【文献】
Park,Sung Bum, et al,Novel context modeling scheme for lossless image compression using statistical reference,Proc. of 6th Int. Symp. on Image and Signal Processing and Analysis,2009年 9月16日,P.250-253
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による映像符号化装置を図示している。
図1を参照すれば、一実施形態による映像符号化装置100は、モード決定部110及び符号化部120を含む。
【0021】
モード決定部110は、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定する。無線ネットワークを介したデバイスの相互連結に係わる技術は、無線ネットワークを介して、HD(high-definition)以上の高画質コンデンツを送受信することを目的としている。ただし、多様なデバイス間の相互連結を可能にするために、小さいメモリと低複雑度とにフォーカスを合わせて標準化が進行中である。従って、映像の符号化においても、できる限り低複雑度を追求しているが、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4 H.264/MPEG−4 AVC(advanced video coding)とは異なり、圧縮率を高めるための複雑な技法を利用しない。
【0022】
しかし、映像のピクセル値を全く圧縮せずに伝送することは、高い伝送率の無線ネットワークを要求することになるので、これもまた、多様なデバイス間の相互連結を妨害する要素になる。従って、後述するスキップモード(skip mode)、ナチュラルモード(natural mode)及びグラフィックモード(graphic mode)の三種のモードを利用して映像を符号化、復号化することによって、低い複雑度と適正レベルの圧縮率とを保証することができる。
【0023】
スキップモードは、現在ブロックが、現在ブロックに隣接したブロックと同一であるか否かということに基づいて、現在ブロックを符号化するモードである。ナチュラルモードは、現在ブロックが自然映像に係わるブロックであるならば、離散コサイン変換(DCT:discrete cosine transform)及びビットプレーン(bit plane)分割を利用して、現在ブロックを符号化するモードである。グラフィックモードは、現在ブロックが文字(text)のように、人為的(artificially)に生成された映像に係わるブロックであるならば、ビットプレーン分割を利用して、現在ブロックを符号化するモードである。スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードについては、
図3ないし
図5を参照して詳細に後述する。
【0024】
モード決定部110は、前述の複数のモードのうち、いずれのモードに従って現在ブロックを符号化するかを決定する。まず、モード決定部110は、現在ブロックが、現在ブロックに隣接した以前に符号化された現在スライスの他のブロックと同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。現在ブロックのピクセル値と、現在スライスの以前に符号化されたブロックのピクセル値とを比較し、同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。
図2及び
図3を参照して詳細に説明する。
【0025】
図2は、一実施形態による映像符号化単位を図示している。
図2を参照すれば、映像符号化装置100は、スライス単位、ブロック単位、ビットプレーン単位で映像を分割して符号化する。映像符号化装置100は、現在ピクチャ210を複数のスライス212,214,216に分割し、縦がNである複数のスライス212ないし216に分割することができる。映像符号化装置100は、それぞれのスライスをNxNサイズのブロック220に分割し、それぞれのNxNブロック220は、さらに最上位ビット(MSB:most significant bit)に係わるビットプレーンから最下位ビット(LSB:least significant bit)に係わるビットプレーンまで、複数のビットプレーンに分割される。もしブロック220のピクセル値または離散コサイン係数がMビットでもって表現されるならば、M個のビットプレーンに分割される。
【0026】
図3は、一実施形態によるスキップモードを決定する方法について説明するための図である。
図3を参照すれば、
図2と関連して述べたように、現在ピクチャ310は、複数のスライスに分割される。映像符号化装置100が、
図3に図示されたスライス320を符号化する場合を例に挙げて説明する。
【0027】
現在スライス320の現在ブロック322を符号化するために、映像符号化装置100のモード決定部110は、現在ブロック322が、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロック324と同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。一般的に、空間的に隣接ブロックに隣接する現在ブロック322は、隣接ブロックと同一であるか、あるいは類似している確率が高い。従って、モード決定部110は、現在ブロック322の以前に符号化されたブロック324、すなわち、
図3で、現在ブロック322の左側に図示された隣接ブロック324と同一であるか、あるいは類似していれば、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードであると決定することができる。隣接したブロック324は、現在ブロックの符号化直前に符号化されたブロックであってもよい。
【0028】
現在ブロック322と隣接したブロック324とが同一であるか、あるいは類似しているかに係わる決定は、多様な方法で遂行可能である。現在ブロック322と隣接したブロック324とのSAD(sum of absolute difference)、MSE(mean square error)、SNR(signal to noise ratio)、最大差(max difference)などに基づいてコスト(cost)を計算し、計算されたコストによって、現在ブロック322と隣接したブロック324とが同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。SAD、MSE、最大差が「0」に近いほど、現在ブロック322と隣接したブロック324とが同一であるか、あるいは十分に類似していると決定することができる。
【0029】
モード決定部110は、現在ブロック322と隣接したブロック324とが完全に同じ場合にのみ、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードであると決定し、現在ブロック322と類似した場合にも、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードであると決定することもできる。言い換えれば、前述のSAD、MSE、最大差などが「0」であるとき、またはSAD、MSE、最大差などが所定臨界値以下であるときにも、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードであると決定することもできる。従って、前述のSAD、MSE、最大差などが所定臨界値と同一であったり、あるいはそれ以下であるならば、現在ブロック322と隣接したブロック324とが十分に類似していると決定することができる。
【0030】
モード決定部110が現在ブロックと隣接したブロックとの同一いかんまたは類似いかんを決定した結果、現在ブロックの符号化モードをスキップモードではないと決定すれば、モード決定部110は、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモード及びグラフィックモードのうち一つであると決定する。現在ブロックが自然映像、例えば、人為的に生成されていない映像に係わるブロックであると決定されれば、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードであると決定する。一方、現在ブロックがテキスト、コンピュータグラフィックのように人為的に生成された映像に係わるブロックであると決定されれば、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードであると決定する。
