(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電子制御器が、前記開口部に取り付けられた容器に入れられた溶媒の前記温度を、前記赤外線温度センサから受信した前記測定信号に基づき制御するための電気回路を備えている、請求項1〜4のいずれかに記載の溶出試験機器。
前記開口部それぞれに取り付けられた容器が内部へと延びる浴容器と、前記浴容器と連通する加熱装置とをさらに備え、前記溶媒温度制御電気回路が前記加熱装置と接続されている、請求項5に記載の溶出試験機器。
各赤外線温度センサが、容器の側方それぞれの近傍に配置されて、前記側方で前記溶媒により放出される赤外放射を受け、各加熱要素が、赤外線温度センサそれぞれと整列された開口部を備えている、請求項7に記載の溶出試験機器。
前記センサ支持部材を配置するステップが、前記開口部に取り付けられた前記容器の側方で前記溶媒から放出される赤外放射を受けるように、各赤外線温度センサを、開口部それぞれの下方に配置するステップを含んでいる、請求項9または10に記載の方法。
前記センサ支持部材が、赤外線温度センサそれぞれが取り付けられた複数のセンサ支持構成要素を備え、前記センサ支持部材を配置するステップが、前記センサ支持構成要素を前記容器の上側開口部それぞれの近傍に配置するステップを含んでいる、請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
加熱するステップが、加熱された浴を前記容器と接触した状態に維持するため、加熱装置を操作するステップを含み、前記加熱装置を制御するために前記電子制御器を操作することにより、前記溶出溶媒それぞれの前記温度を、前記送信された測定信号に基づき制御するステップをさらに含む、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
加熱するステップが、前記容器と接触した状態にある複数の加熱要素を操作するステップを含み、前記加熱要素を制御するために前記電子制御器を操作することにより、前記溶出溶媒それぞれの前記温度を、前記送信された測定信号に基づき制御するステップをさらに含む、請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記問題の全部もしくは一部、および/または、当業者により観察されてきたであろう他の問題に取り組むために、本開示は、以下に述べる実施態様中の例により説明するように、方法、処理、システム、機器、器具および/または装置を提供する。
本発明の他の装置、機器、システム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討することにより、当業者にとって明らかになるであろう。こうした追加のシステム、方法、特徴および利点はすべて、本詳細な説明に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
【0013】
以下の図面を参照することにより、本発明をよりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも縮尺率が一定ではなく、発明の原理を示す際に強調が加えられている。図中、同様の参照番号は、異なる図面を通じて、対応する部分を示している。
図1は、本開示の実施態様に係る溶出試験機器100の例の斜視図である。溶出試験機器100は、メインハウジングなどの、さまざまな構成要素を支持するフレームアセンブリ102と、コントロールユニットまたはヘッドアセンブリ104と、ヘッドアセンブリ104の下方にある容器支持部材(例えばプレート、ラック)106と、容器支持部材106の下方にある浴容器108とを含んでいてもよい。容器支持部材106は、複数の容器取り付け位置112で浴容器108の内部へと延びる複数の容器110を支持している。
図1は例として8つの容器110を示しているが、より多くの、または、より少ない容器110が設けられていてもよいことを理解されたい。容器110は通常、環状の固定装置または締め具(図示せず)などにより、容器支持部材106の所定の場所で、固定され中心合わせされている。代わりに、例えば、本開示の譲受人に譲渡された特許に係る上記特許文献1および上記特許文献2に開示されているように、容器110自体が、中心合わせ機能を有するように構成されていてもよい。蒸発、揮発などにより溶媒が容器110から失われることを防ぐために、容器カバー(図示せず)が設けられていてもよい。例えば、本開示の譲受人に譲渡された特許に係る上記特許文献3に開示されているように、任意で、容器カバーは、ヘッドアセンブリ104に連結されて、モータ付きの手段により、容器110の上側開口部の上方の位置へと移動することができてもよい。水、または他の適切な熱を移動させる液体溶媒を、外付けの加熱器およびポンプモジュール140(これらは、溶出試験機器100の一部に含まれていてもよい)などにより、浴容器108を介して加熱および循環してもよい。
【0014】
