(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
たとえば溶接電流、溶接ワイヤ、保護ガスおよび/または制御信号のような、駆動媒体を溶接バーナー(10)へ供給するための多数の導線または導管(7;12;17;25)を有するホースパケット(24)および冷却手段源(21)の冷却媒体を溶接バーナー(10)へ供給するための少なくとも1つの冷却手段導管(19、19’)と接続可能なカップリング部材(26)において、
カップリング部材(26)内に、少なくとも1つの冷却手段導管(19、19’)のための他のカップリング部材(29)が統合されており、該カップリング部材(29)のカップリングおよびカップリング解除方向(59)が、カップリング部材(26)またはそれに接続すべきホースパケット(24)の長手軸(41)に対して横方向に方向付けされており、その場合にそれぞれのカップリング部材(26、29)が、互いに独立してカップリングおよびカップリング解除可能であり、
他のカップリング部材(29)が、少なくとも1つの冷却手段導管(19、19’;60、60’)のための差込み接続体(34)の部分コンポーネントとして形成され、該差込み接続体(34)は工具を使用せずに操作されることを特徴とするカップリング部材。
他のカップリング部材(29)が、カップリング部材(26)の実質的に形状の安定したグリップ部分(37)内に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のカップリング部材。
他のカップリング部材(29)の見える面または移行インターフェイス(44)が、カップリング部材(26)のグリップ部分(37)の外表面(43)と同一平面またはほぼ同一平面で終了しており、あるいはグリップ部分(37)の外表面(43)に対して低い位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカップリング部材。
他のカップリング部材(29)またはカップリング部材(26)のグリップ部分(37)が、関連するプラグ部材(35)と相補形状で機械的に結合されている、少なくとも1つの凹部または少なくとも1つのアンダーカット(55、56)を有している、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカップリング部材。
プラグ部材(35)が、少なくとも1つの中空円筒状のピン部材(50、50’)を有し、前記ピン部材が、関連するカップリング部材(29)に対して冷却媒体を気密または液密に案内するために形成されており、かつ
カップリング部材(29)に対して固定するために、少なくとも1つの係止部材(57、58)が形成されている、
ことを特徴とする、請求項5に記載のカップリング部材。
プラグ部材(35)が、第1と他の中空円筒状のピン部材(50、50’)を有し、前記ピン部材がそれぞれ冷却媒体のための送給冷却手段導管と還流冷却手段導管(19、19’)に対応づけられている、ことを特徴とする請求項6に記載のカップリング部材。
プラグ部材(35)が、冷却手段導管(60、60’)のため、特に冷却手段源(21)または溶接バーナー(10)に関する冷却手段用の供給導管(62)および還流導管(63)のための、少なくとも1つの接続スリーブ(61、61’)を有している、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のカップリング部材。
プラグ部材(35)が、ブロック状に形成されており、かつプラグ部材(35)の互いに対向する壁部分が、関連するカップリング部材(29)との相補形状結合を構築するために、それぞれ突出部(52、53)を有している、ことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のカップリング部材。
プラグ部材(35)が、少なくとも1つのピン部材(50、50’)の自由な終端部分から始まって、少なくとも1つのピン部材(50、50’)の軸方向に関して連続的または飛躍的に拡幅するように形成されているので、プラグ部材がほぼV字状の外側輪郭または少なくとも1つの突出する段部を有している、ことを特徴とする請求項6〜11のいずれか1項に記載のカップリング部材。
プラグ部材(35)が、その接続インターフェイス(64)に関して、カップリングブッシュ(36)として形成された関連するカップリング部材(29)に対して対称に形成されているので、プラグ部材が、少なくとも2つの選択可能な、180°変化された方向付けに関して、関連するカップリングブッシュ(36)に対してカップリング可能である、ことを特徴とする請求項6〜12のいずれか1項に記載のカップリング部材。
関連するカップリング部材(29)の見える面または移行インターフェイス(44)が、ホースパケット(24)のカップリング部材(26)のためのグリップ部分(37)の外表面(43)と同一平面で、あるいはほぼ同一平面で終了しており、あるいはこのグリップ部分(37)の外表面(43)に対して低い位置に配置されている、ことを特徴とする請求項5〜13のいずれか1項に記載のカップリング部材。
ホースパケット(24)のカップリング部材(26)およびプラグ部材(35)と関連するカップリング部材(29)が、ホースパケット(24)と一緒に、一体的な、構造的に組み合わされたユニットを形成する、ことを特徴とする請求項5〜14のいずれか1項に記載のカップリング部材。
プラグ部材(35)と関連するカップリング部材(29)の間のカップリングおよびカップリング解除方向(59)が、ホースパケット(24)のカップリング部材(26)のカップリングおよびカップリング解除方向に対して横方向に方向付けされている、ことを特徴とする請求項5〜15のいずれか1項に記載のカップリング部材。
たとえば溶接電流、溶接ワイヤ、保護ガスおよび/または制御信号のような、駆動媒体を溶接バーナー(10)へ供給するための多数の導管または導線(7;12;17;25)および冷却手段源(21)の冷却媒体を溶接バーナー(10)へ供給するための少なくとも1つの冷却手段導管(19、19’)を有するホースパケット(24)において、
溶接機器(2)または溶接バーナー(10)に必要に応じて取外し可能に取り付けるための、請求項1〜16のいずれか1項に記載の少なくとも1つのカップリング部材(26)を特徴とするホースパケット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、能動的に冷却される溶接バーナーのための改良された接続システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のこの課題は、一方で、請求項1の特徴に相当するホースパケットによって、かつそれから独立した、請求項2内の特徴に基づくカップリング部材によって、請求項8に記載のプラグ部材によって、あるいは請求項16に記載の差込み接続体によって、解決される。
【0005】
請求項1、2、8または16に記載の本発明に係る形態によって、特に、電気的な制御信号に関し、ないしは溶接エネルギのための少なくとも1つの電気的導線に関して、ないし、たとえば溶接ガスおよび/または圧縮空気のような、ガス状の駆動媒体のための少なくとも1つの導管に関して所定のカップリング状態を、溶接バーナーへの少なくとも冷却手段導管のカップリング状態に関係なく、必要に応じて変化させ、特に能動化かつ非能動化することができる。たとえば、冷却手段循環はそのまま閉成しておき、マルチカップリング装置、特に電気的制御信号ないし、たとえば溶接ワイヤ、溶接電流および/または保護ガスのような一次駆動媒体を伝達するための中央のカップリング接続は取り外され、ないしは分離される。それによって、好ましくは液状の媒体用、特に然るべき冷却水用のカップリング接続はそのまま接続ないし能動化したままで、たとえば新しい、あるいは他の種類の溶接ワイヤをホースパケット内へ導入し、ないしはマルチカップリング装置において管理または保守作業を行なうことが、可能である。すなわち、マルチカップリング装置ないしホースパケットの中央接続において必要な場合に管理作業ないし保守作業を実施することができるようにするために、冷却循環を必ずしも開放する必要はない。他方で、少なくとも1つの冷却手段導管が分離され、特に冷却循環が中断される間、電気的ないしガス状の駆動媒体用、ないしはそれぞれの制御ないしデータ線用のマルチカップリング装置は、そのまま結合しておくことができる。さらに、ホースパケットと溶接器具の間の中央のマルチ接続に対して距離をおいて配置されている、自立した冷却手段カップリングは、電気的短絡の危険が著しく減少される、という利点をもたらす。特に、溶接機器と溶接バーナーの間の電気的導線ないし接触箇所の短絡の危険は、著しく減少されている。というのは、冷却手段カップリングが、別に形成されており、従って所望に、ないしは本質的に意識して操作されるからである。従って万一それぞれの操作者ないし保守作業者の不注意があった場合に、それが必ずしも溶接装置の内部の電気的不具合ないし障害をもたらさない。さらに、自立した冷却手段カップリングによる利点は、カップリング部材を取り外す必要なしに、ホースパケットをいわゆる中空軸ロボットの挿通部内へ敷設することができることである。従ってホースパケットの設置が著しく容易になり、プロセスが本質的に加速される。さらに、それぞれ必要な駆動媒体が実質的にマルチカップリング部材を介して伝達されて、効果的である。
