【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に係る工作機械の運転機能制御装置によって達成される。
【0006】
本発明によれば、工作機械の運転機能制御装置は、工作機械の主電源をスイッチングオンまたはスイッチングオフする装置と、所定の選択可能な基準に従って工作機械の運転機能のスイッチオフ時点を決定する少なくとも1つの装置とからなる。
【0007】
本発明の1つの態様は、工作機械の主電源(電圧、電流)と個々の運転機能とを識別するアイデア、および、スイッチオフ時点を決定する装置で、特定の工作機械組立部品および/または構成部品のための電源をその都度独立して制御することを可能にする装置を提供するアイデアに基づいている。
【0008】
こうして、本発明の構想により、工作機械が主スイッチでまだ起動中であっても、エネルギーの消費を減少させることができる。
【0009】
さらに、創意工夫に満ちたアプローチにより、選択された機械加工プログラムによって決定される運転モード、および、そのために起動される組立部品および機械構成部品のそれぞれに応じて、工作機械の主電源を遮断することなく必要な機能を柔軟にスイッチオンまたはスイッチオフすることができる。従来のプログラミングと比較すると、創意工夫に満ちたアプローチは、具体的に、スイッチオフ時点を決定する適切な基準の決定が、サブプログラムを設けるフレーム内でなされる必要がなく、例えば工作機械の操作者によって直接、例えばプログラムの開始後に、適切に、後の時点で柔軟に実行されてもよいという利点を有する。
【0010】
この場合、本発明での「スイッチオフ」の用語は、完全なスイッチオフに限定されるのではなく、定義に従って、問題になっている運転機能を単に減少するだけの運転状態を包含する。
【0011】
特に好適な発明に関する装置の構造として、スイッチオフ時点を決定する装置が、それぞれ使用者によってスイッチオフ時間を決定する装置を有することが提案される。この実施形態では、それに従ってスイッチオフ時点が決定される決め手となる基準は、異なる方法で選択されてもよい時間である。ここで、この装置を使用することで、操作者は、問題になっている機能がスイッチオフする前に作動中である間に、例えば分単位、時間単位または日単位で、特定の時間を決定するか、時間間隔を予定するかのいずれかをすることができる。
【0012】
この実施形態は特に、工作機械の操作者が機械加工プログラムの開始時にすでに例えば個々の運転機能がどのくらいの時間が必要とされているかを見積もっている場合の応用に有益である。この実施形態では、時点または期間の選択は、対応するソフトウェアメニューによって特に効果的な方法でなされてもよく、当該ソフトウェアメニューは個々の運転機能のための、対応する数値が入力されることができる入力フィールドを提供するものである。この構成の利点は、工作機械の個々の構成部品の電力供給が単純な方法で柔軟に決定されるという事実にあるだけでなく、とりわけ所定の時点での対応する機能のスイッチオフが操作者自身によってなされる必要がなく、例えば夜のシフトの間、監視されていないシフトまでの運転に至るまで必要なスタッフが明らかに減少されるという事実にある。
【0013】
本発明に関する装置の別な実施形態で、スイッチオフ時点の決定基準は、工作機械の所定の運転状態の発生である。多くの場合、機械加工プログラムのリハーサル(ランスルー、run-through)の終わりは、例えばその運転状態が到達されたときに、特定の運転機能がスイッチオフされる運転状態である。しかしながら、本発明はそれに限定されることなく、到達される運転状態は、任意の所定の運転状態でよく、その運転状態は例えば機械加工サブスッテプの終わり、工具の交換または工作機械の別な所定の運転機能のスイッチオフ状態の発生などである。例えば、特定の機械加工区分の前、後またはその間の工作機械の冷却潤滑剤の温度、または冷却潤滑剤の循環の減少数もまた、スイッチオフ時点を決定するための決め手となる基準として決定されてもよい。
【0014】
しかしながら、この方向では、その発生がユーザーによる決定に従ってスイッチオフ時点を決定する様々な運転状態が、機械設定で選択可能にあらかじめ定められるように工作機械が調整され、その運転状態は、工作機械の操作者によって、例えば機械全体または単独の組立部品のスイッチオフコース、または運転機能を決定するためのナビゲーションメニューのフレーム内で所定の表から選択され、およびそれらのパラメーター値を随意に調整されることが重要である。
【0015】