ヘッドアセンブリ104は、容器110内で作動するさまざまな構成要素(インサイチュ(その場)駆動の構成要素)を操作または制御するための機構を含んでいてもよい。例えば、ヘッドアセンブリ104は通常、各容器110内で作動する個々のモータ駆動式の心棒およびへらを有する攪拌要素114を支持している。個々のクラッチ116が設けられて、手動の、プログラムされた、または自動の手段により、各攪拌要素114に対し、交互に動力を供給および供給停止してもよい。ヘッドアセンブリ104はまた、攪拌要素114の回転を駆動するための機構を含んでいる。ヘッドアセンブリ104はまた、液体ラインと、対応する容器110との間で液体流路を提供する溶媒移送カニューレを操作または制御するための機構を含んでいてもよい。溶媒移送カニューレは、溶媒を容器110へと分配する溶媒分配カニューレ118と、溶媒を容器110から除去するための溶媒吸引カニューレ120とを含んでいてもよい。ヘッドアセンブリ104はまた、検体濃度を測定するための光ファイバーのプローブ、pH検知器、剤形保持器(例えば、バスケット、ネット、シリンダなどのUSP型の機器)、ビデオカメラなどの、他の種類のインサイチュで駆動可能な構成要素122を操作または制御するための機構を含んでいてもよい。投薬送出モジュール126が使用されて、所定の時間に所定の溶媒温度で、選択された容器110へと、投薬の単位(例えば、錠剤、カプセル)を事前充填および投下してもよい。インサイチュで駆動可能なさまざまな構成要素を操作または制御するための機構の追加の例が、例えば上記特許文献3に開示されている。
【0015】
ヘッドアセンブリ104は、溶出試験機器100のさまざまな構成要素(上述したものなど)の作動を制御するための、プログラム可能なシステム制御モジュールを含んでいてもよい。メニュー、状態および他の情報を提供するためのLCDディスプレイ132、軸心(スピンドル)速度、温度、試験開始時間、試験持続時間などのユーザ入力操作および制御を提供するためのキーパッド134、ならびに、PPM、温度、経過した作動時間、容器重量および/または容器容積などの情報を表示するための読み出し器136などの周辺要素が、ヘッドアセンブリ104上に配置されていてもよい。
【0016】
溶出試験機器100はさらに、作動構成要素114、118、120、122を容器110内へと下降させ作動構成要素114、118、120、122を容器110から上昇させるための、1つ以上の可動式の構成要素を含んでいてもよい。ヘッドアセンブリ104それ自体が、この可動式の構成要素として機能してもよい。すなわち、ヘッドアセンブリ104全体が、手動の、自動の、または半自動の手段により、容器支持部材106に向かって、および容器支持部材106から離れるように、垂直運動へと起動されてもよい。代わりに、または追加で、駆動されるプラットフォームなどの他の可動の構成要素138を設けて、1つ以上の作動構成要素114、118、120、122を支持し、所望の時点で容器110に対し構成要素114、118、120、122を下降および上昇させてもよい。1つの種類の可動の構成要素を、1つの種類の作動構成要素(例えば攪拌要素114)を移動させるために設け、別の種類の可動の構成要素を、別の種類の作動構成要素(例えば、溶媒分配カニューレ118および/または溶媒吸引カニューレ120)を移動させるために設けてもよい。さらに、所与の可動の構成要素は、所与の種類の作動構成要素114、118、120、122の運動を別個に起動するための手段を含んでいてもよい。例えば、各溶媒分配カニューレ118または溶媒吸引カニューレ120は、他のカニューレ118または120から独立して、その対応する容器110内へと、および、その対応する容器110から外へと移動可能である。
【0017】
溶媒分配カニューレ118および溶媒吸引カニューレ120は、流体ライン(例えば、導管、チューブ)を介して、ポンプアセンブリ(図示せず)と連通している。ポンプアセンブリは、ヘッドアセンブリ104内に設けられていてもよく、または、別体のモジュールとして、溶出試験機器100のフレーム102により、どこかに支持されていてもよく、または、別体のモジュールとして、フレーム102の外部に配置されていてもよい。ポンプアセンブリは、各溶媒分配ラインおよび/または各溶媒吸引ライン用に、別体のポンプを含んでいてもよい。ポンプは、適切であれば、どのような設計であってもよく、一例は蠕動タイプである。溶媒分配カニューレ118および溶媒吸引カニューレ120は、対応する流体ラインの遠位端部を構成していてもよく、適切であれば、液体を分配または吸引するためにどのような構成を有していてもよい(例えば、チューブ、中空のプローブ、ノズル)。本文脈では、「カニューレ」という用語は単に、容器110へ挿入可能な形態の小さな液体導管を示している。
【0018】