【0006】
本発明に係る手段の他の特別な利点は、冷却循環内、特にカップリング装置の領域内に、万一漏れがあった場合に、それが比較的早期に、かつ容易に認識されることにある。それによっても、溶接装置における、特に溶接機器または製造設備の制御装置における損傷の危険を最小限に抑えることができる。
【0007】
従って本発明に係る装置によって、操作安全性の向上とそれに伴って機能信頼性ないし設備汎用性の向上が得られる。すなわち操作者ないし保守作業者によって、冷却手段回路ないし冷却手段カップリングが意識的に、かつ能動的に、ないしは別に開放ないし分離されるので、不用意な誤操作ないし冷却手段流出に驚く危険が、減少されている。すなわち、電気的ないしガス状の駆動媒体用の中央のカップリング装置の分離は、特別な安全措置を必要とせず、冷却手段カップリングのカップリング部材の分離は、少なくともそれに先立つ冷却回路の非能動化ないしオフまたは遮断と結びついている。さらに、場合によっては予測される、冷却媒体、特に水の損失ないし流出によって、場合によっては冷却手段を追加充填するための付加的な緩和措置ないし予防措置を、前もってすでに講じることができる。別に形成されて、空間的に離され、ないしは分離された冷却手段カップリングによって、それぞれの操作者ないし保守作業者に対して、いずれにせよ自覚形成の向上が得られる。しかしまた、溶接技術設備内で散発的に発生するエラー源の危険も、減少される。
【0008】
請求項3に記載の選択的展開も、効果的である。というのは、1つには、少なくとも1つの冷却手段導管のための迅速なカップリングないしカップリング解除プロセスが可能とされるからである。さらに、操作者にとってそれぞれの取扱いシーケンスは、ほぼ直観的に認識可能であるので、冷却手段カップリングを能動化し、かつ非能動化するために、手間のかかる学習措置あるいは特別な技術的認識は不要である。
【0009】
好ましい展開によれば、冷却手段カップリングは、工具なしで操作可能である。その場合に好ましくは、自立して形成され、別に操作すべき、冷却媒体のためのカップリング装置にもかかわらず、冷却媒体のためのカップリング装置の迅速な構築と場合によっては迅速な分離も可能である。特に工業用溶接設備において、ないしは工業用の溶接ロボットとの組合せにおいて、溶接技術的コンポーネントをできるかぎり迅速かつ簡単に保守できることは、特に重要である。
【0010】
請求項4に記載の実施形態も、効果的である。というのは、それによって操作快適性とそれに伴って接続品質ないし接続安全性を向上させることができるからである。特に、冷却手段カップリング装置の第1のカップリング部材をホースパケットの比較的形状の安定した終端部分内に、ないしはそのカップリング部材の内部で、溶接機器に対してさらに機能の確実なカップリング接続を構築することができる。さらに、それによって接続プロセスが、操作者ないし保守作業者にとって著しく容易になる。
【0011】
冷却媒体用のカップリング部材が、カップリングブッシュとして形成され、そのカップリングブッシュが、ホースパケットの長手軸に対して横方向に延びる少なくとも1つの冷却手段通路を形成する形態も、特に効果的である。というのはそれによって、ホースパケットに対する冷却媒体の供給ないし排出方向が、ホースパケットのその他の導管のためのカップリングおよびカップリング解除方向に対して、ないしはマルチカップリング装置の差込み方向に対して、原則的に横ないし直交して方向付けされるからである。それによって、好ましくはホースパケットの前側の端部に配置されている、電気的接続端ないし接続インターフェイスが濡れる確率が低下され、ないしは妨げられる。さらに、それによって、冷却液が、好ましくは同様にホースパケットの前側の端部に形成されている、ないしは開放した端部を有する、ガス状の駆動媒体用に設けられているホース導管内へ侵入する確率が、簡単な方法で著しく減少される。
【0012】
さらに、冷却媒体用のカップリング部材が、ホースパケットのグリップ部分内に、あるいはそのカップリング部材のグリップ部分内に統合されているカップリングブッシュとして形成されている形態も、効果的である。というのは、それによってカップリングブッシュのできる限り安定した、位置の確かな固定が保証されるからである。さらに、取扱い快適性および構築すべきカップリング接続の品質も、向上する。さらに、ホースパケットの内部ないしはマルチカップリング装置の内部に場合によっては流出する冷却手段の好ましくない、位置に従って変化する分配の確率が減少する。特に、場合によっては流出する冷却媒体ないし冷却水は、結果としての損傷ないし故障が発生する前に、比較的容易に再び流れ去り、ないしカップリング装置またはホースパケットから流出することができる。
【0013】
請求項5に記載の手段によって、特にコンパクトなカップリングインターフェイスないしできる限り細長く構築されたホースパケットを提供することができる。特に、冷却媒体用のカップリング装置ないしカップリングインターフェイスが構造的に別に形成されるにもかかわらず、それに伴うホースパケットないしそのカップリング部材の空間的寸法、特に最大幅ないし直径の拡大ないし拡幅が回避される。それによって、記載のホースパケットを比較的狭い場所状況においても問題なく組み込むことが、可能である。特に、ホースパケットないしそれを閉鎖するインターフェイスボディは、冷却媒体用のカップリング装置が構造的に自立して形成されているにもかかわらず、さらに比較的問題なく、工業ロボットの操作アーム内へ引き込むことができ、特に少なくとも部分的に中空軸ロボット内へ設置することができる。従って、ホースパケットの、溶接バーナーとは逆のインターフェイスボディないし終端部分は、標準的なホースパケットに比較して、向上した技術範囲を有するにもかかわらず、依然としてできる限り細く、ないしはコンパクトである。
【0014】
好ましい展開に従って、駆動媒体のためにそれぞれ必要な導管または導線が、カップリング部材のグリップ部分と溶接バーナーの間に延びる保護ホース内で案内されていると、ホースパケットのじょうぶさが向上し取扱いが改良される。さらに、少なくとも1つの冷却手段導管を、その他の導管と並べてホースパケット内で案内することによって、冷却循環内の漏れの危険が最小限に抑えられる。さらに、少なくとも1つの冷却手段導管がそれぞれの接続箇所から、特にカップリングブッシュへの接続箇所から、意図せずに裂ける危険が減少する。
【0015】
請求項6に記載の手段によっても、比較的狭い通路内に少なくとも部分的に敷設することが可能であり、ないしはホースパケットを比較的余裕のない寸法の中空室内に、特に工業ロボットの移動アーム内に引き込むことが、著しく容易になる。
【0016】
請求項7に記載の形態も、効果的である。というのは、それによって、ホースパケットの最大の幅ないし最大の直径が、溶接バーナーとは逆の終端部分内で拡大されず、それにもかかわらず望ましくない分離に対して確実に固定されたカップリング接続を構築することができるからである。さらに、それによって、たとえば溶接ロボットのアームのような、通路ないし中空室内へのホースパケットの敷設が、支援される。というのは、固着ないし引っかかりをもたらす、わずらわしい突出部が存在しないからである。さらにそれによって、カップリング装置自体あるいは周辺導管ないし収容通路の領域内の部材が損傷する危険が、著しく減少する。
