用の発展契機演出の終了後には、残り何回の図柄変動ゲームが実行されると確変状態の付与が終了するかについての回数を報知する残り回数報知演出が実行されるようになっている。また、本実施形態におけるフェイク用の発展契機演出は、リーチ演出が実行されないはずれの図柄変動ゲームにて実行され得る発展契機演出であって、フェイク用の発展契機演出の終了後には、はずれの図柄組み合わせが一旦停止表示されるようになっている。
【0139】
なお、どの種類の発展契機演出が実行されたときでも、発展契機演出が実行された場合、演出表示装置11の画像表示部GHにて、黒一色で構成された画像が背景画像として表示されるとともに、飾り図柄や演出モードを特定するための文字画像の表示が消去されるようになっている。このため、発展契機演出の演出態様からは、どの種類の発展契機演出が実行されているかについて特定できないため、発展契機演出の終了後にどのような遊技演出が実行され得るかについて推測できないようになっている。このため、発展契機演出が行われた際、つまり、画像表示部GHに黒一色の背景画像のみが表示された際には、当該発展契機演出終了後の演出態様に注目させることができる。
【0140】
以下、発展契機演出の実行に係る制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、確変確定モードに滞在しているとき、図柄変動ゲームを開始する際には、
図11に示す演出実行判定処理を行う。以下、演出実行判定処理について、
図11に基づき説明する。
【0141】
まず、演出制御用CPU31aは、先読み実行フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS91)。ステップS91において演出制御用CPU31aは、先読み演出の実行が既に開始されているか否かを判定する。そして、ステップS91の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、発展契機演出の実行を決定しないで、演出実行判定処理を終了する。一方、ステップS91の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、小当りに当選したか否かを判定する(ステップS92)。そして、ステップS92の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、実行を開始する図柄変動ゲームにて、小当り用の発展契機演出を実行することを決定し(ステップS93)、演出実行判定処理を終了する。なお、ステップS93において演出制御用CPU31aは、小当り用の発展契機演出の実行を決定したことを特定可能な発展契機演出情報を演出制御用RAM31cに記憶する。
【0142】
一方、ステップS92の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、先読み可能フラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS94)。演出制御用CPU31aは、ステップS94の判定結果が肯定の場合、先読み演出実行選択用の発展契機演出を実行することを決定し(ステップS95)、演出実行判定処理を終了する。なお、ステップS95において演出制御用CPU31aは、先読み演出実行選択用の発展契機演出の実行を決定したことを特定可能な発展契機演出情報を演出制御用RAM31cに記憶する。
【0143】
一方、ステップS94の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、リーチ演出が実行されるか否かを判定する(ステップS96)。ステップS96において演出制御用CPU31aは、大当り演出用、確変示唆演出用及びはずれリーチ演出用の変動パターンのうち何れかの変動パターンが指定されている場合、ステップS96の判定結果を肯定とする。そして、ステップS96の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、リーチ演出実行前用の発展契機演出を実行するか否かを判定する(ステップS97)。ステップS97において演出制御用CPU31aは、所定の当選確率(本実施形態では、30%)のリーチ用の実行抽選を行い、当該実行抽選に当選した場合、ステップS97の判定結果を肯定とする。そして、ステップS97の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、リーチ演出実行前用の発展契機演出の実行を決定し(ステップS98)、演出実行判定処理を終了する。なお、ステップS98において演出制御用CPU31aは、リーチ演出実行前用の発展契機演出の実行を決定したことを特定可能な発展契機演出情報を演出制御用RAM31cに記憶する。一方で、ステップS97の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、発展契機演出の実行を決定しないで、演出実行判定処理を終了する。
