特許第5775372号(P5775372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775372
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】電子部品の装着方法及び装着装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   H05K13/04 Z
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-134677(P2011-134677)
(22)【出願日】2011年6月17日
(65)【公開番号】特開2013-4755(P2013-4755A)
(43)【公開日】2013年1月7日
【審査請求日】2014年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】林 克典
(72)【発明者】
【氏名】横山 泰幸
(72)【発明者】
【氏名】川端 由浩
【審査官】 秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−141215(JP,A)
【文献】 特開2011−108909(JP,A)
【文献】 特開2008−243890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーダベース上に複数並設された部品供給ユニットより電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着装置において、
前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けて部品IDを格納している第1の記憶手段と、
現行生産機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの外に、次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットを前記フィーダベースに脱着した場合に、脱着した部品供給ユニットに係る情報を第2の記憶手段に格納して前記現行生産機種の基板の生産運転が終了した後の前記次以降に生産する機種の前記基板の生産のために機種切替えを行った後に、チェック確認スイッチの操作を受け付けることなく、前記次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの前記フィーダベースへの掛け違いチェックを実行する実行手段と、
この実行手段による掛け違いチェック結果が良好の場合に、前記第2の記憶手段に格納された情報に基づいて使用する部品供給ユニットが脱着されたか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により脱着されたと判定した場合に、前記次以降に生産する機種の前記基板の電子部品を供給する脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号を手掛かりとして前記第1の記憶手段に格納されている脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けられている部品IDを入手し、入手した部品IDと、前記脱着した前記部品供給ユニットに収納された前記供給リールに付されていて読取られた部品IDとを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果が不良の場合には、前記次以降に生産する機種の前記基板の生産運転を開始しないように制御する制御手段とを
設けたことを特徴とする電子部品の装着装置。
【請求項2】
前記比較手段が比較していない旨を報知する報知手段を
設けたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の装着装置。
【請求項3】
フィーダベース上に複数並設された部品供給ユニットより電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けて部品IDを第1の記憶手段格納し、
現行生産機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの外に、次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットを前記フィーダベースに脱着した場合に、脱着した部品供給ユニットに係る情報を第2の記憶手段に格納して前記現行生産機種の基板の生産運転が終了した後の前記次以降に生産する機種の前記基板の生産のために機種切替えを行った後に、チェック確認スイッチの操作を受け付けることなく、前記次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの前記フィーダベースへの掛け違いチェックを実行し、
この掛け違いチェック結果が良好の場合に、前記第2の記憶手段に格納された情報に基づいて使用する部品供給ユニットが脱着されたか否かを判定し、
脱着されたと判定した場合に、前記次以降に生産する機種の前記基板の電子部品を供給する脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号を手掛かりとして前記第1の記憶手段に格納されている脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けられている部品IDを入手し、入手した部品IDと、前記脱着した前記部品供給ユニットに収納された前記供給リールに付されていて読取られた部品IDとを比較し、
この比較結果が不良の場合には、前記次以降に生産する機種の前記基板の生産運転を開始しないように
