特許第5775112号(P5775112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5775112鋳造体、キャスタブル組成物、及びそれらの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775112
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】鋳造体、キャスタブル組成物、及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/66 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   C04B35/66 V
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-118367(P2013-118367)
(22)【出願日】2013年6月4日
(62)【分割の表示】特願2010-523127(P2010-523127)の分割
【原出願日】2008年8月28日
(65)【公開番号】特開2013-199427(P2013-199427A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2013年7月4日
(31)【優先権主張番号】60/969,024
(32)【優先日】2007年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500573370
【氏名又は名称】ベスビウス クルーシブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100111903
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 友康
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】テイケン,ジャスティン
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−137663(JP,A)
【文献】 特開2009−137808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火性材料を含むキャスタブル組成物であって、
a)100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなる第1の粒子画分;
b)100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなり、前記第1の粒子画分よりも小さい第2の粒子画分
c)100マイクロメートル超の粒径からなる第3の粒子画分;及び
d)100マイクロメートル超の粒径からなり、前記第3の粒子画分よりも小さい第4の粒子画分、
を含み、
前記第3の粒子画分及び前記第4の粒子画分が、少なくとも2の平方根の、最大粒径に対する最小粒径の粒径比を有するギャップによって分離された
ャスタブル組成物。
【請求項2】
100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなり、前記第2の粒子画分よりも小さいの粒子画分をさらに含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項3】
100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなり、前記第5の粒子画分よりも小さいの粒子画分をさらに含む、請求項2に記載のキャスタブル組成物。
【請求項4】
100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなり、前記第6の粒子画分よりも小さいの粒子画分をさらに含む、請求項3に記載のキャスタブル組成物。
【請求項5】
該第1の粒子画分、該第2の粒子画分、該第3の粒子画分、及び該第4の粒子画分が、アルミナ及びSecar(登録商標)セメントからなる群から選択される材料を含む、請求項に記載のキャスタブル組成物。
【請求項6】
4乾燥質量パーセント超の100マイクロメートル未満の直径を有する粒子を含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項7】
13乾燥質量パーセント超の100マイクロメートル未満の直径を有する粒子を含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項8】
シリカヒュームをさらに含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項9】
前記第3の粒子画分が、乾燥組成物の少なくとも50質量%を含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項10】
該ギャップが、乾燥組成物の10質量%未満を含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項11】
該ギャップが、乾燥組成物の5質量%未満を含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項12】
少なくとも95乾燥質量%のアルミナを含む、請求項1に記載のキャスタブル組成物。
【請求項13】
鋳造成形物を成形する方法であって、
(a)該成形物の大きさ及び形状に対応したキャビティを有するモールドを準備すること、
(b)該キャビティに請求項1に記載のキャスタブル組成物を充填すること、
(c)所望により本発明の該キャスタブル組成物に締固め及び/または振動を施すこと、
(d)該キャスタブル組成物を硬化して該鋳造成形物を成形すること、並びに
(e)該鋳造成形物から該モールドを分離すること、
を含む、方法。
【請求項14】
鋳造成形物を成形する方法であって、
