(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775247
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】集積回路、および集積回路とモータ制御回路とを有するシステム
(51)【国際特許分類】
H02P 29/00 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
H02P5/00 B
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2008-54788(P2008-54788)
(22)【出願日】2008年3月5日
(65)【公開番号】特開2008-228561(P2008-228561A)
(43)【公開日】2008年9月25日
【審査請求日】2011年2月9日
(31)【優先権主張番号】0704439.9
(32)【優先日】2007年3月8日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】300057230
【氏名又は名称】セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・コックス
(72)【発明者】
【氏名】バート・デコック
【審査官】
田村 耕作
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0248305(US,A1)
【文献】
特開2002−112598(JP,A)
【文献】
特開2002−236136(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01460757(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/00
H02P 27/04−27/14
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップモータ(2)の巻線を駆動するためのドライバ(12,13,14,15)を有する集積回路(1)であって、
前記集積回路(1)は、
前記ステップモータのロータ(9)の回転中に、前記ステップモータ(2)の前記巻線(10,11)の両端に生成される逆起電力を用いて測定を行なうための測定手段を備え、
前記測定手段は、複数の入出力端子および複数の駆動端子を有するステップモータドライバ回路(1)を含み、
前記ステップモータドライバ回路は、第1の巻線(10)に結合するための第1のドライバ(12)および第2のドライバ(13)と、第2の巻線(11)に結合するための第3のドライバ(14)および第4のドライバ(15)とを含み、
前記第1のドライバ(12)は、第1の信号(D0)を受信するように結合される第1の入出力端子と、前記第1の巻線(10)に結合するための第1の駆動端子と有し、
前記第2のドライバ(13)は、第2の信号(D1)を受信するように結合される第2の入出力端子と、前記第1の巻線(10)に結合するための第2の駆動端子と有し、
前記第3のドライバ(14)は、第3の信号(D2)を受信するように結合される第3の入出力端子と、前記第2の巻線(11)に結合するための第3の駆動端子と有し、
前記第4のドライバ(15)は、第4の信号(D3)を受信するように結合される第4の入出力端子と、前記第2の巻線(11)に結合するための第4の駆動端子と有し、
前記測定は、ステップモータ制御フィードバック信号として機能し、
前記集積回路はスイッチ(16)を備え、
前記スイッチ(16)は、
制御端子(VS+)と、コモン端子と、前記第1のドライバ(12)に結合された第1の導通端子(nA)と、前記第2のドライバ(13)に結合された第2の導通端子(A)と、前記第3のドライバ(14)に結合された第3の導通端子(B)と、前記第4のドライバ(15)に結合された第4の導通端子(nB)とを有する第1のスイッチと、
制御端子(VS−)と、コモン端子と、前記第1のドライバ(12)に結合された第1の導通端子(nA)と、前記第2のドライバ(13)に結合された第2の導通端子(A)
と、前記第3のドライバ(14)に結合された第3の導通端子(B)と、前記第4のドライバ(15)に結合された第4の導通端子(nB)とを有する第2のスイッチとを含み、
前記集積回路は、