したことを特徴とする電子部品の装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィーダベース上に複数並設された部品供給ユニットより電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法及び装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品の装着装置は、例えば特許文献1などに開示されている。一般に、基板であるプリント基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置において、ある機種のプリント基板の生産運転の停止中に、例えばこの機種のプリント基板の生産に使用する前記部品供給ユニットに異常や電子部品切れが発生した場合等に、作業管理者はこのプリント基板の機種で使用している部品供給ユニットを前記フィーダベースから外して、異常状態を修理したり、新たな電子部品を格納した収納テープを収納した供給リールに交換したりして、前記フィーダベースに取り付けることが行われる。
【0003】
そして、このプリント基板の機種で使用している前記部品供給ユニットを前記フィーダベースから外して、再度前記フィーダベースに取り付けることが行われた際に、前記フィーダベースへの部品供給ユニットの掛け違いが発生することがあるので、チェック確認スイッチを操作して、掛け違いのチェックを行って良好であれば、再度の生産運転の開始を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−87305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このプリント基板の機種で使用している前記部品供給ユニットばかりか、次以降に生産する機種のプリント基板に使用する部品供給ユニットについても、修理などのために前記フィーダベースへの脱着をした場合でも、次機種への機種切替えの後に改めて、チェック確認スイッチを操作することにより、次機種のプリント基板に使用する部品供給ユニットの掛け違いのチェックを行う必要があった。
【0006】
そこで、現在生産している基板の機種で使用している前記部品供給ユニットばかりか、次以降に生産する機種の基板に使用する部品供給ユニットについても、修理などのために前記フィーダベースへ脱着した場合に、次機種への機種切替えの後に改めて、チェック確認スイッチを操作することなく、次機種の基板に使用する部品供給ユニットの掛け違いのチェックを行うようにして、基板の生産性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため第1の発明は、フィーダベース上に複数並設された部品供給ユニットより電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着装置において、
前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けて部品IDを格納している第1の記憶手段と、
現行生産機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの外に、次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットを前記フィーダベースに脱着した場合に、脱着した部品供給ユニットに係る情報を第2の記憶手段に格納して前記現行生産機種の基板の生産運転が終了した後の前記次以降に生産する機種の前記基板の生産のために機種切替えを行った後に、チェック確認スイッチの操作を受け付けることなく、前記次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの前記フィーダベースへの掛け違いチェックを実行する実行手段と、
この実行手段による掛け違いチェック結果が良好の場合に、前記第2の記憶手段に格納された情報に基づいて使用する部品供給ユニットが脱着されたか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により脱着されたと判定した場合に、前記次以降に生産する機種の前記基板の電子部品を供給する脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号を手掛かりとして前記第1の記憶手段に格納されている脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けられている部品IDを入手し、入手した部品IDと、前記脱着した前記部品供給ユニットに収納された前記供給リールに付されていて読取られた部品IDとを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果が不良の場合には、前記次以降に生産する機種の前記基板の生産運転を開始しないように制御する制御手段とを
設けたことを特徴とする。
【0009】
の発明は、第1の発明において、前記比較手段が比較していない旨を報知する報知手段を
設けたことを特徴とする。
【0011】
の発明は、フィーダベース上に複数並設された部品供給ユニットより電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着方法において、
前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けて部品IDを第1の記憶手段格納し、
