特許第5775013号(P5775013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775013
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】舗装用高付加価値リサイクル混合物
(51)【国際特許分類】
   E01C 7/26 20060101AFI20150820BHJP
   E01C 7/20 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   E01C7/26
   E01C7/20
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-47669(P2012-47669)
(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公開番号】特開2012-207521(P2012-207521A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2015年2月18日
(31)【優先権主張番号】特願2011-59189(P2011-59189)
(32)【優先日】2011年3月17日
(33)【優先権主張国】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 社団法人 土木学会主催、平成23年9月8日開催の平成23年度全国大会(四国)第66回年次学術講演会にて発表 土木学会論文集E1(舗装工学)Vol.67、No.3、2011−舗装工学論文集第16巻−
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000201515
【氏名又は名称】前田道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】香川 光治
(72)【発明者】
【氏名】守安 弘周
(72)【発明者】
【氏名】越 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−036209(JP,A)
【文献】 特開2002−047607(JP,A)
【文献】 特開2003−313809(JP,A)
【文献】 特開2010−150114(JP,A)
【文献】 特開平08−013413(JP,A)
【文献】 特開2002−146707(JP,A)
【文献】 特開平03−087401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 7/08−7/35
C04B 2/00−32/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨材、固化材、アスファルト乳剤、および前記アスファルト乳剤に含まれる水を吸収させるための吸水材を含有する舗装用混合物を製造する方法であって、
前記骨材と、前記吸水材とを混合することで、骨材・吸水材混合物を得る第1混合工程と、前記骨材・吸水材混合物に、固化材と、アスファルト乳剤とを混合する第2混合工程とを備えることを特徴とする舗装用混合物の製造方法
【請求項2】
前記骨材100重量部に対する、前記アスファルト乳剤の含有割合が、〜15重量部である請求項1に記載の舗装用混合物の製造方法
【請求項3】
前記アスファルト乳剤と、前記吸水材との含有割合が、アスファルト乳剤:吸水材の重量比で、1:0.2〜1:3である請求項1または2に記載の舗装用混合物の製造方法
【請求項4】
前記吸水材が、パルプスラッジ焼却灰である請求項1〜3のいずれかに記載の舗装用混合物の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗装用混合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建設廃材として発生したコンクリート廃材の再利用を図るために、このようなコンクリート廃材を破砕分級して、再生骨材として利用することが試みられている。
【0003】
たとえば、このような再生骨材を用いて、舗装用の混合物を再生する際には、通常、コンクリート廃材に、再生添加剤を添加し、加熱・混合する方法が行なわれている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−285787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の再生方法では、製造時および施工時に加熱を行なう必要があるため、加熱に伴ってCOが排出されることとなり、そのため、CO排出量削減という観点より、常温で製造可能であり、かつ、常温での施工が可能な再生骨材を用いた舗装用の混合物が望まれている。このような舗装用の混合物を得る方法として、たとえば、再生骨材に、セメントおよびアスファルト乳剤を添加する、セメント・アスファルト乳剤安定処理が考えられる。
