特許第5775084号(P5775084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5775084モード情報を符号化、復号化する方法及びその装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775084
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】モード情報を符号化、復号化する方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/12 20140101AFI20150820BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20150820BHJP
   H04N 19/463 20140101ALI20150820BHJP
   H04N 19/625 20140101ALI20150820BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20150820BHJP
   H04N 19/93 20140101ALI20150820BHJP
【FI】
   H04N19/12
   H04N19/176
   H04N19/463
   H04N19/625
   H04N19/70
   H04N19/93
【請求項の数】13
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2012-529688(P2012-529688)
(86)(22)【出願日】2010年9月17日
(65)【公表番号】特表2013-505628(P2013-505628A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】KR2010006436
(87)【国際公開番号】WO2011034385
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2013年9月17日
(31)【優先権主張番号】61/243,216
(32)【優先日】2009年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/243,218
(32)【優先日】2009年9月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/244,139
(32)【優先日】2009年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/257,609
(32)【優先日】2009年11月3日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソン−ボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン−ウ
(72)【発明者】
【氏名】チェー,デ−ウン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジェ−ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ジュン−ホ
【審査官】 坂東 大五郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−252563(JP,A)
【文献】 特表2008−521292(JP,A)
【文献】 特開平11−225341(JP,A)
【文献】 特開平2−309777(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/063612(WO,A1)
【文献】 特開2008−5504(JP,A)
【文献】 Park,Sung Bum, et al,Novel context modeling scheme for lossless image compression using statistical reference,Proc. of 6th Int. Symp. on Image and Signal Processing and Analysis,2009年 9月16日,P.250-253
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00−19/98
H04N 1/41−1/419
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像の現在ブロックのモードを復号化する方法において、
現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定する段階と、
前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一であるという決定によって、前記現在ブロックの復号化モードを、前記複数のブロックの復号化モードと同一に決定する段階と、
前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであることを示す第1情報、並びに前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち一つであることを示す第2情報のうち少なくとも一つをパージングし、前記パージングされた第1情報、及び前記パージングされた第2情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記現在ブロックの復号化モードを決定する段階と、を含み、
前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示し、
第2符号化モードは、周波数変換に基づいて、前記現在ブロックを符号化する符号化モードであり、
前記現在ブロックのピクセル値を離散コサイン変換し、離散コサイン変換の結果生成された係数を、最上位ビットのビットプレーンから最下位ビットのビットプレーンまでの複数のビットプレーンに分け、それぞれのビットプレーン単位を符号化する符号化モードであ
ことを特徴とするモード情報復号化方法。
【請求項2】
前記第1情報及び前記第2情報のうち少なくとも一つをパージングし、前記現在ブロックの復号化モードを決定する段階は、
前記第1情報をパージングする段階と、
前記現在ブロックの符号化モードが、前記第1符号化モードであるか否かを決定する段階と、
前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードではないという決定によって、前記第2情報をパージングする段階と、
前記第1情報及び第2情報のうち少なくとも1つの復号化結果に基づいて、前記現在ブロックの復号化モードを決定する段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のモード情報復号化方法。
【請求項3】
前記第3符号化モードは、
前記現在ブロックのピクセル値を、最上位ビットから最下位ビットまでの複数のビットプレーンに分け、ビットプレーン単位で符号化する符号化モードである
ことを特徴とする請求項2に記載のモード情報復号化方法。
【請求項4】
前記現在ブロックの符号化モードが、前記連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かということは、所定符号化モードの反復回数を示す反復回数に係わる情報に基づいて決定され、
前記モード情報復号化方法は、前記現在ブロックの符号化モードが、前記連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるという決定によって、同じ符号化モードをもって、前記現在ブロックに続いて符号化されたブロックの反復回数に係わる情報をパージングする段階
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のモード情報復号化方法。
【請求項5】
前記所定符号化モードの反復回数に係わる情報は、
前記現在ブロックの符号化に利用される複数の符号化モードそれぞれについての反復回数に係わる情報を含む
ことを特徴とする請求項に記載のモード情報復号化方法。
【請求項6】
映像の現在ブロックのモード情報を符号化する方法において、
前記現在ブロックの符号化モードを決定する段階と、
前記決定された現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定する段階と、
前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるという決定によって、同じ符号化モードの反復回数に係わる情報を符号化する段階と、
前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであるか否かを示す第1情報、並びに前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち一つであることを示す第2情報のうち少なくとも一つを符号化する段階と、を含み、
前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示し、
第2符号化モードは、周波数変換に基づいて、前記現在ブロックを符号化する符号化モードであり、
前記現在ブロックのピクセル値を離散コサイン変換し、離散コサイン変換の結果生成された係数を、最上位ビットのビットプレーンから最下位ビットのビットプレーンまでの複数のビットプレーンに分け、それぞれのビットプレーンを符号化する符号化モードであ
ことを特徴とするモード情報符号化方法。
【請求項7】
前記第1情報及び前記第2情報のうち少なくとも一つを符号化する段階は、
前記第1情報を符号化する段階と、
前記現在ブロックが、前記第1符号化モードで符号化されているかを決定する段階と、
前記現在ブロックが、第1符号化モードに従って符号化されていないという決定によって、前記第2情報を符号化する段階と、
を含むことを特徴とする請求項に記載のモード情報符号化方法。
【請求項8】
前記第3符号化モードは、
前記現在ブロックのピクセル値を、最上位ビットのビットプレーンから最下位ビットのビットプレーンまでの複数のビットプレーンに分け、ビットプレーン単位で符号化する符号化モードである
ことを特徴とする請求項に記載のモード情報符号化方法。
【請求項9】
前記反復回数に係わる情報は、所定符号化モードが反復される回数を示す情報であり、
前記モード情報符号化方法は、前記現在ブロックの符号化モードが、前記連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるという決定によって、前記同じ符号化モードをもって、前記現在ブロックに続いて符号化されたブロックの反復回数に係わる情報を符号化する段階をさらに含む
ことを特徴とする請求項に記載のモード情報符号化方法。
【請求項10】
前記同じ符号化モードの反復回数に係わる情報は、
前記現在ブロックの復号化に利用可能である複数の符号化モードそれぞれについての反復回数に係わる情報を含む
ことを特徴とする請求項に記載のモード情報符号化方法。
【請求項11】
映像の現在ブロックのモードを復号化する装置において、
現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定するラン決定部と、
前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一であるという決定によって、前記現在ブロックの復号化モードを、前記複数のブロックの復号化モードと同一に決定し、前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであることを示す第1情報、並びに前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち少なくとも一つであることを示す第2情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記現在ブロックの復号化モードを決定するモード決定部と、を含み、
前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示し、
第2符号化モードは、周波数変換に基づいて、前記現在ブロックを符号化する符号化モードであり、
前記現在ブロックのピクセル値を離散コサイン変換し、離散コサイン変換の結果生成された係数を、最上位ビットのビットプレーンから最下位ビットのビットプレーンまでの複数のビットプレーンに分け、それぞれのビットプレーン単位を符号化する符号化モードであることを特徴とするモード情報復号化装置。
【請求項12】
映像の現在ブロックのモード情報を符号化する装置において、
決定された現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定するラン決定部と、
前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるという決定によって、同じ符号化モードの反復回数に係わる情報を符号化するラン符号化部と、
