(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、
図1(a)、
図2及び
図3を用いて、本発明の第一実施形態に係る蓄電池システム1Aについて説明する。
【0016】
蓄電池システム1Aは、太陽光や風力等の自然エネルギーで生じた電力を蓄電して利用するシステムである。
図1(a)に示すように、蓄電池システム1Aは、発電部2と、蓄電部3と、を備える。蓄電池システム1Aは、住宅等に用いられる負荷5に対して電力を供給するように構成される。
【0017】
発電部2は、自然エネルギーにより発電するものである。発電部2は、例えば、住宅の屋根等に設置される太陽電池パネルや、風車を有する発電機とされ、太陽電池パネルが太陽光を受光することで生じる起電力や、風力で風車を回転させることで発電機に生じる起電力を利用して発電する。
【0018】
蓄電部3は、前記発電部2で発電された電力を蓄えるものである。蓄電部3は、前記発電部2と電気的に接続される。蓄電部3は、実態的には、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の蓄電池とされるが、蓄電池の代わりに、キャパシタを用いることも可能である。蓄電部3は、少なくとも二つの蓄電群が並列に接続されて構成され、本実施形態においては、リチウムイオン電池で構成された第一蓄電群31及び第二蓄電群32が並列に接続されて構成される。
【0019】
各蓄電群(第一蓄電群31及び第二蓄電群32)には、前記発電部2側に入力側開閉器(第一入力側開閉器41及び第二入力側開閉器42)と、前記負荷5側に出力側開閉器(第一出力側開閉器51及び第二出力側開閉器52)と、該蓄電群31・32の出力電圧を検知する出力側電圧センサ(第一出力側電圧センサ61及び第二出力側電圧センサ62)と、該蓄電群31・32の出力電流を検知する出力側電流センサ(第一出力側電流センサ71及び第二出力側電流センサ72)と、がそれぞれ設けられる。
【0020】
第一入力側開閉器41は、発電部2で生じた電力を、第一蓄電群31に供給又は遮断するものであり、発電部2と、第一蓄電群31との間に設けられる。つまり、発電部2と、第一蓄電群31と、が第一入力側開閉器41を介して電気的に接続され、第一入力側開閉器41を「閉」とすることで、発電部2で生じた電力が第一蓄電群31に供給されて、第一入力側開閉器41を「開」とすることで、発電部2で生じた電力が第一蓄電群31に供給されず遮断される。
【0021】
第二入力側開閉器42は、発電部2で生じた電力を、第二蓄電群32に供給又は遮断するものであり、発電部2と、第二蓄電群32との間に設けられる。つまり、発電部2と、第二蓄電群32と、が第二入力側開閉器42を介して電気的に接続され、第二入力側開閉器42を「閉」とすることで、発電部2で生じた電力が第二蓄電群32に供給されて、第二入力側開閉器42を「開」とすることで、発電部2で生じた電力が第二蓄電群32に供給されず遮断される。
【0022】
第一出力側開閉器51は、第一蓄電群31で蓄えた電力を、負荷5に供給又は遮断するものであり、第一蓄電群31と、負荷5と、の間に設けられる。つまり、第一蓄電群31と、負荷5と、が第一出力側開閉器51を介して電気的に接続され、第一出力側開閉器51を「閉」とすることで、第一蓄電群31で蓄えた電力が負荷5に供給され、第一出力側開閉器51を「開」とすることで、第一蓄電群31で蓄えた電力が負荷5に供給されず遮断される。
【0023】
第二出力側開閉器52は、第二蓄電群32で蓄えた電力を、負荷5に供給又は遮断するものであり、第二蓄電群32と、負荷5と、の間に設けられる。つまり、第二蓄電群32と、負荷5と、が第二出力側開閉器52を介して電気的に接続され、第二出力側開閉器52を「閉」とすることで、第二蓄電群32で蓄えた電力が負荷5に供給されて、第二出力側開閉器52を「開」とすることで、第二蓄電群32で蓄えた電力が負荷5に供給されず遮断される。
【0024】