【0006】
一方、このようなセメント・アスファルト乳剤安定処理においては、得られる舗装体の柔軟性が必ずしも十分でない場合があった。これに対し、柔軟性を向上させるために、アスファルト乳剤の添加量を増加させる方法も考えられるが、アスファルト乳剤の添加量を増加させると、得られる舗装用の混合物中における、含水量が増加し、該混合物を用いて舗装を行なうと、混合物が流動してしまい、所定の強度を有する舗装体を得ることができないという不具合があった。
【0007】
加えて、再生骨材を用いる場合においては、再生骨材は、再生材料であるがゆえに、品質にバラツキがある場合があり、そのため、再生骨材に対するアスファルト乳剤の添加量を同様とした場合でも、再生骨材のバラツキにより、再生骨材の含水率が変化し、そのため、得られる舗装用の混合物の性状が安定せず、そのため、安定した舗装体を得ることができないという不具合もあった。
【0008】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、常温で製造でき、常温での施工が可能であり、かつ、十分な柔軟性および強度を有する舗装体を与えることのできる舗装用混合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、骨材、固化材、およびアスファルト乳剤を含有する舗装用混合物において、吸水材を添加することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明によれば、骨材、固化材、アスファルト乳剤、および前記アスファルト乳剤に含まれる水を吸収させるための吸水材を含有する舗装用混合物を製造する方法であって、前記骨材と、前記吸水材とを混合することで、骨材・吸水材混合物を得る第1混合工程と、前記骨材・吸水材混合物に、固化材と、アスファルト乳剤とを混合する第2混合工程とを備えることを特徴とする舗装用混合物の製造方法が提供される。
【0011】
本発明においては、前記骨材100重量部に対する、前記アスファルト乳剤の含有割合が、〜15重量部であることが好ましい。 また、本発明においては、前記アスファルト乳剤と、前記吸水材との含有割合が、アスファルト乳剤:吸水材の重量比で、1:0.2〜1:3であることが好ましい。 さらに、本発明においては、前記吸水材が、パルプスラッジ焼却灰であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、常温で製造でき、常温での施工が可能であり、しかも、十分な柔軟性および強度を有する舗装体を与えることのできる舗装用混合物を提供することができる。特に、本発明によれば、骨材として、建設廃材として発生したコンクリート廃材などの再生骨材を用いた場合でも、再生骨材のバラツキ(粒径や含水率等のバラツキ)により変化する舗装用混合物中に含有される遊離の水の量を、吸水材を添加することによって調整することができ、これにより、舗装用混合物の性状を一定なものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の舗装用混合物は、骨材、固化材、アスファルト乳剤、および吸水材を含有する舗装用の混合物である。
【0014】
本発明で用いるアスファルト乳剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、ノニオン系、アニオン系、カチオン系のいずれのアスファルト乳剤であってもよい。本発明の舗装用混合物においては、アスファルト乳剤を用いているため、常温で製造でき、しかも、常温での施工が可能なものである。そのため、本発明の舗装用混合物は、常温で施工可能であるため、加熱の必要がなく、加熱に伴う炭酸ガスの発生もないので、地球環境保全の観点からも好適なものである。
【0015】
本発明の舗装用混合物中における、アスファルト乳剤の含有量は、骨材100重量部に対して、好ましくは1〜15重量部であり、より好ましくは6〜15重量部、さらに好ましくは6〜11重量部である。本発明の舗装用混合物は、骨材、固化材、およびアスファルト乳剤に加えて、吸水材を含有するものであり、該混合物中において、吸水材がアスファルト乳剤に含まれる水分を吸収するものである。そのため、本発明の舗装用混合物においては、アスファルト乳剤の含有割合を、たとえば、好ましくは6重量部以上と比較的多いものとした場合でも、舗装用混合物を、施工に適したものとすることができる。しかも、本発明の舗装用混合物は、アスファルト乳剤の含有割合を、上記のように比較的多くすることができるため、得られる舗装体を十分な柔軟性および強度を有するものとすることができる。アスファルト乳剤の含有量が少なすぎると、得られる舗装体の柔軟性が低下するおそれがあり、一方、アスファルト乳剤の含有量が多すぎると、得られる舗装体の強度が低下するおそれがある。
