【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L’ENERGIE ATOMIQUE ET AUX ENERGIES ALTERNATIVES
【文献】
STRUCTURE,2005年,Vol. 13, No. 5,P. 755-768
【文献】
BIOCHEMICAL JOURNAL,2005年,Vol. 390,P. 29-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
二官能性化合物の2つの活性基が異なり、その2つの基の一方が、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルまたはN−ヒドロキシ−4−スルホ−スクシンイミドエステルである、請求項17または18に記載の方法。
【実施例】
【0132】
実施例I 合成図
I.1 ミニCD4ペプチドと出願WO03/089000(Najjam S. et al., Cytokine 1997, 9(12):1013-1022)に記載されているポリアニオンの間のカップリング法に関する合成図
アミン基と糖の還元末端とのカップリング
【化41】
【0133】
I.2.本発明のカップリング法に関する合成図
(二官能基としてのSMPHを用いた例)
【化42】
マレイミド基の組み込みによるミニCD4活性化法は、任意の化合物と遊離チオール基(SH)またはマスクされたチオール基(例えば、チオアセチル)とのカップリングを可能とする。よって、この活性化されたミニCD4は、ヘパリン(または他のいずれかの多糖)が予めチオール基により誘導体化されている限り、ミニCD4−ヘパリン共有結合複合分子の取得を可能とする。
【0134】
実施例II SMPHまたはSATPを用いた活性化されたミニCD4の化学合成
II.1 ミニCD4の合成
ミニ−ペプチドCD4は、Applied Biosystems 433ペプチド合成装置を用い、Fmoc固相ペプチド合成("Fmoc solid phase peptide synthesis, a practical approach", W. C. Chan and P. D. White編, Oxford University Press, 2000)の方法論に従って合成した。0.1ミリモルのアミド−Fmoc樹脂で始め、Fmocで保護され、HATU/DIEA混合物で活性化された10アミノ酸当量をカップリングすることによりペプチド鎖の段階的伸長を行った。N末端チオプロピオニル基は、ペプチド−樹脂上にSPDP(DMF中1.6当量)をカップリングすることにより導入した。
【0135】
TFA/H
2O/EDT/TIS(94/2.5/2.5/1)による切断の後、冷ジエチルエーテル中での沈殿によりペプチドを回収した。凍結乾燥後、粗ペプチド(156mg)を20%酢酸溶液中のDTT中で一晩還元し、流速20ml/分で60分間にわたってBからA(B=CH
3CN80%/0.08%TFA水溶液20%;A=0.08%TFA水溶液100%)へ30から90%への直線勾配を用い、Nucleoprep C18カラム、20μm、100Å(26×313mm)での逆相MPLCにより精製した。純粋な画分を回収し、凍結乾燥した。次に、このペプチドを一晩GSH/GSSG処理を用いて折りたたみ直した。折りたたみ直されたペプチドを60分間にわたって20から80%への勾配を用いてMPLCにより精製し、8.7mgのミニ−CD4を得た。純度(93.5%)は、流速1ml/分で20分間にわたって0.08%TFA水溶液中25から35%CH
3CNへの直線勾配を用い、NucleosilカラムC18、5μm、300Å(4.6×150mm)での分析的逆相HPLCにより確認した(保持時間=15.44分)。
ES
+MS:2896.32±0.23;予測値:2896.49;収率:5.5%
【0136】
II.2 SMPHで活性化されたミニ−CD4
リン酸バッファーpH=8中、4SMPH当量を反応させることによりミニ−CD4の片側のLys鎖にマレイミド基を導入した。反応はHPLCにより制御した。15分後に100%のカップリングが達成される。流速6ml/分で20分間にわたって0.08%TFA水溶液中25から45%CH
3CNへの直線勾配を用い、逆相HPLC用半分取Nucleosil C18カラム、5μm、300Å(10×250mm)にて精製した後、SMPHで活性化されたミニ−CD4の最終純度(97.7%)は、25から45%への直線勾配を用いる分析的RP−HPLC(保持時間=13.21分)により制御した。
ES
+MS:3160.83±0.29;予測値:3160.78;収率:1.9mg(67%)
【0137】
SMPHで活性化されたミニCD4ペプチドの最終的なHPLCのエルグラム
約2mg/ml
注入量 5μl ds 25−45
サンプル名:FBX13082−190
表面積率%:
ソート手段:シグナル
濃縮率:1.0000
希釈率:1.0000
濃縮率および希釈率を内部標準とともに使用
シグナル1:DADI A、Sig=230.4 Ref=off
【0138】
【表1】
改良型積算計を用いて結果を得た。
【0139】
SMPHで活性化されたミニCD4ペプチドの質量スペクトル
+Q1 MCM(10スキャン)の高質量算出のコピー:FBX13082−190/InfMSpo/c/03/08/05から
高質量算出に用いた基準
エージェント:質量:1.0079、電荷:1、エージェント ゲイン
電荷推定値の許容度:0.1000
質量推定値間の許容度:20.000
【0140】
【表2】
推定最終質量:3160.83
標準偏差:0.29
【0141】
II.3 SATPで活性化されたミニ−CD4活性化された
リン酸バッファーpH=8中、1SATP当量を反応させることにより、ミニ−CD4の片側のLys鎖にチオアセチル基を導入した。反応はHPLCにより制御した。3分後に46%のカップリングが達成される。流速6ml/分で20分間にわたって0.08%TFA水溶液中20から40%CH
3CNへの直線勾配を用い、半分取逆相HPLC用Nucleosil C18カラム、5μm、300Å(10×250mm)にてSATPで活性化されたミニ−CD4を単離した。SATPで活性化されたミニ−CD4の最終純度(100%)は、25から45%への直線勾配を用いる分析的RP−HPLC(保持時間=13.88分)により制御した。
ES
+MS:3027.31±0.41;予測値:3027.66。このカップリング反応を1回行い、2当量のSATPを直接加えることにより至適化することができた。
【0142】
SATPで活性化されたミニCD4ペプチドの最終的なHPLCエルグラム
20分で25−45
サンプル名:FBX13082−168−2
表面積率%:
ソート手段:シグナル
濃縮率:1.0000
希釈率:1.0000
濃縮率および希釈率を内部標準とともに使用
シグナル1:DADI A、Sig=230.4 Ref=off
【0143】
【表3】
改良型積算計を用いて結果を得た。
【0144】
SATPで活性化されたミニCD4ペプチドの質量スペクトル
+Q1 MCA(10スキャン)の高質量算出のコピー:FBX13082−186−2/Infpo/c/29/07/05から
高質量算出に用いた基準
エージェント:、質量:1.0079、電荷:1、エージェント ゲイン
電荷推定値の許容度:0.1000
質量推定値間の許容度:20.000
【0145】
【表4】
推定最終質量:3127.31
標準偏差:0.41
【0146】
実施例III 確定した位置にリシン残基を1つおよび1つだけ含む一般配列(I)の選択の妥当性
確定した位置にリシン残基を1つおよび1つだけ含む一般配列(I)の選択の妥当性を、EZ−リンク−NHS−(PEO)4−ビオチンPIERCE試薬(Rockford, IL)を用い、(PEO)4−ビオチンによりLys上で誘導体化されたミニCD4ペプチドの合成によりバリデートした。
【0147】
一般配列(I)の確定した位置にこのビオチン誘導体を導入してもgp120とミニCD4の結合は変わらない(
図2のBiacore測定を参照)。
【0148】
これらの種々の合成方法は最適化しなかった。より良い収率を達成することができるはずである。
【0149】
実施例IV PEO
2リンカーを介してマレイミドで活性化されたミニ−CD4(ミニCD4−PEO
2−mal)の化学合成(
図3参照)
mCD4−PEO
2−マレイミドは、化合物mCD4−SMPHと、リンカーのタイプという点で異なる。溶解度の理由で、親水性の高いポリエチレンオキシド(PEO
2)リンカーをミニCD4とマレイミド基の間に組み込んだ。
【0150】
合成:1 mlのH
2O中、10mgのmCD4(MW:2897;3.4ミリモル)の溶液を1mlのリン酸バッファー0.1M pH8に希釈した。20μlのDMSO中、この曇りのある溶液に、攪拌しながら4.5mgのNHS−PEO
2−マレイミド(MW:325;13.8ミリモル;4当量)を加えた。10分後、85%(HPLC)の出発材料がマレイミド誘導体に変換された。pH8でのマレイミド基の安定性が低いために、このカップリング反応物をそのまま、0.08%TFA水溶液中10%のCH
3CNで較正したSepaK C18カラムにロードした。マレイミド誘導体を50%CH
3CNで溶出した。凍結乾燥後、次に、この化合物を半分取カラムで精製した。収量:5.2mg(48%)、最終純度:77%。
ES+:3205.3938(予測モノアイソトピックM:3205.4211)、QTOF Micro Waters MaxEntl。
【0151】
HPLC条件:
分析的:Nucleosil 5C18 300Å(4.6×150mm);流速1ml/分で20分間にわたって0.08%TFA水溶液中25から45%CH
3CNへの直線勾配。検出:230nm。mCD4Rt=10.7分;mCD4−PEO
2−Mal Rt=12.8分。
半分取:Nucleosil 5C18 300Å(10×250mm);流速6ml/分で20分間にわたって0.08%TFA水溶液中25から45%CH
3CNへの直線勾配。
検出:230nm。mCD4−PEO
2−Mal Rt=11.4。
【0152】
実施例V 本発明の複合分子の化学合成
V.1.合成図
【化43】
スキーム1:二糖構成ブロック1(m=5)への保護されたアミノリンカーの導入
a)TMSOTf、4Å、CH
2Cl
2、−40〜−10℃、79%(α/β:2/8)
b)TFA、CH
2Cl
2、RT、93%
【化44】
スキーム2:保護されたオリゴ糖5、8および10の合成
a)TMSOTf、4Å、CH
2Cl
2、−40〜−10℃、80%
b)TFA、CH
2Cl
2、RT、93%の6、91%の9
c)7(1.3当量)、TBDMSOTf、4Å、CH
2Cl
2、−40〜−10℃、10%の未反応6を伴う78%の8、6%の未反応9を伴う85%の10
【化45】
スキーム3:硫酸化されたオリゴ糖15、18および19の製造
a)K
2CO
3、MeOH/CH
2Cl
2(10/4)、0℃、13%の11bを伴う71%の11a、17%の12bを伴う80%の12
b)1,3−プロパンジチオール、NEt
3、MeOH、75%(12)、86%(13)
c)ピリジン・SO
3、ピリジン、16時間RT、20時間55℃、51%(15)、52%(16)
d)LiOH、H
2O
2、24時間RT、50%(17);KOH、H
2O
2、48時間37℃、51%(18)
e)Pd(OH)
2、リン酸バッファー水溶液0.1M pH7.0/tBuOH(6/2)、定量的(19)
【0153】
V.2.有機分子(多糖)の化学合成
化合物1、2および7は、Lubineau et al. (Chem. Eur. J. 2004, 10, 4265-4282)およびWO2004/000887に従って合成される。
化合物3:5−(アセトアミド−N−ベンジルオキシカルボニル)ペンチル(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−(4−メトキシベンジル)−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド
【化46】
アクセプター2(50mg、0.18mmol、2当量)およびイミデート1(83mg、0.09mmol)をトルエンとともに共沸乾燥させ、乾燥CH
2Cl
2(400μL)に溶解させた。粉末4Åモレキュラーシーブス(300mg)を加え、この混合物をアルゴン下、室温で30分間攪拌した。この溶液を−40℃まで冷却し、TMSOTf(CH
2Cl
2中0.2M、90μL、0.018mmol、0.2当量)を加えた。この反応物をこの温度で15分間攪拌した後、30分かけて−10℃まで昇温した。次に、この反応物をNEt
3溶液(CH
2Cl
2中0.2M、180μL、0.036mmol、0.4当量)で急冷した。この溶液を濾過した後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/AcOEt 6:1から1:1)により精製し、二糖3のαアノマーとβアノマー(76mg、79%)をα/β≒2/8の比率で別個に得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3)δ = 7.43-7.23 (m, 15 H, Ph) , 7.13 (d, J = 8.5 Hz, 2H,
Ph-OMe), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 2H,
Ph-OMe) , 5.25 (d, J1, 2 = 4.5 Hz, IH, H-1
B) , 5.23 (s, 2H, CH
2Ph(CbZ)) , 4.87 (t, J
1,2 = J
2,3 = 4.5 Hz, 1 H, H-2
B) , 4.82 (d, J = 11.0 Hz, 1 H, CH
2Ph), 4.73 (d, J
5,4 = 4.0 Hz, 1 H, H-5
B) , 4.71 (d, J = 11.0 Hz, 1 H, CH
2Ph) , 4.70 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH
2Ph) , 4.64 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH
2Ph) , 4.46 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH
2Ph), 4.42 (dd, J
6a,6b = 11.5 Hz, J
6a,5 = 2.0 Hz, 1.5 H, H-6a
A) , 4.40 (d, J = 11.5 Hz, 1 H, CH
2Ph) , 4.21 (d, J1, 2 = 7.5 Hz, 1 H, H-1
A) , 4.18 (dd, J
6a,6b = 11.5 Hz, J
6b,5 = 4.0 Hz, 1 H, H-6b
A) , 3.93 (t, J
4,5 = J
4,3 = 9.5 Hz, 1 H, H-4
A) , 3.85 (dt, J
a,a’ = 9.5 Hz, J
a,b = 6.5 Hz, 1H, H-a) , 3.81 (t, J3, 4 = J4, 5 = 4.0 Hz, 1 H, H-4<B>) , 3.80 (s, IH, PhOMe), 3.76 (dd, J2, 3 = 4.5 Hz, J
3,4 = 4.0 Hz, IH, H-3
B) , 3.80-3.74 (m, 2H, H-e), 3.55 (s, 3H, COOMe), 3.52-3.38 (m, 2 H, H-a' および H- 5
A) , 3.35 (dd, J
2,3 = 10.0 Hz, J
2,1 = 7.5 Hz, 1 H, H-2
A) , 3.31 (t, J3, 2 = J
3,4 = 9.5 Hz, 1 H, H-3
A) , 2.50 (s, 3 H, CH
3 NAc) , 2.06 (s, 3 H, CH
3 OAc) , 2.03 (s, 3 H, CH
3 OAc) , 1.68-1.48 (m, 4 H, H-b および H-d) , 1.43-1.28 (m, 2 H, H-c) ;
13C NMR (100.6 MHz, CDCl
3) δ = 172.8, 170.7, 170.0, 169.8 (C=O) , 159.4 (C-OMe, pMBn) , 138.1, 137.9, 135.1, 135.0 (C第4級芳香族) , 129.6, 129.4, 129.0, 128.9, 128.7, 128.6, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 127.9, 127.8, 127.4 (C芳香族) , 113.7 (C
m PMBn) , 102.1 (C-1
A) , 97.9 (C-1
B) , 80.9 (C-3
A) , 75.3 (C-4
A) , 74.9 (CH
2Ph) , 74.8 (C-4
B) , 74.4 (C-3
B) , 73.1 (C-5
A) , 73.0 (CH
2Ph) , 72.4 (CH
2Ph) , 70.5 (C-5
B) , 70.1 (C-2
B) , 70.0 (CH
2-a) , 68.4 (CH
2Ph Cbz) , 66.2 (C-2
A) , 62.2 (C-6
A) , 55.2 (CH
3, COOMe) , 51.8 (CH
3, COOMe) , 44.0 (CH
2-e) , 29.0 (CH
2-b) , 28.2 (CH
2-d) , 26.8 (CH
3, NAc) , 23.1 (CH
2-C) , 20.9, 20.8 (CH
3, OAc) ;
C
54H
64N
4O
17Naに関するESI HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:1063.4159、実測値:1063.4171。
【0154】
化合物4:5−(アセトアミド−N−ベンジルオキシカルボニル)ペンチル(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−1−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド
【化47】
乾燥CH
2Cl
2(1.6mL)中、二糖3(125mg、0.12mmol)の溶液に、TFA(160μL、2.16mmol、18当量)をゆっくり加え、得られた紫の溶液をアルゴン下で1時間攪拌した。次に、NEt
3(350μL)を加え、得られた溶液を濃縮した。残渣のフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/AcOEt85:15から35:65)により、所望の二糖4(103mg、93%)を得た。
1H NMR (360 MHz, CDCl
3) δ = 7.45-7.22 (m, 15 H, Ph) , 5.20 (s, 2H, C
H2Ph(CbZ) ) , 5.03 (br.s, 1H, H-1
B) , 4.92 (d, J5, 4 = 1.5 Hz, 1 H, H-5
B) , 4.88 (br.s, 1 H, H-2
B) , 4.72 (d, J = 11.5 Hz, 1 H,
CH2Ph) , 4.71 (d, J = 11.5 Hz, 1 H,
CH2Ph) , 4.66 (d, J = 11.5 Hz, 1 H,
CH2Ph) , 4.60 (d, J = 11.5 Hz, 1 H,
CH2Ph) , 4.42 (d, J
6a,6b = 12.0 Hz, J
6a,5 = 2.0 Hz, 1 H, H-6a
A) , 4.20 (d, J
1,2 = 8.0 Hz, 1 H, H-1
A) , 4.15 (d, J
6a,6b = 12.0 Hz, J
6b,5 = 4.0 Hz, 1 H, H-6b
A) , 3.95 (br. d, J
4,OH = 10.5 Hz, 1 H, H-4
B) , 3.90-3.84 (m, 1 H, H-a) , 3.82 (t, J
4,5 = J4, 3 = 10.0 Hz, 1 H, H-4
A) , 3.74-3.66 (m, 3 H, H- 3
B および H-e) , 3.49-3.32 (m, 5 H, δ=3.47においてsを含む, PhO
Me, H-a' および H-5
A) , 3.36 (dd, J
2,3 = 10.0 Hz, J
2,1 = 8.0 Hz, 1 H, H- 2
A) , 3.23 (t, J
3,2 = J
3,4 = 10.0 Hz, 1 H, H-3
A) , 2.59 (d, J
OH,4 = 10.5 Hz, 1 H, OH) , 2.46 (s, 3 H,
CH3 NAc) , 2.05 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 2.04 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.65-1.53 (m, 2 H, H-b) , 1.51 (q, J
c,d = J
c,d = J
e,d = 7.5 Hz, 2 H, H-d) , 1.41-1.30 (m, 2 H, H-c) ;
13C NMR (100.6 MHz, CDCl
3) δ = 172.8, 170.5, 169.4, 169.1 (C=O) , 137.9, 137.2, 135.1 (C第4級芳香族) , 128.6, 128.4, 128.2, 128.1, 127.9, 127.4 (C芳香族) , 102.2 (C-1
A) , 98.0 (C-1
B) , 81.0 (C-3
A) , 74.8 (C-4
A) , 74.6 (
CH2Ph) , 74.4 (C-3
B) , 73.1 (C-5
A) , 72.3 (
CH2Ph) , 69.9 (
CH2-a) , 68.5 (C-5
B) , 68.4 (
CH2Ph Cbz) , 67.7 (C-4
B) , 67.2 (C-2B) , 66.4 (C-2
A) , 62.2 (C-6
A) , 52.0
(CH3, COOMe) , 43.9 (
CH2-e) , 29.0 (
CH2-b) , 28.2 (
CH2-d) , 26.8 (
CH3, NAc) , 23.1
(CH2-C) , 20.9, 20.8 (
CH3, OAc) ;
C
46H
56N
4O
16Naに関するESI HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:943.35890、実測値:943.36018。
【0155】
化合物5:5−(アセトアミド−N−ベンジルオキシカルボニル)ペンチル[(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−(4−メトキシベンジル)−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸)メチル]−(1→4)−O−6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド
【化48】
アクセプター4(80mg、0.087mmol)およびイミデート1(107mg、0.12mmol、1.3当量)をトルエンとともに共沸乾燥させ、乾燥CH
2Cl
2(360μL)に溶解させた。粉末4Åモレキュラーシーブス(280mg)を加え、この混合物をアルゴン下、室温で30分間攪拌した。この溶液を−40℃まで冷却し、TMSOTf(CH
2Cl
2中0.2M、89μL、0.017mmol、0.2当量)を加えた。この反応物をこの温度で15分間攪拌した後、30分かけて−10℃まで昇温した。次に、この反応物をNEt
3溶液(CH
2Cl
2中0.2M、180μL、0.035mmol、0.4当量)で急冷した。この溶液を濾過し、Sephadex LH−20クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:1)の上に適用した。四糖5を含有する画分をプールし、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/AcOEt 85:15から35:65)により精製し、四糖5(116mg、80%)を得た。
1H NMR (360 MHz, CDCl
3) δ = 7.37-7.14 (m, 25 H, Ph) , 7.06 (d, J = 8.5 Hz, 2 H,
Ph-OMe), 6.76 (d, J = 8.5 Hz, 2 H,
Ph-OMe) , 5.20 (d, J1, 2 = 5.5 Hz, 1H, H-1
B) , 5.16 (s, 2H,
CH2Ph(CbZ)) , 5.14 (d, J
1,2 = 3.5 Hz, 1 H, H-1
D) , 4.83 (d, J = 10.0 Hz, 1 H,
CH2Ph) , 4.86-4.79 (m, 2 H, H-2
D および H-1
c ) , 4.79 (t, J
2,3 = J
2,1 = 5.5 Hz, 1 H, H-2
B) , 4.69 (d, J = 10.5 Hz, 1 H,
CH2Ph) , 4.71-4.62 (m, 4 H, H-5
D, 2
CH2Ph) , 4.59 (s, 2H,
CH2Ph) , 4.55 (d, J = 10.5 Hz, 1 H,
CH2Ph) , 4.52 (d, J
5,4 = 5.0 Hz, 1 H, H-5
B) , 4.39 (d, J = 11.5 Hz, 1 H,
CH2PhOMe) , 4.38-4.34 (m, 1 H, H-6a
A) , 4.35 (d, J = 11.5 Hz, 1 H,
CH2PhOMe) , 4.28 (d, J
6a,6b = 12.0 Hz, 1 H, H-6a
c) , 4.14 (d, J
1,2 = 7.5 Hz, 1 H, H-1
A) , 4.14-4.10 (m, 1 H, H-6b
A) , 4.08 (dd, J
6b,6a = 12.0, J
6b,5 = 2.5 Hz, 1 H, H-6b
c) , 3.92 (t, J
4,3 = J4, s = 4.0 Hz, 1 H, H-4
D) , 3.88 (t, J
4,5 = J
4,3 = 9.0 Hz, 1 H, H-4
C) , 3.83 (t, J
3,4 = J
3,2 = 4.0 Hz, 1 H, H-3
D) , 3.78 (t, J
4,5 = J
4,3 = 10.0 Hz, 1 H, H-4
A) , 3.81-3.62 (m, 9 H, δ=3.73においてsを含む, H-a, H-5
C, H-4
B, PhO
Me, H-3
B および H-e) , 3.58 (dd, J
3,2 = 10.0, J3, 4 = 9.0 Hz, 1 H, H-3
C) , 3.49 (s, 3 H, COO
Me) , 3.42 (s, 3 H, COO
Me) , 3.42-3.31 (m, 2 H, H-5
A および H-a' ) , 3.29 (dd, J
2,3 = 9.5, J
2,1 = 7.5 Hz, 1 H, H-2
A) , 3.22 (dd, J
2,3 = 10.0, J
2,1 = 3.5 Hz, 1 H, H-2
C) , 3.21 (dd, J
3,4 = 10.0, J
3,2 = 9.5 Hz, 1 H, H-3
A) , 2.42 (s, 3 H,
CH3 NAc) , 2.03 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.98 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.96 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.95 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.61-1.48 (m, 2 H, H-b) , 1.47 (q, J
c,c = J
c,d = J
e,d = 7.5 Hz, 2 H, H-d) , 1.28 (m, 2 H, H-c) .
