特許第5775099号(P5775099)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775099
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】床パネル
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/00 20060101AFI20150820BHJP
   E03C 1/20 20060101ALI20150820BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   E04F15/00 F
   E03C1/20 A
   E04H1/12 301
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-376(P2013-376)
(22)【出願日】2013年1月7日
(65)【公開番号】特開2014-132140(P2014-132140A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2013年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】313014077
【氏名又は名称】トクラス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503160250
【氏名又は名称】モリマーエスエスピー 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101188
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 義雄
(72)【発明者】
【氏名】深山 重道
(72)【発明者】
【氏名】林 娟
(72)【発明者】
【氏名】樋口 逸郎
(72)【発明者】
【氏名】奥村 真
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−117141(JP,A)
【文献】 特開平09−077837(JP,A)
【文献】 特開2009−189575(JP,A)
【文献】 特開平05−131589(JP,A)
【文献】 特開2006−125025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00
E03C 1/20
E04H 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡ポリスチレンからなる基部に両面テープを介して塩化ビニル樹脂からなる表面材が貼付された積層体からなる床パネルであって、
前記基部はフレームに固定され、
前記両面テープは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる可塑剤遮断部材の各面に粘着剤層を設けることによって構成されていることを特徴とする床パネル。
【請求項2】
前記可塑剤遮断部材は、可塑剤を遮断できるシートであることを特徴とする請求項1記載の床パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床パネルに係り、特に、基部に両面テープを介して表面材を貼付して積層体としたときに、表面材に含まれる可塑剤によって、基部や、当該基部と両面テープとの間の粘着剤を劣化させてしまうことがない床パネルに関し、例えば、システムバスの洗い場フロアや、洗面室フロアに用いることに適した床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
システムバス等に用いられる床パネルとしては、例えば、特許文献1に開示されるように、基部層と、クッション層と、表面層との層構造を備えたものが知られている。同文献に示される基部層は、FRP等の熱硬化性樹脂、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂により構成され、クッション層はウレタン等の発泡体により構成され、また、表面層は、FRPや、塩化ビニル樹脂、その他の耐水性、耐薬品性等を備えた樹脂が用いられている。
ここで、上記基部層、クッション層、表面層は、例えば両面テープを用いて接着することができる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−144434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、表面材として用いられる塩化ビニルは、可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)を含んでいることから、例えば、基部として発泡ポリスチレンを用いた場合には、可塑剤によって基部の表面が溶けたような状態になり、一般にぼろぼろと称されるような変形若しくは変化をもたらす、という不都合がある。
このような基部の変形は、基部自体の強度低下を招くだけでなく、表面材の平滑性を損なう要因になり、床パネルを交換せざるを得なくなるという不都合がある。
また、上記基部の場合と同様に、両面テープの粘着剤が可塑剤の影響を受けて劣化してしまい、基部と両面テープとの界面剥離を行うことができなくなり、この場合には、表面材を交換するようなメンテナンスを行う場合、基部に付着した粘着剤を除去するのに時間を要するという不都合を招来する。
【0005】
[発明の目的]
本発明の目的は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、表面材に含まれる可塑剤によって基部が性状変化してしまうような劣化を回避でき、耐久性を維持することができるとともに、必要なメンテナンスにも対応することができる経済性を備えた床パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、特許請求の範囲記載の構成を採用したものである。具体的には、発泡ポリスチレンからなる基部に両面テープを介して塩化ビニル樹脂からなる表面材が貼付された積層体からなる床パネルであって、
前記基部はフレームに固定され、
前記両面テープは、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる可塑剤遮断部材の各面に粘着剤層を設けることによって構成される、という手段を採っている。
【0007】
本発明において、前記可塑剤遮断部材は、可塑剤を遮断できるシートであり、ポリエチレンテレフタレート樹脂のシートを用いることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基部と表面材との間に両面テープの可塑剤遮断部材が存在する構成となるため、基部と可塑剤遮断部材との間の粘着剤や、基部が劣化することがなく、基部の表面精度を一定に維持することができるとともに、必要なメンテナンスにも対応可能な床パネルを提供することができる。
【0010】
また、可塑剤遮断部材がポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂シートであれば、汎用的に入手が可能であるとともに、コスト的な負担も回避可能となる。更に、金属製シートの利用も可能となることで、材料選択範囲を拡大することができ、求められる性能に応じた設計の自由度を付与することができる。
更に可塑剤遮断部材がポリエチレンテレフタレート(PET)であれば、可塑剤遮断部材の各面に設けられる粘着剤層との粘着力を確保し易く、表面材を張り替えるようなメンテナンスを行う場合、床パネルの基部表面に粘着剤が残り難い。
【0011】
また、基部が発泡体なので、床パネルの重量を軽くでき、施工が容易となる。
【0012】
更に、基部が発泡ポリスチレンであれば、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂製基部に比べて安価で成形し易い他、それ自体の柔軟性によるクッション効果により、塩化ビニルのクッション性を補完する作用をもたらすことにもなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る床パネルが用いられた床構造の概略断面図。
図2図1の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示されるように、床パネル10は、例えば、図示しない床面に対して不陸調整可能に設けられた金属製のフレームFに支持される。この床パネル10は板状をなす基部11と、当該基部11に両面テープ12を介して貼付された表面材13とにより構成されている。
【0015】
前記基部11は、熱可塑性樹脂発泡体により構成され、本実施形態では、発泡ポリスチレンが用いられ、これにより、床パネル10全体としての重量抑制を図ることができるようになっている。なお、基部11の発泡倍率は5倍であり、その厚みは、40mmである。ただし、発泡倍率や、厚み等は特に限定されるものではなく、床パネル10として用いたときに必要とされる耐久強度等を維持することができる範囲で任意に決定することができる。また、基部11は、図示しないボルト、ナット等からなる締結具を用いてフレームFに固定される。
【0016】
前記両面テープ12は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる可塑剤遮断部材としてのフイルム12Aと、当該フイルム12Aの各面に設けられたアクリル系粘着剤層12Bとにより構成されている。この両面テープ12は、例えば、日東電工社製の「両面接着テープ:GA937」が用いられ、これにより再剥離性が担保されるようになっている。
【0017】
前記表面材13は、塩化ビニル樹脂により構成されている。この表面材13は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、厚み3.5mmのシートが用いられている。
【0018】
以上の構成において、本実施形態に係る床パネル10は、フレームFを不陸調整した状態で、図示しない締結具を介して基部11を固定する。
次いで、基部11に両面テープ12を貼付した後、その上面に表面材13を貼付することで床パネル10を施工することができる。
【0019】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施例に対し、形状、位置若しくは方向、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部剤の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0021】
10…床パネル、11…基部、12…両面テープ、12B…粘着剤、13…表面材
図1
図2