前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであるか否かを示す第1情報符号化部と、
前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち一つであることを示す第2情報を符号化する第2情報符号化部と、を含み、
前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示し、
第2符号化モードは、周波数変換に基づいて、前記現在ブロックを符号化する符号化モードであり、
前記現在ブロックのピクセル値を離散コサイン変換し、離散コサイン変換の結果生成された係数を、最上位ビットのビットプレーンから最下位ビットのビットプレーンまでの複数のビットプレーンに分け、それぞれのビットプレーンを符号化する符号化モードであ
ことを特徴とするモード情報符号化装置。
【請求項13】
請求項1ないし請求項10のうち、いずれか一項に記載の方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モード情報を符号化、復号化する方法及びその装置に係り、さらに詳細には、複数のモードによって符号化される映像のモード情報を符号化、復号化する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワーク技術が発展しつつ、無線ネットワークを介したデバイス間の相互連結がイッシューになっている。多くの企業が、無線ネットワークを介したデバイス間の相互連結技術を確保するために努力している。特に最近では、HDMI(high definition multimedia interface)を代替する非圧縮HD(high-definition)相互連結技術であるWiHD(wireless HD)標準化が進められている。WiHDによれば、TV(television)、ホームシアタ、DVD(digital versatile disc)プレーヤ、ブルーレイプレーヤ、カムコーダなどと、多様なデバイスが無線ネットワークを介して相互連結される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、複数のモードによって符号化される映像のモード情報を符号化、復号化する方法及びその装置を提供するところにあり、前記方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記技術的課題を解決するための一実施形態による映像の現在ブロックのモードを復号化する方法は、現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定する段階と、前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一であるという決定によって、前記現在ブロックの復号化モードを、前記複数のブロックの復号化モードと同一に決定する段階と、前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであることを示す第1情報、並びに前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち一つであることを示す第2情報のうち少なくとも一つをパージングし、前記パージングされた第1情報、及び前記パージングされた第2情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記現在ブロックの復号化モードを決定する段階と、を含み、前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示すことを特徴とする。
【0005】
本発明の他の実施形態によれば、前記第1情報及び前記第2情報のうち少なくとも一つをパージングし、前記現在ブロックの復号化モードを決定する段階は、前記第1情報をパージングする段階と、前記現在ブロックの符号化モードが、前記第1符号化モードであるか否かを決定する段階と、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードではないという決定によって、前記第2情報をパージングする段階と、前記第1情報及び第2情報のうち少なくとも1つの復号化結果に基づいて、前記現在ブロックの復号化モードを決定する段階と、を含むことを特徴とする。
【0006】
本発明の他の実施形態によれば、前記第2符号化モードは、前記現在ブロックのピクセル値を離散コサイン変換し、離散コサインの結果として生成された係数を最上位ビットのビットプレーン(bit plane)から最下位ビットのビットプレーンまでの複数のビットプレーンに分け、それぞれのビットプレーン単位を符号化する符号化モードであることを特徴とする。
【0007】
本発明の他の実施形態によれば、前記第3符号化モードは、前記現在ブロックのピクセル値を最上位ビットから最下位ビットまでの複数のビットプレーンに分け、ビットプレーン単位で符号化する符号化モードであることを特徴とする。
【0008】
本発明の他の実施形態によれば、前記現在ブロックの符号化モードが、前記連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かということは、前記所定符号化モードの反復回数(run length)を示す反復回数に係わる情報に基づいて決定され、前記モード情報復号化方法は、前記現在ブロックの符号化モードが、前記連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるという決定によって、前記同じ符号化モードをもって、前記現在ブロックに続いて符号化されたブロックの反復回数に係わる情報をパージングする段階をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の実施形態によれば、前記所定符号化モードの反復回数に係わる情報は、前記現在ブロックの符号化に利用される複数の符号化モードそれぞれについての反復回数に係わる情報を含むことを特徴とする。
【0010】
前記技術的課題を解決するための一実施形態による映像の現在ブロックのモード情報を符号化する方法は、前記現在ブロックの符号化モードを決定する段階と、前記決定された現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定する段階と、前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるという決定によって、前記同じ符号化モードの反復回数に係わる情報を符号化する段階と、前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであるか否かを示す第1情報、並びに前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち一つであることを示す第2情報のうち少なくとも一つを符号化する段階と、を含み、前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示すことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するための一実施形態による映像の現在ブロックのモードを復号化する装置は、現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定するラン決定部;及び前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一であるという決定によって、前記現在ブロックの復号化モードを、前記複数のブロックの復号化モードと同一に決定し、前記現在ブロックの符号化モードが、前記複数のブロックの復号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであることを示す第1情報、並びに前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち少なくとも一つであることを示す第2情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記現在ブロックの復号化モードを決定するモード決定部;を含み、前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示すことを特徴とする。
【0012】
前記技術的課題を解決するための一実施形態による映像の現在ブロックのモード情報を符号化する装置は、決定された現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定するラン決定部;前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一であるという決定によって、前記同じ符号化モードの反復回数に係わる情報を符号化するラン符号化部;前記現在ブロックの符号化モードが、連続した複数の以前ブロックの符号化モードと同一ではないという決定によって、前記現在ブロックの符号化モードが第1符号化モードであるか否かを示す第1情報符号化部;及び前記現在ブロックの符号化モードが、第2符号化モード及び第3符号化モードのうち一つであることを示す第2情報を符号化する第2情報符号化部;を含み、前記第1符号化モードは、前記現在ブロックが、前記映像のスライス内で前記現在ブロックに隣接し、前記現在ブロックより以前に符号化された第2ブロックと同一であることを示すことを特徴とする。
【0013】
前記技術的課題を解決するために本発明は、前記モード情報符号化方法及びモード情報復号化方法を実行するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、現在ブロックのモード情報が効果的に符号化される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態による映像符号化装置を図示する図である。
図2】一実施形態による映像符号化単位を図示する図である。
図3】一実施形態によるスキップモードを決定する方法を説明するための図である。
図4】他の実施形態による映像符号化装置を図示する図である。
図5】一実施形態によるナチュラルモード符号化部を図示する図である。
図6A】一実施形態によるグラフィックモード符号化部を図示する図である。
図6B】一実施形態によるビットプレーン基盤符号化方法を図示する図である。
図7】さらに他の実施形態による映像符号化装置を図示する図である。
図8】一実施形態による映像復号化装置を図示する図である。
図9】他の実施形態による映像復号化装置を図示する図である。
図10】一実施形態による映像符号化方法を説明するためのフローチャートである。
図11】他の実施形態による映像符号化方法を説明するためのフローチャートである。
図12】一実施形態による映像復号化方法を説明するためのフローチャートである。
図13】一実施形態によるモード情報符号化装置を図示する図である。
図14】一実施形態による符号化モードの反復を説明するための図である。
図15】一実施形態によるモード情報符号化方法を説明するためのフローチャートである。
図16】他の実施形態によるモード情報符号化方法を説明するためのフローチャートである。
図17】さらに他の実施形態によるモード情報符号化方法を説明するためのフローチャートである。
図18】さらに他の実施形態によるモード情報符号化方法を説明するためのフローチャートである。
図19】一実施形態によるモード情報復号化装置を図示する図である。
図20】一実施形態によるモード情報復号化方法を説明するためのフローチャートである。
図21】一実施形態によるモード情報復号化方法を説明するためのフローチャートである。
図22】他の実施形態によるモード情報復号化方法を説明するためのフローチャートである。
図23】さらに他の実施形態によるモード情報復号化方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、一実施形態による映像符号化装置を図示している。図1を参照すれば、一実施形態による映像符号化装置100は、モード決定部110及び符号化部120を含む。
【0018】
モード決定部110は、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定する。無線ネットワークを介したデバイスの相互連結に係わる技術は、無線ネットワークを介して、HD(high-definition)以上の高画質コンデンツを送受信することを目的としている。ただし、多様なデバイス間の相互連結を可能するようにするために、小さいメモリと低複雑度とにフォーカスを合わせて標準化が進行中である。従って、映像の符号化においても、できる限り低複雑度を追求しているが、MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4 H.264/MPEG−4 AVC(advanced video coding)のような従来技術による映像符号化方法と異なり、圧縮率を高めるための複雑な技法を利用しない。
