(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775144
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】重機用のエネルギー管理システム
(51)【国際特許分類】
E02F 9/20 20060101AFI20150820BHJP
B60K 6/08 20060101ALI20150820BHJP
F15B 11/00 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
E02F9/20 Z
B60K6/08
F15B11/00 F
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-501231(P2013-501231)
(86)(22)【出願日】2010年9月29日
(65)【公表番号】特表2013-525627(P2013-525627A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2010050642
(87)【国際公開番号】WO2011119183
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2013年7月17日
(31)【優先権主張番号】12/730,027
(32)【優先日】2010年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512244897
【氏名又は名称】キャタピラー グローバル マイニング リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ウェーバー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ヘルフリック
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ルバース
【審査官】
富山 博喜
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−336805(JP,A)
【文献】
特開2009−263887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
B60K 6/08
F15B 11/00
F15B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー管理システムを有する装置であって、油圧アクチュエータを有し、油圧アクチュエータによって動作する関節式アームと、関節式アームに連結された作業用具と、第1の構成と第2の構成との間で調整可能なエネルギー管理システムと、を含み、
前記エネルギー管理システムは、油圧式回転機械と、油圧式回転機械に連結された電気式回転機械と、を含み、
第1の構成において、油圧式回転機械および電気式回転機械は、油圧ポンプを駆動する電気モータとして機能し、
第2の構成において、油圧式回転機械および電気式回転機械は、発電機を駆動する油圧モータとして機能し、
前記エネルギー管理システムが前記第1の構成にある場合に、油圧流体を供給して前記油圧アクチュエータを駆動するように構成された油圧回路をさらに含み、前記エネルギー管理システムが前記第2の構成にある場合に、前記油圧回路は、前記油圧アクチュエータから油圧流体を回収し、電力を生成し、
前記油圧回路は、前記エネルギー管理システムが前記第1の構成にある場合に、油圧流体を油圧式回転機械から前記油圧アクチュエータに送り、前記エネルギー管理システムが前記第2の構成にある場合に、油圧流体を油圧アクチュエータから油圧式回転機械に送るように構成されたカートリッジ弁システムを含み、
関節式アームおよび作業用具に蓄えられたポテンシャルエネルギーの量を推定するように構成された制御回路をさらに含み、制御回路は、推定値がしきい値を超え、作業用具が下降しつつある場合に、カートリッジ弁システムを通じて油圧流体の方向を変えるように構成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
油圧アクチュエータに連結された位置測定装置をさらに含み、制御回路は、位置測定装置からのデータを使用して、ポテンシャルエネルギーの量を推定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
位置測定装置には、直線位置測定装置が含まれる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
関節式アームの接合部に連結された角度位置測定装置をさらに含み、制御回路は、角度位置測定装置からのデータを使用して、ポテンシャルエネルギーの量を推定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
角度位置測定装置は、エンコーダ、またはリゾルバの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
エネルギー管理システムを有する装置であって、
1つまたは複数の油圧アクチュエータによって駆動される関節式アームと、
関節式アームに連結されたセンサシステムと、
センサシステムに連結されたコントローラであって、センサシステムからのデータが、装置に蓄えられたポテンシャルエネルギーの推定値を導出するために使用される、コントローラと、双方向弁と、を含み、前記コントローラは、推定値がしきい値を超え、関節式アームが下降しつつある場合に、弁を通じて油圧流体の方向を変えるように構成され、
