特許第5775420号(P5775420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775420
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】レバー式コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   H01R13/629
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-234023(P2011-234023)
(22)【出願日】2011年10月25日
(65)【公開番号】特開2013-93186(P2013-93186A)
(43)【公開日】2013年5月16日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(74)【代理人】
【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 好裕
(72)【発明者】
【氏名】原田 剛
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−158430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する一対の側壁に形成されたレバー支持部と、内部に設けられた内側ハウジング係止部とを備え、相手のコネクタハウジングに嵌合接続される外側ハウジングと、
前記相手のコネクタハウジング内の端子金具に接続する端子金具を収容保持すると共に、前記外側ハウジング内に挿入されて前記内側ハウジング係止部により規定位置に着脱可能に係止される内側ハウジングと、
前記レバー支持部に回動可能に係合する回動用連結部を備え、前記回動用連結部を前記レバー支持部に係合させることにより前記一対の側壁に回動可能に結合されて規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作することによって前記相手のコネクタハウジングと前記外側ハウジングとを嵌合させる嵌合操作レバーと、
を備えるレバー式コネクタであって、
前記嵌合操作レバーには、前記外側ハウジングと相手のコネクタハウジングとの嵌合が完了する嵌合完了位置に配置されたときに、前記内側ハウジングを相手のコネクタハウジング側に押圧して、前記内側ハウジングを前記規定位置へ押圧固定する内側ハウジング補助係止部を備えたことを特徴とするレバー式コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー式コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、下記特許文献1に開示されたレバー式コネクタを示したものである。
このレバー式コネクタ100は、相手コネクタハウジングに嵌合接続される外側ハウジング110と、内側ハウジング120と、嵌合操作レバー130と、を備える。
【0003】
外側ハウジング110は、対向する一対の側壁111に形成されたレバー支持部としてのレバー支持軸112と、内側ハウジング120の係止のために内部に設けられた内側ハウジング係止部(不図示)と、を備えている。
【0004】
内側ハウジング120は、相手のコネクタハウジング内の端子金具に接続する端子金具141,142,143,144を収容保持する。また、この内側ハウジング120は、外側ハウジング110内に挿入されて、前記内側ハウジング係止部により規定位置に着脱可能に係止される。
【0005】
嵌合操作レバー130は、レバー支持軸112に回動可能に係合する回動用連結部としての軸嵌合穴131を備えていて、該軸嵌合穴131をレバー支持軸112に係合させることにより、一対の側壁111に回動可能に結合される。この嵌合操作レバー130は、外側ハウジング110に対して、規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作することによって、外側ハウジング110を相手のコネクタハウジングに嵌合させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−93871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載のレバー式コネクタ100では、相手のコネクタハウジングと嵌合接続の際に、内側ハウジング120が動いて嵌合不良等が生じないように、外側ハウジング110内での内側ハウジング120の位置決めを強固にする必要がある。