【0017】
好ましい実施形態によれば、ホースパケットは、溶接バーナーに冷却媒体を供給するための少なくとも1つの第1の冷却手段導管と、温められた冷却媒体をホースパケットから導出するための少なくとも1つの他の冷却手段導管を有しており、その場合にホースパケット側のカップリング部材は、第1および他の冷却手段導管のための組み合わされたカップリングインターフェイスとして形成されている。それによって、溶接バーナーの特に効率的な冷却ないし特に高性能の冷却装置が提供され、それにもかかわらず、冷却手段カップリングの高いコンパクト性が保証されている。さらに、それによって、できるだけ少ない組立ないし製造時間が得られ、かつ2つの冷却手段導管のための構造的に組み合わされたカップリングインターフェイスによって、代替部品の補給ないし保管が簡略化される。
【0018】
本発明の課題は、請求項8に記載のプラグ部材によっても、解決される。請求項8に記載の手段によって、プラグ部材と関連するカップリング部材との間に確実かつ長期間信頼できるシール作用を得ることができる。特に、少なくとも1つの中空円筒状のピン部材が、少なくとも部分的に、それと関連するカップリングブッシュ内へ導入され、ピン部材とそれと関連するカップリングブッシュの間の部分的重なりが存在する場合に、確実かつじょうぶなカップリング装置が提供される。さらに、それによってカップリングプロセスが容易になる。というのは、ピン部材は同時に位置決め部材として用いられるからであって、その位置決め部材がプラグ部材と関連するカップリング部材の間の正確な相対位置をはっきりと表示し、ないしは設定する。
【0019】
さらに、請求項9から15に従って形成されたプラグ部材によって、上述した技術的効果と利点の少なくとも1つを得ることができる。
【0020】
本発明の課題は、上述したホースパケットに関係なく、かつ上述したカップリング部材に関係なく、請求項16に記載の差込み接続体によっても解決される。それによって得られる効果と好ましい作用は、上述した説明から、特に請求項1ないし2に関する利点ないし効果の記載から、読み取ることができる。
【0021】
好ましい形態によれば、冷却手段カップリングが差込み接続カップリングとして形成されており、かつ溶接機器内に配置された冷却手段源または別に配置された冷却機器とホースパケットとの間を選択的に能動化可能かつ分離可能に接続するために設けられている。それによって、カップリング接続をより迅速かつ同時に問題なく構築し、ないしは冷却媒体のための能動的なカップリング接続を簡単に無効にすることが可能になる。その場合に、それぞれ必要な取扱いは、技術的な素養の無い人達によっても容易に直観的に認識可能であるので、冷却循環の解除ないし能動化が必要な場合に、通常困難は生じない。特にそれによって、特別な習得措置が必要なくなり、あるいは特殊な利用指示を最小限に抑えることができる。
【0022】
請求項17に記載の手段によって、冷却手段カップリング装置の2つのカップリング部材間の迅速かつ簡単に能動化および非能動化が可能な係止結合が提供される。係止突出部をプラグ部材に対応づけ、かつ係止突出部と機械的に相互作用することができるアンダーカットないし凹部をホース側のカップリング部材に対応づけることが、ホースパケット側のカップリング部材ができる限りじょうぶであって、たとえばホースパケットの敷設の間に生じるような、機械的負荷に対して比較的敏感でなくなる、という利点をもたらす。係止突出部を有するプラグ部材は、より少ない機械的負荷を受け、場合によってはより簡単ないしより安価に代えることができる。
【0023】
その場合に、請求項18に記載の展開が効果的である。というのは、それによって冷却手段カップリング装置の快適な取扱いが保証され、さらにカップリング接続の自動的な固定が行なわれるので、付加的ないしは別に実施すべき固定措置が不要になる。
【0024】
好ましい形態によれば、ホースパケット側のカップリング部材は、カップリングブッシュとして形成されている。それによってプラグ−ブッシュ−システムが形成され、そのシステムは、高い密閉性、適切なじょうぶさおよび簡単かつ直観的取扱いに対する要請をできる限りよく考慮している。
【0025】
請求項19に記載の手段も効果的である。というのは、それによって第2の、プラグ形状のカップリング部材をできるだけコンパクトに、ないしは細長く形成することができるからである。特に、それによってホースパケット側のカップリング部材のフック形状に張り出すコンポーネントが回避されるので、記載のカップリング部材を有するホースパケットの引込みないし敷設が、著しく容易になる。
【0026】
請求項20に記載の手段によって、つながり合った構成ユニットが提供され、それは、溶接機器に取り付けることに関する設置ないし取付けの手間をできる限り低く抑える。さらに、記載のコンポーネントを構造的にまとめることによって、誤設置ないし不完全な取付けの確率を、低下させることができる。
【0027】
請求項21に記載の手段も、特に効果的である。というのは、それによって、冷却手段差込み接続の領域内に驚くほど冷却水が流出した場合でも、直接隣接する駆動媒体カップリング部材の電気的接触箇所が濡れる確率ないし電気的短絡の危険が、簡単ではあるが、効果的な手段によって減少されている。
【0028】
プラグ部材と冷却手段カップリングのカップリング部材の間のカップリングおよびカップリング解除方向が、ホースパケットの長手軸に対して横方向に方向付けされていると、特に効果的である。というのはそれによって、それぞれのカップリング接続の論理的解除が、構造に関してだけでなく、操作の種類に関しても存在するからである。さらにそれによって、たとえばホースパケットないし溶接バーナーの取付けまたは取外しの間に、電気的ないしガス状の駆動媒体のためのインターフェイス上に、特に液状の冷却媒体が溢流する確率が減少される。結果として、損傷ないし短絡の危険が最小限に抑えられ、ないしはそれによって清掃または乾燥作業のための付加的な時間およびコストをかけることがなくなる。
【0029】
さらに、請求項22に記載されているような、差込み接続体は、請求項2から7および8から15に関連して記載された技術的効果ないし利点の少なくとも1つをもたらす。
【0030】
そして、請求項23に従って形成された溶接装置は、上述した技術的効果および利点の少なくとも1つを提供する。
【0031】
本発明をさらに良く理解するために、次の図を用いて本発明を詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
初めに確認しておくが、異なるように記載された実施形態において、同一の部分には、同一の参照符号ないし同一の部品名称が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、意味に従って同一の参照符号ないし同一の部品名称を有する同一の部分へ移し替えることができる。説明において選択された、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接記載され、かつ図示されている図に関するものであって、これらの位置記載は、位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。さらに、図示され、かつ説明される異なる実施例に基づく個別特徴または複数特徴組合せも、それ自体独立して進歩的または発明に基づく解決を表すことができる。
【0035】
図1には、様々な溶接プロセスを実施するための溶接器具1ないし溶接設備の実施形態が示されている。この図式的に示す溶接器具1は、MIG/MAG溶接プロセスのために考えられているが、その場合に以下で説明する発明は、WIG溶接、スティック電極溶接、ダブルワイヤ/タンデム溶接のための溶接装置において、あるいは溶接箇所の領域内に高い温度が発生し、溶接バーナーの冷却が目的にあっている、その他の溶接方法のためにも、使用することができる。
【0036】
それぞれの溶接器具1は、それぞれ種概念に従って、ないしはそれぞれ実施可能な溶接方法に従って、以下で説明するコンポーネントの数1つを有している。溶接器具1のメインコンポーネントは、溶接機器2によって形成されており、その溶接機器は溶接エネルギおよび溶接プロセスに必要なその他の駆動媒体を直接または間接的に提供し、ないしは調整する。従って溶接機器2は、電気的な溶接エネルギを準備する、少なくとも1つの出力部分3と、溶接プロセスないしそれぞれ重要なプロセスパラメータを開ループ制御ないし閉ループ制御するための制御装置4とを有している。