現行生産機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの外に、次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットを前記フィーダベースに脱着した場合に、脱着した部品供給ユニットに係る情報を第2の記憶手段に格納して前記現行生産機種の基板の生産運転が終了した後の前記次以降に生産する機種の前記基板の生産のために機種切替えを行った後に、チェック確認スイッチの操作を受け付けることなく、前記次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットの前記フィーダベースへの掛け違いチェックを実行し、
この掛け違いチェック結果が良好の場合に、前記第2の記憶手段に格納された情報に基づいて使用する部品供給ユニットが脱着されたか否かを判定し、
脱着されたと判定した場合に、前記次以降に生産する機種の前記基板の電子部品を供給する脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号を手掛かりとして前記第1の記憶手段に格納されている脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けられている部品IDを入手し、入手した部品IDと、前記脱着した前記部品供給ユニットに収納された前記供給リールに付されていて読取られた部品IDとを比較し、
この比較結果が不良の場合には、前記次以降に生産する機種の前記基板の生産運転を開始しないように
したことを特徴とする。
【0012】
(付記項)
なお、本出願では、以下のような構成も考えられる。
フィーダベース上に複数並設された部品供給ユニットより電子部品を装着ヘッドに取り付けられた吸着ノズルにより取り出して、基板上に装着する電子部品の装着装置において、
前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けて部品IDを格納している第1の記憶手段と、
生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットを前記フィーダベースに脱着した場合に、生産する機種の前記基板の電子部品を供給する脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号を手掛かりとして前記第1の記憶手段に格納されている脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けられている部品IDを入手し、入手した部品IDと、前記脱着した前記部品供給ユニットに収納された前記供給リールに付されていて読取られた部品IDとを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果が不良の場合には、生産運転を開始しないように制御する制御手段とを備え、
前記比較手段は、現行生産機種の前記基板に使用する前記部品供給ユニットの外に、次以降に生産する機種の前記基板に装着する前記電子部品を供給する前記部品供給ユニットを前記フィーダベースに脱着した場合に、次以降に生産する機種の前記基板の電子部品を供給する脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号を手掛かりとして前記第1の記憶手段に格納されている脱着した前記部品供給ユニットのシリアル番号に関連付けられている部品IDを入手し、入手した部品IDと、前記脱着した前記部品供給ユニットに収納された前記供給リールに付されていて読取られた部品IDとを比較し、
前記制御手段は、前記比較手段による比較結果が不良の場合には、前記次以降に生産する機種の前記基板の生産運転を開始しないように制御する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、現在生産している基板の機種で使用している前記部品供給ユニットばかりか、次以降に生産する機種の基板に使用する部品供給ユニットについても、修理などのために前記フィーダベースへ脱着した場合に、次以降に生産する機種への機種切替えの後に改めて、チェック確認スイッチを操作することなく、次以降に生産する機種の基板に使用する部品供給ユニットの掛け違いのチェックを行うようにして、基板の生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】電子部品実装ラインの管理システムの概略図を示す。
図2】電子部品装着装置の平面図である。
図3】電子部品装着装置の制御ブロック図である。
図4】フローチャートを示す図である。
図5】装着データを示す図である。
図6】部品配置データを示す図である。
図7】プリント基板の機種「1」に使用する部品供給ユニットをフィーダベースから外した場合のモニタの表示画面を示す図である。
図8】プリント基板の機種「1」に使用する部品供給ユニットをフィーダベースに取付けて掛け違いチェックを実行した結果を表示したモニタの表示画面を示す図である。
図9】配置番号「F217」の整合性確認をして良好な場合のモニタの表示画面を示す図である。
図10】配置番号「F218」の整合性確認をして良好な場合のモニタの表示画面を示す図である。
図11】配置番号「F217」、[F218]の整合性確認をして後に、掛け違いをしたチェック結果のモニタの表示画面を示す図である。
図12】プリント基板の機種「2」に機種切替えした場合の掛け違いチェックの実行した結果のモニタの表示画面を示す図である。
図13】プリント基板の機種「2」に機種切替えした後の掛け違いチェックの実行した結果が「整合性未」の状態で、生産運転を開始しようとした場合のモニタの表示画面を示す図である。
図14】プリント基板の機種「2」に機種切替えした後の整合性確認を実行した結果が良好な場合のモニタの表示画面を示す図である。