13C NMR (100.6 MHz, CDCl
3) δ = 159.5 (
C-OMe, pMBn) , 138.0, 137.8, 137.2 (C第4級芳香族) , 129.6, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.0, 127.9, 127.8, 127.5 (C芳香族) , 113.8 (C
m pMBn) , 102.2 (C-1
A) , 98.0 (C-1
D) , 97.9 (C-1
B) , 97.4 (C-1
c) , 81.0 (C-3
A) , 77.9 (C-3
C , 75.6 (C-4
C) , 75.5 (C-3
B) , 75.3 (C-4
B および C-4
A) , 75.0 (
CH2Ph) , 74.8 (
CH2Ph) , 73.7 (C-3
D) , 73.5 (
CH2Ph) , 73.3 (
CH2Ph) , 73.1 (C-5
A) , 72.9 (C-4
D) , 72.6 (
CH2 pMBn) , 71.2 (C-5
B) , 71.0 (C- 2
B) , 70.0 (
CH2-a) , 69.7 (C-5
C) , 69.3 (C-5
D) , 68.8 (C-2
D) , 68.4 (
CH2Ph Cbz ) , 66.2 (C-2
A) , 62.8 (C-2
C) , 62.2 (C-6
A) , 61.7 (C-6
C) , 55.3 (
CH3, OMe pMBn) , 52.0 (
CH3, COOMe) , 51.7 (
CH3, COOMe) , 44.1 (
CH2-e) , 29.1 (
CH2-b) , 28.3 (
CH2-d) , 26.8 (
CH3, NAc) , 23.1 (
CH2- c) , 20.9, 20.7 (
CH3, OAc) ;
IR (薄膜) : v = 3021 (V
c-H 芳香族) , 2948, 2933, 2833 (V
c-H 脂肪族) , 2110 (V
N3) , 1741 (V
c-c) , 1618, 1550, 1509, 1452, 1369, 1227;
[α]D
28 = - 8.0833 (c = 1.2, CH
2Cl
2において);
C
85H
99N
7O
29Naに関するESI HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:1704.63849、実測値:1704.63252。
【0156】
化合物8:5−(アセトアミド−N−ベンジルオキシカルボニル)ペンチル[(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−(4−メトキシベンジル)−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)]−(1→4)−O−6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド
【化49】
四糖5(110mg、0.065mmol)を、二糖3に関して上記したように、CH
2Cl
2(850μL)中のTFA(87μL、1.18mmol)で処理し、95mgの四糖6を得た(93%)。アクセプター6(95mg、0.061mmol)およびイミデート7(123.5mg、0.079mmol、1.3当量)をトルエンとともに共沸乾燥させ、乾燥CH
2Cl
2(900μL)に溶解させた。粉末4Åモレキュラーシーブス(325mg)を加え、この混合物をアルゴン下、室温で30分間攪拌した。この溶液を−40℃まで冷却し、TBDMSOTf(CH
2Cl
2中0.2M、60μL、0.012mmol、0.2当量)を加えた。この反応物をこの温度で15分間攪拌した後、30分かけて−10℃まで昇温した。次に、この反応物をNEt
3溶液(CH
2Cl
2中0.2M、120μL、0.024mmol、0.4当量)で急冷し、この温度で15分間攪拌した。次に、この溶液をそのままSephadex LH−20クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:1)の上に適用し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/AcOEt 85:15から35:65)により精製し、八糖8(141mg、78%)を10mgの未反応アクセプター6(10%)とともに得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ = 7.45-7.10 (m, 47 H, Ph) , 6.75 (d, J = 8.5 Hz, 2 H,
Ph-OMe) , 5.22 (d, J
1,2 = 5.5 Hz, 1H, H-1
B) , 5.21 (d, J
1,2 = 5.5 Hz, 2 H, H-1
D および H-1
F) , 5.14 (s, 2H,
CH2Ph (Cb
Z) ) , 5.13 (d, J
1,2 = 3.5 Hz, 1 H, H-1
H) , 4.89 (d, J
1,2 = 3.0 Hz, 2 H, H-1
c または H-1
E または H-1
G および H-1
E または H-1
G または H-1
c) , 4.86-4.77 (m, 6 H, H-1
G または H-1
c または H-1
E, H-2
B, H-2
D, H-2
F, H-2
H および
CH2Ph) , 4.78 (d, J = 11.0 Hz, 2 H,
CH2Ph) , 4.72-4.53 (m, 14 H, δ=4.79においてsを含むH-5
H, 13X
CH2Ph) , 4.50 (d, J = 5.0 Hz, 2 H, H-5
D および H-5
F , 4.48 (d, J = 5.0 Hz, 1 H, H-5
B) , 4.38 (d, J = 11.0 Hz, 1 H,
CH2PhOMe) , 4.35 (d, J = 11.0 Hz, 1 H,
CH2PhOMe) , 4.39-4.26 (m, 3 H, H-6a
A H-6a
c および H-6a
E) , 4.26 (d, J
6a,6b = 11.0 Hz, 1 H, H-6a
G) , 4.13 (d, J
1,2 = 8.0 Hz, 1H, H-1
A) , 4.15-4.03 (m, 4 H, H-6b
A, H- 6b
c, H-6b
E および H-6b
G) , 3.96-3.88 (m, 3 H, H-4
H, H-4
F および H-4
D) , 3.90-3.68 (m, 16 H, δ=3.71においてsを含む, H-4
G, H-3
D, H-3
F, H-3
H, H-4
E, H-4
C, H-4
A, H-a, H-5
G, H-5
C, H-5
E, H-4
B, PhO
Me および H- 3
B) , 3.65 (br t, J
d,e = 7.5 Hz, 2 H, H-e) , 3.61-3.50 (m, 3 H, H- 3
G, H-3
E および H-3
C) , 3.50 (s, 3 H, COO
Me) , 3.47 (s, 3 H, COO
Me) , 3.45 (s, 3 H, COO
Me) , 3.41 (s, 3 H, COO
Me) , 3.41-3.31 (m, 2 H, H-a' および H-5
A) , 3.28 (dd, J
2,3 = 9.5, J
2,1 = 8.0 Hz, 1 H, H-2
A) , 3.24-3.15 (m, 4 H, δ=3.20においてsを含むH-3
A, H-2
C, H-2
E および H-2
G) , 2.40 (s, 3 H,
CH3 NAc) , 2.01 (s, 6 H,
CH3 OAc) , 2.00 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.96 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.94 (2 s, 6 H,
CH3 OAc) , 1.93 (s, 6 H,
CH3 OAc) , 1.57-1.46 (m, 2 H, H-b) , 1.46 (q, J
c,d = J
e,d = V.5 Hz, 2 H, H-d) , 1.33-1.22 (m, 2 H, H-c) ;
13C NMR (100.6 MHz, CDCl
3) δ = 170.7, 170.6, 169.9, 169.7, 169.5, 169.3 (C=O) , 159.5 (
C-OMe, pMBn) , 137.9, 137.8, 137.7, 137.6, 137.4, 137.3 (C第4級芳香族) , 129.6, 129.3, 128.6, 128.5, 128.4, 128.2, 127.8, 127.6 (C芳香族) , 113.8 (C
m pMBn) , 102.1 (C-1
A) , 98.0 (C-1
H) , 97.9 (C-1
B, C-1
D および C-1
F) , 97.7 (C-l
C または E または G および C-1
E または G またはC) , 97.1 (C-1
G または C または E) , 80.9 (C-3
A) , 77.9, 77.8, 77.7 (C-3
C, C-3
E および C-3
G) , 75.7 (C-3
B および C-4
G) , 75.6 (C-4
A および C-4
B) , 75.5 (C-4
C または E) , 75.4 (C-3
D または F および C-4
C または E) , 75.2 (C-3
D または F) , 75.0 (2x
CH2Ph) , 74.8 (4x
CH2Ph) , 74.1 (
CH2Ph) , 74.0 (
CH2Ph) , 73.6 (C-3
H および
CH2Ph) , 73.5, 73.4 (C-4
D and C-4
F) , 73.2 (
CH2Ph) , 73.1 (C-5
A) , 72.6 (
CH2 pMBn および C-4
H) , 71.3 (C-5
D または C-5
F) , 71.2 (C-2
D または C- 2
F) , 70.6 (C-5
B) , 70.4 (C-2
B または C-5
F) , 70.3 (C-5
D または C-2
B) , 70.1 (C-2
F または C-2
D) , 70.0 (
CH2-a) , 69.7-60.6 (C-5
C, C-5
E および C-5
G) , 69.1 (C-5
H) , 68.7 (C-2
H) , 68.4 (
CH2Ph Cbz) , 66.2 (C-2
A) , 63.0 (C- 2
C または E) , 62.8 (C-2
C または E および C-2
G) , 62.2 (C-6
A) , 61.6 (C-6
C, C-6
E および C-6
G) , 55.2 (
CH3, OMe pMBn) , 52.0 (3x
CH3, COOMe) , 51.7 (
CH3, COOMe) , 44.0 (
CH2-e) , 29.0 (
CH2-b) , 28.3 (
CH2-d) , 26.8 (
CH3, NAc) , 23.1 (
CH2-C) , 20.8, 20.7 (
CH3, OAc) ;
C
147H
169N
13O
53Naに関するESI HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:2987.0821、実測値:2987.0845。
【0157】
化合物10:5−(アセトアミド−N−ベンジルオキシカルボニル)ペンチル[(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−4−O−(4−メトキシベンジル)−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)]−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)−(1→4)−O−(6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−アセチル−3−O−ベンジル−α−L−ヨードピラノシルウロン酸メチル)]−(1→4)−O−6−O−アセチル−2−アジド−3−O−ベンジル−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシド
【化50】
八糖8(136mg、0.046mmol)を、3に関して上記したように、乾燥CH
2Cl
2(1.2mL)中のTFA(61μL、0.825mmol)で処理し、119mgの化合物9を得た(91%、C
139H
161N
13O
52Naに関するMALDI−TOF HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:2867.0246、実測値:2867.0226)。アクセプター9(95mg、0.034mmol)およびイミデート7(65mg、0.042mmol、1.3当量)をトルエンとともに共沸乾燥させ、乾燥CH
2Cl
2(500μL)に溶解させた。粉末4Åモレキュラーシーブス(180mg)を加え、この混合物をアルゴン下、室温で30分間攪拌した。この溶液を−40℃まで冷却し、TBDMSOTf(CH
2Cl
2中0.2M、33μL、0.0067mmol、0.2当量)を加えた。この反応物をこの温度で15分間攪拌した後、30分かけて−10℃まで昇温した。次に、この反応物をNEt
3溶液(CH
2Cl
2中0.2M、66μL、0.013mmol、0.4当量)で急冷した。この溶液を濾過した後、そのままSephadex LH−20クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:1)の上に適用した。十二糖を含有する画分をプールし、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/AcOEt 80:20から50:50)により精製し、十二糖10(120mg、85%)を6mgの未反応アクセプター9(6%)とともに得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ = 7.36-7.03 (m, 67 H, Ph) , 6.76 (d, J = 8.5 Hz, 2 H,
Ph-OMe) , 5.28-5.18 (m, 5H, H-1
B, H-1
D, H-1
F, H-1
H および H-1
J) , 5.16 (s, 2H,
CH2Ph(Cb
Z) ), 5.14 (d, J
1,2 = 3.5 Hz, 1 H, H-1
L) , 4.95-4.89 (m, 4 H, H-1
C, H-1
E, H-1
G, H-1
I, H-1
kの4) , 4.88-4.75 (m, 10 H, H-1
C, H-1
E, H-1
G, H-1
1, H-1
K および H-2
B, H- 2
D, H-2
F, H-2
H, H-2
J, H-2
L and 4 x
CH2Phの1) , 4.71 (d, J = 11.0 Hz, 2 H,
CH2Ph) , 4.71 (br.s, 1 H, H-5
L) , 4.71-4.58 (m, 19 H, 19 x
CH2Ph) , 4.55-4.43 (m, 5 H, H-5
B, H-5
D, H-5
F, H-5
H および H-5
J) , 4.41 (d, J = 11.0 Hz, 1 H,
CH2PhOMe) , 4.37 (d, J = 11.0 Hz, 2 H,
CH2PhOMe および H-6a
A) , 4.35-4.24 (m, 5 H, H-6a
C, H-6a
E, H-6a
G,H-6a
K) , 4.14 (d, J
1,2 = 8.0 Hz, 1H, H-1
A) , 4.17-4.15 (m, 6 H, H- 6b
A H-6b
C, H-6b
E, H-6b
G, H-6b
I and H-6b
K) , 3.95-3.72 (m, 25 H, δ=3.73においてsを含む, H-4
A, H-4
F, H-4
H, H-4
J, H-4
L, H-4
K, H- 4
D, H-
D, H-3
F, H-3
H, H-3
J, H-3
L, H-4
C, H-4
E, H-4
G, H-4
I, H-a, H-5
C, H-5
E, H-5
G, H-5
I, H-5
K および PhOMe) , 3.72 (br.s, 2 H, H-3
B および H- 4
B) , 3.66 (br t, J
1,e = 7.5 Hz, 2 H, H-e) , 3.63-3.52 (m, 5 H, H- 3
C, H-3
E, H-3
G, H-3
I および H-3
K) , 3.51 (s, 3 H, COO
Me) , 3.47 (s, 9 H, 3x COO
Me) , 3.46 (s, 3 H, COO
Me) , 3.41 (s, 3 H, COO
Me) , 3.43- 3.32 (m, 2 H, H-a' および H-5
A) , 3.30 (dd, J
2,3 = 9.5, J
2,1 = 8.0 Hz, 1 H, H-2
A) , 3.26-3.17 (m, 6 H, H-3
A, H-2
C, H-2
E, H-2
G, H-2
I および H-2
K) , 2.42 (s, 3 H,
CH3 NAc) , 2.03 (s, 6 H,
CH3 OAc) , 2.03 (s, 9 H,
CH3OAc) , 1.98 (s, 3 H,
CH3 OAc) , 1.96 (s, 6 H,
CH3 OAc) , 1.95 (s, 12 H,
CH3 OAc) , 1.59-1.48 (m, 2 H, H-b) , 1.47 (q, J
c,d = J
c,d = J
e,d = 7.5 Hz, 2 H, H-d) , 1.34-1.22 (m, 2 H, H-c) .
13C NMR (100.6 MHz, CDCl
3) δ = 170.6, 170.0, 169.7, 169.5 (C=O) , 137.9, 137.8, 137.6, 137.5, 137.4, 137.3 (C第4級芳香族) , 129.6, 129.0, 128.7, 128.6, 128.5, 128.4, 128.3, 128.2, 128.1, 128.0, 127.8, 127.6 (C芳香族) , 113.4 (C
m PMBn) , 102.1 (C-1
A) , 98.0 (C-1
L) , 97.8 (C-1
B, C-1
D, C-1
F, C-1
H, C-1
J および C-1
C 又は E または G または I または K, C-1
E または G または I または K または C 、C-1
C または I または K または C または E ,およびC-1
I または K または C または Eまたは C), 97.1(C-1
K または C または E または G または I, 80.9 (C-3
A) , 77.9, 77.8 (C-3
C, C-3
E, C-3
G, C-3
I および C- 3
K) , 75.7, 75.6, 75.5, 75.3, 75.2 (C-3
B, C-4
B, C-4
A, C-4
C, C-4
E, C-4
G, C-4
1, C-3
D, C-3
F, C-3
H, C-3
J および C-4
K) , 74.9, 74.8 ( 6x
CH2Ph) , 74.1 (3x
CH2Ph) , 74.0 (
CH2Ph) , 73.7 (
CH2Ph) , 73.4 (C-3
L) , 73.1 (C-4
D, C-4
F, C-4
H, C-4
J および C-5
A) , 72.7 (C-4
L) , 72.6 (CH2 pMBn) , 71.3 (C-5
J) , 71.2 (C-2
B) , 70.6, 70.5, 70.4, 70.3, 70.1 (C- 5
B, C-5
D, C-5
F, C-5
H, C-2
D, C-2
F, C-2
H および C-2
J) , 70.0 (
CH2-a) , 69.7 (C-5
C, C-5
E, C-5
G, C-5
I および C-5
K) , 69.1 (C-5
L) , 68.7 (C-2
L) , 68.4 (
CH2Ph Cbz) , 66.2 (C-2
A) , 62.9, 62.8, 62.7 (C-2
C, C-2
E , C- 2
G, C-2
I および C-2
K) , 62.2 (C-6
A) , 61.6 (C-6
C, C-6
E, C-6
G, C-6
I および C-6
K) , 55.3 (
CH3, OMe pMBn) , 52.0 (4x
CH3, COOMe) , 51.8 (2x
CH3, COOMe) , 44.0 (
CH2-e) , 29.0 (
CH2-b) , 28.3 (
CH2-d) , 26.9 (
CH3, NAc) , 23.1 (
CH2-C) , 20.9, 20.8, 20.7 (12x
CH3, OAc) ;
C
209H
239N
19O
77Naに関するESI HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:4269.5262、実測値:4269.5280。
【0158】
化合物17:5−アミノペンチル[(3−O−ベンジル−4−O−(4−メトキシベンジル)−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)]−(1→4)−O−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド七ナトリウム塩(HS4Bz)
【化51】
四糖5(29mg、0.017mmol)を、MeOH/CH
2Cl
2(1mL/0.4mL)の混合物中、K
2CO
3(1.5mg、0.011mmol、0.625当量)とともに0℃で2時間攪拌した後、室温まで昇温した。この混合物をBioRad AG 50W−X8 200(H
+)樹脂で中和し、濾過し、濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/AcOEt 70:30から20:80)により脱アセチル化化合物11a(18mg、71%)を3mgの化合物11b(13%、C
75H
89N
7O
24Naに関するESI HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:1494.58567、実測値:1494.58474)とともに得た。
次に、化合物11a(18mg、0.012mmol)をMeOH(324μL)に溶解させ、プロパン−1,3−ジチオール(24μL、0.24mmol、20当量)およびトリエチルアミン(33μL、0.24mmol、20当量)とともに15時間攪拌した。得られた混合物をSephadex LH−20クロマトグラフィー(0.1%のNEt
3を含むCH
2Cl
2/MeOH、1:1)により2回精製し、13mgの13(75%、C
75H
93N
3O
24Naに関するESI HR−MS m/z計算値[M+Na]
+:1442.60467、実測値:1442.60248)を得た。
ピリジン(320μL)中、13(11mg、7.75μmol)の溶液に、三酸化硫黄ピリジン複合体(74mg、0.46mmol、60当量)を加えた。この混合物を光から保護し、室温で24時間攪拌した後、55℃で20時間加熱した。次に、MeOH(140μL、0.124mmol)およびNEt
3(63μL、0.014mmol)を加えてこの反応物を急冷した。得られた混合物を室温で1時間攪拌し、Sephadex LH−20クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:1)およびRP−18半分取HPLC(AcOHNEt
3 100mM、pH7.0/CH
3CN 70/30から58/42)により順次精製し、次いで、凍結乾燥によりAcOHNEt
3塩を除去した後(2×1mL H
2O)、BioRad AG50W−X8 200(Na
+、1mL)でイオン交換を行った。このようにして、六ナトリウム塩として化合物15(8mg、51%、C
75H