【0037】
溶接器具1が、MIG/MAG溶接装置として形成されている限りにおいて、外側へ向かって実質的に閉鎖されたハウジング4を有する、溶接機器2に、あるいはその中に、電気的に制御可能な弁6が形成されており、その弁は、溶接ガス8のため、特にたとえばCO2、ヘリウムまたはアルゴンのような保護ガスのための、少なくとも1本のホース状の導管7と流れ接続されており、ないしはガス貯蔵器9と溶接バーナー10の間に配置されている。溶接プロセスの領域内で溶接ガス8を制御して準備するための弁6は、適切な操作部材によって駆動され、その操作部材は、手動溶接器具の場合には通常溶接バーナー10に形成されており、溶接バーナー10に設けられた操作部材ないし始動部材によって直接か、あるいは制御装置4を介して間接的に、流れ技術的に遮断された状態ないし通過する状態にされる。
【0038】
さらに、溶接器具1は、ワイヤ送り装置11を有しており、そのワイヤ送り装置は、図示のように、溶接機器2の統合された構成部分として形成することができるか、あるいは構造的に自立したコンポーネントとして形成することもできる。ワイヤ送り装置11によって、溶接バーナー10に、特に溶接プロセスに、溶解するワイヤ形状の溶接電極が供給され、その溶接電極は、形成すべき溶接結合のための付加材料として用いられる。特にMIG/MAG溶接のために、ワイヤ送り装置11が設けられており、その場合に少なくとも1本のホース状またはコイルばね状の導線12を介して付加材料、特に溶接ワイヤ13が、ストックドラム14ないし溶接ワイヤロールから出て溶接バーナー10の領域内へ給送される。もちろん、ワイヤ送り装置11を溶接機器2のハウジング5内に統合せず、構造的に自立した付加器具として形成することも可能である。
【0039】
同様に、ワイヤ送り装置11の少なくとも1つの部分コンポーネントが溶接バーナー10内に配置されており、溶融する溶接電極が溶接バーナーから出て溶接プロセスに供給されることも、可能である。同様に、溶接バーナー10が、溶融しない電極を有し、付加材料、特に溶融する溶接電極が、WIG溶接の場合に普通であるように、手動で供給されることが可能である。
【0040】
溶融する、あるいは溶融しない電極と工作物16との間にアーク15、特に溶接アークを構築ないし維持するための電流は、溶接機器2から出て、ないしはその電気的出力部分3から出て、溶接バーナー10に、特に電極に、少なくとも1本の溶接電流線17を介して供給される。通常、複数の溶接すべき部分から形成されている、溶接すべき工作物16は、他の溶接電流線18を介して同様に溶接器具1と、特に溶接機器2内の電気的出力部分3と接続されている。2本の溶接電流線17、18のいずれか、特に溶接電流アースを伝達するための導線18は、通常、構造的に自立した、ないしは別に案内される電線として形成されている。これらの組み合わされた、あるいはそれぞれ別に溶接バーナー10へ、ないしは工作物16へ案内されている溶接電流線17、18を介して、溶接プロセスに、溶接プロセスないし切断プロセスのためのアークないしプラズマビームを形成ないしは維持するために必要な、電気エネルギが供給される。
【0041】
上で説明したように、それぞれ実施すべき溶接方法ないし溶接プロセスに従って、溶接バーナー10に、たとえば溶接電流、溶接ワイヤおよび/または保護ガスのような、それぞれ必要な駆動媒体を供給することができるようにするために、多数の導線または導管7および/または12および/または17、18が必要である。しばしば少なくとも1本のデータ線または制御線が必要であって、それを介して溶接バーナー10と溶接機器2の間および場合によってはその逆にも、制御信号ないし監視信号を伝達することができる。
【0042】
本発明に基づく形態において、溶接バーナー10は、その熱的負荷をできる限り小さく抑え、ないしは最大可能な、中断のない使用長さへのポジティブな作用を得るため、ないしは実施すべき溶接プロセスに関してポジティブな結果を得るために、能動的に冷却される。さらにこの能動的な冷却は、特に、手動案内される溶接バーナー10において、著しい快適ないし安全な利得を得る。受動的に冷却される、特に周囲空気によって冷却される溶接バーナーとは異なり、能動的に冷却される溶接バーナー10によって、問題なく100%のオン長さすなわち駆動長さを得ることもでき、空気冷却される、ないしは周囲空気で冷却される溶接バーナーの場合には、最大のオン長さがしばしば減少され、溶接駆動なしの中間冷却相が必要であり、ないしは推奨される。従って、溶接器具1は、少なくとも冷却媒体を溶接バーナー10へ供給するための、少なくとも1つの冷却手段導管19を有している。冷却媒体として、好ましくは水、あるいはその他の水ベースの冷却手段が使用される。
【0043】
好ましくは、閉成された冷却循環20が形成されており、その冷却循環は、少なくとも1つの送給冷却手段導管19と少なくとも1つの還流冷却手段導管19’を有している。その場合に、溶接バーナー10に、送給冷却手段導管19を介して好ましくは液状の冷却媒体が供給され、その場合にこの冷却媒体は、溶接バーナー10の領域内で発生する熱エネルギの一部を吸収し、ないしは溶接バーナー10、特にそのノズルブロックないし前方の終端部分を冷却する。それに応じて温められた冷却媒体が、その後還流冷却手段導管19’を介して溶接バーナー10から再び導出される。すなわち、溶接バーナー10は、好ましくは、冷却媒体を有する冷却循環20内に組み込まれており、その場合に適切な冷却手段源21が冷却媒体を準備する。冷却媒体を準備するこの冷却手段源21は、溶接機器2内に配置することができ、ないしは構造的に別に形成された冷却機器を設けることもできる。
【0044】
その場合に、少なくとも1つの冷却手段導管19、19’は、溶接バーナー10を冷却手段源21ないし冷却機器と接続し、十分な冷却ないし溶接バーナー10から冷却手段源21への、ないしは冷却手段機器への熱転移をもたらし、従って溶接バーナー10の適切な温度調節をもたらす。冷却手段源21ないし溶接バーナー10に、温度開ループ制御ないし温度閉ループ制御を対応づけることができ、それによって溶接バーナー10の所定の部分が温度上限の下方ないし予め定められた温度領域の内部に維持される。
【0045】
特にガスまたは空気によって能動的に冷却される溶接バーナー10において、冷却循環20を形成する代りに、単に冷却手段導管19を設けることも可能であって、その冷却手段導管が冷却手段を冷却手段源21、たとえばベンチレータまたは圧力貯蔵器から溶接バーナー10へ給送する。温められた、ガス状の冷却手段は、その後溶接バーナー10の周囲領域内へ逃がすことができ、ないしはたとえば吸出しフードのような、捕捉装置を介して周辺へ案内することができる。
【0046】
従ってそれぞれの冷却手段源21は、−図式的に示すように−溶接器具1ないし溶接機器2の統合された構成部分を表し、あるいは代替的に別に配置された、溶接バーナー10のための適切な冷却出力を提供する、冷却機器によって形成することもできる。それぞれの冷却手段源21ないしそれぞれの冷却機器は、然るべき冷却エネルギを提供し、かつ冷却媒体を少なくとも1本の冷却手段導管19、19’を介して溶接バーナー10へ伝達する。閉成された冷却循環20内、ないしは一方向の冷却手段伝達区間へ、従来技術から知られた実施形態に従って、図示されない弁、膨張容器、センサ、熱交換器および/またはポンプを実装することもできる。
【0047】
冷却装置ないし冷却手段源21の好ましい実施形態によれば、冷却媒体、特に冷却水をストックする、液体容器22、特に水容器を設けることができる。冷却手段のための図示されない給送装置によって、特に液体ポンプによって、冷却手段が冷却手段源21から出て溶接バーナー10へ給送される。通常、溶接器具1の駆動を開始する場合ないし、溶接バーナー10に設けられた少なくとも1つの操作部材を介して行なうことができる、溶接プロセスをスタートさせる場合に、冷却手段源21ないし冷却循環20が直接または時間をずらして能動化されて、それに続いて溶接バーナー10の冷却ないし温度調節がもたらされる。しかし、溶接バーナー10のための冷却装置の能動化は、必要に応じて制御されて、特に温度に従って行なうことができる。冷却装置ないし冷却手段源21ないし冷却機器は、従来技術から知られた任意の形態に従って変換することができ、たとえば吸収した熱エネルギを搬出し、ないしは冷却媒体を冷却して再処理するために熱交換器を有することもできる。従って少なくとも1つの流れ監視装置ないし温度センサを設けることができ、それを用いて冷却手段源21の冷却出力ないし冷却機能を管理し、ないしは調整することができる。