【0016】
本発明で用いる吸水材としては、特に限定されず、比表面積が大きく、吸水性能に優れたものであればよく特に限定されないが、各種焼却灰や、ゼオライト、活性炭などが挙げられるが、吸水効果が大きく、しかも取り扱いが容易であることから、焼却灰が好ましく、とりわけ、パルプスラッジ焼却灰が特に好ましい。
【0017】
パルプスラッジ焼却灰とは、製紙の製造過程で発生するパルプスラッジを焼却処分した際に発生する副産物を総称するものであり、特に限定されない。パルプスラッジ焼却灰の化学成分としては、たとえば、SiO、Al、CaOを主成分とし、その他の微量成分を含むものが挙げられる。また、微量成分としては、MgO、TiO、NaO、KO、SO、および塩素等が挙げられる。
【0018】
パルプスラッジ焼却灰の組成は発生源や焼却方法等により異なるが、元素組成はCaO成分が30〜40重量%、SiO成分が20〜30重量%、Al成分が10〜20重量%、MgO成分が5〜10重量%程度のものが多い。また、パルプスラッジ焼却灰は、発生源や焼却方法やその温度により、素性が大きく異なるが、比較的低温で処理されたパルプスラッジ焼却灰は炭酸カルシウム、炭素、非晶質シリコンを主体とし、高温で処理されたパルプスラッジ焼却灰はゲーレナイト(2CaO・Al・SiO)等を含むものや、遊離石灰を多く含むものがある。遊離石灰とは、化合物や非晶質物質を形成していない酸化カルシウム(free-lime)を意味する。
【0019】
本発明においては、舗装用混合物に、吸水材を含有させることにより、吸水材が、アスファルト乳剤に含まれる水分を吸収し、これにより、上記したように、アスファルト乳剤の含有量を比較的多くした場合でも、舗装用混合物を施工に適した性状に保つことができる。加えて、本発明においては、吸水材を添加することで、アスファルト乳剤に含まれる水分を吸収させることができることから、コンクリート廃材などの再生骨材を用いた場合でも、アスファルト乳剤に由来する水のうち、再生骨材のバラツキにより変化する遊離の水の量を、吸水材を添加することによって制御することができ、これにより、舗装用混合物の性状を調整することが可能となる。
【0020】
本発明の舗装用混合物中における、吸水材の含有割合は、特に限定されないが、アスファルト乳剤の含有量に応じて設定することが望ましく、アスファルト乳剤:吸水材の重量比で、好ましくは1:0.2〜1:3の範囲であり、より好ましくは1:0.4〜1:1.5、さらに好ましくは1:0.5〜1:1の範囲である。吸水材の含有割合が少なすぎると、施工時に、アスファルト乳剤に含まれる水の影響により、舗装用混合物が流動してしまい、所定の強度を有する舗装体を得ることができないという不具合が発生する場合がある。一方、吸水材の含有割合が多すぎると、舗装用混合物の流動性および強度が低下してしまう場合がある。
【0021】
また、本発明において、骨材の種類には特に制限はなく、砕石、砂、石粉など、通常の舗装用アスファルトに用いられるものを適宜用いることができる。
【0022】
なお、本発明においては、骨材として、通常の骨材に代えて、建設廃材として発生したコンクリート廃材や、アスファルト舗装廃材を破砕分級することにより得られる再生骨材を用いてもよい。すなわち、本発明においては、骨材として再生骨材を用い、再生骨材、固化材、アスファルト乳剤および吸水材からなる再生舗装用混合物としてもよい。本発明では、再生骨材としては、コンクリートの再生骨材の有効利用の観点から、コンクリートの再生骨材を用いることが好ましい。また、骨材として、コンクリートの再生骨材を用いる場合には、コンクリートの再生骨材に、アスファルトの再生骨材を混合して用いてもよい。アスファルトの再生骨材を混合することにより、得られる舗装体の柔軟性を高めることが可能となる。コンクリートの再生骨材に、アスファルトの再生骨材を混合して用いる場合における、アスファルトの再生骨材の混合割合は、骨材全体に対して、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは10〜35重量%である。
【0023】
なお、本発明においては、骨材(あるいは、再生骨材)としては、4.75mmフルイ通過質量百分率が20〜60%であり、比較的小粒径の成分が多いものを用いることが好ましい。骨材として、比較的小粒径の成分が多いものを用いることにより、得られる舗装体を水密性に優れたものとすることができる。なお、通常、骨材として、比較的小粒径の成分が多いものを用いると、得られる舗装体の強度が低下してしまうこととなるが、本発明においては、上述したように舗装用混合物中における、アスファルト乳剤量を比較的多いものとしているため、このような問題が発生することもない。
