(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対のコネクタハウジングにおける前記スライド開始位置は、それぞれのコネクタハウジングのハウジング中心軸が一致し、且つ、前記ハウジング中心軸回りに所定角度位相をずらした位置であり、
前記スライド操作が、前記ハウジング中心軸回りの回動操作であることを特徴とする請求項1に記載の突き当てコネクタ。
前記一対のコネクタハウジングにおける前記スライド開始位置は、それぞれのコネクタハウジングのハウジング中心軸が前記ハウジング中心軸と直交する方向にずれた位置であり、前記スライド操作が、前記ハウジング中心軸と直交する方向への平行移動操作であることを特徴とする請求項1に記載の突き当てコネクタ。
前記一対のコネクタハウジングの先端部には、それぞれのコネクタハウジングが前記スライド開始位置に位置決めされた時に、相手コネクタハウジングに突き当たると共に、前記スライド操作時には相手コネクタハウジングの突き当て面上を摺接して、コネクタハウジング相互の前記ハウジング中心軸方向への変位を規制する端子保護突起を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の突き当てコネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、特許文献1に開示の突き当てコネクタでは、突き当たった突き当て端子100間に作用する軸方向の荷重を、樹脂製のランスや、コネクタハウジング相互を連結しているハウジングロック部が支えている。
【0014】
そのため、樹脂の経年変化等で前記樹脂製のランスやハウジングロック部に樹脂クリープが発生すると、突き当て端子100,100間における接触圧が低下するおそれがあった。
つまり、
図36に示すように、従来の突き当て端子100の場合、コネクタ150,152を嵌合させた際に、軸方向の矢印W3方向に発生するばねの接触荷重をランス140及びハウジングロック部(図示せず)が直接受け止める構造になっている。その結果、矢印W3方向に力を受け続けたランス140及びハウジングロック部が樹脂クリープにより荷重を受け続けた矢印W3方向に変形するおそれがあった。
樹脂クリープが発生すると、ランス140及びハウジングロック部の変形により、本来は突き当て部からW1の距離の位置で係止保持されるべき突き当て端子100が突き当て部からW2の距離の位置で係止保持されてしまう。このように係止位置の距離がW1からW2にずれると、突き当て端子100のばね部の変位量として正規の変位量を維持することができず、設定した接触荷重を得られなくなるおそれがあった。
【0015】
また、一対のコネクタハウジングに装着されている突き当て端子100は、一対のコネクタハウジング相互を軸方向に突き当てる操作のみで突き当て状態にするため、突き当て操作前の段階で突き当て端子100の突き当て板部120の表面に、酸化膜や塵埃等の異物が付着している場合には、突き当てにより、それらの異物が突き当たった突き当て板部120、120間に挟持されてしまい、異物の介在によって突き当て端子相互の電気的な接続性が阻害されるおそれがあった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、嵌合接続される一対のコネクタハウジング内において突き当て端子を係止しているランス等の樹脂クリープによって突き当たった突き当て端子間における接触圧が低下することを防止することができ、また、突き当たる突き当て端子間に異物が介在して突き当て端子相互の導通接続が阻害されることがなく、突き当て端子相互の接続性を長期に渡って良好に維持することができる突き当てコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)相手端子に当接させることで相手端子と導通状態になる突き当て板部が先端に装備された突き当て端子と、
前記突き当て端子が挿入される端子収容孔と、該端子収容孔に挿入された突き当て端子を前記突き当て板部が前記端子収容孔の先方に所定長突出する規定位置で係止するランスと、を備えて互いに嵌合接続される一対のコネクタハウジングと、を備え、
前記一対のコネクタハウジングは、互いの先端面がそれぞれの端子収容孔をハウジング中心軸と直交する方向に位置をずらすと共に前記ハウジング中心軸方向に所定の離間距離で対向する位置であるスライド開始位置から前記ハウジング中心軸方向と直交する方向にスライド操作して互いの端子収容孔の位置を一致させることで、コネクタハウジング相互の接続が完了すると共に、前記スライド操作によってそれぞれのコネクタハウジングに収容されている突き当て端子の先端同士が摺り合わされて、対応する突き当て端子相互が先端を突き当てた状態になり、
前記突き当て端子は、相手の突き当て端子と先端が摺り合わされる際に、相手の突き当て端子と係合して、相手の突き当て端子に対して軸方向への離反を規制する先端位置決め片を
有し、
更に、前記一対のコネクタハウジングは、スライド終了位置を規制する部分を有することを特徴とする突き当てコネクタ。
【0018】
(2)前記一対のコネクタハウジングにおける前記スライド開始位置は、それぞれのコネクタハウジングのハウジング中心軸が一致し、且つ、前記ハウジング中心軸回りに所定角度位相をずらした位置であり、
前記スライド操作が、前記ハウジング中心軸回りの回動操作であることを特徴とする上記(1)に記載の突き当てコネクタ。
【0019】