【0144】
また、ステップS96の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、大当り遊技(11R確変大当り)終了後から所定回数に当る図柄変動ゲームの実行を開始するか否かを判定する(ステップS99)。ステップS99において演出制御用CPU31aは、演出制御用確変リミッタ(又は、演出制御用変短リミッタ)に設定された値が「10」、「20」、「30」、「40」、「50」、「60」及び「70」の何れかである場合、ステップS99の判定結果を肯定とする。そして、ステップS99の判定結果が肯定の場合、残り回数報知用の発展契機演出の実行を決定し(ステップS100)、演出実行判定処理を終了する。なお、ステップS100において演出制御用CPU31aは、残り回数報知用の発展契機演出の実行を決定したことを特定可能な発展契機演出情報を演出制御用RAM31cに記憶する。
【0145】
一方、ステップS99の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、フェイク用の発展契機演出を実行させるか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101において演出制御用CPU31aは、所定の当選確率(本実施形態では、10%)のフェイク用の実行抽選を行い、当該実行抽選に当選した場合、ステップS101の判定結果を肯定とする。そして、ステップS101の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、フェイク用の発展契機演出の実行を決定し(ステップS102)、演出実行判定処理を終了する。なお、ステップS102において演出制御用CPU31aは、フェイク用の発展契機演出の実行を決定したことを特定可能な発展契機演出情報を演出制御用RAM31cに記憶する。一方で、ステップS101の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、発展契機演出の実行を決定しないで、演出実行判定処理を終了する。
【0146】
そして、演出制御用CPU31aは、演出実行判定処理を終了した際、発展契機演出情報が演出制御用RAM31cに記憶されている場合には、当該発展契機演出情報から特定可能な種類の発展契機演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。発展契機演出を実行させている間、演出制御用CPU31aは、黒一色の画像を背景画像として表示させるとともに、飾り図柄を表示させないように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0147】
以下、各発展契機演出の実行に係る具体的な制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、演出実行判定処理にて小当り用の発展契機演出の実行を決定した場合、図柄変動ゲームの開始0.5秒後から、小当り遊技におけるエンディング演出開始までの間、発展契機演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、演出実行判定処理にて先読み演出実行選択用の発展契機演出の実行を決定した場合、図柄変動ゲームの開始0.5秒後から、操作有効期間の設定が終了するまでの間、発展契機演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、先読み演出実行選択用の発展契機演出を実行させているとき設定した操作有効期間にて演出用ボタンBTからの操作信号を入力した場合、発展契機演出の終了後に先読み演出専用の背景画像を表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。一方、演出制御用CPU31aは、操作有効期間にて演出用ボタンBTからの操作信号を入力しなかった場合、発展契機演出の終了後に発展契機演出実行前の背景画像(本実施形態では、確変確定モード滞在中の背景画像)を表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0148】
また、演出制御用CPU31aは、演出実行判定処理にてリーチ演出実行前用の発展契機演出の実行を決定した場合、図柄変動ゲームの開始0.5秒後から、リーチの図柄組み合わせを一旦停止表示させる時点までの間、発展契機演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、演出実行判定処理にて残り回数報知用の発展契機演出の実行を決定した場合、図柄変動ゲームの開始0.5秒後から、所定時間が経過するまでの間、発展契機演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、演出制御用CPU31aは、残り回数報知用の発展契機演出を実行させた場合、当該発展契機演出の終了後、演出制御用確変リミッタ(又は、演出制御用変短リミッタ)に設定された値に対応する残り回数報知演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。本実施形態では、確変付与回数と変短付与回数を同じ回数にしたため、残り回数報知演出を実行したときには、確変状態が付与される残りの図柄変動ゲームの回数を報知すると同時に、変短状態が付与される残りの図柄変動ゲームの回数を報知していることになる。