【0031】
現在ブロックを、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化するかを決定する基準には制限がなく、多様なアルゴリズムを利用して、現在ブロックが人為的に生成された映像に係わるブロックであるか否かを決定することができる。例えば、人為的な映像は、特定領域に同じピクセル値が分布する確率が高い。現在ブロックのピクセル値を比較して、同じピクセル値が所定個数以上であるならば、人為的に生成された映像に係わるブロックであると決定することができる。
【0032】
また、他の実施形態によれば、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードに従ってそれぞれ符号化した後、符号化結果を、RDコスト(rate distortion cost)に基づいて、ナチュラルモードまたはグラフィックモードを現在ブロックの符号化モードであると決定できるが、これについての詳細な説明は、
図7を参照して後述する。
【0033】
モード決定部110で、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定すれば、符号化部は、モード決定部110で決定された符号化モードに従って、現在ブロックを符号化する。
【0034】
現在ブロックが以前に符号化された隣接したブロックと同一であるか、あるいは類似しており、現在ブロックの符号化モードがスキップモードであると決定されたとすれば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報、例えば、フラグ情報を現在ブロックのピクセル値の代わりに符号化する。
【0035】
現在ブロックのピクセル値を直接符号化する代わりに、1ビットのフラグ情報で現在ブロックを符号化することができるので、映像の圧縮率が向上する。また、スキップモードに従って現在ブロックを符号化するために、現在ブロックの直前に符号化されたブロックだけ参照するので、低い複雑度でスキップモードを具現することができる。
【0036】
現在ブロックが、以前に符号化された隣接したブロックと同一であるか、あるいは類似しておらず、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定されたとすれば、符号化部120は、現在ブロックをナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化する。モード決定部110が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードであると決定したならば、ナチュラルモードに従って現在ブロックを符号化し、モード決定部110が、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードであると決定したならば、グラフィックモードに従って符号化する。ナチュラルモード及びグラフィックモードによる符号化方法は、
図4ないし
図6を参照して詳細に説明する。
【0037】
図4は、他の実施形態による映像符号化装置を図示している。
図4を参照すれば、一実施形態による映像符号化装置400は、モード決定部410、ナチュラルモード符号化部420、グラフィックモード符号化部430及びモード情報符号化部440を含む。モード決定部410は、
図1のモード決定部110に対応し、ナチュラルモード符号化部420、グラフィックモード符号化部430及びモード情報符号化部440は、
図1の符号化部120に対応する。
【0038】
モード決定部410は、現在ブロックの符号化モードを決定する。スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定することができる。
【0039】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードであると決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報、例えば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化する。
【0040】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードであると決定すれば、ナチュラルモード符号化部420は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化する。現在ブロックを離散コサイン変換して離散コサイン係数を生成し、生成された係数を複数のビットプレーンに分離し、それぞれのビットプレーンを、ビットプレーン基盤(bit plane basis)符号化方法を利用して符号化する。
図5を参照して詳細に説明する。
【0041】
図5は、一実施形態によるナチュラルモード符号化部を図示している。
図5を参照すれば、一実施形態によるナチュラルモード符号化部420は、変換部510、ビットプレーン選択部520及びビットプレーン符号化部530を含む。
【0042】
変換部510は、現在ブロックを離散コサイン変換(DCT)し、離散コサイン変換係数を生成する。離散コサイン変換は、ピクセルドメインのピクセル値を周波数ドメインに変換し、周波数ドメインの係数を生成する方法の例示であるのみ、他の方法が現在ブロックの変換に利用可能であるということは、本発明が属する技術分野で当業者であるならば、容易に分かるであろう。
【0043】
変換部510が現在ブロックを離散コサイン変換して生成された離散コサイン変換係数のうち、DC(direct current)成分の係数に係わるビット列は、そのままビットストリームに挿入される。しかし、AC(alternating current)成分の係数は、ビットプレーン基盤符号化方法によって符号化される。
【0044】
ビットプレーン選択部520は、AC成分の係数を複数のビットプレーンに分離する。AC成分の係数の最上位ビットから構成されたビットプレーンから最下位ビットから構成されたビットプレーンまで、複数のビットプレーンに分離する。MビットのAC成分の係数をビット単位で分離し、M個のビットプレーンを生成する。AC成分の係数に係わるビット列の最上位ビットから構成された第1ビットプレーンを分離し、最上位ビットの次のビットから構成された第2ビットプレーンを分離する。ビットプレーンの分離を、最下位ビットまで反復し、M個のビットプレーンを分離する。
【0045】
ビットプレーン選択部520で複数のビットプレーンを分離すれば、ビットプレーン符号化部530は、生成された複数のビットプレーンそれぞれを、ビットプレーン基盤符号化方法を利用して符号化する。ビットプレーンを符号化する方法には制限がなく、従来技術によるあらゆるビットプレーン基盤符号化方法を本発明に利用することができる。また、一実施形態によれば、ビットマスク(bit mask)を利用して、それぞれのビットプレーンを符号化する。それぞれのビットプレーンで意味する1ビットが存在する領域を、ビットマストを利用して設定し、設定された領域についてのみビットプレーン基盤符号化を行う。
【0046】
以上、
図5と関連して、DC係数及びAC係数を分離して別途に符号化する方法について説明した。しかし、
図5と関連して述べた符号化方法は、例示的なものであり、離散コサイン変換及びビットプレーン基盤符号化方法を利用して、現在ブロックを利用するあらゆる方法がナチュラルモード符号化部420に適用されてもよい。
【0047】
再び
図4を参照すれば、モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードであると決定すれば、グラフィックモード符号化部430は、現在ブロックをグラフィックモードに従って符号化する。現在ブロックのピクセル値を、複数のビットプレーンに分離し、それぞれのビットプレーンをビットプレーン基盤符号化方法を利用して符号化する。
図6Aを参照して詳細に説明する。
【0048】
図6Aは、一実施形態によるグラフィックモード符号化部を図示している。