第一出力側電圧センサ61は、第一蓄電群31の出力電圧を検知するものであり、第一蓄電群31と、第一出力側開閉器51との間に設けられる。第一出力側電圧センサ61は、第二出力側開閉器52と電気的に接続され、当該第二出力側開閉器52と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。より詳細には、第一出力側電圧センサ61は、第二出力側開閉器52を制御する機能を有し、第一蓄電群31の出力電圧が第一所定電圧以下となると、第二出力側開閉器52を「閉」に制御する。ここで、第一所定電圧は、閾値として第一出力側電圧センサ61に予め設定される値であり、任意の値に変更可能である。
【0025】
第二出力側電圧センサ62は、第二蓄電群32の出力電圧を検知するものであり、第二蓄電群32と、第二出力側開閉器52との間に設けられる。第二出力側電圧センサ62は、第一出力側開閉器51と電気的に接続され、当該第一出力側開閉器51と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。より詳細には、第二出力側電圧センサ62は、第一出力側開閉器51を制御する機能を有し、第二蓄電群32の出力電圧が第二所定電圧以下となると、第一出力側開閉器51を「閉」に制御する。ここで、第二所定電圧は、閾値として第二出力側電圧センサ62に予め設定される値であり任意の値に変更可能である。なお、第二所定電圧は、前記第一所定電圧と同じ値とすることも可能である。
【0026】
第一出力側電流センサ71は、第一蓄電群31の出力電流を検知するものであり、第一出力側開閉器51と、負荷5との間に設けられる。第一出力側電流センサ71は、第一入力側開閉器41と電気的に接続され、当該第一入力側開閉器41と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。また、第一出力側電流センサ71は、第一出力側開閉器51と電気的に接続され、当該第一出力側開閉器51と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。また、第一出力側電流センサ71は、第二入力側開閉器42と電気的に接続され、当該第二入力側開閉器42と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。より詳細には、第一出力側電流センサ71は、第一入力側開閉器41と、第一出力側開閉器51と、第二入力側開閉器42と、を制御する機能を有し、第一蓄電群31の出力電流が第一所定電流以下となると、第一入力側開閉器41を「閉」、第一出力側開閉器51を「開」、第二入力側開閉器42を「開」に制御する。ここで、第一所定電流は、閾値として第一出力側電流センサ71に予め設定される値であり、任意の値に変更可能である。
【0027】
第二出力側電流センサ72は、第二蓄電群32の出力電流を検知するものであり、第二出力側開閉器52と、負荷5との間に設けられる。第二出力側電流センサ72は、第二入力側開閉器42と電気的に接続され、当該第二入力側開閉器42と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。また、第二出力側電流センサ72は、第二出力側開閉器52と電気的に接続され、当該第二出力側開閉器52と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。また、第二出力側電流センサ72は、第一入力側開閉器41と電気的に接続され、当該第一入力側開閉器41と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。より詳細には、第二出力側電流センサ72は、第二入力側開閉器42と、第二出力側開閉器52と、第一入力側開閉器41と、を制御する機能を有し、第二蓄電群32の出力電流が第二所定電流以下となると、第二入力側開閉器42を「閉」、第二出力側開閉器52を「開」、第一入力側開閉器41を「開」に制御する。ここで、第二所定電流は、閾値として第二出力側電流センサ72に予め設定される値であり、任意の値に変更可能である。なお、第二所定電流は、前記第一所定電流と同じ値とすることも可能である。
【0028】
以下では、本発明の第一実施形態に係る蓄電池システム1Aの制御態様について、
図2及び