【0019】
しかし、映像のピクセル値を全く圧縮せずに伝送することは、高い伝送率の無線ネットワークを要求することになるので、これもまた、多様なデバイス間の相互連結を妨害する要素になる。従って、後述するスキップモード(skip mode)、ナチュラルモード(natural mode)及びグラフィックモード(graphic mode)の三種のモードを利用して、映像を符号化、復号化することによって、低複雑度と適正レベルの圧縮率とを保証することができる。
【0020】
スキップモードは、現在ブロックが、現在ブロックに隣接したブロックと同一であるか否かということに基づいて、現在ブロックを符号化するモードである。ナチュラルモードは、現在ブロックが、自然映像に係わるブロックであるならば、離散コサイン変換(DCT:discrete cosine transform)及びビットプレーン(bit plane)分割を利用して、現在ブロックを符号化するモードである。グラフィックモードは、現在ブロックが文字(text)のように、人為的(artificially)に生成された映像に係わるブロックであるならば、ビットプレーン分割を利用して、現在ブロックを符号化するモードである。スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードについては、図3ないし図5を参照して詳細に後述する。
【0021】
モード決定部110は、前述の複数のモードのうち、いずれのモードによって現在ブロックを符号化するかを決定する。まず、モード決定部110は、現在ブロックが、現在ブロックに隣接した以前に符号化された現在スライスの他のブロックと同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。現在ブロックのピクセル値と、現在スライスの以前に符号化されたブロックのピクセル値とを比較して、同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。図2及び図3を参照して詳細に説明する。
【0022】
図2は、一実施形態による映像符号化単位を図示している。図2を参照すれば、映像符号化装置100は、スライス単位、ブロック単位、ビットプレーン単位で映像を分割して符号化する。映像符号化装置100は、現在ピクチャ210を複数のスライス212,214,216に分割し、縦がNである複数のスライス212,214,216に分割することができる。映像符号化装置100は、それぞれのスライス212,214,216をNxNサイズのブロック220に分割する。ブロックはまた、最上位ビット(MSB:most significant bit)に係わるビットプレーンから最下位ビット(LSB:least significant bit)に係わるビットプレーンまで、複数のビットプレーンに分割される。もしブロックのピクセル値または離散コサイン係数が、Mビットで表現されるならば、M個のビットプレーンに分割される。
【0023】
図3は、一実施形態によるスキップモードを決定する方法を説明するための図である。図3を参照すれば、図2と関連して説明したように、現在ピクチャ310は、複数のスライスに分割される。映像符号化装置100が、図3に図示されたスライス320を符号化する場合を例に挙げて説明する。
【0024】
現在スライス320の現在ブロック322を符号化するために、映像符号化装置100のモード決定部110は、現在ブロック322が、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロック324と同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。一般的に、隣のブロックと空間的に隣接する現在ブロック322は、隣のブロックと同一であるか、あるいは類似する確率が高い。従って、モード決定部110は、現在ブロック322が、隣のブロック324、すなわち、図3で、現在ブロック322の左側に図示された隣のブロック324と同一であるか、あるいは類似していれば、現在ブロック322の符号化モードをスキップモードと決定することができる。隣接したブロック324は、現在ブロックの符号化直前に符号化されたブロックであってもよい。
【0025】
現在ブロック322と隣接したブロック324とが同一であるか、あるいは類似しているか否かについての決定は、多様な方法で遂行される。現在ブロック322と隣接したブロック324とのSAD(sum of absolute difference)、MSE(mean square error)、SNR(signal to noise ratio)、最大差(max difference)などに基づいてコスト(cost)を計算し、計算されたコストによって、現在ブロック322と隣接したブロック324とが同一であるか、あるいは類似しているかを決定する。SAD、MSE、最大差が「0」に近いならば、現在ブロック322と隣接したブロック324とが同一であるか、あるいは十分に類似していると決定することができる。
【0026】
モード決定部110は、現在ブロック322と隣接したブロック324とが完全に同じ場合、またはモード決定部110は、現在ブロック322と隣接したブロック324とが十分に類似していると決定した場合に、現在ブロック322の符号化モードが、スキップモードと決定されもする。言い換えれば、前述のSAD、MSE、最大差などが「0」であるとき、または所定臨界値以下であるとき、現在ブロック322と隣接したブロック324とが類似していると決定される。従って、現在ブロック322の符号化モードがスキップモードであると決定されてもよい。
【0027】
モード決定部110が、現在ブロックと隣接したブロックとの同一または類似のいかんを決定した結果、現在ブロックの符号化モードをスキップモードではないと決定すれば、モード決定部110は、さらに現在ブロックの符号化モードをナチュラルモード及びグラフィックモードのうち一つであると決定する。現在ブロックが自然映像、すなわち、人為的に生成されていない映像のブロックであると決定されれば、モード決定部110は、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードであると決定する。一方、現在ブロックが、テキスト、コンピュータグラフィックのように、人為的に生成された映像に係わるブロックであると決定されれば、モード決定部110は、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードであると決定する。
【0028】
現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードによって符号化するかを決定する基準には制限がなく、多様なアルゴリズムを利用して、現在ブロックが人為的に生成された映像のブロックであるか否かを決定することができる。例えば、人為的な映像は、特定領域に同じピクセル値が分布する確率が高い。もし現在ブロックのピクセル値を比較し、同じピクセル値が所定個数以上であるならば、人為的に生成された映像のブロックであると決定することができる。
【0029】
また、他の実施形態によれば、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードによってそれぞれ符号化した後、符号化結果をRDコスト(rate distortion cost)に基づいて、ナチュラルモードまたはグラフィックモードを、現在ブロックの符号化モードと決定することができるが、これに係わる詳細な説明は、図7を参照して後述する。
【0030】
モード決定部110で、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定すれば、符号化部は、モード決定部110で決定された符号化モードによって、現在ブロックを符号化する。
【0031】
現在ブロックが、以前に符号化された隣接したブロックと同一であるか、あるいは類似しており、現在ブロックの符号化モードがスキップモードであると決定されたとすれば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報、例えば、現在ブロックがスキップモードによって符号化されたことを示すフラグ情報を、現在ブロックのピクセル値の代わりに符号化することができる。
【0032】
現在ブロックのピクセル値を直接符号化する代わりに、1ビットのフラグ情報で現在ブロックを符号化することができるので、映像の圧縮率が向上する。また、スキップモードによって、現在ブロックを符号化するために、現在ブロックの直前に符号化されたブロックのみ参照するので、低複雑度でスキップモードを具現することができる。
【0033】
現在ブロックが、以前に符号化された隣接したブロックと同一でもなく、類似してもおらず、現在ブロックの符号化モードが、スキップモードではないと決定されたとすれば、符号化部120は、現在ブロックをナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化する。モード決定部110が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードと決定したならば、符号化部120は、ナチュラルモードに従って現在ブロックを符号化する。モード決定部110が、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードと決定したならば、符号化部120は、グラフィックモードに従って符号化する。ナチュラルモード及びグラフィックモードによる符号化方法については、図4ないし図6を参照して詳細に説明する。
【0034】
図4は、他の実施形態による映像符号化装置を図示している。図4を参照すれば、一実施形態による映像符号化装置400は、モード決定部410、ナチュラルモード符号化部420、グラフィックモード符号化部430及びモード情報符号化部440を含む。モード決定部410は、図1のモード決定部110に対応し、ナチュラルモード符号化部420、グラフィックモード符号化部430及びモード情報符号化部440は、図1の符号化部120に対応する。
【0035】
モード決定部410は、現在ブロックの符号化モードを決定する。スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されるモードを決定することができる。
【0036】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードであると決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報、例えば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0037】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードであると決定すれば、ナチュラルモード符号化部420は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化する。現在ブロックを離散コサイン変換して離散コサイン係数を生成し、生成された係数を複数のビットプレーンに分離し、それぞれのビットプレーンをビットプレーン基盤(bit plane basis)符号化方法を利用して符号化する。図5を参照して詳細に説明する。
【0038】
図5は、一実施形態によるナチュラルモード符号化部を図示している。図5を参照すれば、一実施形態によるナチュラルモード符号化部420は、変換部510、ビットプレーン選択部520及びビットプレーン符号化部530を含む。
【0039】
変換部510は、現在ブロックを離散コサイン変換(DCT)して離散コサイン変換係数を生成する。離散コサイン変換は、ピクセルドメインのピクセル値を周波数ドメインに変換して周波数ドメインの係数を生成する方法の例示であるのみ、他の方法が現在ブロックの変換に利用可能であることは、本発明が属する技術分野で当業者であるならば、容易に分かるであろう。
【0040】
変換部510が現在ブロックを離散コサイン変換して生成された離散コサイン変換係数のうち、DC(direct current)成分の係数に係わるビット列は、そのままビットストリームに挿入される。しかし、AC(alternating current)成分の係数は、ビットプレーン基盤符号化方法によって符号化される。
【0041】
ビットプレーン選択部520は、AC成分の係数を複数のビットプレーンに分離する。AC成分の係数の最上位ビットから構成されたビットプレーンから最下位ビットから構成されたビットプレーンまで複数のビットプレーンに分離する。MビットのAC成分の係数をビット単位に分離し、M個のビットプレーンを生成する。AC成分の係数に係わるビット列の最上位ビットから構成された第1ビットプレーンを分離し、最上位ビットの次のビットから構成された第2ビットプレーンを分離する。ビットプレーンの分離を最下位ビットまで反復し、M個のビットプレーンを分離する。
【0042】