(3)前記一対のコネクタハウジングにおける前記スライド開始位置は、それぞれのコネクタハウジングのハウジング中心軸が前記ハウジング中心軸と直交する方向にずれた位置であり、前記スライド操作が、前記ハウジング中心軸と直交する方向への平行移動操作であることを特徴とする上記(1)に記載の突き当てコネクタ。
【0020】
(4)前記一対のコネクタハウジングの先端部には、それぞれのコネクタハウジングが前記スライド開始位置に位置決めされた時に、相手コネクタハウジングに突き当たると共に、前記スライド操作時には相手コネクタハウジングの突き当て面上を摺接して、コネクタハウジング相互の前記ハウジング中心軸方向への変位を規制する端子保護突起を備えたことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の突き当てコネクタ。
【0021】
上記(1)の構成によれば、一対のコネクタハウジングは、スライド開始位置からハウジング中心軸方向と直交する方向にスライド操作することで、コネクタハウジング相互の嵌合接続が完了する。そして、コネクタハウジング相互の嵌合接続が完了する際における突き当て端子相互の突き当て接続は、突き当て端子の先端同士が摺り合わされる摺動動作となるため、それぞれの突き当て端子には軸方向に大きな衝突力が作用しない。更に、突き当てられた状態の突き当て端子相互は、互いの先端位置決め片による係合により、相手の突き当て端子に対して軸方向への離反が規制され、ランスに対して軸方向の荷重が作用することを抑止する。
【0022】
そのため、各コネクタハウジングのランス等に樹脂クリープが発生することを抑止することができ、突き当て端子間における接触圧がランス等の樹脂クリープによって低下することを防止することができる。
【0023】
また、それぞれのコネクタハウジングに収容された突き当て端子相互が突き当たる際には、突き当て端子の先端同士が摺り合わされるため、突き当て操作前の段階で突き当て端子の突き当て板部の表面に付着している酸化膜や塵埃等の異物を擦り落とすことができる。そのため、突き当たる突き当て端子間に異物が介在して突き当て端子相互の導通接続が阻害されることもない。
従って、突き当て端子相互の接続性を長期に渡って良好に維持することができる。
【0024】
上記(2)の構成によれば、一対のコネクタハウジングは、スライド開始位置に位置決めした後、それぞれのコネクタハウジングをハウジング中心軸回りに回動操作するだけで、コネクタハウジング相互の接続、及び突き当て端子相互の接続を完了させることができる。従って、突き当て端子相互を接続する際の操作性を向上させることができる。
【0025】
上記(3)の構成によれば、一対のコネクタハウジングは、スライド開始位置に位置決めした後、それぞれのコネクタハウジングをハウジング中心軸と直交する方向に平行移動させるだけで、コネクタハウジング相互の接続、及び突き当て端子相互の接続を完了させることができる。従って、突き当て端子相互を接続する際の操作性を向上させることができる。
【0026】
上記(4)の構成によれば、一対のコネクタハウジング相互を嵌合接続する際には、それぞれのコネクタハウジングの先端部に装備された端子保護突起により、突き合されたコネクタハウジング相互の先端部間の離間距離が維持される。そのため、端子保護突起の突出長を適宜に選定しておくことで、突き当て時に突き当て端子に過大な衝突力が作用することを回避することができ、突き当て端子が突き当て時の衝撃により変形することを防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による突き当てコネクタによれば、一対のコネクタハウジング相互の嵌合接続が完了する際における突き当て端子相互の突き当て接続は、突き当て端子の先端同士が摺り合わされる摺動動作となるため、それぞれの突き当て端子には軸方向に大きな衝突力が作用しない。更に、突き当てられた状態の突き当て端子相互は、互いの先端位置決め片による係合により、相手の突き当て端子に対して軸方向への離反が規制され、ランスに対して軸方向の荷重が作用することを抑止する。
【0028】
そのため、各コネクタハウジングのランス等に樹脂クリープが発生することを抑止することができ、突き当て端子間における接触圧がランス等の樹脂クリープによって低下することを防止することができる。
【0029】
また、それぞれのコネクタハウジングに収容された突き当て端子相互が突き当たる際には、突き当て端子の先端同士が摺り合わされるため、突き当て操作前の段階で突き当て端子の突き当て板部の表面に付着している酸化膜や塵埃等の異物を擦り落とすことができる。そのため、突き当たる突き当て端子間に異物が介在して突き当て端子相互の導通接続が阻害されることもない。
従って、突き当て端子相互の接続性を長期に渡って良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明に係る突き当てコネクタの第1実施形態の分解斜視図である。
【
図2】
図1に示した突き当てコネクタの組立時の操作を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の一対のコネクタハウジングに装着される突き当て端子の斜視図である。
【
図5】(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互をスライド開始位置に位置合わせする途中の側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【