通常の作動では、適切な溶媒タンクまたは他の源(図示せず)から溶媒分配カニューレ118へと溶媒をポンピングすることにより、各容器110は、所定の体積の溶出溶媒で満たされる。公知の溶出試験手続に従って、容器110の1つが空の容器として使用され、別の容器が標準の容器として使用されてもよい。1つ以上の、選択された、溶媒の入った容器110へと、投薬の単位が手動または自動で投下され、各攪拌要素114(または、他の攪拌装置もしくはUSPタイプの装置)が、試験溶液中で、所定の速度および持続時間で、その容器110内において回転され、投薬の単位が溶解する。別の種類の試験では、投薬の単位を充填した円筒状のバスケットまたはシリンダ(図示せず)が、各攪拌要素114と置き換えられ、試験溶液内で回転または往復運動する。いずれの所与の容器110についても、特定のUSP溶出法が実施されている場合、溶媒の温度は、所定の温度(例えば、約37+/-0.5℃)に維持されていてもよい。攪拌要素114の混合速度も、同様の目的のために維持されていてもよい。溶媒温度は、浴容器108の浴内で、各容器110の含浸により維持され、または代わりに、上述したように直接の加熱により維持される。設けられたさまざまな作動構成要素114、118、120、122は、試験実施中、容器110内で連続して作動してもよい。代わりに、作動構成要素114、118、120、122は、手動で、または自動化されたアセンブリ104もしくは138により、対応する容器110へと下降され、割り当てられた時間で試料測定が行われている間だけ容器110内に入れたままにされ、その他の時間すべてで、容器110に入れられた溶媒から出された状態に保たれてもよい。いくつかの実施態様では、作動構成要素114、118、120、122を間隔を置いて容器溶媒中に浸すことで、容器110内に作動構成要素114、118、120、122が存在していることに起因する悪影響を低減してもよい。
【0019】
溶出試験中、溶媒の試料アリコート(標本)は、溶媒吸引カニューレ120を介して容器110からポンピングされ、分光光度計などの分析装置(図示せず)へ送られて、溶出データを生成することのできる検体濃度を測定してもよい。手続きによっては、次いで、容器110から取られた試料が、溶媒分配カニューレ118または別体の溶媒戻し導管を介して、容器110へと戻される。当業者が理解するように、代わりに、光ファイバーのプローブを設けることにより、試料濃度を容器110内で直接測定してもよい。溶出試験の完了後、溶媒吸引カニューレ120または別体の溶媒除去導管を介して、容器110に入れられた溶媒を除去してもよい。
【0020】
図2は、本開示の実施形態に係る別の例の溶出試験機器200の斜視図である。溶出試験機器200は、
図1に示す溶出試験機器100と同様に構成され作動してもよく、それゆえに、類似の参照番号が類似の構成要素または特徴を示す。
図1に示す溶出試験機器100と比較して、溶出試験機器200では、浴容器108、加熱器およびポンプモジュール140、ならびに関連する構成要素が必要でなくなる。代わりに、溶出試験機器200は、無水の設計、または直接容器過熱設計を提供する。この設計では、容器210の壁に熱接触して配置された、ある形態の加熱要素242により、各容器210が直接加熱される。この構成により、容器210は、浴に浸されることにより集合的に加熱される代わりに、それぞれの加熱要素242により個別に、かつ直接加熱されてもよい。このようにして、各容器210内の溶媒温度は、他の容器210から独立して制御されてもよい。1つの例では、各加熱要素242が、対応する容器210の外面に巻き付けられており、加圧接着式の、または加熱活性式の接着剤を使用することにより、容器210に貼着されていてもよい。加熱要素242は、好ましくは透明な材料で構成された複数の薄膜を含む積層構造を備えていてもよい。1つ以上の電気抵抗ワイヤなどの伝熱要素が1つ以上の膜に埋め込まれており、容器210に入れられた溶媒に熱エネルギーを供給して、予備設定した水準に溶媒の温度を維持する。各加熱要素242は、個別に制御される加熱区域を容器210内に設けるために、1つよりも多い別体の伝熱要素を含んでいてもよい。加えて、RTDワイヤなどの温度検知要素も、温度を制御するために、1つ以上の膜に埋め込まれていてもよい。さらに、サーミスタなどの埋め込みの保護センサが、温度暴走事象または他の不具合を検知および防止するために設けられていてもよい。直接容器加熱技術のさらなる例が、例えば、本開示の譲受人に譲渡された特許に係る上記特許文献4および上記特許文献5に開示されている。以下に説明するように、本開示の実施態様は、個々の容器内の溶媒温度を非常に正確に、かつ非常に速い応答時間で、かつ望ましければ連続的または即時的にモニタするよう構成された赤外線(IR)温度センサを提供する。IR温度センサの作動により、温度検知要素と、加熱要素を有する保護センサとを設ける必要がなくなって、経費および複雑さが低減されてもよい。
【0021】
上記より明らかなように、個々の容器内の溶媒の温度を測定することが望ましく、しばしば必要とされる。ユーザは、所与の容器に入れられた溶媒の温度を、無作為または任意に測定する(例えば「抜き取り検査」)を望む場合がある。くわえて、特定の試験規則に従い、所定の一定水準に、または、所定の変動する温度特性に従って、溶媒温度が制御および維持される必要のある場合もある。さらに、直接容器加熱の場合、別体の容器内の溶媒温度を、任意のユーザ開始時間に確認し、断続的もしくは連続的にモニタし、かつ/または、個々の温度水準で制御することが必要な場合もある。従来の溶出試験機器は、このような目的のための温度プローブを提供してきた。しかし、温度プローブは、容器溶媒に浸さなければならず、それゆえに、正確な溶出データの取得に不利な、流体力学的な撹乱を生み出す。