装置は、油圧式回転機械に連結された電気式回転機械をさらに含み、電気式回転機械および油圧式回転機械は、双方向弁によって付与される油圧流体の方向に応じて、油圧流体にエネルギーを付加し、油圧流体からエネルギーを取り出して電気を生成するように構成され、
前記エネルギー管理システムにおいて、油圧式回転機械および電気式回転機械は、油圧ポンプを駆動する電気モータとして機能する第1の構成の場合に、油圧流体を供給して前記油圧アクチュエータを駆動するように構成された油圧回路をさらに含み、
前記エネルギー管理システムにおいて、油圧式回転機械および電気式回転機械は、発電機を駆動する油圧モータとして機能する第2の構成の場合に、前記油圧回路は、前記油圧アクチュエータから油圧流体を回収し、電力を生成し、
前記油圧回路は、前記エネルギー管理システムが前記第1の構成にある場合に、油圧流体を油圧式回転機械から前記油圧アクチュエータに送り、前記エネルギー管理システムが前記第2の構成にある場合に、油圧流体を油圧アクチュエータから油圧式回転機械に送るように構成されたカートリッジ弁システムを含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
センサシステムは、関節式アームを動作させるのに使用される油圧アクチュエータの構成を検出するように構成された直線位置測定装置を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
センサシステムは、関節式アームの接合部の構成を検出するように構成された角度位置測定装置を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
角度位置測定装置は、エンコーダ、またはリゾルバの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
双方向弁はカートリッジ弁システムである、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
エネルギー管理システムを有する装置であって、
1つまたは複数の油圧アクチュエータによって駆動される関節式アームと、
関節式アームの位置を検出するように構成されたセンサシステムと、
センサシステムに連結されたコントローラと、
双方向弁システムと、
を含み、コントローラは、センサシステムが第1の位置にある関節式アームを検出した場合に、弁システムを通じて油圧流体の流れの方向を反転させるように構成され、
装置は、油圧式回転機械をさらに含み、油圧式回転機械が第1の方向に回転することで、油圧流体にエネルギーが付加され、油圧式回転機械が第2の方向に回転することで、油圧流体からエネルギーが取り出され、双方向弁システムは、油圧式回転機械に出入りする油圧流体の流れを制御するように構成され、
前記エネルギー管理システムにおいて、油圧式回転機械および電気式回転機械は、油圧ポンプを駆動する電気モータとして機能する第1の構成の場合に、油圧流体を供給して前記油圧アクチュエータを駆動するように構成された油圧回路をさらに含み、
前記エネルギー管理システムにおいて、油圧式回転機械および電気式回転機械は、発電機を駆動する油圧モータとして機能する第2の構成の場合に、前記油圧回路は、前記油圧アクチュエータから油圧流体を回収し、電力を生成し、
前記油圧回路は、前記エネルギー管理システムが前記第1の構成にある場合に、油圧流体を油圧式回転機械から前記油圧アクチュエータに送り、前記エネルギー管理システムが前記第2の構成にある場合に、油圧流体を油圧アクチュエータから油圧式回転機械に送るように構成されたカートリッジ弁システムを含むことを特徴とする装置。
【請求項12】
油圧式回転機械に連結され、油圧式回転機械を駆動するように構成された電気式回転機械をさらに含み、電気式回転機械によって油圧式回転機械を回転させることで電気が消費され、油圧式回転機械によって電気式回転機械を回転させることで電気が生成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
発電機および燃焼機関をさらに含み、燃焼機関は発電機を駆動するように構成され、発電機は電気式回転機械に電気を供給するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
電気エネルギー貯蔵装置をさらに含み、電気エネルギー貯蔵装置は、電気式回転機械によって生成された電気エネルギーを貯蔵するように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
電気エネルギー貯蔵装置は、コンデンサおよびバッテリの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
電気式回転機械に連結されたトルクフィードバックシステムをさらに含む、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
トルクフィードバックシステムからのデータ、およびセンサシステムからのデータは、関節式アームに蓄えられたポテンシャルエネルギーの推定値を導出するためにコントローラによって使用され、推定値は、双方向弁システムを反転させるかどうかを判断する場合にコントローラによって使用される、請求項16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本願は、明細書、図面、特許請求の範囲、および要約を含み、参照によりその全体を本明細書に援用する、2010年3月23日に出願された、優先権出願の米国特許出願第12/730,027号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、概して、建設および掘削機械などの重機の分野に関する。より具体的には、本開示は、通常、重機の要素と併用される油圧システムなどの油圧システムで使用するエネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