【0048】
それ自体知られているように、溶接器具1はさらに、少なくとも1つの入力装置および/または出力装置23、23’を有することができ、それを介して溶接器具1の様々な溶接パラメータ、駆動種類または溶接プログラムを調節し、ないしは呼び出すことができる。その場合に入力装置および/または出力装置23、23’は、溶接機器2および/または溶接バーナー10に対応づけることができる。入力装置および/または出力装置23、23’を介して調節された、ないしは調節可能な溶接パラメータ、駆動種類または溶接プログラムは、操作ないしは変換するために制御装置4へ伝えられる。それぞれの調節は、制御装置4から溶接設備ないし溶接器具1のそれぞれのコンポーネントへ伝達され、ないしはこれらのコンポーネントがそれに応じて駆動されるので、それに対応する目標値が閉ループ制御技術的または開ループ制御技術的に得られる。工業用溶接設備、特に工業用ロボットと結びついた溶接設備の場合には、周辺に形成された開ループ制御ないし閉ループ制御装置を設けることもできる。
【0049】
原則的に、たとえばWIG器具、MIG/MAG器具またはプラズマ器具のような、異なる溶接方法ないし溶接器具1のために、上述したコンポーネントのすべてを使用ないし組み込む必要がないことが、確認される。たとえば溶接電流、溶接ワイヤ、保護ガスおよび/または制御信号のように、溶接箇所の領域内でそれぞれ必要な駆動媒体に応じて、溶接器具1ないし溶接機器2に少なくとも1つの適切なホースパケット24が接続されており、それが複数の導管または導線、たとえば溶接ガス8のための導管7、溶融する電極ないし溶融ワイヤ13のための導線12、少なくとも1本の溶接電流導線17および/または少なくとも1本の制御線25を一体的にまとめて、溶接バーナー10へ案内する。
【0050】
共通のホースパケット24に構造的に組み合わされている、それぞれ必要な様々な導管または導線7、12、17および/または25の他に、ホースパケット24は、溶接バーナー10に関して冷却媒体を供給および/または排出するための少なくとも1本の冷却手段導管19、19’を有している。好ましくは少なくとも1本の冷却手段導管19、19’は、ホースパケット24内で、ないしはホースパケット24において案内されており、冷却手段源21ないし溶接機器2と溶接バーナー10との間で好ましくは液状の冷却手段のための伝達媒体として用いられる。従ってホースパケット24内には、それぞれ必要な駆動媒体を伝達するためにそれぞれ必要な様々な導管または導線と冷却媒体を伝達するための少なくとも1本の導管が設けられている。
【0051】
ホースパケット24は、溶接バーナー10とは逆の端部に、少なくとも1つのマルチカップリング部材26を有している。このマルチカップリング部材26は、電気信号ないし電気エネルギおよび/またはガスを伝達する複数の導管または導線7;12;17および/またはホースパケット24を溶接機器2ないしそれに応じた電流源ユニットと必要に応じて取外し可能に接続するために設けられている。その場合にこのマルチカップリング部材26は、ねじカップリングまたプラグカップリングとして形成することができ、複数の電気的導線17;25および/または保護ガス導管7を溶接機器2に対して共通に結合および結合解除するためのカップリング手段を表す。好ましくはこのマルチカップリング部材26によって、溶接ガス8のための導管7、溶接ワイヤ13を給送するための導管12、少なくとも1つの電気的制御線25および少なくとも1つの溶接電流線17が溶接機器2に対して選択的に接続および分離され、その場合に上述した導線または導管が、一体的なホースパケット24にまとめられている。溶接バーナー10は、ホースパケット24の第2の端部ないし対向する端部と通常永続的に接続されている。溶接バーナー10は、通常、溶接バーナー10の分解によってのみ、ホースパケット24から取り出すことができる。
【0052】
ホースパケット24の、溶接バーナー10とは逆の端部に設けられたマルチカップリング部材26は、カップリング装置27の部分コンポーネントであって、そのカップリング装置は、
図1の例から読み取れるように、ホースパケット24を溶接機器2と結合するために設けられている。ホース側のマルチカップリング部材26の他に、少なくとも1つの関連する、機器側のマルチカップリング部材28が形成されている。互いに関連するマルチカップリング部材26、28は、マルチカップリング装置27をもたらし、それを介して溶接機器2に対するホースパケット24ないし溶接バーナー10の必要に応じて取外し可能な接続を構築することができる。マルチカップリング装置27の2つのカップリング部材26、28は、互いに関連するプラグ−ブッシュ−システムに従って形成されている。溶接バーナー10ないしホースパケット24と溶接機器2との間で電気エネルギおよび/または電気信号ないし溶接ガスを案内する導管または導線のための中央のマルチカップリング装置27は、それ自体知られている。この種の中央のマルチカップリング装置27は、ねじカップリングまたはプラグカップリングとして形成されており、その場合に能動的なカップリング接続の固定は、しばしばねじ結合により、特に締付け用ナットを用いて行なわれる。しかし、2つのマルチカップリング部材26、28の間の能動的なカップリング状態の固定は、好ましい実施形態によれば、レバー締付け部材によって能動化および非能動化可能なクランプ装置によって行なうこともできる。
【0053】
重要なことは、ホースパケット24の、溶接バーナー10とは逆の端部に、マルチカップリング部材26の他に構造的に別体の、ないしは自立して形成された、他のカップリング部材29が形成されていることであって、そのカップリング部材は、ホースパケット24の少なくとも1つの冷却手段導管19、19’を、溶接機器2内に配置されている冷却手段源21と、あるいは別に形成された冷却機器と、必要に応じて取外し可能に接続する。その場合に、この付加的ないしは別に形成されたカップリング部材29は、マルチカップリング部材26のカップリング状態とは関係なく、選択的に結合および結合解除可能である。すなわち、ホースパケット24に、別に形成された、ないしは別に使用ないし操作可能なカップリング部材29が形成されており、それを介してホースパケット24の少なくとも1つの冷却手段導管19、19’が、冷却手段源21と必要に応じて接続され、かつ冷却手段源21に対して必要に応じて分離することができ、マルチカップリング部材26のカップリング状態の調節が必要になり、ないしは生じることはない。
【0054】
従ってホースパケット24と溶接機器2の間の同様なマルチカップリング装置27は、溶接機器側の第1のカップリング部材28およびホースパケット側の第2のカップリング部材28の他に、第3のカップリング部材29およびそれと関連する第4のカップリング部材30も有している。互いに関連する第3と第4のカップリング部材29、30は、溶接機器2内に配置された冷却手段源21あるいは代替的に別に配置された冷却機器とホースパケット24ないし溶接バーナー10との間で、冷却媒体を気密または液密に案内するために設けられている。その場合に重要なことは、第3と第4のカップリング部材29、30が、第1および第2のカップリング部材28、26のカップリング状態とは関係なく、すなわちマルチカップリング装置27のカップリング状態とは関係なく、必要に応じて結合可能であり、必要な場合には互いに取外し可能に形成されていることである。
【0055】