ビットプレーン選択部520で、複数のビットプレーンを分離すれば、ビットプレーン符号化部530は、生成された複数のビットプレーンそれぞれを、ビットプレーン基盤符号化方法を利用して符号化する。ビットプレーンを符号化する方法には制限がなく、従来技術によるあらゆるビットプレーン基盤符号化方法が本発明に利用される。また、一実施形態によれば、ビットマスク(bit mask)を利用して、それぞれのビットプレーンを符号化することができる。それぞれのビットプレーンで、意味のあるビットが存在する領域をビットマストを利用して設定し、設定された領域についてのみビットプレーン基盤符号化を遂行する。
【0043】
以上、図5と関連して、DC係数及びAC係数を分離して別途に符号化する方法について説明した。しかし、図5と関連して説明した符号化方法は、例示的なものであり、離散コサイン変換及びビットプレーン基盤符号化方法を利用して、現在ブロックを利用するあらゆる方法が、ナチュラルモード符号化部420に適用されてもよい。
【0044】
再び図4を参照すれば、モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをグラフィックモードであると決定すれば、グラフィックモード符号化部430は、現在ブロックをグラフィックモードに従って符号化する。現在ブロックのピクセル値を複数のビットプレーンに分離し、それぞれのビットプレーンを、ビットプレーン基盤符号化方法を利用して符号化する。図6Aを参照して詳細に説明する。
【0045】
図6Aは、一実施形態によるグラフィックモード符号化部を図示している。図6Aを参照すれば、一実施形態によるグラフィックモード符号化部430は、ビットプレーン選択部610及びビットプレーン符号化部620を含む。
【0046】
ビットプレーン選択部610は、現在ブロックのピクセル値を、複数のビットプレーンに分離する。Pビットのピクセル値をビット単位に分離し、ピクセル値の最上位ビットから構成されたビットプレーンから、ピクセル値の最下位ビットから構成されたビットプレーンまで、P個のビットプレーンを生成する。
【0047】
ビットプレーン選択部610で、複数のビットプレーンを分離すれば、ビットプレーン符号化部620は、生成された複数のビットプレーンそれぞれを、ビットプレーン基盤符号化方法を利用して符号化する。
【0048】
図6Bは、一実施形態によるビットプレーン基盤符号化方法を図示している。図6Bを参照すれば、ビットプレーン符号化部620は、同じビット値をグループ化してビットプレーンを符号化する。ブロックのサイズが4x4であり、ピクセル値が8ビットである場合を例に挙げて説明すれば、ビットプレーン符号化部620は、まず最上位ビットであるビット7に係わるビットプレーンを、図6Bに図示されたように符号化する。ビット7に係わるビットプレーンを、「0」のグループ631と、「1」のグループ632とに分けて符号化する。最上位ビット7に係わるビットプレーンが同じビットを含んでいないので、まず「1」を符号化し、分割形態を示すために、「000111111111000」を符号化する。
【0049】
ビット6に係わるビットプレーンは、ビット7のグループに基づいて、それぞれのグループがさらに互いに異なるビット値によって分割されるか否かによって符号化される。図6Bに図示された実施形態では、「0」のグループ631及び「1」のグループ632がいずれも分割されていないので、「0」のグループ631が分割されていないことを示す「00」と、「1」のグループ632が分割されていないことを示す「01」とを符号化する。
【0050】
ビット5に係わるビットプレーンでは、ビット6に係わるビットプレーンの「1」のグループ632が、2つのグループ634及び644に分割される。従って、「0」のグループが分割されていないことを示す「00」がまず符号化される。そして、「1」のグループ632が分割されたことを示すために、「1」を符号化する。その後、「1」のグループ632が分割された形態を示すために、「0000011111」を符号化する。
【0051】
ビット4に係わるビットプレーンでは、「1」のグループ632が分割されて生成されたグループ633及び634のうち、「0」のグループ633がもう一度分割される。従って、「0」のグループ631が分割されていないことを示すために、「00」をまず符号化する。また、「1」のグループ632が分割されて生成されたグループ633及び634のうち、「0」のグループ633が分割されたことを示すために「1」を符号化し、「0」のグループ633の分割形態を示すために、「11100」が符号化される。その後、「1」のグループ634は、分割されていないことを示すために、「01」が符号化される。
【0052】
ビットプレーン符号化部620は、前述の同じビット値をグループ化して生成されたビットグループに基づいたビットプレーン基盤符号化方法を最下位ビットまで反復適用し、それぞれのビットプレーンを符号化する。
【0053】
再び図4を参照すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックの符号化に利用されたモードに係わる情報を符号化する。モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードであると決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。前述のように、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0054】
モード決定部410が、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードまたはグラフィックモードであると決定すれば、モード情報符号化部440は、現在ブロックがナチュラルモードに従って符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードに従って符号化されたことを示す情報、例えば、スキップモードと同様に、現在ブロックがナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0055】
また、モード情報符号化部440は、現在ブロックを含む現在スライスが、スキップモード、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むかを示す情報、例えば、現在スライスに係わるフラグ情報を符号化することができる。現在スライスに係わるフラグ情報は、現在スライスの構文要素(syntax element)として、フラグ情報を符号化することができる。
【0056】
図7は、さらに他の実施形態による映像符号化装置を図示している。図7を参照すれば、さらに他の実施形態による映像符号化装置700は、スキップモード決定部710、ナチュラルモード符号化部720、グラフィックモード符号化部730、モード決定部740及びモード情報符号化部750を含む。
【0057】
スキップモード決定部710及びモード決定部740は、図1のモード決定部110に対応し、ナチュラルモード符号化部720、グラフィックモード符号化部730及びモード情報符号化部750は、図1の符号化部120に対応する。
【0058】
スキップモード決定部710は、現在ブロックをスキップモードに従って符号化するか否かを決定する。現在ブロックのピクセル値と、現在ブロックに隣接した以前に符号化されたブロックのピクセル値と、を比較し、現在ブロックと隣接したブロックとが同一であるか、あるいは類似していると決定されれば、現在ブロックの符号化モードをスキップモードと決定する。
【0059】
スキップモード決定部710が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードであると決定すれば、モード情報符号化部750は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報、例えば、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報が、モード情報符号化部750で符号化される。
【0060】
スキップモード決定部710が、現在ブロックの符号化モードをスキップモードではないと決定すれば、ナチュラルモード符号化部720及びグラフィックモード符号化部730は、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードに従ってそれぞれ符号化する。
【0061】
モード決定部740は、ナチュラルモード符号化部720の符号化結果と、グラフィックモード符号化部730の符号化結果とを比較し、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化するか、グラフィックモードに従って符号化するかを決定する。
【0062】
ナチュラルモードに従って符号化した結果と、グラフィックモードに従って符号化した結果とに基づいて、RDコストを計算する。コスト=(rate)+(lambda)x(distortion)によってコストを計算し、コストが小さいモードを現在ブロックの符号化モードと決定する。「lambda」は、実施形態によって異なるように設定され、「lambda」を調整してナチュラルモード及びグラフィックモードの選択比率を変更することができる。
【0063】
モード決定部740で、現在ブロックの符号化モードをナチュラルモードまたはグラフィックモードであると決定すれば、モード情報符号化部750は、決定された符号化モードに係わる情報、例えば、現在ブロックがナチュラルモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報、またはグラフィックモードに従って符号化されたことを示すフラグ情報を符号化することができる。
【0064】
また、前述のように、モード情報符号化部750は、それぞれのブロックに係わるモード情報以外に、現在スライスがスキップモード、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むかを示す情報を符号化することができる。
【0065】
図8は、一実施形態による映像復号化装置を図示している。図8を参照すれば、一実施形態による映像復号化装置800は、モード情報復号化部810及び復号化部820を含む。
【0066】
モード情報復号化部810は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。ビットストリームをパージングし、現在ブロックがスキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す情報を復号化する。
【0067】
復号化部820は、モード情報復号化部810で復号化されたモード情報に基づいて、現在ブロックを復号化する。モード情報の復号化結果、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、現在ブロックと同一であるか、あるいは類似したブロック、すなわち、隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。隣接したブロックは、現在ブロックの復号化直前に復号化されたブロックであってもよい。現在ブロックが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたとすれば、図5及び図6Aと関連して説明した符号化方法を逆に遂行して現在ブロックを復元する。図9を参照して詳細に説明する。
【0068】
図9は、他の実施形態による映像復号化装置を図示している。図9を参照すれば、他の実施形態による映像復号化装置900は、モード情報復号化部910、スキップモード復号化部920、ナチュラルモード復号化部930及びグラフィックモード復号化部940を含む。モード情報復号化部910は、図8のモード情報復号化部810に対応し、スキップモード復号化部920、ナチュラルモード復号化部930及びグラフィックモード復号化部940は、図8の復号化部820に対応する。
【0069】
モード情報復号化部910は、図9のモード情報復号化部810のように、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードを示す情報を復号化する。
【0070】
スキップモード復号化部920は、復号化されたモード情報が、現在ブロックがスキップモードで符号化されることを示す情報であるならば、現在ブロックをスキップモードに従って復号化する。現在ブロックが隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。隣接したブロックをそのままコピーすることによって、現在ブロックを復元することができる。
【0071】
ナチュラルモード復号化部930は、復号化されたモード情報が、現在ブロックがナチュラルモードで符号化されるを示す情報であるならば、現在ブロックを、ナチュラルモードに従って復号化する。ナチュラルモード復号化部930は、まずビットストリームに含まれている離散コサイン係数のうち、DC成分の係数をパージングする。その後、ビットプレーン基盤復号化方法を利用して、離散コサイン係数のうち、AC成分の係数に係わる複数のビットプレーンを復元する。復元された複数のビットプレーンを結合し、AC成分の係数が復元されれば、復元されたAC成分の係数及びパージングされたDC成分の係数に基づいて、逆離散コサイン変換を行う。逆離散コサイン変換の結果、現在ブロックが復元される。
