(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
例えばテレビ信号受信機、マルチメディア装置及び/又は他の装置などの電子機器は、しばしば、例えば手持ち遠隔制御装置(リモコン)又は他のデータ入力装置/要素などのユーザ入力装置によって制御されている。このようなユーザ入力装置は、典型的に、電子機器が実行可能な様々な機能に合わせるために、比較的多数のキーを有するキーパッド/キーボードを含んでいる。最低でも、このようなユーザ入力装置は少なくとも10個のキー(例えば、数字の0乃至9のため)を有するのが通常である。一部のユーザ入力装置は、例えば、ある特定の機能を制御することに専用の特別なキーを含んでいる。
【0003】
上述の型のユーザ入力装置を用いると、特にある特定の環境において、ユーザが電子機器を制御することが困難なことがある。例えば、暗い部屋や夜間においては先ず照明を点けなければ、ユーザがこのようなユーザ入力装置を用いて電子機器を制御することは困難となり得る。また、十分な照明があったとしても、ユーザはユーザ入力装置のキーパッド/キーボードを直視して入力を与えることを要求され得る。ユーザ入力装置を操作するためのこれらの要件は、例えば、ユーザがテレビを視ることに対してとりわけ面倒且つ不便なものである。
【0004】
従って、ユーザが例えばテレビ信号受信機、マルチメディア装置、及び/又は他の装置などの電子機器を制御することを可能にする方法であって、上述の問題を解決し、それにより、ユーザがユーザ入力装置の単一のキーを用いる簡便な方法で電子機器の様々な機能を制御することを可能にする方法が望まれる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面と関連させながら以下の本発明に係る実施形態の説明を参照することにより、本発明の上述及びその他の特徴及び利点、並びにそれらを得るための手法が一層明確になり、本発明はよりよく理解されるであろう。
【0011】
ここに記述される適例は本発明の好適な実施形態を例示するものであり、如何様にも、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0012】
図面、より具体的には
図1は、本発明を実施するのに適した典型的な環境100を示している。
図1に示されるように、環境100は例えばユーザ入力装置10などのユーザ入力手段、及び電子機器20を有している。電子機器20は、典型的な一実施形態に従ってテレビ信号受信機として具現化されているが、ユーザ入力によって制御され得る如何なる装置又は機器として具現化されてもよい。
【0013】
ユーザ入力装置10は、電子機器20及び/又は他の装置の動作を制御する制御信号を生成して出力するように機能する。典型的な一実施形態に従って、ユーザ入力装置10は複数の入力キーを含み、ユーザによる入力キーの押し込みに応じて有線及び/又は無線(例えば、赤外線(IR)又は無線周波数(RF)リンクなど)により制御信号を出力する。ユーザ入力装置10は、例えば、手持ちの遠隔制御装置、有線及び/又は無線キーボード、電子機器20の一体化制御パネル、及び/又は他のユーザ入力装置として具現化されてもよい。
【0014】
電子機器20は、例えば地上、ケーブル、衛星、インターネット及び/又は他の信号源などの1つ以上の信号源からアナログ及び/又はデジタル様式で、音声、映像及び/又はデータの信号を含む信号を受信し、これら受信信号に対応する音響及び/又は映像出力を提供するように機能する。電子機器20はまた、受信信号を処理し、得られた処理後の信号を1つ以上の他の装置に提供したり、他の装置から信号を受信したりするように機能する。本発明に従って、これらに限られないが例として、音量選択、チャンネル選択、及び入力選択を含む電子機器20の様々な機能は、ユーザ入力装置10の単一のキーのみを用いてユーザによって制御されることができる。電子機器20のこれらの態様に関する更なる詳細については後述する。
【0015】
図2は、本発明の典型的な一実施形態に従った
図1の電子機器20の更なる詳細を与えるブロック図を示している。
図2の電子機器20は、例えば前面パネル組立体(front panel assembly;FPA)11等の前面パネル手段、例えば増幅器12等の結合手段、例えばI/Oブロック13等の入力/出力(I/O)手段、例えばプロセッサ14等の処理手段、及び例えばメモリ15等の記憶手段を有している。
図2の上記構成要素の一部はICによって具現化されてもよく、また一部の構成要素は例えば1つ又は複数のICに含まれていてもよい。記載の明りょう化のため、例えばある種の制御信号、電力信号及び/又は他の要素などの、電子機器20に関連する一定の従来要素は
図2には示されていない。
【0016】