図6】(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互がスライド開始位置に位置合わせされた状態の側面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
【
図7】(a)は
図6(a)のC−C断面図、(b)は
図7(a)のD部拡大図である。
【
図8】第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互がスライド開始位置に位置合わせされた状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図である。
【
図10】(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置からハウジング中心軸回りに回動操作されている途中の状態を示す側面図、(b)は(a)のF−F断面図である。
【
図12】第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互がスライド開始位置からハウジング中心軸回りに回動操作途中の状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図である。
【
図14】(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互が嵌合接続を完了した状態の側面図、(b)は(a)のJ−J断面図である。
【
図16】第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互が嵌合接続完了した状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図である。
【
図18】本発明に係る突き当てコネクタの第2実施形態の分解斜視図である。
【
図19】
図18に示した突き当てコネクタにおいて、一対のコネクタハウジングの嵌合接続が完了した状態の斜視図である。
【
図20】(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置からハウジング中心軸と直交する方向にスライド操作されている途中の嵌合状態を示す背面図、(b)は(a)の嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図である。
【
図21】(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングのスライド操作が
図20の状態から更に進んだ状態を示す背面図、(b)は(a)の嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図である。
【
図22】(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングのスライド操作が完了直前の状態を示す背面図、(b)は(a)の嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図である。
【
図23】
図22に示した一対のコネクタハウジングの嵌合状態において、突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図である。
【
図25】(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングの嵌合接続が完了した状態の背面図、(b)は(a)の嵌合完了状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図である。
【
図26】第2実施形態の一対のコネクタハウジングの嵌合接続が完了した状態における突き当て端子相互の突き当て状態を示す縦断面図である。
【
図28】本発明に係る突き当てコネクタの第3実施形態の分解斜視図である。
【
図29】
図28に示した一方のコネクタハウジングの先端側から視た斜視図である。
【
図30】
図28に示した一対のコネクタハウジングの嵌合途中の状態を示す斜視図である。
【
図31】(a)は第3の実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置に位置決めされた状態の側面図、(b)は(a)に示した嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、(c)は(b)のQ部の拡大図である。
【
図32】(a)は第3の実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置からハウジング中心軸の回りに回動操作途中の状態の側面図、(b)は(a)に示した嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、(c)は(b)のR部の拡大図である。
【
図33】(a)は第3の実施形態の一対のコネクタハウジングが嵌合接続完了した状態の側面図、(b)は(a)に示した嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、(c)は(b)のS部の拡大図である。
【
図34】従来の突き当てコネクタに装備される突き当て端子の縦断面図である。
【
図36】従来の突き当てコネクタの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る突き当てコネクタの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