図15】プリント基板の機種「2」に使用する配置番号「F215」の整合性確認をした後に掛け違いチェックしたときのチェック結果を表示したモニタの表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の実施形態につき説明する。図1は基板としてのプリント基板6上に電子部品を装着する電子部品実装ラインの管理システムの概略図であり、この電子部品実装ラインは前記基板6上に半田クリームを塗布するスクリーン印刷機や、前記基板6上に接着剤を塗布する接着剤塗布装置や、前記基板6上に電子部品を装着する電子部品装着装置1、2、3、4などの作業装置を備えているが、これらの装置に限らず、電子部品実装ラインに電子部品の実装に係る他の装置も含んでもよい。
【0016】
そして、前記電子部品装着装置1、2、3、4は相互に通信回線5を介して送受信が可能で有ると共に、それぞれ前記通信回線5を介して記憶手段であるデータサーバ7にも接続されてこのデータサーバ7との間で送受信が可能である。
【0017】
次に、図2に基づいて、他の電子部品装着装置2、3、4と同様な構造の電子部品装着装置1を例として説明する。先ず、電子部品装着装置1には、プリント基板6を搬送する搬送装置12と、この搬送装置12を挟んで手前側と奥側に配設される電子部品を供給するための部品供給装置13と、駆動源により一方向(プリント基板6の搬送方向と直交するY方向)に移動可能な一対のビーム14A、14Bと、それぞれ複数(例えば、12本)の部品保持手段である吸着ノズル15を着脱可能に備えて前記各ビーム14A、14Bに沿った方向(プリント基板6の搬送方向であるX方向)に各駆動源により移動可能で且つ回転可能な作業ヘッドとしての装着ヘッド16とが設けられている。
【0018】
前記搬送装置12は電子部品装着装置1の前後の中間部に配設され、上流側装置からプリント基板6を受け継ぐ基板供給部12Aと、前記各装着ヘッド16の吸着ノズル15に吸着保持された電子部品を装着するために基板供給部12Aから供給されたプリント基板6を位置決め固定する基板位置決め部12Bと、この基板位置決め部12Bで電子部品が装着されたプリント基板6を受け継いで下流側装置に搬送する基板排出部12Cとから構成され、これら基板供給部12A、基板位置決め部12B及び基板排出部12Cはプリント基板6の幅(搬送方向と直交する方向の幅)に合わせて間隔が調整できる一対の搬送コンベアから構成される。
【0019】
前記部品供給装置13は、キャスタ付きのカートのフィーダベース13A上に部品供給ユニット13Bを多数並設したものであり、部品供給側の先端部がプリント基板6の搬送路に臨むように装着装置本体に連結具(図示せず)を介して着脱可能に配設され、この連結具を解除して把手を引くと下面に設けられたキャスタにより移動できる構成である。
【0020】
この部品供給ユニット13Bには多数の電子部品をキャリアテープの凹部から成る各収納部に一定の間隔で収容したカバーテープで覆う収納テープが搭載されており、収納テープを間欠送りすると共にキャリアテープからカバーテープを剥離することで、部品供給ユニット13Bの部品取出位置に電子部品が1個ずつ供給され、各収納部から前記装着ヘッド16の吸着ノズル15により取出される。
【0021】
X方向に長い前後一対の前記ビーム14A、14Bは、Y方向リニアモータ17の駆動により左右一対の前後に延びたガイドに沿って前記各ビーム14A、14Bに固定されたスライダが摺動して個別にY方向に移動する。前記Y方向リニアモータ17は左右一対の基体11A、11Bに沿って固定された左右一対の固定子と、前記ビーム14A、14Bの両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子17Aとから構成される。
【0022】
また、前記ビーム14A、14Bにはその長手方向(X方向)にX方向リニアモータ19によりガイドに沿って移動する前記装着ヘッド16が夫々内側に設けられており、前記X方向リニアモータ19は各ビーム14A、14Bに固定された前後一対の固定子と、各固定子の間に位置して前記装着ヘッド16に設けられた可動子とから構成される。
【0023】
従って、各装着ヘッド16は向き合うように各ビーム14A、14Bの内側に設けられ、前記搬送装置12の基板位置決め部12B上のプリント基板6や部品供給ユニット13Bの部品取出し位置上方を移動する。
【0024】
そして、この吸着ノズル15は上下軸モータ20により昇降可能であり、またθ軸モータ21により装着ヘッド16を鉛直軸周りに回転させることにより、結果として各装着ヘッド16の各吸着ノズル15はX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、且つ上下動可能となっている。
【0025】
18は前記吸着ノズル15に吸着保持された電子部品を撮像する部品認識カメラで、22はプリント基板6に付された基板認識マークを撮像するための基板認識カメラで各装着ヘッド16に搭載されている。
【0026】
23は種々の吸着ノズル15を収納するノズルストッカであり、前記搬送装置12の奥側位置に2個、手前側位置に2個設置可能であり、吸着ノズル15の形状・サイズが異なるために、異なる種類のものが準備される。
【0027】
次に、図3の電子部品装着装置1に係る制御ブロック図について説明する。先ず、30は本装着装置の装着に係る動作を統括制御する制御手段、種々の判定をする判定手段、種々の比較をする比較手段、実行手段としてのCPU、31は電子部品の装着ステップ番号順(装着順序毎)にプリント基板6内でのX方向、Y方向及び角度位置から成る装着座標情報や各部品供給ユニット13Bの配置番号情報等から成る装着データ(図5参照)、部品供給ユニット13Bの配置番号毎の部品IDに係る部品配置データ(図6参照)、電子部品毎の電子部品のサイズデータ等から成る部品ライブラリデータ等を格納する記憶手段としてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、32はプログラムを格納するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)である。