例えば、この実施形態では、本発明に係る運転機能制御装置は、対応する運転状態が選択リストで与えられるように構成されてもよく、工作機械の運転機能のスイッチオフ時点を決定する装置は、操作者によって例えば様々な運転状態が与えられるプルダウンメニューから対応する基準が選択されるように構成されている。あるいは、例えばソフトウェアベースの問い合わせ手順が提供されてもよい。
【0016】
機械が主スイッチでスイッチが入れられているままなので、工作機械の広範囲に及ぶスイッチオフ状態にも関わらず、ある運転機能が作動し続けることが本発明に関する構造に特有の利点である。例えば、本発明に関する装置によって、操作者による個々の運転機能のスイッチオフは、工作機械の安全に関連する運転機能が作動し続けるという状態に結び付けられる。このような実施形態では、発明に関する工作機械の運転機能制御装置は、安全に関連する装置を監視する装置を有する。スイッチオフ時点を決定するための少なくとも1つの装置は、もし安全に関連する装置を監視する装置が工作機械の安全性を害する運転状態を全く検知しなかった場合にのみ、所定の運転機能に関してスイッチオフ時点を決定することができるように構成されてもよい。この方法は、監視なしで工作機械のスイッチが切られたときに、所定の安全回路が作動したままなので、安全性を害する運転状態が全く生じないことを確かにすることができる。
【0017】
このような安全性を害する運転状態の例は、安全に関連する装置を監視する装置の前々からの故障または当該装置のスイッチオフ状態であり得るが、この場合工作機械の所定の運転機能のスイッチオフは、本発明に関する構成により確実に防がれる。
【0018】
工作機械の運転機能のスイッチオフ時点を決定する装置を使用して、工作機械の特定の構成部品のために異なるスイッチオフ時点を事前設定することで、安全停止の必要条件が全て満たされる方法で装置の誘導スイッチオフが可能になる。特に工作機械の制御装置の誘導スイッチオフもそれに属し、例えばハードディスクなどの精度が高い構成部品は、例えば主電源のスイッチオフよりも先にハードディスクを停止することで、それに応じて保護される。
【0019】
「時点」(時間または期間)の基準および「事象」(運転状態の実現)もまた組み合わせられ、例えば、サブプログラムが終了して2分後に例えば主駆動部のモータがスイッチオフされるようにスイッチオフ時点を決定する形で組み合わせられる。
【0020】
好適な実施形態において、工作機械の運転機能のスイッチオフ時点を決定する装置は、次のグループの内の1つ以上の装置である:工作機械の主駆動部のモータがスイッチオフされたときにスイッチオフ時点を決定する装置;工作機械の密封給気装置の圧力が減少したときにスイッチオフ時点を決定する装置;工作機械の画面の電力供給が減少したときにスイッチオフ時点を決定する装置;工作機械の冷却潤滑剤の温度が低下したときにスイッチオフ時点を決定する装置;工作機械の照明装置の電力供給が減少したときにスイッチオフ時点を決定する装置;工作機械の冷却潤滑剤の循環が減少したときにスイッチオフ時点を決定する装置;およびこれが最後の列挙ではないけれども、工作機械の制御コンピュータが省エネルギーモードになったときにスイッチオフ時点を決定する装置。さらに例は次のシステムまたは組立部品の1つ以上がスイッチオフされたときにスイッチオフ時点を決定する装置に関連する:チップ搬送システム、廃棄ポンプ、排気ポンプ、工具マガジン、例えばレーザー計測システムなどの計測装置、冷却システム、例えばフライス加工用の回転テーブル、主駆動または制御キャビネット、洗浄システム、潤滑システム(オイル/空気、グリース)、および、ポンプ,バルブ回路および重量補償のための油圧(水圧)構成部品。
【0021】
本発明での運転機能との用語は、工作機械の電流が供給されるすべての構成部品および組立部品、例えば主駆動部、調整駆動部、油圧ポンプシステム、空気ポンプシステム、チップ搬送装置、工具マガジン、制御装置などの様々な運転モードからなるが、前述の構成部品または組立部品に限定されるものではない。
【0022】
スイッチオフ時点を決定する装置に応じて、本発明に係る装置は1つ以上のディスプレイ装置を有してもよく、当該ディスプレイ装置は、その機能のためにスイッチオフ時点を決定する装置が提供される機械加工機能の1つ以上がスイッチオフ状態かスイッチオン状態かを表示するように設定されている。
【0023】