第1および第2の入力と、出力とを有する増幅器(18)とをさらに備え、前記増幅器(18)の第1の入力は、前記第1のスイッチの制御端子(VS+)に結合され、前記増幅器の第2の入力は、前記第2のスイッチの制御端子(VS−)に結合され、
前記集積回路は、
制御端子と、第1および第2の導通端子とを有する第3のスイッチ(20)をさらに備え、前記第3のスイッチの制御端子は前記第3のスイッチを開閉するためのものであり、前記第3のスイッチの第1の導通端子は、前記増幅器(18)の出力に結合され、
前記集積回路は、
第1および第2の端子を有する第1のキャパシタをさらに備え、前記第1のキャパシタの第1の端子は、前記第3のスイッチ(20)の第2の導通端子に結合され、前記第1のキャパシタの第2の端子は、操作電位源(GND)を受けるために結合され、
前記集積回路は、
出力ピン(6)をさらに備え、前記出力ピンを介して前記ステップモータ制御フィードバック信号がアナログ出力信号として利用可能である、集積回路。
【請求項2】
前記測定手段は、前記ステップモータ(2)のロータの回転中に、前記ステップモータ(2)の巻線(10,11)の両端に生成される逆起電力を測定する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
ステップモータの巻線(10,11)を駆動するためのドライバ集積回路を有するシステムであって、前記ドライバ集積回路は、
複数の入出力端子および複数の駆動端子を有するモータドライバ回路(1)を備え、
前記モータドライバ回路(1)は、
第1の巻線(10)に結合するための第1のドライバ(12)および第2のドライバ(13)と、第2の巻線(11)に結合するための第3のドライバ(14)および第4のドライバ(15)とを含み、
前記第1のドライバ(12)は、第1の信号(D0)を受信するように結合される第1の端子と、前記第1の巻線(10)に結合するための第1の駆動端子と有し、
前記第2のドライバ(13)は、第2の信号(D1)を受信するように結合される第2の端子と、前記第1の巻線(10)に結合するための第2の駆動端子と有し、
前記第3のドライバ(14)は、第3の信号(D2)を受信するように結合される第3の端子と、前記第2の巻線(11)に結合するための第3の駆動端子と有し、
前記第4のドライバ(15)は、第4の信号(D3)を受信するように結合される第4の端子と、前記第2の巻線(11)に結合するための第4の駆動端子と有し、
前記モータドライバ回路は、アナログ処理回路(30)をさらに含み、
前記アナログ処理回路(30)は、
入力および出力を有する第5のドライバと、
入力および出力を有する第6のドライバとをさらに含み、
前記第5および第6のドライバの入力はともに結合され、
前記アナログ処理回路(30)は、
制御端子と、第1および第2の導通端子とを有する第1のスイッチをさらに含み、前記第1のスイッチの第1の導通端子は、前記第5のドライバの出力に結合され、
前記アナログ処理回路(30)は、
制御端子と、第1および第2の導通端子を有する第2のスイッチをさらに含み、前記第2のスイッチの第1の導通端子は、前記第6のドライバに結合され、前記第1および第2のスイッチの第2の導通端子は互いに結合され、
前記モータドライバ回路は、
前記第1および第2のスイッチの第2の端子に結合される入力を有するバッファ回路(23)をさらに含み、前記バッファ回路はその入力における電圧をバッファリングし、
前記ドライバ集積回路は、
前記モータドライバ回路の対応する入出力端子に結合された複数の入出力端子を有するモータ制御回路(4)をさらに備え、
前記モータ制御回路(4)は、
入力および出力を有するコイル選択回路(16)と、入力および出力を有する増幅器(18)とを含み、
前記増幅器(18)の入力は、前記コイル選択回路の出力に結合され、
前記ドライバ集積回路は、
それを介してアナログ出力信号が伝達される専用出力ピン(6)をさらに備え、
前記専用出力ピン(6)は前記バッファ回路(23)に結合され、その出力信号は、前記ステップモータ(2)のロータ(9)が回転中に、前記ステップモータ(2)の巻線(10,11)の両端に生成される逆起電力の測定として機能する、システム。
【請求項4】
ステップモータの巻線(10,11)を駆動するための駆動回路を有する集積回路であって、
前記駆動回路は、
複数の入出力端子および複数の駆動端子を有するステップモータドライバ回路(1)を含み、