【0028】
なお、前記RAM31に格納された前記装着データ、部品配置データ、部品ライブラリデータ等は、前記データサーバ7にも格納されている。また、前記データサーバ7には、部品供給ユニット13Bのシリアル番号と部品IDとが関連付けられて、フィーダ・部品関連情報として、格納されている。
【0029】
そして、CPU30は前記RAM31に記憶されたデータに基づき、前記ROM32に格納されたプログラムに従い、電子部品装着装置の部品装着動作に係る動作を統括制御する。即ち、CPU30は、インターフェース33及び駆動回路36を介して前記X方向リニアモータ19、Y方向リニアモータ17、上下軸モータ20及びθ軸モータ21の駆動を制御する。
【0030】
26はインターフェース33を介して前記CPU30に接続される認識処理装置で、前記部品認識カメラ18、基板認識カメラ22により撮像して取込まれた画像の認識処理が該認識処理装置26にて行われ、CPU30に処理結果が送出される。即ち、CPU30は、前記部品認識カメラ18、基板認識カメラ22により撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置26に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置26から受取るものである。
【0031】
即ち、前記認識処理装置26の認識処理により電子部品の位置ずれ量が把握されると、その結果がCPU30に送られ、CPU30はプリント基板6の位置ずれ量に当該電子部品の位置ずれ量を加味して、前記ビーム4A、4BをY方向リニアモータ17の駆動によりY方向に、装着ヘッド16をX方向リニアモータ19の駆動によりX方向に移動させることにより、またθ軸モータ21によりθ回転させ、X、Y方向及び鉛直軸線回りへの回転角度位置の補正がなされるものである。
【0032】
また、CPU30には操作画面等を表示するモニタ27、このモニタ27の表示画面に形成された入力装置としてのタッチパネルスイッチ28、収納テープが巻回収納された供給リールに付された部品情報(部品ID)を表すバーコード及び部品供給ユニット13Bに付されたシリアル番号を表すバーコードを読むためのバーコードリーダ29がインターフェース33を介して接続されている。
【0033】
なお、前記フィーダベース13A上に配設される前記部品供給ユニット13Bは、それぞれフィーダベース13A前面に設けられた一方のコネクタ33Aと接続する他方のコネクタ33Bが設けられる。そして、前記部品供給ユニット13Bは、マイクロコンピュータから成る制御装置34や、シリアル番号が格納されたメモリ35を備えている。
【0034】
次に、以下本発明電子部品装着装置1の制御に係るフローチャートの図4に基づいて説明する。初めに、今まで機種「1」のプリント基板6へ電子部品の装着運転をしていたが、現在装着運転を停止している状態下で、この機種「1」のプリント基板6の生産に使用する部品供給ユニット13Bに異常や電子部品切れが発生した場合等に、作業管理者はこのプリント基板6の機種「1」で使用しているフィーダA(ある部品供給ユニット13B)を前記フィーダベース13Aから外して、異常状態を修理したり、新たな電子部品を格納した収納テープを収納した供給リールに交換したりして、前記フィーダベース13Aに装着する(ステップS01)。
【0035】
この場合、前記CPU30は電源(図示せず)に接続されているので、フィーダベース13Aに部品供給ユニット13Bを取り付けて、コネクタ33Aと33Bとを接続するとこの部品供給ユニット13Bに電源が供給できる。逆に、コネクタ33Aと33Bとの接続を解除すると、部品供給ユニット13Bへの供給電源が遮断されてゼロボルトとなり、この遮断状態をCPU30は検出することができる。従って、結果として部品供給ユニット13Bのフィーダベース13Aへの接続状態(電源供給状態)、非接続状態(電源遮断状態)を検出することができる。
【0036】
このため、CPU30は機種「1」のプリント基板6の電子部品装着に使用するどの配置番号に係る部品供給ユニット13Bが脱着されたかがわかるので、RAM32及びデータサーバ7にこの脱着された部品供給ユニット13Bの配置番号をこの脱着のたびに格納する。
【0037】
このとき、例えばプリント基板6の機種「1」に装着する電子部品を扱う配置番号が「217」と「218」の部品供給ユニット13Bが前記フィーダベース13Aから取り外されたときに、この配置番号の部品供給ユニット13Bが脱着されたこと、RAM31に格納された図5の装着データ及び図6に示す部品配置データからその部品IDがわかるので、図7に示すように、配置番号「Fdr No.(部品供給ユニットの配置番号」(「217」と「218」)、「部品ID」(「C1005T05B0」と「R1005T04B0」)、部品残数及びACVチェック(「チェック未」)をCPU30がモニタ27に表示させる。この場合、次の生産機種「2」に使用する配置番号「215」の部品供給ユニット13Bが脱着されても、この配置番号「215」は表示されず、ここでは生産機種「1」に使用する部品供給ユニット13Bのみ表示される。
【0038】
また、以上のような機種「1」のプリント基板6の生産に使用する部品供給ユニット13Bに限らず、次機種の機種「2」やこの次機種「2」以降の機種などのプリント基板6の生産に使用する部品供給ユニット13Bに、異常や電子部品切れが発生した場合等にも前述と同様に、作業管理者は機種「2」などで使用するフィーダB(ある部品供給ユニット13B)を前記フィーダベース13Aから外して装着する(ステップS02)。