図6Aを参照すれば、一実施形態によるグラフィックモード符号化部430は、ビットプレーン選択部610及びビットプレーン符号化部620を含む。
【0049】
ビットプレーン選択部610は、現在ブロックのピクセル値を複数のビットプレーンに分離する。Pビットのピクセル値をビット単位で分離し、ピクセル値の最上位ビットから構成されたビットプレーンからピクセル値の最下位ビットから構成されたビットプレーンまでP個のビットプレーンを生成する。
【0050】
ビットプレーン選択部610で複数のビットプレーンを分離すれば、ビットプレーン符号化部620は、生成された複数のビットプレーンそれぞれをビットプレーン基盤符号化方法を利用して符号化する。
【0051】
図6Bは、一実施形態によるビットプレーン基盤符号化方法を図示している。
図6Bを参照すれば、ビットプレーン符号化部620は、同じビット値をグループ化してビットプレーンを符号化する。ブロックのサイズが4x4であり、ピクセル値が8ビットである場合を例に挙げて説明すれば、ビットプレーン符号化部620は、まず最上位ビットであるビット7に係わるビットプレーンを、
図6Bに図示されているように符号化する。ビット7に係わるビットプレーンを「0」のグループ631と、「1」のグループ632とに分けて符号化する。最上位ビット7に係わるビットプレーンが同じビットを含んでいないので、まず「1」を符号化し、分割形態を示すために、「000111111111000」を符号化する。
【0052】
ビット6に係わるビットプレーンは、ビット7のグループに基づいて、それぞれのグループが互いに異なるビット値によって分割されているか否かによって符号化される。
図6Bに図示された実施形態では、「0」のグループ631及び「1」のグループ632が、いずれも分割されないので、「0」のグループ631が分割されていないことを示す「00」と、「1」のグループ632が分割されていないことを示す「01」を符号化する。
【0053】
ビット5に係わるビットプレーンでは、ビット6に係わるビットプレーンの「1」のグループ632が、2つのグループ634及び644に分割される。従って、「0」のグループが分割されていないことを示す「00」をまず符号化し、「1」のグループ632が分割されたことを示すために、「1」を符号化する。その後、「1」のグループ632が分割された形態を示すために、「0000011111」を符号化する。
【0054】
ビット4に係わるビットプレーンでは、「1」のグループ632が分割されて生成されたグループ633及び634のうち、「0」のグループ633がもう一度分割される。従って、「0」のグループ631が分割されていないことを示すために、「00」をまず符号化する。また、「1」のグループ632が分割されて生成されたグループ633及び634のうち、「0」のグループ633が分割されたことを示すために、「1」を符号化し、「0」のグループ633の分割形態を示すために、「11100」が符号化される。その後、「1」のグループ634は分割されていないことを示すために、「01」が符号化される。
【0055】
ビットプレーン符号化部620は、前述の同じビット値をグループ化して生成されたビットグループに基づいたビットプレーン基盤符号化方法を、最下位ビットまで反復適用し、それぞれのビットプレーンを符号化する。
【0056】
再び
図4を参照すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックの符号化に利用されたモードに係わる情報を符号化する。モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードであると決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報、例えば、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化する。
【0057】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードまたはグラフィックモードであると決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがナチュラルモードに従って符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。スキップモードと同様に、現在ブロックがナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化する。
【0058】
また、モード情報符号化部440は、現在ブロックを含む現在スライスが、スキップモードまたはナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す情報を符号化する。現在スライスに係わるフラグ情報であるから、現在スライスの構文要素(syntax element)としてフラグ情報を符号化する。
【0059】
図7は、さらに他の実施形態による映像符号化装置を図示している。
図7を参照すれば、さらに他の実施形態による映像符号化装置700は、スキップモード決定部710、ナチュラルモード符号化部720、グラフィックモード符号化部730、モード決定部740及びモード情報符号化部750を含む。
【0060】
スキップモード決定部710及びモード決定部740は、
図1のモード決定部110に対応し、ナチュラルモード符号化部720、グラフィックモード符号化部730及びモード情報符号化部750は、
図1の符号化部120に対応する。
【0061】
スキップモード決定部710は、現在ブロックをスキップモードに従って符号化するか否かを決定する。現在ブロックのピクセル値と、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロックのピクセルと値を比較し、現在ブロックと隣接したブロックとが同一であるか、あるいは類似していると決定されれば、現在ブロックの符号化モードをスキップモードであると決定する。
【0062】
スキップモード決定部710が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードであると決定すれば、モード情報符号化部750は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。前述のように、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報が、モード情報符号化部750で符号化される。
【0063】
スキップモード決定部710が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードではないと決定すれば、ナチュラルモード符号化部720及びグラフィックモード符号化部730は、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードに従ってそれぞれ符号化する。
【0064】
モード決定部740は、ナチュラルモード符号化部720の符号化結果と、グラフィックモード符号化部730の符号化結果とを比較し、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化するか、グラフィックモードに従って符号化するかを決定する。
【0065】
ナチュラルモードに従って符号化した結果と、グラフィックモードに従って符号化した結果とに基づいて、RDコストを計算する。コスト=(rate)+(lambda)x(distortion)によってコストを計算し、コストの小さいモードを現在ブロックの符号化モードであると決定する。「lambda」は、実施形態によって異なって設定され、「lambda」を調整してナチュラルモード及びグラフィックモードの選択比率を変更することができる。
【0066】
モード決定部740で、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードまたはグラフィックモードであると決定すれば、モード情報符号化部750は、決定された符号化モードに係わる情報、例えば、現在ブロックがナチュラルモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報、またはグラフィックモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化する。
