(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775146
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】食品支持クレードルを有するマイクロ波加熱用装置
(51)【国際特許分類】
F24C 7/02 20060101AFI20150820BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20150820BHJP
A47J 36/02 20060101ALI20150820BHJP
A47J 37/01 20060101ALI20150820BHJP
A47J 37/06 20060101ALI20150820BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
F24C7/02 551L
A47J27/00 107
A47J36/02
A47J37/01
A47J37/06
F24C7/02 551N
F24C7/02 561E
B65D81/34 W
【請求項の数】25
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-502657(P2013-502657)
(86)(22)【出願日】2011年3月24日
(65)【公表番号】特表2013-525723(P2013-525723A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2011029705
(87)【国際公開番号】WO2011126751
(87)【国際公開日】20111013
【審査請求日】2012年11月1日
(31)【優先権主張番号】61/318,438
(32)【優先日】2010年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/400,395
(32)【優先日】2010年7月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】バーク,ブラッドレイ,ジェー.
【審査官】
長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−537416(JP,A)
【文献】
米国特許第05726426(US,A)
【文献】
米国特許第05009320(US,A)
【文献】
米国特許第05153402(US,A)
【文献】
特開昭63−016600(JP,A)
【文献】
特開2004−257663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
A47J 27/00
A47J 36/02
A47J 37/01
A47J 37/06
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波加熱用構造体であって、
互いに対向している第1の側壁と第2の側壁と、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間に延在している食品支持パネルであって、該食品支持パネルは、前記第1の側壁に折り曲げ可能に接合されており、該食品支持パネルは、前記第1の側壁から下方へ延在しており、該食品支持パネルは、前記第1の側壁から内方に且つ弧状に延在しており、該食品支持パネルは、前記第2の側壁に折り曲げ可能に接合されており、該食品支持パネルは、前記第2の側壁から下方へ延在しており、該食品支持パネルは、前記第2の側壁から内方に且つ弧状に延在しており、前記第1の側壁は、該第1の側壁の可動部分を画定する少なくとも1つの破断線を含み、
前記第1の側壁の前記可動部分は、前記少なくとも1つの破断線に沿って分離されて前記食品支持パネル上に位置決めされ、
前記食品支持パネル及び前記第1の側壁の前記可動部分はそれぞれマイクロ波エネルギー相互作用材料を含む、食品支持パネルと、
を備える、マイクロ波加熱用構造体。
【請求項2】
前記マイクロ波加熱用構造体は、前記第2の側壁の上縁から内方へ延在している突起を更に備え、該突起は、前記第1の側壁の前記可動部分が前記食品支持パネル上に位置決めされると前記第1の側壁の前記可動部分と係合する、請求項1に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項3】
前記突起は、前記第2の側壁の前記上縁から内方へ延在している複数の突起である、請求項2に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項4】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁に折り曲げ可能に接合されている前記食品支持パネルは、第1の破断線及び第2の破断線それぞれに沿って前記第1の側壁及び前記第2の側壁に折り曲げ可能に接合されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項5】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁から下方へ延在している前記食品支持パネルは、前記第1の破断線及び前記第2の破断線から下方へ延在している、請求項4に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項6】
前記第1の側壁及び前記第2の側壁はそれぞれ上縁と下縁とを有し、
前記第1の破断線は前記第1の側壁の前記上縁に沿って延びており、
前記第2の破断線は前記第2の側壁の前記上縁に沿って延びている、請求項4又は5に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項7】
前記食品支持パネルは、前記第1の側壁及び前記第2の側壁の各下縁よりも高い高さにある最下点を含む、請求項6に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項8】
前記第1の側壁の前記可動部分を画定する前記少なくとも1つの破断線は、前記第1の側壁の前記下縁から前記第1の破断線に延在する一対の引き裂き線を備える、請求項4乃至7のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項9】
前記一対の引き裂き線は、くの字形の形状を有する、請求項8に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項10】
前記食品支持パネルの下の空隙を更に含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項11】
前記食品支持パネルは、該食品支持パネルの長さに沿って延在している破断線を含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項12】
前記食品支持パネルは、該食品支持パネルに沿って長さ方向に延在している複数の破断線を含み、それによって該食品支持パネルはU字形状を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項13】
前記マイクロ波加熱用構造体は、前記第1の側壁及び前記第2の側壁のそれぞれの端部に接合されている一対の端部壁を更に備え、該端部壁はマイクロ波エネルギー相互作用材料を含む、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱用構造体。