図3を用いて説明する。ただし、初期状態として、第一蓄電群31は、残存する電力(容量)が少なくて充電が必要な状態とし、第二蓄電群32は、満充電状態で十分な電力を有する状態とする。
なお、
図3は、蓄電池システム1Aの動作、より詳細には、開閉器41・42・51・52の動作を示す図であり、各部材間の電気的な接続を示す二点鎖線及び後述する制御部4については図示を省略する。
【0029】
初めに、
図2及び
図3(a)に示すように、蓄電池システム1Aにおいては、第一入力側開閉器41が「閉」、第一出力側開閉器51が「開」、第二入力側開閉器42が「開」、第二出力側開閉器52が「閉」に制御されて(S1)、第一蓄電群31の充電が開始されて、第二蓄電群32の放電が開始される(S2)。
【0030】
次に、第二出力側電圧センサ62により、第二蓄電群32の出力電圧が、第二所定電圧以下であるか否かを判断して(S3)、第二所定電圧以下となると(S3:yes)、
図3(b)に示すように、第二出力側電圧センサ62により、第一出力側開閉器51が「閉」に制御され(S4)、第一蓄電群31の放電が開始される(S5)。これにより、第二蓄電群32から流れる出力電流は、徐々に低下することとなる。
【0031】
その後、第二出力側電流センサ72により、第二蓄電群32の出力電流が、第二所定電流以下であるか否かを判断して(S6)、第二所定電流以下となると(S6:yes)、
図3(c)に示すように、第二出力側電流センサ72により、第一入力側開閉器41が「開」、第二入力側開閉器42が「閉」、第二出力側開閉器52が「開」、に制御され(S7)、第一蓄電群31の充電が停止し、第二蓄電群32の放電が停止するとともに充電が開始される(S8)。
【0032】
また、充電される蓄電群と放電される蓄電群が反対となる場合、すなわち、第一蓄電群31が放電されて、第二蓄電群32が充電されている場合は、第一出力側電圧センサ61及び第一出力側電流センサ71によって、第一蓄電群31の出力電圧及び出力電流がそれぞれ検知されて、前記同様にそれぞれ開閉器が制御され、第一蓄電群31と第二蓄電群32の充放電が前記と逆の制御となる。
【0033】
このように、第一入力側開閉器41、第二入力側開閉器42、第一出力側開閉器51及び第二出力側開閉器52が制御されることで、負荷5に電力を途切れることがなく供給を行いつつ、一つの蓄電群を充電から放電に、他の蓄電群を放電から充電に、スムーズに切り替えることができる。また、制御部(制御基板)が不要で、安価な蓄電池システム1Aを提供することができる。
【0034】
なお、ステップS4からステップS7の間において、第一蓄電群31は、充電と放電を同時に行うこととなるが、ステップS4からステップS7の間で経過する時間は、一秒以下であるため、第一蓄電群31の寿命等に与える影響は非常に少ない。
【0035】
さらに、
図1(b)に示す蓄電池システム1A´のように構成することも可能である。
【0036】
図1(b)中の制御部4は、蓄電部3の放電を制御するものである。つまり、蓄電群31・32で蓄えられた電力を負荷5に放電(負荷5で消費)するように、開閉器51・52を制御するものである。制御部4には、第一出力側開閉器51と、第二出力側開閉器52と、第一出力側電圧センサ61と、第二出力側電圧センサ62と、が電気的に接続される。制御部4は、オペアンプ等で構成された演算回路等を有し、該演算回路により加減算等の演算が可能に構成される。制御部4には、開閉器51・52を開閉させる閾値となる前記第一所定電圧及び前記第二所定電圧が予め設定されている。これら閾値は、任意の値に変更可能とされる。
【0037】
次に、蓄電池システム1A´の開閉器41・42・51・52の動作について説明する。
なお、蓄電池システム1A´の開閉器41・42・51・52の動作は、
図3に示した蓄電池システム1Aの開閉器41・42・51・52の動作と同様であるので、
図3を用いて説明する。
【0038】
蓄電池システム1A´が
図3(a)の状態において、第二出力側電圧センサ62により第二蓄電群32の出力電圧が検知され、制御部4により所定電圧以下であるか否かが判断される。
そして、第二出力側電圧センサ62による検知結果が第二所定電圧以下となると、