バックホー、パワーショベル、および他の重機は、建設、掘削、および採鉱に使用される。重機の幾つかは、様々な作業を行うために、ショベル、バケット、またはオーガなどの作業用具を作動させる。そのような重機は、繰り返しパターンの作業動作で作業用具を動作させるのに油圧システムを利用することがある。例えば、採鉱ショベルは、1回につき約30秒〜60秒の繰り返しサイクルパターンでバケットを昇降させて、1日当たり24時間稼働することがある。掘削リグなどの重機の他の部分も、繰り返しサイクルでドリルまたはブームを昇降させるが、より遅い速度で動作する。作業用具を制御可能に昇降させるにはエネルギーが必要である(例えば、持ち上げ作業、制動摩擦など)。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態は、エネルギー管理システムを有する装置に関する。装置は、関節式アーム、作業用具、およびエネルギー管理システムを含む。関節式アームは、関節式アームを動作させるように設計された油圧アクチュエータを含み、作業用具は、関節式アームに固定される。エネルギー管理システムは、第1の構成と第2の構成との間で調整可能であり、油圧式回転機械と、油圧式回転機械に連結された電気式回転機械とを含む。エネルギー管理システムが第1の構成にある場合、油圧式回転機械および電気式回転機械は、油圧ポンプを駆動する電気モータとして機能する。エネルギー管理システムが第2の構成にある場合、油圧式回転機械および電気式回転機械は、発電機を駆動する油圧モータとして機能する。
【0005】
別の実施形態は、エネルギー管理システムを有する装置に関する。装置は、関節式アーム、バケット、センサシステム、コントローラ、双方向弁、および油圧式回転機械に連結された電気式回転機械を含む。関節式アームは、1つまたは複数の油圧アクチュエータによって駆動され、バケットはアームに固定され、油圧アクチュエータの操作によって動作可能である。第1のセンサシステムは、関節式アームに連結される。コントローラは、第1のセンサシステムに接続され、第1のセンサシステムからのデータは、関節式アームおよびバケットに蓄えられたポテンシャルエネルギーの推定値を導出するのに使用される。コントローラは、ポテンシャルエネルギーの推定値がしきい値を超え、バケットが下降しつつある場合に、双方向弁を通じて油圧流体の方向を変えるように設計される。電気式回転機械および油圧式回転機械は、双方向弁によって付与される油圧流体の方向に応じて、油圧流体にエネルギーを付加し、油圧流体からエネルギーを取り出して電気を生成するように設計される。
【0006】
さらに別の実施形態は、エネルギー管理システムを有する装置に関する。装置は、関節式アーム、センサ、コントローラ、および双方向弁システムを含む。関節式アームは、1つまたは複数の油圧アクチュエータによって駆動され、バケット、破砕機、グラップル、またはオーガのうちの少なくとも1つを動作させるように設計される。センサシステムは、関節式アームの位置を検出するように設計され、コントローラは、センサシステムに連結される。コントローラは、関節式アームが第1の位置にあることをセンサシステムが検出した場合に、双方向弁システムを通じて油圧流体の方向を反転させるように設計される。
【0007】
代替の例示的な実施形態は、通常特許請求の範囲に列挙される他の特徴および特徴の組み合わせに関する。
【0008】
添付の図と併用した場合に、以下の詳細な説明から本開示がより完全に理解されるであろう。添付の図において、同じ参照数字は同じ要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な実施形態による装置の側面図である。
【
図2】例示的な実施形態によるエネルギー管理システムの概略図である。
【
図3】別の例示的な実施形態による、第1の構成で動作するエネルギー管理システムの概略図である。
【
図4】第2の構成で動作する
図3のエネルギー管理システムの概略図である。
【
図5】例示的な実施形態によるエネルギー管理システムの制御の流れ図である。
【
図6】例示的な実施形態による装置の側面図である。
【
図7】別の例示的な実施形態による装置の側面図である。
【
図8】さらに別の例示的な実施形態による装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施形態を詳細に示す図を参照する前に、本願が、明細書に記載した、または図に示した細部または手順に限定されないのは当然のことである。用語は説明のみを目的とし、限定するものとみなすべきではないことも当然のことである。
【0011】