図1に関連して上述したように、温度プローブは、インサイチュで駆動可能な構成要素122として提供されてもよく、これは、他の作動構成要素114、118、120とともに、容器110へと、および、容器110から、交互に挿入および除去することができる。容器内で温度プローブを周期的に作動させることができることにより、流体力学的な撹乱を低減することができる一方で、完全に取り除くことはできず、挿入および除去を繰り返し行うことで、さらなる流体力学的な撹乱を生み出す場合がある。さらに、溶媒温度の即時的な測定は、溶出試験中、温度プローブを常に容器内に入れたままにすることによってしか達成することができない。
【0022】
上記問題と取り組むために、本開示に係る、
図1または
図2に示す溶出試験機器100または200などの溶出試験機器は、赤外線(IR)温度センサ(
図1および
図2には特に示していない)を提供する。溶媒温度の測定が要望されている各容器について、少なくとも1つのIR温度センサが設けられていてもよい。IR温度センサは、液面から放出される赤外放射を受けるために、容器取り付け位置またはその近傍に配置されていてもよい。例として、IR温度センサは、側壁に隣接した溶媒の境界から放出される赤外放射を受けるため、容器取り付け位置の下方(すなわち、容器が取り付けられている、容器支持部材の開口部の下方)に、または、容器のそれぞれの側壁もしくはその近傍に配置されていてもよい。代わりに、IR温度センサは、容器の上側開口部またはその近傍、かつ、容器に入れられた上側の液面それぞれの上方に配置されていてもよい。本文脈において、「に」または「近傍に」という用語は、IR温度センサの遠位端が、容器の横壁もしくは側壁の近くに配置されていてもよいこと、または、上側容器開口部と共面(同一平面内)もしくは実質的に共面の高さ(レベル)に配置されていてもよいこと、または、上側容器開口部の上方に、そしてそれゆえに容器の外部に配置されていてもよいこと、または、上側容器開口部の下方に、そしてそれゆえに容器の内部に配置されていてもよいことを意味している。当業者が理解するように、容器に対するIR温度センサの正確な高さは、容器内の液面の高さに依存していてもよく、かつ/または、その距離対スポット(D:S)比などの、IR温度センサの特定の属性に依存していてもよい。IR温度センサは、容器に対して固定された位置に設けられていてもよく、この固定された位置は、取り外し可能および/もしくは調節可能であってもよく、または、手動の、自動の、もしくは半自動の手段により、容器に向かっておよび容器から離れるように移動することができてもよい。例えば、IR温度センサの検知ヘッドはそれぞれ、
図1に示す長尺の構成要素122に示されるような、駆動機構の端部に取り付けられていてもよい。別の例では、IR温度センサは、可動の構成要素104(204)および138(238)などの、溶出試験機器100または200の他の種類の可動の構成要素に支持され、かつ、それらとともに移動可能であってもよい。IR温度センサは、ヘッドアセンブリ104もしくは204に、または、溶出試験機器100もしくは200の別の場所に配置されていてもよい電気回路と交信している。このような電気回路は、温度示度を表示するように、ならびに、浴実施態様の加熱器およびポンプモジュール140または直接容器加熱実施態様の容器加熱要素242との相互作用を通じて溶媒温度を制御するよう構成されている。
【0023】
IR温度センサの追加の例を、
図3〜
図9を参照して説明する。
図3は、一実施態様に係る、容器310に入れられた溶媒344の温度を測定するために容器取り付け位置312に配置されたIR温度センサ300の例の立面断面図である。上述したように、容器取り付け位置312および対応する容器310は、適切な溶出試験機器により設けられていてもよい。溶出試験機器は通常、複数のこのような容器取り付け位置312および対応する容器310を含んでいる。容器取り付け位置312は、上述し
図1に示したような溶出試験機器の容器支持部材306により形成されている。本例では、容器310は、上側開口部348で終端となる本体346を含んでいてもよい。容器310のフランジ領域352(例えば、リム、フランジ)は、開口部348に配置されており、容器支持部材306により支持されている。フランジ部352は、
図3に示すように、容器310の本体346と一体に形成されていてもよい。代わりに、本開示中に説明されているように、容器310は、容器310の本体346に固定されたカラーまたはリングとしてフランジ部352が設けられた、ツーピース構成を有していてもよい。これも説明されているように、容器支持部材306も、対応する容器取り付け位置342の適所に各容器310を固定および中心合わせするための手段(図示せず)を含んでいてもよい。容器310内で作動する攪拌要素314も
図3に示されており、その一部は、溶媒344の液面354の下方に浸されている。上述したように、他のインサイチュで駆動可能な構成要素も、容器310に挿入されていてもよい。
図3はまた、直接容器加熱を提供する選択肢も示しており、それゆえに、容器310の本体346の周囲に固定されて熱接触している加熱要素342を示している。容器310はまた、断熱ギャップ358を提供する容器隔離チャンバ356により包囲されていてもよい。
【0024】
溶媒344からIR放射360を適切に受けるために容器内部の液面354上方にIR温度センサ300をふさわしく配置するため、IR温度センサ300をセンサ支持部材362に取り付ける。