図3(b)に示すように、制御部4により第一出力側開閉器51が「閉」に制御され、第一蓄電群31の放電が開始される。その後は、前記蓄電池システム1Aと同様に制御される。これにより、簡易な制御部4で、安価な蓄電池システム1A´を提供することができる。
【0039】
また、
図1(c)に示す蓄電池システム1A´´のように構成することも可能である。
【0040】
図1(c)中の制御部4は、前記蓄電部3の充電及び放電を制御するものである。つまり、発電部2から供給された電力を蓄電群31・32で充電するように開閉器41・42を制御するとともに、第一蓄電群31及び第二蓄電群32で蓄えられた電力を負荷5に放電(負荷5で消費)するように開閉器51・52を制御するものである。制御部4には、蓄電池システム1A´の構成に加えて、第一出力側電流センサ71と、第二出力側電流センサ72と、第一入力側開閉器41と、第二入力側開閉器42と、がさらに電気的に接続される。制御部4には、開閉器41・42・51・52を開閉させる閾値となる前記第一所定電圧、前記第二所定電圧、前記第一所定電流及び前記第二所定電流等が予め設定されている。これら閾値は、任意の値に変更可能とされる。なお、制御部4は、蓄電部3に対して、過充電や過放電を行わないように制御することも可能である。
【0041】
次に、蓄電池システム1A´´の開閉器41・42・51・52の動作について説明する。
なお、蓄電池システム1A´´の開閉器41・42・51・52の動作は、
図3に示した蓄電池システム1Aの開閉器41・42・51・52の動作と同様であるので、
図3を用いて説明する。
【0042】
蓄電池システム1A´´が
図3(a)の状態において、第二出力側電圧センサ62により第二蓄電群32の出力電圧が検知され、制御部4により所定電圧以下であるか否かが判断される。また、第二出力側電流センサ72により第二蓄電群32の出力電流が検知され、制御部4により所定電流以下であるか否かが判断される。
そして、第二出力側電圧センサ62による検知結果が第二所定電圧以下となると、
図3(b)に示すように、制御部4により第一出力側開閉器51が「閉」に制御され、第一蓄電群31の放電が開始される。その後、第二出力側電流センサ72による検知結果が所定電流以下となると、
図3(c)に示すように、制御部4により、第一入力側開閉器41が「開」、第二入力側開閉器42が「閉」、第二出力側開閉器52が「開」、に制御され、第一蓄電群31の充電が停止し、第二蓄電群32の放電が停止するとともに充電が開始される。その後は、前記蓄電池システム1Aと同様に制御される。これにより、簡易な制御部4で、安価な蓄電池システム1A´´を提供することができる。
【0043】
以下では、本発明の第二実施形態に係る蓄電池システム1Bの制御態様について、
図4(a)、
図5及び
図6を用いて説明する。蓄電池システム1Bにおける第一実施形態の蓄電池システム1Aとの相違点は、各蓄電群(第一蓄電群31及び第二蓄電群32)に、該蓄電群31・32の入力電流を検知する入力側電流センサ(第一入力側電流センサ81及び第二入力側電流センサ82)が追加されて制御される点にある。
なお、
図6は、蓄電池システム1Bの動作、より詳細には、開閉器41・42・51・52の動作を示す図であり、各部材間の電気的な接続を示す二点鎖線及び制御部4については図示を省略する。
【0044】
図4(a)に示すように、第一入力側電流センサ81は、第一蓄電群31の入力電流を検知するものであり、第一入力側開閉器41と、第一蓄電群31との間に設けられる。第一入力側電流センサ81は、第二入力側開閉器42と電気的に接続され、当該第二入力側開閉器42と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。より詳細には、第一入力側電流センサ81は、第二入力側開閉器42を制御する機能を有し、第一蓄電群31に入力電流が流れることを検知すると、第二入力側開閉器42を「閉」に制御する。
【0045】