【請求項14】
食品と請求項1乃至13のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱用構造体との組み合わせであって、該食品は、焦げ目付け及びカリカリ仕上げの少なくとも一方が為される表面を有し、前記食品は、前記食品支持パネル上に置かれる、食品と請求項1乃至13のいずれか一項に記載のマイクロ波加熱用構造体との組み合わせ。
【請求項15】
前記第1の側壁の前記可動部分を画定する前記少なくとも一つの破断線に沿って前記第1の側壁の前記可動部分を分離するステップと、
前記第1の側壁の前記可動部分の前記マイクロ波エネルギー相互作用材料が前記食品の前記表面に近接するように、前記第1の側壁の前記可動部分を前記食品支持パネルにわたって位置決めするステップと、
を備える、請求項14に記載の組み合わせを用いた方法。
【請求項16】
前記食品支持パネル及び前記第1の側壁の前記可動部分の前記マイクロ波エネルギー相互作用材料が前記食品の前記表面に対して焦げ目付け及びカリカリ仕上げの少なくとも一方を行うように、前記食品支持パネル上に置かれている前記食品をマイクロ波エネルギーに曝露するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
電子レンジ内で食品を調理する方法であって、前記食品は、それぞれ焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされることが望ましい上面と下面とを有し、該方法は、
マイクロ波加熱用構造体を再構成するステップ、
を含み、
該マイクロ波加熱用構造体は、
互いに対向している第1の側壁及び第2の側壁と、該第1の側壁と該第2の側壁との間に延在している食品支持パネルであって、該食品支持パネルはマイクロ波エネルギー相互作用材料を含み、該食品支持パネルは、前記第1の側壁に折り曲げ可能に接合されており、該食品支持パネルは、前記第1の側壁から下方へ延在しており、該食品支持パネルは、前記第1の側壁から内方に且つ弧状に延在しており、該食品支持パネルは、前記第2の側壁に折り曲げ可能に接合されており、該食品支持パネルは、前記第2の側壁から下方へ延在しており、該食品支持パネルは、前記第2の側壁から内方に且つ弧状に延在しており、前記食品は、該食品支持パネルの該マイクロ波エネルギー相互作用材料が該食品の前記下面の下に重なるように、前記マイクロ波加熱用構造体の内部スペース内の前記食品支持パネル上に載せられる、食品支持パネルと、
を備え、
前記第1の側壁は可動部分を含み、
前記マイクロ波加熱用構造体を再構成するステップは、前記第1の側壁の前記可動部分を前記内部スペース上に位置決めするステップであって、それによって前記可動部分の前記マイクロ波エネルギー相互作用材料が前記食品の前記上面に重なる、位置決めするステップを含み、
前記方法は、
前記食品を前記マイクロ波加熱用構造体内でマイクロ波エネルギーに曝露するステップであって、それによって、
前記食品支持パネルの前記マイクロ波エネルギー相互作用材料によって前記食品の前記下面を焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げし、
前記第1の側壁の前記可動部分の前記マイクロ波エネルギー相互作用材料によって前記食品の前記上面を焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げする、曝露するステップ、
を含む、電子レンジ内で食品を調理する方法。
【請求項18】
前記第1の側壁は、該第1の側壁の前記可動部分を画定する少なくとも1つの破断線を含み、
前記マイクロ波加熱用構造体を再構成するステップは、前記可動部分を前記少なくとも1つの破断線に沿って分離するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記マイクロ波加熱用構造体は、前記第2の側壁から延在している突起を更に備え、
前記方法は、前記第1の側壁の前記可動部分と前記突起とを係合させるステップを更に含む、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の側壁に折り曲げ可能に接合されている前記食品支持パネルは破断線に沿って前記第1の側壁に接合されており、
前記第1の側壁の前記可動部分を前記内部スペース上に位置決めするステップは、前記第1の側壁の前記可動部分を、前記食品支持パネルと前記第1の側壁とを接合している前記破断線に沿って折り曲げるステップを含む、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
マイクロ波加熱用構造体のブランクであって、該ブランクは、
複数の隣接パネルであって、各パネルは、第1の方向に延在している第1の寸法と、第2の方向に延在している第2の寸法とを有し、前記第1の方向は前記第2の方向に対して垂直である、複数の隣接パネル
を備え、
該複数の隣接パネルは、
第1のパネルであって、該第1のパネルは、前記第2の方向に延在する対抗する両縁を含み、該第1のパネルは、該第1のパネルを横切って前記第2の方向に延在している複数の破断線を含み、前記複数の破断線は、前記第1のパネルの前記対抗する両縁間に、且つ、前記第1のパネルの前記対抗する両縁から離間して位置づけられている、第1のパネルと、
前記第2の方向に延在しているそれぞれの第1の折り線及び第2の折り線において前記第1のパネルの前記対向する両縁に接合されている第2のパネル及び第3のパネルであって、前記第2のパネルは、前記第1の方向に、前記第1の折り線から前記第2の方向に延在している該第2のパネルの外周縁まで延在している少なくとも1つの破断線を含み、前記少なくとも1つの破断線は前記第2のパネルの可動部分を画定する、第2のパネル及び第3のパネルと、
を備え、
前記第1のパネル及び前記第2のパネルの前記可動部分はそれぞれマイクロ波エネルギー相互作用材料を含む、マイクロ波加熱用構造体のブランク。
【請求項22】
前記第1の方向に前記第1の折り線から前記第2のパネルの前記外周縁まで延在している前記少なくとも1つの破断線は、前記第1の方向に前記第1の折り線から前記第2のパネルの前記外周縁まで延在している一対の引き裂き線を含む、請求項21に記載のブランク。
【請求項23】
前記第1のパネルは、前記第2の折り線に近接している弧状の切れ目を含む、請求項21又は22に記載のブランク。
【請求項24】
前記弧状の切れ目は、前記第2の折り線から内方へ延在している、請求項23に記載のブランク。
【請求項25】
前記弧状の切れ目は、前記第2の折り線に近接している一対の弧状の切れ目であり、前記一対の弧状の切れ目はそれぞれ前記第2の折り線に沿って配置されている一対の端点を有する、請求項23又は24に記載のブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食品を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げする種々のブランク、構造体、及び方法に関し、特に、食品を電子レンジ内で加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げする種々のブランク、構造体及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2010年3月29日に出願された米国仮特許出願第61/318,438号、及び2010年7月26日に出願された米国仮特許出願第61/400,395号(これらはともにその全体が参照により本明細書に援用される)の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