87N
3O
42S
6Na
6のESI MS:m/z(%)654.1(100)[M−3Na]
3−/3、992.8(50)[M−2Na]
2ー/2)を得た。
四糖15(6mg、2.9μmol)をLiOH(7mg、0.29mmol、52当量)、水(40μL)およびH
2O
2(水中35%、43μL、0.49mmol)の混合物に溶解させた。37℃で24時間後、AcOH(6M、36μL、0.22mmol)を加え、この混合物をRP−18半分取HPLC(AcOHNEt
3 100mM、pH7.0/CH
3CN 75/25から60/40)のより精製し、次いで、凍結乾燥によりAcOHNEt
3塩を除去した後(2×1mL H
2O)、BioRad AG50W−X8 200(Na
+、1mL)でイオン交換を行った。このようにして、化合物17(3mg、50%)を八ナトリウム塩として得た。
1H NMR (400 MHz, D
2O) δ = 7.60-7.24 (m, 22 H, Ph) , 6.93 (d, J = 8.5 Hz, 2 H,
Ph-OMe), 5.37 (br. s, 1H, H-1
B) , 5.29 (br. s, 1 H, H-1
D) , 5.20 (d, J1, 2 = 3.0 Hz, 1 H, H-1
C) , 4.77 (d, J = 12.0 Hz, 2 H,
CH2Ph) , 4.75 (d, J
1,2 = 6.5 Hz, 1 H, H-1
A) , 4.68 (br. s, 1 H, H-5
D) , 4.64 (d, J = 12.0 Hz, 2 H,
CH2Ph) , 4.63 (d, J
4,5 = 2.0 Hz, 1 H, H-5
B) , 4.61 (d, J = 12.0 Hz, 2 H,
CH2Ph) , 4.49 (d, J = 12.0 Hz, 2 H,
CH2Ph) , 4.44 (d, J = 11.0 Hz, 1 H,
CH2PhOMe) , 4.43 (br. s, 1 H, H-2
D) , 4.41 (br. s, 1 H H-2
B) , 4.40 (d, J = 11.0 Hz, 1 H,
CH2PhOMe) , 4.36-4.24 (m, 4 H, H-6a
A, H-6b
A, H-6a
C および H-6b
C) , 4.19 (br. s, 1 H, H-3
B) , 4.26 (br. s, 1 H, H-4
B) , 4.22-4.13 (m, 1 H, H-5<C>) , 4.05 (t, J4, 5 = J4, 3 = 6.5 Hz, 1 H, H-4<A>) , 4.00 (m, 1 H, H-5
A) , 3.97-3.75 (m, 9 H, δ=3.82においてsを含む, H-3
D, H-a, H- 4
C, H-4
D, H-3
A, PhOMe および H-3
C) , 3.79 (t, J
3,2 = J
3,4 = 9.0 Hz, 1 H, H-3
C) , 3.64 (m, 1 H, H-a' ) , 3.41 (dd, J
2,3 = 10.0, J
2,1 = 3.0 Hz, 1 H, H-2
C) , 3.34 (t, J
2,1 = J
2,3 = 6.5 Hz, 1 H, H-2
A) , 2.95 (br. t, J
d,e = 7.0 Hz, 2 H, H-e) , 1.67 (q, J
a,b = J
b,c = 7.0 Hz, 2 H,H-b) , 1.65 (q, J
c,d = J
e,d = 7.0 Hz, 2 H, H-d) , 1.47 (m, 2 H, H-C) ;
13C NMR
1H-
13C HSQC (100.6 MHz, D
2O) δ = 101.7 (C-1
A) , 98.5 (C-1
C) , 97.8 (C-1
B) , 97.6 (C-1
D) , 79.4 (C-3
A) , 77.5 (C-3
C) , 75.5 (C-3
B) , 75.2 (C-4
B) , 74.2 (C-5
A) , 73.9 (C-4
C) , 73.7 (C-4
D) , 73.6 (C-2
B) , 73.5 (2x
CH2Ph) , 73.0 (C-4
A) , 72.4 (C-2
D) , 72.1 (
CH2 pMBn, 2x
CH2Ph) , 71.4 (C-3
D) , 70.2 (CH2-a) , 69.8 (C-5
C) , 69.2 (C-5
B) , 69.1 (C-5
D) , 68.5 (C-6
A) , 67.3 (C-6
C) , 58.8 (C-2
C) , 58.6 (C-2
A) ,
C
65H
75N
3O
40S
6Na
8のLC−ESI−TOF−MS(1913,1432): m/z計算値[M+Na]
+:1837.41(100)[M−8Na+7H+NEt]
−、1736.29(91)[M−8Na+7H]
−、1656.33(86)[M−8Na+7H−SO
3]
2−、1576.36(49)[M−8Na+7H−2SO
3]
3−
【0159】
化合物18:5−アミノペンチル[(3−O−ベンジル−4−O−(4−メトキシベンジル)−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(3−O−ベンジル−2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)]−(1→4)−O−3−O−ベンジル−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド24ナトリウム塩(HS12Bz)
【化52】
十二糖(dodecasasaccharide)11(90mg、21mol)を、MeOH/CH
2Cl
2(6mL/3mL)の混合物中、K
2CO
3(4.6mg、0.033mmol)とともに0℃で2時間攪拌した後、室温まで昇温した。この混合物をBioRad AG 50W−X8 200(H
+)樹脂で中和し、濾過し、濃縮した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン/AcOEt 70:30から20:80)により、脱アセチル化化合物12a(63mg、80%)を13mgの化合物12b(17%)とともに得た。
次に、十二糖12a(63mg、17μmol)を、MeOH(860μL)中、プロパン−1,3−ジチオール(210μL、2.1mmol、123当量)およびトリエチルアミン(290μL、2.1mmol、123当量)で処理した。この混合物を室温で42時間攪拌し、Sephadex LH−20クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH 0.1%NEt
3 50:50)により精製し、十二糖14(52mg、86%)を得た。
ピリジン(1.8mL)中、14(52mg、14μmol)の溶液に、三酸化硫黄ピリジン複合体(208mg、1.31mmol、89当量)を加えた。この混合物を光から保護し、室温で16時間、次いで55℃で20時間攪拌した。次に、MeOH(800μL、20mmol)およびNEt
3(360μL、2.6mmol)を加えてこの反応物を急冷した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した後、Sephadex LH−20クロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH、1:1)により精製した。十二糖含有画分をプールし、濃縮した。HPLC分析は少量の脱−N−硫酸化化合物が生じたことを示したので、2mlの水中で三酸化硫黄ピリジン複合体(23mg、0.1mmol)および塩基としてK
2CO
3(41mg、0.3mmol)を用いて再−N−硫酸化を行った。次に、この混合物をそのまま、RP−18フラッシュクロマトグラフィー(AcOHNEt
3 100mM、pH7.0/CH
3CN 100:0から60:40)およびRP−C18半prep HPLC(AcOHNEt
3 100mM、pH7.0/CH
3CN)を用いて精製し、次いで、凍結乾燥によりAcOHNEt
3塩を除去した後(3×2mL H
2O)、BioRad AG50W−X8 200(Na
+、3mL)でイオン交換を行った。このようにして、化合物16(41mg、52%、C
183H
207N
7O
118S
18Na
18のLC−ESI−TOF−MS(正確な質量=5379,3543):m/z(%):1830.09(13)[M−18Na+15H+5NEt
3]
3ー/3、1768.73(40)[M−18Na+15H+4NEt
3−SO
3]
3ー/3、1708.37(73)[M−18Na+15H+3NEt
3−2SO
3]
3ー/3、1681.71(93)[M−18Na+15H+3NEt
3−3SO
3]
3ー/3、1621.35(100)[M−18Na+15H+2NEt
3−4SO
3]
3−/3)を18ナトリウム塩として得た。
十二糖16(24mg、4.4μmol)をKOH水溶液(6M、480μL、3mmol)、水(192μL)およびH
2O
2(水中35%、768μL、9mmol)中、37℃で24時間攪拌した。その後、メチルエステルの完全な鹸化が見られたが、Cbz基は部分的に加水分解されているに過ぎなかった。従って、KOH水溶液(6M、480μL、3mmol)およびH
2O
2(水中35%、768μL、9mmol)を加え、この反応物を37℃でさらに24時間攪拌し、その後、Cbz基の加水分解が完了していた。AcOH水溶液(6M、720μL、4mmol)を加え、この混合物をRP−C18半分取HPLC(AcOHNEt
3 100mM、pH7.0/CH
3CN)を用いて精製し、次いで、凍結乾燥によりAcOHNEt
3塩を除去した後(3×2mL H
2O)、BioRad AG50W−X8 200(Na
+、1mL)でイオン交換を行った。このようにして化合物18(12mg、51%)を24ナトリウム塩として得た。
1H NMR (400 MHz, D
2O, 50℃, ref CH
3CN) これらのシグナルの一部だけが特定されたδ= 7.55-7.25 (m, 62 H, Ph), 7.93 (d, J = 8.0 Hz, 2 H,
Ph-OMe), 6.94 (d, J = 8.5 Hz, 2 H,
Ph-OMe), 5.60- 5.32 (m of br. s, 6H, H-1<B>, H-1<D>, H-1<F>, H-1<H>, H-1<J> and H-1<L>) , 5.32-5.18 (br. s, 5 H, H-
C, H-1
E, H-1
G, H-I
Iおよび H-1
Kのm) , 4.90-4.81 (m,
CH2Ph), 4.81-4.71 (m, δ=4.77においてsを含む(J = 6.0 Hz, H-1
A)
CH2Ph および H-5
B または D または F または H または J または L) , 4.71-4.65 (m,
CH2Ph および 5xH-5
B または D または F または H または J または L) , 4.46-4.36 (m, 6 H, H-2
B, H-2
D, H-2
F, H-2
H, H-2
J および H-2
L) , 4.35-4.27 (m, 6 H, 6 x H-6) , 4.27- 4.16 (m, 12 H, H-3
B, H-3
D, H-3
F, H-3
H, H-3
J, H-3
L, H-4
B, H-4
D, H- 4
F, H-4
H, H-4
J および H-4
L) , 3.87 (dt, J
gem = 10.0 Hz, J = 6.0 Hz, Ha) , 3.82 (s, 3 H, PhO
Me) , 3.61 (dt, J
gem = 10.0 Hz, J = 6.0 Hz, Ha') , 3.48-3.33 (m, 6 H, H-2
A, H-2C>, H-2
E, H-2
G, H-2
I, H-2
K) , 3.94 (t, J = 7.5 Hz, 2 H, H-e) , 1.73-1.57 (m, 4 H, H-d および H-b) , 1.46 (q, J = 7.5 Hz, 2 H, H-c) .