前記ステップモータドライバ回路(1)は、
第1の巻線(10)に結合するための第1のドライバ(12)および第2のドライバ(13)と、第2の巻線(11)に結合するための第3のドライバ(14)および第4のドライバ(15)とを含み、
前記第1のドライバ(12)は、第1の信号(D0)を受信するように結合される第1の入出力端子と、前記第1の巻線(10)に結合するための第1の駆動端子と有し、
前記第2のドライバ(13)は、第2の信号(D1)を受信するように結合される第2の入出力端子と、前記第1の巻線(10)に結合するための第2の駆動端子と有し、
前記第3のドライバ(14)は、第3の信号(D2)を受信するように結合される第3の入出力端子と、前記第2の巻線(11)に結合するための第3の駆動端子と有し、
前記第4のドライバ(15)は、第4の信号(D3)を受信するように結合される第4の入出力端子と、前記第2の巻線(11)に結合するための第4の駆動端子と有し、
前記ステップモータドライバ回路は、
第1および第2の入力と出力とを有する増幅器(18)と、
スイッチ(16)とをさらに含み、
前記スイッチ(16)は、
制御端子(VS+)と、コモン端子と、前記第1のドライバ(12)に結合された第1の導通端子(nA)と、前記第2のドライバ(13)に結合された第2の導通端子(A)と、前記第3のドライバ(14)に結合された第3の導通端子と(B)、前記第4のドライバ(nB)に結合された第4の導通端子とを有する第1のスイッチと、
制御端子(VS−)と、コモン端子と、前記第1のドライバ(12)に結合された第1の導通端子(nA)と、前記第2のドライバ(13)に結合された第2の導通端子(A)と、前記第3のドライバ(14)に結合された第3の導通端子と(B)、前記第4のドライバ(nB)に結合された第4の導通端子とを有する第2のスイッチをさらに含み、
前記第1のスイッチのコモン端子は、前記増幅器(18)の第1の入力に結合され、
前記第2のスイッチのコモン端子は、前記増幅器(18)の第2の入力に結合され、
前記ステップモータドライバ回路は、
制御端子と、第1および第2の導通端子とを有する第3のスイッチ(20)をさらに含み、前記第3のスイッチの制御端子は、前記第3のスイッチを開閉するためのものであり、前記第3のスイッチの第1の導通端子は、前記増幅器(18)の出力に結合され、
前記ステップモータドライバ回路は、
第1および第2の端子を有する第1のキャパシタ(19)をさらに含み、前記第1のキャパシタの第1の端子は、前記第3のスイッチ(20)の前記第2の導通端子に結合され、前記第1のキャパシタの第2の端子は、操作電位源(GND)を受けるために結合され、
前記ステップモータドライバ回路は、
制御端子と、第1および第2の導通端子とを有する第4のスイッチ(22)をさらに含み、前記第4のスイッチの制御端子は、前記第4のスイッチを開閉するためのものであり、前記第4のスイッチの第1の導通端子は、前記第3のスイッチ(20)の第2の導通端子に結合され、
前記ステップモータドライバ回路は、
第1および第2の端子を有する第2のキャパシタ(21)をさらに含み、前記第2のキャパシタの第1の端子は、前記第4のスイッチ(22)の第2の導通端子に結合され、
前記ステップモータドライバ回路は、
入力および出力を有するバッファ回路(23)をさらに含み、前記バッファ回路の入力は前記第4のスイッチ(22)の第2の導通端子に結合され、前記第2のキャパシタにかかる電圧をバッファリングするように構成され、
前記集積回路は、
それを介してアナログ出力信号が伝達される専用出力ピン(6)をさらに備え、
前記専用出力ピン(6)は前記バッファ回路(23)に結合され、その出力信号は、前記ステップモータのロータ(9)が回転中に、前記ステップモータの巻線(10,11)の両端に生成される逆起電力の測定として機能する、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、電気モータを駆動するために、逆起電力の測定などの、フィードバックを目的とした測定を行なうことができるモータドライバ用集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
背景の説明