【0024】
本発明で用いる固化材としては、特に限定されないが、アスファルト乳剤中の水分と反応して硬化し、得られる舗装体を良好な強度を有するものとすることができるものであればよく特に限定されないが、たとえば、セメントや、高炉スラグ微粉末が挙げられる。セメントとしては、特に限定されず、例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどが挙げられ、これらのなかでも、得られる舗装体の強度をより良好なものとすることができるという観点より、普通ポルトランドセメントが好ましい。また、高炉スラグ微粉末は、製鉄所の高炉で銑鉄を製造する際に生成する副生する高炉水砕スラグを微粉砕することにより得られる粉末である。このような高炉スラグ微粉末は、銑鉄を製造する際に生成するものであるため、CO源単価が低く(CO源単価が実質的にゼロであり)、そのため、このような固化材として、高炉スラグ微粉末を用いることにより、CO排出量を削減することが可能となる。
【0025】
本発明の舗装用混合物中における、固化材の含有量は、特に限定されないが、骨材100重量部に対して、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜6重量部である。固化材の含有量が少なすぎると、得られる舗装体の強度が低下するおそれがある。一方、固化材の含有量が多すぎると、得られる舗装体の柔軟性が低下するおそれがある。
【0026】
また、本発明の舗装用混合物は、本発明の作用効果を損なわない限りにおいて、上記以外に、その他の添加剤を含有していてもよい。このようなその他の添加剤としては、たとえば、高炉徐冷スラグや顔料などが挙げられる。
【0027】
高炉徐冷スラグは、製鉄所の高炉で銑鉄を製造する際に生成する溶融スラグを、空冷し、適度に散水することによって塊状化させることにより得られるものである。本発明においては、本発明の舗装用混合物に、このような高炉徐冷スラグを添加することにより、骨材中に六価クロムが含有されている場合において、このような六価クロムを還元し、六価クロムの溶出を有効に防止することができる。特に、コンクリート再生骨材は、六価クロムが溶出することがあり、そのため、高炉徐冷スラグを含有させることにより、このような価クロムの溶出を有効に防止することができる。なお、高炉徐冷スラグを用いる場合における添加量は、舗装用混合物全体に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは2〜8重量%である。高炉徐冷スラグの添加量が少なすぎると、六価クロムの溶出防止効果が得難くなる場合があり、一方、多すぎると、得られる舗装体の各種特性が低下してしまう場合がある。
【0028】
本発明の舗装用混合物の製造方法は、特に限定されないが、本発明の舗装用混合物は、たとえば、骨材、固化材、アスファルト乳剤、および吸水材、ならびに必要に応じて用いられるその他の添加剤を、所望の配合比となるように、任意の順番で混合することにより製造することができる。
【0029】
あるいは、本発明の舗装用混合物に含有される骨材が、再生骨材である場合には、上記したように、再生骨材に、固化材、アスファルト乳剤、および吸水材、ならびに必要に応じて用いられるその他の添加剤を、所望の配合比となるように、任意の順番で混合して、舗装用混合物を得る方法の他、再生路盤上において、舗装用混合物を得る方法を採用することもできる。すなわち、この方法においては、再生路盤上において、路盤の破砕時に、破砕された再生骨材に、所望の配合比となるように、固化材、アスファルト乳剤、および吸水材、ならびに必要に応じて用いられるその他の添加剤を混合することで、舗装用混合物とすることができ、そして、この場合においては、得られた舗装用混合物をそのまま施工することができる。
【0030】
本発明によれば、骨材、固化材、およびアスファルト乳剤を含有する舗装用の混合物に、吸水材を添加することにより、吸水材に、アスファルト乳剤に含まれる水分を吸収させることができ、これにより、アスファルト乳剤の含有量を比較的多くした場合でも、得られる混合物を施工性に適した性状とすることができる。また、アスファルト乳剤の含有量を比較的多くすることができることにより、得られる舗装体を、十分な柔軟性および強度を有するものとすることができる。加えて、本発明によれば、固化材、およびアスファルト乳剤を用いるものであるため、常温で製造でき、かつ、常温での施工が可能であり、加熱の必要がなく、加熱に伴うCOの発生もないので、地球環境保全の観点からも好適なものである。