【0149】
また、演出制御用CPU31aは、演出実行判定処理にてフェイク用の発展契機演出の実行を決定した場合、図柄変動ゲームの開始0.5秒後から、はずれの図柄組み合わせが一旦停止表示させる時点までの間、発展契機演出を実行させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0150】
また、演出制御用CPU31aは、各発展契機演出の実行を終了すると、演出制御用RAM31cに記憶されている発展契機演出情報を消去する。
次に、大当り遊技及び小当り遊技が付与された際に演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
【0151】
まず、11R確変大当りの付与中に、演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定されるとともに、オープニングコマンドを入力すると、予め決められた演出内容のオープニング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。また、演出制御用CPU31aは、最初のラウンドコマンドを入力すると、最終回のラウンド遊技が終了するまでの間、予め決められた演出内容のラウンド演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、予め決められた演出内容のエンディング演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0152】
次に、11R短縮確変大当り及び小当り遊技の付与中に、演出制御用CPU31aが行う制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、通常演出モード滞在中に図柄B又は図柄Cが指定されるとともに、オープニングコマンドを入力すると、当り遊技が終了するまでの間、予め決められた確変秘匿モード移行用の演出内容の表示演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0153】
また、演出制御用CPU31aは、確変状態が付与されていないときであって確変秘匿モード滞在中に図柄B又は図柄Cが指定されるとともに、オープニングコマンドを入力すると、当り遊技が終了するまでの間、予め決められた確変秘匿モード継続用の演出内容の表示演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0154】
また、演出制御用CPU31aは、確変状態が付与されているときであって確変秘匿モード滞在中に図柄Cが指定されるとともに、オープニングコマンドを入力すると、当り遊技が終了するまでの間、確変秘匿モード継続用の演出内容の表示演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。一方、演出制御用CPU31aは、確変状態が付与されているときであって確変秘匿モード滞在中に図柄Bが指定されるとともに、オープニングコマンドを入力すると、当り遊技が終了するまでの間、予め決められた確変確定モード移行用の演出内容の表示演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0155】
また、演出制御用CPU31aは、確変確定モード滞在中に図柄Bが指定されるとともに、オープニングコマンドを入力すると、当り遊技が終了するまでの間、予め決められた確変確定モード継続用の演出内容の表示演出を実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。
【0156】
また、演出制御用CPU31aは、確変確定モード滞在中に図柄Cが指定された場合、小当りの図柄変動ゲームから実行されている小当り用の発展契機演出を継続して実行させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、エンディング演出を入力すると、確変確定モード専用の背景画像と、抽選によって決定されるはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように、演出表示装置11の表示内容を制御する。なお、抽選によって決定されるはずれの図柄組み合わせは、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせである。このように、小当り用の発展契機演出が実行された場合、飾り図柄が表示されていないことから確変示唆の図柄組み合わせが確定停止表示されたことを視認できないため、恰もはずれ通常演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームにてフェイク用の発展契機演出が実行されたかのように見せることができる。このため、小当り遊技が付与されたことを目立たなくすることができる。