当該技術分野は、さまざまなアプリケーション用に使用するのに十分に柔軟性のある機能をできるだけ多く同一の半導体回路上に統合する電気モータドライバ集積回路の利益を認識している。たとえば、センサの付いたモータまたはセンサの付いていないモータを制御するために同一のモータドライバ集積回路が使用され得る。モータを制御するための、当該技術分野に公知の通常のセンサは、ホールセンサまたは光学エンコーダである。柔軟性は、データのフォーマットならびにモータドライバ集積回路に外付けの回路および/またはコンポーネントが利用可能であるデータの量にも関係し得る。このようなデータは性質上アナログである可能性もあればデジタルである可能性もあり、性質上デジタルであれば、データを符号化するために使用されるビットの数は、結果として生じるモータ駆動/制御ループについての所望の特徴の機能の点でアプリケーションごとに異なっている必要があり得る。
【0003】
当該技術分野は、モータのステータにおける巻線の両端で測定される逆起電力(back electromotive force)(BEMF)を使用して、エンスト状態の検出、モータのロータの位置および/または速度の検出、モータの負荷条件の決定…のために使用され得る信号を導き出すことに利点があることを認識している。特に、公開された特許出願第EP−A−1460757号に開示されるように、特定の適用例では、一回のBEMF測定の代わりにいくつかのサンプリング時点においてBEMFを測定および使用することが有利であり得る。
【0004】
SGS−トムソン・マイクロエレクトロニクス(SGS-Thomson Microelectronics)(別名ST)出身のH.サックス(H. Sax)によるアプリケーションノートAN235/0788のステップモータ駆動において、当該技術分野は、第1の集積回路(モータドライバ回路)と第2の集積回路(デジタルもしくは他の態様の制御回路またはデータ処理回路、特にマイクロコントローラまたはマイクロコンピュータチップ)との間の接続部の数を低減することに利益があることも認識している。
【0005】
TRINAMICモーション・コントロールGmbH&Co KG(TRINAMIC Motion control GmbH & Co KG)は、集積回路TMC 249/Aにおいて解決策を提供する。TMC 249/Aのデータシート(2005年8月12日付のバージョン2.02)に記載されるように、モータのエンスト状態を検出するためにモータのBEMFが測定される。BEMF測定値は、シリアルインターフェイスを介して外部のマイクロコントローラと共有され得る3ビットのデジタルインジケータとして利用可能になる。
【0006】
フリースケール・セミコンダクタ(Freescale Semiconductor)は、集積回路MM908E625においてさらに別の解決策を提供する。この集積回路は基本的には、1つのパッケージの中の2つのダイ、すなわちアナログチップおよびデジタル(マイクロコントローラ)チップからなっている。MM908E625のデータシート(2005年9月付の改訂版4.0)に記載されるように、再循環電流の存在および期間を検出することによって間接的にモータのBEMFが測定される。「BEMF出力」と呼ばれる信号は基本的に
は、モータにおける再循環電流が存在するかどうか(イエスかノーか)を示す単一ビットのフラグ(アナログダイに組込まれるアナログ比較器からの2値出力データ)である。このフラグは、再循環位相中の各PWMサイクルで発生し、第2のダイ(組込み式マイクロコントローラ)に接続して集積回路MM908E625内でさらに処理するためにアナログ出力として利用可能になる。「BEMF出力」の情報が時間領域に含まれる(すなわち、パルス「BEMF出力」の期間は再循環電流が存在する期間を示し、これはBemfの量の尺度である)ので、マイクロコントローラはパルスの期間を測定するタイマ回路を備える必要がある。このタイミング情報は次いで、他のデータに変形されることができ、BEMFピンとは別個の出力ピンを使用して、シリアルインターフェイスを介して、外部の回路、特に外部のマイクロコントローラとやり取りされることができる。
【0007】
さらに他の集積回路、すなわちSTによって提供されるST7MCファミリからの集積回路では、BEMFに関連する情報は、単一ビットの2値信号の形態で、外部の回路が使用するための半導体チップの第1の出力ピンで提供される。実際のBEMF信号は、モータドライバ回路と同一の半導体基板に組込まれたマイクロコントローラが利用可能であり、それによって、詳細なBEMF情報を外部の回路に伝送する必要がなくなる。