本発明に関する装置の拡張された構造では、スイッチオフ時点を決定する装置は、操作者がそれらに必要とされる対応する許可レベルを有する場合にだけ操作者によって使用されるように構成される。この目的のために、装置は、それに応じた認証データ入力または対応する信号の受け取り後にのみ、スイッチオフ時点を決定する対応する装置にアクセスを許可する1つ以上の許可チェック装置からなってもよい。データ入力は、キーボードやチップを介して実行されてもよく、信号送信は、例えば、ドイツ国特許出願10 2007 041768.5に記載されるようなトランスポンダーシステムを介してなされてもよい。
【0024】
本発明に関する工作機械の運転機能制御装置の好適な拡張は、工作機械の運転機能のスイッチオフ時点を決定する少なくとも1つの装置が、スイッチオフ後の工作機械の機能の運転状態を決定する装置を有することを提供する。
【0025】
これは、スイッチオフ時点が決定された機能であってもよい。この装置により、使用者は応用事例に従って問題になっている機械加工機能のスイッチオフ状態を様々に決定することができる。例えば、冷却潤滑剤の温度の維持が、サブプログラムが終了して5分後に停止され、特定の最低温度を下回ったら再び始めるよう決定することができる。
【0026】
しかしながら、スイッチオフ時点後に工作機械の機能の運転状態を決定する装置はまた、スイッチオフ時点が決定されたものと異なる運転機能であってもよい。この構造は、次に起きる手順が特定の組立部品のスイッチオフ後すぐに実行される場合に特に実用にかなっており、それは例えばワークピースの機械加工が完了してすぐに主駆動部がスイッチオフされた後のチップ搬送装置の回転などである。この方法では、特定の組立部品の次に起きるある動作が実現され、この動作は、今までのところ、各場合において操作者によってそれぞれの運転機能を手動で動作させることでのみ可能であった。
【0027】
工作機械の主電源に関して、本発明の最も重要な利点はまた、工作機械の本発明に関する構成を考慮して、電圧制御に必須のタップおよび電気回路に主スイッチの上流の残りの必須の構成部品の電力供給を供給することが必要ないので、対応する機械加工装置および/または機能のスイッチオフ時点が操作者によって決定されるときに、工作機械が主スイッチでまだ作動中のままであるという事実である。それによって、制御キャビネット内の必須の特別な装置およびそれらの処理は除外される。関連する安全規格を満足するために、機械は、電源が工作機械の主スイッチを操作することでスイッチオフされるときにスイッチオフ時点を決定する少なくとも1つの装置が起動され、対応する機能が遅延なくスイッチオフされるように構成されてもよい。
【0028】
本発明の構想は、工作機械の運転機能制御装置がさらに、工作機械の運転機能がスイッチオフ後に再起動されるときに再スタート時点を決定する少なくとも1つの装置を有するという事実によってかなり補足される。
【0029】
このような再スタート時点を決定する装置のために、工作機械の問題となっている構成部品が、作業スタッフが再スタート時点に手動で運転するためにコマンドを入力したりキーを押したりすることなく、例えば時間制御方法で運転復帰されてもよい。この方法では、例えば新しいシフトの開始時に、たとえ機械加工操作のためのスタッフが減少されても、不必要にエネルギーを浪費する負荷なしで、運転のために引き続いて工作機械の様々な運転機能を戻すことが可能になる。
【0030】
機械の特定の運転機能がスイッチオフ後に「起動」モードにあるという状態、すなわち、それらが減らされた運転機能を有するが完全にはスイッチオフされていない状態は、例えば制御パネル上の点滅する信号ランプなどの対応する表示部によって示されてもよい。
【0031】
再スタート時点を決定する装置の実用にかなった構造は、操作者によってスイッチオン時間を決定する装置からなる。しかしながら、再スタート時点はまた事象で始動されてもよく、その事象は工作機械の特定の運転状態の発生であってもよい。
【0032】
本発明に関する特に好適な実施形態では、複数の再スタート時点が、事象すなわち工作機械の特定の運転状態の発生のグループからメニューナビゲーションによって、および/または、時間や時間間隔によって予め決められた時点をプリセットすることによって、適切に選択されてもよい。この方法では、例えば運転を再開するための機械の系統的暖機は、計画されまたは次のプログラムによって与えられる機械加工ステップの必要性に従って構成されてもよい。
【0033】
上述したスイッチオフ時点を決定する装置と同様に、再スタート時点を決定する装置もまた、再スタート時点後に工作機械の機能の運転状態を決定する装置を有してもよい。これは、再スタートによって起動された運転機能に関連するが、再スタート時点が決定された運転機能に対応しない別な工作機械の運転機能にもまた関連する。
【0034】