【0072】
グラフィックモード復号化部940は、復号化されたモード情報が、現在ブロックがグラフィックモードで符号化されることを示す情報であるならば、現在ブロックをグラフィックモードに従って復号化する。ビットプレーン基盤復号化方法を利用し、現在ブロックのピクセル値に係わる複数のビットプレーンを復元する。その後、復元された複数のビットプレーンを結合し、現在ブロックのピクセル値を復元する。
【0073】
図10は、一実施形態による映像符号化方法を説明するためのフローチャートである。図10を参照すれば、段階1010で、一実施形態による映像符号化装置100または400は、現在ブロックをスキップモードに従って符号化するか否かを決定する。スキップモードは、現在ブロックと隣接したブロックとが同一であるか、あるいは類似していれば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化するモードである。
【0074】
段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定されれば、段階1020で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化するか、グラフィックモードに従って符号化するかを決定する。図1のモード決定部110と関連して説明したように、現在ブロックが、自然映像のブロックであるか、あるいは人為的に生成された映像に係わるブロックであるかを決定し、現在ブロックをナチュラルモードで符号化するか、グラフィックモードに従って符号化するかを決定する。
【0075】
段階1030で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化する。段階1020の決定結果、現在ブロックが、自然映像のブロックであると決定されれば、現在ブロックをナチュラルモードで符号化する。ナチュラルモードの符号化方法は、図5と関連して説明した。
【0076】
段階1040で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックをグラフィックモードに従って符号化する。段階1020の決定結果、現在ブロックが人為的に生成された映像のブロックであると決定されれば、現在ブロックをグラフィックモードで符号化する。グラフィックモードの符号化方法は、図6Aと関連して説明した。
【0077】
段階1050で、映像符号化装置100または400は、現在ブロックの符号化に利用された符号化モードに係わる情報を符号化する。段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードであると決定されたならば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。また、段階1010で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定され、段階1030または段階1040で、ナチュラルモードまたはグラフィックモードで、現在ブロックが符号化されたならば、現在ブロックがナチュラルモードで符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードで符号化されたことを示す情報を符号化する。
【0078】
図11は、他の実施形態による映像符号化方法を説明するためのフローチャートである。
【0079】
図11を参照すれば、段階1110で、一実施形態による映像符号化装置100または700は、現在ブロックをスキップモードに従って符号化するか否かを決定する。段階1110は、図10の段階1010に対応する。
【0080】
段階1110で、現在ブロックの符号化モードが、スキップモードではないと決定されれば、段階1120及び1130で、映像符号化装置100または700は、現在ブロックをナチュラルモード及びグラフィックモードに従ってそれぞれ符号化する。
【0081】
段階1140で映像符号化装置100または700は、現在ブロックをナチュラルモードに従って符号化した結果、及びグラフィックモードに従って符号化した結果を比較し、現在ブロックの符号化モードを決定する。ナチュラルモードに従って符号化した結果、及びグラフィックモードに従って符号化した結果に基づいて、RDコストを計算する。コスト計算の結果、コストの小さいモードを、現在ブロックの符号化モードと決定する。
【0082】
段階1150で、映像符号化装置100または700は、現在ブロックの符号化に利用された符号化モードに係わる情報を符号化する。段階1110で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードと決定されたならば、現在ブロックのピクセル値の代わりに、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。また、段階1110で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定され、段階1140で、現在ブロックの符号化モードが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードであると決定されたならば、現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されたことを示す情報、またはグラフィックモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化する。
【0083】
図12は、一実施形態による映像復号化方法を説明するためのフローチャートである。図12を参照すれば、段階1210で、一実施形態による映像復号化装置800または900は、ビットストリームに含まれている現在ブロックの符号化モードに係わる情報を復号化する。ビットストリームをパージングし、現在ブロックがスキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す符号化モードに係わる情報を復号化する。
【0084】
段階1220で、映像復号化装置800または900は、復号化されたモード情報に基づいて、現在ブロックを復号化する。段階1210で、モード情報の復号化結果、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、現在ブロックと同一であるか、あるいは類似したブロック、すなわち、隣接した以前に復号化されたブロックに基づいて、現在ブロックを復元する。現在ブロックが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたとすれば、図5及び図6Aと関連して説明した符号化方法を逆に遂行して、現在ブロックを復元する。
【0085】
図13は、一実施形態によるモード情報符号化装置を図示している。図13に図示されたモード情報符号化装置は、図4のモード情報符号化部440及び図7のモード情報符号化部750に対応する。
【0086】
図13を参照すれば、一実施形態によるモード情報符号化装置1300は、ラン決定部1310、第1情報符号化部1320、第2情報符号化部1330、ラン符号化部1340及びスライス情報符号化部1350を含む。
【0087】
ラン決定部1310は、現在ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードに従って符号化されたか否かを決定する。符号化モードは、現在ブロックの符号化に利用される方法として、前述のスキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち一つであってもよい。
【0088】
現在ブロックの隣接したブロックは、現在ブロックと同じピクセル値を有する確率が高いことは言うまでもなく、隣接したブロックの符号化モードも、現在ブロックの符号化モードと同一である確率が高い。この場合、符号化モードに係わる情報を、それぞれのブロックについていずれも符号化せずに、同じ符号化モードが反復された回数を示す反復回数(run lenght)に係わる情報だけ符号化すれば、符号化の圧縮率を向上させる。従って、ラン決定部1310は、現在ブロックの符号化モードが、以前に復号化された複数のブロックの符号化モードが同一であるか否かを決定する。一実施形態によれば、現在ブロックの符号化モードが、現在ブロック以前に符号化された2つの連続したブロックの符号化モードと同一であるか否かを決定することができる。
【0089】
本発明によれば、所定のブロックを符号化するのに利用されるモードは、スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードの三種であるので、同じモードの反復も、スキップモードの反復、ナチュラルモードの反復及びグラフィックモードの反復の三種である。従って、ラン決定部1310は、スキップモードの反復いかん、ナチュラルモードの反復いかん及びグラフィックモードの反復いかんについていずれも決定することができる。
【0090】
しかし、一実施形態によれば、ラン決定部1310は、特定モードの反復いかんのみ決定することができる。例えば、スキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、スキップモードが連続したブロックについて反復的に符号化に利用される確率が、ナチュラルモード及びグラフィックモードに比べて高いので、ラン決定部1310は、スキップモードの反復いかんについてのみ決定することもできる。
【0091】
また、二種モードの組み合わせについてのみ反復いかんを決定できるが、二種モードの組み合わせは、スキップモード−グラフィックモード、スキップモード−ナチュラルモード、またはナチュラルモード−グラフィックモードであってもよい。
【0092】
図14は、一実施形態による符号化モードの反復を説明するための図である。図14を参照すれば、現在スライス1400の3番目ブロックを、現在ブロック1410であるとするとき、現在ブロック1410は、以前に符号化された複数のブロック1420及び1430と同じモードで符号化する。従って、ラン決定部1310は、現在ブロック1410の符号化モードが、以前に符号化された複数のブロック1420及び1430の符号化モードと同じであると決定することができ、反復回数は、「1」になる。反復回数が決定されれば、後述するラン符号化部1340で、現在ブロック1410の符号化モードを符号化する代わりに、反復回数「1」だけ符号化すればよい。
【0093】
しかし、図14に図示されたように、4番目ブロック1412も、現在ブロック1410と同じモードで符号化されるので、現在ブロック1410に対して、反復回数を符号化しない。同じ符号化モードがいつまで反復するか、現在ブロック1410後のブロックの符号化モードを決定してこそ分かるので、現在ブロック1410の符号化モードに係わる情報を符号化するとき、ラン決定部1410は、反復回数ほど「1」増加させ、ラン符号化部1340は、反復回数を直ちに符号化しない。
【0094】
現在スライス1400の4番目ブロック1412も、グラフィックモードで符号化されたので、ラン決定部1410が反復回数をさらに「1」増加させ、反復回数は、「2」となる。しかし、5番目ブロック1414の符号化モードは、以前ブロックの符号化モードとは異なるスキップモードであるから、5番目ブロック1414の符号化モードの代わりに、反復回数を符号化することができない。
【0095】
従って、ラン符号化部1340は、4番目ブロックまでの反復回数である「2」を符号化し、5番目ブロック1414の符号化モードであるスキップモードを示すために、後述する第1情報及び第2情報のうち少なくとも一つを符号化する。
【0096】
第1情報符号化部1320は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報、例えば、現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたか否かを示すフラグ情報を符号化することができる。例えば、モード決定部110,410及び740、並びにスキップモード決定部710の符号化モードを決定に基づいて、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報を「1」に設定する。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないとすれば、フラグ情報を「0」に設定することができる。
【0097】