【特許文献1】特許出願第EP−A−1460757号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当該技術分野に関して改良する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
この発明の目的は、改良された機器または方法を提供することである。この発明の実施例のうちのいくつかは、できるだけ多くの異なるマイクロコントローラと接続でき、モータ制御のためにアナログ時間フィードバックループおよび離散時間フィードバックループの両方において使用でき、さまざまな精度要件(ビット解像度および/または電力損失、コンポーネントの数…)を満たし得る、より柔軟性のある集積された電気モータドライバを提供できる。
【0010】
この発明の第1の局面に従って、電気モータの巻線を駆動するために駆動回路を有する集積回路を提供し、集積回路は、モータ制御フィードバックとして使用するのに好適な、モータの回転中に駆動回路から測定を行なうための手段を備える。集積回路は、モータ制御フィードバック測定値がアナログ出力信号として利用可能である出力接点を有する。
【0011】
アナログ信号は、低い値から高い値までの間(たとえば、接地基準から供給電圧までの間)の値の連続体(電圧または電流)を取り得る。逆に、デジタル信号は低い値または高い値のいずれかであり、解像度がおよそ5mVの、0から5Vの間で変化するアナログ信号を符号化するためにたとえば10ビットが必要である。それらの10ビットは、(より多くのピンおよびより多くの接続部を犠牲にして)並行して伝送されるか、または(帯域幅を犠牲にして)順番に伝送されなければならない。この一般的でないアプローチは、デジタル処理がますます多くなっている通常のトレンドに反する。さまざまな通信プロトコルおよびデータフォーマットを広範囲にわたって実験した後、モータドライバ回路によって得られるモータ負荷関連情報を、上記回路の専用のピンでアナログ信号として利用できるようにすることによって、回路に対して最高の柔軟性が与えられることが分かった。言い換えると、それによって、(1)任意のビット解像度を有するモータ制御ループ、(2)(もしあれば)使用されるマイクロコントローラの処理速度に限定される帯域幅を有するモータ制御ループ、(3)離散時間または連続時間のいずれかであるモータ制御ループの構成が可能になった。
【0012】
アナログフィードバック出力によって、ビット解像度、帯域幅、および離散時間または連続時間制御の選択の点で、モータ制御ループの構成に対してより柔軟性が与えられる。
【0013】
出力ピンで利用可能なアナログ信号は、(モータドライバと同一の半導体基板に組込まれる)1つ以上のアナログおよび/またはデジタル回路によってモータ負荷関連情報を信号処理した結果であり得る。これらの信号処理回路は、順番にまたは並行して信号を処理し得る。2値信号は、上記信号処理回路のどの出力が出力ピンで利用可能になるかを判断し得る。特に、信号処理回路はサンプルホールド回路であり得る。他の信号が考えられるが、多くの場合、モータ負荷関連信号は、モータの動作中に上記モータの巻線において引起される逆起電力(BEMF)である。
【0014】
この発明の別の局面は、集積回路と、アナログ出力信号を受取るように結合されたモータ制御回路とを有するシステムを提供する。
【0015】
この発明の実施例に従う集積回路は、駆動回路を制御するために、アナログ出力信号を受取ってモータ制御信号を発生させるように結合された外部のモータ制御回路とともに使用され得る。
【0016】
この発明の実施例によれば、このシステムは、この発明に従う集積回路と、モータフィードバック測定信号を有するアナログ出力信号を集積回路から受取るように結合されたモータ制御回路とを備える。モータ制御回路は、モータ制御フィードバック信号を使用してモータ制御信号を発生させるように配置されることができ、モータ制御信号は、駆動回路を制御するために集積回路に結合される。
【0017】
いくつかの実施例によれば、モータ制御回路はデジタル回路を含むことができ、システムは、アナログ出力信号をデジタル信号に変換するためのコンバータを有する。
【0018】
