(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コイルブロックに電流が印加されない場合、前記ボビンと前記ベースの間にギャップが形成されていて、前記コイルブロックに電流が印加される時、前記可動子は少なくとも前記ベースから遠くなる第1方向及び前記ベースに近くなるように第2方向に駆動されることを特徴とする、請求項1乃至15のうちいずれかに記載のボイスコイルモーター。
前記ボビンと向かい合う前記ベース、及び前記ボビンと向かい合う前記カーバカンの内側面のいずれか一つまたは全部に衝撃緩衝部材が配置されたことを特徴とする、請求項1乃至17のうちいずれかに記載のボイスコイルモーター。
前記ボビンを上昇させるための上昇制御信号、及び前記ボビンを下降させるための下降制御信号を各々発生させる制御ユニット、及び前記制御ユニットを前記上昇及び下降制御信号に応答して前記コイルブロックに正方向電流及び逆方向電流のうち一つを提供する電流提供ユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項21乃至25のうちいずれかに記載のカメラ。
マグネットが固定されたベースから離隔された所に弾性部材により弾力的に支持されレンズが内臓されたボビンに巻線されたコイルブロックに第1電流を印加して前記ボビンを基準位置に移動させて前記ボビンを整列させるステップ、
前記コイルブロックに前記第1電流を減少させたり、前記第1電流と反対方向に流れる第2電流を印加して前記ボビンを前記基準位置から離隔させるステップ、及び
前記レンズ及び前記ボビンの下部に配置されたイメージセンサモジュールの間に最適フォーカスが形成される時、前記第1電流または前記第2電流の電流量を一定に維持させて前記ボビンを前記最適フォーカスと対応する位置に停止させるステップ、
を実行することを特徴とする、請求項27に記載の携帯電話。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、消費電力量、サイズ及びイメージの品質をより向上させるのに好適な構造を有するボイスコイルモーター及びその駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態として、ボイスコイルモーターは、第1磁場を発生させるマグネットを含む固定子;光が通過する中空が形成されたボビン、及び前記ボビンの外周面に配置され、前記第1磁場と反応する第2磁場を発生させるコイルを含む可動子;前記固定子を固定し、前記光が通過する開口が形成されたベース;及び前記ボビンを弾力的に支持し、前記コイルに電流が印加されない時、前記ボビンの下端と前記ベースの上面との間にギャップを形成する少なくとも一つの弾性部材を含む。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記弾性部材は、前記ボビンの下端に連結された第1弾性部材と、前記ボビンの前記下端と対向する上端に連結された第2弾性部材とを含む。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第2弾性部材は、それぞれ、前記ボビンと結合される内側弾性部と、前記固定子と連関して結合された外側弾性部と、前記内側及び外側弾性部を連結する連結弾性部とを含む。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記内側弾性部は、前記可動子の自重による垂れによって、前記外側弾性部の下部に配置される。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記内側弾性部は、前記可動子の自重による垂れを考慮して、前記外側弾性部より高い位置に配置され、前記第1及び第2弾性部材は、前記ベースの上面と平行に配置される。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記可動子及び前記固定子を覆い、前記ベースに固定されるカバーカンをさらに含み、前記ボビンと向かい合う前記ベース、及び前記ボビンと向かい合う前記カバーカンの内側面のいずれか一つには、衝撃緩衝部材が配置される。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記ボビンと向かい合う前記ベース、及び前記ボビンと向かい合う前記カバーカンの内側面には、それぞれ、第1及び第2衝撃緩衝部材が配置される。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記衝撃緩衝部材は、スポンジ、弾性を有する合成樹脂、及びゴムのいずれか一つを含む。