FPA11はユーザ入力装置10からユーザ入力を受け取り、ユーザ入力に対応する信号を増幅器12に出力するように機能する。典型的な一実施形態に従って、FPA11はユーザ入力装置10から例えばIR信号及び/又はRF信号などの信号を受信し、増幅器12に出力される対応信号を生成する。増幅器12はFPA11から与えられた信号を増幅し、プロセッサ14に出力するように機能する。
【0017】
I/Oブロック13は電子機器20のI/O機能を果たすように機能する。典型的な一実施形態に従って、I/Oブロック13は、例えば地上、ケーブル、衛星、インターネット及び/又は他の信号源などの1つ以上の信号源からアナログ及び/又はデジタル様式で、例えば音声、映像及び/又はデータの信号などの信号を受信するように機能する。I/Oブロック13はまた、処理された信号を1つ以上の他の装置に出力したり、このような装置から信号を受信したりするように機能する。
【0018】
プロセッサ14は多様な信号処理を実行し、電子機器20の機能を制御するように機能する。典型的な一実施形態に従って、プロセッサ14はI/Oブロック13から与えられた音声、映像及び/又はデータの信号を、同調、復調、前進型エラー訂正、及び輸送(transport)処理機能を含む機能を実行することによって処理し、それによって、音声、映像及び/又はデータの内容を表すデジタルデータを生成する。このような処理機能により作成されたデジタルデータは、更なる処理及び/又は出力に与えられてもよい。
【0019】
プロセッサ14はまた、ユーザ入力装置10の単一のキーのみを用いる電子機器20のユーザ制御を可能にするソフトウェアコードを実行するように機能する。典型的な一実施形態に従って、プロセッサ14は制御信号の第1の発生に応じて、電子機器20の複数のモードの各々が所定期間だけ表示されることを可能にする。この制御信号はユーザがユーザ入力装置10の所定のキーを押すことに応じて生成される。この典型的な実施形態に従って、このモード群は音量選択モード、チャンネル選択モード、及び入力選択モードを含んでいる。プロセッサ14は現在表示されている1つのモードが、制御信号の第2の発生に応じてユーザによって選択されることを可能にする。プロセッサ14はまた制御信号の第2の発生に応じて、選択されたモードに関連する複数の選択肢の各々が所定期間だけ表示されることを可能にする。このようにして、ユーザはユーザ入力装置10の単一のキーのみを用いて容易且つ便利に電子機器20を制御し得る。プロセッサ14はまた、これらに限られないが、ユーザ入力装置10を介して為された他のユーザ入力の処理、メモリ15とのデータの読み書き、及び/又は他の動作を含む電子機器20のその他機能を実行し、且つ/或いは可能にするように機能する。
【0020】
メモリ15はプロセッサ14に動作的に結合され、電子機器20のデータ記憶機能を果たす。典型的な一実施形態に従って、メモリ15は、これらに限られないが、ソフトウェアコード、モードリスト及び選択肢リストを含めた画面上の表示データ、ユーザ設定データ及び/又は他のデータを含むデータを記憶する。
【0021】
図3は、本発明の典型的な一実施形態に従った電子機器を制御するステップを例示するフローチャートを示している。例示及び説明のため、
図1及び2に示された環境100の構成要素を参照しながら、
図3のステップについて述べる。
図3のステップは単に例示であり、本発明を如何様にも限定するものではない。
【0022】
ステップ305にて処理が開始する。ステップ310にて、ユーザ入力装置10の所定キーが押されたかどうかが決定される。典型的な一実施形態に従って、この所定キーはユーザ入力装置10の指定された任意のキーでよく、プロセッサ14はステップ310にてこの所定キーが押される時を検出する。ステップ310は、
図3に示されるように、ユーザ入力装置10の所定キーが押されたことをプロセッサ14が検出するまで繰り返される。
【0023】
ステップ310にて所定キーが押されたことをプロセッサ14が検出すると、処理フローはステップ315へと進み、プロセッサ14は、電子機器20の表示をもたらす画面のコーナーにウィンドウが表示されることを可能にする。この画面は電子機器20と一体化されていてもよいし、別個の一体化されていない表示装置であってもよい。また、ステップ315にて、プロセッサ14はカウンタ変数“i”を所定の初期値(例えば、1)に設定する。ここで説明されるように、メモリ15はモード群のリストを記憶しており、各モードは固有の“i”値を有している。典型的な一実施形態に従って、これらのモードは音量選択モード、チャンネル選択モード、及び入力選択モードを含んでいるが、本発明に従って他のモードが含まれていてもよい。メモリ15はまた各モードに関連する選択肢群のリストを記憶しており、各選択肢は固有の“k”値を有している。ただし、“k”は別のカウンタ変数である。
【0024】