[第1実施形態]
図1〜
図4は本発明に係る突き当てコネクタの第1実施形態の構成を示したもので、
図1は第1実施形態の突き当てコネクタの分解斜視図、
図2は
図1に示した突き当てコネクタの組立時の操作を示す斜視図、
図3は第1実施形態の一対のコネクタハウジングに装着される突き当て端子の斜視図、
図4は
図3に示した突き当て端子の側面図である。
【0033】
また、
図5〜
図17は第1実施形態に示したハウジング相互の嵌合接続時の状態を示したもので、
図5(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互をスライド開始位置に位置合わせする途中の側面図、
図5(b)は
図5(a)のA−A断面図、
図6(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互がスライド開始位置に位置合わせされた状態の側面図、
図6(b)は
図6(a)のB−B断面図、
図7(a)は
図6(a)のC−C断面図、
図7(b)は
図7(a)のD部拡大図である。
【0034】
また、
図8は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互がスライド開始位置に位置合わせされた状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、
図9は
図8のE部の拡大図、
図10(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置からハウジング中心軸回りに回動操作されている途中の状態を示す側面図、
図10(b)は
図10(a)のF−F断面図、
図11(a)は
図10(a)のG−G断面図、
図11(b)は
図11(a)のH部の拡大図である。
【0035】
また、
図12は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互がスライド開始位置からハウジング中心軸回りに回動操作途中の状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、
図13は
図12のI部の拡大図、
図14(a)は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互が嵌合接続を完了した状態の側面図、
図14(b)は
図14(a)のJ−J断面図、
図15(a)は
図14(a)のK−K断面図、
図15(b)は
図15(a)のL部の拡大図、
図16は第1実施形態の一対のコネクタハウジング相互が嵌合接続完了した状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、
図17は
図16のM部の拡大図である。
【0036】
この第1実施形態の突き当てコネクタ1は、突き当て端子10と、この突き当て端子10を収容保持した一対のコネクタハウジング20,30とから構成される。
【0037】
突き当て端子10は、
図3及び
図4に示すように、端子本体11と、突き当て板部12と、先端位置決め片13と、を備える。
【0038】
端子本体11は、略角筒状の先端筒部111と、該先端筒部111の後端から延出した電線圧着部112とを、金属板のプレス成形により一体形成している。この端子本体11は、コネクタハウジング20,30の端子収容孔21,31に挿入され、端子収容孔21,31内のランス22,32との係合により抜け止めされて、前記端子収容孔21,31内に保持される。
【0039】
突き当て板部12は、端子本体11の先端筒部111の先端に突出して装備され、相手端子に当接させることで相手端子と導通状態になる。この突き当て板部12は、該突き当て板部12に一体形成される不図示のばね部を介して、端子本体11に支承される。突き当て板部12を端子本体11に支承する不図示のばね部は、突き当て板部12から延出する波形状のばねで、後端部が端子本体11内部で係止されて、突き当て板部12を突き当て方向に沿って弾性変位可能に支持する。
【0040】
先端位置決め片13は、先端筒部111の底壁部111aの先端から延出して設けられた舌状片である。この先端位置決め片13は、底壁部111aの先端から端子相互の突き当て方向(
図4の矢印X1方向)に沿って先方に延出した延出板部13aと、この延出板部13aの先端から突き当て方向と直交する垂直上方(
図4の矢印Y1方向)に立ち上がる位置決め片部13bと、を備える。
【0041】
先端位置決め片13の位置決め片部13bは、
図4に示すように、先端筒部111の先端との突き当て板部12との間に、隙間S1を形成している。なお、
図4では、突き当て板部12が位置決め片部13bから離間した状態になっているが、通常は、
図9に示すように突き当て板部12は位置決め片部13bに当接した状態を維持するように、不図示のばね部による付勢力が作用している。
【0042】
換言すると、位置決め片部13bは、先端筒部111に組み付けられる突き当て板部12の先端側(
図4の矢印X1側)への移動(不図示のばね部の付勢による突き当て板部12の移動)を規制する。更に、位置決め片部13bは、後述の
図17に示すように、相手の突き当て端子10の位置決め片部13bが後述するコネクタハウジング相互の回動操作によって位置決め片部13bと突き当て板部12との間に割り込ませられることで、相手端子の位置決め片部13bと係合状態になり、相手の突き当て端子10に対して軸方向への離反を規制する。
【0043】