【0157】
このように、本実施形態において各種遊技演出の実行制御や、演出モードの実行制御を行う演出制御用CPU31aは、演出制御手段として機能する。なお、本実施形態における遊技演出とは、はずれの図柄組み合わせを一旦停止表示又は確定停止表示させる演出や、先読み演出(連続演出)、残り回数報知演出、リーチ演出などである。
【0158】
以下、本実施形態における発展契機演出が実行された際の画像表示部GHにおける演出態様について、
図12に基づき説明する。
図12(a)は、確変確定モード滞在中に図柄変動ゲームが開始された時点を示す。確変確定モード滞在中の図柄変動ゲームにてフェイク用の発展契機演出が行われる場合には、
図12(b)に示すように、飾り図柄が表示されずに、黒一色(
図12では、斜線で示す)の画像のみが背景画像として表示されて、発展契機演出が実行される。そして、発展契機演出の終了後には、
図12(c)に示すように、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせが一旦停止表示され、最終的にその図柄組み合わせが確定停止表示される。
【0159】
また、確変確定モード滞在中の図柄変動ゲームにて残り回数報知用の発展契機演出が行われる場合には、
図12(a)にて各列の飾り図柄が変動表示された後、
図12(b)に示すように発展契機演出が行われる。そして、発展契機演出の終了後には、
図12(d)に示すように、残り回数報知演出が実行される。なお、
図12(d)では、演出制御用確変リミッタ(及び演出制御用変短リミッタ)に「30」が設定されているときに、当該値に対応する残り回数報知演出の演出態様を示している。
【0160】
また、確変確定モード滞在中の図柄変動ゲームにてリーチ演出開始前用の発展契機演出が行われる場合には、
図12(a)にて各列の飾り図柄が変動表示された後、
図12(b)に示すように発展契機演出が行われる。そして、発展契機演出の終了後には、
図12(e)に示すように、リーチ演出の実行が開始される。
【0161】
また、確変確定モード滞在中の図柄変動ゲームにて先読み演出実行選択用の発展契機演出が行われる場合には、
図12(a)にて各列の飾り図柄が変動表示された後、
図12(b)に示すように発展契機演出が行われる。そして、発展契機演出が行われている間に設定される操作有効期間にて演出用ボタンBTが操作された場合には、発展契機演出の終了後、
図12(f)に示すように先読み演出が実行される(
図12では、確変確定モード専用の背景画像を水玉模様で示す)。一方で、発展契機演出が行われている間に設定される操作有効期間にて演出用ボタンBTが操作されなかった場合には、発展契機演出の終了後、
図12(c)に示すように、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせが一旦停止表示され、最終的にその図柄組み合わせが確定停止表示される。このように、先読み演出実行選択用の発展契機演出が行われている場合であっても、操作有効期間中に演出用ボタンBTが操作されなかった場合には、フェイク用の発展契機演出が実行された場合と同じ演出態様となる。このため、発展契機演出が行われているときに演出用ボタンBTを操作しない場合には、フェイク用の発展契機演出と先読み実行選択用の発展契機演出の何れの発展契機演出が行われたかについて特定することができないようになっている。
【0162】
また、確変確定モード滞在中の図柄変動ゲームにて小当り用の発展契機演出が行われる場合には、
図12(a)にて各列の飾り図柄が変動表示された後、
図12(b)に示すように発展契機演出が行われる。なお、この発展契機演出は、図柄変動ゲーム終了後に付与される小当り遊技中にも実行される。このため、小当り遊技が付与されているときは、
図12(g)に示すように、小当りとなった図柄変動ゲームから実行されている小当り用の発展契機演出が継続して実行される。そして、小当り遊技の終了時(エンディング演出)には、
図12(h)に示すように、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせが確定停止表示される。
【0163】