【0067】
また、前述のように、モード情報符号化部750は、それぞれのブロックに係わるモード情報以外に、現在スライスがスキップモードまたはナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す情報を符号化する。
【0068】
図8は、一実施形態による映像復号化装置を図示している。
図8を参照すれば、一実施形態による映像復号化装置800は、モード情報復号化部810及び復号化部820を含む。
【0069】
モード情報復号化部810は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。ビットストリームをパージングし、現在ブロックがスキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す情報を復号化する。
【0070】
復号化部820は、モード情報復号化部810で復号化されたモード情報に基づいて、現在ブロックを復号化する。モード情報の復号化結果、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、現在ブロックと同一であるか、あるいは類似しているブロック、例えば、隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。隣接したブロックは、現在ブロックの復号化の直前に復号化されたブロックであってもよい。現在ブロックがナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたとすれば、
図5及び
図6Aと関連して述べた符号化方法を逆に遂行して、現在ブロックを復元する。
図9を参照して詳細に説明する。
【0071】
図9は、さらに他の実施形態による映像復号化装置を図示している。
図9を参照すれば、さらに他の実施形態による映像復号化装置900は、モード情報復号化部910、スキップモード復号化部920、ナチュラルモード復号化部930及びグラフィックモード復号化部940を含む。モード情報復号化部910は、
図8のモード情報復号化部810に対応し、スキップモード復号化部920、ナチュラルモード復号化部930及びグラフィックモード復号化部940は、
図8の復号化部820に対応する。
【0072】
モード情報復号化部910は、
図9のモード情報復号化部810のように、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。
【0073】
スキップモード復号化部920は、復号化されたモード情報がスキップモードに係わる情報であるならば、現在ブロックをスキップモードに従って復号化する。現在ブロックが隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。隣接したブロックをそのままコピーすることによって、現在ブロックを復元できる。
【0074】
ナチュラルモード復号化部930は、復号化されたモード情報がナチュラルモードに係わる情報であるならば、現在ブロックをナチュラルモードに従って復号化する。ナチュラルモード復号化部930は、まずビットストリームに含まれている離散コサイン係数のうち、DC成分の係数をパージングする。その後、ビットプレーン基盤復号化方法を利用して、離散コサイン係数のうち、AC成分の係数に係わる複数のビットプレーンを復元する。復元された複数のビットプレーンを結合してAC成分の係数が復元されれば、復元されたAC成分の係数及びパージングされたDC成分の係数に基づいて、逆離散コサイン変換を遂行する。逆離散コサイン変換の結果、現在ブロックが復元される。
【0075】
グラフィックモード復号化部940は、復号化されたモード情報がグラフィックモードに係わる情報であるならば、現在ブロックをグラフィックモードに従って復号化する。ビットプレーン基盤復号化方法を利用し、現在ブロックのピクセル値に係わる複数のビットプレーンを復元する。その後、復元された複数のビットプレーンを結合し、現在ブロックのピクセル値を復元する。
【0076】
図10は、一実施形態による映像符号化方法について説明するためのフローチャートである。
図10を参照すれば、段階1010で、一実施形態による映像符号化装置100または400は、現在ブロックをスキップモードに従って符号化するか否かを決定する。スキップモードは、現在ブロックと隣接したブロックとが同一であるか、あるいは類似していれば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化するモードである。
【0077】
段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定されれば、段階1020で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化するか、グラフィックモードに従って符号化するかを決定する。
図1のモード決定部110と関連して述べたように、現在ブロックが自然映像に係わるブロックであるか、あるいは人為的に生成された映像に係わるブロックであるかを決定し、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化するか、グラフィックモードに従って符号化するかを決定する。
【0078】
段階1020で、現在ブロックが自然映像に係わるブロックであると決定されれば、段階1030で、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化する。段階1030で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化する。ナチュラルモードの符号化方法は、
図5と関連して説明した。
【0079】
段階1020で、現在ブロックが人為的に生成された映像に係わるブロックであると決定されれば、現在ブロックをグラフィックモードに従って符号化する。段階1040で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをグラフィックモードに従って符号化する。グラフィックモードの符号化方法は、
図6Aと関連して説明した。
【0080】
段階1050で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックの符号化に利用された符号化モードに係わる情報を符号化する。段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードであると決定されたならば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定され、段階1030または1040で、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って現在ブロックが符号化されたならば、現在ブロックがナチュラルモードに従って符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。
【0081】
図11は、他の実施形態による映像符号化方法について説明するためのフローチャートである。
図11を参照すれば、段階1110で、一実施形態による映像符号化装置100または700は、現在ブロックをスキップモードに従って符号化するか否かを決定する。段階1110は、
図10の段階1010に対応する。
【0082】
段階1110で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定されれば、映像符号化装置100または700は、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードに従ってそれぞれ符号化する。
【0083】
段階1140で、映像符号化装置100または700は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化した結果、及びグラフィックモードに従って符号化した結果を比較し、現在ブロックの符号化モードを決定する。ナチュラルモードに従って符号化した結果、及びグラフィックモードに従って符号化した結果に基づいて、RDコストを計算する。コスト計算の結果、コストの小さいモードを、現在ブロックの符号化モードであると決定する。