ステップ320にて、プロセッサ14は現在の“i”値に対応するモードをメモリ15から読み取り、このモードが画面コーナーのウィンドウに表示されることを可能にする。現在の“i”値に対応するモードが画面コーナーのウィンドウに表示されながら、ステップ325にて、プロセッサ14はユーザ入力装置10の所定キー(すなわち、ステップ310にて押されたのと同一のキー)が所定期間内に押されるかどうかを検出する。典型的な一実施形態に従って、ステップ325で使用される所定期間は500msと1000msとの間にされてもよいが、本発明に従って他の期間が使用されてもよい。
【0025】
ステップ325にて所定期間内に所定キーが押されなかった場合、処理フローはステップ330へと進み、カウンタ変数“i”が1だけ増加される(すなわち、i=i+1)。そして、処理フローはステップ320へと戻され、プロセッサ14は増加された“i”値に対応するモードをメモリ15から読み取り、このモードが画面コーナーのウィンドウに表示されることを可能にする。
【0026】
ステップ320から330は、ユーザ入力装置10の所定キーがステップ325にて所定期間内に押されるまで、上述のようにして繰り返されてもよい。なお、カウンタ変数“i”はメモリ15に記憶されたリストにおいて最後のモードに対応する最大値を有する。従って、ステップ320から330が繰り返されるとき、“i”がこの最大値を超えるようにステップ330にて増加されると、プロセッサ14はステップ330にて“i”を所定の初期値(例えば、1)に再設定する。このようにして、電子機器20の様々な相異なるモードは所定の順序で表示され、そして、ステップ320から330が繰り返されるに連れて繰り返されてもよい。
【0027】
図4は、本発明の典型的な一実施形態に従って、相異なるモードが如何にして表示され得るかを例示している。
図4に示されるように、1回目のステップ320が実行されるとき、例えば音量選択モードである第1モードが表示され得る。同様に。2回目のステップ320が実行されるとき、例えばチャンネル選択モードである第2モードが表示され、3回目のステップ320が実行されるとき、例えば入力選択モードである第3モードが表示され、等々と続けられ得る。このモード群は、カウンタ変数“i”がステップ330にて所定の初期値に再設定される度に、この順序で繰り返されてもよい。ここでも、
図4に示されたモードは単なる例であり、本発明に従って他のモードが含まれていてもよい。
【0028】
ステップ325にて、ユーザ入力装置10の所定キーが所定期間内に押された場合、ウィンドウに現在表示されているモードがユーザによって選択されたと判断され、プロセッサ14は選択されたモードのカウンタ変数“k”を所定の初期値(例えば、1)に設定する。ここで上述されたように、メモリ15は各モードに関連する選択肢群のリストを記憶しており、各選択肢は固有の“k”値を有している。
【0029】
ステップ325での肯定的な決定に従って、処理フローはステップ335へと進み、プロセッサ14は選択されたモードの現在の“k”値に対応する選択肢をメモリ15から読み取り、この選択肢が画面コーナーのウィンドウに表示されることを可能にする。現在の“k”値に対応する選択肢が画面コーナーのウィンドウに表示されながら、ステップ340にて、プロセッサ14はユーザ入力装置10の所定キー(すなわち、ステップ310及び325にて押されたのと同一のキー)が所定期間内に押されるかどうかを検出する。典型的な一実施形態に従って、ステップ340で使用される所定期間はステップ325で使用される期間(例えば、500msと1000msとの間)と同一にされてもよいが、本発明に従って他の期間が使用されてもよい。
【0030】
ステップ340にて所定期間内に所定キーが押されなかった場合、処理フローはステップ345へと進み、カウンタ変数“k”が1だけ増加される(すなわち、k=k+1)。そして、処理フローはステップ335へと戻され、プロセッサ14は増加された“k”値に対応する選択肢をメモリ15から読み取り、この選択肢が画面コーナーのウィンドウに表示されることを可能にする。
【0031】
ステップ335から345は、ユーザ入力装置10の所定キーがステップ340にて所定期間内に押されるまで、上述のようにして繰り返されてもよい。なお、カウンタ変数“k”はメモリ15に記憶されたリストにおいて、選択されたモードに関する最後の選択肢に対応する最大値を有する。従って、ステップ335から345が繰り返されるとき、“k”がこの最大値を超えるようにステップ345にて増加されると、プロセッサ14はステップ345にて“k”を所定の初期値(例えば、1)に再設定する。このようにして、電子機器20の選択されたモードに関する様々な相異なる選択肢は所定の順序で表示され、そして、ステップ335から345が繰り返されるに連れて繰り返されてもよい。
【0032】
図5は、本発明の典型的な一実施形態に従って、相異なる選択肢が如何にして表示され得るかを例示している。