本発明の他の実施形態によれば、第1情報符号化部1320は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かに基づいて、選択的に第1情報を符号化することができる。現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、現在スライスのあらゆるブロックについて、スキップモードに係わる情報は同一である。言い換えれば、現在スライスのあらゆるブロックについて、スキップモードに従って符号化されたか否かを示すフラグ情報は、いずれも「0」である。従って、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、それぞれのブロックに対して第1情報を符号化する必要がない。言い換えれば、第1情報符号化部1320は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、それぞれのブロックに対して第1情報を符号化する。
【0098】
さらに他の実施形態によれば、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にも、現在スライスがナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、現在ブロックは、スキップモードに従って符号化されることが明白である。従って、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にも、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、またはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、第1情報を符号化することができる。
【0099】
現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないと決定されれば、第2情報符号化部1330は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち一つが符号化に使われるかを示す第2情報を符号化する。第1情報は、ナチュラルモード及びグラフィックモードに係わる情報であり、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されたモードを特定するためのフラグ情報であってもよい。
【0100】
例えば、現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報を「0」に設定する。現在ブロックが、グラフィックモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報を「1」に設定することができる。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたならば、第1情報符号化部1310で、すでにスキップモードに係わる情報が符号化されているので、第2情報符号化部1320がナチュラルモード及びグラフィックモードに係わる情報を符号化する必要がない。
【0101】
現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたか否かによって、選択的に第2モード(例えば、ナチュラルモード)及び第3モード(例えば、グラフィックモード)のうちいずれのモードに従って符号化されたかを示す情報を符号化するために、モードに係わる情報を符号化するのに必要なビット数を減らすことができる。
【0102】
言い換えれば、ホフマンコード(Hoffman code)によって、モードに係わる情報が符号化され、モードに係わる情報をさらに効率的に符号化することができる。例えば、現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されれば、「1」の1ビットで、スキップモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化することができ、現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されれば、「00」の2ビットで、ナチュラルモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化することができる。また、現在ブロックが、グラフィックモードに従って符号化されれば、「01」の2ビットで、グラフィックモードに従って符号化されたことを示す情報を符号化することができる。ナチュラルモードに係わる情報と、グラフィックモードに係わる情報とで、最初のビットである「0」は第1情報であり、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないことを示す情報であり、2番目ビットである「0」及び「1」は第2情報であり、ナチュラルモードとグラフィックモードとのうち、いずれのモードに従って現在ブロックが符号化されているかを示す情報である。
【0103】
また、第2符号化部1330は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含むかによって、選択的に第2情報を符号化することができる。
【0104】
第1符号化部1320で、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではないと決定された場合にのみ、第2符号化部1330で第2情報を符号化する。従って、現在ブロックの符号化モードは、ナチュラルモードまたはグラフィックモードである。
【0105】
ところで、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックは、明確にナチュラルモードに従って符号化されたブロックである。従って、第2情報を符号化せずとも、現在ブロックの符号化モードがナチュラルモードであることを、復号化する側で分かる。現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックのみ含む場合にも、同様である。第2政府符号化部1330が、第2情報を符号化せずとも、現在ブロックがグラフィックモードに従って符号化されたブロックであることを、復号化する側で分かる。
【0106】
しかし、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含めば、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されているか、符号化する側で知ることができないので、第2情報符号化部1330は、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されたモードを特定するための第2情報を符号化する。
【0107】
ラン符号化部1340は、同じ符号化モードの反復回数に係わる情報を符号化する。連続した複数の以前ブロックの符号化モードと、現在ブロックの符号化モードとが同一であるならば、反復回数を「1」増加させる。同じ符号化モードが続いて反復されれば、引続いて反復回数を「1」増加させる。同じ符号化モードの反復が終わり、異なるモードで符号化されるブロックが発生すれば、反復回数に係わる情報を符号化する。
【0108】
図14の実施形態を参照すれば、現在ブロック1410及び4番目ブロック1412の符号化モードの代わりに、反復回数「2」が符号化されるので、現在ブロック1410及び4番目ブロック1412の符号化モードに係わる情報を符号化するのに消耗されるビット数を減らすことができる。現在ブロック1410及び4番目ブロック1412の符号化モードが、グラフィックモードであるから、前述の第1情報及び第2情報を符号化し、2つのブロックの符号化モードを符号化するためには、最大4個のビットが必要である。ところで、反復回数「2」に係わる情報を符号化モードに係わる情報の代わりに符号化すれば、2ビットで表現することができるので、符号化の圧縮率が向上する。
【0109】
スライス情報符号化部1350は、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含むこと示す第3情報、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むことを示す第4情報、例えば、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むことを示すフラグ情報、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むことを示すフラグ情報を含むことができる。
【0110】
前述のように、第1情報符号化部1310及び第2情報符号化部1320は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否か、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むか否か、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かによって、選択的に第1情報及び第2情報を符号化することができる。従って、スライス情報符号化部1350は、第3情報及び第4情報を符号化し、第1情報及び第2情報が符号化されなくとも、復号化する側で、現在ブロックの符号化モードを特定することが可能である。
【0111】
図15は、一実施形態によるモード情報符号化方法を説明するためのフローチャートである。図15は、現在スライスのあらゆるブロックの符号化モードに係わる情報を符号化する方法を図示している。
【0112】
段階1510で、モード情報符号化装置1300は、ブロックの順序を示すインデックス「i」を「0」に設定する。
【0113】
段階1520で、モード情報符号化装置1300は、i番目ブロックの符号化モードを決定する。モード決定部110,410及び740、並びにスキップモード決定部710を介して、i番目ブロックがスキップモード、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されているかを決定する。
【0114】
段階1530で、モード情報符号化装置1300は、i番目ブロックが、連続した複数の以前ブロックと、符号化モードが同一であるか否かを決定する。i番目ブロックが、連続した2つの以前ブロックと、符号化モードが同一であるか否かを決定することができる。
【0115】
連続した2つの以前ブロックと、符号化モードが同一であるか否かを決定する場合には、「i=0または1」、すなわち、現在スライスの最初のブロックと2番目ブロックは、以前に符号化された連続したブロックの個数が二つより少ないので、連続した2つの以前ブロックと、符号化モードが同一であるか否かを決定することができない。従って、この場合には、連続した複数の以前ブロックと、i番目ブロックの符号化モードが同一ではないと決定する。
【0116】
段階1540で、モード情報符号化装置1300は、反復回数を「1」増加させる。段階1530で、番目ブロックが、以前に符号化された複数のブロックと、符号化モードが同じであると決定されれば、反復回数を「1」増加させる。反復回数の初期値は、「0」に設定されてもよい。
【0117】
段階1550で、モード情報符号化装置1300は、反復回数に係わる情報を符号化する。段階1530で、i番目ブロックが連続した複数の以前ブロックと、符号化モードが同一ではないと決定されれば、反復回数に係わる情報を符号化する。i番目ブロックの符号化モードに係わる情報を符号化する前に、i−1番目ブロックまでの反復回数に係わる情報を符号化する。反復回数に係わる情報を符号化すると同時に、反復回数をさらに初期値である「0」にリセットすることができる。
【0118】
段階1560で、モード情報符号化装置1300は、i番目ブロックの符号化モードに係わる情報を符号化する。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたことを示す第1情報、並びに現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたこと示す第2情報を符号化することができる。段階1560の詳細な説明は、図16ないし図18を参照して詳細に後述する。
【0119】
段階1570で、モード情報符号化装置1300は、i番目ブロックが、最後のブロックであるか否かを決定する。最後のブロックではないならば、ブロックの順序を示すインデックス「i」を「1」増加させ、段階1520ないし1560を反復する。
【0120】
段階1590で、モード情報符号化装置1300は、現在スライスに係わる情報を符号化する。現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報、並びに現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むかを示す第4情報を符号化する。
【0121】
図16は、一実施形態によるモード情報符号化方法を説明するためのフローチャートである。図16は、図15の段階1560を詳細に図示している。i番目ブロックが、現在ブロックである場合、現在ブロックの符号化モードに係わる情報を符号化する方法を詳細に図示している。
【0122】