更に詳しく説明すると、後述するコネクタハウジング相互の回動操作によって相手の突き当て端子10の先端位置決め片13bが、自体の位置決め片部13bと突き当て板部12との間に割り込ませられる際には、互いの突き当て端子10の先端位置決め片13b及び突き当て板部12が摺り合わされて、対応する突き当て端子10相互が先端を突き当てた状態(接続状態)になる。
【0044】
一対のコネクタハウジング20,30は、突き当て端子10が挿入される端子収容孔21,31と、ランス22,32(
図12参照)と、ガイド機構を構成するガイド突起23及びガイド溝33と、ロック機構を構成するロックアーム24及びロック溝34と、を備える。
【0045】
コネクタハウジング20は、所謂雌型ハウジングである。このコネクタハウジング20は、
図1に示すように、先端側に、雄型ハウジングであるコネクタハウジング30の前端側外周に回動可能に嵌合する円筒状のフード部25を有している。
【0046】
端子収容孔21,31は、各コネクタハウジング20,30に、それぞれのハウジング中心軸C1,C2を中心とする円周上に、所定の間隔で複数配置されている。
【0047】
各コネクタハウジング20,30に装備されるランス22,32は、
図12及び
図13に示すように、それぞれのコネクタハウジング20,30の端子収容孔21,31に挿入された突き当て端子10を、先端位置決め片13及び突き当て板部12がそれぞれの端子収容孔21,31の先方に所定長突出する規定位置で係止する。
【0048】
ガイド機構を構成するガイド突起23は、
図1に示すように、コネクタハウジング20のフード部25の内周に突設された円柱状の突起である。ガイド突起23は、
図7に示すように、フード部25の内周の対向する2位置に装備されている。
【0049】
ガイド機構を構成するガイド溝33は、コネクタハウジング30の外周面に形成された溝で、コネクタハウジング20,30の嵌合接続時に、ガイド突起23を案内することで、コネクタハウジング20,30相互の嵌合動作を規制する。
【0050】
ガイド溝33は、
図1に示すように、ハウジング中心軸C2に沿って延設された軸方向溝33aと、軸方向溝33aの終端から周方向に延びて形成された周方向溝33bとから構成されている。
【0051】
軸方向溝33aは、コネクタハウジング30の先端側から所定の長さでハウジング中心軸C2に沿って形成されており、嵌合するガイド突起23の移動を、ハウジング中心軸C2に沿う方向に規制する。軸方向溝33aは、
図7に示すように、フード部25におけるガイド突起23の配置に対応してコネクタハウジング20の外周の対向する2位置に装備されている。軸方向溝33aの終端は、コネクタハウジング20,30相互を周方向に相対回転させるスライド開始位置PSとなる。ガイド突起23がスライド開始位置PSに到達すると、
図8に示すように、フード部25の先端25aが、コネクタハウジング30の外周に形成された段差部35aに当接して、ハウジング相互の軸方向の嵌合が更に深まることが規制される。
【0052】
また、ガイド突起23がスライド開始位置PSに到達すると、
図9に示すように、コネクタハウジング20に収容されている突き当て端子10の位置決め片部13bは、コネクタハウジング30に収容されている突き当て端子10の位置決め片部13bの内側に位置するように、それぞれのハウジングの先端部の軸方向の位置が、ハウジング中心軸C1,C2方向に所定の離間距離で対向する位置に位置決めされる。
【0053】
ガイド突起23が軸方向溝33a上を移動するとき、及びスライド開始位置PSに到達したとき、
図5及び
図6に示すように、それぞれのハウジングに装備された端子収容孔21,31は、ハウジング中心軸C1,C2と直交する周方向に位置をずらした配置になっている。このときの端子収容孔21,31間の周方向の位置ずれ量は、
図6(b)に示す角度θ1である。
【0054】
即ち、本実施形態の場合、一対のコネクタハウジング20,30におけるスライド開始位置PSは、それぞれのコネクタハウジングのハウジング中心軸C1,C2が一致し、且つ、ハウジング中心軸C1,C2回りに所定角度θ1だけ位相をずらした位置である。
【0055】
周方向溝33bは、
図2に示すように、スライド開始位置PSに位置決めされたコネクタハウジング20,30相互を矢印R1,R2に示すように、互いに逆向きに相対回動させるとき、ガイド突起23の周方向への移動を許容する。
【0056】
以上に説明したガイド突起23とガイド溝33とから構成されるガイド機構を備えたことで、一対のコネクタハウジング20,30は、スライド開始位置PSから、ハウジング中心軸C1,C2方向と直交する周方向にスライド操作(回動操作)して、互いの端子収容孔21,31の位置を一致させることで、コネクタハウジング相互の接続が完了する。
【0057】
また、スライド開始位置PSからの回動操作によって、
図14に示すように、互いの端子収容孔21,31の位置が一致する際には、それぞれのコネクタハウジングに収容されている突き当て端子10の先端同士が摺り合わされて、対応する突き当て端子10相互が先端を突き当てた状態になる。
【0058】
更に、詳しく説明すると、突き当て端子10は、相手の突き当て端子10と先端が摺り合わされる際に、
図17に示すように、先端位置決め片13の位置決め片部13bが相手の突き当て端子10の位置決め片部13bと突き当て板部12との間に割り込む。この割り込みにより、突き当て端子10の先端部同士が係合して、相手の突き当て端子10に対して軸方向への離反を規制する。
【0059】
ロック機構を構成するロックアーム24は、