13C NMR
1H-
13C HSQC (100.6 MHz, D
2O, 50℃, ref CH
3CN) δ = 114.8 (C
m PMBn) , 101.6 (C-1
A) , 99.2-98.1 (C-1
B, C-1
C, C-1
D, C-1
E, C-1
F, C-1
G, C-1
H, C-1
I, C-1
J, C-1
K, C-1
L) , 73.9 (C-2イズロン部分) , 69.9 (C-a) , 68.7 (C-6) , 58.7 (C-2
C, C-2
E, C-2
G, C-2
I, C-2
K) , 55.2 (
CH3 OMe pMBn), 40.2 (C-e) , 28.5 (C-b) , 26.9 (C-d) , 23.0 (C-c) .
C
169H
183N
7O
116S
18Na
24のESI MS(正確な質量=5293,1153): m/z 1756.03(14)[M−24Na+21H+5NEt
3]
3−/3
、1722.32(33)[M−24Na+21H+4NEt
3]
3−/3、1722.32(33)[M−24Na+21H+4NEt
3]
23−/3、1695.67(51)[M−24Na+21H+3NEt
3−SO
3]
3−/3、1635.3(100)[M−24Na+21H+3NEt
3−2SO
3]
3−/3
【0160】
化合物19:5−アミノペンチル[(2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(1→4)−O−(2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)−(2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド)−(1→4)−O−(2−O−スルホナト−α−L−ヨードピラノシルウロネート)]−(1→4)−O−2−デオキシ−2−スルホアミノ−6−O−スルホナト−α−D−グルコピラノシド24ナトリウム塩(HS12Lb)
【化53】
リン酸バッファー(100mM、pH7.0、400μL)およびtert−ブタノール(200μL)中、十二糖18(5.5mg、9.4mol)の溶液に、Pd(OH)
2(木炭上20%、30mg)を加えた。この混合物を脱気し、二水素(1気圧)下で24時間攪拌した。室温で24時間後、Pd(OH)
2(木炭上20%、20mg)を追加し、この混合物を脱気し、水素(1気圧)下でさらに24時間攪拌した。この懸濁液をウルトラフリー−MCフィルター(Amicon)上で濾過し、触媒をリン酸バッファー(33mM、pH7.0)/tert−ブタノール(3/1、400μL)で2回、次いでCH
3CN/H
2O(1/1、400μL)で2回洗浄して木炭から化合物19を脱着させた。凍結乾燥後、得られた溶液をPD−10カラム(Pharmacia)で脱塩し、凍結乾燥し、4mgの19(98%)を得た。
1H NMR (400 MHz, D
2O, 50℃ ref CH3CN) δ = 5.37 (br. s, 5 H, H- 1
C, H-1
E, H-1
G, H-1
I, H-1
K) , 5.20 (br. s, 5 H, H-1
B, H-1
D, H-1
F, H- 1
H, H-1
J) , 5.17 (br. s, 1 H, H-1
L) , 4.80, 4.78 および4.72 (3 x br. s, H-5
イズロン部分) , 4.55 (d, J
1,2 = 8.0 Hz, H-1
A) , 4.34-4.30 (m, H-2
イズロン部分) , 4.30-4.28 (m, H-2
イズロン部分) , 4.28-4.22 (m) , 4.22-4.14 (m, H-6b) , 4.14-3.94 (m, 11 H, H-4
イズロン部分 ), R-5
グルコサミン部分H-6b) , 3.90-3.82 (m, 1 H, H-a) , 3.80-3.59 (m, 13H, H-4
グルコサミン部分, H-3
グルコサミン部分, H-a’), 3.27(dd, J
2,3 = 10.0 Hz, J
2,1 = 3.0 Hz, 5 H, H-1
C, H-1
E, H-1
G, H-1
I, H-1
K) , 3.05 (t, J
2,1 = J
2,3 = 8.0 Hz, H-2
A) , 3.05 (t, J = 7.5 Hz, H-e) , 1.76- 1.56 (m, 4 H, H-d および H-b) , 1.53-1.43 (m, 2 H, H-c) .
13C NMR
1H-
13C HSQC (100.6 MHz, D
2O, 50℃, ref CH3CN) δ = 114.8 (C
m PMBn) , 101.7 (C-1
A) , 100.3-98.0 (C-1
B, C-1
D, C-1
F, C-1
H, C-1
J, C-1
L) , 98.0-95.5 (C-1
C, C-1
E, C-1
G, C-1
I, C-1
K) , 77.5-75.4 (C-4
グルコサミン部分), 77.5-75.0(C-3
イズロン部分およびC-4
イズロン部分), 73.0(C-3
A), 70.9-68.5(C-2
イズロン部分, C-5
イズロン部分, C-5
グルコサミン部分, C-3
グルコサミン部分), 69.9(C-a), 67.8-65.3(C-6
グルコサミン部分), 60.2(C-2
A), 58.1(C-2
C, C-2
E, C-2
G, C-2
I, C-2
K), 39.7 (C-e) , 28.1 (C-b) , 26.2 (C-d) .
C
77H
127N
7O
115S
18に関するESI MS m/z計算値[M−H]
−:3563.9204、実測値:3563.7568;3483.9287(−1SO3);3403.9897(−2SO3);3324.0291(−3SO3)。
【0161】
V.3.本発明の複合分子の化学合成
HPLCおよびLCMS条件:
カップリング反応のモニタリングおよび純度の測定は、Waters Symmetry 3.5μm C18 300Å(2.1×100mm)カラムを備えたAgilent 1100 HPLCにて、流速1ml/分で20分間にわたって10mM酢酸アンモニウムバッファー水溶液中、CH
3CNの直線勾配を用いて行った。検出:215/230nm。
LCMS分析は、Alliance HPLCと組み合わせたWaters Q−TOFmicro質量分析計にて、同じカラムおよび溶媒を用いて行った。リン酸イオンの注入を避けるため、LCMS装置は、精製工程後に生成物の属性を評価するためだけに用いた。データはネガティブモード(ES−)を用いて取得した。硫酸の損失を最小にするために、コーン電圧を低い値(10〜20V)に設定した(SO3、80質量単位)。オリゴ糖は、それらのmCD4複合体よりもMS硫酸損失を受けやすかった。
化合物の定量
最初のオリゴ糖および最終のmCD4複合体の量をHitachiL8800にてアミノ酸分析(AAA)により定量した。オリゴ糖の場合、ペプチド/タンパク質加水分解に用いる標準的な20時間、110℃、6N HCl、2%フェノールの条件の代わりに、16時間、95℃、6N HCl、2%フェノール加水分解を用いた。加水分解の際に生じたグルコサミンはPheの後に溶出した。
【0162】
SATP Bzl−四糖−SATP 20を介したオリゴ糖へのチオール基の導入
660μlの50mMリン酸ナトリウムバッファーpH8中、0.5mgのBzl−四糖17(MW:1914、8Na+;0.25μモル)に、15分かけて4×6μlのSATP/DMSO溶液(40mg/ml;MW:245;4×0.5μモル)を加えた。20分後、HPLCで追跡すると定量的カップリングが見られた。Bzl−四糖17 Rt=6.6分;S−アセチルチオプロピオネートBzl−四糖20 Rt=8.8(12から32%への勾配)。この混合物をC18 Sepakカートリッジにロードし、S−アセチルチオプロピオネートBzl−四糖20を6mlの20%CH
3CN/H
2Oにより溶出させた。凍結乾燥後、LCMS分析により生成物を制御した。C
70H
89N
3O
42S
7のモノアイソトピック質量計算値[M−H]
−:1866.2892;実測値:1866.4692;1786.5131(−1SO
3);1706.5300(−2SO
3)。
【0163】
Bzl−十二糖−SATP 21
530μlの50mMリン酸ナトリウムバッファーpH8中、1.5mgのBzl−十二糖18(MW:5293、24Na+;0.29μモル)に、15分かけて4×6μlのSATP/DMSO溶液を加えた。20分後、HPLCで追跡すると定量的カップリングが見られた。Bzl−十二糖18 Rt=10.7分;S−アセチルチオプロピオネートBzl−十二糖21 Rt=12.5(5から25%への勾配)。生成物を、水溶出を用いたPD10ゲル濾過カラムにて精製した。S−アセチルチオプロピオネートBzl−十二糖21(MS注入により確認)を含有する最初の溶出画分をプールし、凍結乾燥した。生成物をLCMS分析により制御した。C
174H
213N
7O
118S
19のモノアイソトピック質量計算値[M−H]
−:4894.5501;実測値:4894.6836;4815.6084(−1SO
3);4734.5625(−2SO
3);4654.6660(−3SO
3);4575.6226(−4SO
3)。
【0164】
十二糖類−SATP 22
600μlの15mMリン酸ナトリウムバッファーpH8中、0.5mgの十二糖19(MW:4092、24Na+;0.12μモル)に、15分かけて4×6μlのSATP/DMSO溶液を加えた。215/230UV吸収が極めて低く、19がC18カラムに保持されないため、このカップリング反応はHPLCによりモニタリングされなかった。20分後、この混合物をそのままPD10カラムにロードした。上記と同じ精製プロトコールを行った。生成物はLCMS分析により制御した。完全な硫酸化(C
82H
133N
7O
177S
19)は検出されなかった。−1SO
3、−2SO
3、−3SO
3および−4SO
3および−5SO
3形態が検出された。C
82H
133N
7O
114S
18のモノアイソトピック質量計算値[M−H−1SO
3]
ー:3613.9724。実測値:3613.9536;3533.9170(−2SO
3);3454.0190(−3SO
3);3374.0474(−4SO
3);3294.1528(−5SO
3)。
【0165】
mCD4−PEO
2−マレイミドとのカップリング
mCD4−PEO
2−Bzl−四糖23(またはmCD4−HS4Bz)
ヒドロキシルアミンによる四糖−SATP 20チオールの脱保護およびmCD4−PEO
2−マレイミドへのカップリングを追跡するため、10mM酢酸アンモニウム中CH