図3に示す例では、センサ支持部材362は、容器カバーを設けられており、または、容器カバーの一部を形成している。容器カバーは、攪拌要素314および/または他のインサイチュで駆動可能な構成要素を収容するため、1つ以上の開口部を含んでいてもよい。容器カバーは、容器310のフランジ部352に支持されていてもよく、または、図示するように、容器支持部材306に支持されていてもよい。容器支持部材306に支持されている場合、容器カバーは、容器支持部材306に取り外し可能に固定されていてもよく、または、単にその上に置かれていてもよい。容器カバーは、ユーザにより、容器310の上側開口部348の上方で適所に固定されてもよい。代わりに、容器カバーは、連結または駆動機構364により、溶出試験機器の可動の構成要素に機械的に関連付けられていてもよく、それゆえに、矢印366により示すように、容器310に向かって、または容器310から離れるように動くことができてもよい。
【0025】
IR温度センサ300は、容器取り付け位置312で作動し液相溶媒344のIR放射360を受けるのに適切であれば、どのような設計および物理的寸法を有していてもよい。IR温度センサ300は一般に、IR放射360を、比例する電気信号に変換する変換装置を有する遠位端またはセンサヘッド368と、そのIRに基づく温度検知機能を果たすのに必要な他の電子技術および装置とを含んでいてもよい。IR温度センサ300は、有線または無線の伝動装置372を介して、その測定信号をIR温度検知電気回路(図示せず)へと送信する。IR温度検知電気回路は、溶出試験機器により、
図1および
図2に示すフレームアセンブリ102または202によって支持されたヘッドアセンブリ104もしくは204または他の制御ユニットなどとともに設けられている。IR透過材料により構成された障壁374が、センサ支持部材362(本例では容器カバー)またはIR温度センサ300により設けられて、湿気、汚染および衝撃からIR温度センサ300の内部構成要素を保護していてもよい。
【0026】
図4は、別の実施態様に係る、容器取り付け位置412に配置されたIR温度センサ400の例の立面断面図である。
図3と比較して、類似の参照番号は類似の構成要素を示す。本例では、センサ支持部材462が、プレートまたはロッドなどの小さな構造部材の形態で設けられている。構造部材は、容器取り付け位置412の開口部の上方に、そしてそれゆえに、開口部に取り付けられた容器410の上側開口部448の上方に浮くようにされている。センサ支持部材462の寸法は、適切な位置にIR温度センサ400を支持しながら、容器取り付け位置412で作動する可能性のある他の構成要素に干渉しないという目的に適うように、最小にされていてもよい。センサ支持部材462は、図示するように容器支持部材406に取り付けられていてもよく、または代わりに、容器410のフランジ部452に取り付けられていてもよい。センサ支持部材462は、容器支持部材406もしくはフランジ部452の恒常的な備品であってもよく、または、容器支持部材406もしくはフランジ部452に取り外し可能に取り付けられていてもよい。センサ支持部材462は、IR温度センサ400を収容するセンサ支持部材462の可動部476が、容器支持部材406の開口部および容器上側開口部448の邪魔にならずに回転できるようにするヒンジまたはピボット474を含んでいてもよい。代わりに、ヒンジまたはピボット474は、IR温度センサ400が垂直軸に対して揺動できるように方向付けられていてもよい。代わりに、可動部476が、1つ以上の方向に沿って摺動し、容器410に対してIR温度センサ400を調節できるよう構成されていてもよい。
【0027】
図5は、別の実施態様に係る、容器取り付け位置512に配置されたIR温度センサ500の例の立面断面図である。
図3および
図4と比較して、類似の参照番号は類似の構成要素を示す。当業者が理解するように、本例では、リング582が容器支持部材506と相互作用して、容器取り付け位置512の適切な位置で、容器510を固定および/または中央合わせする。本実施態様によれば、センサ支持部材562が、このリングに取り付けられており、または、このリングの一部を形成している。
【0028】
図6は、別の実施態様に係る、容器取り付け位置612に配置されたIR温度センサ600の例の立面断面図である。
図3〜
図5と比較して、類似の参照番号は類似の構成要素を示す。本例では、センサ支持部材が、
図1および
図2に示すヘッドアセンブリ104または204などの、溶出試験機器の構成要素から下方に延びるシャフトまたはロッドなどとして、長尺の部材662の形態で設けられている。長尺の部材662は、測定信号を送信するためにIR温度センサ600により使用されるワイヤを収容するため、中空であってもよい。いくつかの実施形態では、矢印666で示すように、長尺の部材662は、容器取り付け位置612に向かって、および容器取り付け位置612から離れるように動くことができてもよく、それゆえに、IR温度センサ600がそれとともに動くことができる。
図6にさらに示すように、長尺の部材662を設ける代わりに、容器支持部材を、可動のプラットフォーム663の形態で設けてもよい。可動のプラットフォーム663はまた、本開示で先に言及したような他の作動構成要素を移動するのに使用されてもよい。