【0017】
一実施形態として、ボイスコイルモーターは、第1磁場を発生させるマグネットを含む固定子;光が通過する中空が形成されたボビン、及び前記ボビンの外周面に配置され、前記第1磁場と反応する第2磁場を発生させるコイルを含む可動子;前記固定子を固定し、前記光が通過する開口が形成されたベース;及び前記ボビンを弾力的に支持する弾性部材を含み、前記弾性部材によって支持された前記ボビンは、前記第1及び第2磁場によって発生された上昇力によって前記ベースと遠くなる第1方向、及び前記第1及び第2磁場によって発生された下降力によって前記ベースから近くなる第2方向のいずれか一方向に駆動される。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記ボビンが前記第1方向に駆動される時、前記コイルには、正方向電流が印加され、前記ボビンが前記第2方向に駆動される時、前記コイルには、前記正方向電流の流れと反対方向に流れる逆方向電流が印加される。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記コイルの両端間の電圧差を調節して、前記ボビンを前記第1方向及び前記第2方向のいずれか一方向に駆動させる。
【0020】
一実施形態として、ボイスコイルモーターは、第1磁場を発生させるマグネットを含む固定子;光が通過する中空が形成されたボビン、及び前記ボビンの外周面に配置され、前記第1磁場と反応する第2磁場を発生させるコイルを含む可動子;前記固定子を固定し、前記光が通過する開口が形成されたベース;及び前記ボビンを弾力的に支持し、前記ボビンの下端と前記ベースの上面との間にギャップを形成する少なくとも一つの弾性部材;及び前記ボビンを上昇させるための上昇制御信号、及び前記ボビンを下降させるための下降制御信号を、それぞれ発生させる制御ユニット、及び、前記制御ユニットの前記上昇及び下降制御信号に応答して、前記コイルに正方向電流及び逆方向電流のうち一つを提供する電流提供ユニットを含む駆動モジュールを含む。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記電流提供ユニットは、第1及び第2スイッチ素子が直列連結された第1単位回路部と、第3及び第4スイッチ素子が直列連結された第2単位回路部とを含み、前記第1及び第2単位回路部は、電源(power)に対して並列方式で電気的に連結され、前記第1及び第2スイッチ素子の間には、前記コイルの第1端部が連結され、前記第3及び第4スイッチ素子の間には、前記コイルの第2端部が連結される。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記第1及び第4スイッチ素子に前記上昇制御信号が提供されて、前記コイルには前記正方向電流が印加され、前記第2及び第3スイッチ素子に前記下降制御信号が提供されて、前記コイルには前記逆方向電流が印加される。
【0023】
一実施形態として、ボイスコイルモーターの駆動方法は、マグネットが固定されたベースから離隔した所に弾性部材によって弾力的に支持されレンズが内蔵されたボビンに巻線されたコイルに、第1電流を印加して、前記ボビンを基準位置に移動させ、前記ボビンを整列させるステップ;前記コイルに前記第1電流と反対方向に流れる第2電流を印加して、前記ボビンを前記基準位置から離隔させるステップ; 及び前記レンズ及び前記イメージセンサーモジュールの間に最適フォーカスが形成される時、前記第2電流の電流量を一定に維持させ、前記ボビンを前記最適フォーカスと対応する位置に停止させるステップを含む。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記基準位置は、前記ベースの上面、及び前記ボビンを覆うカバーカンの内側面のうちいずれか一つである。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記ボビンを前記基準位置から離隔させるステップにおいて、前記第2電流の電流量は、連続的に増加する。
【0026】
本発明の一実施形態において、前記ボビンを前記最適フォーカスと対応する位置に停止させるステップは、前記ボビンを前記最適フォーカスの位置から外れた所まで移動させるステップと、前記コイルに前記第1電流を再印加して、前記ボビンを前記最適フォーカスの位置に復帰させるステップとを含む