3CN12−22%(10分)−82%(10分)の直線勾配を用いた。
500μlの50mMリン酸ナトリウムバッファーpH7.2、100μlの0.5M NH
2OH中Bzl−四糖SATP 20に、100mMリン酸ナトリウムバッファー中HCl(pHを4N NaOHにより7.2に調整)を加えた。チオール官能基の脱保護をHPLCによりモニタリングした。
10分後、11%のBzl−四糖SATP 20だけが残り(Rt=8.7分)、SH四糖に相当する新たな収穫(pick)が7.4分に現れた。
10分後に50μlのH
2O中mCD4−PEO
2−Mal(MW:3207;0.1μモル)を加えた後、5分後にもう一度同じ添加を行った。
20分後、遊離チオール四糖が全部消失した。mCD4−PEO
2−Bzl−四糖23に相当する新たな化合物が16分に現れた。この複合体を半分取RP−HPLCカラム(Macherey Nagel 5μmC18300A、10×250mm)にて、同じ勾配を用い、流速6ml/分で精製した。精製された生成物はLCMS分析により制御した。C
204H
299N
43O
79S
13の計算平均質量:5034.7185。実測値:5034.7002。
mCD4−PEO
2−Bzl−四糖23の最終純度(87%)はSymmetryカラムにて20から50への直線勾配を用いて評価した(Rt=11.06分)。
収量:AAAにより276μgと定量(17からすると24%)。
【0166】
mCD4−PEO
2−Bzl−十二糖24(またはmCD4−HS12Bz)
500μlの50mMリン酸ナトリウムバッファーpH7.2中、Bzl−十二糖類−SATP 21に、100μlの同じヒドロキシルアミン溶液を加えた。5から25%(20分)から85%(10分)の勾配を用いて脱保護およびカップリング反応を追跡した。20分後、Bzl−十二糖類−SATP 21(Rt=12.7分)が消失し、遊離チオールBzl−十二糖(Rt=11.9)が生じていた。mCD4−PEO
2−Bzl−十二糖24複合体を定量的に得るためには(Rt=24.8)、mCD4−PEO−Mal溶液(3×0.1mm)を3回連続して加えることが必要であった。この複合体を、5から25%(10分)から85%(20分)の勾配を用い、半分取RP−HPLCにより精製した。精製された生成物はLCMS分析により制御した。C
308H
423N
47O
155S
25の計算平均質量:8065.6204。実測値:8065.1006;7985.6000(−1SO
3);7905.2002(−2SO
3)。
mCD4−PEO
2−Bzl−十二糖24複合体の最終純度(63%)はSymmetryカラムにて20から50への直線勾配を用いて評価した(Rt=9.37分)。
収量:AAAにより643μgと定量(18からすると28%)。
【0167】
mCD4−PEO
2−十二糖25(またはmCD4−HS12LbまたはmCD4−HS
12)
UV吸収が極めて低く、十二糖類−SATP 22がC18カラムに保持されないため、この脱保護工程はHPLCによりモニタリングできなかった。500μlの50mMリン酸ナトリウムバッファーpH7.2中の十二糖類−SATP 22に、150μlの同じヒドロキシルアミン溶液を加えた。20分後、この反応混合物に対して陽性エルマン試験を行ったところ、チオールの脱保護を示した。mCD4−PEO
2−Mal溶液を加えた(3×0.1μモル)。このカップリング反応のアリコートを注入したところ(10分)、20から50%への勾配で、mCD4−PEO
2−Mal(Rt=11.8)がいくらか残留するとともに、新たな生成物(Rt=8.4)が示された。この複合体を半分取RP−HPLCにより、mCD4−PEO
2−Bzl−十二糖24複合体の場合と同様の条件を用いて精製した。
精製された生成物はLCMS分析により制御した。C
216H
343N
47O
154S
25の計算平均質量:6863.9738。実測値:6863.1001;6763.2000(−1SO
3);6703.5005(−2SO
3)。
mCD4−PEO
2−十二糖25複合体の最終純度(100%)はSymmetryカラムにて20から50への直線勾配を用いて評価した(Rt=8.37分)。
収量:AAAにより321μgと定量(19からすると39%)。
【0168】
実施例VI:生物活性
この節では、mCD4をミニCD4と呼ぶ。
VI.1.方法
X4型単離物(gp120 MN)およびR5型単離物(gp120 YU2)に起源する2つの異なるgp120を用いた。種々の分子の、gp120と種々の受容体または共受容体との相互作用を阻害する能力を、表面プラズモン共鳴(Biacore)により測定する。これを行うため、記載されている手順に従い(Vives et al. J. Biol. Chem. 279., 54327-54333, 2005)、バイオセンサー(センサーチップCM 4 Biacore)の表面に3種類の化合物を固定する。これらはCD4、HS(またはヘパリン)およびモノクローナル抗体(mAb 17b)である。この抗体はCD4により誘導されるエピトープを認識し、共受容体CCR5またはCXCR4を模倣する。これら3種類の表面は、gp120により認識される細胞表面の3つの主要な分子(CD4、共受容体およびHS)に相当する。
下記の実験セットにおいて、gp120(
図4〜6の細線)単独で、または供試化合物とともにプレインキュベーションして(
図4〜6の太線)これらの表面に注入し、相互作用シグナルを5分間、時間の関数として測定する。細線と太線の間の差は、gp120とバイオセンサーに固定化されている分子との間の相互作用に対する供試化合物の阻害能を示す。
【0169】
VI.2.結果
○mCD4、HS12Lb(分子19)およびmCD4−HS12Lb(分子25)分子の分析
・CD4表面へ(gp120および阻害剤100nM):
化合物HS12Lb単独ではgp120/CD4相互作用に対して効果が無く、これらの結果はここでは示さない。
【0170】
化合物mCD4−HS12LbがmCD4よりも強くgp120/CD4相互作用を阻害することを注記しておくが、これはgp120 X4およびR5に関してである(
図4参照)。
・HS表面へ(gp120および阻害剤40nM)
【0171】
gp120 YU2はHSに極めて弱くしか結合しない(R5型gp120のセットの場合と同様)。従って、この表面で得られた結果は示さない。
【0172】
mCD4はgp120/HS相互作用に対して効果が無い。化合物HS12Lbは、用いた濃度条件では、相互作用を部分的に阻害する。互いに結合していないmCD4およびHL12Lbの混合物(mCD4+HS12Lb)も同じ活性を有する。他方、mCD4−HS12Lb複合体はこの相互作用を全面的に阻害し、複合体化に結びついた強力な協働効果を実証する(
図5参照)。
【0173】
・mAb 17b表面へ(gp120および阻害剤40nM):
gp120は、mCD4の不在下では、抗体17bと極めてわずかしか結合しない(YU2)か、または全く結合しない(MN)(
図6の細線)。mCD4の存在はこの反応を増強する(
図6の上の図の太線)。他方、mCD4−HS12Lb化合物はその相互作用を全面的に阻害し(
図6の下の図の太線)、これにより、
図1に記載されている機構(mCD4によるCD4iエピトープの露出およびHS12Lb分子によるこの遮断)が確認される。
【0174】
mCD4とHS12Lbの間の共有結合の増強効果を実証するために以下の実験を行った。
【0175】
40nMのgp120(MNまたはYU2)を、漸増濃度(0〜80nM)の共有結合mCD4−HS12Lb(
図7の白)または結合していないmCD4+HS12Lb(
図7の黒)とともにプレインキュベーションした後、17b表面に注入する。注入の終了時に、抗体と結合したgp120の量を測定する。gp120は、CD4iがマスクされていない場合、すなわち、mCD4またはsCD4の存在下でのみ17bと結合することを思い出さなければならない。
【0176】
共有結合分子(mCD4−HS12Lb)はgp120−17bの相互作用を強く阻害するが、この2つの分子の混合物(mCD4+HS121B)は逆の効果を有する。すなわち、mCD4の効果が優勢(CD4i部位をマスクせず、従って、gp120が17bに結合する)、HS12LbBによる阻害は、MN型のgp120に関して高濃度でのみ現れ始める。YU2型のgp120では、YU2単独ではHSと全く結合しないか、または極めてわずかしか結合しないという所見(
図7参照)と一致して、HS12Lbは阻害剤ではない。
【0177】
○mCD4と混合したペプチドGPR1、HS4Bz(17)、HS12Bz(18)、HS12Lb(19)分子と、mCD4−GPR1、mCD4−HS4Bz(23)、mCD4−HS12Bz(24)およびmCD4−HS12Lb(25)複合体の分析
上記のような、mCD4と結合している、または結合していない分子の阻害能の比較を、HS12Lb以外の分子に関して行った。これを次の分子について行った。
mCD4と混合した
1.ペプチドGPR1(配列番号4)、
2.オリゴ糖HS4Bz(17)、
3.オリゴ糖HS12Lb(18)、
4.オリゴ糖HS12Bz(19)、または
複合体
A.mCD4−GPR1、
B.mCD4−HS4Bz(23)、
C.mCD4−HS12Bz(24)、
D.mCD4−HS12Lb(25)。
【0178】
ペプチドGPR1は、Gタンパク質共役型受容体GPR1の細胞外N末端領域に由来する合成ペプチド(Jinno-Oue et al., J Biol chem. 2005 Sep 2;280(35):30924-34. Epub 2005 may 26)。本発明によるポリアニオン性多糖に比べ、それは有機分子として用いられる。ペプチドGPR1は配列番号3または配列番号4の配列を持ち得る。
【0179】
次の実験では、40nMのgp120を80nMのmCD4と80nMの上記の種々の分子、または80nMの対応する共有結合複合体とともに同時インキュベーションした。17bとの相互作用を測定する。Tは、gp120とmCD4単独の結合の測定値を表す。
【0180】
供試分子は、mCD4と結合していない場合には様々な程度の阻害能を有し(
図8の黒)、一方、mCD4と共有結合している場合には(
図8の白)、これらの分子は全て、この相互作用を極めて強く阻害することを注記しておく。
【0181】
VI.3.結論
上記の研究は、共受容体認識部位を認識することができる分子と共有結合されたmCD4からなるハイブリッド分子(またはgp120と結合し、その共受容体認識部位を露出させることができる他の分子)の阻害活性を実証する。
このハイブリッド分子の役割は、gp120と結合し、そのCD4i部位を露出させ(mCD4を介する)、共受容体との相互作用部位を遮断する(複合体を介する)ことである。
特に重要な点は、