【0029】
図6はまた、一体的なフランジ部を設ける代わりに、カラーまたはリング652が容器610に取り外し可能に取り付けられた2部構造体として、容器610が設けられいてもよいことを示している。カラーまたはリング652は、上述した容器中央合わせ機能を提供するよう構成されていてもよい。可動のカラーまたはリング652を有する容器610は、
図3〜
図5に示す実施態様のいずれかに設けられていてもよい。1つの例では、
図4または
図5に示すような容器支持部材が、
図6に示すカラーもしくはリング652に取り付けられており、または、カラーもしくはリング652の一部を形成している。
【0030】
図7は、IR温度センサ702に接続するために上述したような溶出試験機器を設けてもよいIR温度測定処理システム700の全体的な模式図である。処理システム700は一般に、適切な電気ラインまたは他の種類の交信リンクを介して他のさまざまな構成要素と交信する電子制御器704を含んでいる。すなわち、本概略的文脈において、図示した交信ラインは、ワイヤもしくは他の物理的な種類の電線、または代わりに、電磁気的信号の無線送信を示している。処理システム700は、IR温度センサ702から受信した測定信号に基づき溶媒温度値の示度を提示するための電気回路を含んでいてもよく、また、容器加熱制御電気回路を含んでいてもよい。当業者が理解するように、電子制御器704は、プロセッサーに基づいていてもよく、アナログおよび/またはデジタル特性ならびにハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェア特性を含んでいてもよい。処理システム700は、専用の交信リンクを通じて溶出試験機器のメイン制御電気回路706と交信してもよく、それゆえに、
図1および
図2の例に示すヘッドアセンブリ104または204などの、溶出試験機器の適切な制御ユニット内に収容することができる。
【0031】
電子制御器704は、各容器に関連付けられた各IR温度センサ702と交信し、それゆえに、各容器に入れられた溶媒の体積それぞれの温度をモニタすることができる。IR温度センサ702は、侵入しない仕方で作動するため、電子制御器704は、溶媒温度を即時的に連続してモニタし、それゆえに、ユーザが要望する即時的なまたは他の一時的なもしくは事象駆動式(イベントドリブン)の温度読み出しおよび加熱器制御を提供するよう構成されていてもよい。図示した例では、電子制御器704はまた、容器から得た温度示度を表示するよう構成されたLCDスクリーンなどの周辺読み出しまたは表示装置708と交信しており、また、容器加熱処理に関連した他の情報を表示してもよい。容器中の溶媒の加熱に対する制御を提供する実施態様では、電子制御器704はまた、各容器についての容器溶媒設定温度および他の適切なシステムパラメータのユーザ入力を可能にするためのキーパッドなどの周辺入力装置710と交信していてもよい。くわえて、電子制御器704は、容器に入れられた溶媒を加熱するために使用される1つ以上の加熱装置712と交信していてもよい。浴加熱実施態様では、加熱装置712は、
図1に示す加熱器およびポンプモジュール140などの浴と接続されたモジュールを含んでいてもよい。この場合、電子制御器704は、加熱装置712を操作して、浴の温度を調節し、それにより、すべての容器に入れられた溶媒の温度を調節する。直接容器加熱実施態様では、加熱装置712は、
図2〜
図4に関連して上述したように容器に取り付けられた加熱要素242がそれぞれ設けられた伝熱要素を含んでいてもよい。後者の場合、電子制御器704は、各容器に関連付けられた加熱装置712を、それらに供給される電力を制御することにより、独立して操作する。
【0032】
上記特許文献4および上記特許文献5に開示されたような侵入的な温度プローブを使用する、従来の直接容器加熱実施態様では、電子制御器はまた、容器に取り付けられた加熱要素242が設けられた温度検知要素714および保護センサ716に給電し、かつ温度検知要素714および保護センサ716からの信号を受信するためにも使用されていたことに留意されたい。しかし、本実施態様では、IR温度センサ702の精度(例えば+/-0.1℃)、低減された平衡時間、早い応答時間および連続的な作動により、加熱要素242が温度検知要素714または保護センサ716さえ含んでいなくてもよく、それゆえに、このような構成要素は、本実施態様では任意である。
【0033】
溶出試験中の作動では、1つの例によれば、ユーザが周辺入力装置710を操作して、設定温度値またはプログラムされた温度特性を入力する。これに従って、溶出試験機器に据え付けられた容器内の溶媒温度が維持される。直接容器加熱実施態様では、ユーザには、各容器または容器の区分されたグループそれぞれについて、異なる作動温度を設定する追加の選択肢がある。電子制御器704は、加熱装置712の作動を制御して、所定の値に溶媒温度を維持するために適切な量の電力が確実に供給されるようにする。上記例により説明したように、IR温度センサ702は、手動または自動の手段により、容器に対してふさわしい位置へと移動される。