一実施形態として、ボイスコイルモーターの駆動方法は、マグネットが固定されたベースから離隔した所に弾性部材によって弾力的に支持されレンズが内蔵されたボビンに巻線されたコイルに、第1電流を印加して、前記ボビンを基準位置に移動させ、前記ボビンを整列させるステップ;被写体を基準に、レンズ及びイメージセンサーモジュールの間の最適フォーカスを形成するためのデータを算出するステップ;及び前記データと対応し、前記第1電流と反対方向に流れる第2電流を前記コイルに印加して、ボビンを前記データに基づいて前記基準位置から移動させるステップを含む。
【0027】
本発明の一実施形態において、前記第2電流は、一定の強さの電流量を有する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によるボイスコイルモーター及びその駆動方法によれば、レンズが装着されたボビンをイメージセンサーが搭載されたベースの上面から離隔させ、ボビンに巻線されたコイルブロックに正方向電流または逆方向電流を印加して、ボビンを含む可動子をベースから遠くなる方向またはベースに接近する方向に両方向駆動することによって、ボイスコイルモーターの消費全力を減少させ、より速い時間内にレンズとイメージセンサーとの間のフォーカスを調節することができ、ボビンの駆動による接触騷音を減少させることができる効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーターの断面図である。
図2は、
図1の「A」部分拡大図である。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、ボイスコイルモーター600は、固定子100、可動子200、ベース300、及び弾性部材400を含む。
【0032】
固定子100は、ヨーク120とマグネット130とを含む。固定子100は、後述する可動子200を駆動するための第1磁場を発生させる。
【0033】
ヨーク120は、ヨーク上板122とヨーク側面板124と含む。ヨーク120は、後述するマグネット130及び可動子200から発生された磁場を遮蔽する役割、及びマグネット130から発生された磁場のうち、可動子200に向かわない磁場が可動子200に向かうようにして、可動子200の駆動効率を高める。
【0034】
ヨーク上板122は、平面視で、四角プレート状に形成されてもよく、ヨーク上板122の中央部には、後述する可動子200のレンズを露出する開口が形成される。
【0035】
ヨーク側面板124は、ヨーク上板122のエッジから延び、ヨーク側面板124及びヨーク上板122によってマグネット130を収納するための空間が形成される。
【0036】
マグネット130は、複数個がヨーク側面板124の内側面上に固定され、マグネット130は、可動子200を駆動するための第1磁場を発生させる。
【0037】
可動子200は、ボビン210とコイルブロック220とを含み、ボビン210の内部には、レンズバレル及びレンズ230が固定される。可動子200は、固定子100に対して移動し、後述するベース300の下面に配置されるイメージセンサーとレンズ230との間の間隔を調節する。
【0038】
ボビン210は、例えば、中空が形成された円筒状に形成され、ボビン210の内周面には、レンズ230を固定するためのねじ山が形成される。ボビン210の外周面の下端には、後述するコイルブロック220を固定するための段差213が形成される。
【0039】
コイルブロック220は、ボビン210の外周面に固定される。コイルブロック220は、エナメル樹脂などによって絶縁された電線をボビン210の外周面に直接巻線して形成、または電線を円筒状に巻線した後、ボビン210の外周面に接着剤などによって接着して形成してもよい。
【0040】
コイルブロック220は、外部から印加された電流によって第2磁場を発生し、コイルブロック220に印加された電流の方向によって、可動子200と固定子100との間には、引力または斥力が発生する。
【0041】
ベース300は、プレート状に形成されて固定子100を固定し、ベース300の中央部には、可動子200のボビン210の内部に内蔵されたレンズ230を通過した光が通過する開口310が形成される。
【0042】
プレート状に形成されたベース300の上面の4個の角には、それぞれ結合柱320が形成され、結合柱320は、後述するカバーカンとベース300とを結合する役割を果たす。
【0043】
ベース300の後面には、ボビン210のレンズ230を通過した光に対応するイメージを生成するイメージセンサーが固定される。
【0044】
ベース300と固定子100のマグネット130との間には、フレーム状に形成されたスペーサー330が配置される。
【0045】