(a)該成形物の大きさ及び形状に対応したキャビティを有するモールドを準備すること、
(b)該キャビティに請求項1に記載のキャスタブル組成物を充填すること、
(c)本発明の該キャスタブル組成物を圧縮工程に送ること、
(d)該キャスタブル組成物を硬化して該鋳造成形物を成形すること、並びに
(e)該鋳造成形物から該モールドを分離すること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状の金属、ガラス等を入れることを目的とした容器及び炉の内壁をライニング加工するための耐火性組成物等の、マトリックス含有量が低減されたキャスタブル組成物に関する。また、これらの組成物及び方法から成形された鋳造体に関する。
【背景技術】
【0002】
冶金用容器の内壁のライニングを形成するための多くの方法が知られている。例えば、従来技術によれば、無機粒子、所望により繊維、並びに有機及び/または無機のバインダーを含む硬化可能な水性及びペースト状の混合物を、鋳造タンディッシュ等の冶金用容器の中に、こて、気送管、若しくは他のプロジェクティング(projecting)装置を用いて、モールディング、タンピング(tamping)、またはプロジェクティングにより適用する方法が知られている。粒子の混合物が液状金属と接触して焼結され、これによりライニングの密着が確保される。
【0003】
従来技術によれば、異なる組成物の少なくとも2層が冶金用容器の内部に適用される方法であって、各層が、上述の種類の硬化可能な水性及びペースト状混合物をプロジェクティングすることにより適用される方法が知られている。
【0004】
上記の水性及びペースト状混合物の流動性は、それらの適用を促進するが、流動性は湿潤水の存在する量に比例する。水性混合物を生成するために使用した湿潤水は乾燥して除去しなければならず、これには不動の時間及びエネルギーの消費が含まれ、これらのどちらも無視できない。
【0005】
また、鋳型を冶金用容器の内部に置き、耐火性粒子からなる材料および熱硬化性バインダーからなる材料を、鋳型と容器の内壁との間に空気圧で投入し、次いで、バインダーを硬化させるために鋳型を残しながら加熱し、最後に鋳型を除去する方法が知られている。鋳造材料には、結晶水を含有する無機化合物が含まれている。結晶水は、結晶と化学結合した水であり、結晶特性の維持に必要であるが、十分な加熱によって除去され得る。
【0006】
また、耐火性物体を、生コンクリートの振動鋳造または自己流動性コンシステンシーを有するコンクリートの無振動鋳造のいずれかにより、耐火性コンクリートを鋳造することによって作ることができることが知られている。両手段において、全てのコンクリート材料を均質に混合しかつ湿潤させることが必要である。通例、マトリックス及び粗粒材料はバッチに一緒にまとめられる。次いで、水を加えて、流動性を与え、目的とする形状の最終成形物を成形する反応を開始する。これを達成するために、材料の大部分が微粒子のマトリックス材料である。この材料は大きな表面積を有し、ほとんどの耐火性用途等の悪条件における攻撃に有用である。水の割合が大きいほど、混合物の流動性が改善されるが、成形物中の空孔の形成も促進してしまう。キャスタブル中に多量の混合水を含有することは、非常に長い乾燥時間及び低い機械強度をもたらす。水の割合が小さいほど、空孔の形成を抑制するが、ひび割れ、崩れ(crumbling)、及び剥離(spalling)が起きやすい成形物を生じてしまう。極端な場合、少ない割合の水を用いた成形は、一体物(coherent piece)を成形できない。
【0007】
耐熱衝撃性を向上させるために、繊維材料が振動鋳造材料及び自己流動性材料に用いられてきた。繊維材料の使用は高レベルの混合水の必要性を増加させ、鋳造をさらに難しくする。高密度に起因する耐スラグ性に有益な非常に粗い材料は、所定の範囲においてのみ使用され得る。なぜなら、粗粒材料の非常に高い含有量を有するコンクリートの鋳造は、非常に困難であるからである。
【0008】
浸透プロセスがまた、スラリーの形態で導入される微粒子と混合した粗大粒子を含む目的物を作るために用いられる。例えば、成形された乾燥体を成形するために、モールドに、約1〜60mmの大きさを有し得る乾燥粗大粒子を充填することができる。次いで、成形した乾燥体に、バインダー、水、及び0.0001〜3mmの粒径分布を有する微細なフィラー材料からなるスラリーを浸透させる。この方法による浸透は、時間のかかるプロセスである。より大きな骨材(aggregate)を使用しなければ、この方法による厚い試料を作ることの困難性は、試料の厚みが大きくなるにつれて増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、公知の組成物の欠点を克服すること、及び混合水の量が最小化、マトリックス材料の量が最小化、成形された乾燥体の空孔率が最小化、成形された乾燥体の密度が増加し、且つ向上した破壊係数及び冷間圧縮強さの値を有する成形物を作ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来技術の組成物と比較した場合に、所定の組成的特徴を、単独で、あるいは組み合わせることによって、減少した水の量で構成されることができかつ増加した密度及び減少した空孔率を示すキャスタブル材料が生成されることが分かった。これらの特性は未焼結の成形体に付与され得る。
【0011】
これらの特徴は次の構成を含む。
1)最も粗い耐火性粒子画分が、乾燥組成物の50質量%以上を占める。この粒子画分は、少なくとも2の平方根または少なくとも2の、最大粒径に対する最小粒径の比率を有するギャップによって、より小さい粒子画分から分離される。例えば、最も粗い耐火性粒子画分は、500、800、または1000マイクロメートルよりも大きい粒径を有する粒子からなることができ、1000、2000、または4000マイクロメートル等の最大粒径を有する閉画分(closed fraction)であることができる。