図1を参照して、動力装置は、作業用具を駆動するために油圧システムを使用することができる。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、油圧アクチュエータ114、116、118を使用して、パワーショベル110の関節式アーム112のセグメント120、122を駆動することができる。非限定的な例として、パワーショベル110は、2つのアームセグメント120、122(例えば、アーム、部分品(portion)、リンク機構など)およびバケット124(例えば、ショベル)を有することができる。そのような装置では、第1のセグメント120は、第1の接合部128(例えば、ピン、ピボットなど)でパワーショベル110の本体126(例えば、フレーム、ハウジングなど)に連結される。第2の中間セグメント122は、第2の接合部130で第1のセグメント120に連結されている。また、バケット124は、第3の接合部132で第2のセグメント122に連結されている。
【0012】
第1の油圧アクチュエータ114は、本体126と第1のセグメント120との間で第1の接合部128をまたいでいる。第2の油圧アクチュエータ116は、第1のセグメント120と第2のセグメント122との間で第2の接合部130をまたいでいる。また、第3の油圧アクチュエータ118は、第1のセグメント120または第2のセグメント122のいずれかとバケット124との間で第3の接合部132をまたいでいる。一部の実施形態では、油圧アクチュエータ114、116、118は、ロッド(例えば、ピストン)およびバレル(例えば、シリンダ)装置を含み、ロッドおよびバレル装置では、加圧された油圧流体が、バレルに対してロッドを押すか、または引いて、油圧アクチュエータ114、116、118の軸方向長さを変える。
【0013】
一部の実施形態では、第1の接合部128、第2の接合部130、および第3の接合部132は、セグメント120、122が鉛直平面内でのみ回転できるように拘束される。そのような実施形態では、パワーショベル110の本体126は、本体126と駆動系136(例えば、トランスミッションに連結され、ホイールに連結されたドライブシャフト、無限軌道、ポンツーンなど)との間などの本体126の下に配置された接合部134のまわりを水平方向に回転するようにさらに構成することができる。本体126の水平方向の回転により、関節式アーム112およびバケット124も回転する。
【0014】
各油圧アクチュエータ114、116、118は、長さが制御可能に伸縮するように構成されている。第1の油圧アクチュエータ114の動作により、第1のセグメント120が第1の接合部128を中心として移動する。第1のセグメント120の移動により、次に第2のセグメント122およびバケット124が第1の接合部128を中心として移動する。したがって、第1の油圧アクチュエータ114の長さを伸長させることで、第1のセグメント120が、第1の接合部128を中心として鉛直方向上方に回転し、第2のセグメント122およびバケット124が持ち上がる。同様の態様で、第2の油圧アクチュエータ116および第3の油圧アクチュエータ118を駆動して、第2のセグメント122およびバケット124を制御可能に動作させることができる。
【0015】
関節式アーム112のセグメント120、122およびバケット124が持ち上がると、ポテンシャルエネルギーが得られる。単純化した例によれば、そのようなポテンシャルエネルギーは、関節式アーム112およびバケット124(およびそれらに保持される任意の物質)の質量中心の高さと、それらの質量と、重力加速度との積にほぼ正比例することができる。より正確な計算では、摩擦エネルギー損失、熱、音響損失、電気抵抗、および他のその種の損失も要因として計算に入れる。関節式アーム112およびバケット124が下降するときに、ポテンシャルエネルギーを浪費するか、またはセグメント120、122およびバケット124の動作にかかわる運動エネルギーに変換することができる。一部の例では、余分な運動エネルギーを制御して、セグメント120、122およびブラケット124の動作を遅くするか、または止める。例示的な実施形態によれば、余分な運動エネルギーの一部または全部を、回生プロセスを有するエネルギー管理システムによって、電気に変換することができる。
【0016】
例示的な実施形態によれば、パワーショベル110は、関節式アーム112およびバケット124の動作を検出する、かつ/または定量化するように構成されたセンサ138、140、142を含む。一部の実施形態では、センサ138、140、142は、関節式アーム112およびバケット124の位置を直接測定するように構成されている。一部のそのような実施形態では、センサ138、140、142は、関節式アーム112の接合部128、130、132に連結され、第1のセグメント120と第2のセグメント122との間の角度A1などの、接合部128、130、132に連結されたセグメント120、122間の角度を測定する。一部の実施形態では、センサ138、140、142は、エンコーダ、リゾルバ、ポテンショメータなどの角度位置測定装置を含む。次いで、関節式アーム112およびバケット124の位置を制御回路144(例えば、プロセッサ)で計算することができ、次いで、その位置情報を使用して、関節式アーム112およびバケット124に蓄えられたポテンシャルエネルギーを推定することができる。他の実施形態では、線形電圧差動トランスデューサ(LVDT)または他のセンサを使用して、アクチュエータの長さを測定する。さらに別の実施形態では、関節式アームに直接的にか、または間接的にかのいずれかで連結された、様々なタイプの市販センサが使用される。
【0017】