特許請求の範囲から逸脱することなく任意のさらなる特徴を追加できる。さらなる特徴はいずれも、ともに組合せることができ、いずれの局面とも組合せることができる。特に他の先行技術に勝る他の利点が当業者に明らかになる。この発明の特許請求の範囲から逸脱することなく数多くの変形および修正を行なうことができる。したがって、この発明の形態は単に例示であり、この発明の範囲を限定するように意図されるものではないことが明らかに理解されるべきである。
【0019】
ここで、この発明をどのように実施し得るかということについて、添付の図面を参照して、一例として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施例の説明
特定の実施例に関して、および特定の図面を参照してこの発明を説明するが、この発明はそれらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載する図面は、単に概略的なものであり、非限定的である。図面中では、いくつかの要素の大きさは、例示の目的で、誇張されている場合があり、一定の比例に応じて描かれているわけではない。寸法および相対寸法は、この発明の実際の具体化に対応していない。
【0021】
なお、特許請求の範囲において使用される「備える」という用語は、その後に列挙される手段/ステップに限定されるように解釈すべきではない。その用語は他の要素またはステップを排除するものではない。したがって、その用語は、参照される記載の特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を明示するものとして解釈すべきであるが、1つ以上の
他の特徴、整数、ステップもしくは構成要素、またはそれらの群の存在または追加を除外するものではない。したがって、「手段AおよびBを備える装置」という表現の範囲は、構成要素AおよびBのみからなる装置に限定されるべきではない。この表現の範囲は、この発明に関して、単に装置の関連する構成要素がAおよびBであることを意味する。
【0022】
ここで、この発明のいくつかの実施例の詳細な説明によってこの発明を説明する。この発明の真の精神または技術的な教示から逸脱することなく当業者の知識に従ってこの発明の他の実施例が構成され得ることは明らかであり、この発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0023】
集積回路についての記載は半導体のダイを含み得る。その場合、出力接点は典型的にはダイの上の接触パッドである。集積回路についての記載はパッケージングされたダイも含み得る。その場合、出力接点は典型的には、ワイヤボンドによって典型的にダイに結合されたピンまたはパッドまたははんだボールまたは類似物である。ダイのパッケージングは、樹脂パッケージング、集積されたまたはディスクリートのダイおよび他のコンポーネントを有する混成回路の一部としてのパッケージングなどを含む任意のタイプのパッケージングを含み得る。したがって、出力接点についての記載は、ダイの上の接触パッド、ワイヤボンド、たとえばピン、はんだパッドまたははんだボールなどの集積回路パッケージ上の接点を含み得る。
【0024】
以下に記載するこの発明の実施例は、上述したように、電気モータの巻線を駆動するために駆動回路を有する集積回路の例を示し、この集積回路は、モータ制御フィードバックとして使用するのに好適な、モータの回転中に駆動回路から測定を行なうための手段を有する。
【0025】
いくつかの実施例のさらなる特徴は、モータ負荷関連もしくはモータ速度関連測定値を含む測定値、またはいくつかの測定を行なうように配置されかつ測定値のうちのどれを出力すべきであるかを選択するための第1の選択回路を有する測定手段を含み得る。
【0026】
別のこのようなさらなる特徴は、アナログ出力信号として出力される前にモータ制御フィードバック測定値を信号処理するための1つ以上のアナログ回路である。
【0027】
別のこのようなさらなる特徴は、いくつかのアナログ回路を有し、アナログ回路のうちのどれを出力接点に結合すべきであるかを選択するための第2の選択回路を有することである。アナログ回路のうちの少なくとも1つはサンプルホールド回路であり得る。
【0028】
モータ制御フィードバック測定は、モータのロータの回転中に上記モータの巻線の両端に発生する逆起電力(BEMF)の測定を含み得る。
【0029】