【0031】
加えて、本発明によれば、吸水材を添加することで、アスファルト乳剤に含まれる水分を吸収させることができることから、コンクリート再生骨材などの再生骨材を用いた場合でも、アスファルト乳剤に由来する水のうち、再生骨材のバラツキ(粒径や含水率等のバラツキ)により変化する遊離の水の量を、吸水材を添加することによって制御することができ、これにより、舗装用混合物の性状を調整することが可能となる。
【0032】
特に、本発明の舗装用混合物においては、骨材として、コンクリート再生骨材などの再生骨材を用い、再生舗装用混合物とした場合においては、再生骨材を再利用しながら、加熱に伴うCOを発生させることなく、十分な柔軟性および強度を有する舗装体を得ることが可能となり、特に好適である。
【実施例】
【0033】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0034】
実施例1
骨材としてのコンクリート再生骨材(40-0)97重量%と、高炉徐冷スラグ(商品名「ロードサポート」、JEEミネラル株式会社製)3重量%とを混合することで、高炉徐冷スラグ含有コンクリート再生骨材(40-0)を得た。
【0035】
そして、骨材として、上記にて得られた高炉徐冷スラグ含有コンクリート再生骨材(40-0)67重量部およびアスファルト再生骨材の分級品(5-0)29重量部に、パルプスラッジ焼却灰(商品名「FJライト」、春日製紙工業株式会社製)4重量部を添加し、これらを混合することにより、骨材・パルプスラッジ焼却灰混合物を得た。なお、この場合おける、コンクリート再生骨材(40-0)およびアスファルト再生骨材の分級品(5-0)の合成粒度を、表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
次いで、得られた骨材・パルプスラッジ焼却灰混合物100重量部に、普通ポルトランドセメント(大阪住友セメント株式会社製)5.1重量部、アスファルト乳剤(商品名「MN−1」、前田道路株式会社製)7重量部、および高炉徐冷スラグ(商品名「ロードサポート」、JEEミネラル株式会社製)3重量部を添加し、これらを30秒間混合することにより、舗装用混合物を得た。なお、普通ポルトランドセメントの配合量については、得られる供試体の一軸圧縮強度が2.25±0.1を満足するような量に設定した(後述する比較例1,2、実施例2,3においても同様。)。
【0038】
比較例1
骨材として、高炉徐冷スラグ含有コンクリート再生骨材(40-0)70重量部およびアスファルト再生骨材の分級品(5-0)30重量部を混合することにより、骨材混合物を得た。次いで、得られた骨材混合物100重量部に、普通ポルトランドセメント(大阪住友セメント株式会社製)4重量部、アスファルト乳剤(商品名「MN−1」、前田道路株式会社製)5重量部、および高炉徐冷スラグ(商品名「ロードサポート」、JEEミネラル株式会社製)3重量部を添加し、これらを30秒間混合することにより、舗装用混合物を得た。
【0039】
比較例2
骨材として、高炉徐冷スラグ含有コンクリート再生骨材(40-0)70重量部およびアスファルト再生骨材の分級品(5-0)30重量部を混合することにより、骨材混合物を得た。次いで、得られた骨材混合物100重量部に、普通ポルトランドセメント(大阪住友セメント株式会社製)5.1重量部、アスファルト乳剤(商品名「MN−1」、前田道路株式会社製)7重量部、および高炉徐冷スラグ(商品名「ロードサポート」、JEEミネラル株式会社製)3重量部を添加し、これらを30秒間混合することにより、舗装用混合物を得た。
【0040】
表2に、実施例1、比較例1,2の配合比をまとめて示す。
【0041】
【表2】
【0042】
試験施工
そして、実施例1、比較例1,2において得られた各舗装用混合物を用いて、試験施工を行った。具体的には、実施例1、比較例1,2において得られた各舗装用混合物を用いて、アスファルトフィニッシャ(VOGELE)により、敷きならしを行った。次いで、コンバインドローラ(4t)により、一次転圧(2往復)を行い、次いで、タイヤローラ(5t)により、二次転圧(5往復)を行なうことで、試験施工を行った。試験施工は、それぞれ3m×7mの範囲で、厚さ15cmの条件で行なった。なお、比較例2においては、舗装用混合物の水分量が多すぎるため、舗装用混合物が流動してしまい、施工することができなかった。
そして、実施例1、比較例1について、以下に説明する各評価を行った。
【0043】
一軸圧縮試験
