(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0012】
≪第1実施形態≫
<電球型照明装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電球型照明装置の外観正面図である。
図1に示すように、電球型照明装置100は、半導体発光素子としてのLED31(
図2参照)を有する発光体30(
図2参照)と、発光体30を覆うカバー部材10と、カバー部材10の開口端部11が取り付けられると共に、発光体30で発生する熱を放出する放熱体Pと、を備えている。
【0013】
放熱体Pは、本体部70と、発光体取付部40(
図2参照)と、を備えている。なお、発光体取付部40については後記する。
本体部70は、下方に向けて縮径する筒状の胴部71と、この胴部71と一体成形され、軸線を中心として放射状に配置された複数のフィン72と、を備えている。それぞれのフィン72は、胴部71の外周面から径方向外向きに突出し、かつ、軸線方向に延在している。このようなフィン72を備えることによって、放熱体Pの放熱性能を向上させることができる。
【0014】
なお、フィン72は、胴部71の上端(カバー部材10側の端)よりも所定長さだけ上方に延びる複数の延在部76(
図2参照)を有している。つまり、本体部70の上部は側面視で、フィン72の延在部76と、胴部71の上端とによる凹凸状を呈している(
図2参照)。
【0015】
一方、ドーム形状をしたカバー部材10の裾には、フィン72の延在部76に対応する複数の溝部12(
図2参照)が形成されている。したがって、カバー部材10を本体部70に取り付けると、それぞれのフィン72の延在部76が、カバー部材10の溝部12に嵌合されるため、カバー部材10の回転を防止することができる。
また、電球型照明装置100は、口金80と、絶縁リング81と、を備えている。なお、口金80及び絶縁リング81については後記する。
【0016】
図2は、
図1に示される電球型照明装置の分解斜視図である。
図2に示すように、カバー部材10と本体部70との間には、発光体30などが介在している。発光体30は、複数(
図2では、7個)のLED31(半導体素子)と、基板32と、を備えている。
LED31としては、例えば青色光を発するものが使用される。それぞれのLED31は、例えばシリコーン樹脂などの透明の封止樹脂により被覆されている。この封止樹脂内には、LED31から放出される光を色変換する蛍光体が混入されている。蛍光体としては、例えば黄色発光のものが用いられ、当該蛍光体によってLED31からの青色光が色変換されて、白色光となる。なお、LED31は、光の取り出し効率を向上させるために、半球状のレンズで覆われている。
【0017】
基板32は、平面視で略円形状を呈しており、4つの切り欠き33が設けられている。これらの4つの切り欠き33の位置は、放熱体Pの本体部70に設けられた4つねじ穴74に対応している。また、基板32の表面には、それぞれのLED31に接続される所定のパターンが形成されている。
【0018】
カバー部材10は、PC(ポリカーボネート)などの樹脂製又はガラス製であり、発光体30に向けて開口している。ちなみに、カバー部材10には、発光体30からの光を拡散させる光拡散材が含有されていてもよい。
【0019】
また、カバー部材10の裾には、前記したとおり、フィン72の延在部76の形状に対応する複数の溝部12が、その周方向に等間隔に形成されている。そして、それぞれのフィン72の延在部76が溝部12に収容可能となるように、カバー部材10の開口端部11は径方向内向きに窪んで形成されている(
図4の符号14参照)。さらに、カバー部材10の開口端部11付近には、後記する収納ケース60の係止片63に対応する複数の孔部13が形成されている。
【0020】
ホルダ20は、発光体30を上方から固定すると共に、発光体30と放熱体Pとを熱的に接触させるものである。また、本実施形態においてホルダ20は環状構造を呈しており、発光体30に取り付けられた場合に、この発光体30の上面縁部に当接し、7個のLED31を取り囲むようになっている。なお、ホルダ20は、発光体30に取り付けられた場合に、発光体30の上面縁部に当接し、LED31を取り囲むようになっていればよく、環状構造に限るものではない。
また、ホルダ20には、ねじ部材Sを貫通させるための貫通孔21、及び、リード線(図示せず)を案内するガイド部23が設けられている。なお、ホルダ20の詳細については後記する。
【0021】
発光体取付部40は、発光体30が載置される載置部41と、載置部41の外縁部から下方に延びる門状の延伸部42と、を備えている。延伸部42は、胴部71に取り付けられた場合に左右一対の凹部75と接触し、所定の弾性力で凹部75の側面に対して外向きの接触圧を付与すべく、弾性を有することが好ましい。