【0008】
しかし、内側ハウジング120の位置決めを強固にするために、例えば、外側ハウジング110の内部に設けられた内側ハウジング係止部による係止力を強化すると、外側ハウジング110に対する内側ハウジング120の着脱操作に大きな操作力が必要となって、組み立て時や保守時における操作性が低下するという問題が生じた。
【0009】
また、特許文献1に記載のレバー式コネクタ100では、内側ハウジング120の中途挿入を防止するための配慮は特に開示されておらず、内側ハウジング120が中途挿入状態で相手のコネクタハウジングに嵌合接続されると、端子金具相互の接続不良等の問題が発生するおそれがあった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消することに係り、外側ハウジングに対する内側ハウジングの着脱を小さな操作力で容易にでき、しかも、相手のコネクタハウジングへの嵌合接続の際には、内側ハウジングを堅固に規定位置に固定して、相手のコネクタハウジングとの接続信頼性を向上させることができ、更に、更に、内側ハウジングの中途挿入に起因する不都合の発生を防止することのできるレバー式コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の前述した目的は、下記の構成により達成される。
(1)対向する一対の側壁に形成されたレバー支持部と、内部に設けられた内側ハウジング係止部とを備え、相手のコネクタハウジングに嵌合接続される外側ハウジングと、
前記相手のコネクタハウジング内の端子金具に接続する端子金具を収容保持すると共に、前記外側ハウジング内に挿入されて前記内側ハウジング係止部により規定位置に着脱可能に係止される内側ハウジングと、
前記レバー支持部に回動可能に係合する回動用連結部を備え、前記回動用連結部を前記レバー支持部に係合させることにより前記一対の側壁に回動可能に結合されて規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作することによって前記相手のコネクタハウジングと前記外側ハウジングとを嵌合させる嵌合操作レバーと、
を備えるレバー式コネクタであって、
前記嵌合操作レバーには、前記外側ハウジングと相手のコネクタハウジングとの嵌合が完了する嵌合完了位置に配置されたときに、前記内側ハウジングを相手のコネクタハウジング側に押圧して、前記内側ハウジングを前記規定位置へ押圧固定する内側ハウジング補助係止部を備えたことを特徴とするレバー式コネクタ。
【0012】
上記(1)の構成によれば、相手のコネクタハウジングへ嵌合接続するために嵌合操作レバーを規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作したときには、嵌合操作レバーに装備されている内側ハウジング補助係止部が内側ハウジングを外側ハウジング内の規定位置に押圧して、外側ハウジング内の規定位置に対する内側ハウジングの係止力を高める。
【0013】
即ち、相手のコネクタハウジングに嵌合接続する際における内側ハウジングの規定位置への係止力は、外側ハウジングの内部に設けられた内側ハウジング係止部による係止力に、内側ハウジング補助係止部による係止力が加算された値になる。
【0014】
そのため、内側ハウジングに対する内側ハウジング係止部による係止力は、相手のコネクタハウジングとの嵌合接続時に必要となる固定強度(係止力)より小さく設定しておいても、内側ハウジング補助係止部による補助により十分な係止力を確保して、内側ハウジングのガタつき等に起因する嵌合不良等の発生を防止することができる。
【0015】
一方、外側ハウジングに対して内側ハウジングを着脱する組み立て時や保守時には、嵌合操作レバーを嵌合開始位置等に戻すことによって、内側ハウジング補助係止部による係止を解除すれば、内側ハウジングの着脱操作時の操作力は、係止力を弱めに設定した内側ハウジング係止部に対する着脱操作力で良い。
【0016】