【0039】
従って、CPU30はどの配置番号に係る部品供給ユニット13Bが脱着されたかがわかるので、RAM32及びデータサーバ7にこの脱着された部品供給ユニット13Bの配置番号をこの脱着のたびに格納する。
【0040】
次に、作業管理者が前記フィーダベース13Aに着脱した機種「1」のプリント基板6の生産に使用する部品供給ユニット13Bの掛け違いを確認するために、モニタ27に表示されたタッチパネルスイッチであるフィーダレディスイッチを押圧操作すると(ステップS03)、CPU30は機種「1」の脱着された部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックを実行する(ステップS04)。
【0041】
即ち、この場合、フィーダレディスイッチが押圧操作されたことがトリガーとなって、CPU30はプリント基板6の機種「1」に使用する脱着された部品供給ユニット13Bのシリアル番号、即ちこの部品供給ユニット13Bに備えられたメモリ35から入手したシリアル番号に基づいて(手掛かりとして)、部品供給ユニット13Bのシリアル番号と部品IDとが関連付けられているフィーダ・部品関連情報を格納している前記データサーバ7から部品IDを入手する。そして、このデータサーバ7から入手した部品供給ユニット13Bの部品IDと、図5に示す装着データの配置番号に対応する図6の部品配置データの部品ID(脱着の際にRAM32及びデータサーバ7に格納された配置番号を手掛かりとして部品配置データから入手した対応する部品ID)とを比較して機種「1」の脱着された部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックを実行する。
【0042】
この掛け違いチェックの実行した結果は、図8に示すようなモニタ27の画面に表示される。即ち、配置番号「Fdr No.」(「217」と「218」)、「部品ID」(「C1005T05B0」と「R1005T04B0」)、部品残数及びACVチェック(「整合性未」)がモニタ27に表示される。この場合、次の生産機種「2」に使用する配置番号「215」の部品供給ユニット13Bが脱着されても、この配置番号「215」は表示されず、ここでは生産機種「1」に使用する部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックの実行した結果のみ表示される。
【0043】
この「整合性未」の場合は、作業管理者が運転開始スイッチ(図示せず)の押圧操作により生産運転を開始しようとしても、装置異常となり、生産運転が開始しないように、CPU30により制御される。そして、この「整合性未」の場合は掛け違いチェックでは一致しているが、整合性の確認が必要な状態を意味する。
【0044】
次に、CPU30は前述した掛け違いチェックの実行結果に基づいて、掛け違いチェックが良好(OK)か否かを判定する(ステップS05)。そして、良好でなくて、掛け違いと判定すると、CPU30は異常処理をしてモニタ27に表示したり、その他の報知手段により異常を報知すると共に電子部品の登録処理を再度行い(ステップS06)、ステップS03に戻る。
【0045】
また掛け違いチェックが良好と判定すると、次に使用する部品供給ユニット13Bが脱着されたか、言い換えると機種「1」のプリント基板6に装着される電子部品に係る部品供給ユニット13Bが脱着されたか否かが判定される(ステップS07)。この場合、どの配置番号に係るどの部品供給ユニット13Bが脱着されたかがわかるので、即ちRAM32及びデータサーバ7に配置番号が格納されているので、判定ができる。
【0046】
そして、機種「1」のプリント基板6に装着される電子部品に係る部品供給ユニット13Bが脱着されていないとCPU30が判定すると、作業管理者が運転開始スイッチを押圧操作することにより、機種「1」の運転が開始される(ステップS10)。
【0047】
また、機種「1」のプリント基板6に装着される電子部品に係る部品供給ユニット13Bが脱着されたと判定すると、CPU30は機種「1」の電子部品の整合性確認を実行する(ステップS08)。この整合性確認は、前記データサーバ7に登録されている部品供給ユニット13Bに関連付けられた電子部品の部品IDとこの部品供給ユニット13Bに現実に取り付けられている供給リールに係る部品IDとを比較して行われる。
【0048】
即ち、作業管理者がバーコードリーダ29を使用して収納テープが巻回収納された供給リールに付された部品情報(部品ID)を表すバーコードを読み取ると共に部品供給ユニット13Bに付されたシリアル番号を表すバーコードを読取る。そして、CPU30はこの読み取った供給リールに係る部品IDと前記データサーバ7に登録されているフィーダ・部品関連情報に基づいて読取ったシリアル番号を手掛かりとして入手したこのシリアル番号に対応する部品IDとを比較して機種「1」の電子部品の整合性確認を実行する。
【0049】
そして、この整合性の確認結果が良好か否かを判定し(ステップS09)、良好でないと判定されると、CPU30は異常処理をしてモニタ27に表示したり、その他の報知手段により異常を報知すると共に電子部品の登録処理を再度行い(ステップS06)、ステップS03に戻る。そして、このステップS06からステップS03に戻る。このステップS03に戻って、再度掛け違いチェックが良好か否かが判定された場合には、図11に示すような画面がモニタ27に表示される。即ち、配置番号「Fdr No.」(「217」と「218」)、「部品ID」(「C1005T05B0」と「R1005T04B0」)、部品残数及びACVチェック(「OK(良好の意)」)がモニタ27に表示される。この場合、次の生産機種「2」に使用する配置番号「215」の部品供給ユニット13Bが脱着されても、この配置番号「215」は表示されず、ここでは生産機種「1」に使用する部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックの実行した結果のみ表示される。