また、発光体取付部40は、例えば銅や銀(合金を含む)など、熱伝導率の高い材料で形成されている。なお、載置部41には、リード線を案内するための切り欠き43が形成されている。
【0022】
伝熱シート44は、発光体30と、発光体取付部40の載置部41との間に介在している。伝熱シート44は、シリコーンゴムなどの熱伝導性が良好で電気絶縁性が高い材料から形成されている。
また、伝熱シート44は、平面視で略円形状を呈しており、本体部70の上部に設けられた4つねじ穴74のそれぞれに対応する切り欠き44a、及び、リード線を案内するための切り欠き44bが形成されている。
【0023】
電源回路基板50は、複数の電子部品(図示せず)が基板に実装されたものである。電源回路基板50は、下方に向かうにつれて幅が狭くなる板状を呈しており、その下端にはコンデンサ51が設置されている。また、電源回路基板50は、商用電源からの交流電力を直流電力に整流する回路、整流後の直流電力の電圧を調整する回路などを備えている。
【0024】
電源回路基板50と発光体取付部40との間には、絶縁板45が介在している。絶縁板45は、電気絶縁性が高い樹脂材料などから形成されている。また、絶縁板45は平面視で略円形状を呈しており、後記する収納ケース60の内側面に対応する形状を呈している。
ちなみに、絶縁板45の左右に設けられている一対の係止片45aは、収納ケース60の内側面に形成されている凹部(図示せず)に係止できるようになっている。
【0025】
収納ケース60は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)などの樹脂製であり、下方に向かうにつれて縮径する筒状を呈している。収納ケース60の上端には溝部64が形成され、この溝部64から電源回路基板50の出力用リード線が引き出される。また、収納ケース60の下方の外周面には、口金80の内周面に対応するねじ溝61が形成されている。
さらに、収納ケース60の上端には、カバー部材10の溝部12に係止される係止片63が設けられている。
【0026】
本体部70は、前記したように、下方に向けて縮径する筒状の胴部71と、この胴部71と一体成形され、軸線(
図2参照)を中心として放射状に配置された複数のフィン72と、を備えている。また、胴部71の内側面は収納ケース60を外嵌可能な形状となっており、かつ、下方に向かうにつれて縮径している。
【0027】
また、本体部70は、その内側面のうち複数箇所(
図2では、4箇所)が内側に突出し、かつ、軸線方向に延在する凸部73を備えている。そして、それぞれの凸部73の上面77には、前記したねじ穴74が設けられている。
さらに、凸部73の間に形成されている左右一対の凹部75は、収納ケース60を外嵌した状態において、発光体取付部40の延伸部42を嵌めるための隙間ができるように形成されている。
【0028】
なお、本体部70は、例えばアルミニウム(合金を含む)など、熱伝導率の高い材料から形成されている。したがって、発光体30で発生する熱は、発光体取付部40を介して本体部70に効率的に伝導され、本体部70の外周面から外部の空気に放出されるようになっている。
【0029】
口金80は、本体部70の下端側に取り付けられ、外部に設置された一般照明電球用のソケット(図示せず)にねじ込むことにより商用電源に電気的に接続するためのものである。
絶縁リング81は、口金80と本体部70との間に介在し、口金80と本体部70とを電気的に絶縁するものである。なお、絶縁リング81の上端には、収納ケース60の外周面に形成されている窪み部62に対して、弾性力により径方向内向きの力を付勢する爪部81aが設けられている。
【0030】
<ホルダ>
次に、ホルダ20について詳細に説明する。
図3(a)はホルダの平面図であり、
図3(b)はホルダの斜視図である。
図3(a)、
図3(b)に示すように、本実施形態においてホルダ20は環状構造であり、その上部には、ねじ部材Sの形状に対応する座ぐり穴22が複数(
図3では、4つ)設けられている。また、それぞれの座ぐり穴22の底面中央には、ねじ部材Sを貫通させる貫通孔21が設けられている。また、ホルダ20には、径方向内向きに凹み、リード線(図示せず)を案内するためのガイド部23が設けられている。
【0031】
ホルダ20は、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、又はエポキシ樹脂など、透光性、耐熱性、及び電気絶縁性を有する樹脂材料から形成されている。なお、ホルダ20はガラス製であってもよい。