【0012】
2)組成物が少なくとも4つの粒子画分を含み、そのうちの3つの隣接した粒子画分は、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって、または少なくとも2の粒径比を有するギャップによって分離され、各々のすぐ接している大きい側の粒径画分に対して、粒径が減少する順番で、より小さい、より大きい、及びより小さい残存質量パーセント(ある画分の粒子にそれより小さい粒子を全て加えた全粒子の質量に対する前記画分の粒子の質量比)を有する。この構成(より大きい、より小さい、より大きい、より小さい画分)は、「交互の残存質量パーセント」組成物と表される。
【0013】
3)組成物は少なくとも4つの粒子画分を含み、そのうちの3つの隣接した粒子画分は、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって、または少なくとも2の粒径比を有するギャップによって分離され、各々のすぐ接している大きい側の粒径画分に対して、粒径が減少する順番で、より大きい、より小さい、そしてより大きい残存質量パーセント(ある画分の粒子にそれより小さい粒子を全て加えた全粒子の質量に対する前記画分の粒子の質量比)を有する。この構成(より小さい、より大きい、より小さい、より大きい画分)はまた、「交互の残存質量パーセント」組成物と表される。
【0014】
4)組成物は、少なくとも2の平方根の粒径比、または少なくとも2の粒径比を有するギャップによって分離され、かつ全てが100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなる、少なくとも2つ、または少なくとも3つの粒子画分を含む。
【0015】
5)組成物は、少なくとも2の平方根の粒径比、または少なくとも2の粒径比を有するギャップによって分離された少なくとも4つの粒子画分を含み、その残存質量パーセントは少なくとも40%である。
【0016】
6)組成物は、少なくとも2の平方根の粒径比、または少なくとも2の粒径比を有するギャップによって分離された少なくとも5つの粒子画分を含む。
【0017】
7)ギャップの少なくとも2つがそれぞれ、乾燥組成物の質量の10質量%未満、または5質量%未満を含む。
【0018】
これらの特徴の1つ以上を含む組成物が、6.0wt%、5.0wt%、4.0wt%、3.0wt%、2.5wt%、及び2.0wt%の水の質量パーセントを用いて作られ、従来技術に対して、向上したMOR(破壊係数)、増加したかさ密度、減少した空孔率、及び向上したCCS(冷間圧縮強さ)の値が得られる。
【0019】
本発明の組成物を用いて、華氏230度への加熱後に、1000以上、2000以上、3000以上、または3500以上、及び華氏1500度への加熱後に、500以上、1000以上、2000以上、3000以上、または3500以上のMOR値(ポンド/平方インチで測定)を得ることができる。
【0020】
本発明の組成物を用いて、95質量%以上のアルミナからなる構成について、華氏230度への加熱後に、190以上、195以上、または200以上、及び華氏1500度への加熱後に、185以上、190以上、195以上、または200以上のかさ密度の値(ポンド/立方フィートで測定)を得ることができる。
【0021】
本発明の組成物を用いて、華氏230度への加熱後に、15以下、10以下、5以下、4以下、または3以下、及び華氏1500度への加熱後に、18以下、15以下、10以下、5以下、4以下、または3以下の空孔率(体積パーセントで測定)を得ることができる。
【0022】
本発明の組成物を用いて、華氏230度への加熱後に、3000以上、5000以上、8000以上、10000以上、または12000以上、及び華氏1500度への加熱後に、3000以上、5000以上、8000以上、10000以上、または12000以上のCCS値(ポンド/平方インチで測定)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来技術及び本発明の組成物について、対数目盛上の粒径に対してプロットした、組成物の画分の質量パーセントのグラフである;
図2】本発明の組成物について、対数目盛上の粒径に対してプロットした、組成物の画分の質量パーセントのグラフである;
図3】本発明の組成物について、対数目盛上の粒径に対してプロットした、組成物の画分の体積パーセントのグラフである;
図4】本発明の組成物について、対数目盛上の粒径に対してプロットした、組成物の画分の体積パーセントのグラフである;
図5】従来技術の組成物について、対数目盛上の粒径に対してプロットした、組成物の画分の質量パーセントのグラフである;
図6】従来技術の組成物について、対数目盛上の粒径に対してプロットした、組成物の画分の質量パーセントのグラフである;及び
図7】本発明の組成物について、対数目盛上の粒径に対してプロットした、組成物の画分の質量パーセントのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
所定の組成的特徴の存在または組み合わせによって、混合水の量が最小化、マトリックス材料の量が最小化、成形された乾燥体の空孔率が最小化、成形された乾燥体の密度が増加し、且つ向上した破壊係数及び冷間圧縮強さの値を有する耐火性成形物が作られることが分かった。これらの特性は未焼結の成形体に付与され得る。
【0025】
本発明を実行するのに有益な粗骨材は、溶融アルミナまたは焼結アルミナ(板状アルミナ)、全アルミナボール(whole alumina balls)、溶融ボーキサイト、溶融及び焼結ムライト、溶融及び焼結マグネシア、溶融及び焼結マグネシアアルミニウムスピネル、溶融及び焼結ジルコニア、耐火性ボーキサイト、耐火性カイヤナイト、耐火性アンダルサイト、耐火性シリマナイト、炭化ケイ素、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0026】