【0084】
段階1150で、映像符号化装置100または700は、現在ブロックの符号化に利用された符号化モードに係わる情報を符号化する。段階1110で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードであると決定されたならば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。段階1110で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定され、段階1140で、現在ブロックの符号化モードがナチュラルモードまたはグラフィックモードであると決定されたならば、現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。
【0085】
図12は、一実施形態による映像復号化方法について説明するためのフローチャートである。
図12を参照すれば、段階1210で、一実施形態による映像復号化装置800または900は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。ビットストリームをパージングし、現在ブロックがスキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す符号化モードに係わる情報を復号化する。
【0086】
段階1220で、映像復号化装置800または900は、復号化されたモード情報に基づいて、現在ブロックを復号化する。段階1210で、モード情報の復号化結果、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、現在ブロックと同一であるか、あるいは類似しているブロック、すなわち、隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。現在ブロックがナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたとすれば、
図5及び
図6Aと関連して述べた符号化方法を逆に遂行して、現在ブロックを復元する。
【0087】
図13は、一実施形態によるモード情報符号化装置を図示している。
図13に図示されたモード情報符号化装置は、
図4のモード情報符号化部440及び
図7のモード情報符号化部750に対応する。
【0088】
図13を参照すれば、一実施形態によるモード情報符号化装置1300は、第1情報符号化部1310、第2情報符号化部1320及びスライス情報符号化部1330を含む。
【0089】
第1情報符号化部1310は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報、例えば、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示すフラグ情報を符号化する。例えば、モード決定部110,410及び740、並びにスキップモード決定部710の符号化モードの決定に基づいて、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報を「1」に設定し、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないとすれば、フラグ情報を「0」に設定することができる。
【0090】
本発明の他の実施形態によれば、第1情報符号化部1310は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かに基づいて、選択的に第1情報を符号化する。現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、現在スライスのあらゆるブロックに対して、スキップモードに係わる情報が同じ値を有するという情報が符号化される。言い換えれば、現在スライスのあらゆるブロックに対して、スキップモードに従って符号化されたか否かを示し、いずれも「0」の同じ値を有するフラグ情報が符号化される。従って、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、それぞれのブロックに対して、第1情報を符号化する必要がない。従って、第1情報符号化部1310は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、それぞれのブロックに対して、第1情報を符号化する。
【0091】
さらに他の実施形態によれば、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にも、現在スライスがナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、現在ブロックは、スキップモードに従って符号化されるということが明白である。従って、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にも、現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック、またはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、第1情報を符号化する。
【0092】
現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないと決定されれば、第2情報符号化部1320は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報、例えば、ナチュラルモード及びグラフィックモードに係わる情報として、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち現在ブロックの符号化に利用されたモードを特定するためのフラグ情報であってもよい。
【0093】
例えば、現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報を「0」に設定し、現在ブロックがグラフィックモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報を「1」に設定することができる。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたならば、第1情報符号化部1310で、すでにスキップモードに係わる情報が符号化されるので、第2情報符号化部1320が、ナチュラルモード及びグラフィックモードに係わる情報を符号化する必要がない。
【0094】
現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたか否かによって、選択的に第2モード(例えば、ナチュラルモード)及び第3モード(例えば、グラフィックモード)のうちいずれのモードに従って符号化されたかを示す情報を符号化するために、モードに係わる情報を符号化するのに必要なビット数を減らすことができる。
【0095】
言い換えれば、ホフマンコード(Hoffman code)によって、モードに係わる情報が符号化され、モードに係わる情報をさらに効率的に符号化する。例えば、現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されれば、「1」の1ビットで、スキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化することができ、現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されれば、「00」の2ビットで、ナチュラルモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。また、現在ブロックが、グラフィックモードに従って符号化されれば、「01」の2ビットで、グラフィックモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。ナチュラルモードに係わる情報と、グラフィックモードに係わる情報とで、最初のビットである「0」が第1情報であって、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないことを示す情報であり、2番目のビットである「0」及び「1」が第2情報であり、ナチュラルモードとグラフィックモードとのうち、いずれのモードに従って現在ブロックが符号化されるかを示す情報である。