電子レンジは、種々の食品を加熱する便利な手段を提供する。しかし、電子レンジは、そのような食品の加熱むらを起こす傾向にあり、特に食品が丸みを帯びた形状又は不規則形状を有する場合に焦げ目付けされたカリカリの表面を達成することができない。
【0004】
したがって、種々の食品に対して所望の程度の加熱、焦げ目付け及びカリカリ仕上げを提供する電子レンジ使用が可能なパッケージが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、電子レンジ内で食品を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げする構造体又は装置に関する。一態様では、構造体は、幾分湾曲した食品を受け入れる概ねU字形状のスリング又はクレードルを含むことができる。スリング又はクレードルは、食品に対するマイクロ波エネルギーの効果を変化させるようにマイクロ波エネルギー相互作用材料を含むことができる。所望であれば、構造体は、構造体の一部を食品のカバー又は蓋に変えることを可能にする1つ又は複数の機能部を含むこともできる。カバー又は蓋もマイクロ波エネルギー相互作用材料を含むことができる。
【0006】
構造体は概して、使い捨て材料、例えば板紙から形成することができる。構造体は、種々の食品、例えばアメリカンドッグ、詰め物をしたスティックパン、チキンストリップ、ソフトプレッツェル、春巻、ブリート、タキートス又は任意の他の食品を調理するために用いることができる。
【0007】
本発明の更なる態様、特徴及び利点は、以下の説明及び添付の図面から明らかになる。
【0008】
説明では、複数の図面を通して同様の参照符号が同様の部分を指す添付の概略的な図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】内部スペースを覆う可動パネルを含む、例示的なマイクロ波加熱用構造体の概略的な斜視図である。
【
図1B】線1B−1Bに沿った、食品を収容している
図1Aのマイクロ波加熱用構造体の概略端面図である。
【
図1C】線1C−1Cに沿った、
図1Aのマイクロ波加熱用構造体の概略側面図である。
【
図1D】可動パネルが内部スペースを覆った状態で構成されている、
図1Aのマイクロ波加熱用構造体の概略斜視図である。
【
図1E】分離した
図1Aのマイクロ波加熱用構造体の端部パネルアセンブリの概略上面図である。
【
図1F】
図1Eの端部パネルアセンブリが部分的に分解された形態にある状態の、
図1Aの構造体の概略端面図である。
【
図1G】分離した
図1Eの端部パネルアセンブリのうちの1つのパネルの概略端面図である。
【
図1H】端部支持フラップを使用している状態の、
図1Aのマイクロ波加熱用構造体の概略斜視図である。
【
図1I】
図1Hのマイクロ波加熱用構造体の概略端面図である。
【
図1J】
図1A乃至
図1Iのマイクロ波加熱用構造体を形成する例示的なブランクの一方の面の概略上面図である。
【
図1K】線1K−1Kに沿った
図1Jのブランクの一部の概略断面図である。
【
図1L】平坦な形態のマイクロ波加熱用構造体に部分的に組み立てられた
図1Jのブランクの概略上面図である。
【
図1M】
図1Lの部分的に組み立てられた構造体の別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A乃至
図1Dは、電子レンジ内で食品を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げする例示的な構造体100(例えばパッケージ又はカートン)を概略的に示す。マイクロ波加熱用構造体100は、互いに対向している第1の対の壁102、104(例えば側壁すなわちサイドパネル)(
図1B)と、互いに対向している第2の対の壁106(例えば端部壁すなわち端部パネル)とを含む。各端部壁106は、以下で詳細に説明するように複数のパネルを含む端部壁アセンブリを構成する。各壁102、104、106は、上縁(すなわち最上縁)と、下縁(すなわち最下縁)と、それぞれの壁の上縁と下縁との間に延在している高さH1とを有する。例えば、
図1Bに示されるように、側壁102、104はそれぞれの上縁108、110と下縁112、114とを有する。
【0011】
図1Aに示されるように、幾分U字形状の食品支持パネル(すなわちスリング又はクレードル)116が側壁102、104間に延在している。食品支持パネルは、例えば構造体100の長さ寸法すなわち長さL1に沿って延在しているそれぞれの第1の破断線及び第2の破断線に沿って第1の側壁102及び第2の側壁104に接合することができる。図示の例では、クレードル116が側壁102の最上縁108と側壁104の最上縁110との間に延在するように、第1の破断線108は実質的に第1の側壁102の上縁108に沿って延びるとともに第1の側壁102の上縁108を概ね含み、第2の破断線110は実質的に第2の側壁104の上縁110に沿って延びるとともに第2の側壁104の上縁110を概ね含む。しかし、パネル116は、側壁102、104の他の部分から延在していることができるか又は側壁102、104の他の部分に接合することができることが意図される。
【0012】
壁102、104、106及びクレードル116は、クレードル116上に支持される1つ又は複数の食品F(
図1Bに破線で示されている。
図1Bではクレードル116はより太い破線で概略的に示されている)を受け入れる内部スペース118を概ね囲むか又は画定する。食品は、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされることが望ましい少なくとも1つの表面を概して有することができ、幾つかの実施形態では、食品は、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされることが望ましい少なくとも上面と底面とを有する。食品は、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされることが望ましい側面も有することができる。さらに、丸みを帯びた食品若しくは湾曲した食品(又は任意の他の形状の食品)の場合、表面全体を焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げすることが望ましい場合がある。
【0013】
図1Bにおいて最も良く分かるように、食品支持パネル116は、第1の破断線108及び第2の破断線110から(この例では壁102、104の上縁すなわち最上縁から)下方へ(また場合によっては下方かつ斜め内方へ)延在している。クレードル116の最下点は、空隙V(
図1Bに破線で示される)がクレードル116の下に画定されるように、側壁102、104(及び端部壁106)の最下縁112、114上の距離H2に吊り下げられている。
【0014】