本発明を実行するのに有益な粗骨材は、任意の形状を有することができる。それらは、球状、ブロック状(blocky)、長方形状、あるいは繊維状であることができる。さらには、それらは、単独で、あるいは組み合わせて使用され得る。
【0027】
マトリックス中に用いられるバインダーは、アルミン酸カルシウムセメント、アルファボンドセメント、ポルトランドセメント、モノ−アルミニウムホスフェート(MAP)、粘土、反応性アルミナ(AA101等)、水和性アルミナ、及びそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施態様において、本発明によるマトリックス材料はセメントを含まない。
【0028】
マトリックスに用いられる他の原材料は、反応性アルミナ、焼成アルミナ、板状アルミナ、溶融アルミナ、ムライト、炭素(グラファイトまたはカーボンブラック)、炭化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム(カイヤナイト、アンダルサイト、またはシリマナイト等)、マイクロシリカ、ボーキサイト、酸化クロム、及びそれらの組み合わせを含むことができる。0.01〜10マイクロメートルの範囲内の直径を有する構成部分は、微粒子としても知られ、反応性アルミナ及びヒュームシリカを含むことができる。
【0029】
マトリックスはまた、分散剤、可塑剤、消泡剤または発泡剤、及び脱気成分を含むことができる。これらの物質は当技術分野で良く知られている。
【0030】
本発明の方法によって、微粒子の最小体積を有するキャスタブル混合物が作られる。概して、キャスタブルを作るために必要な微粒子の量は、最大寸法の粒子の大きさによって決まる。3メッシュの最大粒径と混合する場合は概して、有効なキャスタブル混合物を生成するために、最低33体積%の−100メッシュ粒子が必要である。本発明にしたがって、30体積%以下の−100メッシュ粒子、29体積%以下の−100メッシュ粒子、26体積%以下の−100メッシュ粒子、25体積%以下の−100メッシュ粒子、22体積%以下の−100メッシュ粒子、または18体積%以上24体積%以下の−100メッシュ粒子を有する有益なキャスタブル混合物が、生成され得る。
【0031】
3メッシュの最大粒径を有するキャスタブル混合物は概して、有効なキャスタブル混合物を生成するために、最低48体積%の−16メッシュ粒子が必要である。本発明にしたがって、47体積%以下の−16メッシュ粒子、45体積%以下の−16メッシュ粒子、または43体積%以下の−16メッシュ粒子を有する有益なキャスタブル混合物が、生成され得る。
【0032】
3メッシュの最大粒径を有するキャスタブル混合物は概して、有効なキャスタブル混合物を生成するために、最低58体積%の−6メッシュ粒子が必要である。本発明にしたがって、55体積%以下の−6メッシュ粒子、47体積%以下の−6メッシュ粒子、42体積%以下の−6メッシュ粒子、または36体積%以下の−6メッシュ粒子を有する有益なキャスタブル混合物が、生成され得る。従来のキャスタブル組成物には、最大粒径に関係なく、最低限の体積の細骨材が必要である。これらの最低限の体積は、3メッシュの最大粒径を有する混合物についての値と同様である。メッシュの値は、タイラー値として本明細書で表される。
【0033】
加えて、3メッシュの最大粒径を有するキャスタブル混合物に用いる−6メッシュ粒子、−14メッシュ粒子、−16メッシュ粒子、−28メッシュ及び−100メッシュ粒子についての最大体積パーセント値はまた、3メッシュより大きい最大粒径または骨材を有する本発明によるキャスタブル混合物を生成するように用いられ得る。例えば、−3/8’’骨材、1/2’’×1/4’’ 骨材、−1/2’’ 骨材、−3/4’’ 骨材、及び−1’’ 骨材、これらの骨材の混合物、及び−3メッシュと12’’の範囲内の最大粒径を有する骨材が、本発明によるキャスタブル組成物を生成するために用いられ得る。
【0034】
本発明の方法によって、従来使用された組成物について達成できなかった密度を有する鋳造体が作られる。従来技術のアルミナ系の鋳造目的物は、それらが酸化クロムを含む場合、グリーン状態で、最大202ポンド/立方フィートの密度を有することができる。グリーン状態の材料は遊離水を含み、この水は華氏230度まで加熱されて除去される。本発明によれば、グリーン状態において204ポンド/立方フィート以上または210ポンド/立方フィート以上の密度を有するアルミナ系鋳造目的物が成形され得る。
【0035】
従来技術のアルミナ系鋳造目的物は、それらが酸化クロムを含む場合、華氏230度への乾燥後に、最大199ポンド/立方フィートの密度を有することができ、あるいは、それらがアルミナのみを含む場合、グリーン状態において196ポンド/立方フィートの密度を有することができる。本発明によれば、華氏230度への乾燥後に、200ポンド/立方フィート、202ポンド/立方フィート、または207ポンド/立方フィートの密度を有するアルミナ系鋳造目的物が成形され得る。
【0036】
本発明の方法によって、従来は達成できなかった理論密度に対する密度を有する鋳造体が成形される。理論密度とは、ある物質について得られる最大密度を表す(すなわち、間隙を含まない固体試料であり、粒子間に間隙を有する充填粉末と区別される)。アルミナは、247.53ポンド/立方フィートの理論密度を有する。従来技術では、(196.0/247.53)×100%若しくは理論密度の79.2%、または(199.0/247.53)×100%若しくは理論密度の80.3%を有する材料を成形することができる。本発明にしたがって作られる材料は、(200.0/247.53)×100%若しくは理論密度の80.7%以上、または理論密度の83.6%以上の密度を有することができる。
【0037】