【0050】
なお、整合性の確認を実行して(ステップS08)、前述の整合性の確認結果が良好と判定されて、機種「1」のプリント基板6への電子部品の装着に使用する脱着された配置番号「217」の部品供給ユニット13Bについて良好と判定されると、図9に示すように、部品供給ユニット13Bのシリアル番号(フィーダSN)「GD08080−000002」、登録部品ID「C1005T05B0」、部品ID「C1005T05B0」、レーンNo.(配置番号)「F217」、判定結果「OK(良好の意)」がモニタ27に表示され、また配置番号「218」の部品供給ユニット13Bについて良好と判定されると、図10に示すように、部品供給ユニット13Bのシリアル番号(フィーダSN)「GD08080−000003」、登録部品ID「R1005T04B0」、部品ID「R1005T04B0」、レーンNo.(配置番号)「F218」、判定結果「OK(良好の意)」が表示される。
【0051】
また、ステップS09において良好であると判定されると、掛け違いチェック結果は、図11に示すような画面がモニタ27に表示される。即ち、配置番号「Fdr No.」(「217」と「218」)、「部品ID」(「C1005T05B0」と「R1005T04B0」)、部品残数及びACVチェック(「OK(良好の意)」)がモニタ27に表示され、作業管理者が運転スイッチ(図示せず)を押圧操作することにより、機種「1」の運転が開始される(ステップS10)。
【0052】
ここで、電子部品装着装置1の電子部品の装着運転について簡単に説明すると、その上流側作業装置(図示せず)からプリント基板6を受け取り、基板位置決め部にてこのプリント基板6を位置決め固定し、一方のビーム4AがY方向リニアモータ17の駆動によりY方向に移動すると共にX方向リニアモータ19によりビーム14Aに設けられた装着ヘッド16がX方向に移動し、装着データに従い対応する部品供給ユニット13Bの部品取出し位置上方まで移動して、上下軸モータ20の駆動により装着ヘッド16に設けられた吸着ノズル15を下降させて部品供給ユニット13Bから電子部品を取出す。
【0053】
そして、取出した後は装着ヘッド16の吸着ノズル15を上昇させて、部品認識カメラ18上方を通過させ、この移動中に複数の吸着ノズル15に吸着保持された複数の電子部品を一括して撮像して、この撮像された画像を認識処理装置26が認識処理して吸着ノズル15に対する位置ズレを把握する。
【0054】
また、各装着ヘッド16に設けられた基板認識カメラ22が前記プリント基板6上方位置まで移動して、プリント基板6に付された基板認識マークを撮像して、この撮像された画像を認識処理装置26が認識処理してプリント基板の位置が把握される。
【0055】
そして、装着データの装着座標に前記基板認識マークの認識処理結果及び各部品認識処理結果を加味して、吸着ノズル15が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品をプリント基板6上に装着する。このようにして、プリント基板6上に全ての電子部品の装着をしたら、この基板6を基板位置決め部から基板排出部を介して後工程装置に受け渡して、このプリント基板6上への電子部品の装着動作は終了する。
【0056】
以上のような生産すべき機種「1」に係る全てのプリント基板6への電子部品の装着生産運転が終了すると(ステップS11)、装着運転が停止し、次に生産する次機種のプリント基板である機種「2」に機種切替えが行われる(ステップS12)。
【0057】
即ち、次機種のプリント基板である機種「2」に対して、例えば作業設備である吸着ノズルの交換、コンベア幅の変更、バックアップピンの配置替えなどを自動的に又は手動により行う。
【0058】
次に、以上のように次機種のプリント基板6である機種「2」に機種切替えが行われると、CPU30はプリント基板6の機種「2」に使用する脱着された部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックを実行する(ステップS13)。
【0059】
即ち、この場合、CPU30はプリント基板6の機種「2」に使用する脱着された部品供給ユニット13Bのシリアル番号、即ちこの部品供給ユニット13Bに備えられたメモリ35から入手したシリアル番号に基づいて(手掛かりとして)、部品供給ユニット13Bのシリアル番号と部品IDとが関連付けられているフィーダ・部品関連情報を格納している前記データサーバ7から部品IDを入手する。そして、このデータサーバ7から入手した部品供給ユニット13Bの部品IDと、図5に示す装着データの配置番号に対応する図6の部品配置データの部品ID(脱着の際にRAM32及びデータサーバ7に格納された配置番号を手掛かりとして部品配置データから入手した対応する部品ID)とを比較して機種「2」の脱着された部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックを実行する。
【0060】
この掛け違いチェックの実行した結果は、図12に示すようなモニタ27の画面に表示される。即ち、配置番号「Fdr No.」(「215」、「217」、「218」)、「部品ID」(「C1005T05B1」、「C1005T05B0」、「R1005T04B0」)、部品残数及びACVチェックがモニタ27に表示される。このACVチェックが「整合性未」の場合は、生産運転を開始しようとしても、装置異常となり、生産運転が開始しないように、CPU30により制御される。