他の実施形態では、センサ138、140、142は、関節式アーム112およびバケット124の位置に概ね関連するパラメータ、または他の関連パラメータを測定する。パラメータの測定値に基づいて、関節式アーム112およびバケット124の位置および/または質量を推定することができ、次いで、この位置および/または質量を使用して、ポテンシャルエネルギーを推定することもできる。一部のそのような実施形態では、関節式アーム112のセグメント120、122に連結された歪みゲージにより、重量と、地面に対するセグメント120、122の向きに関する情報とが得られる。例えば、第1の向きは、大きくなった軸方向応力と相関することができ、一方、第2の向きでは、歪みゲージによって検出される剪断応力が大きくなり得る。他の実施形態では、センサのさらに精巧なシステムを使用することができる(例えば、レーザ測距器、セグメントに連結された固体ジャイロスコープなど)。本明細書での本開示には、広範なセンサが含まれるが、センサのそのような精巧なシステムは、コストを上げ、複雑さが増すためにあまり好ましくない。一部の実施形態では、作業用具に接続された油圧分岐回路(例えば、
図3に示す分岐回路348、350)の油圧流体の圧力を検出する補助センサ(例えば、圧力センサ、ロードセルなど)により、作業用具(例えば、負荷を保持するショベル)の重量の推定値が得られる。他の実施形態では、電気式または油圧式回転機械に作用するトルクフィードバックを使用して、システムの負荷を測定する。
【0018】
引き続き
図1を参照して、パワーショベル110は、エネルギー管理システム148の構成要素を支持するように構成されたハウジングおよびフレーム146をさらに含む。例示的な実施形態によれば、エネルギー管理システム148は、原動機150(例えば、内燃機関、ディーゼルエンジンなど)、発電機152(例えば、交流発電機、可逆電気モータ(reversible electric motor)など)、油圧ポンプ156を駆動する電気モータ154、および油圧制御システム158を含む。原動機150は発電機152を駆動し、発電機152は、電気を生成して電気モータ154を駆動する。次に、電気モータ154は油圧ポンプ156を駆動し、油圧ポンプ156は、油圧制御システム158によって、関節式アーム112およびバケット124の油圧アクチュエータ114、116、118に制御可能に供給される油圧流体を駆動する。一部の実施形態では、油圧流体を使用して、本体126と、駆動系136または他の構成要素との間の、水平方向に回転する接合部を駆動することもできる。一部の実施形態では、複数の原動機、発電機、電気モータ、油圧ポンプ、および制御システムを組み合わせて、または単独で使用することができる。
【0019】
図2を参照すると、重機用のエネルギー管理システム210は、電気エネルギーシステム212および油圧エネルギーシステム214を含み、システム212、214は動作可能に連結されている。電気エネルギーシステム212は、エネルギー源216、電気式回転機械(ERM)218、および電気貯蔵装置220を含む。油圧エネルギーシステム214は、油圧式回転機械(HRM)222、油圧貯蔵装置224、双方向弁226、アクチュエータ弁228、およびアクチュエータ234を含む。一部の実施形態では、センサシステム232は、制御回路、および1つまたは複数のセンサを含み、エネルギー管理システム210の様々な構成要素に連結されている。
【0020】
電気エネルギーシステム212は、
図1に関連して説明したように、原動機および交流発電機を含むことができるエネルギー源216を含む。他の実施形態では、エネルギー源216には、バッテリ、コンデンサ、燃料電池、配電網への接続器、蒸気、またはエネルギー源の組み合わせが含まれる。一部の実施形態では、電気貯蔵装置220には、バッテリ(例えば、リチウムイオン電池アレイ)、コンデンサ(例えば、二重層コンデンサ、スーパコンデンサ、超コンデンサなど)、フライホイール、ねじりばねなどが含まれる。電気式回転機械218には、(例えば、ロータおよびステータを備える)電気モータ、交流発電機、および/または電気を機械運動に変換することも、機械運動を電気に変換することも可能な電気機械(例えば、可逆電気モータ/発電機、または双方向電気式回転機械)が含まれる。
【0021】
電気エネルギーシステム212の構成要素間の電気の流れは、制御回路、センサ、および電気バスによって管理することができる。一部の実施形態では、電気バスは、ACバス、DCバス、またはそれらの組み合わせ(例えば、整流器を含む)である。エネルギー管理システム210が追加のエネルギーを必要とする場合、センサシステム232は、エネルギー源216から電力を引き出し、さらに、電気貯蔵装置220から電力を引き出し、電気式回転機械218に電力を供給するようにシステムに指令することができる。超過電力がバス230に供給されると、超過電力は、電気貯蔵装置220に送るか、または接地することができる。
【0022】
油圧エネルギーシステム214は油圧式回転機械222を含み、油圧式回転機械222は、油圧流体用のポンプを含むことができる。一部の実施形態では、ポンプは、軸方向カムまたは三重ピストンポンプなどの容積移送式ポンプである。ポンプ(例えば、第1または順方向の構成の油圧式回転機械222)は、一部の実施形態では、電気式回転機械218によって駆動される。他の実施形態では、ポンプは別の原動機によって駆動される。油圧式回転機械222はまた、油圧モータを含む(または、油圧式回転機械222が第2のもしくは逆転した構成にある場合に油圧モータとして機能する)ことができ、油圧モータは、油圧エネルギーをシャフトの機械回転に変換する。油圧モータは、電気エネルギーシステム212の交流発電機などの交流発電機に連結することができる。一部の実施形態では、油圧式回転機械222は、油圧ポンプとしても、油圧モータとしても機能する(例えば、双方向油圧式回転機械)ように構成されている。
【0023】
引き続き