また、ホルダ20は可視光領域の光を、例えば10%以上透過するものであることが好ましい。ちなみに、本実施形態では、可視光領域の光を約90%透過するホルダを用いた。
【0032】
これによって、LED31から放出される光がホルダ20で遮られて、LED31の配光範囲が狭くなることを防止することができる。すなわち、LED31から放出された光のうち、ホルダ20の透光性に応じた所定割合の可視光領域の光がホルダ20を透過し、カバー部材10を介して外部に放出されることになる(
図7(a)参照)。
【0033】
図3(c)は、
図3(a)のD方向から視たホルダの正面図であり、
図3(d)は、
図3(a)のC−C線に沿うホルダの断面図である。
図3(c)、
図3(d)に示すように、ホルダ20の上部が滑らかな面取り形状(いわゆる、R面取り)となっている。
より具体的には、
図3(d)のハッチングで示すように、ホルダ20の径方向内側(軸線に近い側)の上部、及び、径方向外側(軸線から遠い側)の上部が、断面視で曲線を描く面取り形状となっている。これによって、カバー部材10の下端付近(ホルダ20の外側面付近)に向かう光がホルダ20に当たらずに、そのままカバー部材10を介して外部に放出されることになる(
図7(b)参照)。
【0034】
また、
図3(d)のハッチングで示すように、ホルダ20の下面(裏面)は断面視でL字状となっており、ホルダ20の下面が基板32の上面縁部に当接するようになっている。これによって、ねじ部材Sが貫通孔21を介して本体部70のねじ穴74にねじ込まれた場合、ホルダ20が基板32を上方から押さえ付け、基板32の下面と伝熱シート44の上面とを密着させると共に、基板の保持力を向上させることができる。
【0035】
<電球型照明装置の組立方法>
再び
図2に戻り、電球型照明装置100の組立方法の概略を説明する。
まず、収納ケース60を上方から本体部70に嵌め込む。続いて、電源回路基板50を、長手方向を縦にして上方から収納ケース60内に挿入し、収納ケース60内の係合部(図示せず)に係合させて収納する。なお、電源回路基板50に予め接続されている出力用のリード線(図示せず)の先端は、このとき収納ケース60内から外に引き出された状態にする。
【0036】
一方、電源回路基板50に予め接続されている入力用のリード線(図示せず)を口金80の所定箇所に接続する。そして、絶縁リング81の爪部81aが、弾性力によって収納ケース60の窪み部62を押圧するように、絶縁リング81を下方から収納ケース60に取り付ける。さらに、本体部70と口金80との間に絶縁リング81を介在させるようにして、収納ケース60と口金80とを螺合する。
続いて、収納ケース60に収納された電源回路基板50の周囲に、熱伝導性が良好で電気絶縁性が高い樹脂(図示せず)を充填する。これによって、電源回路基板50で発生した熱を放熱体Pに効率良く伝導させることができる。
【0037】
さらに、絶縁板45を上方から収納ケース60に嵌めこみ、絶縁板45の係止片45aを収納ケース60の内側面に形成されている凹部(図示せず)に係止させる。
次に、発光体30及び伝熱シート44が載置された発光体取付部40を本体部70に取り付ける。すなわち、発光体取付部40の延伸部42が、本体部70の凹部75の側面を軸線方向に摺動するようにして発光体取付部40を挿入する。なお、発光体取付部40の延伸部42の先端は、本体部70の凹部75の終端78(
図5参照)に当接し、その移動が規制される。
【0038】
そして、ねじ部材Sをホルダ20の貫通孔21に貫通させ、本体部70の上面77に形成されたねじ穴74にねじ込むことにより、発光体30及び発光体取付部40を本体部70に組み付ける。この状態において、環状のホルダ20が複数のLED31を取り囲んでいる。
続いて、収納ケース60内から外に引き出されているリード線(図示せず)をホルダ20のガイド部23に沿わせて這い回し、リード線の先端を発光体30のLED31に半田付けなどによって接続する。
【0039】
最後に、発光体30を覆うようにして、カバー部材10を上方から取り付ける。すなわち、収納ケース60の上端に形成されている係止片63が、カバー部材10の下方に形成されている孔部13に係止するように、カバー部材10を取り付ける。
なお、電球型照明装置100の組立方法は、前記した方法に限定されるものではなく適宜変更することが可能である。
【0040】
図4は、
図2のA−A線に沿う電球型照明装置の縦断面図であり、
図5は、
図2のB−B線に沿う電球型照明装置の縦断面図である。
図4及び
図5に示すように、電球型照明装置100が組立てられた状態において、LED31が設置された基板32の下面と、伝熱シート44の上面とが密着している。また、伝熱シート44の下面と、発光体取付部40の載置部41(