弾性部材400は、第1弾性部材410と第2弾性部材420とを含む。弾性部材400は、可動子200のボビン210を弾力的に支持する。
【0046】
弾性部材400は、コイル220に電流が印加されない時、ボビン210の下面212とベース300の上面301との間にギャップ(gap;G)を形成する。
【0047】
本発明の一実施形態において、弾性部材400を用いて、コイル220に電流が印加されない時、可動子200をベース300の上面301から離隔させる場合、可動子200は、コイル220に印加される電流の方向の変更によって、ベース300に向かう下部方向、またはベース300と遠くなる上部方向に、両方向駆動することができる。
【0048】
即ち、弾性部材400を用いて、コイル220に電流が印加されない時、可動子200をベース300の上面301から離隔させる場合、可動子200は、静止状態で、前記下部方向または前記上部方向に、両方向駆動することができる。
【0049】
第1弾性部材410は、ベース300と向かい合うボビン210の下面212に弾力的に結合される。
【0050】
第1弾性部材410は、2つからなり、2つからなる第1弾性部材410は、相互電気的に絶縁される。いずれか一つの第1弾性部材410には、コイルブロック220を成す電線の一側端部が電気的に連結され、残りの一つの第1弾性部材410には、コイルブロック220を成す電線の前記一側端部と対向する他側端部が電気的に連結される。
【0051】
図2を参照すると、各第1弾性部材410は、共通に、内側弾性部412、外側弾性部414、及び連結弾性部416を含む。
【0052】
内側弾性部412は、ボビン210の下面212に結合され、外側弾性部414は、スペーサー330によって結合され、連結弾性部416は、内側弾性部412と外側弾性部414とを弾力的に連結する。連結弾性部416は、平面視で、薄くて狭い幅を有する線状の弾性部材をジグザグ状に折り曲げて形成する。
【0053】
各第1弾性部材410の各外側弾性部414は、一部が突出し、突出した部分がベース300の側面に沿って折り曲げられて外部回路基板と電気的に接続される。外部回路基板からは各第1弾性部材410の各外側弾性部414に電流が印加され、各外側弾性部414に提供された電流はコイルブロック220に提供され、これによって、コイルブロック220からは可動子200をアップ−ダウンさせるための前記第2磁場が発生する。
【0054】
第2弾性部材420は、ベース300と向かい合うボビン210の下面212と対向する上面214に弾力的に結合される。
【0055】
第2弾性部材420は、内側弾性部422、外側弾性部424、及び連結弾性部426を含む。
【0056】
内側弾性部422は、ボビン210の下面212と対向する上面214と結合し、外側弾性部424は、ヨーク120のヨーク上板122に配置され、連結弾性部426は、内側弾性部422と外側弾性部424とを連結する。
【0057】
本発明の一実施形態において、可動部200と連結された第1弾性部材410の内側弾性部412及び第2弾性部材420の内側弾性部422は、可動子200の自重及び重力によって外側弾性部414より低い位置に配置される。
【0058】
従って、ボビン210の下面212とベース300の上面301との間のギャップGは、可動子200の自重及び重力による内側弾性部422の垂れを考慮して設定することが好ましい。
【0059】
別の実施形態において、可動子200の自重及び重力による可動子200の垂れが発生しないように、第1及び第2弾性部材410、420の内側弾性部412、422が外側弾性部414、424より高い位置に形成されるように、連結弾性部416、426の形状を変形しても構わない。
【0060】
第1及び第2弾性部材410、420の内側弾性部412、422を、可動子200の自重及び重力による垂れを考慮して、外側弾性部414、424より高い位置に形成する場合、第1及び第2弾性部材410、420は、ベース300の上面301と平行に配置されてもよい。
【0061】
図1を再び参照すると、ボイスコイルモーター600は、カバーカン500をさらに含むことができる。
【0062】
カバーカン500は、可動子200のレンズ230を露出する開口が形成され、ベース300と対応するプレート状に形成された上板510と、上板510のエッジからベース300に向かう方向に延びた側面板520とを含み、側面板520は、ベース300の側面と結合される。
【0063】