第二入力側電流センサ82は、第二蓄電群32の入力電流を検知するものであり、第二入力側開閉器42と、第二蓄電群32との間に設けられる。第二入力側電流センサ82は、第一入力側開閉器41と電気的に接続され、当該第一入力側開閉器41と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。より詳細には、第二入力側電流センサ82は、第一入力側開閉器41を制御する機能を有し、第二蓄電群32に入力電流が流れることを検知すると、第一入力側開閉器41を「閉」に制御する。
【0046】
このような蓄電池システム1Bにおいて、蓄電池システム1Aと同様の初期状態である場合に、
図5及び
図6(a)に示すように、第一入力側開閉器41が「閉」、第一出力側開閉器51が「開」、第二入力側開閉器42が「開」、第二出力側開閉器52が「閉」に制御されて(S11)、第一蓄電群31の充電が開始されて、第二蓄電群32の放電が開始される(S12)。
【0047】
次に、第二出力側電圧センサ62により、第二蓄電群32の出力電圧が、第二所定電圧以下であるか否かを判断して(S13)、所定電圧以下となると(S13:yes)、
図6(b)に示すように、第二出力側電圧センサ62により、第一出力側開閉器51が「閉」に制御され(S14)、第一蓄電群31の放電が開始される(S15)。これにより、第二蓄電群32から流れる出力電流は、徐々に低下することとなる。
【0048】
その後、第二出力側電流センサ72により、第二蓄電群32の出力電流が、第二所定電流以下であるか否かを判断して(S16)、第二所定電流以下となると(S16:yes)、
図6(c)に示すように、第二入力側開閉器42が「閉」、第二出力側開閉器52が「開」に制御され(S17)、第二蓄電群32の放電が停止されて充電が開始される(S18)。
【0049】
そして、第二入力側電流センサ82により、第二蓄電群32に入力電流が流れたか否かを判断して(S19)、電流を検知すると(S19:yes)、
図6(d)に示すように、第一入力側開閉器41が「開」に制御され(S20)、第一蓄電群31の充電が停止する(S21)。また、前述の充電される蓄電群と放電される蓄電群が反対となる場合、前記同様にそれぞれ開閉器が開閉制御され、第一蓄電群31と第二蓄電群32の充放電が前記と逆の制御となる。
【0050】
このように、第一入力側開閉器41、第二入力側開閉器42、第一出力側開閉器51及び第二出力側開閉器52を開閉制御することで、負荷5に電力を途切れることなく供給を行いつつ、一つの蓄電群を充電から放電に、他の蓄電群を放電から充電に、スムーズに切り替えることができる。また、制御部(制御回路)が不要で、安価な蓄電池システム1Bを提供することができる。
【0051】
また、ステップS14からステップS20の間において、第一蓄電群31は、充電と放電を同時に行うこととなるが、ステップS14からステップ20の間で経過する時間は、一秒以下であるため、第一蓄電群31の寿命等に与える影響は非常に少ない。
【0052】
さらに、
図4(b)に示す蓄電池システム1B´のように構成することも可能である。
【0053】
図4(b)中の制御部4は、蓄電部3の放電を制御するものである。つまり、蓄電群31・32で蓄えられた電力を負荷5に放電(負荷5で消費)するように、開閉器51・52を制御するものである。制御部4には、第一出力側開閉器51と、第二出力側開閉器52と、第一出力側電圧センサ61と、第二出力側電圧センサ62と、が電気的に接続される。制御部4には、開閉器51・52を開閉させる閾値となる前記第一所定電圧及び前記第二所定電圧が予め設定されている。これら閾値は、任意の値に変更可能とされる。
【0054】
次に、蓄電池システム1B´の開閉器41・42・51・52の動作について説明する。
なお、蓄電池システム1B´の開閉器41・42・51・52の動作は、
図6に示した蓄電池システム1Bの開閉器41・42・51・52の動作と同様であるので、
図6を用いて説明する。
【0055】
蓄電池システム1B´が
図6(a)の状態において、第二出力側電圧センサ62により第二蓄電群32の出力電圧が検知され、制御部4により所定電圧以下であるか否かが判断される。
そして、第二出力側電圧センサ62による検知結果が第二所定電圧以下となると、