クレードル116の幾分U字形の形状は、実質的に端部壁106間にクレードル116の長さ寸法L2に沿って実質的に延在している少なくとも1つの破断線、また場合によっては、複数の破断線、例えば折り線120(例えばスコア線、切れ目入りクリーズ線等)(全体を通してそれらの幾つかのみに符号を付す)によって画定される。この例では、クレードル116は5つの折り線120を含む。しかし、より少ないか又はより多くの線を用いることができることと、より多くの線を用いると、クレードル116の形状はより滑らかな丸みを帯びたU字形状又は湾曲したU字形状により近づくことが理解される。そのような形状は、より湾曲している食品、例えばアメリカンドッグ、春巻、詰め物をしたスティックパン等を支持するのに特に有用であり得る。他の実施形態では、破断線が側壁102、104間の横方向すなわち横断方向に延在していることができることも理解される。さらに、長さ寸法及び横寸法(すなわち幅寸法)は、「長さ」という用語の使用が構造体の大きい方の(すなわちより大きい)寸法を示唆することを意図しないように、いずれかが他方よりも大きい、任意の相対的な値を有することができる。
【0015】
所望であれば、構造体100は、構造体内の食品に対するマイクロ波エネルギーの効果を変化させる1つ又は複数のマイクロ波エネルギー相互作用材料122(図を通して点描で概略的に示される)を含むことができる。図示の例では、マイクロ波エネルギー相互作用材料122は、以下で更に説明するように、内部スペース118に面するクレードル116の側面及び端部壁106、並びに第1の側壁102の一部102’を覆い、かつ/又はそれらに接合される。しかし、他の実施形態では、マイクロ波エネルギー相互作用材料122は、代替的に若しくは付加的に構造体100の他の部分を覆い、かつ/又はそれらに接合されてもよい。
【0016】
一例では、マイクロ波エネルギー相互作用材料122は、食品の加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを向上させるサセプタを含むことができる。サセプタは、厚さが概ね約500オングストローム未満、例えば厚さが約60オングストローム乃至約100オングストロームであり、約0.15乃至約0.35、例えば約0.17乃至約0.28の光学密度を有するマイクロ波エネルギー相互作用材料、例えばアルミニウムの薄層である。サセプタは、マイクロ波エネルギーに曝露されると、マイクロ波エネルギーの少なくとも一部を吸収してそれをマイクロ波エネルギー相互作用材料の層における抵抗損失によって熱エネルギー(すなわち熱)に変換する傾向にある。残りのマイクロ波エネルギーはサセプタによって反射されるか又はサセプタを透過する。しかし、以下で更に説明するように、他のマイクロ波エネルギー相互作用要素を用いてもよい。
【0017】
ここで
図1Cを参照すると、所望であれば、第1の側壁102は、第1の側壁102の可動部分102’を画定する少なくとも1つの破断線を含むことができる。この例では、第1の側壁102は、それぞれが複数の離間した切れ目(例えば切れ目線、スリット又はカットアウト)を含む一対の破断線124を含む。上記のように、第1の側壁102の可動部分102’は、マイクロ波エネルギー相互作用材料122、例えば上述のようなサセプタを含む。他の例では、可動部分102’は、より少ない数の(例えば1つの)又は付加的な(例えば2つ以上の)破断線(例えば引き裂き線)によって画定することができることが留意される。
【0018】
第1の側壁102の可動部分102’は、サイドパネル102の残りの部分から部分的に分離して、可動部分102’の外面が内部スペース118に面するまで食品Fに向かって枢動するように概ね操作可能である。より具体的には、
図1Dに示されるように、第1の側壁102の可動部分102’は、破断線124に沿って分離し(例えば引き裂き)、上縁108に沿って内部スペース118に向かって折り曲げ、内部スペース118内の食品上に位置決めすることができる。この構成では、第1の側壁102の可動部分102’は、食品を覆う蓋として働くため、食品の上面を、クレードル116上に載る食品の残りの部分と同時に加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げすることができる。
【0019】
所望であれば、構造体100には、食品を電子レンジ内で加熱している間に第1の側壁102の可動部分102’を内部スペース118上の係止位置に維持又は固定する1つ又は複数の係止用の突起、タブ又は他の機能部を設けることができる。例えば、図示の実施形態では、構造体100は、第2の側壁104の上縁110から内方へ(すなわち内部スペース118に向かって)延在している一対の幾分弧状の突起126を含む。
図1Dに示されるように、サイドパネルの可動部分が折り線108に沿ってクレードル116及び内部スペース118上に折り曲げられると可動部分102’の自由縁(すなわち縁112の一部)が突起126の下に下方へ付勢されることによって、突起が可動部分102’に重なって係止形態で係合することができる。しかし、他の実施形態では、可動部分102’すなわち蓋は、そのような機能部を用いることなく単に食品を覆うように作ることができる。更に他の実施形態では、可動部分102’すなわち蓋は、例えば上面の焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げが必要とされ得ない場合、又は加熱サイクル中にユーザーが均一な焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを確実にするように食品を回転させるか又は裏返すように指示されている場合は省くことができる。
【0020】
構造体100は、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを更に向上させるために水分を食品から逃がすことを可能にするように動作可能な1つ又は複数の通気開口部128も含むことができる。図示の例では、構造体は、クレードル116を貫通する複数の開口部128(
図1A)と、第1のサイドパネル102の可動部分102’を貫通する複数の開口部128(
図1A、
図1C、
図1D)とを含む。開口部は概ね円形形状であるものとして示されているが、任意の他の形状を有することができる。一例では、開口部はスリット又は細長いカットアウトを含むことができる。さらに、クレードル116の開口部は、第1のサイドパネル102の可動部分102’の開口部よりも概ね大きい直径を有するものとして示されている。しかし、任意の数、サイズ及び形状の開口部を用いることができる。開口部の数、形状、間隔及び位置決めは、加熱される食品、並びに焦げ目付け及びカリカリ仕上げの所望の程度に応じて変えることができる。さらに、そのような開口部は他の実施形態では省くことができるか又は異なって構成することができることが理解される。
【0021】
図1Eは、分離した1つの端部壁すなわち端部アセンブリ106の上面図を概略的に示す。各端部壁すなわち端部アセンブリ106は、内側端部パネル130と一対の外側端部パネル132、134とを含む複数のパネルを含む。外側端部パネル132、134は、内側端部パネル130と実質的に面する接触関係にある。各外側端部パネル132、134の破断線136、例えば折り線は、外側端部支持フラップ138(
図1F及び
図1G)を画定する。同様に、各内側端部パネル130を実質的に横切って延在している破断線140、例えば折り線が、内側支持フラップ142(分離した端部パネル130を示す
図1G)を画定する。
図1H及び
図1Iに概略的に示されるように、所望であれば、外側支持フラップ138及び内側支持フラップ142をクレードル116の下の空隙V(