段階1610で、モード情報符号化装置1300は、スキップモードに係わる情報を符号化する。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたことを示す第1情報を符号化する。現在ブロックの符号化モードがスキップモードであるならば、フラグ情報を「1」に設定し、現在ブロックの符号化モードがスキップモードではなければ、フラグ情報を「0」に設定することができる。
【0123】
段階1620で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックの符号化モードがスキップモードであるか否かを決定する。現在ブロックの符号化モードがスキップモードではなければ、段階1630で、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報を符号化する。現在ブロックの符号化モードがナチュラルモードであるならば、フラグ情報を「0」に設定し、現在ブロックの符号化モードがグラフィックモードであるならば、フラグ情報を「1」に設定することができる。
【0124】
図17は、他の実施形態によるモード情報符号化方法を説明するためのフローチャートである。図17は、他の実施形態による図15の段階1560を図示している。
【0125】
段階1710で、モード情報符号化装置1300は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを決定する。現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含まなければ、現在ブロックに対して、スキップモードに従って符号化されたかを示す第1情報を符号化する必要がない。
【0126】
段階1710で、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むと決定されれば、段階1720で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報を符号化する。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたならば、フラグ情報を「1」に設定し、スキップモードに従って符号化されていなければ、フラグ情報を「0」に設定することができる。
【0127】
段階1730で、モード情報符号化装置1300は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたならば、現在ブロックが、ナチュラルモードまたはグラフィックモードに従って符号化されたかを示す情報を符号化しない。
【0128】
段階1740で、モード情報符号化装置は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含むかを決定する。現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報を符号化する必要がない。また、現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、グラフィックモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、同様に、第2情報を符号化する必要がない。
【0129】
段階1750で、モード情報符号化装置は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報を符号化する。現在ブロックが、ナチュラルモードに従って符号化されたならば、フラグ情報を「0」に設定し、現在ブロックがグラフィックモードに従って符号化されたならば、「1」に設定する。
【0130】
図18は、さらに他の実施形態によるモード情報を符号化する方法を説明するためのフローチャートである。図18は、図17と同様に、さらに他の実施形態による図15の段階1560を図示している。図18に図示された実施形態を、図17に図示された実施形態と比較すれば、段階1815が追加されたところで異なる。段階1820ないし段階1850の動作は、図17の段階1720ないし段階1750の動作にそれぞれ相応する。図17に図示された実施形態によれば、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合にも、第1情報を符号化した。しかし、図18に図示された実施形態によれば、段階1815が追加され、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合には、第1情報を符号化しない。
【0131】
図18によって符号化されるモード情報を整理すれば、次の表のようである。
【0132】
【表1】
「skip_mode_used」フィールドは、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報であり、前述の第3情報に対応する。「nat_mode_used」フィールドは、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報であり、「graphic_mode_used」フィールドは、現在スライスがグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報である。「nat_mode_used」フィールド及び「graphic_mode_used」フィールドは、前述の第4情報に対応する。第1情報は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示すフラグ情報であり、第2情報は、現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示すフラグ情報である。
【0133】
図19は、一実施形態によるモード情報復号化装置を図示する。図19に図示されたモード情報符号化装置は、図8のモード情報復号化部810及び図9のモード情報復号化部910に対応する。図19を参照すれば、一実施形態によるモード情報復号化装置1900は、スライス情報復号化部1910、第1情報復号化部1920、第2情報符号化部1930、ラン(run)復号化部1940、ラン(run)決定部1950及びモード決定部1960を含む。
【0134】
スライス情報復号化部1910は、ビットストリームから、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むかを示す第4情報、例えば、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックを含むことを示すフラグ情報、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示すフラグ情報を含んでもよい。
【0135】
第1情報復号化部1920は、ラン決定部1950の決定結果、現在ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化されていなければ、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報をパージングする。第1情報は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示すフラグ情報であってもよい。現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたとすれば、フラグ情報は、「1」であって、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないとすれば、フラグ情報は、「0」であってもよい。
【0136】
本発明の他の実施形態によれば、第1情報復号化部1920は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かに基づいて、選択的に第1情報を符号化することができる。現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、現在スライスのあらゆるブロックが、スキップモードに従って符号化されていないことが明白であり、モード情報符号化装置1300は、第1情報を符号化しない。従って、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まないならば、それぞれのブロックに対して、第1情報をパージングする必要がない。従って、第1情報復号化部1920は、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ、それぞれのブロックに対して第1情報をパージングする。
【0137】
また、さらに他の実施形態によれば、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含む場合にも、モード情報符号化装置1300は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、またはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ第1情報を符号化する。従って、第1情報復号化部1920は、スライス情報復号化部1910で復号化された第4情報を参照し、現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック、またはグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含む場合にのみ第1情報をパージングすることができる。
【0138】
第2情報復号化部1930は、第1情報復号化部1920と同様に、ラン決定部1950の決定結果、現在ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化されていない場合にのみ第2情報を復号化する。
【0139】
現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されれば、第1情報復号化部1920で、すでにスキップモードに係わる情報がパージングされ、現在ブロックの復号化に利用されるモードが、スキップモードと決定されるので、ナチュラルモード及びグラフィックモードに係わる情報をパージングする必要がない。従って、第2情報復号化部1930は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないと決定されれば、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報をパージングする。第2情報は、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、現在ブロックの符号化に利用されたモードを特定するためのフラグ情報であってもよい。
【0140】
また、第2情報復号化部1930は、スライス情報復号化部1910で復号化された第4情報を参照し、選択的に第2情報を符号化することができる。現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックだけ含めば、現在ブロックは、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックであることが明白であり、モード情報符号化装置1300は、第2情報を符号化しないので、第2情報復号化部1930が第2情報をパージングする必要がない。また、現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックだけ含めば、現在ブロックは、グラフィックモードに従って符号化されたブロックであることが明白であり、モード情報符号化装置1300は、第2情報を符号化しないので、第2情報復号化部1930が第2情報をパージングする必要がない。
【0141】
要するに、第2情報復号化部1930は、第4情報を参照した結果、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含む場合にのみ第2情報をパージングする。
【0142】
ラン復号化部1940は、同じ符号化モードの反復回数(run length)に係わる情報をパージングする。同じ符号化モードの反復回数に係わる情報がビットストリームに含まれていれば、これをパージングしてラン決定部1950に提供する。
【0143】
ラン決定部1950は、現在ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化されたか否かを決定する。現在ブロックが、現在スライスのk番目ブロックであるならば、連続した複数の以前ブロック、k−1番目ブロック及びk−2番目ブロックが同じ符号化モードで符号化されたか否かを決定する。k−1番目ブロックとk−2番目ブロックとが同じ符号化モードで符号化されたと決定されれば、ラン復号化部1940を介して、同じ符号化モードの反復回数に係わる情報をパージングする。
【0144】
反復回数に係わる情報がビットストリームに含まれていなかったり、パージングされた反復回数に係わる情報が反復回数が「0」であることを示しているならば、現在ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化されていないと決定する。同じ符号化モードの反復回数に係わる情報がパージングされ、その値が「0」より大きければ、現在ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化されたと決定する。