図1に示すように、コネクタハウジング20のフード部25に装備されている。このロックアーム24は、
図1に示すように、フード部25の周壁の一部をアーム状に周囲から切り離したアーム部24aと、アーム部24aの自由端側で内径側に隆起して形成された係止突起24bとを備えている。
【0060】
ロック機構を構成するロック溝34は、
図1に示すように、ロックアーム24を係合するために、コネクタハウジング30の外周に設けられている。ロック溝34は、
図1に示すように、案内用溝部34aと、案内用溝部34aの周方向の終端に設けられた係止溝34bと、案内用溝部34aと係止溝34bとの間を区画する節度用隆起部34cと、を備えている。
【0061】
案内用溝部34aは、ガイド突起23がガイド溝33上をスライド開始位置PSまで移動する際、及びガイド突起23がスライド開始位置PSから周方向溝33bに沿って移動する際に、係止突起24bの移動を許容する凹所である。
【0062】
係止溝34bは、ガイド突起23が周方向溝33bの終端に到着して、ハウジング相互の端子収容孔21,31の位置が揃ったときに、係止突起24bと係合して係止突起24bの周方向の移動を規制する凹所である。
【0063】
節度用隆起部34cは、係止突起24bが係止溝34bに係合する前に、係止突起24bが乗り越える隆起部である。節度用隆起部34cは、係止突起24bが当該節度用隆起部34cを乗り越える際の抵抗力により、節度感を付与して、コネクタハウジング20,30の接続が完了することを触感的に作業者に知らせる。
【0064】
次に、以上に説明した突き当てコネクタ1において、コネクタハウジング20,30を嵌合接続する際の一連の操作を、図面に基づいて説明する。
【0065】
まず、
図1に示すように、コネクタハウジング20,30相互のハウジング中心軸C1,C2を一致させると共に、コネクタハウジング20上のガイド突起23の位置を、コネクタハウジング30上の軸方向溝33aの位置に合わせて、コネクタハウジング20とコネクタハウジング30とを対向させる。
【0066】
次いで、コネクタハウジング20,30相互を嵌合させて、
図5に示すように、ガイド突起23を軸方向溝33a内に押し進める。このとき、コネクタハウジング20上の端子収容孔21とコネクタハウジング30上の端子収容孔31とは、
図5(b)に示すように、周方向に位置をずらした配置になっている。
【0067】
更にコネクタハウジング20とコネクタハウジング30との軸方向の嵌合を深めると、
図6に示すように、ガイド突起23がスライド開始位置PSに到達する。ガイド突起23がスライド開始位置PSに到達したとき、ロックアーム24の係止突起24bは、
図7に示すように、ロック溝34の案内用溝部34aに位置している。また、ガイド突起23がスライド開始位置PSに到達したとき、それぞれのコネクタハウジング20,30内の突き当て対象となっている突き当て端子10相互は、
図8及び
図9に示すように、一方の突き当て端子10の位置決め片部13bが、他方の突き当て端子10の位置決め片部13bの内側に進入可能な軸方向位置に、位置決めされる。
【0068】
次いで、
図10に示すように、ガイド突起23がスライド開始位置PSから周方向溝33b内を周方向に移動するように、コネクタハウジング20とコネクタハウジング30とを回動操作する。ガイド突起23が周方向溝33bの終端に近づくに従って、
図10(b)に示すように、ハウジング相互の端子収容孔21,31の位相のずれ角θが縮まる。また、
図11に示すように、ロックアーム24の係止突起24bは、ロック溝34の案内用溝部34a内を節度用隆起部34cに向かって移動する。また、それぞれのコネクタハウジング20,30内の突き当て対象となっている突き当て端子10相互は、
図12及び
図13に示すように、周方向の位置ずれが縮小していく。
【0069】
コネクタハウジング20,30の相対回動が更に進み、
図14(a)に示すようにガイド突起23が周方向溝33bの終端に到達すると、
図14(b)に示すように、ハウジング相互の端子収容孔21,31の位置が一致して、ハウジング相互の嵌合接続が完了した状態になる。また、このとき、ロックアーム24の係止突起24bは、
図15に示すように、節度用隆起部34cを乗り越えて係止溝34bに係合して、周方向の移動が規制されるロック状態になる。また、このとき、それぞれのコネクタハウジング20,30内の突き当て対象となっている突き当て端子10相互は、
図16及び
図17に示すように、一方の突き当て端子10の位置決め片部13bが、他方の突き当て端子10の位置決め片部13bと突き当て板部12との間に割り込んで、それぞれの突き当て端子10の突き当て板部12が、相手の突き当て端子10の先端位置決め片13に突き当たった状態となり、突き当て端子10相互の突き当て接続も完了する。
【0070】
以上に説明した第1実施形態の突き当てコネクタ1の場合、一対のコネクタハウジング20,30は、スライド開始位置PSからハウジング中心軸C1,C2方向と直交する周方向に回動操作(スライド操作)することで、コネクタハウジング相互の嵌合接続が完了する。
【0071】
そして、コネクタハウジング相互の嵌合接続が完了する際における突き当て端子10相互の突き当て接続は、突き当て端子10の先端同士が摺り合わされる摺動動作となるため、それぞれの突き当て端子10には軸方向に大きな衝突力が作用しない。更に、突き当てられた状態の突き当て端子10相互は、互いの先端位置決め片13による係合により、相手の突き当て端子10に対して軸方向への離反が規制され、ランス22,32に対して軸方向の荷重が作用することを抑止する。