本発明の方法が、液体量が減少されたキャスタブル材料の生成を可能にする。従来技術のキャスタブル材料は概して、少なくとも3.7wt%の液体を含む。キャスタブル材料は、本発明にしたがって、3.3wt%以下の液体、3.0wt%以下の液体、2.0wt%以下の液体、または1.7wt%以下の液体を用いて生成され得る。従来技術のキャスタブル材料は概して、少なくとも10.9vol%の液体を含む。キャスタブル材料は、本発明にしたがって、9.1vol%以下の液体、または7.8vol%以下の液体を用いて生成され得る。これらのパーセンテージは、骨材、マトリックス、微粒子、及び水の総質量または総体積に対して表される。
【0038】
本発明の方法は、空孔率が減少された鋳造体の成形を可能にする。従来の鋳造技術によって成形された鋳造体は、華氏1500度への加熱後に、13%以上の空孔率レベルを有する。本発明にしたがって成形された鋳造体は、13%未満、12%未満、11%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、または3%未満の空孔率レベルを有することができる。
【0039】
本発明によるプロセスにおいて、鋳造形状、鋳造構造、及び鋳造成形物、例えば円柱構造等が、本発明のキャスタブル組成物を用いて構成され得る。その方法は、
(a)構造または鋳造成形物の大きさ及び形状に対応したキャビティを有するモールドを準備すること、
(b)キャビティに本発明のキャスタブル組成物を充填すること、
(c)所望により本発明のキャスタブル組成物に締固め及び/または振動を施すこと、
(d)キャスタブル組成物を硬化して鋳造形状、鋳造構造、または鋳造成形物を成形すること、並びに
(e)鋳造形状、鋳造構造、または鋳造成形物からモールドを分離すること、
のステップを含む。
本発明の組成物はまた、生の(wet)組成物がモールド内に置かれ機械プレスまたは水圧プレスまたは他の圧縮プロセスが施され所望形状の試料片または鋳造成形物が成形される、圧縮成形手順において使用され得る。
【0040】
本発明のキャスタブル組成物は、加熱され、離型するための良好なグリーン強度を有することができる。110℃への加熱が使用され反応性アルミナを反応させることができる。別法で、または加えて、グリーン強度を提供するためにセメントを微粒材料中に用いることができる。
【0041】
表1に表す例は、示された大きさの板状アルミナ及びバインダーとしてのSecar 71セメントを用いた鋳造である。Secar 71は、約70%のアルミナを含む水硬化性バインダーである。ULM2は、4つのピークの粒径分布を有する本発明の組成物であり、そのうちの2つのピークは直径250マイクロメートル以下の粒子に対応する。ULM3及びULM3Bは、直径1000マイクロメートル以下の粒子に対応する3つの粒径分布のピークを有する本発明の2つの組成物である。PA1及びPA2は従来技術の組成物である。ULM1は、100マイクロメートル未満(または−60メッシュ)の範囲の粒子分布を変えること、及びその範囲にギャップを導入することによる、組成物PA2から由来した本発明の組成物である。
【0042】
表1及び表2の「ローディング」値は、所定の画分の粒子にそれより小さい粒子を全て加えた全粒子の質量に対する前記所定の画分の粒子の質量パーセントとして規定される残存質量パーセントを表す。例えば、UML2中の最も大きい粒子を含む画分は、組成物中の53wt%のアルミナ及びシリカを含む。2番目に大きい粒子を含む画分は、50wt%の残存粒子を含む。3番目に大きい粒子を含む画分は、35wt%の残存粒子を含む。4番目に大きい粒子を含む画分は、最も小さい粒子でもあり、100wt%の残存粒子を含む。
【0043】
組成物ULM1、ULM3、及びULM3Bは、交互の残存質量構成を有する4以上の画分を含む。PA1及びPA2は、そのような構成を欠く。ULM2も、残存質量構成を交互にする4つの画分を欠くが、250マイクロメートル以下の直径を有する粒子に対応する2つのピークを有する。
【0044】
組成物PA1及びPA2は、鋳造成形物を成形するために、示した水の量(それぞれ、6.34wt%及び5.25wt%)を必要とした。
【0045】
A3000FLは、約2.5〜3マイクロメートルのd50及び概して1.3〜2平方メートル/グラムのBET(Brunauer−Emmett−Teller)法により測定した特定の表面積を有する、スーパーグラインドされた(superground)バイモーダル(bimodal)の反応性アルミナである。A152SGは、1.2マイクロメートルのメジアン粒径を有するモノモーダル(monomodal)の粒径分布を有する、スーパーグラインドされたアルミナである。RG4000は0.5〜0.8マイクロメートルのd50を有するモノモーダルの反応性アルミナである。Dispex N100は、ポリアクリル酸ナトリウムの分散剤である。
【0046】
本発明の超低マトリックス組成物ULM1、ULM2、ULM3、及びULM3Bは、従来技術の組成物PA1及びPA2と比べて、MOR、かさ密度、及びCCSの増加、並びに空孔率の減少を示す。これらの組成物の成分及び特性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
本発明の組成物ULM−FG、ULM−PG、及びULM−671は、従来技術の組成物PA2と比較して、水の割合を減少させて鋳造形状を成形することができる。組成物を表2に示す。様々な割合の水を加えて成形した鋳造形状の特性の比較を表3に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
全サンプルに、30秒間の乾式混合、4.5分間の湿式混合、4分間の高振動、及び1分間の低振動を施した。KBD値はポンド/立方フィートで測定したかさ密度である。KPOR値は体積パーセントで測定した空孔率である。KBD値及びKPOR値の両方が華氏1500への加熱後の値である。DNBの表示は、固着しなかった組成物に付した。DNCの表示は、固まらなかった組成物に付した。
【0051】