従って、外側ハウジングに対する内側ハウジングの着脱を小さな操作力で容易にでき、しかも、相手のコネクタハウジングへの嵌合接続の際には、内側ハウジングを堅固に規定位置に固定して、相手のコネクタハウジングとの接続信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、嵌合操作レバーを規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作するとき、万が一、内側ハウジングが中途挿入の状態にあっても、嵌合操作レバーに装備されている内側ハウジング補助係止部が内側ハウジングを外側ハウジング内の規定位置に押圧するため、嵌合操作レバーの回動操作により中途挿入状態の内側ハウジングを正規の完全挿入状態に修復することができ、内側ハウジングの中途挿入に起因する不都合の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるレバー式コネクタによれば、相手のコネクタハウジングに嵌合接続する際における内側ハウジングの規定位置への係止力は、外側ハウジングの内部に設けられた内側ハウジング係止部による係止力に、内側ハウジング補助係止部による係止力が加算された値になる。
【0019】
そのため、内側ハウジングに対する内側ハウジング係止部による係止力は、相手のコネクタハウジングとの嵌合接続時に必要となる固定強度(係止力)より小さく設定しておいても、内側ハウジング補助係止部による補助により十分な係止力を確保して、内側ハウジングのガタつき等に起因する嵌合不良等の発生を防止することができる。
【0020】
一方、外側ハウジングに対して内側ハウジングを着脱する組み立て時や保守時には、嵌合操作レバーを嵌合開始位置等に戻すことによって、内側ハウジング補助係止部による係止を解除すれば、内側ハウジングの着脱操作時の操作力は、係止力を弱めに設定した内側ハウジング係止部に対する着脱操作力で良い。
【0021】
従って、外側ハウジングに対する内側ハウジングの着脱を小さな操作力で容易にでき、しかも、相手のコネクタハウジングへの嵌合接続の際には、内側ハウジングを堅固に規定位置に固定して、相手のコネクタハウジングとの接続信頼性を向上させることができる。
【0022】
また、嵌合操作レバーを規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作するとき、万が一、内側ハウジングが中途挿入の状態にあっても、嵌合操作レバーに装備されている内側ハウジング補助係止部が内側ハウジングを外側ハウジング内の規定位置に押圧するため、嵌合操作レバーの回動操作により中途挿入状態の内側ハウジングを正規の完全挿入状態に修復することができ、内側ハウジングの中途挿入に起因する不都合の発生を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係るレバー式コネクタの一実施形態の分解斜視図である。
図2】一実施形態のレバー式コネクタの嵌合操作レバーが嵌合開始位置に位置している組立状態の斜視図である。
図3図2に示した組立状態の側面図である。
図4図3のA矢視図である。
図5図4のB−B断面図である。
図6図5のC部拡大図である。
図7図4のD−D断面図である。
図8図3のE−E断面図である。
図9図8のF部拡大図である。
図10】一実施形態のレバー式コネクタの嵌合操作レバーが嵌合完了位置に位置している組立状態の斜視図である。
図11図10に示した組立状態の側面図である。
図12図11のG−G断面図である。
図13図12のH部拡大図である。
図14図12のI−I断面図である。
図15】従来のレバー式コネクタの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るレバー式コネクタの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1図14は本発明に係るレバー式コネクタの一実施形態の説明図で、図1は本発明の一実施形態のレバー式コネクタの分解斜視図、図2は一実施形態のレバー式コネクタの嵌合操作レバーが嵌合開始位置に位置している組立状態の斜視図、図3図2に示した組立状態の側面図、図4図3のA矢視図、図5図4のB−B断面図、図6図5のC部拡大図、図7図4のD−D断面図、図8図3のE−E断面図、図9図8のF部拡大図、図10は一実施形態のレバー式コネクタの嵌合操作レバーが嵌合完了位置に位置している組立状態の斜視図、図11図10に示した組立状態の側面図、図12図11のG−G断面図、図13図12のH部拡大図、図14図12のI−I断面図である。
【0026】
この一実施形態のレバー式コネクタ1は、図1に示すように、外側ハウジング10と、内側ハウジング20と、嵌合操作レバー30と、カバー40と、を備える。
【0027】
外側ハウジング10は、相手のコネクタハウジング50に嵌合接続されるコネクタハウジングで、対向する一対の側壁11に形成されたレバー支持部12と、カバー係止部として一対の側壁11の一端側に形成された第1カバー係止部13と、カバー係止部として一対の側壁11の他端側に形成された第2カバー係止部14と、内側ハウジング20を着脱可能に収容するハウジング収容部16(図1参照)と、ハウジング収容部16の内部に設けられた内側ハウジング係止部17(図5及び図6参照)と、を備える。