IR温度センサ702は、周期的に、連続的に、または上述したようなユーザが規定した他の何らかの一時的なもしくは事象駆動式のやり方で測定信号を生成することにより、容器内の溶媒温度を測定およびモニタし、測定信号を電子制御器704へと送信する。このようにして、電子制御器704は、各容器内の溶媒温度の上昇をモニタし、事前に入力した設定値で所与の容器内の溶媒温度が安定しているかを判断し、溶媒温度が、設定値または所定の変動特性から、所定の期間(例えば10秒)にわたり、所定の許容誤差(例えば+/-0.05℃)よりも大きく逸脱していないかを判断することができる。逸脱を修正するために容器溶媒温度を調節する必要がある場合、または、所定の特性に従って容器溶媒温度が変動する必要がある場合、電子制御器704は、適切な量の加熱エネルギーが溶媒に移送されるようにするために、適切な制御信号を加熱装置712へと送信する。電子制御器704はまた、IR温度センサ702から受信した測定信号を使用して、容器を加熱し損なう、または、容器を過剰に、もしくは制御されない仕方で加熱するなどして、加熱装置712が不具合を起こしていないかを判断してもよい。このような警戒すべき状態が検知された場合、加熱システム700を停止させるため、電子制御器704を作動させてもよい。
【0034】
図8は、分光光度計などの分析器具803と連携して作動する溶出試験機器801を全体として含む分析的なシステム800の模式図である。溶出試験機器801は、容器支持部材806に取り付けられた複数の容器810と、上述したように容器810に対して作動的に配置された、対応する複数の赤外線温度センサ802とを含んでいる。1つ以上の溶媒移送カニューレが、各容器810に挿入可能にされている。このような溶媒移送カニューレは、上述したように、溶媒分配カニューレおよび溶媒吸引カニューレを含んでいてもよい。各溶媒分配カニューレは、適切な溶媒分配ライン819と連通しており、各溶媒吸引カニューレは、適切な溶媒吸引ライン821と連通している。当業者が理解するように、本開示の文脈では、このような流体ライン819および821は、1つ以上の導管、チューブ、バルブ、マニホルド、および、液体移送のために使用される他の種類の構成要素を示していてもよい。本例では、所与の容器810と関連付けられた溶媒分配および溶媒吸引ライン819および821の各対は、対応するフローセル860と連通している。各フローセル860を通る溶媒の流れは、光線を照射されて、検体濃度(および、それゆえに溶出データ)が導き出されてもよい分析的な信号を生成する。フローセル860を通って伝播する光線は、適切な光学部品(例えば、光ファイバー864および866、レンズ)を介して伝わってもよい。フローセル860は通常、分析器具803と一体にされているが、代わりに、溶出試験機器801と一体にされていてもよく、または、分析器具803から離れた他の場所に配置されていてもよい。さらに代わりに、フローセル860は、含浸プローブ(図示せず)と分析器具803との間で光信号を伝えるため、光ファイバーとともに容器810に直接挿入される含浸プローブと一体にされていてもよい。
【0035】
図8に示す例では、溶出試験機器801は、各容器810に関連した閉ループの液体回路を確立するよう構成されている。この目的のために、溶出試験機器801は、対応する溶媒分配ライン819または溶媒吸引ライン821と連通している少なくとも1つのポンプを含むポンプアセンブリ(図示せず)を含んでいる。したがって、本例では、各閉ループの液体回路は、容器810、溶媒吸引ライン821、フローセル860、溶媒分配ライン819および1つ以上のポンプにより区画されている。フローセル860との連通の代わりに、または、フローセル860との連通に加えて、溶媒分配ライン819は、溶出溶媒、溶剤、すすぎまたは洗浄のための試薬液などの1つ以上の源(図示せず)と連通していてもよい。同様に、溶媒吸引ライン821は、廃物貯蔵容器、回収タンクまたは回収容器などの、1つ以上の液体貯蔵容器(図示せず)と連通していてもよい。追加の流体ラインおよびポンプ(図示せず)が、源から容器810へ、および容器810から貯蔵容器へ、液体を移送するために設けられていてもよい。
【0036】
分析器具803は、フローセル860へと初期の強度の光線を送信して、その中を流れる液体溶媒を照射するための、1つ以上の光源868と、フローセル860から光線を受け、フローセル860内の溶媒を通る行路から生じる光線の減衰の量を判断するための、1つ以上の光検知器870とを含んでいてもよい。適切な光源868の例には、1つ以上のランプ(例えば、重水素、キセノン)、LED、レーザまたはレーザダイオード(LD)などが含まれるが、これに限定されない。適切な光検知器870の例には、1つ以上の光電池、フォトダイオードなどが含まれるが、これに限定されない。当業者が理解するように、分析器具803は、フローセル860、光源868および光検知器870(例えば、光スイッチ、マルチプレックサー、デマルチプレクサー、光ファイバ864および866、ライトパイプ、格子、鏡)の間で光信号を伝えるための適切な手段、ならびに電子処理器に基づく制御部品、ユーザインターフェースなどを含んでいてもよい。
【0037】
吸引された溶媒が、上記例により示された分光光度計などの、光学セルに基づく器具以外の分析器具803に移送されてもよいことを理解されたい。分析器具803の他の例は、液体またはガスクロマトグラフ、質量分析計、核磁気共鳴分光計、フラクションコレクタ(自動分画器)などを含んでいるが、これに限定されない。