【0072】
そのため、各コネクタハウジングのランス22,32等に樹脂クリープが発生することを抑止することができ、突き当て端子10間における接触圧がランス22,32等の樹脂クリープによって低下することを防止することができる。
【0073】
また、それぞれのコネクタハウジングに収容された突き当て端子10相互が突き当たる際には、突き当て端子10の先端同士が摺り合わされるため、突き当て操作前の段階で突き当て端子10の突き当て板部12の表面に付着している酸化膜や塵埃等の異物を擦り落とすことができる。そのため、突き当たる突き当て端子10間に異物が介在して突き当て端子10相互の導通接続が阻害されることもない。
従って、突き当て端子10相互の接続性を長期に渡って良好に維持することができる。
【0074】
また、本実施形態の突き当てコネクタ1の場合、一対のコネクタハウジング20,30は、スライド開始位置PSに位置決めした後、それぞれのコネクタハウジングをハウジング中心軸C1,C2回りに回動操作するだけで、コネクタハウジング相互の接続、及び突き当て端子10相互の接続を完了させることができる。従って、突き当て端子10相互を接続する際の操作性を向上させることができる。
【0075】
[第2実施形態]
図18〜
図27は本発明に係る突き当てコネクタの第2実施形態の構成を示したもので、
図18は第2実施形態の突き当てコネクタの分解斜視図、
図19は
図18に示した突き当てコネクタにおいて、一対のコネクタハウジングの嵌合接続が完了した状態の斜視図、
図20(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置からハウジング中心軸と直交する方向にスライド操作されている途中の嵌合状態を示す背面図、
図20(b)は
図20(a)の嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図、
図21(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングのスライド操作が
図20の状態から更に進んだ状態を示す背面図、
図21(b)は
図21(a)の嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図である。
【0076】
また、
図22(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングのスライド操作が完了直前の状態を示す背面図、
図22(b)は
図22(a)の嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図、
図23は
図22に示した一対のコネクタハウジングの嵌合状態において、突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、
図24は
図23のN部の拡大図、
図25(a)は第2実施形態の一対のコネクタハウジングの嵌合接続が完了した状態の背面図、
図25(b)は
図25(a)の嵌合完了状態における突き当て端子相互の位置関係を示す要部横断面図、
図26は第2実施形態の一対のコネクタハウジングの嵌合接続が完了した状態における突き当て端子相互の突き当て状態を示す縦断面図、
図27は
図26のP部の拡大図である。
【0077】
図18〜
図27に示す第2実施形態の突き当てコネクタ1Aにおいて、第1実施形態の突き当てコネクタ1における構成と共通の構成、又は第1実施形態の突き当てコネクタ1の構成に相応する構成については、第1実施形態と共通の符合を付して、説明を簡略化する。
【0078】
この第2実施形態の突き当てコネクタ1Aの場合、嵌合接続させる一対のコネクタハウジング20,30の内、一方のコネクタハウジング30は
図18に示すように略直方体状の外郭形状を成している。コネクタハウジング30の両側面には、コネクタハウジング20への嵌合接続が完了したときに、コネクタハウジング20に係合するロック突起37が突設されている。
【0079】
また、コネクタハウジング30が嵌合接続される他方のコネクタハウジング20は、先端側に延出したフード部25が、コネクタハウジング30が嵌合装着される直方体状の収容空間26を提供している。収容空間26は、コネクタハウジング20のハウジング中心軸C1と直交する上方側を開放した空間である。
【0080】
また、収容空間26を画成しているフード部25の両側壁には、コネクタハウジング20に対するコネクタハウジング30の嵌合接続が完了したときにロック突起37が係合するロック孔27が設けられている。
【0081】
コネクタハウジング20,30に装備された端子収容孔21,31に、
図3及び
図4に示した突き当て端子10が装着される点は、第1実施形態と共通である。
【0082】
第2実施形態の突き当てコネクタ1Aの場合、一対のコネクタハウジング20,30におけるスライド開始位置PSは、それぞれのコネクタハウジングのハウジング中心軸C1,C2がハウジング中心軸C1,C2と直交する方向(
図18の矢印Y2方向)にずれた位置である。
【0083】
スライド開始位置PSは、具体的には、ハウジング中心軸C1,C2と直交する方向に
おいては、図20(b)に示す収容空間26の上端縁であり、ハウジング中心軸C1,C2の軸方向においては、
図23に示すように、それぞれのハウジングの先端が突き当たる位置である。
【0084】
また、一対のコネクタハウジング20,30を嵌合接続する際のスライド操作が、