図1を再び参照すると、本発明の一実施形態に係る可動子200は、ベース300に向かう第1方向、及び前記第1方向と反対方向である第2方向に、それぞれ駆動可能である。従って、可動子200が前記第1方向または前記第2方向に駆動される途中に、可動子200は、ベース300またはカバーカン500の上板510と衝突することがあり、これによって、第1及び第2弾性部材410、420の形状変形または衝突による騷音が発生し得る。
【0064】
これを防止するために、ボイスコイルモーター600は、第1衝撃緩衝部材340及び第2衝撃緩衝部材350をさらに含むことができる。
【0065】
第1衝撃緩衝部材340は、ボビン210の下面212と向かい合うベース300の上面301に形成され、第2衝撃緩衝部材350は、ボビン210の上面214と向かい合うカバーカン500の内側面に配置される。
【0066】
第1及び第2衝撃緩衝部材340、350は、スポンジ、弾性を有する合成樹脂、及びゴムのいずれか一つを含むことができる。
【0067】
図3は、本発明の一実施形態と比較のための一般のボイスコイルモーターの断面図である。
図4は、
図3のボイスコイルモーターを駆動するための駆動電流量及び移動量の関係を示すグラフである。
【0068】
図3ないし
図4を参照すると、一般のボイスコイルモーター10のボビン及びコイルブロックを含む可動子2は、弾性部材3によって固定子1に弾力的に結合され、可動子2は、可動子2をベース4に向かう方向に押す弾性力を発生させる弾性部材3によってベース4上に配置される。
【0069】
図3において、可動子2には、可動子2を駆動するための駆動電流が印加されない状態である。
【0070】
ベース4の下部に配置されたイメージセンサーと可動子2に含まれたレンズとの間の間隔を広げて、イメージセンサーと可動子2との間のフォーカスを調節するために、可動子2のコイルブロックには電流が印加され、これによって、コイルブロックからは磁場が発生する。
【0071】
コイルブロックから発生した磁場は、固定子1のマグネットから発生した磁場と作用して、ベース4の上部に向かう方向に上昇力を発生させる。前記上昇力は、コイルブロックに印加される電流の強さに比例して増加する。
【0072】
図3及び
図4に示したように、一般のボイスコイルモーター10の可動子2は、可動子2の自重及び弾性部材3が、可動子2を下部に押す弾性力によってコイルブロックに印加される電流量が、
図4のグラフの横軸の起動電流(start current)地点に到逹する前まではベース4から離隔することができない。
【0073】
コイルブロックに印加される電流量が前記起動電流以上である場合、
図4のグラフに示したように、可動子2に印加される上昇力が可動子2の自重及び弾性部材3の弾性力より大きくなるようになり、これによって、可動子2は、ベース4から離隔する。
【0074】
この後、コイルブロックに印加される電流量が連続的に増加し、電流量が
図4のグラフのB地点に到逹するまで、可動子2とベース4との間の間隔は連続的に増加する。
【0075】
一方、可動子2とベース4との間の間隔が増加し続けることによって、弾性部材3の弾性力も増加し、可動子2は、特定の電流量Bでベース4の上面からAだけ離隔される。例えば、コイルブロックに約80mAの電流が提供される場合、可動子2は、特定の位置でそれ以上上昇することができず、止まるようになる。
【0076】
図5は、本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーターを概念的に示す断面図である。
図6は、
図5に示したボイスコイルモーターを駆動するための駆動電流量及び移動量の関係を示すグラフである。
【0077】
図1、
図5及び
図6を参照すると、ボビン210とコイルブロック220とを含む可動子200は、弾性部材400の第1及び第2弾性部材410、420によって固定子100に弾力的に結合し、可動子200は、第1及び第2弾性部材410、420の弾性力よって、コイルブロック220に電流が印加されない時、ベース400の上面から離隔する。
【0078】
ベース400の下部に配置されたイメージセンサーと可動子200に含まれたレンズとの間の間隔を広げるために、可動子200のコイルブロック210には、例えば、正方向電流が印加され、これによって、コイルブロック210からは第1磁場が発生する。
【0079】
コイルブロック210から発生した第1磁場は、固定子100のマグネット130から発生した第2磁場と作用して、ベース400の上部に向かう第1方向に上昇力を発生させる。前記上昇力は、コイルブロック220に印加される正方向電流の強さに比例して増加する。
【0080】
図5及び