図3において最もよく理解されるように、マルチカップリング装置27の第1と第2のカップリング部材28、26は、それぞれ多数の関連する接続インターフェイス31、31’および32、32’を有しており、それらは、第1と第2のカップリング部材28、26が互いに正確に結合された状態になるとすぐに、第1のカップリング部材28と第2のカップリング部材26の間で、およびその逆に、物理的に異なる駆動媒体を引き渡しないしは仲介するように形成されている。その場合に互いに関連する接続インターフェイス31、31’は、たとえば溶接ガスまたは圧縮空気のような、ガス状の媒体を引き渡し、ないしは仲介するためのピンないしブッシュ形状の接続部材によって形成されている。少なくとも1つの他の接続インターフェイス32、32’は、たとえば、第1のカップリング部材28から始まって溶接電流を第2のカップリング部材26の方向へ引き渡し、ないしは仲介するために設けられている。その場合に第2のカップリング部材26に設けられた溶接電流接続インターフェイス32は、中実の、ほぼ指の太さの接触ピンとして形成されており、それがホースパケット24の前端部からドーム形状に突出している。それに関連する、機器側の接続インターフェイス32’は、電気的な接触ブッシュによって形成されており、その中へピン形状の接続インターフェイス32が導入可能であって、それに続いて差込みブッシュとして形成されている接続インターフェイス32’内に力結合で締付け可能である。それによってピンないしボルト形状の接続インターフェイス32とブッシュ形状の接続インターフェイス32’の間に確実かつできる限り大面積の接触が構築され、それによって、接触箇所の過度の加熱が生じることなしに、高い電流、特に高い溶接電流の伝達も、可能である。
【0056】
重要なことは、第3と第4のカップリング部材29、30が、構造的に別に形成された冷却手段カップリング33を形成し、その冷却手段カップリングがマルチカップリング装置27とは関係なく、溶接バーナー10の様々な駆動媒体のために必要に応じて能動化可能であり、特に結合可能であって、かつ非能動化可能であり、特に分離可能なことである。その場合に第4のカップリング部材30が、好ましくは工具なしで操作可能な冷却手段カップリング33の第1の部分コンポーネントとして形成されており、ホースパケット24内の少なくとも1本の冷却手段導管19、19’を、内蔵された、あるいは外部に配置された冷却手段源21に、ないしはそれに応じた冷却機器に、必要に応じて取外し可能に接続するために設けられている。
【0057】
図3から最も明らかなように、第4のカップリング部材30と第3のカップリング部材29は、好ましくは差込み接続体34を形成し、その差込み接続体は、溶接機器2内に配置された冷却手段源21または別に配置された冷却機器とホースパケット24ないしその溶接バーナー10との間を選択的に能動化可能かつ分離可能に接続するために形成されている。その場合に第4のカップリング部材30は、差込み接続体34の部分コンポーネントを表し、その場合にその第4のカップリング部材は、正確に結合された状態において液状の冷却媒体を仲介するために設けられており、かつその場合にプラグ部材35の形式で形成されている。従って、冷却手段カップリング33ないし差込み接続体34のホースパケット側の第3のカップリング部材29は、少なくとも1つのカップリングブッシュ36によって形成されており、そのカップリングブッシュは、プラグ部材35に関して関連して形成されている。このカップリングブッシュ36は、ホースパケット24の、溶接バーナー10とは逆の終端部分内に配置されている。
【0058】
好ましい実施形態に従って、第3のカップリング部材29が、実質的に形状の安定したグリップ部分37に、ないしはその中に配置されている。このグリップ部分37は、ハンドグリップであって、それを介してホースパケット24ができる限り迅速かつ簡単に溶接機器2に対して結合可能かつ分離可能である。グリップ部分37は、好ましくはホースパケット側のカップリング部材26の部分コンポーネントによって形成されている。特にグリップ部分37は、スリーブ形状の部材として形成されており、その部材が同時に、第1と第2のカップリング部材28、26の間のガイド機構38として用いられる。好ましい実施形態によれば、グリップ部分37は、中空円筒状に形成されており、その場合にグリップ部分37の、溶接バーナー10とは逆の終端部分が、ブッシュ形状のガイド機構38を形成し、そのガイド機構が、溶接機器2に、ないしは第1のカップリング部材28に設けられた関連するガイド機構39と協働する。特に、第2のカップリング部材26の中空円筒状のガイド機構38が、第1のカップリング部材28に向けられた他の中空円筒状のガイド孔40内へ導入可能である。互いに関連するガイド機構38、39は、ホースパケット24ないしカップリング装置27の長手軸41に対して横方向に延びる力を少なくとも部分的に吸収し、それによってマルチカップリング装置27の適切な機械的強度をもたらす。
【0059】
冷却手段カップリング33のカップリングブッシュ36は、好ましくはホースパケット24の、ないしは第2のカップリング部材26のグリップ部分37内へ組み込まれている。すなわち、
図3において最も良く理解されるように、カップリングブッシュ36、グリップ部分37および第2のカップリング部材26は、ホースパケット24と組み合わせて、一体的な、構造的に組み合わされたユニットを形成する。特にカップリングブッシュ36として形成された、第3のカップリング部材29は、第2のカップリング部材26と構造的に合体されるので、特に
図3から明らかなように、分解によってのみ分離可能な、一体的な構成ユニットが形成される。その場合に第3のカップリング部材29、特に冷却手段カップリング33のカップリングブッシュ36は、マルチカップリング部材26に対して比較的近く配置されており、特にホースパケット24の、溶接バーナー10とは逆の終端部分内におけるのと同様に形成されている。その場合にマルチカップリング部材26の接続インターフェイス31、32は、ホースパケット24の前側に、ないしはそのグリップ部分37の前側に配置されている。特に、これらの接続体インターフェイス31、32は、様々な駆動媒体用のそれぞれの導管または導線7;12;17;25の前側の、ないしは溶接バーナー10とは逆の終端を形成する。それとは異なり、少なくとも1つの移行インターフェイス44が、冷却媒体をホースパケット24ないしグリップ部分37の外表面に、ないしは外表面に対して実質的に平行に、仲介するためのカップリングブッシュ36に形成されている。すなわち冷却媒体のためのブッシュ側のカップリング部材29が、構造的に別に形成されて、ホースパケット24のマルチカップリング部材26内に統合されており、その場合にカップリング部材26とカップリング部材29の接続体端は、少なくとも
図2から5において読み取れるように、離隔して配置されている。その場合に、ホースパケット24の長手方向に測定した、第2のカップリング部材と第3のカップリング部材26、29の間の間隔42は、50cmより少なく、特に約10cmである。
【0060】
その場合に、カップリングブッシュ36は、好ましくは、好ましくは円筒状またはほぼ円筒状に形成されている、グリップ部分37の外表面43を越えて突出しないように、位置決めされている。特に冷却手段カップリング33のカップリングブッシュ36は、グリップ部分37内に統合され、ないしは埋めて配置されている。好ましい実施形態によれば、カップリングブッシュ36の見える面ないし移行インターフェイス44は、グリップ部分37の外表面43と同一平面ないしほぼ同一平面に方向づけされている。好ましい実施形態によれば、特に
図3に明らかなように、カップリングブッシュ36の移行インターフェイス44は、グリップ部分37の外表面43に対して深い位置に配置されている。すなわち、カップリングブッシュ36がホースパケット24に、ないしはそのグリップ部分37に構造的に別に配置されているにもかかわらず、冷却手段カップリング33が
図3の表示に従って外された場合に、グリップ部分37から、ないしはホースパケット24から突出し、ないしは張り出す部分はない。それとは異なり、
図2から明らかなように、冷却手段カップリング33が能動化されている場合に、プラグ部材35はホースパケット24ないしグリップ部分37の外表面43から張り出す。
【0061】
カップリングブッシュ36は、好ましい実施形態によれば、第2のカップリング部材26の接続体ブロック45の統合された構成部分として形成されている(
図6、7参照)。グリップ部分37の内部でこの接続体ブロック45に、ホースパケット24の複数の導管または導線7および/または12および/または17および/または25が接続体され、ないしは保持されている。その場合に接続体ブロック45は、ホースパケット24内で案内されている導管または導線7;12;17;25の複数のもののため、および好ましくは少なくとも1つの冷却手段導管19、19’のためのほぼ終端片となる。この接続体ブロック45は、好ましくは金属材料から、特に真鍮から、形成されており、かつ様々な導管または導線7;12;17;25のため、およびホースパケット24内の冷却手段導管19、19’のための多数の孔ないし接続体箇所を有している。