図5に示されるように、選択可能な各モードは複数の関連オプションを含んでいる。具体的には、音量選択モードは小、中、及び大の選択肢を含んでおり、チャンネル選択モードは上、下、及び数字の1の選択肢を含んでおり、そして、入力選択モードはAV1、AV2、及びDV1の選択肢を含んでいる。チャンネル選択モードはまた、お気に入りチャンネルリストに記憶されたチャンネルを含むこともできる。選択可能な各モードに対し、関連選択肢はステップ335が繰り返されるに連れて
図5に示された順序で表示されてもよい。例えば、選択されたモードが音量選択モードであると仮定して、1回目のステップ335が実行されるとき、例えば小の選択肢である第1選択肢が表示され得る。同様に、2回目のステップ335が実行されるとき、例えば中の選択肢である第2選択肢が表示され、3回目のステップ335が実行されるとき、(
図5に描かれているように)例えば大の選択肢である第3選択肢が表示され、等々と続けられ得る。この選択肢群は、カウンタ変数“k”がステップ345にて所定の初期値に再設定される度に、この順序で繰り返されてもよい。なお、
図5に示された選択肢は単なる例であり、本発明に従って各モードに他の選択肢が含まれていてもよい。
【0033】
ステップ340にて、ユーザ入力装置10の所定キーが所定期間内に押された場合、ウィンドウに現在表示されている選択肢がユーザによって選択されたと判断され、処理フローはステップ350へと進む。そこでは、プロセッサ14はウィンドウを画面から除去し、選択された選択肢が実行されるようにする。処理フローはステップ350からステップ305へと戻り、上述の方法が繰り返され得る。
【0034】
本発明の典型的な他の一実施形態に従って、
図3の方式はまた、
図6及び7に示される他形式のチャンネル選択を容易にするように使用されてもよい。
図6は、本発明の典型的な一実施形態に従って、チャネルの第1の桁が如何にして選択され得るかを例示している。
図6においては、ユーザ入力装置10の所定キーが最初に押された後、チャンネルの第11の桁が表示され、所定期間(例えば、500msと1000msとの間)毎に変わっていく。このようにして、ユーザ入力装置10の所定キーを再度押すことによってユーザが現在表示されているチャンネルの数字を選択するまで、チャンネルの第1の桁は0から9まで(その後、再び0から開始してもよい)連続的に変わっていく。チャンネルの第1の桁が
図6(すなわち、数字“4”)にて選択されると、選択された数字は画面上で動きを止め、
図7に示されるように、その右側にチャンネルの第2の桁が現れる。ユーザがユーザ入力装置10の所定キーを再度押すことによって現在表示されているチャンネルの数字を選択するまで、チャンネルの第2の桁は0から9まで(その後、再び0から開始してもよい)連続的に変わっていく。このように、
図3にてモード及び選択肢が選択されるのと同様に、チャンネルの数字が画面に表示されながらにして、ユーザはユーザ入力装置10の所定キーを押すことによってチャンネル数字を選択してもよい。当業者に直観的に理解されるように、このチャンネル選択技術は第3の桁などの選択にも適応されるように拡張され得るものである。この技術を用いてチャンネルを選択するのに必要な平均時間は選択される桁数、桁当たりの選択肢数(通常は10)、及び各数字が変わるまで表示される期間に基づいて変化する。例えば、選択されるべき桁が3桁存在し、且つ各数字が変わるまでに500ms表示される場合、別のチャンネルに切り替えるのに必要な平均時間は3×10/2×0.5=7.5秒である。この時間は、お気に入りチャンネルの個人リストからのチャンネル番号又は識別子のみを表示することによって有意に短縮され得る。
【0035】
ここで述べられたように、本発明はユーザがユーザ入力装置の単一のキーを用いる簡便な手法にて、例えばテレビ信号受信機、マルチメディア装置、及び/又は他の装置などの電子機器を制御することを可能にする方法を提供するものである。本発明は、一体化された表示装置を伴うものであろうとなかろうと多様な機器に適用可能にされてもよい。従って、ここで用いられる“テレビ信号受信機”という用語は、これらに限られないが、一体化された表示装置を有するテレビセット、コンピュータ若しくはモニター、並びに一体化された表示装置を有しない、例えばセットトップボックス、ビデオカセット録画機(VCR)、デジタル他用途ディスク(DVD)再生機、ビデオゲームボックス、パーソナルビデオ録画機(PVR)、コンピュータ若しくは他の機器などのシステム又は機器を参照するものであってもよい。
【0036】
本発明について好ましい設計を有するものとして説明してきたが、本発明はこの開示の意図及び範囲内で更に変更されることが可能である。この出願は、故に、本発明の一般原理を用いた如何なる変形、使用又は適応にも及ぶものである。さらに、この出願は、本発明が関連する技術における既知の手法又は慣行に該当し添付の請求項の範囲に入るような、この開示からの逸脱にも及ぶものである。