ここで、先行技術の回路はいくつかの不利な点を被ることが理解されてきた。すなわち、制御ループの帯域幅に制限を課す可能性がある特定の通信インターフェイス(所与のプロトコル、ビットの数、ビットレート…)を使用しなければならないこと、BEMF関連情報を符号化するために予め定められた数のビットを使用しなければならず、結果として生じるモータ駆動装置について達成され得る精度に制限を課すこと、モータ駆動回路と同一のチップ(同一のパッケージまたは同一の半導体基板)の中にあるときに所与の/特定のマイクロコントローラを使用しなければならないことである。
【0030】
ここで、モータドライバ集積回路とマイクロコントローラとの間の接続部の数を低減しながらも、(アナログまたはデジタルであり、特にモータ負荷もしくはBEMF関連信号および一般にはモータ負荷の関数である信号である)信号の特性、(特にモータ負荷また
はBEMF関連信号である)信号を符号化するために使用されるビットの数、モータ駆動装置から期待される必要な帯域幅などにかかわらず、モータ制御アプリケーションの必要性を満たすのに十分に柔軟性があるであろうモータドライバ集積回路による利点が存在し得ることが理解されてきた。
【0031】
図1は、モータ2の巻線における電流を駆動するための回路を有する、モータドライバ回路1の形態の集積回路ICを示す。モータドライバIC1は、回路1および4を連結するデータバス5を介して、データ3をマイクロコントローラなどの別の集積回路4の形態のモータ制御回路とやり取りし得る。回路1は、制御ループにおいてフィードバックとして使用するために駆動回路から測定を行なう。フィードバックは、BEMFの形態であり得る。BEMFの測定は、当該技術分野から公知の任意の方法で行なわれることができるため、ここでは詳細に説明する必要がない。たとえば、BEMFの測定は、巻線の両端の電圧および印加電圧、または巻線を通る電流の測定を含み得る。そのように収集されたBEMF情報は、信号処理(たとえば、フィルタリング、増幅、サンプリング…)されることができ、回路1の専用の出力6で利用可能になる。信号処理は、信号電圧振幅を出力接点の必要な電圧範囲に調整するために必要である可能性があり、
図2に記載するように、たとえばアナログ抵抗分割器による電圧スケーリング、または増幅、または増幅回路によるオフセット補償、またはサンプリングで構成され得る(が、これらに限定されない)。出力接点、たとえば出力ピン6上の処理されたBEMF関連データ7は次いで、データバス5を通過する必要なく直接に外部の回路で利用可能になる。これは、データバス5を介して回路1と回路4との間で情報をやり取りするために使用される通信プロトコルに合わせるためにBEMF関連データ7をフォーマットする必要がもはやないことを意味する。データ7は、性質上アナログであれば、たとえば、所与のモータ駆動アプリケーションの要件を満たすために(公知の技術分野において起こるものに反して)所望の解像度でアナログ・デジタルコンバータ(analog to digital converter)(ADC)8に送られ得る。アナログ・デジタルコンバータ8は、スタンドアローンのコンポーネントである場合もあれば、回路4の一部である場合もある。制御ループの帯域幅は、回路4の処理力およびアナログ・デジタルコンバータ8のデータ変換率に依存する。したがって、任意の所望の帯域幅および精度の制御ループは、(最も)好適なマイクロコントローラおよびアナログ・デジタルコンバータ(両方とも多数のバリエーションがある状態で存在する)を選択することによって実現され得る。いくつかの実施例では、アナログ・デジタルコンバータ8は存在せず、回路4は、バス5に沿って伝送される制御信号を、ピン6で利用可能なアナログ信号から直接に発生させる連続時間アナログ調整器またはフィルタであり得る。
【0032】
図2は、BEMF関連情報がいかに出力6で発生し、共有され得るかを示す。わかりやすくするために、モータ2がバイポーラステップモータである特定の場合について記載するが、この発明をその特定の場合に限定するように意図しているわけではない。バイポーラステップモータの巻線10および11は代替的には、(信号D0からD3を通じて、図示されない回路によって制御される)ドライバ12、13、14および15によって駆動される。ドライバ12、13、14および15は回路1に組込まれる。ドライバはHブリッジを形成するように関連付けられるトランジスタである可能性もあれば、他のモータ駆動構成が使用される可能性もある。一例では、トランジスタは完全なHブリッジの状態のMOSトランジスタである。ロータ9の回転中に、巻線は各回転の割合に対して駆動される。ロータに位置する永久磁石は、ステータにおける巻線10および11にBEMFを引起す。巻線10または11の両端のBEMFは、通電されていないとき(すなわち、ドライバが、巻線を通って電流が流れるようにしていないとき、または巻線の両端に所与の電圧差を課していないとき)に測定することができる。巻線選択信号17によって制御される、スイッチの形態の第1の選択回路16によって、正しい巻線が各回転の異なる部分において選択される(信号17は、