図1B)に向かって内方へ折り曲げて、構造体に安定性を与えることとクレードル116を支持することとを助けることができる。内方へ折り曲げられたフラップ138、142は、端部壁106の下部に沿って窪みIを画定する。
【0022】
1つの例示的な方法に従って構造体100を用いるには、食品Fを内部スペース118内のクレードル116上に位置決めすることができる。食品は、下面と上面と側面とを概して有することができ、これらのいずれかが焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げされることが望ましい場合がある。第1の側壁102の可動部分102’は、引き裂き線124に沿って引き裂くことによって第1の壁102の残りの部分から分離し、可動部分102’がクレードル116上の食品を覆うように折り線108に沿って枢動させることができる。可動部分102’の自由縁(すなわち縁112の一部)を突起126の下に下方へ付勢することによって、突起が可動部分102’の(縁112に近接する)周縁に重なって係合することができる。
【0023】
クレードル116及び蓋102’のサセプタ122は、電子レンジ内でマイクロ波エネルギーに十分に曝露されると、入射するマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を熱エネルギーに変換し、次いでこれが食品に伝わって食品Fの種々の面の加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを向上させることができるため、食品全体を同時に加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げすることができる。特に、クレードル116は概ねU字形状であるため、クレードル116のマイクロ波エネルギー相互作用材料122が、概ね平らな構造体と比較して食品の表面のより多く(例えば食品の下面及び側面)により近く隣接する。さらに、食品が丸みを帯びた形状有し、かつ/又は側壁の上縁108、110上に延在している場合、可動部分102’を、食品の回りを下方へ取り巻く(又は別様に食品に適合する)ように十分に可撓性であるものとすることができ、それによって蓋102’のマイクロ波エネルギー相互作用材料122を食品の上面に更により近く近接させる。したがって、マイクロ波加熱用構造体100は、食品を加熱中に裏返すか又は位置決めし直すことを必要とすることなく、種々の丸みを帯びた食品を加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げするのに好適なものであることができる。
【0024】
加えて、食品Fをクレードル116上で上昇位置に維持することによって、クレードル116と電子レンジの床面との間の空隙V内の空気が断熱効果を与えることができ、それによってサセプタのマイクロ波エネルギー相互作用材料122から電子レンジの床面への熱損失の量が低減する。その結果、食品の加熱、並びに食品の底面及び側面の焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げを更に向上させることができる。さらに、1つ又は複数の通気開口部128を設ける場合、いずれの蒸気及び他のガスも食品Fから拡散させるか又は逃がすことができ、それによって食品の焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げが改善する。
【0025】
幾つかの例では、食品Fは、加熱中に食品から流れる滲出液を含む場合もある。そのような滲出液は、同様に、存在する場合にはそのような開口部128を通過することができる。付加的に又は代替的に、そのような滲出液の全部又は一部は、クレードル116と端部壁106(特に端部パネル130)との間の隙間G(
図1H)を通過して、端部支持フラップ142上に(この支持フラップ142がクレードル116の端部の下に折り曲げられているときに)集めることができる。多くの他の可能性が意図される。
【0026】
食品が十分に加熱されると、食品F及び構造体100を電子レンジから取り出すことができる。所望であれば、支持フラップ138、142にひだを付けることによって形成されるノッチ又は窪みIを用いて構造体100を把持することができる。
【0027】
図1Jは、
図1Aのマイクロ波加熱用構造体100を形成する例示的なブランク144の第1の面、すなわち内面の上面図を概略的に示す。ブランク144は概して、破断線、例えば折り線、折り線、引き裂き線、スコア線、又は任意の他の弱化線若しくは破断線に沿って接合されている複数のパネルを含む。ブランク144及び種々のパネルのそれぞれは概して、第1の方向、例えば縦方向D1に延在している第1の寸法、例えば長さと、第2の方向、例えば横方向D2に延在している第2の寸法、例えば幅とを有する。そのような呼称は便宜上なされるにすぎず、ブランクを製造するか又はパッケージに組み立てる方法を必ずしも指すか又は限定するものではないことが理解される。ブランク144は、縦方向中心線CLに沿って対称であるか又はほぼ対称であるものとすることができる。したがって、図面の特定の要素は、全体的又は部分的な対称性を表すために同様又は同一の参照符号を有することができる。
【0028】
図1Jに示されるように、ブランク144は、ブランク144から形成される構造体100のスリング116を概して形成する第1のパネルすなわちメインパネル116を含む。複数の横方向破断線、例えば切れ目入りクリーズ線、スコア線又は折り線120がメインパネル116を実質的に横切って延在している。この例では、パネル116は5つの折り線120を含むが、上述したように他の数の折り線を用いることができる。
【0029】
サイドパネル102、104(すなわち第1のサイドパネル102及び第2のサイドパネル104)が、それぞれの横方向破断線、例えば折り線108、110に沿ってメインパネル116の対向する縦方向両端部に接合されている。端部フラップ132、134の対が、それぞれの破断線、例えば縦方向折り線146、148に沿ってサイドパネル102、104の対向する横方向両端部にそれぞれ接合されている。破断線、例えば斜めの折り線136が、各端部フラップ132、134の角部を横切って延在している。各斜めの折り線136は、ブランク144の外周縁150に沿って実質的に第1の点から実質的に第2の点まで延在していることができる。第1の点は概して、それぞれの端部フラップ132、134の縦方向外周縁に沿って存在することができる(又は縦方向外周縁に近接していることができる)。第2の点は概して、それぞれの端部フラップ132、134のそれぞれの折り線146、148と横方向外周縁との間の交点にある(又は交点に近接している)ことができる。斜めの折り線136は、組み立てられた構造体100(
図1A)の外側支持フラップ138として働く、パネル132、134の角部分138を画定する。
【0030】
図1Jを更に参照すると、ブランク144は、それぞれの横方向破断線、例えば折り線152に沿って端部フラップ132のそれぞれの縦方向端部に接合される一対の端部パネル130を含む。端部パネル130は、メインパネル116に隣接しているが、それぞれの切れ目154によってメインパネル116から分離されている。各端部パネル130は、それぞれの端部パネル130の縦方向外周縁とそれぞれ隣接する切れ目154との間に実質的に延在している横方向破断線、例えば折り線140を含む。折り線140は、組み立てられた構造体100(