図2の油圧エネルギーシステム214を参照して、油圧貯蔵装置224(例えば、アキュムレータタンク)は、蓄積した油圧流体を貯蔵するように構成されている。一部の実施形態では、油圧貯蔵装置224は、圧力下で油圧流体を貯蔵するように設計されるので、加圧した油圧流体のポテンシャルエネルギーが制御可能に蓄えられる。油圧エネルギーシステム214は、双方向弁226およびアクチュエータ弁228をさらに含む。双方向弁226(例えば、制御弁、リバーシブル弁)は、油圧式回転機械222に出入りする、または複数の油圧式回転機械の群に出入りする油圧流体の流れを制御するように構成されている。アクチュエータ弁228は、
図1に示す油圧アクチュエータ114、116、118の1つなどのアクチュエータ234に出入りする油圧流体の流れを制御するように構成されている。一部の実施形態では、弁226、228は分かれており、センサシステム232の制御回路によって独立して制御可能である。他の実施形態では、弁226、228は単一の弁または弁システムを形成する。
【0024】
図2に示すように、エネルギー管理システム210の電気エネルギーシステム212および油圧エネルギーシステム214は、電気式回転機械218と油圧式回転機械222との間などで連結されている。したがって、エネルギー管理システム210は、エネルギーを電気エネルギーシステム212から油圧エネルギーシステム214に制御可能に送り、さらには、エネルギーを油圧エネルギーシステム214から電気エネルギーシステム212に制御可能に送るように設計されている。前者の方向のエネルギーの流れは、電気モータから油圧ポンプに移動することができる。後者の方向のエネルギーの流れは、油圧モータから発電機に移動することができる。一部の実施形態では、エネルギー管理システム210のエネルギーは、電気貯蔵装置220、または(例えば、加圧した油圧流体として)油圧貯蔵装置224に貯蔵することができる。特定の実施形態では、電気貯蔵装置220にエネルギーを貯蔵するのが好ましい。
【0025】
ここで、別の例示的な実施形態による
図3〜4を参照すると、エネルギー管理システム310は、重機で使用されるように構成されている。システム310は、発電機314に連結された原動機312を含む。一部の実施形態では、原動機312は内燃機関である。発電機314からの電気は、2つの電気式回転機械(ERM)322、324用のコントローラ318、320(例えば、モータ駆動コントローラ)と、電気エネルギー貯蔵装置328用のコントローラ326(例えば、充電状態コントローラ)とに連結されたバス316に入る。他の実施形態では、別の数量の電気式回転機械およびエネルギー貯蔵装置をバス316に連結することができる(例えば、
図2に示す電気式回転機械218を参照のこと)。さらに、各コントローラ318、320、326は、同様にバス316に連結された主コントローラ330(例えば、プロセッサ、コンピュータ、回路など)によって制御することができる。主コントローラ330は、人間のオペレータまたは自動操作装置から命令を受け取ることができる動作コマンド入力装置332または他のインターフェイスに接続することができる。
【0026】
エネルギー管理システム310は、第1の回転機械対334および第2の回転機械対336をさらに含み、いずれの対334、336も、電気式回転機械322、324および油圧式回転機械338、340を含む。他の実施形態に関連して説明したように、電気式回転機械322、324は、エネルギーの第1の流れがシステム310を通過時に、油圧式回転機械338、340を駆動するように構成され、油圧式回転機械338、340は、エネルギーの第2の流れがシステム310を通過時に、電気式回転機械322、324を駆動するように構成されている。エネルギーの第1の流れの場合(
図3を参照のこと)、電気式回転機械322、324は、油圧ポンプとして機能する油圧式回転機械338、340を駆動する電気モータとして機能する。エネルギーの第2の流れの場合(
図4を参照のこと)、油圧式回転機械338、340は油圧モータとして機能し、油圧式回転機械338、340は、発電機として機能する電気式回転機械322、324を駆動する。他の実施形態では、他の数量の回転機械対を使用する(例えば、少なくとも2つ、少なくとも4つ、1つなど)。さらに他の実施形態では、単一の電気式回転機械が、(例えば、ギヤ装置を介して)2つ以上の油圧式回転機械に連結されるか、または単一の油圧式回転機械が、2つ以上の電気式回転機械に連結される。
【0027】
各油圧式回転機械338、340は、油圧タンク344および双方向制御弁346をさらに含む油圧回路342(例えば、油圧システム、配管、バスなど)に連結されている。一部の実施形態では、双方向制御弁346は、共通のマニホルドを共有する複数の個別弁(例えば、カートリッジ弁、スプール弁など)を含み、各個別弁は、特定の油圧分岐回路348、350(例えば、分岐、サブシステムなど)に連結されている。各分岐回路348、350は、作業用具356、358(または他の油圧駆動式構成要素)を駆動するように構成された油圧アクチュエータ360、362に連結されている。主コントローラ330は、双方向制御弁346に連結され、システム310を通る油圧流体の流れを管理するために、双方向制御弁346を動作させるように構成されている。例示的な実施形態によれば、双方向制御弁346によってもたらされる油圧流体の方向性流れにより、(同じ構成要素セットを用いて)ポテンシャルエネルギーを回収しながら、作業用具356、358を昇降させる能力が付与される。さらに、作業用具356、358のポテンシャルエネルギーは、(例えば、制動時に)熱に変換されないで、電気エネルギーに変換されて貯蔵されるので、油圧流体の温度が下がり、油圧流体を冷却する熱交換器に必要とされる動力が減り、シールなどの油圧部品の有効寿命が延びる。