図2に図示されない回路によって、当該技術分野に公知のいくつかの方法で発生し得る)。
【0033】
所与の巻線の両端のBEMFは、増幅器および/またはフィルタ18によって増幅および/またはフィルタリングされ得る。その結果は、スイッチ20、22ならびにサンプリングキャパシタ19および21などの回路の制御下でサンプリングされ、保持される。キャパシタ21の両端で記憶された電圧は、出力ピン6に印加される前にバッファ回路23によってバッファされ得る。
【0034】
スイッチ20および22は、以下に記載するように、2値信号26(サンプルホールド信号としてのSH)、27(POS−ロータの位置に関連する信号)、28(POSと論理的に逆であるNOT POS)、および29(SLAT)の論理的な組合せによって発生する信号の関数として開閉される。たとえば、スイッチ20を開閉させる信号は、ANDゲート25を用いて信号26および27の論理積をとることによって発生する。スイッチ22を開閉させる信号は、ORゲート24を用いて信号28および29の論理和をとることによって発生する。
【0035】
出力ピン6で利用可能な、結果として生じる信号が
図3のグラフに見られる。
図3では、時間は左から右に表わされる。最上部の線は、サンプルホールド回路をトリガする信号SHのタイミングを示す。第2の線は、2値信号POSを示す。第3の線は、SLATを示す。SLAT信号29によって、ユーザは、BEMF信号のサンプルを出力ピン6で連続的に利用できるようにするか、または選択されたサンプルを出力ピン6で保持されるようにするかの間で選択することができる。2値SLAT信号は、任意の適切な手段(たとえば、回路1に接続されたディップスイッチなどの機械スイッチ、回路1自体、回路4によって発生し、通信バス5を介して回路1に送られる制御信号…)によって発生し得る。
【0036】
図3における第4の線は、bemf電圧信号を示し、最下部の線は、信号SLA、すなわちアナログ出力を示す。左側では、SLA出力は「透過的」であり、右側では、この例において出力は周期の終わりにしか更新されない。
【0037】
図4は別の実施例を示す。この場合、アナログ処理回路30は、モータ負荷関連信号を処理するためのいくつかの別個の信号処理回路を有する。これらは、異なる方法で信号を処理し得る。選択回路によるスイッチングまたはミキシングによって、異なる出力を選択できる。選択回路は、選択信号SLATによって駆動され得る。選択された出力は出力接点6に供給される。選択された出力は、
図2に示すように信号処理のために異なる測定値を選択するための選択回路16と組合せることができる。
【0038】
記載してきたように、出力は逆起電力に関連するアナログ信号専用である可能性がある。一方、先行技術は、(a)汎用の通信ポートを通じて出力される前に最初にAD変換される逆起電力信号または(b)専用の出力接点で利用可能になる2値信号(イエス/ノー信号)を発生させるためにしきい値と比較される逆起電力信号を含む。専用の接点の別の選択肢は、共有される接点、たとえば時分割またはたとえば周波数共用による共有である。記載した例は出力を1つしか示さないが、適用例に従って別々のフィードバック信号のために2つ以上の接点を有することが明らかに実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】この発明の実施例に従うモータドライバ集積回路を示す。
【
図2】モータドライバ集積回路の出力ピンで利用可能な信号を発生させるために使用される測定手段の一例を示す。
【
図3】モータドライバ集積回路の動作中に回路のいくつかのノードにおいて発生する信号を示す。
【
図4】モータ負荷および/または速度の関数であるすべての信号への、
図3の回路例の一般化を示す。
【0040】
1 モータドライバ回路
2 モータ
6 出力ピン