図6に示したように、本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーター600の弾性部材410、420は、可動子200に電流が印加されなかった時、可動子200をベース300に向かう方向に加圧しないため、可動子200のコイルブロック220に正方向電流が印加される瞬間、可動子200は、ベース300の上面に対して遠くなる第1方向に上昇し始める。
【0081】
以下、
図6のグラフにおいて、Y軸が正数になる領域の電流は「正方向電流」と正義し、
図6のグラフにおいて、Y軸が負数になる領域の電流は「逆方向電流」と正義する。
【0082】
また、本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーター600の可動子200は、可動子200に正方向電流が印加される以前にベース300から既に離隔された状態であるため、
図4に示した一般のボイスコイルモーターにて、前記A地点に到逹するために必要な電流量80mAの約1/3程度である約25mAの電流量だけでも、前記A地点に到逹することができる。
【0083】
つまり、本発明の一実施形態においては、第1及び第2弾性部材410、420を用いて、コイルブロック220に電流が印加される以前に可動子200がベース300の上面から離隔された状態であるため、より少ない電流量でも可動子200を要求される位置まで上昇させることができる。
【0084】
一方、本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーター600の可動子200をベース300と近くなる第2方向に駆動させるためには、前記正方向電流の代わりに逆方向電流をコイルブロック220に印加する。
【0085】
コイルブロック220に印加された前記逆方向電流によって発生された磁場、及びマグネット130から発生された磁場によって、コイルブロック220には下降力が発生し、下降力によって、可動子200はベース300の上面301に向かう方向に移動し、前記可動子200は、ベース300の上面301上に配置される。
【0086】
図7は、本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーターの可動子を上昇または下降させるための駆動回路を示すブロック図である。
【0087】
図1及び
図7を参照すると、可動子200のコイルブロック220に電流が印加されなかった時、可動子200は、第1及び第2弾性部材410、420によってベース300の上面301から離隔し、ベース300の上面301から離隔された可動子200のコイルブロック220に電流を印加することによって、可動子200は、ベース300の上面301に向かう第1方向または第1方向と反対方向である第2方向に駆動される。
【0088】
可動子200を、前記第1方向または前記第2方向のいずれか一方の方向に駆動するために、ボイスコイルモーター800は、コイルブロック220に印加される電流の流れを変える駆動モジュール700を含む。
【0089】
駆動モジュール700は、制御ユニット710と電流提供ユニット790とを含む。
【0090】
制御ユニット710は、外部回路基板と電気的に連結され、制御ユニット710は、上昇制御信号S1及び下降制御信号S2を発生する。
【0091】
上昇制御信号S1は、ボイスコイルモーター800のボビン210とベース300の上面301との間のギャップを増加させるための制御信号であり、下降制御信号S2は、ボイスコイルモーター800のボビン210とベース300の上面301との間のギャップを減少させるための制御信号である。
【0092】
電流提供ユニット790は、上昇制御信号S1に応答して、コイルブロック220に、可動子200とベース300の上面301との間の間隔を増加させるための「正方向電流」を提供する。これに対し、電流提供ユニット790は、下降制御信号S2に応答して、コイルブロック220に、可動子200とベース300の上面301との間の間隔を減少させるための「逆方向電流」を提供する。
【0093】
電流提供ユニット790は、電源715、第1単位回路部720、及び第2単位回路部730を含む。
【0094】
第1単位回路部720は、第1及び第2スイッチ素子Q1、Q2を含む。本発明の一実施形態において、第1及び第2スイッチ素子Q1、Q2は、それぞれ、入力端、出力端、及びゲートを含むトランジスターであってもよい。第1スイッチ素子Q1の前記出力端は、第2スイッチ素子Q2の前記出力端と連結される。
【0095】