【0062】
ホースパケット側のカップリングブッシュ36は、ホースパケット24の長手軸41に対して横方向に延びる少なくとも1本の冷却手段通路46、46’を有している。この少なくともシングルで、好ましくはダブルで形成されている冷却手段通路46、46’は、それぞれホースパケット24の内部の冷却手段導管19、19’内へ連通している。すなわち、カップリングブッシュ36は、2本の冷却手段通路46、46’によって、それぞれの冷却手段導管19、19’への別々の流れ接続体を形成する。好ましい実施形態によれば、ホースパケット24内に、溶接バーナー10へ冷却媒体を供給するための少なくとも1つの第1の冷却手段導管19、従っていわゆる冷却手段送給導管と、ホースパケット24から温められた冷却手段を導出するための少なくとも1つの他の冷却手段導管19’、従っていわゆる冷却手段還流導管、が形成されている。その場合に、第3のカップリング部材29は、好ましくは第1および他の冷却手段導管19、19’のための構造的に組み合わされたカップリングインターフェイスとなる。
【0063】
図1に破線で示唆されるような、選択的な展開によれば、互いに関連するカップリング部材26、28を有する、マルチカップリング装置27は、溶接バーナー10と、ホースパケット24の、溶接バーナー10へ向いた端部との間にも形成することができる。従ってホースパケット24は、その両端部にそれぞれ接続カップリングを有し、その接続カップリングは、好ましくはそれぞれカップリング部材26によって定められており、その中にそれぞれ冷却媒体のための他のカップリング部材29が統合されている。従ってこのような場合においては、カップリング部材29と関連する、溶接バーナー10の少なくとも1つの冷却媒体導管19、19’のためのプラグ部材35は、溶バーナー10に対応づけられている。従ってこの形態によれば、ホースパケット24は両端部に、ほぼ側方に統合された、好ましくはブッシュ状に形成されたカップリング部材29を備えたマルチカップリング部材26を有している。
【0064】
少なくとも1つの冷却媒体導管19、19’、特に冷却媒体のための送給導管と還流導管、および駆動媒体のためのそれぞれの導管または導線7;12;17;25は、好ましくは、グリップ部分37と溶接バーナー10との間に延びる保護ホース47内に延びている。この保護ホース47は、一方で溶接バーナー10と接続され、他方では第2のカップリング部材26のグリップ部分37と接続されている。この保護ホース47は、駆動媒体のための様々な導管または導線7;12;17;25と少なくとも1つの冷却手段導管19、19’を、導管パケットにまとめており、同時にその中で案内される導管接続のための保護ジャケットとなる。
【0065】
グリップ部分37の外表面43は、好ましくは円筒状またはほぼ円筒状に形成されている。その場合に、グリップ部分37が、50mm、好ましくは約40mmの最大の直径48ないし最大の幅を有していると、効果的である。その場合に保護ホース47の外径49は、グリップ部分37の直径48と等しいか、わずかに小さい。特に保護ホース47は、中空円筒状のグリップ部分37内へ導入されて、グリップ部分37の内壁面を介して外れないように保持されている。
【0066】
特に
図4から7において読み取れるように、プラグ部材35として形成されている、第4のカップリング部材30は、少なくとも1つの中空円筒状のピン部材50、50’を有している。この少なくとも1つの中空円筒状のピン部材50、50’は、プラグ部材35から始まってカップリングブッシュ36の方向へ、そしてその逆に、冷却媒体を気密または液密に引き渡すために設けられている。その場合に少なくとも1つのピン部材50、50’の直径は、それぞれ対応づけられた、カップリングブッシュ36の冷却手段通路46、46’内へ導入可能であるように、寸法設計されている。好ましくは対で形成されているピン部材50、50’と冷却手段通路46、46’の間に十分に気密ないし液密の接続を構築することができるようにするために、少なくとも1つのピン部材50、50’の、プラグ部材35とは逆の終端部分内に、少なくとも1つのリング形状のシール部材51、51’、特にいわゆるOリングが配置されている。好ましい実施形態によれば、ホースパケット24内の送給冷却手段導管と還流冷却手段導管19、19’は、1つのプラグ部材35のみによって、冷却機器ないし冷却手段源21に対して必要に応じて接続され、かつ分離される。それによって、特に迅速かつ同時に極めてエラーのない取扱いが達成される。
【0067】
特に
図6と7を一緒に見ると読み取れるように、冷却手段カップリング33のプラグ部材35には、少なくとも1つの突出部52、53が形成されており、その突出部は、必要に応じて取外し可能な機械的係止結合54(
図6)を構築するために設けられている。特に少なくとも1つの突出部52、53が、第3のカップリング部材29に、あるいはホースパケット24のグリップ部分37に設けられた、少なくとも1つの関連するアンダーカット55、56と選択的に形状結合で結合可能かつ分離可能である。特に少なくとも1つの係止結合54によって、プラグ部材25とカップリングブッシュ36の間に形成されたカップリング接続の固定が保証されるので、望ましくない、たとえば圧力に基づく、冷却手段カップリング33の分離が排除されている。
【0068】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの突出部52、53は、プラグ部材35に直径方向に対向して弾性的に支承された2つの係止部材57、58によって形成されている。弾性的に支承された係止部材57、58の、プラグ部材35とは逆の端部に設けられた突出部52、53は、第3と第4のカップリング部材29、30の正確に結合された状態において、少なくとも1つのアンダーカット55、56の後方に嵌り込み(
図6)、そのようにして冷却手段カップリング33のカップリング結合の意図しない分離を阻止する。カップリング部材29、30間の能動的なカップリング接続を離すためには、単に直径方向に対向する係止部材57、58がそのばね作用に抗して互いに近づけられ、その後プラグ部材35がカップリングブッシュ36から除去され、ないしは引出し可能となる−
図4。
【0069】
その場合に、第3と第4のカップリング部材29、30の間のカップリングおよびカップリング解除方向(矢印59)は、第1と第2のカップリング部材28、26のカップリングおよびカップリング解除方向に対して横方向ないしホースパケット24の長手軸41に対して横方向に延びている。すなわち、マルチカップリング装置27のカップリングおよびカップリング解除方向は、冷却手段カップリング33のカップリングおよびカップリング解除方向(矢印59)に比較して、互いに対して直交して方向づけされており、ないしは互いに対して横方向に延びている。特に冷却手段カップリング33のカップリングおよびカップリング解除方向−矢印59−は、グリップ部分37の円筒状またはほぼ円筒状の外表面43に対して径方向に方向付けされている。
【0070】
差込み接続体34として形成されている、上述した冷却手段カップリング33の代りに、第3と第4のカップリング部材29、30を、ねじ結合カップリングのコンポーネントとして形成することも可能であって、その場合に第4ないしは冷却機器側のカップリング部材が締付け用ナットを有しており、その締付け用ナットが、第3ないしホースパケット側のカップリング部材のねじ接続端に対して必要に応じて結合および取外し可能である。従って、特に液状の冷却媒体を冷却手段源から、ないしは溶接機器から始まってホースパケットないしその溶接バーナーの方向に、かつその逆に案内するためのカップリング接続の好ましい、代替的な実施形態は、冷却手段カップリングをねじ結合カップリングとして形成することにある。この種の形態は、冷却循環内に比較的高い圧力ないし熱に基づく冷却媒体の高い伸張にも問題なく耐える。それによって、冷却手段カップリング装置が意図せずに分離する危険は、ほぼ排除することができる。
【0071】
図8aから8dには、操作者によって操作すべき冷却手段カップリング33のプラグ部材35(