図20に矢印Y3で示すように、ハウジング中心軸C1,C2と直交する方向への平行移動操作である。
【0085】
図20に示したスライド開始位置PSから、収容空間26内にコネクタハウジング30を押し込むスライド操作を行うと、スライド操作の進行に伴い、
図21及び
図22に示すように、ハウジング相互の嵌合が深まる。
【0086】
ハウジング相互のスライド開始位置PSからのスライド操作時には、
図23及び
図24に示すように、それぞれのハウジングに収容された突き当て端子10の先端の位置決め片部13bがスライド操作により互いに係合可能なように、それぞれの突き当て端子10の軸方向の位置が位置決めされている。
【0087】
スライド操作の終端では、
図25に示すように、コネクタハウジング30の下面30aが、フード部25の内底面25aに突き当たることで、それ以上のコネクタハウジング30の押し込みが規制される。この時、コネクタハウジング20,30に配置された端子収容孔21,31の位置が一致すると共に、
図25(b)に示すように、コネクタハウジング30の両側のロック突起37がコネクタハウジング20のロック孔27に係合して、ハウジング相互の接続状態がロックされる。
【0088】
第2実施形態の突き当てコネクタ1Aの場合も、コネクタハウジング20,30の嵌合接続が完了した状態では、
図26及び
図27に示すように、それぞれのハウジングに収容された突き当て端子10は、先端の位置決め片部13bを相手の突き当て端子10の位置決め片部13bと突き当て板部12との間に割り込ませた突き当て状態となる。
【0089】
以上に説明した第2実施形態の突き当てコネクタ1Aの場合、一対のコネクタハウジング20,30は、スライド開始位置PSに位置決めした後、それぞれのコネクタハウジングをハウジング中心軸C1,C2と直交する方向に平行移動させるだけで、コネクタハウジング相互の接続、及び突き当て端子10相互の接続を完了させることができる。従って、突き当て端子10相互を接続する際の操作性を向上させることができる。
【0090】
[第3の実施形態]
図28〜
図33は本発明に係る突き当てコネクタの第3実施形態の構成を示したもので、
図28は本発明に係る突き当てコネクタの第3実施形態の分解斜視図、
図29は
図28に示した一方のコネクタハウジングの先端側から視た斜視図、
図30は
図28に示した一対のコネクタハウジングの嵌合途中の状態を示す斜視図、
図31(a)は第3実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置に位置決めされた状態の側面図、
図31(b)は
図31(a)に示した嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、
図31(c)は
図31(b)のQ部の拡大図、
図32(a)は第3実施形態の一対のコネクタハウジングがスライド開始位置からハウジング中心軸の回りに回動操作途中の状態の側面図、
図32(b)は
図32(a)に示した嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、
図32(c)は
図32(b)のR部の拡大図、
図33(a)は第3の実施形態の一対のコネクタハウジングが嵌合接続完了した状態の側面図、
図33(b)は
図33(a)に示した嵌合状態における突き当て端子相互の位置関係を示す縦断面図、
図33(c)は
図33(b)のS部の拡大図である。
【0091】
この第3実施形態の突き当てコネクタ1Bは、第1実施形態の突き当てコネクタ1の一部を改良したものである。
【0092】
改良した点は、
図28及び
図29に示すように、一対のコネクタハウジング20,30の先端部に、端子保護突起28,38を備えた点である。
【0093】
端子保護突起28,38は、
図31に示すように、それぞれのコネクタハウジングがスライド開始位置PSに位置決めされた時に、相手コネクタハウジングの突き当て面(先端面)20b,30bに突き当たる。また、端子保護突起28,38は、スライド操作時には、相手コネクタハウジングの突き当て面20b,30b上を摺接して、コネクタハウジング相互のハウジング中心軸C1,C2方向への変位を規制する。
【0094】
第3実施形態の突き当てコネクタ1Bは、端子保護突起28,38を追加した点以外は、第1実施形態と共通の構成であり、共通の構成については、同番号を付して説明を省略する。
【0095】
以上に説明した第3実施形態の突き当てコネクタ1Bの場合、一対のコネクタハウジング20,30相互を嵌合接続する際には、
図30及び
図31に示すようにスライド開始位置PSからハウジング相互を相対回動させて、
図32及び
図33に示すように、それぞれのハウジングの周方向に位置ずれしている端子収容孔21,31の位置を一致させることで、それぞれのハウジングの突き当て端子10を突き当て接続させる。このようにスライド開始位置PSからハウジング相互を相対回動させるスライド操作時には、それぞれのコネクタハウジングの先端部に装備された端子保護突起28,38により、突き合されたコネクタハウジング相互の先端部間の離間距離が維持される。そのため、端子保護突起28,38の突出長を適宜に選定しておくことで、突き当て時に突き当て端子10に過大な衝突力が作用することを回避することができ、突き当て端子10が突き当て時の衝撃により変形することを防止することができる。
【0096】
なお、本発明の突き当てコネクタは、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。