第2単位回路部730は、第3及び第4スイッチ素子Q3、Q4を含む。本発明の一実施形態において、第3及び第4スイッチ素子Q1、Q2は、それぞれ、入力端、出力端、及びゲートを含むトランジスターであってもよい。第3スイッチ素子Q3の前記出力端は、第4スイッチ素子Q4の前記出力端と電気的に連結される。
【0096】
本発明の一実施形態において、第1単位回路部720及び第2単位回路部730は、電源715に対して並列方式で連結される。即ち、第1単位回路部720の第1及び第2スイッチ素子Q1、Q2の前記入力端、及び第2単位回路部730の第3及び第4スイッチ素子Q3、Q4の前記入力端は、それぞれ、電源715から提供された電流が入力される。
【0097】
一方、第1単位回路部720の第1及び第2スイッチ素子Q1、Q2の前記出力端、及び第2単位回路部730の第3及び第4スイッチ素子Q3、Q4の前記出力端には、コイルブロック220を成す電線の一側端、及び前記一側端と対向する他側端が電気的に連結される。
【0098】
動作の側面において、制御ユニット710から出力された上昇制御信号S1は、第1スイッチ素子Q1の前記ゲートと、第4スイッチ素子Q4の前記ゲートとに印加される。制御ユニット710から出力された下降制御信号S2は、第2スイッチ素子Q2の前記ゲート、及び第3スイッチ素子Q3の前記ゲートに、それぞれ電気的に連結される。
【0099】
従って、制御ユニット710から上昇制御信号S1が出力される場合、
図8に示したように、第1スイッチ素子Q1及び第4スイッチ素子Q4の各ゲートに上昇制御信号S1が共に印加される。よって、第1スイッチ素子Q1、コイルブロック220、第4スイッチ素子Q4、及び電源715は、閉回路を成し、これによって、コイルブロック220には「正方向電流」が印加される。
【0100】
コイルブロック220に正方向電流が印加されることによって、ボイスコイルモーター700の可動子200とベース300の上面301との間の間隔は、増加する。
【0101】
一方、制御ユニット710から下降制御信号S2が出力される場合、
図9に示したように、第2スイッチ素子Q2及び第3スイッチ素子Q3の各ゲートに、下降制御信号S2が共に印加される。よって、第3スイッチ素子Q3、コイルブロック220、第2スイッチ素子Q2、及び電源715は、閉回路を成し、これによって、コイルブロック220には「正方向電流」と反対方向に流れる「逆方向電流」が印加される。
【0102】
コイルブロック220に前記逆方向電流が印加されることによって、ボイスコイルモーター700の可動子200とベース300の上面301との間の間隔は、減少する。
【0103】
本発明の一実施形態においては、たとえ4個のスイッチ素子Q1、Q2、Q3、Q4を用いて、コイルブロック220に流れる電流の方向を互いに異なるように制御する構成を図示及び説明しているが、これと異なって、コイルブロック220に流れる電流の方向は、非常に多様な電気素子を用いて変更されてもよい。
【0104】
たとえ本発明の一実施形態においては、4個のスイッチ素子Q1、Q2、Q3、Q4を用いて、コイルブロック220に流れる電流の方向を互いに異なるように制御する構成を図示及び説明しているが、これと異なって、コイルブロック220の両端に電圧をそれぞれ印加し、前記コイルブロック220の両端間の電圧差を調節して、ボビン210を上昇または下降させてもよい。
【0105】
以下、本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーターの駆動方法を説明する。
【0106】
図1及び
図10を参照すると、ボイスコイルモーター700のマグネット130が固定されたベース300の上面301から離隔した所に第1及び第2弾性部材410、420を含む弾性部材400によって弾力的に支持されレンズ230が内蔵されたボビン210に巻線されたコイルブロック220に、逆方向電流FCを印加して、ボビン210を基準位置に移動させる。
【0107】
本発明の一実施形態において、前記基準位置は、ベース300の上面301であってもよい。
【0108】
次いで、コイルブロック220に逆方向電流FCの電流量を増加させてボビン220を前記基準位置から離隔させ、ボビン220が初期位置Sに到逹すると、正方向電流SCを印加する。正方向電流SCは、連続的にまたはステップ状に増加できる。
【0109】
次いで、ボビン210に固定されたレンズ230及びイメージセンサーモジュールの間に要求される最適フォーカスが形成される時、正方向電流FCの電流量を一定に維持させ、ボビン210を前記最適フォーカスと対応する位置に停止させる。
【0110】