図1から7を参照)が、単独位置で示されている。以下、プラグ部材35を、
図1および
図3の表示と組み合わせて説明する。
【0072】
プラグ部材35は、冷却手段源21へ通じる少なくとも1つの冷却手段導管60、60’に接続されている。好ましくはプラグ部材35は、流れ技術的に分離された2つの接続スリーブ61、61’を有しており、その場合に第1の接続スリーブ61は、冷却手段源21へ通じる、冷却媒体用の供給導管62と、他の接続スリーブ61’は、温められた冷却媒体のための還流導管63と接続可能ないしは接続されている。その場合に冷却手段源21の側の少なくとも1つの冷却手段導管60、60’は、必要な場合には、プラグ部材35を介してホースパケット24内の少なくとも1つの冷却手段導管19、19’と流れ技術的に接続および分離可能である。プラグ部材35とカップリング部材29の間が流れ技術的に結合されている状態において、冷却媒体は、冷却手段源21から始まって少なくとも溶接バーナー10(
図1)の方向へ案内することができる。しかしその場合に好ましくは、
図1に例として示されているように、少なくとも1つの冷却手段還流導管19’、60’を介して冷却循環20が構築される。特に、送給冷却手段導管19、60と還流冷却手段導管19’、60’を介し、かつプラグ部材35とカップリング部材29を有する、流れ技術的に統合された冷却手段カップリング33を介して、閉成された、必要に応じて開閉可能な冷却循環20が形成される。
【0073】
プラグ部材35は、それを関連する、カップリングブッシュ36として形成されたカップリング部材29に対して固定するために、少なくとも1つの係止部材57、58を有している。その場合に少なくともシングルで、好ましくはダブルで形成されている係止部材57、58は、好ましくは工具なしで能動化および非能動化可能に形成されている。
【0074】
プラグ部材35に設けられた第1と第2の中空円筒状のピン部材50、50’は、それぞれホースパケット24の内部の送給冷却手段導管と還流冷却手段導管19、19’に対応づけられている。接続スリーブ61、61’は、プラグ部材35のパイプ形状のピン部材50、50’に対して好ましくは角度をもって、特に直角に延びている。
【0075】
プラグ部材35の互いに対向する壁部分は、関連するカップリング部材29と相補形状の結合を構築するためにそれぞれ突出部52、53を有している。その場合に、互いに対向する突出部52、53は、弾性的に支承された係止部材57、58に形成されている。
【0076】
好ましい実施形態によれば、プラグ部材35は、少なくとも1つのピン部材50、50’の自由な終端部分から始まって、少なくとも1つのピン部材50、50’の軸方向に関して連続的に、あるいは飛躍的に拡幅するように形成されているので、ほぼV字状の外側輪郭あるいは少なくとも1つの突出する段部を有している。
【0077】
好ましい実施形態によれば、プラグ部材35は、その接続インターフェイス64(
図8dを参照)に関して、カップリングブッシュ36として形成されている、関連するカップリング部材29(
図3を参照)に対して対称に形成されているので、関連するカップリングブッシュ36に対して、プラグ部材は、少なくとも2つの選択可能な、180°だけ変化された方向付けに関して関連するカップリングブッシュ36に対して結合可能である。
【0078】
さらに、プラグ部材35内に少なくとも1つの弁を配置することが可能であって、その弁は、プラグ部材35を分離する場合に冷却媒体の流出を阻止するように形成されている。好ましくはカップリング部材29内に、同様に、冷却手段の流出を阻止するための少なくとも1つの弁が配置されている。弁は、冷却循環20が遮断または中断された場合に駆動が行なわれるように、形成することができるので、プラグ部材35のできる限り漏れのない分離を実施することができる。圧力が降下した場合に弁が自動的に、特にばね作用によって閉鎖されることも可能であるので、弁の能動的な駆動は不要である。特に弁は、冷却循環が遮断された場合、ないし冷却プロセスが終了した場合、特に冷却手段導管19ないし19’および/または60ないし60’内の圧力が降下した場合に、自動的に閉鎖するように、形成することができる。しかしまた、液体の流出を阻止するための安全装置ないし遮断装置を使用することもできる。
【0079】
しかしまた、溶接プロセスが終了した場合に、冷却媒体が導管、特に冷却手段導管19、19’から汲み出されることが可能であるので、差込み接続体34の安全な、ないしは漏れのない分離、特にクリティカルな液体流出なしカップリング解除部材29からのプラグ部材35の引出しが可能である。
【0080】
さらに、カップリング部材26をホースパケット24と溶接バーナー10の間の接続体として使用することが可能であって、この場合においてプラグ部材35は導線を介して溶接バーナー10に対応づけられ、ないしは溶接バーナー10と接続されているので、溶接バーナー10をカップリング部材26と接続する場合に、冷却循環20を閉成するために、溶接バーナー10がプラグ部材25を介してさらにカップリング部材29と結合される。特に、ホースパケット24の、溶接技術的なコンポーネント、特に溶接器具1に、あるいは代替的に外部のワイヤ送り装置11と溶接バーナー10に設けられた関連するカップリング部材28と結合される端部に、カップリング部材26が配置されることが可能であって、その場合に次に、ホースパケット24の、溶接技術的コンポーネントの該当する冷却導管と接続されている端部において、それぞれのカップリング部材29にプラグ部材35が接続される。
【0081】
重要なことは、1方向の冷却の流れまたは好ましくは閉成された冷却循環20を構築するために、カップリング部材26、特にホースパケット24が、関連するカップリング部材28と接続されて、液体供給がプラグ部材25を介して、カップリング部材26内に統合されたカップリング部材29に接続されることである。
【0082】
従来技術から、ホースパケット24から冷却手段導管を導出して、取り出され、ないしは導出された、冷却手段導管の端部において、各冷却手段導管のためにそれぞれ、冷却手段源21と接続するためのプラグを配置することが、知られている。すなわち、ホースパケット24に、個々のコンポーネントの関連するカップリングと接続されなければならない、すべてのプラグが配置されている。それに対して本発明によれば、カップリング部材26がカップリング部材28と標準的に接続され、その場合に、溶接バーナー10を冷却するために、冷却媒体が別体のプラグ部材35および関連するカップリング部材29を介してホースパケット24の冷却手段導管19、19’内へ案内される。その結果、ホースパケット24とカップリング部材26が、実質的に長く延びる、形状の安定したシリンダを形成し、そのシリンダは特に、冷却導管を取外し、ないしは別に引き込む必要なしに、中空軸ロボットの運動アームによって案内することができる。
【0083】
上述したカップリング装置27ないし冷却手段カップリング33は、もちろん、切断バーナーまたはプラズマバーナーを、ホースパケット24に、ないしは必要な駆動媒体を準備するための機器に取り付けるために使用することもできる。
【0084】
実施例は、ホースパケット24ないしそのカップリング装置27の可能な実施変形例を示しており、その場合にここで注意すべきであるが、本発明は具体的に示された実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることが可能であって、これらの変形可能性は、具体的発明による技術的取扱いのための教示に基づいて、この分野に従事する当業者の裁量の範囲内にある。従って図示され、かつ説明された実施変形例の個々の詳細を組み合わせることによって可能な、すべての考えられる実施変形例も保護範囲に一緒に含まれる。
【0085】
念のために最後に指示するが、ホースパケット24ないしカップリング装置27の構造をより良く理解するために、これらないしその構成部分は、部分的に縮尺通りではなく、かつ/または拡大および/または縮小して示されている。
【0086】
自立した発明的解決の基礎となる課題は、明細書から読み取ることができる。
【0087】
特に、
図1;2−8に示される個々の形態は、自立した、発明に基づく解決を形成することができる。これに関する発明に基づく課題と解決が、これらの図の詳細な説明から読み取られる。