【0028】
レバー支持部12は、嵌合操作レバー30を回動可能に支持する部位で、本実施形態の場合は、略円柱状の軸部に形成されている。
【0029】
第1カバー係止部13は、後述のカバー40の一端側の第1ハウジング係止部41を係止する部位である。また、第2カバー係止部14は、後述のカバー40の他端側に形成された第2ハウジング係止部42を係止することで、カバー40の他端側を固定する。
【0030】
内側ハウジング係止部17は、図5及び図6に示すように、ハウジング収容部16の隔壁に突設された係止突起である。本実施形態の場合、内側ハウジング係止部17は、半球状の突起である。
【0031】
内側ハウジング20は、相手のコネクタハウジング内の端子金具に接続する端子金具(不図示)を収容保持して、ハウジング収容部16に装着される。内側ハウジング20は、図1に示すように、係止アーム21と、押圧受け部22と、を備える。
【0032】
係止アーム21は、図5及び図6に示すように、ハウジング収容部16への挿入方向(図6の矢印方向)に沿って延出した弾性片21aの先端側に、前述の内側ハウジング係止部17と係合可能な係合穴21bを形成した構造である。
【0033】
係止アーム21は、内側ハウジング20がハウジング収容部16内へ挿入されてハウジング収容部16内の規定位置に到達したときに、係合穴21bが内側ハウジング係止部17と係合して、内側ハウジング20を規定位置(相手のコネクタハウジング50に適正に嵌合接続される位置)に固定する。
【0034】
押圧受け部22は、後述の嵌合操作レバー30から押圧力を受ける部位で、内側ハウジング20の後端に設けられている。
【0035】
嵌合操作レバー30は、外側ハウジング10の一対の側壁11の外面に回動可能に連結される一対のレバー本体31と、これらの一対のレバー本体31相互の一端側を連結した連結壁32とを備える。一対のレバー本体31は、レバー支持部12に回動可能に係合する回動用連結部34と、ハウジング収容部16に収容された内側ハウジング20を押圧する内側ハウジング補助係止部36と、を備える。
【0036】
レバー本体31に装備された回動用連結部34は、本実施形態の場合、略円柱状の軸部であるレバー支持部12に回動可能に嵌合する軸嵌合穴である。
【0037】
嵌合操作レバー30は、外側ハウジング10に内側ハウジング20を装着した後、外側ハウジング10の一対の側壁11に回動可能に取り付けられる。一対の側壁11のレバー支持部12に回動可能に取り付けられた嵌合操作レバー30は、図3に示す回動位置である嵌合開始位置から図3の矢印R1方向に回動させて、図11に示す嵌合完了位置まで、回動させることができる。即ち、嵌合操作レバー30は、図3に示す嵌合開始位置から図11に示す嵌合完了位置の範囲で回動可能である。
【0038】
外側ハウジング10に装着された嵌合操作レバー30は、外側ハウジング10の先端に相手のコネクタハウジング50を突き合わせた状態で、前述の嵌合開始位置から嵌合完了位置に移動(回動)させることで、相手のコネクタハウジング50と外側ハウジング10とを嵌合させる。
【0039】
レバー本体31に装備された内側ハウジング補助係止部36は、図10及び図11に示した嵌合完了位置に配置されたときに、図12図14に示すように、内側ハウジング20の押圧受け部22を相手のコネクタハウジング50側に押圧する突起で、レバー本体31の内面に突設されている(図1参照)。
【0040】
内側ハウジング補助係止部36は、嵌合操作レバー30が嵌合開始位置にあるときは、図7図9に示すように、押圧受け部22から離れた位置にある。内側ハウジング補助係止部36は、嵌合操作レバー30の嵌合完了位置への回動に伴い、押圧受け部22側に移動して、嵌合操作レバー30が嵌合完了位置に到達したときには、図14に示すように、押圧受け部22を介して内側ハウジング20を相手のコネクタハウジング50側(図14では、矢印X2方向)に押圧して、内側ハウジング20を前述の規定位置へ押圧固定する。
【0041】
カバー40は、外側ハウジング10の後端側を覆うカバーである。このカバー40は、外側ハウジング10へ固定するための手段として図1に示すように、一端側に配置された第1ハウジング係止部41と、他端側に配置された第2ハウジング係止部42と、を備える。
【0042】