図2参照)の上面とが密着している。さらに、
図5に示すように、発光体取付部40が備える門状の延伸部42(
図2参照)の外側面と、本体部70の内側面とが密着している。
したがって、LED31が発光する際に発生する熱は、基板32、伝熱シート44、発光体取付部40、及び本体部70の順に伝熱し、外部に放出される。
【0041】
また、
図4及び
図5に示すように、ホルダ20の外周面とカバー部材10の内周面との間に間隙Kが設けられている。これによって、カバー部材10で反射して間隙Kに向かう光がホルダ20を介さずに、カバー部材10のみを介して外部に放出されることとなる。
ちなみに、
図4及び
図5の各断面図では、カバー部材10の窪み部14の外側に本体部70のフィン72が配置されているが、前記したように本体部70の上端は凹凸形状となっている。したがって、本体部70の周方向においてフィン72が配置されていない箇所において、間隙Kを通過した光がカバー部材10を介して放出される。
【0042】
<作用・効果>
図6は、カバー部材を取り外した状態の電球型照明装置の平面図である。なお、
図6では、ホルダ20を網掛けで示した。
前記したように、本実施形態に係る電球型照明装置100は、ホルダ20の貫通孔21を介して、ねじ部材Sを本体部70のねじ穴74(
図2参照)にねじ込むと、基板32がホルダ20によって上方から押さえ付けられ、固定される。また、ホルダ20は、複数のLED31を取り囲む環状構造であるとともに所定の厚みを有し(
図4、
図5参照)、十分な強度を備えている。
このように、環状のホルダ20によって上方から基板32を固定することによって、LED31からの熱で基板32が変形することを防止できる。したがって、放熱体Pへの伝熱性能を向上させると共に、LED31の配光範囲が狭まることを防止できる。
【0043】
図7(a)は、LEDから放出された光がホルダを透過する様子を示す模式図である。なお、
図7(a)は、
図5の符号Xで示す範囲に対応する端面を模式的に示している(
図7(b)、
図8、及び
図9も同様である)。
図7(a)に示すように、角度α(約180°)で示す範囲において、LED31からの光が放射状に放出される。つまり、基板32を底面とする仮想の半球面(図示せず)を垂直に貫くように、LED31から光が放出される。
ここで、LED31からホルダ20に向かって放出された光(紙面右向きの光)は、透光性のホルダ20を透過し、カバー部材10を介して外部に放出される。
【0044】
仮に、ホルダ20が透光性を有していない場合には、LED31から放出されてホルダ20に向かう光がホルダ20の表面で反射する。この場合、角度αで示す配光範囲でLED31から光が放出されたとしても、カバー部材10を介して外部に放出される光の配光範囲は、角度αよりも狭くなってしまう。この場合に、外部から電球型照明装置100を見ると、カバー部材10の下端付近が暗くなって見栄えが悪くなる。
これに対して本実施形態では、ホルダ20が透光性を有するため、
図7(a)に示すように、LED31から放出された光がホルダ20を透過して外部に放出される。したがって、前記の場合に比べてより広い配光範囲を確保することができる。
【0045】
また、
図7(a)の符号Gで示すように、ホルダ20の径方向内側(軸線に近い側)の上部が、断面視で曲線状の面取り形状となっている。LED31から放出された光の大部分はホルダ20を透過するが、残りはホルダ20で反射して上方に向かうか、又は、吸収される。
本実施形態に係る電球照明装置では、ホルダ20を前記のような形状とすることによって、LED31から放出された光のうち、ホルダ20を介さずにそのままカバー部材10の開口端部11付近に向かう光の割合を大きくすることができる。したがって、カバー部材10の開口端部11付近が暗くなることを防止できると共に、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0046】
図7(b)は、カバー部材で反射した光がホルダとカバー部材の間隙に向かう様子を示す摸式図である。
LED31から放出された光の一部は、カバー部材10を透過せずに反射する。ちなみに、前記反射は、屈折率が相対的に高いカバー部材10と、屈折率が低い空気中との境界面(カバー部材10の外周面)で生じやすい。また、カバー部材10に入射する光の入射角が大きくなるほど、カバー部材10で反射される光の割合が大きくなる。
【0047】
図7(b)に示すように、例えば、比較的大きな入射角でカバー部材10に入射し、カバー部材10の外周面で反射してカバー部材10の下端に向かう光を考える。