再スタート時点を決定する好適な装置は、次のグループの内の1つ以上の装置である:工作機械の主電源が完全にスイッチオフされた後に再びスイッチオンされたときに再スタート時点を決定する装置;工作機械の主駆動部のモータがスイッチオフ後に再びスイッチオンされたときに再スタート時点を決定する装置;工作機械の密封給気装置の圧力がスイッチオフ後に再び上昇したときに再スタート時点を決定する装置;工作機械の画面の電力供給がスイッチオフ後に再び増加したときに再スタート時点を決定する装置;工作機械の照明装置の電力供給がスイッチオフ後に再び増加したときに再スタート時点を決定する装置;工作機械の冷却潤滑剤の温度がスイッチオフ後に再び上昇したときに再スタート時点を決定する装置;工作機械の冷却潤滑剤の循環がスイッチオフ後に再び増加したときに再スタート時点を決定する装置;およびこれが最後の列挙ではないけれども、工作機械の制御コンピュータが再起動されたときに再スタート時点を決定する装置。さらに例は次のシステムまたは組立部品の1つ以上がスイッチオンされたときに再スタート時点を決定する装置に関連する:チップ搬送システム、廃棄ポンプ、排気ポンプ、工具マガジン、例えばレーザー計測システムなどの計測装置、冷却システム、例えばフライス加工用の回転テーブル、主駆動または制御キャビネット、洗浄システム、潤滑システム(オイル/空気、グリース)、および、ポンプ,バルブ回路および重量補償のための油圧(水圧)構成部品。
【0035】
工作機械の運転機能のスイッチオフ時点を決定する本発明に関する装置および工作機械の運転機能の再スタート時点を決定する本発明に関する装置の重要な利点は、それぞれ、工作機械の運転機能を少しずつスイッチオフまたは再スタートすることで、今まで工作機械の操作者により手動操作でなされてきた処理コースがプリセットされるという事実からなる。この方法では、問題となっている人の知識および経験を、監視されていない運転においても、すべての機械で使用することができる機械命令として実現することが可能になる。さらに、自動作業への重要な貢献は、工作機械のスイッチオフおよび再スタートに関連してなされる。
【0036】
さらに、本発明に関する装置は、すでに述べた安全に関連する装置を監視する装置を有してもよく、再スタート時点を決定する装置は、安全に関連する装置を監視する装置が工作機械の安全を害する運転状態を検知したら、ある操作可能な装置が再起動されないように構成されてもよい。
【0037】
好適な実施形態において、安全に関連する装置を監視するこの装置は、作業スペース内に人がいるかどうかを検知するセンサーとして設計される。しかしながら、本発明はそれに限定されるものではなく、安全に関連する装置を監視する装置は、それに応じた適切なセンサー(光バリアなど)によって、例えば工具マガジンやセットアップ位置へのアクセスや、キャビネット扉が閉じていることを監視するものであってもよい。マシニングセンタのリスクの重要で主要な原因のリストおよびこのリスクの主な原因は、要約すればドイツ工業標準規格 EN 12417の表1に挙げられている。この規格には、工作機械の安全に関連する装置の多数の例が記載されており、それらは監視にとって問題になるが、それ自体が知られているこの装置をここで個々に列挙することは必要とされない。
【0038】
本発明に関する装置は、スイッチオフ時点を決定する装置の1つ、および/または、再スタート時点を決定する装置の1つの信号を受信する受信機を備えてもよい。例えば、受信機は電気通信網を介してショートメッセージサービス(SMS)のショートメッセージによって制御信号を受信する態勢が整っていればよい。
【0039】
さらに、本発明に係る装置の有利な構造において、問い合わせ装置は、電気通信網を介して起動されることができ、電気通信網を介して遠隔問い合わせに続く工作機械の運転状態に関するデータを送信する態勢が整っているように提供される。しかしながら、外部ステーションへの運転状態データを送信するデータ送信はまた、問い合わせなしで連続的にまたは周期的になされてもよい。それによって、例えば問い合わせの結果、操作可能な状態の十分なワークピースおよび/または工具が使用できることが確かである場合にのみ、工作機械の次に来るプログラムが移動式無線を介して開始されることが可能になる。別な例では、工作機械の安全に関連する状態に関するものであってもよく、それによって遠隔問い合わせがまず、安全回路が安全な状態を報告すれば、スリープモードで作業スペースへの扉が閉まっているかどうかを明らかにし、工作機械の監視されていない遠隔スタートが対応する安全規則に従って可能になる。
【0040】
以下に、さらなる本発明の特に好適な実施形態を、図を参照しながら説明する。