溶出試験機器801はさらに、
図7に関連して上述したようなIR温度測定処理システム804を含んでいる。処理システム804は、溶出試験機器801と一体にされていてもよく、または、それから離して配置されていてもよい。処理システム804は、適切な交信リンク872を介して、IR温度センサ802と交信している。上述したように、処理システム804は、IR温度センサ802から受信した信号を、即時的に、または、事象応答式に処理してもよく、こうした方式は、処理システムに事前にプログラムされていてもよく、または、ユーザによって選択されてもよい。例として、処理システム804は、プログラムされた間隔またはユーザの要望する間隔で、本質的に連続した、もしくは即時の方式で、または断続的に、容器溶媒の温度をモニタしてもよい。溶媒温度の測定はまた、溶媒分配ステップの開始もしくは完了、溶媒吸引ステップの開始もしくは完了、または、溶出試験手続きの全部もしくは一部の開始もしくは完了への応答などの、1つ以上の容器810で起きた事象または行われた操作により駆動されてもよい。溶媒温度の測定はまた、溶媒分配、溶媒吸引および/または剤形の溶出などの事象が起きている間に、溶媒をモニタするために行われてもよい。処理システム804はまた、溶出試験機器801とともに設けられてもよいような適切なディスプレイまたは読み出し装置を介して、1つ以上の容器810に関連した温度値を表示するよう構成されていてもよい。処理システム804はまた、さまざまな目的のために、分析器具803と相互作用してもよく、一例は、溶出率データとともに溶媒温度データを生成することである。
【0038】
図9は、別の実施態様に係る、容器取り付け位置912に配置されたIR温度センサ900の例の立面断面図である。
図5と比較して、類似の参照番号は類似の構成要素を示すが、
図9の実施形態は、
図1〜
図8に示す実施形態のいずれにおいて実施してもよいことを理解されたい。本例では、センサ支持部材または構成要素が、容器支持部材906または溶出試験機器の他の適切な構成要素から下方に延びるシャフトまたはロッドなどの、長尺の部材962の形態で設けられている。長尺の部材962は、測定信号を送信するためにIR温度センサ900によって使用されるワイヤを収容するため、中空にされていてもよい。いくつかの実施態様では、長尺の部材962は、容器910に対するIR温度センサ900の位置を調節できるようにするために、容器取り付け位置912へと、および、容器取り付け位置912から離れるように移動できるようにされていてもよい。
図9では、IR温度センサ900は、容器910に入れられた溶媒554の側方または横方向の境界から(すなわち、容器910の側壁を通して)IR放射960を受けるために、このように、容器取り付け位置912の下方、容器支持部材906および対応する開口部の下方、ならびに、容器910の側方(すなわち、側壁または横壁)の近傍に配置および方向付けされている。容器910の側壁(および絶縁ジャケット、加熱要素などの他の層)を通したIR放射が溶媒温度測定の取得に与えるかもしれない影響を補正するように、システムとともに設けられたソフトウェアおよび/または電気回路が構成されていてもよい。本実施態様では、容器910は、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)などの、IR送信に適した組成(すなわちIR送信材料)を有していてもよい。くわえて、または代わりに、容器910には、サファイア、石英、または他のさまざまなガラスもしくは水晶などの、IR透過用に特に選択された窓992が設けられていてもよい。さらに、加熱要素942が容器910とともに設けられている場合、加熱要素942に対してIR温度センサ900へのIR透過を促進するために、この加熱要素942に、窓または開口部994(すなわち、塞がれていない領域)が設けられていてもよい。本開示で先に開示した他の実施形態と比較して、
図9に示す構成は、IR温度センサ900により受けられるIR放射960が、溶媒544の頂面554から立ち昇る蒸気に影響されないという点で、有利であると考えることができる。
【0039】
一般に、「連通している」および「連通した状態にある」(例えば、第1の構成要素が第2の構成要素と「連通している」または「連通した状態にある」)という用語は本明細書中で、2つ以上の構成要素または要素の間の、構造的、機能的、機械的、電気的、信号的、光学的、磁気的、電磁気的、イオン的または流体的な関係を示すために使用されている。このように、1つの構成要素が第2の構成要素と連通しているということは、追加の構成要素が第1および第2の構成要素の間に存在すること、ならびに/または、追加の構成要素が第1および第2の構成要素に作動的に関連もしくは係合していることを排除することを意図していない。
【0040】
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明のさまざまな局面または詳細を変更できることをさらに理解されたい。さらに、上記記載は、説明のみを目的としたものであり、限定を目的としたものではない。本発明は、特許請求の範囲によって規定される。