図1A)の内側支持フラップ142として働く、パネル130の下側部分142を画定する。
【0031】
寸法L1が、折り線140から、パネル130の、折り線152と対向する横方向外周縁まで測定される。寸法L2が、斜めの折り線136から、パネル132の縦方向外周縁に沿って、パネル132の、折り線152と対向する横方向外周縁まで測定される。寸法L3が、斜めの折り線136から、パネル134の縦方向外周縁に沿って、パネル134の、折り線152と対向する横方向外周縁まで測定される。折り線140は、L1、L2及びL3が互いにほぼ等しいように概ね位置決めされる。このように、角部パネル138(すなわち外側支持フラップ138)及び下側部分142(すなわち内側支持フラップ142)は、
図1F乃至
図1Iに関連して上述したように、窪みIを画定するようにそれぞれの折り線136、140に沿って一緒に内方へ折り曲げることができる。
【0032】
パネル130、132、134(パネル部分138、142を含む)のそれぞれのうちのそれぞれのパネルは、組み立てられた構造体100(
図1A)の各端部壁アセンブリ106を全体として画定する。
【0033】
更に
図1Jを参照すると、サイドパネル102は、折り線108及び外周縁部分112(外周縁150は外周縁部分112、114を含むことに留意されたい)から、また折り線108と外周縁部分112との間に実質的に延在している一対の破断線124、例えば引き裂き線(例えば離間した切れ目、スリット又はカットアウト)を含む。各引き裂き線124は概して、くの字形に曲がった形状を有する(すなわち引き裂き線124がくの字形に似るように概ね「くの字形」の形状である)。引き裂き線124の第1の部分124aは、外周縁部分112から第1の方向に実質的に延在し、引き裂き線124の第2の部分124bは、第1の部分から実質的に斜めかつ外方へ(隣接するパネル132に向かって)延在し、引き裂き線124の第3の部分124cは、実質的に第2の部分から実質的に折り線108まで延在している。折り線108と、外周縁部分112と、引き裂き線124との間のスペースが、パネル102の可動部分102’を概ね画定する。
【0034】
所望であれば、メインパネル116は折り線110に近接している一対の切れ目156を含むことができる。図示の実施形態では、各切れ目は、概ね弧状の中心部分156aと、弧状の部分156aの両端部から延在している一対の斜めの部分156b、156cとを含むが、斜めの切れ目部分156b、156cは所望であれば省くことができる。各切れ目156の弧状の部分156aは、折り線110から離れるようにメインパネル116に向かって概ね内方へ延在しており、弧状の部分156aの両端部は、折り線110に近接している(又は実質的に折り線110に沿って配置されている)。切れ目の斜めの部分156b、156cは、折り線110から離れるように互いから外方へ延在している。しかし、切れ目の他の多くの他の形状及び構成が意図される。それぞれの斜めの切れ目156cに隣接している各弧状の部分156aのそれぞれの端部は、第2の方向D2に、パネル102の引き裂き線124のそれぞれの引き裂き線部分124cと概ね位置合わせされている。切れ目156と折り線110との間のエリアは、ブランクが構造体100(
図1A)に組み立てられたときにパネル116から突き出す突起126を概ね画定する。
【0035】
ブランク144は複数の開口部128も含むことができる。この例では、メインパネル116は、7つの実質的に円形の開口部を含み、サイドパネル102は4つの実質的に円形の開口部を含む。図示のように、メインパネル116の開口部の直径は、パネル102の開口部の直径よりも大きい。しかし、上記のように、開口部の数多くの他の構成を用いることができる。
【0036】
所望であれば、マイクロ波エネルギー相互作用材料122が、ブランク144の1つ又は複数のパネル若しくは部分を覆い、かつ/又はそれらに接合することができる。この例では、マイクロ波エネルギー相互作用材料、例えばサセプタ122の層がメインパネル116及びパネル130の実質的に全てを覆っている。さらに、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、折り線108と外周縁部分112と破断線124との間に延在している、パネル102の可動部分102’を覆っている。しかし、他の構成が意図される。
【0037】
図1Kに示されるように、マイクロ波エネルギー相互作用材料(すなわちサセプタ)122の層を、サセプタフィルム160を画定するようにポリマーフィルム158に接して支持することができる。ポリマーフィルム158の最外面(すなわち露出面)162が、ブランク144から組み立てられた構造体100(
図1A)の食品接触面として働くことができる。サセプタフィルム160は、サセプタフィルム160に寸法安定性を与えるとともにマイクロ波エネルギー相互作用材料122の層を損傷から保護するために、接着剤を用いて又は別様に(図示せず)、支持層164、例えば紙又は板紙に通常は接合される(例えばラミネートされる)。
【0038】
1つの許容可能な方法に従ってブランク144を構造体100に成形するには、サイドパネル104を下方へ折り曲げて、糊によって(又は別様に)、メインパネル116の、折り線110に近接している部分に接合することができる。同様に、パネル102、132を下方へ折り曲げて、糊によって(又は別様に)、それぞれの折り線108、152に近接して、メインパネル116と、端部パネル130とにそれぞれ接合し、別の
図1L及び
図1M(例示的な糊エリア164が破線で示されている)に示されるように実質的に平坦な構造を有する部分的に組み立てられた構造体を形成することができる。
【0039】
次に、部分的に組み立てられた構造体をマンドレルに対して押しやることによって(又は任意の他の好適な技法を用いることによって)、縁108、110(すなわち折り線108、110)を互いに向かって近づけることができる。そのとき、端部パネル130及び端部フラップ132、134を直立形態にするために必要に応じてメインパネル116を折り線120に沿って撓ませるか又は折り曲げることができる。隣接した端部パネル130及び端部フラップ132は、折り線146に沿ってパネル116に向かって内方へ折り曲げることができる。次に、端部フラップ134を折り線148に沿って内方へ折り曲げて端部パネル130と実質的に対面する接触関係にすることができる。端部フラップ134は、組み立てられた構造体100を成形するために、任意の好適な方法で、例えば接着剤を用いて端部パネル130に接合することができる。構造体100は上述のように用いることができる。
【0040】
多くのマイクロ波加熱用構造体が本開示によって包含される。そのような構造物又は構造体のいずれかは、種々の材料から形成することができるが、これらの材料は、典型的な電子レンジ加熱温度、例えば華氏約250度乃至華氏約425度で軟化、焦げ、燃焼又は劣化に対して実質的に耐性を示すことが好ましい。これらの材料としては、マイクロ波エネルギー相互作用材料、例えば、サセプタ(例えばサセプタ122)及び他のマイクロ波エネルギー相互作用要素を形成するのに使用される材料、並びにマイクロ波エネルギー透過性材料又は不活性材料、例えば構造体の残りの部分を形成するのに使用される材料を挙げることができる。
【0041】