【0061】
また、このACVチェックが「整合性未」の場合において、作業管理者が運転開始スイッチを押圧操作して機種「2」に係るプリント基板6の生産運転を開始しようとすると、CPC30はモニタ32に、図13に示すような画面を表示し、機種「2」に係るプリント基板6上への装着に使用する脱着された配置番号「215」の部品供給ユニット13Bについて、「F215で部品掛け違いが発生しました。」という表示がされる。
【0062】
次に、CPU30は前述した掛け違いチェックの実行結果に基づいて、掛け違いチェックが良好(OK)か否かを判定する(ステップS14)。そして、良好でなくて、掛け違いと判定すると、CPU30は異常処理をしてモニタ27に表示したり、その他の報知手段により異常を報知すると共に電子部品の登録処理を再度行い(ステップS15)、作業管理者が前記フィーダレディスイッチを押圧操作すると(ステップS16)、ステップS13に戻り、CPU30は機種「2」の脱着された部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックを再度実行する。
【0063】
そして、掛け違いチェックが良好と判定すると、次に機種「2」に使用する部品供給ユニット13Bが脱着されたか、言い換えると機種「2」のプリント基板6に装着される電子部品に係る部品供給ユニット13Bが脱着されたか否かが判定される(ステップS17)。この場合、どの配置番号に係るどの部品供給ユニット13Bが脱着されたかがわかるので、即ち脱着した部品供給ユニット13Bの配置番号がRAM32及びデータサーバ7に格納されているので、判定ができる。
【0064】
そして、機種「2」のプリント基板6に装着される電子部品に係る部品供給ユニット13Bが脱着されていないとCPU30が判定すると、作業管理者が運転開始スイッチを押圧操作することにより、機種「2」の運転が開始される(ステップS18)。
【0065】
また、機種「2」のプリント基板6に装着される電子部品に係る部品供給ユニット13Bが脱着されたと判定すると、CPU30は機種「2」の電子部品の整合性確認を実行する(ステップS19)。この整合性確認は、前記データサーバ7に登録されている部品供給ユニット13Bに関連付けられた電子部品の部品IDとこの部品供給ユニット13Bに現実に取り付けられている供給リールに係る部品IDとを比較して行われる。
【0066】
即ち、作業管理者がバーコードリーダ29を使用して収納テープが巻回収納された供給リールに付された部品情報(部品ID)を表すバーコードを読み取ると共に部品供給ユニット13Bに付されたシリアル番号を表すバーコードを読取る。そして、CPU30はこの読み取った供給リールに係る部品IDと前記データサーバ7に登録されている前記フィーダ・部品関連情報に基づいて読取ったシリアル番号を手掛かりとして入手したこのシリアル番号に対応する部品IDとを比較して機種「2」の電子部品の整合性確認を実行する。
【0067】
そして、この整合性の確認結果が良好か否かを判定し(ステップS20)、良好でないと判定されると、CPU30は異常処理をしてモニタ27に表示したり、その他の報知手段により異常を報知すると共に電子部品の登録処理を再度行い(ステップS15)、作業管理者が前記フィーダレディスイッチを押圧操作すると(ステップS16)、ステップS13に戻り、CPU30は機種「2」の脱着された部品供給ユニット13Bの掛け違いチェックを再度実行する。
【0068】
前記整合性の確認結果が良好か否かを判定し(ステップS20)、良好であると判定されると、掛け違いチェック結果は図15に示すように、配置番号「Fdr No.」(「215」、「217」、「218」)、「部品ID」、部品残数及びACVチェック(「OK(良好の意)」)がモニタ27に表示される。そして、作業管理者が運転開始スイッチを押圧操作することにより、機種「2」のプリント基板6の生産運転が開始される(ステップS18)。この場合、整合性の確認の実行がされて(ステップS19)、整合性の確認結果が良好と判定されて、機種「2」のプリント基板6への電子部品の装着に使用する脱着された配置番号「215」の部品供給ユニット13Bについて良好と判定されると、図14に示すように、部品供給ユニット13Bのシリアル番号(フィーダSN)「GD08080−000001」、登録部品ID「C1005T05B1」、部品ID「C1005T05B1」、レーンNo.(配置番号)「F215」、判定結果「OK(良好の意)」がモニタ27に表示される。
【0069】
また、図15に示すように、配置番号「Fdr No.」(「215」、「217」、「218」)、「部品ID」、部品残数及びACVチェック(「OK(良好の意)」)がモニタ27に表示される。即ち、機種「1」のプリント基板6への電子部品の装着に使用する脱着された配置番号「217」及び「218」の部品供給ユニット13BのACVチェック結果に加えて、機種「2」のプリント基板6への電子部品の装着に使用する脱着された配置番号「215」の部品供給ユニット13BのACVチェック結果が追加表示される。
【0070】
なお、プリント基板Pの機種「2」の生産を終えた後に、その次の機種への機種取替えをした後にも、前述と同様に(ステップS16〜S20)な制御がなされることとなる。
【0071】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0072】
1、2、3、4 電子部品装着装置
5 通信回線
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