例えば高比率の水を比較目的で添加した本発明の超低マトリックス組成物のようないくつかの組成物において、粒子画分の分離がみられた。「全部」と表示した表の値は、試料の完全な上から下までの横断面部分についての測定値である。「底部」と表示した表の値は、振動源に近い試料部分の測定値である。表3の水のパーセンテージは質量パーセントである。
【0052】
【表3】
【0053】
図1は、従来技術による粒径分布12と本発明による粒径分布14との比較を含む。粒径分布14は、表1の組成物ULM2に対応する。この図において、乾燥組成物中の粒子の質量パーセントを、粒径(対数目盛りにマイクロメートルで表される)の関数としてプロットした。
【0054】
基準のSR 92 CFは、従来技術にしたがって鋳造体を成形するために用いられ得る微粒材料であり、微粒の活性化されたアルミナバインダーを含む。メッシュで表したその粒径分布、及びその化学組成を、本発明による粒径のギャップを示す微粒子材料の化学組成と、表4及び5において比較する。
【表4】
【表5】
【0055】
図2は、本発明による粒径分布を表し、6つの画分が、最終画分に達するまで33%及び48%を繰り返す交互の残存質量パーセントの構成を有する。最後の画分に達するまで粒径の減少を伴って画分の質量パーセントが減少するが、6つの最大の画分は、繰り返しの残存質量パーセントの構成を示す。第1の画分21は、33wt%の粒子を含み、67wt%の粒子が残存する。第2の画分22は、(67×0.48)または32.2wt%の粒子を含む。最初の2つの画分はこのように65.2wt%を含み、34.8wt%が残存する。第3の画分23は、(34.8×0.33)または11.5wt%の粒子を含む。最初の3つの画分はこのように76.7wt%を含み、23.3wt%が残存する。第4の画分24は、(23.3×0.48)または11.2wt%の粒子を含む。最初の4つの画分はこのように87.9wt%を含み、12.1wt%が残存する。第5の画分25は、(12.1×0.33)または4.0wt%の粒子を含む。最初の5つの画分はこのように91.9wt%を含み、8.1wt%が残存する。第6の画分26は、(8.1×0.48)または3.9wt%を含む。最初の6つの画分はこのように95.8wt%を含み、4.2wt%が残存する。第7の画分27は、残存した画分だけであり、そのため第7の画分27は、4.2wt%の粒子、または100wt%の残存した粒子を含む。
【0056】
図3は、本発明の組成物、ULM3についての粒径分布を表す。この図において、乾燥組成物中の粒子についての体積パーセントを、対数目盛にマイクロメートルで表した粒径の関数としてプロットした。第1の画分31、第2の画分32、第3の画分33、第4の画分34、第5の画分35、及び第6の画分36が示される。第1の画分31は、48%の残存体積パーセントを有した。第2の画分32についての残存体積パーセントは32%であり、第3の画分33については42%、第4の画分34については48%、第5の画分35については44%であった。残存体積パーセントは、指定範囲内の直径及びそれよりも小さい直径の全範囲の粒子の体積の合計に対する前記指定範囲内の粒子の体積の割合である。第6の画分36は、最小の粒子を含み、100%の残存体積パーセントを有する。
【0057】
図4は、本発明の組成物、ULM3Bについての粒径分布を表す。この図において、乾燥組成物中の粒子についての体積パーセントを、対数目盛にマイクロメートルで表した粒径の関数としてプロットした。第1の画分41、第2の画分42、第3の画分43、第4の画分44、第5の画分45、及び第6の画分46が示される。第1の画分41は、48%の残存体積パーセントを有した。第2の画分42についての残存体積パーセントは30%であり、第3の画分43については41%、第4の画分44については41%、及び第5の画分45については49%であった。残存体積パーセントは、指定範囲内の直径及びそれよりも小さい直径の全範囲の粒子の体積の合計に対する前記指定範囲内の粒子の体積の割合である。第6の画分46は、最小の粒子を含み、100%の残存体積パーセントを有する。
【0058】
図5は、従来技術の組成物、PA1のマイクロメートル単位の粒径に対する粒子画分の質量パーセントのプロットを含む。プロットは、第1の画分51、第2の画分52、及び第3の画分53を示す。第3の画分53は、100マイクロメートル以下の直径を有する組成物中の全ての材料を含み、単一ピークを示す。第1の画分51は45%の残存質量を含み、第2の画分52は46%の残存質量を含み、第3の画分53は100%の残存質量を含む。
【0059】
図6は、従来技術の組成物、PA2のマイクロメートル単位の粒径に対する粒子画分の質量パーセントのプロットを含む。プロットは、第1の画分61、第2の画分62、第3の画分63、及び第4の画分64を示す。第4の画分64は、100マイクロメートル以下の直径を有する組成物中の全ての材料を含み、単一ピークを示す。第1の画分61は40%の残存質量を含み、第2の画分62は33%の残存質量を含み、第3の画分63は38%の残存質量を含み、第4の画分64は100%の残存質量を含む。
【0060】
図7は、本発明の組成物、ULM1のマイクロメートル単位の粒径に対する粒子画分の質量パーセントのプロットを含む。プロットは、第1の画分71、第2の画分72、第3の画分73、第4の画分74、第5の画分75、及び第6の画分76を含む。画分71、72,及び73は、PA2の画分と同じ質量パーセントを含む。しかしながら、PA2粒子分布の1000マイクロメートル未満の部分は単一ピークを示すのに対し、ULM1の1000マイクロメートル未満の部分は3つの画分、すなわち画分74、75,及び76を示した。
【0061】
本発明は、以下の内容を包含する。
【0062】
1. 2.8%以下の含水量で鋳造したときに、華氏230度に曝露した後に、未焼結状態において、15体積%以下の空孔率を有する鋳造成形物を成形するキャスタブル組成物。
2. 2.8%以下の含水量で鋳造したときに、華氏230度に曝露した後に、未焼結状態において、1000ポンド/平方インチ(6,895kPa)以上の破壊係数を有する鋳造成形物を成形するキャスタブル組成物。