図6(b)に示すように、制御部4により第一出力側開閉器51が「閉」に制御され、第一蓄電群31の放電が開始される。その後は、前記蓄電池システム1Bと同様に制御される。これにより、簡易な制御部4で、安価な蓄電池システム1B´を提供することができる。
【0056】
また、
図4(c)に示す蓄電池システム1B´´のように構成することも可能である。
【0057】
図4(c)中の制御部4は、前記蓄電部3の充電及び放電を制御するものである。つまり、発電部2から供給された電力を蓄電群31・32で充電するように開閉器41・42を制御するとともに、第一蓄電群31及び第二蓄電群32で蓄えられた電力を負荷5に放電(負荷5で消費)するように開閉器51・52を制御するものである。制御部4には、蓄電池システム1B´の構成に加えて、第一出力側電流センサ71と、第二出力側電流センサ72と、第一入力側開閉器41と、第二入力側開閉器42と、がさらに電気的に接続される。制御部4には、開閉器41・42・51・52を開閉させる閾値となる前記第一所定電圧、前記第二所定電圧、前記第一所定電流及び前記第二所定電流等が予め設定されている。これら閾値は、任意の値に変更可能とされる。なお、制御部4は、蓄電部3に対して、過充電や過放電を行わないように制御することも可能である。
【0058】
次に、蓄電池システム1B´´の開閉器41・42・51・52の動作について説明する。
なお、蓄電池システム1B´´の開閉器41・42・51・52の動作は、
図6に示した蓄電池システム1Bの開閉器41・42・51・52の動作と同様であるので、
図6を用いて説明する。
【0059】
蓄電池システム1B´´が
図6(a)の状態において、第二出力側電圧センサ62により第二蓄電群32の出力電圧が検知され、制御部4により所定電圧以下であるか否かが判断される。また、第二出力側電流センサ72により第二蓄電群32の出力電流が検知され、制御部4により所定電流以下であるか否かが判断される。また、第二入力側電流センサ82により第二蓄電群32の入力電流が検知され、制御部4により電流が流れているか否かが判断される。
そして、第二出力側電圧センサ62による検知結果が第二所定電圧以下となると、
図6(b)に示すように、制御部4により第一出力側開閉器51が「閉」に制御され、第一蓄電群31の放電が開始される。その後、第二出力側電流センサ72による検知結果が所定電流以下となると、
図6(c)に示すように、制御部4により、第二入力側開閉器42が「閉」、第二出力側開閉器52が「開」、に制御され、第二蓄電群32の放電が停止するとともに充電が開始される。そして、第二入力側電流センサ82による検知結果が、電流が流れているならば、
図6(d)に示すように、制御部4により第一入力側開閉器41が「開」に制御され、第一蓄電群31の充電が停止する。その後は、前記蓄電池システム1Bと同様に制御される。これにより、簡易な制御部4で、安価な蓄電池システム1B´´を提供することができる。
【0060】
以下では、本発明の第三実施形態に係る蓄電池システム1Cの制御態様について、
図7、
図8及び
図9を用いて説明する。蓄電池システム1Cにおける第一実施形態の蓄電池システム1Aとの相違点は、第一入力側開閉器41が、第二出力側電流センサ72ではなく、第二出力側電圧センサ62の検出値に基づいて制御される点にある。また、かかる構成においては、第二出力側電圧センサ62は、第一入力側開閉器41と電気的に接続され、当該第一入力側開閉器41と併せて、いわゆるセンサスイッチとして機能する。より詳細には、第二出力側電圧センサ62は、第一入力側開閉器41を制御する機能を有し、第二蓄電群32の出力電流が第二所定電流以下になると、第一入力側開閉器41を「開」に制御する。
なお、
図9は、蓄電池システム1Cの動作、より詳細には、開閉器41・42・51・52の動作を示す図であり、各部材間の電気的な接続を示す二点鎖線及び制御部4については図示を省略する。
【0061】
このような蓄電池システム1Cにおいて、蓄電池システム1Aと同様の初期状態である場合に、
図8及び
図9(a)に示すように、第一入力側開閉器41が「閉」、第一出力側開閉器51が「開」、第二入力側開閉器42が「開」、第二出力側開閉器52が「閉」に制御され(S31)、第一蓄電群31の充電が開始されて、第二蓄電群32の放電が開始される(S32)。