マイクロ波エネルギー相互作用材料は、導電性材料若しくは半導電性材料、例えば真空蒸着金属若しくは合金、又は金属インク、有機インク、無機インク、金属ペースト、有機ペースト、無機ペースト、又はそれらの任意の組み合わせとすることができる。好適であり得る金属及び合金の例としては、アルミニウム、クロム、銅、インコネル合金(ニオブを含むニッケル−クロム−モリブデン合金)、鉄、マグネシウム、ニッケル、ステンレス鋼、スズ、チタン、タングステン及びそれらの任意の組み合わせ又は合金が挙げられるが、それらに限定されない。
【0042】
代替的には、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、任意選択的に導電性材料と併せて使用される金属酸化物、例えばアルミニウム、鉄及びスズの酸化物を含むことができる。好適であり得る別の金属酸化物は酸化インジウムスズ(ITO)である。ITOは、より均一な結晶構造を有するため、ほとんどのコーティング厚において透明である。
【0043】
更に代替的には、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、好適な導電性、半導電性若しくは非導電性の人工誘電体又は強誘電体を含むことができる。人工誘電体は、重合体又は他の好適なマトリクス若しくは結合剤中に導電性の細分化された材料を含み、導電性金属、例えばアルミニウムのフレークを含むことができる。
【0044】
他の実施形態では、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、例えば米国特許第4,943,456号、同第5,002,826号、同第5,118,747号及び同第5,410,135号に開示のようにカーボンベースとすることができる。
【0045】
更に他の実施形態では、マイクロ波エネルギー相互作用材料は、電子レンジにおける電磁エネルギーの磁気部分と相互作用し得る。正確に選択されたこの種類の材料は、材料のキュリー温度に達すると、相互作用の喪失に基づき自己制限的となり得る。そのような相互作用コーティングの一例は、米国特許第4,283,427号に記載されている。
【0046】
上記のように、マイクロ波エネルギー相互作用材料(例えばマイクロ波エネルギー相互作用材料122)は、ポリマーフィルム(例えばポリマーフィルム158)に接して支持することができる。フィルムの厚さは典型的に、約35ゲージ乃至約10ミル、例えば約40ゲージ乃至約80ゲージ、例えば約45ゲージ乃至約50ゲージ、例えば約48ゲージであるものとすることができる。好適であり得るポリマーフィルムの例としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、セロファン、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。1つの特定の例では、ポリマーフィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む。好適であり得るPETフィルムの例としては、DuPont Teijan Films社(バージニア州ホープウェル所在)から市販されているMELINEX(商標)、SKC, Inc.(ジョージア州コヴィントン所在)から市販されているSKYROL、Toray Films社(バージニア州フロントロイヤル所在)から入手可能なBARRIALOX PET、及びToray Films社(バージニア州フロントロイヤル所在)から入手可能なQU50 High Barrier Coated PETが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーフィルムは、例えば印刷適性、耐熱性又は任意の他の特性等、種々の特性をマイクロ波相互作用ウェブに与えるように選択することができる。1つの特定の例としては、ポリマーフィルムは、水分バリア、酸素バリア又はこれらの任意の組み合わせを提供するように選択することができる。このようなバリアフィルム層は、所望に応じて、バリア特性を有するポリマーフィルムから、又は任意の他のバリア層若しくはコーティングから形成することができる。好適なポリマーフィルムとしては、エチレンビニルアルコール、バリアナイロン、ポリ塩化ビニリデン、バリアフッ素重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、共押し出しナイロン6/EVOH/ナイロン6、酸化ケイ素コーティングフィルム、バリアポリエチレンテレフタレート、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
所望であれば、ポリマーフィルムは、このポリマーフィルム上にマイクロ波エネルギー相互作用材料を被覆する前に表面を修飾するために1つ又は複数の処理に供することができる。限定ではなく例として、ポリマーフィルムは、ポリマーフィルムの表面の粗度を変更するためにプラズマ処理に供することができる。理論によって拘束されることは望まないが、そのような表面処理により、マイクロ波エネルギー相互作用材料を受けるためのより均一な表面をもたらすことができ、これにより更に、得られたサセプタ構造物の熱流束及び最大温度を増大させることができることが考えられる。そのような処理は、2010年8月26日に公開された米国特許出願公開第2010/0213192号において説明されており、この公開はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0048】
紙及び紙ラミネート、金属酸化物、ケイ酸塩、セルロース誘導体、又はこれらの任意の組み合わせ等、他の非伝導性基板材料も用いることができる。
【0049】
所望であれば、サセプタは、他のマイクロ波エネルギー相互作用要素及び/又は構造と併せて使用することができる。複数のサセプタ層を含む構造も意図される。
【0050】
例として、サセプタフィルムを、入射するマイクロ波エネルギーのかなりの部分を反射するのに十分な厚さを有するホイル又は高光学密度の蒸着材料とともに使用することができる。そのような要素は通常、約0.000285インチ乃至約0.005インチ、例えば約0.0003インチ乃至約0.003インチの厚さを概ね有する中実の「パッチ」の形態の、導電性の反射金属又は合金、例えばアルミニウム、銅又はステンレス鋼から形成される。他のそのような要素は、約0.00035インチ乃至約0.002インチ、例えば0.0016インチの厚さを有することができる。
【0051】
幾つかの場合、マイクロ波エネルギー反射(又は反射性)要素は、食品が加熱中に焦げやすいか又は乾ききってしまいやすい場合に遮蔽要素として使用することができる。他の場合では、より小さいマイクロ波エネルギー反射要素を使用して、マイクロ波エネルギーを拡散するか又はその強度を低下させることができる。そのようなマイクロ波エネルギー反射要素を利用する材料の一例は、MicroRite(商標)パッケージング材料という商品名でGraphic Packaging International, Inc.(ジョージア州マリエッタ所在)から市販されている。他の例では、複数のマイクロ波エネルギー反射要素を、マイクロ波エネルギーを食品の特定のエリアに方向付けるマイクロ波エネルギー分配要素を形成するように配置することができる。所望であれば、ループはマイクロ波エネルギーを共鳴させ、それにより分配効果を高める長さを有することができる。マイクロ波エネルギー分配要素の例は、米国特許第6,204,492号、同第6,433,322号、同第6,552,315号及び同第6,677,563号に記載されている。
【0052】