3. 2.8%以下の含水量で鋳造したときに、華氏230度に曝露した後に、未焼結状態において、3000ポンド/平方インチ(2,0684kPa)以上の冷間圧縮強さを有する鋳造成形物を成形するキャスタブル組成物。
4. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、10体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
5. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、9体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
6. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、8体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
7. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、7体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
8. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、6体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
9. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、5体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
10. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、4体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
11. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、3体積%以下の空孔率を有する、1に記載のキャスタブル組成物。
12. 該空孔率が華氏1500度に曝露した後に得られる、1、4、5、6、7、8、9、10、及び11のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
13. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、2000ポンド/平方インチ(13,790kPa)以上の破壊係数を有する、2に記載のキャスタブル組成物。
14. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、3000ポンド/平方インチ(20,684kPa)以上の破壊係数を有する、2に記載のキャスタブル組成物。
15. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、4000ポンド/平方インチ(27,579kPa)以上の破壊係数を有する、2に記載のキャスタブル組成物。
16. 該破壊係数値が華氏1500度に曝露した後に得られる、2、13、14、及び15のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
17. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、5000ポンド/平方インチ(34MPa)以上の冷間圧縮強さを有する、3に記載のキャスタブル組成物。
18. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、8000ポンド/平方インチ(55MPa)以上の冷間圧縮強さを有する、3に記載のキャスタブル組成物。
19. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、10000ポンド/平方インチ(69MPa)以上の冷間圧縮強さを有する、3に記載のキャスタブル組成物。
20. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、12000ポンド/平方インチ(83MPa)以上の冷間圧縮強さを有する、3に記載のキャスタブル組成物。
21. 該冷間圧縮強さが華氏1500度に曝露した後に得られる、3、17、18、19、及び20のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
22. 乾燥組成物の少なくとも50質量%を含む最も粗い耐火性粗粒画分を特徴とする、1〜21のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物であって、少なくとも2の平方根の、最大粒径に対する最小粒径の比率を有するギャップによって、該最も粗い耐火性粗粒画分がより小さい粒子画分から分離された、キャスタブル組成物。
23. 該組成物が少なくとも4つの粒子画分を含み、そのうちの3つの隣接した粒子画分が、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって分離され、該3つの隣接した粒子画分が、各々のすぐ接している大きい側の粒径画分に対して、粒径が減少する順番で、値がより小さい、より大きい、及びより小さい残存質量パーセントを有する、1〜21のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
24. 該組成物が少なくとも4つの粒子画分を含み、そのうちの3つの隣接した粒子画分が、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって分離され、該3つの隣接した粒子画分が、各々のすぐ接している大きい側の粒径画分に対して、粒径が減少する順番で、値がより大きい、より小さい、及びより大きい残存質量パーセントを有する、1〜21のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