【0096】
また、第2符号化部1320は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含むかによって、選択的に第2情報を符号化する。
【0097】
第1符号化部1320で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定された場合にのみ、第2符号化部1320で第2情報を符号化する。従って、現在ブロックの符号化モードは、ナチュラルモードまたはグラフィックモードである。
【0098】
ところで、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックは、明確にナチュラルモードに従って符号化されたブロックである。従って、第2情報を符号化せずとも、現在ブロックの符号化モードがナチュラルモードであることを、復号化する側で分かる。現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックのみ含む場合にも同様である。第2政府符号化部1320が第2情報を符号化せずとも、現在ブロックがグラフィックモードに従って符号化されたブロックであることを、復号化する側で分かる。
【0099】
しかし、現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含めば、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されるかは、符号化する側で分からないので、第2情報符号化部1320は、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されたモードを特定するための第2情報を符号化する。
【0100】
スライス情報符号化部1330は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第4情報を符号化する。第4情報は、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報を含むことができる。前述のように、第1情報符号化部1310及び第2情報符号化部1320は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否か、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むか否か、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かをによって、選択的に第1情報及び第2情報を符号化する。従って、スライス情報符号化部1330は、第3情報及び第4情報を符号化し、第1情報及び第2情報が符号化されずとも、復号化する側で、現在ブロックの符号化モードを特定できる。
【0101】
図14は、一実施形態によるモード情報符号化方法について説明するためのフローチャートである。
図14を参照すれば、段階1410で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックの符号化モードを決定する。モード決定部110,410及び740並びにスキップモード決定部710を介して、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定する。
【0102】
段階1420で、モード情報符号化装置1300は、スキップモードに係わる情報を符号化する。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報を符号化する。現在ブロックの符号化モードがスキップモードであるならば、フラグ情報を「1」に設定し、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではなければ、フラグ情報を「0」に設定することができる。
【0103】
段階1430で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックの符号化モードがスキップモードであるか否かを決定する。現在ブロックの符号化モードがスキップモードであるならば、段階1450で、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報を符号化する。現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報を「1」に設定することができる。
【0104】
現在ブロックの符号化モードが、スキップモードではなければ、段階1440で、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報を符号化する。現在ブロックの符号化モードが、ナチュラルモードであるならば、フラグ情報を「0」に設定し、現在ブロックの符号化モードが、グラフィックモードであるならば、フラグ情報を「1」に設定することができる。
【0105】
段階1440で、第2情報の符号化が終われば、段階1450で、現在スライスがナチュラルモード及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第4情報を符号化する。現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報を符号化する。
【0106】
図15は、他の実施形態によるモード情報符号化方法について説明するためのフローチャートである。
図15を参照すれば、段階1510で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックの符号化モードを決定する。
図14の段階1410に対応する。
【0107】
段階1520で、モード情報符号化装置1300は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを決定する。現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まなければ、現在ブロックに対して、スキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報を符号化する必要がない。
【0108】
段階1520で、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むと決定されれば、段階1530で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報を符号化する。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたならば、フラグ情報を「1」に設定し、スキップモードに従って符号化されていないならば、フラグ情報を「0」に設定することができる。
【0109】
段階1540で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたならば、現在ブロックが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたかを示す情報を符号化する必要がないので、段階1570に移動する。
【0110】
段階1550で、モード情報符号化装置は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含むか否かを決定する。現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報を符号化する必要がないので、段階1570に移動する。また、現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、グラフィックモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、第2情報を符号化する必要がないので、段階1570に移動する。
【0111】
段階1560で、モード情報符号化装置は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報を符号化する。現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されたならば、フラグ情報を「0」に設定し、現在ブロックが、グラフィックモードに従って符号化されたならば、「1」に設定する。