当該光は、ホルダ20とカバー部材10との間に設けられた間隙Kを通過し、カバー部材10を介して外部に放出される。これによって、ホルダ20を介さずそのままカバー部材10の下端付近に入射する光の割合を大きくすることができる。したがって、基板32を含む平面よりも下方の範囲に光を導くことで、カバー部材10の下端付近をより明るくすることができる。
【0048】
また、
図7(b)の符号Hで示すように、ホルダ20の径方向外側(軸線から遠い側)の上部が、断面視で曲線状の面取り形状となっている。したがって、例えば、ホルダ20の断面形状が矩形である場合と比較して、ホルダ20を介さずそのままカバー部材10の下端付近に入射する光の割合を大きくすることができる。ちなみに、ホルダ20に向かって入射した光も、その大部分はホルダ20を透過してカバー部材10の下端付近に入射する。
【0049】
以上より、本実施形態に係る電球型照明装置100によれば、カバー部材10の下端付近に向かう光がそのまま、又は、ホルダ20を透過して外部に放出されるので、より広い範囲に配光可能となる。つまり、カバー部材10の下端付近がより明るくなるため、見栄えを良くすることができる。
また、ホルダ20の上部を面取り形状とし、さらに、ホルダ20とカバー部材10との間に間隙Kを設けることによって、ホルダ20を介さずに直接的にカバー部材10に入射する光の割合を大きくすることができる。これによって、光の取り出し効率をより大きくすることが可能となる。
【0050】
≪第2実施形態≫
図8は、LEDから放出された光がホルダを拡散透過する様子を示す模式図である。
第2実施形態に係る電球型照明装置100Aは、第1実施形態に係る電球型照明装置100と比較して、ホルダ20が光拡散材を含んでいる点が異なる。その他の点については第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
電球型照明装置100Aのホルダ20は、このホルダ20に入射する光を拡散させる光拡散材を含む。当該光拡散材として、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、アクリルの微粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、又は酸化チタンなどが挙げられるが、これに限定されない。
【0051】
図8に示すように、LED31からホルダ20に向かう光(紙面右向きの光)は、ホルダ20内を透過する過程で拡散される。そして、拡散された前記光は、カバー部材10を介して外部に放出される。
したがって、本実施形態に係る電球型照明装置100Aによれば、ホルダ20に入射した光が拡散透過するため、ホルダ20より下方の部分からより多くの光を放出させることができる。すなわち、より広い範囲に配光することができ、見栄えを良くすることができる。
【0052】
また、仮に、ホルダ20よりも上方においてカバー部材10から放出される光の量(単位面積当たりの光束)と比較して、ホルダ20よりも下方においてカバー部材10から放出される光の量が相対的に少ない場合であっても、ホルダ20を拡散透過した光によってその境界面をぼかすことができる。
【0053】
≪第3実施形態≫
図9は、本発明の第3実施形態に係る電球型照明装置において、カバー部材で反射した光が、光反射材でさらに反射する様子を示す摸式図である。
第3実施形態に係る電球型照明装置100Bは、第1実施形態に係る電球型照明装置100と比較して、ホルダ20の下面に光反射シート(光反射材)Mが配置されている点が異なる。その他の点については第1実施形態と同様であるから、説明を省略する。
【0054】
図9に示すように、透光性を有する環状のホルダ20の下面に、光を反射させるための環状の光反射シートMが配置されている。光反射シートMとして、例えば、アルミニウム、白色レジストなどが挙げられるが、これに限定されない。
なお、光反射シートMはホルダ20と別体に設けてもよいし、蒸着などによってホルダ20と一体に設けてもよい。また、ホルダ20の下面に白色の塗料(光反射材)を塗布してもよい。
【0055】
図9に示すように、カバー部材10で反射してホルダ20に向かう光は、透光性のホルダ20の内部を通過して光反射シートMに達する。そして、前記光は光反射シートMで反射してホルダ20の内部を通過し、カバー部材10を介して外部に放出される。
なお、ホルダ20の下方に配置されている伝熱シート44(
図2参照)が黒色である場合、ホルダ20を透過して下方に向かう光が伝熱シート44に吸収されやすい。これに対して光反射シートMを備える電球型照明装置100Bでは、伝熱シート44による光の吸収を防ぐことができ、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0056】
≪第4実施形態≫
図10は、本発明の第4実施形態に係る電球型照明装置の分解斜視図である。なお、