25. 該組成物が、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって分離された少なくとも2つの粒子画分を含み、該少なくとも2つの粒子画分は、全てが100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなる、1〜21のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
26. 該組成物が、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって分離された少なくとも3つの粒子画分を含み、該少なくとも3つの粒子画分は、全てが100マイクロメートル未満の直径を有する粒子からなる、1〜21のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
27. 該組成物が、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって分離された少なくとも4つの粒子画分を含み、残存質量パーセントが、該少なくとも4つの粒子画分のそれぞれにおいて少なくとも40%である、1〜21のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
28. 該組成物が、少なくとも2の平方根の粒径比を有するギャップによって分離された少なくとも5つの粒子画分を含む、1〜21のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
29. 該ギャップの少なくとも2つがそれぞれ、乾燥組成物の質量の10質量%未満を含む、23〜28のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
30. 該ギャップの少なくとも2つがそれぞれ、乾燥組成物の質量の5質量%未満を含む、23〜28のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
31. 該鋳造成形物が、理論密度の少なくとも80.7%である密度を有する、1〜30のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
32. 該鋳造成形物が、理論密度の少なくとも83.6%である密度を有する、1〜31のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
33. 少なくとも95質量%のアルミナを含む、1〜32のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
34. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、少なくとも190ポンド/立方フィート(3,044kg/mのかさ密度を有する、33に記載のキャスタブル組成物。
35. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、少なくとも195ポンド/立方フィート(3,124kg/mのかさ密度を有する、33に記載のキャスタブル組成物。
36. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、少なくとも200ポンド/立方フィート(3,204kg/mのかさ密度を有する、33に記載のキャスタブル組成物。
37. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、少なくとも202ポンド/立方フィート(3,236kg/mのかさ密度を有する、33に記載のキャスタブル組成物。
38. 該鋳造成形物が、華氏230度に曝露した後に、少なくとも207ポンド/立方フィート(3,316kg/mのかさ密度を有する、33に記載のキャスタブル組成物。
39. 該かさ密度が華氏1500度に曝露した後に測定される、34〜36のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物。
40. 1〜39のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物から成形された鋳造成形物。
41.鋳造成形物を成形する方法であって、
(a)該成形物の大きさ及び形状に対応したキャビティを有するモールドを準備すること、
(b)該キャビティに1〜39のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物を充填すること、
(c)所望により本発明の該キャスタブル組成物に締固め及び/または振動を施すこと、
(d)該キャスタブル組成物を硬化して該鋳造成形物を成形すること、並びに
(e)該鋳造成形物から該モールドを分離すること、
を含む、方法。
42. 鋳造成形物を成形する方法であって、
(a)該成形物の大きさ及び形状に対応したキャビティを有するモールドを準備すること、
(b)該キャビティに1〜39のいずれか1つに記載のキャスタブル組成物を充填すること、
(c)本発明の該キャスタブル組成物を圧縮工程に送ること、
(d)該キャスタブル組成物を硬化して該鋳造成形物を成形すること、並びに
(e)該鋳造成形物から該モールドを分離すること、
を含む、方法。
【0063】
本発明の最良形態と考えられるものを上記に記載した。ただし、本発明の趣旨から離れることなく、記載した様式の多くのバリエーションを本発明に行うことができることが当業者に明らかである。本発明の趣旨は、特許請求の範囲に示した用語の幅広い一般的な意味によって規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7