【0028】
引き続き
図3〜4を参照して、エネルギー管理システム310は、説明したように、分岐回路348、350をさらに含み、各分岐回路348、350は、作業用具356、358の1つに接続されている。例示的な実施形態によれば、システム310は、単一の(すなわち、一体の)双方向システムであり、作業用具356、358のポテンシャルエネルギーは、作業用具356、358を持ち上げる動作をもたらす同じシステム構成要素を通じて回収することができ、作業用具を駆動し、エネルギーを回収するのに異なるシステムを使用するのに対して、システム310の部品点数およびコストが削減され、システム310の複雑さが軽減される。例えば、効率の悪い実施形態では、油圧ポンプを駆動するのにエンジンが使用され、エネルギーを回収するのに発電機および別の油圧モータが使用されることがある。反対に、一部の好ましい実施形態では、構成要素の重複は起こらず、作業用具の上昇時も、下降時も同じ構成要素を使用する。
【0029】
一部の実施形態では、システム310は、作業用具356、358、または関節式アームのセグメント(例えば、
図1を参照のこと)などの他の構成要素に連結された油圧アクチュエータ360、362(例えば、油圧シリンダ、テレスコープ型シリンダ、プランジャ型シリンダ、差動シリンダ、リフレイジングシリンダ(rephrasing cylinder)、位置検出型「高性能」油圧シリンダ、または他の市販アクチュエータ)を含むことができる。各アクチュエータ360、362は、油圧アクチュエータ360、362に出入りする油圧流体の流れを制御するように構成された油圧アクチュエータ制御弁352、354の一方に接続されている。一部の実施形態では、油圧アクチュエータ制御弁352、354は、双方向制御弁346に組み込まれる。他の実施形態では、システム310を通る油圧流体をさらに制御するために、双方向制御弁346および油圧アクチュエータ制御弁352、354に加えて、別の弁も使用される。油圧アクチュエータ360、362は、作業用具356、358に連結されて、エネルギー管理システム310によって引き継がれる、動作コマンド入力装置332による作業用具356、358の制御を可能にする。
【0030】
例示的な実施形態によれば、位置測定装置(PMD)364、366または他のセンサは、各油圧アクチュエータ360、362に連結され、作業用具356、358の位置または油圧アクチュエータ360、362の状態に関するデータを主コントローラ330に供給する。LVDTまたはロードセルなどの付加的な位置測定装置368、370が、必要に応じて、作業用具356、358または関連する構成要素に連結され、主コントローラ330および/またはオペレータにとって有用な補足データを供給することができる。
【0031】
例示的な実施形態によれば、主コントローラ330は、位置測定装置364、366、368、370によって供給されたデータを使用して、作業用具356、358に蓄えられたポテンシャルエネルギー量を推定する。ポテンシャルエネルギーを解放する(例えば、ショベル作業用具を下降させるなど)態様で作業用具356、358を調整するように命令が出された場合、主コントローラ330(例えば、制御回路、制御ロジック)のプロセッサは、双方向制御弁346を反転させて、油圧流体が油圧式回転機械338、340を駆動し、ひいては、電気式回転機械322、324を駆動するのを可能にして、電気を生成するかどうかを算定するように構成されている。例えば、主コントローラ330が、得られる電気が双方向制御弁346を反転させることに伴うエネルギーコストを超えると推定した場合、主コントローラ330は、双方向制御弁346を反転させることができる。次いで、作業用具356、358のポテンシャルエネルギーからもたらされた電気エネルギーは、バス316を介して電気エネルギー貯蔵装置328に送られ、後で使用することができる。
【0032】
図5を参照すると、エネルギー管理システム410を動作させる方法はいくつかのステップを含む。1つのステップ412は、作業用具または他の付属物を動作させるコマンドなどの動作コマンドを供給することを含む。動作コマンドステップ412は、最初に、人間−機械間または機械−機械間インターフェイス(例えば、遠隔装置、ジョイスティック、コンソールなど)を経て主制御回路に実施することができる。動作コマンドステップ412は、付属物(例えば、
図1に示すアームセグメント120、122)に蓄えられたポテンシャルエネルギーを増やすか、減らすか、または変えない態様で、付属物を動作させるための命令を含むことができる。別のステップ414は、付属物の位置を検出することを含む。より具体的には、ステップ414は、旋回軸(例えば、
図1に示す接合部128、130、132を参照のこと)に対する付属物の垂直方向および水平方向の位置を検出することを含む。ステップ414は、センサ(例えば、
図3〜4に示すPMD364、366を参照のこと)によって供給されるデータに基づいて位置を推定することをさらに含む。
【0033】