実施例1、比較例1において得られた各舗装用混合物を用いて、舗装再生便覧(社団法日本道路協会編)に準拠して、一軸圧縮試験を行った。具体的には、実施例1、比較例1において得られた各舗装用混合物を用いて、供試体を作製し、これを7日間養生させた後(6日湿、1日水浸)、圧縮試験機に載置し、毎分1mmの圧縮速度で、供試体を圧縮した。なお、圧縮は、荷重強さが最大を示したときの変位量(一次変位量)と同じ変位量をさらに示すまで行い、得られた一軸圧縮強さ・変位量曲線から、一軸圧縮強さ、一次変位量を求めた。また、下記式により残留強度率を求めた。結果を表3に示す。
σ=σ2L/σ×100
上記式において、σ:一軸圧縮強さ(MPa)、σ2L:2L時の荷重強さ(MPa)、L:一次変位量(1/100cm)、σ:残留強度率(%)、である。
なお、供試体に要求される品質規格値は、一軸圧縮強さ:1.5〜2.9(MPa)、一次変位量:5〜30(1/100cm)、残留強度率:65(%)以上、である。
【0044】
【表3】
【0045】
たわみ量測定
試験施工を行った実施例1、比較例1について、試験施工により得られた路盤に対し、車載型FWD試験装置(FWD:重錘落下式たわみ測定装置)を用いて、たわみ量の測定を行なった。測定は、施工3時間経過後、施工1日経過後、施工3日経過後、施工7日経過後、施工14日経過後、施工28日経過後の合計6回行なった。そして、測定したたわみ量に基づいて、BALM(黒林ほか、静的逆解析によるアスファルト舗装の構造評価診断システムの開発、土木学会第55回年次学術講演会、V−45、2000年9月)により弾性係数を算出し、得られた弾性係数に基づいて、下記式にしたがい、等値換算係数を求めた。結果を表4,5に示す。なお、等値換算係数が高いほど、柔軟性に優れると評価することができる。
=0.313・log10(E/10)+0.616
上記式において、a:等値換算係数、E:弾性係数(MPa)、である。
【0046】
【表4】
【表5】
評価
舗装用混合物に、パルプスラッジ焼却灰を添加した実施例1においては、アスファルト乳剤を比較的多くした場合でも、良好に施工することができ、また、表3に示すように、一軸圧縮強度、一次変位量および残留強度率のいずれも良好な結果であり、さらには、表5に示すように、比較例1(パルプスラッジ焼却灰を添加せず、かつ、アスファルト乳剤の配合量を骨材100重量部に対して、5重量部とした例)と比較して、等値換算係数が高く、柔軟性に優れる結果となった。一方、パルプスラッジ焼却灰を添加せず、アスファルト乳剤の配合量を骨材100重量部に対して、7重量部とした比較例2においては、舗装用混合物の水分量が多すぎるため、舗装用混合物が流動してしまい、施工することができないという結果となった。
【0047】
実施例2
骨材として、高炉徐冷スラグ含有コンクリート再生骨材(40-0)65.5重量部およびアスファルト再生骨材の分級品(5-0)28重量部に、パルプスラッジ焼却灰(商品名「FJライト」、春日製紙工業株式会社製)6.5重量部を添加し、これらを混合することにより、骨材・パルプスラッジ焼却灰混合物を得た。次いで、得られた骨材・パルプスラッジ焼却灰混合物100重量部に、普通ポルトランドセメント(大阪住友セメント株式会社製)5.9重量部、アスファルト乳剤(商品名「MN−1」、前田道路株式会社製)9重量部、および高炉徐冷スラグ(商品名「ロードサポート」、JEEミネラル株式会社製)3重量部を添加し、これらを30秒間混合することにより、舗装用混合物を得た。そして、得られた舗装用混合物について、実施例1と同様に評価したところ、実施例1と同様の結果を得ることができた。
【0048】
実施例3
骨材として、高炉徐冷スラグ含有コンクリート再生骨材(40-0)64重量部およびアスファルト再生骨材の分級品(5-0)27重量部に、パルプスラッジ焼却灰(商品名「FJライト」、春日製紙工業株式会社製)9重量部を添加し、これらを混合することにより、骨材・パルプスラッジ焼却灰混合物を得た。次いで、得られた骨材・パルプスラッジ焼却灰混合物100重量部に、普通ポルトランドセメント(大阪住友セメント株式会社製)7.2重量部、アスファルト乳剤(商品名「MN−1」、前田道路株式会社製)11重量部、および高炉徐冷スラグ(商品名「ロードサポート」、JEEミネラル株式会社製)3重量部を添加し、これらを30秒間混合することにより、舗装用混合物を得た。そして、得られた舗装用混合物について、実施例1と同様に評価したところ、実施例1と同様の結果を得ることができた。
【0049】
表6に、実施例2,3の配合比をまとめて示す。
【0050】
【表6】
【0051】
実施例4
普通ポルトランドセメントの代わりに、高炉スラグ微粉末(商品名「リバーメント」、JEEミネラル株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、舗装用混合物を得た。そして、得られた舗装用混合物について、実施例1と同様に評価したところ、実施例1と同様の結果を得ることができた。