【0145】
モード情報復号化装置1900のラン決定部1950は、モード情報符号化装置1300のラン決定部1310に対応する。従って、ラン決定部1950は、ラン決定部1310と同様に、スキップモードの反復いかん、ナチュラルモードの反復いかん及びグラフィックモードの反復いかんについていずれも決定したり、スキップモードの反復いかんについてのみ決定することもできる。
【0146】
また、二種モードの組み合わせについてのみ反復いかんを決定することができるが、二種モードの組み合わせは、スキップモード−グラフィックモード、スキップモード−ナチュラルモードまたはナチュラルモード−グラフィックモードであってもよい。
【0147】
モード決定部1960は、第1情報復号化部1920で復号化された第1情報、第2情報復号化部1930で復号化された第2情報、及びラン復号化部1940で復号化された同じ符号化モードの反復回数に係わる情報のうち、少なくとも一つに基づいて、現在ブロックの復号化に利用されるモードを決定する。第1情報に基づいて、現在ブロックの復号化に利用されるモードが、スキップモードであるか否かをまず決定し、スキップモードではなければ、第2情報に基づいて、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードを利用して現在ブロックを復号化するかを決定する。
【0148】
ラン決定部1950の決定結果、現在ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化されたならば、現在ブロックの復号化モードを、以前ブロックの復号化モードと同じモードと決定する。
【0149】
図20は、一実施形態によるモード情報復号化方法を説明するためのフローチャートである。
【0150】
図20を参照すれば、段階2010で、モード情報復号化装置1900は、ビットストリームから、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを示す第3情報、ナチュラルモードに従って符号化されたブロック及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックを含むかを示す第4情報をパージングする。
【0151】
段階2020で、モード情報復号化装置1900は、ブロックの順序を示すインデックス「i」を「0」に設定する。
【0152】
段階2030で、モード情報復号化装置1900は、i番目ブロックが、以前に復号化された連続した複数のブロックの符号化モードと同じモードで符号化されたか否かを決定する。同じ符号化モードの反復回数に係わる情報を参照し、まだ反復回数が残っているか否かを決定する。反復回数が「0」より大きければ、反復回数が残っていると決定することができる。反復回数が「0」より大きければ、段階2040で、反復回数を「1」低減させる。
【0153】
反復回数が残っていない場合、すなわち、反復回数が「0」であるならば、i番目ブロックが、連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化されていないのであるから、段階2050で、i番目ブロックの符号化モードに係わる情報をパージングする。i番目ブロックが、スキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報、並びに現在ブロックがナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報をパージングすることができる。図21ないし図23を参照して詳細に説明する。
【0154】
段階2060で、モード情報復号化装置1900は、i番目ブロックが、以前ブロック、すなわち、i−1番目ブロックと同じ符号化モードで符号化されたか否かを決定する。i番目ブロックが、i−1番目ブロックと同じ符号化モードで符号化されたものであると決定されれば、連続した複数のブロックが、同じ符号化モードで符号化されたものであるので、次のブロック、すなわち、i+1番目ブロックも、同じ符号化モードで符号化されたものである。
【0155】
従って、次のブロックの符号化モードを決定するのに参照するために、段階2062で、モード情報復号化装置1900は、同じ符号化モードの反復回数に係わる情報をパージングする。i+1番目ブロックが、i番目ブロックと同じ符号化モードで符号化されたとすれば、同じ符号化モードの反復回数に係わる情報が、段階2062でパージングされ、同じ符号化モードで符号化されていないとすれば、パージングされる反復回数に係わる情報がないので、パージングされないか、あるいはパージングされたとしても、反復回数は、「0」を示す。
【0156】
段階2070で、モード情報復号化装置1900は、i番目ブロックの復号化モードを決定する。連続した複数の以前ブロックと同じ符号化モードで符号化され、段階2030で、反復回数が残っていると決定されたとすれば、i−1番目ブロックの復号化モードと同一に、i番目ブロックの復号化モードを決定し、段階2030で、反復回数が残っていないと決定され、段階2050で、第1情報及び第2情報がパージングされたとすれば、パージングされた第1情報及び第2情報に基づいて、i番目ブロックの復号化モードを決定する。
【0157】
段階2080で、モード情報復号化装置1900は、i番目ブロックが最後のブロックであるか否かを決定する。最後のブロックではないならば、段階2090で、インデックスIを「1」増加させ、段階2030ないし2070を反復する。
【0158】
図21は、他の実施形態によるモード情報を復号化する方法を説明するためのフローチャートである。図21は、一実施形態による図20の段階2050を詳細に図示している。図21を参照すれば、段階2110で、モード情報復号化装置1900は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報を復号化する。ビットストリームから第1情報をパージングする。
【0159】
段階2120で、モード情報復号化装置1900は、段階2110で復号化された第1情報に基づいて、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。
【0160】
段階2120で、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されていないと決定されれば、段階2130で、モード情報復号化装置1900は、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれの符号化モードに従って符号化されたかを示す第2情報を復号化する。ビットストリームから第2情報をパージングする。
【0161】
図22は、さらに他の実施形態によるモード情報を復号化する方法を説明するためのフローチャートである。
【0162】
図22は、さらに他の実施形態による図20の段階2050を図示している。図22を参照すれば、段階2210で、モード情報復号化装置1900は、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを決定する。パージングされた第3情報に基づいて、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含むか否かを決定する。現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含まなければ、現在ブロックに対して、スキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報をパージングする必要がない。
【0163】
段階2210で、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックを含むと決定されれば、段階2220で、モード情報復号化装置1900は、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを示す第1情報をパージングする。
【0164】
段階2230で、モード情報復号化装置1900は、現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。段階2220で、パージングされた第1情報に基づいて、現在ブロックがスキップモードに従って符号化されたか否かを決定する。現在ブロックが、スキップモードに従って符号化されたとすれば、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す情報をパージングする必要がない。
【0165】
段階2240で、モード情報復号化装置1900は、現在スライスがナチュラルモードに従って符号化されたブロック、及びグラフィックモードに従って符号化されたブロックをいずれも含むかを決定する。パージングされた第4情報に基づいて決定する。現在スライスが、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、ナチュラルモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報をパージングする必要がない。また、現在スライスが、グラフィックモードに従って符号化されたブロックだけ含むならば、現在ブロックも、グラフィックモードに従って符号化されたブロックであることが明白であるので、第2情報をパージングする必要がない。
【0166】
段階2250で、モード情報復号化装置1900は、現在ブロックが、ナチュラルモード及びグラフィックモードのうち、いずれのモードに従って符号化されたかを示す第2情報をパージングする。
【0167】
図23は、さらに他の実施形態によるモード情報を復号化する方法を説明するためのフローチャートである。図23は、図22と同様に、さらに他の実施形態による図20の段階2050を図示している。図23に図示された実施形態を、図22に図示された実施形態と比較すれば、段階2315が追加されたところで異なる。段階2320ないし段階2350の動作は、それぞれ図22の段階2220ないし段階2250の動作と相応する。図22に図示された実施形態によれば、現在スライスが、スキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合にも、第1情報をパージングした。しかし、図23に図示された実施形態によれば、段階2315が追加され、現在スライスがスキップモードに従って符号化されたブロックだけ含む場合には、第1情報をパージングしない。
【0168】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施形態及び図面によって説明したが、本発明が、前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明が属する分野で当業者であるならば、かような記載から多様な修正及び変形が可能であろう。従って、本発明の思想は、特許請求の範囲によってのみ把握され、それと均等であるか、あるいは等価的な変形は、いずれも本発明思想の範疇に属することである。また、本発明によるシステムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に、コンピュータが読み取り可能なコードとして具現することが可能である。
【0169】
例えば、本発明の例示的な実施形態による映像符号化装置、映像復号化装置、モード情報符号化装置及びモード情報復号化装置は、図1図4図7図8図9図13及び図19に図示されたような装置のそれぞれのユニットにカップリングされたバス、前記バスに結合された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。また、命令、受信されたメッセージまたは生成されたメッセージを保存するために、前記バスに結合され、前述のような命令を遂行し、前記装置の動作を制御するための少なくとも1つのプロセッサにカップリングされたメモリを含んでもよい。
【0170】
また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。記録媒体の例としては、ROM(read-only memory)、RAM(random-access memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがある。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行されてもよい。また、一実施形態は、ネットワークを介した伝送のために、コンピュータで読み取り可能な伝送媒体、例えば、キャリアウェーブを含んでもよい。
図1
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図6A
図6B
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