さらに別のステップ416は、位置の推定値に基づいて、ポテンシャルエネルギーの増加(またはそのようなものがないこと)を推定することを含む。他の実施形態では、ステップはさらに、またはそれに代えて、付属物を繰り返しパターンで動作させることで発生するエネルギーの計算に基づいて、ポテンシャルエネルギーの増加を推定することを含む。推定値から、エネルギーが回収可能であると分かった場合、さらなるステップの第1のシーケンス420を実行することができる。しかし、推定値から、エネルギーが回収できないと分かった場合、さらなるステップの第2のシーケンス418を実行することができる。他の実施形態では、推定値から、回収可能なエネルギーが所定のしきい値を超えると分かった場合、さらなるステップの第1のシーケンス420を実行する。しきい値は、双方向弁を反転させることに伴うエネルギーコスト、または他のコスト(例えば、油圧流体の運動量、摩擦など)に対応させることができる。
【0034】
推定ステップで求めた回収可能なエネルギーの推定値が正の場合、システムの制御回路はいくつかの命令を出すことができ、その結果、さらなるステップの第1のシーケンス420が実行される。1つのステップ422は、アクチュエータから油圧流体を受け取るようにエネルギー管理システムの双方向弁を動作させることを含む。別のステップ424は、双方向弁に接続された油圧式回転機械を油圧モータとして動作させることを含む。したがって、ステップ424は、油圧流体を受け取り、油圧流体のエネルギーを油圧式回転機械のシャフトの回転に変換することをさらに含む。さらに別のステップ426は、電気式回転機械を発電機として動作させることを含む。したがって、ステップ426は、油圧式回転機械から回転機械エネルギーを受け取り、その回転機械エネルギーを電気に変換することをさらに含む。さらに別のステップ428は、電気を貯蔵または使用することを含むことができる。
【0035】
推定ステップで求めた回収可能なエネルギーの推定値が負の場合、システムの制御回路はいくつかの命令を出すことができ、その結果、さらなるステップの第2のシーケンス418が実行される。1つのステップ430は、油圧流体をアクチュエータに供給するようにエネルギー管理システムの双方向弁を動作させることを含む。別のステップ432は、電気式回転機械を電気モータとして動作させることを含み、電気は、モータの回転するシャフトの形態の回転機械エネルギーに変換される。さらに別のステップ434は、油圧式回転機械を油圧ポンプとして動作させ、油圧流体の流れにエネルギーを付加する(例えば、流体を加圧する)ことを含む。さらに別のステップ436は、油圧流体を使用して作業用具を駆動することを含む。
【0036】
図6〜8を参照して、本明細書に開示したエネルギー管理システムは、一般的には、広範な油圧駆動式装置に対応する。この装置は、周期的な作業(例えば、昇降)を行うように構成された作業用具または他の構成要素を動作させるための油圧アクチュエータ(例えば、リニア油圧シリンダ)を含む。
図6を参照して、掘削機510の関節式アーム512およびバケット514の移動を利用して電力を回生するために、エネルギー管理システム516を使用することができる。関節式アーム512は、バケット514を掘削機510の本体518に向かって引き寄せ、アーム512のセグメント520およびバケット514を周期的に持ち上げる。アーム512に蓄えられたポテンシャルエネルギーを推定するためのデータを供給するために、センサ522、524を関節式アーム512に配置する、あるいは連結することができる。掘削機510に取り付けられたプロセッサ526が、ポテンシャルエネルギーがしきい値を超えると推定した場合、プロセッサ526は、エネルギーを生成するために、掘削機510の内部の双方向弁528を反転させて、油圧流体が油圧式回転機械530および電気式回転機械532を駆動することができるようにする。
図7〜8を参照して、建設機械610用のバックホー612またはローダバケット614のいずれかの移動を利用して電力を回生するために、本明細書で説明したエネルギー管理システムを使用することができる。また、本明細書で説明したエネルギー管理システムは、並列の関節式アーム714およびアクチュエータ716で動作するスキッドローダ710のショベル712と共に使用することができる。さらに様々な他の例示的実施形態によれば、本明細書で説明したエネルギー管理システムは、アクチュエータによって持ち上げられるアームを有し、端部にバスケットまたはフックの付いたクレーンと共に使用することができる。本明細書で説明したエネルギー管理システムは、掘削リグにブームでドリルを支持させて使用することができる。さらに、本明細書で説明したエネルギー管理システムは、油圧式の昇降台またはエレベータで使用することができる。
【0037】
様々な例示的な実施形態で示したエネルギー管理システムおよび装置の構造および構成は単なる例示である。少数の実施形態のみが本開示で詳細に説明されたが、本明細書で説明した対象の新規の教示および利点から実質的に逸脱することなく、多数の修正が可能である(例えば、様々な大きさ、寸法、構造、形状、および比率、パラメータ値、取付構成、材料の使用法、色、向きなど)。例えば、一部の実施形態では、装置の回転運動量を電気エネルギーに回生することができる。別の例では、空気圧アクチュエータおよびポンプを本明細書で説明した油圧アクチュエータおよびポンプに代えて使用することができる。一体に形成されるとして示した一部の要素を複数の部品または要素から構築することができ、要素の位置を逆にする、あるいは変えることができ、分離した要素の種類もしくは数量、または位置を変更する、または変えることができる。任意のプロセス、論理アルゴリズム、または方法ステップの順序または一連の並びを代替実施形態に従って変える、または並べ直すことができる。様々な例示的実施形態の設計、動作条件、および構成に関して、本出願の範囲から逸脱することなく、他のものへの置換え、修正、変更、および省略を行うこともできる。