このように、各列の飾り図柄が変動表示されてから、小当り用の発展契機演出が行われた後、はずれの図柄組み合わせが停止表示(一旦停止表示及び確定停止表示)される演出の流れは、フェイク用の発展契機演出が行われた場合と同一である。すなわち、確変確定モード滞在中に小当りとなった場合には、画像表示部GHの表示内容から、恰もフェイク用の発展契機演出が行われたかのように見せることができる。また、発展契機演出が行われているときに演出用ボタンBTを操作しなかった場合には、フェイク用の発展契機演出、先読み演出実行選択用の発展契機演出及び小当り用の発展契機演出のうちの何れの発展契機演出が行われたかについて特定できない。このため、何れの発展契機演出が実行されたか否かが特定できないときは、発展契機演出終了後に行われる遊技演出への注目度をより向上させることができる。
【0164】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)確変確定モード滞在中、図柄変動ゲームが小当りとなって、当該図柄変動ゲーム終了後に小当り遊技が付与される場合、当該小当り遊技中にも発展契機演出が実行されるようにした。また、小当り遊技終了後には、再び確変確定モードが継続される。これにより、確変確定モード中に小当り遊技が付与されたとしても、発展契機演出を実行させて、小当り遊技が付与されていることを秘匿することができる。すなわち、確変確定モード中に付与されたとしても遊技者にメリットのない小当り遊技が付与されたとしても、発展契機演出に注目させて、小当り遊技が付与されたことが目立たないようにすることができる。これにより、確変確定モード中に小当り遊技が付与されないように設計する必要や、確変状態が付与されているときには小当り遊技が付与され難くするように設計する必要などがなくなり、遊技機の設計が簡単になる。
【0165】
(2)発展契機演出の終了後には、様々な遊技演出が実行され得るようにした。このため、発展契機演出が行われた際には、当該発展契機演出の終了後にどのような遊技演出が行われるかについて注目させることができる。よって、確変確定モード中に小当り遊技が付与されている間も、発展契機演出の終了後にどのような遊技演出が行われるかについて注目させることができ、小当り遊技が付与されていることを目立たなくすることができる。
【0166】
(3)先読み演出が実行可能であるときには、先読み演出実行選択用の発展契機演出を行うようにした。そして、先読み演出実行選択用の発展契機演出を行っている間に設定される操作有効期間中に演出用ボタンBTが操作された際には、発展契機演出の終了後に先読み演出が実行されるようにした。このため、確変確定モード中に小当り遊技が付与された際も、先読み演出実行選択用の発展契機演出が行われていると思わせて遊技者に演出用ボタンBTを操作させることで、小当り遊技が付与されていることを目立たなくすることができる。
【0167】
(4)リーチ演出実行前用の発展契機演出が行われる場合には、発展契機演出の終了後にリーチ演出の実行が開始されるようにした。このため、確変確定モード滞在中に小当り遊技が付与されても、発展契機演出に注目させて、小当り遊技が付与されていることを目立たなくすることができる。また、リーチ演出実行前用の発展契機演出が行われた際には、発展契機演出の終了とともに、リーチ演出の実行が開始されるので、遊技者を驚かせることができる。
【0168】
(5)残り回数報知用の発展契機演出が行われる場合には、発展契機演出の終了後に残り回数報知演出が行われるようにした。このため、確変確定モード滞在中に小当り遊技が付与されても、発展契機演出に注目させて、小当り遊技が付与されていることを目立たなくすることができる。また、残り回数報知演出を実行することで、残り何回の図柄変動ゲームの実行が終了するまでの間、確変状態(又は変短状態)が付与されるかについて特定することができる。
【0169】
(6)変短状態が付与されているときの確変確定モードにて小当り遊技が付与された際に、当該小当り遊技が付与されたことを目立たなくすることができる。このため、第1図柄変動ゲームと第2図柄変動ゲームを実行可能であって、且つ第2図柄変動ゲームと第1図柄変動ゲームよりも優先的に実行する遊技機において、確変確定モード中に小当り遊技が付与され難くするために、第2図柄変動ゲームでは小当り遊技が付与されないようにするなどの設計の変更を行う必要がなくなる。
【0170】
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、第1図柄変動ゲームのみを実行可能に構成しても良い。すなわち、第2図柄変動ゲームを実行しなくても良い。この場合、第1図柄変動ゲームを対象にして先読み演出を実行するように構成しても良い。
【0171】
・上記実施形態において、確変付与回数を変更しても良い。例えば、各保留記憶数の上限(上記実施形態では、「4」)未満の回数を、確変付与回数として設定しても良い。また、確変付与回数を無限(次に大当り遊技が付与されるまで)としても良いが、この場合、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない非確変大当り遊技を備えることが望ましい。
【0172】
・上記実施形態において、確変付与回数と変短付与回数を異なる回数で設定しても良い。例えば、確変付与回数よりも変短付与回数の方を多い回数としても良い。また、変短付与回数よりも確変付与回数の方を多い回数としても良い。