【0112】
段階1570で、モード情報符号化装置は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報;及び現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第4情報;を符号化する。第4情報は、現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報、及び現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報を含むことができる。
【0113】
図16は、さらに他の実施形態によるモード情報を符号化する方法について説明するためのフローチャートである。
図16に図示された実施形態を、
図15に図示された実施形態と比較すれば、段階1625が追加されたところで異なる。段階1610ないし1670の他の段階は、それぞれ
図15の段階1510ないし1570に対応する。
図15に図示された実施形態によれば、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合にも、第1情報を符号化した。しかし、
図16に図示された実施形態によれば、段階1625が追加され、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合には、段階1670に移動して第1情報を符号化しない。
【0114】
図17によって符号化されるモード情報を整理すれば、次の表1の通りである。
【0115】
【表1】
「skip_mode_used」フィールドは、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報であり、前述の第3情報に対応する。「nat_mode_used」フィールドは、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報である。「graphic_mode_used」フィールドは、現在スライスがグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報である。「nat_mode_used」フィールド及び「graphic_mode_used」フィールドは、前述の第4情報に対応する。第1情報は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示すフラグ情報であり、第2情報は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示すフラグ情報である。
【0116】
図17は、一実施形態によるモード情報復号化装置を図示している。
図17に図示されたモード情報符号化装置は、
図8のモード情報復号化部810及び
図9のモード情報復号化部910に対応する。
図17を参照すれば、一実施形態によるモード情報復号化装置1700は、スライス情報復号化部1710、第1情報復号化部1720、第2情報符号化部1730及びモード決定部1740を含む。
【0117】
スライス情報復号化部1710は、ビットストリームから、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報、並びにナチュラルモードに従って符号化されたブロック及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むかを示す第4情報をパージングする。第4情報は、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含む示すフラグ情報、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報を含むことができる。
【0118】
第1情報復号化部1720は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報をパージングする。第1情報は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示すフラグ情報であってもよい。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報は、「1」であって、現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されていないとすれば、フラグ情報は、「0」であってもよい。
【0119】
本発明の他の実施形態によれば、第1情報復号化部1720は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かをに基づいて、選択的に第1情報を符号化する。現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、現在スライスのあらゆるブロックが、スキップモードに従って符号化されていないことが明白であり、モード情報符号化装置1300は、第1情報を符号化しない。従って、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、それぞれのブロックに対して、第1情報をパージングする必要がない。従って、第1情報復号化部1710は、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、それぞれのブロックに対して、第1情報を符号化する。
【0120】
さらに他の実施形態によれば、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にも、モード情報符号化装置1300は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、またはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、第1情報を符号化する。第1情報復号化部1720は、スライス情報復号化部1710で復号化された第4情報を参照し、現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック、またはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、第1情報をパージングすることができる。
【0121】
第2情報復号化部1720は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないと決定されれば、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報をパージングする。第2情報は、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されたモードを特定するためのフラグ情報であってもよい。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されれば、第1情報復号化部1710で、スキップモードに係わる情報をすでにパージングしており、現在ブロックの復号化に利用されるモードが、スキップモードであると決定されるので、ナチュラルモード及びグラフィックモードに係わる情報をパージングする必要がない。
【0122】
また、第2情報復号化部1320は、スライス情報復号化部1710で復号化された第4情報を参照し、選択的に第2情報を符号化する。現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックのみ含めば、現在ブロックは、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックであるということが明白であり、モード情報符号化装置1300は、第2情報を符号化しないので、第2情報復号化部1320が第2情報をパージングする必要がない。また、現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックだけ含めば、現在ブロックは、グラフィックモードに従って符号化されたブロックであるということが明白であり、モード情報符号化装置1300は、第2情報を符号化しないので、第2情報復号化部1320が第2情報をパージングする必要がない。
【0123】