【0062】
次に、第二出力側電圧センサ62により、第二蓄電群32の出力電圧が、第二所定電圧以下であるか否かを判断して(S33)、第二所定電圧以下となると(S33:yes)、
図9(b)に示すように、第二出力側電圧センサ62により、第一入力側開閉器41が「開」、第一出力側開閉器51が「閉」、に制御され(S34)、第一蓄電群31の充電が停止されて放電が開始される(S35)。これにより、第二蓄電群32から流れる出力電流は、徐々に低下することとなる。
【0063】
その後、第二出力側電流センサ72により、第二蓄電群32の出力電流が、第二所定電流以下であるか否かを判断して(S36)、第二所定電流以下となると(S36:yes)、
図9(c)に示すように、第二出力側電流センサ72により、第二入力側開閉器42が「閉」、第二出力側開閉器52が「開」に制御され(S37)、第二蓄電群32の放電が停止されて充電が開始される(S38)。また、前述の充電される蓄電群と放電される蓄電群が反対となる場合も同様に制御される。
【0064】
このように、第一入力側開閉器41、第二入力側開閉器42、第一出力側開閉器51及び第二出力側開閉器52を開閉制御することで、負荷5に電力を途切れることがなく供給を行いつつ、一つの蓄電群を充電から放電に、他の蓄電群を放電から充電に、スムーズに切り替えることができる。また、第一実施形態の蓄電池システム1Aや第二実施形態の蓄電池システム1Bと比較すると、第一蓄電群31が充電と放電を同時に行う時間が無いので、寿命等に影響を及ぼすことがない。また、第二実施形態の蓄電池システム1Bと比較すると、第一入力側電流センサ81と第二入力側電流センサ82とが不要となり、部品点数を削減することができる。
【0065】
なお、蓄電池システム1A・1A´・1A´´・1B・1B´・1B´´・1Cと、
図11の従来の蓄電池システム100と、を比較すると、開閉器の数が少なくて制御部4が不要となり、また、制御部4を構成する抵抗やオペアンプ等の素子が削減されて当該制御部4の構造が簡易となり、また、BMU(Battery Management Unit)やHEMS(Home Energy Management System)等の高価な制御機器が不要となって、安価な蓄電池システム1A・1A´・1A´´・1B・1B´・1B´´・1Cを提供することができる。
【0066】
なお、
図10に示すように、蓄電池システム1Dにおいて、蓄電部3を三つ以上の蓄電群(
図9では、第一蓄電群31、第二蓄電群32及び第三蓄電群33)で構成し、出力側電圧センサ61・62・63、出力側電流センサ71・72・73及び入力側電流センサ81・82・83により、各蓄電群の出力電流、出力電圧及び入力電流を検知することで各蓄電群の充電状況を把握して、充電済み又は充電中の蓄電群のうち、最も残存する電力が多い蓄電群から放電をするように入力側開閉器41・42・43及び出力側開閉器51・52・53を制御することも可能である。
【0067】
さらに、発電部2と、蓄電部3との間、及び、蓄電部3と、負荷5との間に、それぞれ主開閉器7・8を設けて、該主開閉器7・8を「閉」「開」することで、蓄電池システム1D自体の電源を入切するように構成することも可能である。
【0068】
さらに、主開閉器8と、負荷5との間にパワーコンディショナー6を設けることも可能である。パワーコンディショナー6は、インバータ機能を備え、発電部2で発電された電力は、蓄電部3を経て、パワーコンディショナーで直流から交流に変換されて、負荷5に供給される。
【0069】
また、各蓄電群に残存する電力が十分であり、発電部2で生じる電力が余剰である場合には、DC/DCコンバータ等の電力変換回路を介して、ホテルやロビーやマンションの共用部などの24時間照明にバイパス供給することも可能である。
【0070】