図10では、絶縁板45、電源回路基板50、収納ケース60、放熱体Pの本体部70A、絶縁リング81、及び口金80の記載を省略している。また、以下の説明において、第1実施形態に係る電球型照明装置100と同様である部分については、説明を省略する。
【0057】
図10に示すレンズ部材90は、発光体30Aの上方に配置され、当該発光体30Aから入射する光を、水平方向よりも下方の方向を含む所定範囲(角度β>180°:
図11参照)に配光するようになっている。
また、レンズ部材90は係合部91を備えており、係合部91がホルダ20Aに係合されることによりホルダ20Aに保持される。
【0058】
ホルダ20Aは略矩形枠形状であり、その中央部には開口24Aが形成され、LED31Aが外部に露呈するようになっている。また、ホルダ20Aの対向する一方の二辺には、LED31Aと電源回路基板50とを接続するリード線(図示せず)をガイドする一対のガイド部23Aが形成されている。
また、ホルダ20Aの対向する他方の二辺には、ホルダ20Aを本体部70に固定する際にねじ部材Sを貫通させる貫通孔21Aが形成されている。
なお、ホルダ20Aは、第1実施形態と同様に透光性を有する材料(例えば、ポリカーボネート)で形成されている。
【0059】
発光体30Aは、平面視で矩形である薄板状のLED31Aと、LED31Aが設置される薄板状の基板32Aと、を備えている。また、発光体30Aと発光体取付部40Aとの間には、平面視で矩形状の伝熱シート44Aが介在している。
また、
図10では図示を省略しているが、放熱体Pの本体部70Aは、上方に向かうにつれて縮径するテーパ状であることが好ましい(
図10参照)。これによって、斜め下方向に向かう光が本体部70Aの上面で反射することを防止できる。
【0060】
図11は、LEDから放出された光の光路を示す模式図である。前記したように、LED31Aからの光は、レンズ部材90を介して角度βの範囲で放射状に放出される。このうち、ホルダ20Aに向かう光はホルダ20Aを透過し、さらにカバー部材10を介して外部に放出される。
なお、
図10に示すように、ホルダ20Aの外側面とカバー部材10の内周面とは所定距離を有し、本体部70Aが上方に向かうにつれて縮径するテーパ状であることによって、前記各実施形態の場合よりもさらに下方まで光を放出させることができる。
したがって、本実施形態に係る電球型照明装置100Cによれば、より広い配光範囲を確保することができる。
【0061】
≪変形例≫
以上、本発明に係る電球型照明装置について各実施形態により説明したが、本発明の実施態様はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変更などを行うことができる。
例えば、前記各実施形態では、ホルダ20とカバー部材10とが所定距離だけ離れている場合について説明したが、これに限らない。すなわち、ホルダ20とカバー部材10とを密着させてもよい。この場合、ホルダ20に入射した光がカバー部材10との境界面でほとんど反射せずにそのままカバー部材10に入るため、光の取り出し効率をより向上させることができる。
【0062】
また、第1実施形態〜第3実施形態では、ホルダ20の径方向外側(軸線から遠い側)の上部、及び、径方向内側(軸線から遠い側)の上部を、断面視で曲線状の面取り形状としていたが、これに限らない。すなわち、ホルダ20の径方向外側の上部のみ、又は、ホルダ20の径方向内側の上部のみを前記面取り形状としてもよい。
【0063】
また、ホルダ20を、断面視において上部が半円形の面取り形状としてもよい。
また、ホルダ20の径方向外側の上部、及び、径方向内側の上部を、軸線に対して所定角度を有する面で切断することによってできる面取り形状(いわゆる、C面取り)としてもよい。また、前記各面取り形状を適宜組み合わせてもよい。
また、前記第1実施形態〜第3実施形態では、ホルダ20が環状構造である場合について説明したが、これに限らない。例えば、基板32の左右両側を上方から固定する直線状のホルダを二条備える構成としてもよい。
【0064】
また、発光体30からの光は白色に限定されるものではなく、発光色の異なるLEDや蛍光体を用いて所望の色に設定可能である。
また、第1実施形態では、発光体30が7個のLED31を備える場合について説明したが、LEDの数はこれに限定されず、1〜6個又は8個以上でもよい。
また、第1実施形態では、LED31がレンズで覆われている場合について説明したが、前記レンズを省略してもよい。
また、前記各実施形態では、発光体30がLEDを備える場合について説明したが、発光体30としてEL(Electro-Luminescence)など他の半導体発光素子を用いてもよい。