要するに、第2情報復号化部1320は、第4情報を参照した結果、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含む場合にのみ第2情報をパージングする。
【0124】
モード決定部1740は、第1情報復号化部1720で復号化された第1情報、及び第2情報復号化部1730で復号化された第2情報のうち少なくとも一つに基づいて、現在ブロックの復号化に利用されるモードを決定する。第1情報に基づいて、現在ブロックの復号化に利用されるモードがスキップモードであるかをまず決定し、スキップモードではなければ、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードを利用して現在ブロックを復号化するかを決定する。
【0125】
図18は、一実施形態によるモード情報復号化方法について説明するためのフローチャートである。
図18を参照すれば、段階1810で、モード情報復号化装置1700は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報を復号化する。ビットストリームで、第1情報をパージングする。
【0126】
段階1820で、モード情報復号化装置1700は、段階1820で復号化された第1情報に基づいて、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたならば、段階1840に移動し、現在ブロックの復号化に利用されるモードをスキップモードであると決定する。
【0127】
段階1820で、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないと決定されれば、段階1830で、モード情報復号化装置1700は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうちいずれの符号化モードに従って符号化されたかを示す第2情報を復号化する。ビットストリームで、第2情報をパージングする。その後、復号化された第2情報に基づいて、段階1840で、現在ブロックの復号化に利用されるモードをナチュラルモードまたはグラフィックモードであると決定する。
【0128】
図19は、他の実施形態によるモード情報復号化方法について説明するためのフローチャートである。
図19を参照すれば、段階1910で、モード情報復号化装置1700は、モード情報符号化装置が、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報、及び現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第4情報を復号化する。ビットストリームで、第3情報及び第4情報をパージングする。
【0129】
段階1920で、モード情報復号化装置1700は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを決定する。段階1910で復号化された第3情報に基づいて、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを決定する。現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まなければ、現在ブロックに対して、スキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報をパージングする必要がない。
【0130】
段階1920で、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むと決定されれば、段階1930で、モード情報復号化装置1700は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報をパージングする。
【0131】
段階1940で、モード情報復号化装置1700は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。段階1930で、パージングされた第1情報に基づいて、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す情報をパージングする必要がないので、段階1970に移動する。
【0132】
段階1950で、モード情報復号化装置1700は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含むか否かを決定する。段階1910で復号化された第4情報に基づいて決定する。現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報をパージングする必要がないので、段階1970に移動する。また、現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、グラフィックモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、第2情報をパージングする必要がないので、段階1970に移動する。
【0133】
段階1960で、モード情報復号化装置1700は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報をパージングする。
【0134】
段階1970で、段階1930及び段階1960でパージングされた第1情報及び第2情報のうち少なくとも一つに基づいて、現在ブロックの復号化に利用されるモードを決定する。
【0135】
図20は、さらに他の実施形態によるモード情報を符号化する方法について説明するためのフローチャートである。
図20は、
図16のモード情報符号化方法に対応するモード情報復号化方法を図示している。
図20に図示された実施形態を、
図19に図示された実施形態と比較すれば、段階2030が追加されたところで異なる。段階2010ないし2070は、それぞれ
図19の段階1910ないし1970に対応する。
図19に図示された実施形態によれば、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合にも、第1情報をパージングした。しかし、
図20に図示された実施形態によれば、段階2025が追加され、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合には、段階2070に移動して第1情報をパージングしない。
【0136】
以上のように、本発明について、たとえ限定された実施形態及び図面によって説明したにしても、本発明が、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野で当業者であるならば、かような記載から多様な修正及び変形が可能であろう。従って、本発明の思想は、特許請求の範囲によってのみ把握され、それと均等であるか、あるいは等価的な変形は、いずれも本発明思想の範疇に属するのである。また、本発明によるシステムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、コンピュータで読み取り可能なコードとして具現することが可能である。
【0137】
例えば、本発明の例示的な実施形態による映像符号化装置及び映像復号化装置は、
図1、
図4、
図7、
図8及び
図9に図示されたような装置のそれぞれのユニットにカップリングされバス、前記バスに結合された少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。また、命令、受信されたメッセージまたは生成されたメッセージを保存するために、前記バスに結合され、前述のような命令を遂行し、前記装置の動作を制御するための少なくとも1つのプロセッサにカップリングされたメモリを含むことができる。
【0138】
また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。記録媒体の例としては、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがある。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行される。また、一実施形態は、ネットワークを介した伝送のために、コンピュータで読み取り可能な伝送媒体、例えば、キャリアウェーブを含むことができる。