【0173】
・上記実施形態の先読みコマンド設定処理にて、取得した当り乱数の値が高確大当り判定値と一致する値である場合には、取得した当り乱数の値が高確大当り判定値と一致することを示す高確大当りの先読みコマンドを生成するようにしても良い。これにより、確変状態が付与されているときには、高確大当りの先読みコマンドに対応する図柄変動ゲームを対象にて先読み演出を実行することができるため、先読み演出が行われる機会が多くなり、遊技者を楽しませることができる。
【0174】
・上記実施形態において、先読み演出を行わなくても良い。これに伴って、先読み演出実行選択用の発展契機演出を備えなくても良い。また、この場合、演出用ボタンBTを装備する必要もなくなる。
【0175】
・上記実施形態において、操作有効期間が設定されている間に演出用ボタンBTが操作されなかった場合でも、先読み演出実行選択用の発展契機演出の終了後には、先読み演出の実行を開始するようにしても良い。この場合、演出用ボタンBTの操作有効期間を設定しなくても良いし、演出用ボタンBTを装備する必要もない。
【0176】
・上記実施形態において残り回数報知演出を行わなくても良い。この場合、残り回数報知用の発展契機演出を実行する必要はない。
・上記実施形態において、残り回数報知用の発展契機演出を実行することなく、残り回数報知演出を実行するようにしても良い。
【0177】
・上記実施形態において、確変確定モード滞在中に限らず、確変秘匿モードや通常演出モード滞在中に先読み演出を実行するようにしても良い。
・上記実施形態において、確変確定モード滞在中に限らず、確変秘匿モードや通常演出モード滞在中においても発展契機演出を実行するようにしても良い。
【0178】
・上記実施形態において、リーチ用の実行抽選やフェイク用の実行抽選の当選確率を変更しても良い。
・上記実施形態において、フェイク用の発展契機演出を実行しなくても良い。
【0179】
・上記実施形態において、リーチ演出実行前用の発展契機演出を実行しなくても良い。
・上記実施形態において、確変確定モード滞在中の図柄変動ゲームにてリーチ演出が行われる場合には、リーチ演出実行前用の発展契機演出を必ず実行するようにしても良い。このように構成する場合には、演出実行判定処理におけるステップS97の処理を削減することができる。
【0180】
・上記実施形態において、残り回数報知演出の実行契機となる回数(上記実施形態では、「10」、「20」、「30」、「40」、「50」及び「60」)を変更しても良い。
【0181】
・上記実施形態において、残り回数報知演出の実行を抽選によって決定しても良い。この場合、演出実行判定処理のステップS99の処理にて残り回数報知演出の実行抽選を行い、当該実行抽選に当選した場合にはステップS99の判定結果を肯定とし、非当選の場合にはステップS99の判定結果を否定とするように構成すれば良い。この場合、どのタイミング(図柄変動ゲーム)で残り回数報知演出が実行されるかについて推測し難くなり、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0182】
・上記実施形態において、発展契機演出の演出態様を変更しても良い。例えば、白一色で構成される画像を背景画像として表示するようにしても良い。また、一色で構成されない画像(例えば、「何らかの景色」をモチーフにした画像)を背景画像として表示するようにしても良い。
【0183】
・上記実施形態において、発展契機演出を実行する際に飾り図柄を表示させるようにしても良い。
・上記実施形態において、先読み演出の対象となる図柄変動ゲームが大当りの場合と、はずれの場合で先読み演出を実行可能とする確率(先読み実行抽選の当選確率)を変更するようにしても良い。例えば、先読み演出の対象となる図柄変動ゲームが大当りの場合には、はずれの場合と比較して、先読み実行抽選の当選確率を高く設定したとする。このような場合には、先読み演出が実行された時点で、大当りへの期待感が高め、遊技に対する注目度を上昇させることができる。
【0184】
・上記実施形態において、11R短縮確変大当りが付与される図柄変動ゲームを対象にして先読み演出を実行しないように構成しても良い。
・上記実施形態において、演出モードの種類を増やしても良い。
【0185】
・上記実施形態において、確変秘匿滞在回数の回数を確変付与回数と同じ回数としなくても良い。例えば、確変秘匿滞在回数を確変付与回数よりも少ない回数としても良い。この場合、通常演出モードであっても確変状態が付与されている可能性を期待させて遊技を行わせることができる。
【0186】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記発展契機演出は、背景画像に予め決められた画像を表示する演出であ
る。
【0187】
(ロ)前記発展契機演出は、背景画像として、予め決められた1色の画像を表示する演出であ
る。
(ハ)演出制御手段は、発展契機演出中、図柄変動ゲームを構成する図柄を消去させ
る。