更に別の例では、サセプタフィルム及び/若しくは構造をマイクロ波エネルギー相互作用絶縁材料とともに使用することができるか、又はサセプタ及び/若しくはサセプタ構造を使用して、マイクロ波エネルギー相互作用絶縁材料を形成することができる。そのような材料の例は、米国特許第7,019,271号、米国特許第7,351,942号、及び2008年4月3日に公開された米国特許出願公開第2008/0078759号に挙げられている。
【0053】
所望であれば、本明細書に記載されるか又は本明細書によって意図される多くのマイクロ波エネルギー相互作用要素のいずれかは、実質的に連続的な、すなわち実質的な破断部若しくは中断部を有しないものであってもよく、又は例えばマイクロ波エネルギーを透過させる1つ又は複数の破断部若しくは開口部を含むことにより不連続なものであってもよい。破断部又は開口部は、構造全体を貫通するか、又は1つ又は複数の層のみを貫通してもよい。そのような破断部又は開口部の数、形状、サイズ及び位置決めは、形成される構造体の種類、構造体内又は構造体上で加熱される食品、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げの所望の程度、食品の均一な加熱を達成するためにマイクロ波エネルギーへの直接曝露が必要であるか又は望ましいか否か、直接加熱による食品の温度変化の調節の必要性、並びに通気する必要があるのか否か、またどの程度までその必要があるのかに応じて、特定の用途に合わせて変えることができる。
【0054】
例示として、マイクロ波エネルギー相互作用要素は、食品の誘電加熱をもたらす1つ又は複数の透過性エリアを含むことができる。しかし、マイクロ波エネルギー相互作用要素がサセプタを含む場合、そのような開口部が総マイクロ波エネルギー相互作用エリアを減少させ、それにより食品の表面の加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げに利用可能なマイクロ波エネルギー相互作用材料の量を減少させる。このため、マイクロ波エネルギー相互作用エリアとマイクロ波エネルギー透過性エリアとの相対量は、特定の食品に対して所望の全体的な加熱特性を達成するためにバランスをとる必要がある。
【0055】
幾つかの実施形態では、サセプタの1つ又は複数の部分は、マイクロ波エネルギーを、焦げ目付け及び/若しくはカリカリ仕上げを意図しない食品の部分に又は加熱環境に喪失するのではなく、加熱、焦げ目付け及び/又はカリカリ仕上げの対象となるエリアに効率的に集中させることを確実にするために、マイクロ波エネルギーに不活性となるように設計することができる。付加的に又は代替的には、食品及び/又はサセプタを含む構造体の過熱又は炭化を防ぐために、1つ又は複数の不連続部若しくは不活性領域を作ることが有益であり得る。例として、サセプタは、食品に対する伝熱が低く、サセプタが熱くなり過ぎる傾向がある可能性があるサセプタ構造のエリアでサセプタ構造における亀裂の伝播を制限し、それにより過熱を制御する、1つ又は複数の「ヒューズ」要素を組み込むことができる。ヒューズのサイズ及び形状は必要に応じて変えることができる。そのようなヒューズを含むサセプタの例は、例えば米国特許第5,412,187号、米国特許第5,530,231号、2008年2月14日に公開された米国特許出願公開第2008/0035634号、及び2007年11月8日に公開されたPCT出願の国際公開第2007/127371号に挙げられている。
【0056】
サセプタの場合、そのような不連続部又は開口部のいずれかは、構造物若しくは構造体を形成するのに使用される1つ又は複数の層若しくは材料にある物理的な開口部若しくは空隙を含み得るか、又は非物理的な「開口部」であり得る。非物理的な開口部は、構造を切り抜く実際の空隙又は開口部が存在せずともマイクロ波エネルギーが構造を通過することを可能にするマイクロ波エネルギー透過性エリアである。そのようなエリアは、単にマイクロ波エネルギー相互作用材料を特定のエリアに適用しないことによって、特定のエリアからマイクロ波エネルギー相互作用材料を取り除くことによって、又は特定のエリアを機械的に不活性化する(それによりこのエリアを電気的に不連続にする)ことによって形成することができる。代替的には、これらのエリアは、特定のエリアのマイクロ波エネルギー相互作用材料を化学的に不活性化し、それによりそのエリアのマイクロ波エネルギー相互作用材料をマイクロ波エネルギーに対して透過性の(すなわちマイクロ波エネルギーに不活性の)物質に変換することによって形成することができる。物理的な開口部及び非物理的な開口部の両方は食品をマイクロ波エネルギーによって直接加熱することを可能にするが、物理的な開口部は、食品から放出される水蒸気若しくは他の蒸気又は液体を食品から逃がすことを可能にする通気機能も提供する。
【0057】
上記のように、サセプタフィルム(例えばサセプタフィルム160)(及び/又は他のマイクロ波エネルギー相互作用要素)を、構造体に寸法安定性を与えることができる紙又は板紙支持体(例えば支持体164)に接合することができる。紙は、約15lb/ream乃至約60lb/ream(lb/3000平方フィート)、例えば約20lb/ream乃至約40lb/ream、例えば約25lb/reamの坪量を有することができる。板紙は、約60lb/ream乃至約330lb/ream、例えば約80lb/ream乃至約140lb/reamの坪量を有することができる。板紙は概ね、約6ミル乃至約30ミル、例えば約12ミル乃至約28ミルの厚さを有することができる。1つの特定の例では、板紙は約14ミルの厚さを有する。任意の好適な板紙、例えば無地漂白クラフト板紙、例えばInternational Paper Company(テネシー州メンフィス所在)から市販されているFortress(商標)ボード、又はGraphic Packaging International(ジョージア州マリエッタ所在)から市販されているSUS(商標)ボード等の無地無漂白クラフト板紙を使用することができる。
【0058】
本発明は、本明細書中において特定の態様及び実施形態に関して詳細に説明されているが、この詳細な説明は、本発明を説明及び例示するものに過ぎず、単に本発明の十分かつ実施可能な開示を提供する目的で、また本発明がなされた時点で本発明者らが知っていた本発明を実施するための最良の形態を記載するためになされていることを理解すべきである。本明細書に記載される詳細な説明は、例示的なものに過ぎず、本発明を限定するか、又はそうでなくとも本発明の任意のそのような他の実施形態、適合形態、変形形態、変更形態及び均等な構成を除外する意図はなく、またそのように解釈すべきでもない。全ての方向に関する言及(例えば上側、下側、上方、下方、左、右、左側、右側、上部、底部、上、下、垂直、水平、時計回り及び反時計回り)は、本発明の種々の実施形態を読み手が理解することを助けるために識別する目的で使用されるに過ぎず、特許請求の範囲において具体的に記載されない限り、特に本発明の位置、向き又は使用に関して限定するものではない。接合に関する言及(例えば接合される、取り付けられる、結合される、接続される等)は、広範に解釈すべきであり、要素の接続部間の中間部材、及び要素間の相対的な移動を含み得る。したがって、接合に関する言及は、必ずしも2つの要素が直接接続されて互いに固定関係にあることを示唆するものではない。さらに、種々の実施形態を参照して説明された種々の要素を入れ替えて、本発明の範囲内にある全く新しい実施形態を作り出すことができる。