第1ハウジング係止部41は、外側ハウジング10の一端側に配置された第1カバー係止部13に係合可能なハウジング係合部として、カバー40の一端側に配置されている。また、第2ハウジング係止部42は、外側ハウジング10の他端側に配置された第2カバー係止部14に係合可能なハウジング係合部として、カバー40の一端側に配置されている。
【0043】
本実施形態のカバー40は、上記の第1ハウジング係止部41及び第2ハウジング係止部42を、外側ハウジング10の第1カバー係止部13及び第2カバー係止部14に係合させることで外側ハウジング10の後端に固定される。カバー40は、外側ハウジング10の後端に固定されることで、外側ハウジング10の後方に引き出される電線の引き出し方向を規制する。
【0044】
カバー40の外側ハウジング10への装着は、嵌合操作レバー30を外側ハウジング10に装着した後で行われる。
【0045】
以上に説明した一実施形態のレバー式コネクタ1によれば、相手のコネクタハウジング50へ嵌合接続するために嵌合操作レバー30を規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作したときには、嵌合操作レバー30に装備されている内側ハウジング補助係止部36が内側ハウジング20を外側ハウジング10内の規定位置に押圧して、外側ハウジング10内の規定位置に対する内側ハウジング20の係止力を高める。
【0046】
即ち、相手のコネクタハウジング50に嵌合接続する際における内側ハウジング20の規定位置への係止力は、外側ハウジング10の内部に設けられた内側ハウジング係止部17による係止力に、内側ハウジング補助係止部36による係止力が加算された値になる。
【0047】
そのため、内側ハウジング20に対する内側ハウジング係止部17による係止力は、相手のコネクタハウジング50との嵌合接続時に必要となる固定強度(係止力)より小さく設定しておいても、内側ハウジング補助係止部36による補助により十分な係止力を確保して、内側ハウジング20のガタつき等に起因する嵌合不良等の発生を防止することができる。
【0048】
一方、外側ハウジング10に対して内側ハウジング20を着脱する組み立て時や保守時には、嵌合操作レバー30を嵌合開始位置等に戻すことによって、内側ハウジング補助係止部36による係止を解除すれば、内側ハウジング20の着脱操作時の操作力は、係止力を弱めに設定した内側ハウジング係止部17に対する着脱操作力で良い。
【0049】
従って、外側ハウジング10に対する内側ハウジング20の着脱を小さな操作力で容易にでき、しかも、相手のコネクタハウジング50への嵌合接続の際には、内側ハウジング20を堅固に規定位置に固定して、相手のコネクタハウジング50との接続信頼性を向上させることができる。
【0050】
また、嵌合操作レバー30を規定の嵌合開始位置から嵌合完了位置に回動操作するとき、万が一、内側ハウジング20が中途挿入の状態にあっても、嵌合操作レバー30に装備されている内側ハウジング補助係止部36が内側ハウジング20を外側ハウジング10内の規定位置に押圧するため、嵌合操作レバー30の回動操作により中途挿入状態の内側ハウジング20を正規の完全挿入状態に修復することができ、内側ハウジング20の中途挿入に起因する不都合の発生を防止することができる。
【0051】
なお、本発明のレバー式コネクタは、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
【0052】
例えば、嵌合操作レバー30を回動可能に外側ハウジング10に連結する機構は、嵌合操作レバー30側に軸部を設け、外側ハウジング10側に前記軸部を回動可能に支持する軸係合穴を設けるようにしても良い。
【0053】
また、上記実施形態のレバー式コネクタは、外側ハウジングに1つの内側ハウジングが装着される構成であったが、外側ハウジング内に複数の内側ハウジングが装着される場合でも、装着する内側ハウジングの数量分の内側ハウジング補助係止部を嵌合操作レバーに装備することで、外側ハウジングに装着される全ての内側ハウジングに対して上記の作用・効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 レバー式コネクタ
10 外側ハウジング
12 レバー支持部
20 内側ハウジング
21 係止アーム
22 押圧受け部
30 嵌合操作レバー
34 回動用連結部
36 内側ハウジング補助係止部
40 カバー
50 相手のコネクタハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15