・gp120とCD4、共受容体およびHSとの間の相互作用を、nM濃度範囲で同時に阻害すること、
・2つの分子の複合化により極めて高い協働作用が誘導されること、および
・X4およびR5型単離物に対する阻害活性
である。
【0182】
実施例VII.生物活性−補足実験
VII.1.親和性
本研究には次の文献に記載されている方法を用いた。
Vives R. R. et al. Journal of Biological Chemistry 2005, 280, 21353-21357 (Materials and methods - Surface Plasmon resonance-based binding assays参照)、および
Crublet E. et al. Journal of Biological Chemistry 2008, 283, 15193-15200 (Materials and methods - Surface Plasmon resonance-based binding assays参照)
【0183】
表5 MNおよびYU2 gp120に対するmCD4−HS
12の結合および解離速度定数
【表5】
*1:1ラングミュア結合モデルには利用不可
【0184】
MNおよびYU2 gp120に対するmCD4−HS
12(25)の結合(k
on)および解離(k
off)速度定数(2回の独立した分析の平均)は、Biaeval 3.1ソフトウエアを用い、
図9a、bの一次データを当てはめることにより求めた。単純な「1:1ラングミュア」結合モデルを用いたセンサーグラムの評価は、それぞれMNおよびYU2 gp120に対して3.7および2.7nMの親和性値(Kd=k
off/k
on)を返した。しかしながら、χ
2パラメーター(当てはめの近接性を表す)により評価したところ、このモデルからのデータにはいくらかの偏差が見られた。mCD4−HS
12の二価特性と一致して、この当てはめは「二価結合」モデル(この場合のχ
2パラメーターは、従前のモデルの2.7および1.6ではなく0.8および0.4であった)を用いて改良された。従って、このモデルによれば、初期結合工程は示された結合(k
on1)および解離(k
off1)速度定数を特徴とし、MNでは10nM、YU2 gp120では7.2nMの解離平衡定数を生じた。これらの親和性は第二の結合工程によってさらに増強されるはずである。しかしながら、二価結合モデルでは、第二の結合部位に対する結合速度定数がRU
−1S
−1であり(その反応が複合体(RU)とリガンド(これもまたRU)の結合を含む)、M
−1S
ー1ではないために、ここではこれを定量することができない。しかしながらやはり、これらのデータは、mCD4−HS
12がX4およびR5 gp120の双方と低nM範囲の親和性で結合することを示し、二価結合機構を示唆する(
図9c〜d参照)。
【0185】
VII.2.抗ウイルス活性
VII.2.1.HIV−I−LAIおよびBaL株を用いた末梢血単核細胞の感染と阻害アッセイ
X4向性HIV−I−LAI(Barre-Sinoussi, Science 220, 868-71, 1983)またはR5向性HIV−1/Ba−L(Gartner et al, Science 233, 215-9, 1986)株を増幅し、in vitroにてフィトヘマグルチニン−P(PHA−P)活性化末梢血単核細胞(PBMC)に対して滴定した。組織培養感染用量を、Karberの式(Karber, Arch. Exp. Path. Pharmak. 162, 480-483, 1931)を用いて算出した。抗ウイルスアッセイとしては、PHA−P活性化PBMCを各薬剤6種類の濃度(1μM〜320pMの間で1:5希釈)で30分間前処理し、100 50%組織培養感染量(TCID50)のX4向性LAIまたはR5向性Ba−L株のいずれかで感染させた。培養中、薬剤を維持し、細胞上清を感染後7日目に回収し、−20℃で保存した。これらの実験で、アジドチミジン(AZT)を内部対照として用いた。ウイルス複製はRetroSys HIV RTキット(Innovagen)を用い、細胞培養上清において逆転写酵素(RT)活性を定量することにより測定した。
【0186】
並行して、サンプルの細胞傷害性を、7日目に感染していないPHA−P活性化PBMCでメチルテトラゾリウム塩(MTT)アッセイにより評価した。実験は3回行い、50、70および90%有効量ならびに細胞傷害量を、SoftMaxProソフトウエアを用いて算出した。
【0187】
表6.mCD4、HS
12およびmCD4−HS
12の抗ウイルス活性
【表6】
【0188】
PHA−P活性化PBMCを検討下の各薬剤で処理し(1μM〜320pMの間で1:5希釈)、100 TCID
50のHIV−I−LAI(X4向性)または/Ba−L(R5向性)株で感染させた。培養中、分子およびウイルスを維持し、細胞上清を感染後7日目に回収し、それから逆転写酵素活性を定量した。実験は3回行い、50、70および90%有効量(ED)(nM)(±S.D.)を、SoftMaxProソフトウエアを用いて算出した。これらの分子に1μMまでの細胞傷害性を示したものはなかった。
【0189】
表7.mCD4−GPR1、mCD4−HS4Bzl、mCD4−HS12Bzlの抗ウイルス活性
【表7】
【0190】
VII.2.2.VSVに対する陰性対照−HIV偽型リポーターウイルスによる末梢血単核細胞の感染
VSV−G偽型ウイルス粒子を、HEK293T細胞において1回の感染サイクルにより作出し、プラスミドpNL4−3 env− Lucと水疱性口内炎ウイルス(VSV−G)由来エンベロープGタンパク質の発現を可能とするプラスミドで同時トランスフェクトした。pNL4−3 env− Lucプラスミドは感染性プロウイルスクローンHIV−I NL4−3に由来し、env遺伝子にそれを非感染性とするフレームシフトを有する。ホタルルシフェラーゼ(Luc)リポーター遺伝子がNL4−3 nef遺伝子に取って代わっている。感染性HIV−IプロウイルスクローンpNL4−3 Luc(J. Alcami博士から譲渡、Madrid Spain)は、対応するHIV nefをLuc遺伝子に置き換えることで作出されたものである。感染性ウイルス調製物は、これらの構築物をHEK293T細胞にトランスフェクトすることにより作出した。PBMCは健常な血液提供者から単離し、フィトヘマグルチニンおよびIL−2を48時間、吹き付けた(blasted)。ウイルス調製物をHeLaCD4+ CXCR4+ CCR5+細胞で滴定し、PBMC感染に用いるウイルス量を、細胞溶解液で測定されたLuc酵素活性に対してノーマライズした。感染2時間後(mCD4−HS
12の存在下または不在下)、細胞を徹底的に洗浄し、さらに48時間マイクロプレートウェルに播種し(2×10
5細胞/ウェル)、その後、PBMC溶解液にて、LB 940 Berthold Mithras照度計装置(Berthold Technologies, Germany)を用いてLuc酵素活性を測定した。
【0191】
表8.NL4−3 HIV−1およびΔenv+VSVg−HIV−1に対するmCD4−HS
12の抗ウイルス活性
【表8】
PBMCを10
6 RLUのNL4−3ウミシイタケ(Renilla)またはΔenv+VSVg−lucウイルスで感染させ、示された濃度のmCD4−HS
12で処理して2日後にルシフェラーゼ活性(RLU×10
−5)を測定した。
【0192】
VII.3.結論
このように本発明者らの研究は、小ヘパリンフラグメントまたはより一般にはポリアニオン性化合物に結合された3kDa CD4ミメティックを含んでなる比較的小さな合成分子は、mAbを認識するCD4および共受容体結合部位を含む、いくつかの大きなgp120リガンドを効果的に模倣する。このCD4ミメティックの、共受容体結合部位をHS介在遮断に利用可能とする能力に基づけば、これらの分子は、gp120上の2つの重要かつ保存性の高い構造を同時に標的とし、結果として、強い抗ウイルス活性を示す。顕著には、本発明に記載されている複合体はR5向性HIV−1およびX4向性HIV−1の双方を中和し、これは、CCR5特異的アンタゴニストの有効性は、阻害剤がまだ得られていないCXCR4を利用するウイルス株の出現により危うくなり得るので重要な利点である。
【0193】
ミニCD4配列内に存在する誘導体化の単一部位を有するミニCD4のデザインは、mCD4に基づく複合体の合成および生物活性に大きな改善をもたらす。
【0194】
略号:
Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
DMF:ジメチルホルムアミド
HATU:N[(ジメチルアミノ)−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−1−イルメチレン]−N−メチルメタンアミニウムのヘキサフルオロホスフェートN−オキシド
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
SPDP:N−スクシンイミジル−3(2−ピリジルジチオ)プロピオネート
TFA:トリフルオロ酢酸
EDT:エタンジチオール
TIS:トリイソプロピルシラン
DTT:1,4−ジチオトレイトール
MPLC:中速液体クロマトグラフィー
ES
+MS:エレクトロスプレー質量分析、ポジティブモード
GSH:還元型グルタチオン
GSSG:参加型グルタチオン
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
RP−HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
SMPH:スクシンイミジル−6−[β−マレイミドプロピオンアミド]ヘキサノエートSATP:N−スクシンイミジル−S−アセチルチオプロプリオネート
RT:室温
Rt:保持時間
TMSOTf:トリメチルシリルトリフレート
TBDMSOTf:tert−ブチル−ジメチル−シリルトリフレート
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
pMBn:p−メトキシベンジル
Bn:ベンジル
Ac:アセチル
Me:メチル
Et:エチル
eq:当量
NMR:核磁気共鳴
IR:赤外線
HSQC:ヘテロ核単一量子コヒーレンス
HRMS:高分解質量スペクトル
ESI:エレクトロスプレーイオン化
MALDI−TOF:マトリックス支援レーザー脱離/イオン化タイム・オブ・フライト
LC−ESI−TOF−MS:液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレーイオン化タイム・オブ・フライト質量分析
LCMS:液体クロマトグラフィー/質量分析
DMSO:ジメチルスルホキシド