以上のように、本発明の第一実施形態に係る蓄電池システム1Aにおいては、自然エネルギーで発電する発電部2と、前記発電部2と接続されて、前記発電部2で発電された電力を蓄える蓄電部3と、を備える蓄電池システム1Aであって、前記蓄電部3は、前記発電部2と負荷5との間で並列に接続される少なくとも二つの蓄電群(第一蓄電群31及び第二蓄電群32)で構成され、各蓄電群31・32には、前記発電部2側に入力側開閉器41・42と、前記負荷側に出力側開閉器51・52と、該蓄電群31・32の出力電圧を検知する出力側電圧センサ61・62と、該蓄電群31・32の出力電流を検知する出力側電流センサ71・72と、がそれぞれ設けられ、一つの蓄電群の入力側開閉器が「閉」、出力側開閉器が「開」となり、他の蓄電群の入力側開閉器が「開」、出力側開閉器が「閉」となり、一つの蓄電群の充電、他の蓄電群の放電が開始して、他の蓄電群の出力側電圧センサにより他の蓄電群の出力電圧が所定電圧以下となることが検知されると、一つの蓄電群の出力側開閉器が「閉」となり、その後、他の蓄電群の出力側電流センサにより他の蓄電群の出力電流が所定電流以下となることが検知されると、他の蓄電群の入力側開閉器が「閉」、出力側開閉器が「開」となり、一つの蓄電群の入力側開閉器が「開」となり、一つの蓄電群の放電、他の蓄電群の充電が開始するものである。これにより、安価な蓄電池システム1Aを提供することができる。
【0071】
また、本発明の第二実施形態に係る蓄電池システム1Bにおいては、各蓄電群31・32には、該蓄電群31・32の入力電流を検知する入力側電流センサ81・82がそれぞれ設けられ、他の蓄電群の入力側開閉器が「閉」、出力側開閉器が「開」となった後、他の蓄電群の入力側電流センサにより他の蓄電群の入力電流が流れることが検知されると、一つの蓄電群の入力側開閉器が「開」となるものである。これにより、一つの蓄電群を充電から放電に、他の蓄電群を放電から充電に、スムーズに切り替えることができる。
【0072】
また、本発明の第一及び第二実施形態に係る蓄電池システム1A´・1B´においては、前記蓄電部3の充電及び放電を制御する制御部4が設けられ、他の蓄電群の出力側電圧センサにより他の蓄電群の出力電圧が所定電圧以下となることが検知されると、前記制御部4により一つの蓄電群の出力側開閉器が「開」となるものである。これにより、簡易な制御部4となり、安価な蓄電池システム1A´・1B´を提供することができる。
【0073】
また、本発明の第一及び第二実施形態に係る蓄電池システム1A´´・1B´´においては、他の蓄電群の出力側電流センサにより他の蓄電群の出力電流が所定電流以下となることが検知されると、前記制御部4により他の蓄電群の入力側開閉器が「開」、出力側開閉器が「閉」となり、他の蓄電群の入力側電流センサにより他の蓄電群の入力電流が流れることが検知されると、前記制御部4により一つの蓄電群の入力側開閉器が「開」となるものである。これにより、簡易な制御部4となり、安価な蓄電池システム1A´´・1B´´を提供することができる。
【0074】
また、本発明の第三実施形態に係る蓄電池システム1Cにおいては、自然エネルギーで発電する発電部2と、前記発電部2と接続されて、前記発電部2で発電された電力を蓄える蓄電部3と、を備える蓄電池システム1Aであって、前記蓄電部3は、前記発電部2と負荷5との間で並列に接続される少なくとも二つの蓄電群(第一蓄電群31及び第二蓄電群32)で構成され、各蓄電群31・32には、前記発電部側に設けられる入力側開閉器41・42と、前記負荷側に設けられる出力側開閉器51・52と、該蓄電群31・32の出力電圧を検知する出力側電圧センサ61・62と、該蓄電群31・32の出力電流を検知する出力側電流センサ71・72と、がそれぞれ設けられ、一つの蓄電群の入力側開閉器が「閉」、出力側開閉器が「開」となり、他の蓄電群の入力側開閉器が「開」、出力側開閉器が「閉」となり、一つの蓄電群の充電、他の蓄電群の放電が開始して、他の蓄電群の出力側電圧センサにより他の蓄電群の出力電圧が所定電圧以下となることが検知されると、一つの蓄電群の出力側開閉器が「閉」、他の蓄電群の入力側開閉器が「閉」、となり、その後、他の蓄電群の出力側電流センサにより他の蓄電群の出力電流が所定電流以下となることが検知されると、他の蓄電群の出力側開閉器が「開」となり、一つの蓄電群の入力側開閉器が「開」となり、一つの蓄電群の放電、他の蓄電群の充電が開始するものである。これにより、制御部4が不要となり、安価な蓄電池システム1Cを提供することができる。