ボビン210を前記最適フォーカスと対応する位置に停止させる過程は、ボビン210を前記最適フォーカスの位置から僅かに外れた所まで移動させる過程、及び前記コイルブロック220に正方向電流の電流量を僅かに減少させることでボビン210を前記最適フォーカスの位置に復帰させ、このような微細なフォーカス過程を行って、ボビン210のレンズ230とイメージセンサーモジュールとの間のフォーカスをより微細に調節することができる。
【0111】
次いで、イメージセンサーモジュール及びレンズ230の間には、被写体と最適フォーカスが形成され、イメージセンサーモジュールは、最適フォーカスで被写体のイメージを生成する。
【0112】
一方、
図1及び
図11を参照すると、ボイスコイルモーター700のマグネット130が固定されたベース300の上面301から離隔した所に第1及び第2弾性部材410、420を含む弾性部材400によって弾力的に支持されレンズ230が内蔵されたボビン210に巻線されたコイルブロック220に、正方向電流SCを印加して、ボビン210を基準位置に移動させる。
【0113】
本発明の一実施形態において、前記基準位置は、カバーカン510の上板510の内側面であってもよい。
【0114】
次いで、コイルブロック220に正方向電流SCの電流量を減少させて、ボビン220を前記基準位置であるカバーカン510の上板510から離隔させ、ボビン220が初期位置Sに到逹すると、逆方向電流FCを印加する。逆方向電流FCは、連続的にまたはステップ状に増加できる。
【0115】
次いで、ボビン210に固定されたレンズ230及びイメージセンサーモジュールの間に要求される最適フォーカスが形成される時、逆方向電流FCの電流量を一定に維持させ、ボビン210を前記最適フォーカスと対応する位置に停止させる。
【0116】
ボビン210を前記最適フォーカスと対応する位置に停止させる過程は、ボビン210を前記最適フォーカスの位置から僅かに外れた所まで移動させる過程、及び前記コイルブロック220に前記逆方向電流SCの電流量を僅かに増加させることでボビン210を前記最適フォーカスの位置に復帰させ、このような微細なフォーカス過程を行って、ボビン210のレンズ230とイメージセンサーモジュールとの間のフォーカスをより微細に調節することができる。
【0117】
次いで、イメージセンサーモジュール及びレンズ230の間には、被写体と最適フォーカスが形成され、イメージセンサーモジュールは、最適フォーカスで被写体のイメージを生成する。
【0118】
本発明の一実施形態に係るボイスコイルモーターの駆動方法は、
図1に示したボビン210をベース300の上面301またはカバーカン500の上板510の内側面のいずれか一つに接触させて基準位置を設定し、基準位置からイメージセンサーモジュールと最適フォーカスを成す位置に到逹するまでコイルブロック220に電流を印加して、可動子200とイメージセンサーモジュールとの間のフォーカスを調節する方法を図示及び説明したが、これと異なって、マグネット130が固定されたベース300の上面301から離隔した所に弾性部材400によって弾力的に支持されレンズ230が内蔵されたボビン210に巻線されたコイルブロック220に、第1電流を印加して、ボビン210を基準位置に移動させ、被写体を基準に、レンズ230及びイメージセンサーモジュールの間の最適フォーカスを維持するためのデータを算出し、前記データと対応する電流の電流量を前記コイルブロック220に印加して、ボビン210を前記データに基づいて前記基準位置から移動しても構わない。この時、電流の電流量は、前記データと対応する強さを有し、前記基準位置は、カバーカン510の上板510の内側面またはベース300の上面301であってもよい。
【0119】
以上で、詳細に説明した通り、レンズが装着されたボビンをイメージセンサーが搭載されたベースの上面から離隔させ、ボビンに巻線されたコイルブロックに正方向電流または逆方向電流を印加して、ボビンを含む可動子をベースから遠くなる方向またはベースに接近する方向に両方向駆動することによって、ボイスコイルモーターの消費電力を減少させ、より速い時間内にレンズとイメージセンサーとの間のフォーカスを調節することができ、ボビンの駆動による接触騷音を減少させることができる効果を有する。
【0120】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な範囲の実施が可能であることを理解すべきである。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、次の特許請求の範囲によって定められなければならない。